シナリオ

海渡る祈り~Anker抹殺の陣

#√妖怪百鬼夜行 #√EDEN #√マスクド・ヒーロー #Anker抹殺計画

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 #√妖怪百鬼夜行
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●夏は夜 祈り渡りて 星となる
「収まる気配がないね。サイコブレイドはどれだけのAnker候補を見つけたんだか」
 喪服のジャケットを傍らに放る|亜双義《あそうぎ》・|幸雄《ゆきお》(ペストマスクの男・h01143)は肩をすくめた。
 事件について、まだ把握できていない√能力者のために「改めて概要を説明するよ~」と、幸雄がそれぞれの端末へ資料データを共有していく。
「√マスクド・ヒーローにある謎組織『外星体同盟』が、『サイコブレイド』っていう外星体を刺客として送りこんだのよ。目的は√能力者の帰還先といえる、Ankerの抹殺。でも、Ankerって“普通の人や物、概念”がなることが多いの。要は判別しようがないんだよね……|普通は《・・・》」
 強調するように言っている理由は、サイコブレイドが、例外的な存在だからだ。
「サイコブレイドには『Anker、およびAnker候補を判別できる√能力』がある。この能力のおかげで、Anker抹殺計画を考案ができるワケ。Ankerが実質的な一般人である以上、襲撃されたら一巻の終わり」
 対抗できるのは√能力者のみ。
 抹殺計画を挫くためにも、地道に阻止し続けなければならない。

「今回の襲撃先は√妖怪百鬼夜行。夏祭りをやっているんだが、これが独特でな?
 祈願を書いた短冊を灯籠に忍ばせ、海に流すんだと。たしか“|祈渡《いのりわたし》の祭”だったか」
 七夕と灯籠流しを合わせたような祭事らしく、『祈りを海の向こうに渡し、天に送る』という祭りだそうな。
「実はおじさんのAnkerの|沢瀉《おもだか》・|巳神《みかみ》(未来の蛇女房・h01248)って獣妖も参加するんだけど、他にAnkerが居合わせれば、向こうも積極的に巻き込んでくるだろうね。相手は一人でも多くのAnkerを仕留めたい、チャンスは多いほうがいいでしょ?」
 標的が多いほど、敵にとっては好都合。
 居合わせたAnkerの守りを固める必要がありそうだ。
「で、だ。あちらさんは√EDENから回収した、大量のインビジブルを放って、包囲襲撃を仕掛けてくる。全方位から敵群が押し寄せる以上、暴走インビジブルを倒すより、Ankerを守り抜くことが最優先。Ankerにはインビジブルが見えないからね。見えない攻撃を避けろってのも無茶な話だ」
 √能力者だけが視認できる以上、安全確保できるのも√能力者だけ。
 今回は積極攻勢にでると、かえって危険を招きかねない。

 Ankerをインビジブルの暴走に巻き込み、暗殺する算段だが、阻止されれば、相手も話が変わってくる。
「インビジブルから耐えきったら、Ankerに直接手を下そうと指揮官が現れるだろう。そいつを倒せば|任務達成《ミッションコンプリート》。相手はサイコブレイドじゃなさそうだが……海にいる妖怪っぽくはあるかね」
 これからの時期、各世界で夏祭りが始まるだろう。
 今回の祭りは、古きよき日本の祭り、といった雰囲気になっている。
「出店も山ほどあるし、提灯が通りに吊るされた光景も見物だろうね~。メインイベントの祈渡は誰でも参加できるし、特に願い事がないなら、後から合流して防衛に専念してもいい」
 神に頼んでも解決しないことはある――この抹殺計画のように。

マスターより

木乃
 木乃です! 今回は√妖怪百鬼夜行からお送りいたします。
 |祈渡《いのりわたし》の祭に仕掛ける『Anker抹殺計画』を阻止してください!
 ※シナリオ内の時間帯は夜固定です。

●Ankerについて
 幸雄のAnkerである|沢瀉《おもだか》・|巳神《みかみ》(未来の蛇女房・h01248)が現地にいますが、プレイヤーのAnkerが参加していると、一緒に狙われることもできます。
 狙われたい方は、Ankerもシナリオ参加をお忘れなく!

●選択肢
『第1章🏠『お祭りを楽しもう!』 🔵5』
 √妖怪百鬼夜行で行われる“|祈渡《いのりわたし》の祭”に参加しよう!
 祈渡は『祈願を書いた短冊を灯籠に忍ばせ、海に流す』もので、
 海の向こうを渡った灯籠は天に届く……と考えられていたことが起源です。
 お祭りは誰でも参加OK! 出店や提灯が並ぶ光景から、古きよき日本の祭りを体験できるでしょう。
(お囃子は録音を流しているようですが、盛り上げ役は大歓迎なようです)
 巳神への接触は必須ではありませんが、声をかけたら喜ぶかもしれません。

 第2章⛺『暴走インビジブルの群れ』🔵11』
 Anker抹殺のために√EDENから回収したインビジブルを放ち、包囲襲撃をもって暗殺しようとしています。
 インビジブルをAnkerは視認できず、√能力者は全方位から押し寄せる敵群から、Ankerを守りきらなければなりません。
(インビジブルの殲滅、掃討より、Ankerの防衛が重要になってくるでしょう)

 第3章A👿『『???』🔵11』
 今回の抹殺計画における、指揮官との決戦です。
 サイコブレイドではないようですが、海にいる妖怪っぽい姿のようです。 
 指揮官を撃破できれば任務達成となります。

 以上です、それでは皆様のご参加をお待ちしております!
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第1章 日常 『お祭りを楽しもう!』


POW お神輿担ぎに参加する!
SPD 屋台巡りをする!
WIZ 盆踊りに混ざる!
√妖怪百鬼夜行 普通5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

●願いよ届け
 夜の√妖怪百鬼夜行とて、夏の祭りは欠かせない。
 今宵、海沿いの目抜き通りに屋台が並ぶ。
 ガス燈を模した街灯の間をヒモで繋ぎ、提灯が煌々と照らす人並みは、夜の海辺を目指す。
 スピーカーを通して、録音されたお囃子をが響き、祭りのムードをいっそう盛り上げていた。
「きゅうりの一本漬けはいかがかね~! さっぱりしつつ歯応えバツグンだよ~!」
「海坊主のイカ焼きさん、熱々でご提供中ですよ~。おつまみにもピッタリさんですよ~」
 屋台はわたがし、串焼き、リンゴ飴にたい焼きも。
 チョコバナナやカキ氷など、持ち歩きやすい料理が用意されているようだ。

 屋台通りを越えた先に、祭におけるメインイベント“|祈渡《いのりわたし》”の会場となった浜がある。
 防波堤を臨む形で並ぶ受付では、大勢の妖怪と人間が自身の願いを書き、短冊を流すための灯籠を浜で受け取っていく。
 受付に向かうと、担当の美女――もとい磯女が出迎えた。
「参加するのかい? なら、この和紙に願いを書いておいで。そしたら浜で灯籠を用意してるから、受け取ったら時間まで待っとくれ。『一斉に流さないのは不公平だ』って騒ぐヤツがいるから、そこは堪忍しとくれよ」
 気っ風のいい磯女は、快活に説明して短冊と筆を渡してきた。
 話しやすそうな雰囲気だったので『この祭りの由来とは?』と尋ねてみる。
「昔は地球って平たいと思われてたろ? 人間に話を聞いた妖怪も、水平線がお空に繋がっていると思ったのさ。最初に始めた妖怪も、死んだ人間に手紙を送ろうとして……それに乗じて色んな連中もやり始めたって訳よ」
 祈りを渡す――願いを対岸へ運ぶ、それが事の始まりだったようだ。

 磯女は「ま、祭りなんて開いたモン勝ちさ!」と、“気楽に参加してほしい”旨を伝える。
 夜の浜を、多くの灯籠が照らす――神秘的な光景に、√能力者はなにを思うか。
鳳・楸(サポート)
年齢の割に怜悧で落ち着いた娘です。良く言えば優等生的、悪く言えば面白みのない人間。どんな相手にも丁寧で穏やかな物腰で対応します。冷静沈着を旨としどんな状況でも年齢に不釣り合いなくらいの落ち着きと豪胆さを持って応じます。戦いは果敢で小さな体躯に似合わない中大型の刀を危なげなく操り前衛に立ちます。手足の短さはリーチの短さなので、後の先を取った戦い方をします。基本は刀のみで戦いますが裏をかいて至近距離で銃を抜くこともあります。

●夜の寄り道
 塾の帰りか、はたまたコンビニに行こうとしていたのか。
 |鳳《おおとり》・|楸《ひさぎ》(|源流滅壊者《ルートブレイカー》・h00145)は、ふとした拍子に√妖怪百鬼夜行に繋がる、世界の亀裂に入ってしまった。
 戻ろうとして振り返るが、すでに亀裂は塞がっている。
「日も落ちていますし、帰りたいのですが……この気配、周辺で祭りをやっているのでしょうか?」
 状況確認も兼ねて、楸は世界の亀裂探しのため、人妖入り交じる流れに乗ることに。
 予想通り、なにかの祭りであることは確かなようで、路肩に屋台がズラリと並んでいる。
 向かう先は――月の光さえも飲み込む、暗い海。

(「周囲の会話から精査するに、『願いを書いた短冊を灯籠に乗せて流す』という祭儀のようですね……ですが、世界の亀裂は――」)
 考えあぐねる楸だが、
「そ、そこの娘。はぐれ者ですか?」
 振り向くと、沢瀉柄の和装をまとった、長い黒髪の女性が、緊張した面持ちで楸を見つめている。
 |沢瀉《おもだか》・|巳神《みかみ》(未来の蛇女房・h01248)――狙われているAnkerの一人だった。
「連れ合いを探すなら、|我《われ》が迷子センターへ|案内《あない》しますが」
 妙に威圧的な言葉遣いだが、反面、目は泳いでいて、言葉を選んでいる雰囲気もあり……“たぶん悪い人ではない、たぶん”という印象。
「では、世界の亀裂を見ていませんか?」
 √能力者か確かめるべく、楸は正直に伝えると、不思議そうな顔をされたため、親切(?)な一般人だと判断した。

 話題を変えるべく楸が視線を巡らせ、巳神の灯籠に気付く。
「あなたも願いを流すのですね。えと」
「我は沢瀉家の巳神です、今年は大切な願いがありますゆえ……少し、遠出をば」
 大事そうに灯籠を抱きかかえる巳神の姿に、楸もわずかに興味が湧いた。
「“いい巡り合わせがあるように”でも良いのでしょうか」
「良縁祈願、良いではありませぬか。祈りが海を渡り、天から巡り巡ることもあるでしょう」
 その言葉を聞いて、楸は灯籠が点在する浜辺を眺める。
 人も妖も分け隔てなく集い、多くの灯籠に火が灯った光景は、厳かでありながら安穏としていた。
(「……もう少し、寄り道してもいいですよね?」)
🔵​🔵​🔴​ 成功

家綿・樹雷
アドリブ歓迎

サイコブレイドには同情するけど…無実の人をやらせるわけにはいかない

食べ物系を中心に屋台巡りを楽しむ
やきそば片手にわたがし食べたり、かき氷で頭がキーンとなったり
お祭りの食べ物は特別感があっていいよね

「祈渡か。神秘的でいいね(かきかき)サイコブレイドのAnkerが助かりますようにっと」
(ボクは√能力者を本質的にインビジブル…生命を欠落した事で√能力を得たのではないか。√妖怪百鬼夜行は餓鬼道、√ウォーゾーンは戦争道、√EDENは天道…√とは|行き先《来世》ではと推測してるけど。その場合祈りはどこへ行くんだろう)

今のうちに√能力『ようこそ探偵事務所へ』で戦場に封印の祠を転送、設置しておこう


 カランコロンと下駄を小気味よく鳴らし、子供が駆けていく。
 すり抜けていく姿を横目で見送り、|家綿《うちわた》・|樹雷《じゅらい》(綿狸探偵・h00148)は前に向き直る。
(「サイコブレイドには同情するけど、無実の人をやらせるわけにはいかない。あなたの本当の願いは、違うところにあるはず」)
「とはいえ、腹が減っては推理も捗らない。屋台巡りで英気を養おうかな」
 どろん煙な綿菓子、雪女の|氷山風カキ氷《練乳たっぷり金時》、くらげ火焼きそばという珍品も。
 端から端まで食べきるのは難しいが、それでも祭りの空気が樹雷の食欲をそそる。
「ん~……綿菓子もパチパチして食感が楽しいし、焼きそばも辛みが効いてるせいかな、カキ氷の甘さに飽きがこ、な、イタタ」
 勢いよく氷を口に運んでしまい、頭がキーンと痛みだす。
 それも含めて、祭りのご飯は楽しいモノと、樹雷は改めて感じた。

 食事を一通り楽しんでから、樹雷も夜の浜へ足を伸ばした。
「祈渡か、誰かを想う短冊を運んでいくなんて……神秘的でいいね」
 それも人と妖の間で生まれた文化。
 樹雷は手にした短冊に『サイコブレイドの|大切な存在《Anker》が助かりますように』と記す。
 誰かのために祈っても、バチは当たるまい。
 灯籠を受け取り、送りだすまでの間、海を眺めながら思案する。
 夜の海は物言わず、海中を暗く包み隠していた。
(「√能力者は本質的にインビジブルで……生命を欠落したことで、√能力を得たとか? 理屈というか、根拠がない以上、ボクの想像でしかないけど」)
「ボク達の祈りは、どこへ行くんだろうね」

 ほどなくして、祈渡の祭儀が始まった。
 それぞれが膝下まで海に浸かっていき、沖合に向かう潮流に乗せて、祈りを送りだす。
 無数の灯籠が海上を進む。その光景は、確かに夜空と一体になっているように思えた。
「今回は妖怪っぽい相手が出てきそうだし、封印の祠を……ん? 妖怪|っぽい《・・・》?」
 樹雷は自身の言葉に違和感を覚えた。
 そう。子供に“子供っぽい”とは言わない。子供のような人、という意味だ。
 つまり“妖怪”と“妖怪っぽい”は別物。――そして、発端は√マスクド・ヒーロー。
「古妖と断言しなかったのは、古妖じゃないから。さらに事件の大元は√マスクド・ヒーロー。
 全ての事実を結びつけるなら……妖怪じみた雰囲気の怪人、ってことかな」
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第2章 集団戦 『暴走インビジブルの群れ』


POW ブルータルファング
【赤い霊気】を纏う。自身の移動速度が3倍になり、装甲を貫通する威力2倍の近接攻撃「【インビジブルの牙】」が使用可能になる。
SPD トランススイム
【無数のインビジブルによる突撃】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【近接攻撃】に対する抵抗力を10分の1にする。
WIZ ポリューションレッド
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【赤き汚染】を、同時にレベル個まで具現化できる。
イラスト えだつぃ
√EDEN 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

●“見えない怪物”
 遠く遠くへ流されていく、無数の灯火は見えなくなり、他の参加者も立ち去っていく。
 その後も、|沢瀉《おもだか》・|巳神《みかみ》(未来の蛇女房・h01248)は一人、海上を眺め続けていた。
「空へ至らずとも、届く祈りはありましょう。望むことさえ許されぬ者もいるのですから」
 波打ち際に視線を下ろす仕草は、怯えて目を逸らしているようにも見えた。
 だが夏とはいえ、昼と夜との寒暖差から肌寒さを覚えて、巳神は細い腕を少しさする。
「……帰りましょう」
 踵を返し、防波堤の階段を上りきった直後。

 ――ズドォォンッッ!!

 爆破じみた騒音、砂煙を巻き上げる風圧に、巳神は勢いよく転がされる。
 何事かと振り返るが“何もない”――否、|彼女には見えないのだ《・・・・・・・・・・》。
「ち、近くに祠はなかったはず、何が起きているのです!?」
 砂が巻き上がり、防波堤を砕き、屋台骨が宙に打ちあげられていく。
 それはまるで、嵐の只中で孤立しているも同然だった。
 ――しかし、騒音は√能力者を引き寄せるアナウンスとなる。

 暴走したインビジブルが無差別に攻撃する。
 いずれAnkerをも蹂躙していく――だが、屋台骨を破砕すると同時に、霧散する個体もいる。
 どうやら、あのインビジブル達は、限界以上の力を振るっているらしい。
 全方位襲撃へ積極攻勢に打てば、Ankerの守りが手薄になってしまう。
 |嵐が静まる《消失する》まで、|耐え続ける《防衛する》。それがこの場での“戦い方”となりそうだ。
望月・惺奈(サポート)
ご機嫌よう。錬金術士の望月惺奈です。

困っている人は放っておけない質なので積極的に助けに動きます。
人当たりが良いお嬢様で、対人関係等も柔らかく、友好的に接します。
誰かを助ける為に、また錬金術の素材集めの為ならば全力で戦います。

トラブル解決の方法は錬金術です!
非戦闘依頼なら錬金術でその問題の解決に役立つ物を調合したり、事前に錬金していた物を使って解決を。

戦闘依頼なら錬金術で作った多種多様な銃火器による射撃戦から錬金術士用の杖を駆使した近接戦闘を保有技能を使用したりしつつ行います。

√能力や技能についてはその時々に最も適した物を活躍します。

アドリブ歓迎です!
赤龍院・嵐土(サポート)
『悪を倒して未来へ投資』がモットーの『闘志戦隊ファンダーズ』のリーダー『プレジデントレッド』をやっています
√能力で召喚できる仲間をざっくり説明すると
青 嵐土に心酔する執事
黄 ノリで生きるギャルメイド
白 王子様系走り屋で黒の弟分
黒 嵐土に反抗的なアウトロー

たまたまいた誰かのAnkerに臨時用変身ブレスレットを貸して一緒に戦ってもらうのもアリです(名称はバイトバイオレットとか適当に)

戦闘ではドラゴンズケインを打撃&射撃の杖モードと斬撃のソードモードで使い分けて戦います
また、巨大な敵にはファンダードラゴンに乗って戦います

√能力は活性化した物をどれでも使用します
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
レイシー・トラヴァース(サポート)
あたしはレイシー。Ankerには女子の割に口調が荒いとか、ガサツだとか言われてる。ま、気にしてないけどな!
細かいこと考えて戦うのは苦手だから、作戦とかは立てずに突撃して、√能力も適当に選んで使う。近くに頭いいやつがいたらそいつに合わせたり、他のやつに迷惑かけないように空気読んだりもするぜ。
多少怪我するくらいなんてことねーし、うっかり死んでも……ま、すぐ蘇生するだろうし、いっか。
戦いがいらないなら、冒険だろうが日常だろうがその場を全力で楽しむぜ。ダンジョンのトラップだって、結構楽しいしな!

●悃願
「な、何が起きて……誰か、助けて……!」
 |沢瀉《おもだか》・|巳神《みかみ》(未来の蛇女房・h01248)は暴走する|見えない怪物《インビジブル》達の渦中で、頭を抱えてうずくまる。
 大地が揺れるでもなく、気流が乱れているでもなく、周辺に置かれたままの屋台骨が飛び交い、街灯がへし折れていく|だけの《・・・》光景に、恐怖するしかなかった。
 しかし、今宵はよく亀裂が走る――世界の亀裂から三人の√能力者が姿を現す。

「ようやく会合を終えたというのに、うっかり世界移動してしまったか」
 |赤龍院《せきりゅういん》・|嵐土《らんど》(プレジデントレッド・h05092)は騒動を前にしても、普段の余裕を崩さず、
「いけませんわ、インビジブルに襲われている方がいらっしゃいます!」
 気付いた|望月《もちづき》・|惺奈《せな》(存在証明の令嬢錬金術士・h04064)の声に、レイシー・トラヴァース(星天を駆ける・h00972)は首を傾げ、
「襲われてる、っつうか……無差別攻撃に見えねえか? でも、あのままだとヤバいな」
「君達も“視えている”な? 視えない者にとっては恐ろしい状況だ、ヒーローとして見過ごす訳にはいかない」
 そう言いきると同時に、ファンダーブレスに手を添え――変身!
 プレジデントレッドとなった嵐土を筆頭に、惺奈とレイシーも、荒れ狂うインビジブルの渦中へ飛びこんでいく。
 目に付くモノに襲いかかるインビジブルの一部は、赤い霊気をまとって牙を剥きだし、嵐土めがけて突撃をかける。
「人質とは少し事情は異なるが、彼女を解放してもらうぞ!」
 ドラゴンズケインを抜き、光線で迎撃すると、
「イエロー、ブルー! 俺の指示する方向へ仕掛けろ!」
 《|三色一体《ファンダー・トライコンビネーション》》で、嵐土はメイドイエロー、バトラーブルーを召喚。
 どちらも嵐土のAnkerであり、目視できないデメリットを嵐土自身がカバーしていく。
 暴走しているせいか、イエローの牽制射撃への反応は薄い。
 しかし、ブルーの|亀甲障壁《カラペース・バリア》が捕縛したことで、突破口を強引に開き、巳神の元へ惺奈達が到達する。

「ご無事ですか? 動くとかえって危険な状況とお見受けします、しばし耐えてくださいませ」
 惺奈の呼びかけに、巳神は顔を上げるが“訳が解らない”という表情。
「耐える? 何を耐えるのです?」
「あたし達に任せとけってこと、そのまま屈んでおきな!」
 状況を飲み込めないだろうが説明できない以上、レイシーでなくとも『身の安全を優先しろ』と言う他ない。
 レイシーがマジックランチャーを構えるや、惺奈が《|未来を望む希望の錬金《アヴニール》》による、未来を照らす可能性の光で、マジックランチャーを照らす。
 すると、26年分の|技術革新《イノベーション》を与えられたことで、火力と耐久性が拡張されたようだ。
「時間経過で数を減らしてるみたいだけど、そんなの関係ないね!」
 レイシーがマジックランチャーを壁の如く配列し、大量の《マジックミサイル》が放たれる。
 機動力も命中率も関係ない――石を投げれば当たるほど、インビジブルがいるのだから!
 散らばる残骸ごと噛み千切らんと、赤い霊気をまとったインビジブルはレイシーにも襲いかかり、別方向から自爆する形で赤き汚染を放つ個体を惺奈は確認する。

(「建物の雰囲気から見て、おそらく√妖怪百鬼夜行ですが、この方が情念に溺れているとは思えません。……これは他√のAnkerを抹殺する計画でしょうか?」)
 嵐土達がインビジブルが相手取る中、惺奈は巳神への流れ弾を阻止すべく、|緊急錬金反射障壁《リフレクトシールド》の発動術式を展開。
 せまる汚染にも、錬金術での分解を試みる。
「|皆《みな》が、我に“消えろ”と……古妖と連なる者は報いを受けよ、と願っている……」
 微かな残滓によって、疑心暗鬼が生じたのか。巳神はブツブツと自分を否定する言葉を吐きだす。
 同じ妖怪達への疑心を煽られたようだ。――その台詞を聞き、惺奈が唇を噛みしめる。
「それでいいのですか? 忘れてほしい、消えてしまいたいと思っていますの? ……私なら、受け入れられません。私を知らない人の言葉なら、尚更です!」
「――っ!」
 惺奈の言葉に正気を取り戻したのか、巳神の言葉が途切れた。
 汚染を分解したことで、影響を抑えることができたようだ。

 力尽きたインビジブルが霧散し、数を減らしていく。
 それでも何かを訴えるように、残る怪物達は猛威をふるう。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​ 成功

家綿・樹雷
アドリブ歓迎

「妖怪探偵、家綿・樹雷推参!√能力者にしか見えない敵が出ています。危ないので逃げ遅れた方はボクの後ろに!」

防衛のため封印の祠を盾に。可能なら祠に封印も試みる
どろん煙幕を多く出して自分や護衛対象を迷彩、敵の動きを|推理《見切りと第六感》で割り出し、罠使いで夜店で買っていた妖怪ねずみ花火や爆竹を使って音で誘導したり、幻影使いと半人半妖香の香りで煙幕に幻影を見せて敵をおびき寄せ、攻撃目標を逸らすことを重視
迫る敵は綿マフラーを|化術《変身》で注連縄に変化させ喧嘩殺法で対処したり、妖精式催眠拳銃で眠らせる
大量の敵が迫るなら√能力『自白の催眠榴弾』で処理

「必ず守りますのでご安心を」強がり笑顔で
天霧・碧流
★アドリブ歓迎。正義感は皆無ですが、√能力者の迷惑になるような行為はしません。巳神さんは守ります。(が、本人は『守っている』とは思っていない感じです

ああ、こんなに暴れまくっているやつらを視認することが出来ないのか…もったいないな。
こいつらこんないい顔してるのにな…フフ。

ほらほら来いよ来いよ!これが俺にとっての祭りだ!

◆行動
巳神からはなるべく離れない。
敵を近づかせないように、【紅の波動での範囲攻撃・影毒鏢での遠距離攻撃】を主に使用。
特に赤い霊気”を纏った者がいれば影毒鏢で早く仕留める。
猛スピードで突っ込んでくるなら無敵の破滅でこちらもブースト。

代償は承知の上さ。まあ痛み自体は感じないんだけどな。

●乱痴気騒ぎ
 狂騒する渦中へ飛びこまんと、|家綿《うちわた》・|樹雷《じゅらい》(綿狸探偵・h00148)が屋根伝いで飛びこみ、
「妖怪探偵、家綿・樹雷――推参!」
 華麗にヒーロー着地を決める。
 うずくまる巳神は横目で樹雷を見上げ、視線がかち合った。
「把握していると思いますが、ここに|ボク達《√能力者》にしか見えない敵が出ています。そのまま動かないでくださいね」
 封印の祠を構える樹雷だが、飛びかかってくるインビジブルを封印できないか試みる。
 だが、衝突すると同時に、敢えなく弾き飛ばされた。
(「暴れるクマを拘束するのと同じ、ってところか……捕まえるにも、大人しくさせないとだ」)
 思考している樹雷の隙を突くように、インビジブルが直上から巳神に迫る。
 気配すら感じとれないことで、巳神に回避する選択肢はない。だが、

「あっは、面白いことが起きてる」

 迫るインビジブルに、横槍を入れた人影がひとつ――受けたインビジブルは衰弱していたのか、音もなく散っていく。
「こんな愉快な光景を見ることもできないのか……もったいないな」
「気でも触れたのですか!?」
 ふらりと現れた|天霧《あまぎり》・|碧流《あおる》(忘却の狂奏者・h00550)は、縮こまる巳神を見下ろしながら、楽しげに口元を歪める。
「あなたも√能力者ですね? 手を貸していただけたら――」
「俺は俺の好きにやる。そっちも好きにすればいいから」
 袖にされた樹雷は呆気にとられるが、それも碧流には“興味がない”のだろう。
 碧流が影のように揺らぐ左腕を、血の如き真紅に輝かせ、棘の鞭と化した《無敵の破滅》による連撃を周囲に撃ち据える。
「こいつ目当てか、じゃあ近くに居たほうがコンボ稼げるな? ――ほらほら来いよ来いよ! これが俺にとっての祭りだ!!」
(「えーと、守りには繋がっていそうだし……好きにしてもらっていい、かな?」)
 全方位とはいかずとも、横に広く対応できる点は強みとなる。
 この場では、攻めるための要素は重要ではない。防衛するための要素こそ重要だ。
「我が何をしたと言うのです!? も、もう帰らせてください……!」
(「ボクも怖いけど、Ankerの皆は見えないナニカに一方的に襲われるだけ……それって、絶望しかないよね」)
「必ず守りますので、ご安心を」
 怯えきった巳神を励まそうと、樹雷は引き攣りそうな頬に力を入れ、笑みを作った。

 そして負けじと、樹雷もはじかれた祠を拾いに向かうがてら、インビジブル達の撹乱を試みる。
 半人半妖香とどろん煙幕を焚き、爆竹などの炸裂音を収録した“狸妖怪探偵の七つ道具”の録音機を浜のほうへ投げ放つ。
『――!!!』
 解析不能な言語を叫び、狂騒するインビジブル達の暴走が一時的に勢いを増す。
 音への驚き、幻影への困惑。過敏に反応する様子は、いうなれば、燃え盛る火を強めた状態。
 しかし、悪いことばかりではない。
 彼らは消失するほどの、限界以上のパワーを出力し続けている――裏を返せば、エネルギー消耗を促したとも言えよう。
「友軍がいるなら、積極的に使ってもいいよね」
 頭上からひとかたまりに迫るインビジブル達に、樹雷が催眠拳銃を向ける。
 射出された《|自白の催眠榴弾《コンフェション・スリープグレネード》》が、インビジブルの群れを捉えると、幻覚でもがき苦しむように爪痕を残し、消えていく。
「いいねぇ、ネズミ花火みたいにバタバタ暴れ回って。アスファルトの上で死にかけたセミみたいだ!」
 樹雷の√能力で強化付与され、碧流は暴れ狂うインビジブルに、意気揚々と棘の鞭を振るい続けた。
 牙を突きたてられようと、その口の中ごと棘で引き裂き、姿をかき消していく。

 ――そして、嵐は過ぎ去った。
 インビジブルが消失し、屋台骨と街灯だったものの残骸だけが残される。
「お、収まった……?」
 騒ぎが収まり、ようやく巳神は泣きそうな顔を上げる。
 裾についた砂埃を払い落としてから、√能力者に向き直った。
「褒めてつか――ではなく、感謝申し上げます。心苦しいのですが、返礼に|適《あた》う品が手元にな」
 恭しく告げる礼は、野暮な横槍によって、言い切ることはできなかった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 ボス戦 『クイーン・アトランティス』


POW 深海からの威迫
「【跪きなさい!】」と叫び、視界内の全対象を麻痺させ続ける。毎秒体力を消耗し、目を閉じると効果終了。再使用まで「前回の麻痺時間×2倍」の休息が必要。
SPD オレイカルコス・トリアイナ
自身の【扇】を【宝石のよう】に輝く【オレイカルコスの三叉槍】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
WIZ アトランティック・オーパーツ
【海中超文明光線】を放ち、視界内の対象1体の装備ひとつに「レベル年分の技術革新」を与える。
イラスト 斧々
√マスクド・ヒーロー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●一難去ってまた一難
 |沢瀉《おもだか》・|巳神《みかみ》(未来の蛇女房・h01248)が状況を理解したのは、自身が黒い触手で拘束された後だった。
「こ、今度はなんなのです!?」
 拘束を振り払おうと身動いでみるが、全く緩む気配はない。
 動揺する巳神を捕らえた張本人は、豪奢な巻き髪を揺らして、ゆったりと陰から現れた。
「海を舞台とする祭儀、粋な催しね? ……灯籠を流すことを除けば」
 |サイコブレイド《刀剣》を手に現れたのは、“人魚の女王”クイーン・アトランティス。
 祭りの一部始終を眺めていたのか、覗き見える左目から嫌悪が滲ませていた。
「ゴミを海に流すような、下賤な連中を守らなくてはならないなんて。√能力者も大変ね」
 嘲笑するクイーン・アトランティスに、我慢ならぬと巳神は声を張り上げ、
「海を汚さぬよう知恵を絞る者、祈りを込める者の情を誹るなど……非礼を詫びなさい!」
 怒りをぶつける巳神へ、女王が侮蔑の眼差しを向ける。
「生意気ね、捕まっているくせに。ただの妖怪がどこまで耐えるか、試してから始末しても悪くないかしら」

 巳神が食ってかかったことで、クイーン・アトランティスの意識が巳神に向いた。
 √能力者を前にして余裕があるのか、海へ灯籠を流す行為がよほど許し難いのか。
 この一瞬をどう活かすかは、√能力者次第となる。
天霧・碧流
★正義感皆無ですが、√能力者の迷惑になるような行為はしません。巳神さんは守ります。

◆心情
フフ…簒奪者相手に勇ましくて良いねぇ。ここで俺がしくじったら|主人格《碧流》に格好がつかないな。

◆行動
巳神が気を引いてくれている一瞬、【暗殺】技術と【ダッシュ】で一気に距離をつめて√能力(1回目)で思い切り敵の頭をぶん殴る。
その後は【挑発】して敵を巳神から引き離す。
√能力(2回目)は敵√能力時の時に叩きこんでより深く痛みを刻み込む。

「灯篭を捨てるな…ねぇ。分からんでもないが、それは海がアンタ(敵)の物だった場合の話だ。ここの祭りが嫌ならどっかの海で1人で騒げばいいじゃねぇか、1人じゃ寂しいのか?ハハハ!」
ルイ・ラクリマトイオ(サポート)
老若男女誰に対しても、丁寧なですます口調で話します。
態度も人によって変わらず、従者のような丁寧さがあります。
誰かの力になりたい、という思いが強いです。

ヒトの身を得てからの年数が浅く、色んなことに興味津々です。
ですが、やるべきことが定まった時は一切の躊躇なくことに及ぶタイプでもあります。
また、美しく在ることにプライドがあり、公序良俗に反すること、あからさまに品のないことはやらないタイプです。

身の軽さを活かして敵を翻弄しつつ、√能力を使って攻撃します。

その他、依頼の成功に協力します。

●矛先
 クイーン・アトランティスは、黒い触手の拘束を強め、絞めあげる痛みに巳神が呻き声をもらす。
「このまま手足をじわじわ潰して、もっと蛇らしい姿にしてあげるわ?」
「う、っ……暴力で、服従するとでも? 他者の胸中を蔑む者に、我は屈しませぬ!」
 先ほどまで“縮こまるだけの弱者”と見ていた|天霧《あまぎり》・|碧流《あおる》(忘却の狂奏者・h00550)は、反発する態度に感心していた。
(「簒奪者相手に勇ましくていいねぇ。命をトられるかもしれないって場面で、啖呵を切るとは」)
 いざ飛びだそうとする碧流だが、新たな気配に踏み止まった。
 気配の主は、ルイ・ラクリマトイオ(涙壺の付喪神・h05291)――拘束される人化け妖怪と怪人の口論に、状況を瞬時に把握する。
「あの怪人さん、よほど醜い言葉を浴びせたようですね。僭越ながら、助力させていただきます」
「好きにしたらいい。俺の邪魔さえしなければな」
「では、手始めに引き剥がします」
 たおやかな微笑を浮かべるや、ルイは碧流とともに、クイーン・アトランティスへ大きく踏みこむ。

 碧流が先手を打つべく、《|FORGOTTEN BALLAD《ワスレラレタサケビ》》を発動し、|血塗れの調べ《金属バット》を振りかぶる。
 √能力によって身体が強化されると同時に、過負荷で軋む感覚が右腕を駆け巡っていく。
(「……ここで俺がしくじったら|主人格《碧流》に格好がつかないな!」)。
 それにも構わず、躊躇いなく振り下ろした金属バットがクイーン・アトランティスの脳天を捉えて、同時に碧流の右腕から“ゴギリ”と骨の折れた鈍い音が響いた。
「ッ!? この、なんと不作法な……ッ!」
「ハハッ! 勝手に背中を向けたくせに逆ギレかよ? 灯籠を捨てるな、ねぇ……ここの海はアンタの領土じゃないよな? |他人の家《余所の√》に土足で踏みこんで、我が物顔で居座ってるだけだろ」
 頭を押さえ、ふらつくクイーン・アトランティスに、ルイが軽やかな身のこなしで別角度から迫り、
「どうか、力をお貸しください」
 《|千里を駆けるあい色の影《カゲヒメ》》――思念集合体:影媛と完全融合し、闇撫の爪先による蹴撃で蹴りあげると同時に、巳神から距離をとらせる。
 空間引き寄せ能力により、引き離される形となったクイーン・アトランティスだが、手にする扇を宝石のように輝く“オレイカルコスの三叉槍”に変形させていく。
 煌びやかな槍を流れるように振るい、ルイと碧流を飛び退かせ、間合いをひらいた。
「反抗的な目、気に入らないわ。その両目ごと串刺しにしてあげるから!」
 地上を滑るように疾駆するたび、砂埃が巻き上がり、クイーン・アトランティスは砂埃を貫くように連撃を放っていく。
 穂先が頬を掠めながらも、弾かれた勢いを殺そうと受け身をとり、碧流が再び金属バットを握り締めた。
「そもそもお呼びじゃないんだよ。嫌なら海の底に帰って、1人で騒いでろ!」
 槍の直線的な動きを捉え、碧流が引き戻す瞬間を狙い、√能力を乗せた一撃を再度放つ。
 三叉槍を持つ細い手に重鉄を叩きこみ、粉砕する代償として、右手からバットが落ちた。

「ああ、1人じゃ祭りにならないか。馬鹿騒ぎにもなりゃしない……寂しいなぁ、ハハハ!!」
「言わせておけば、図に乗って!」
 挑発的に高笑いする碧流に、片腕を押さえながらクイーン・アトランティスが舌打ちする。
 機嫌を損ねていた影響か――怒りの矛先は、巳神から√能力者へ移っていた。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

青木・緋翠(サポート)
平穏な暮らしを維持するために戦いに赴くことが多いです。見知らぬ他人でも、誰かが傷つくのは嫌ですから。ただ、悲しみが欠落しているため、あまり同情的にはなれないかもしれません。

パソコンの付喪神のため、機械のように精密な動き・効率的な行動を得意としていますが、状況に応じて臨機応変に対応できます。
手順やレシピに従った行動は得意ですが、センスを問われるアレンジや芸術性の高い行為は苦手としています。

事件では味方とも連携し、役割分担して行動します。俺自身よりも一般人や味方の安全を優先し、効率の良い方法を選択しましょう。
多少の怪我は問題ありませんし、必要であれば囮や詐術もこなします。

アドリブ・アレンジ歓迎です
夏之目・孝則(サポート)
人間(√妖怪百鬼夜行)の不思議本屋店主×妖怪探偵、26歳の男です。
普段の口調は「一人称は「某」、~君、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?」です。

√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!

√能力【諸国百物語】の場合、誰かにお渡しするのも良いですし、某に使っても良いです。

●救援
 不穏な気配は、周囲の√能力者にも届いていたのだろうか。
 |青木《あおき》・|緋翠《ひすい》(ほんわかパソコン・h00827)、|夏之目《なつのめ》・|孝則《たかのり》(夏之目書店 店主・h01404)が不審な空気に気づき、件の戦場に現れる。
「黒い触手、拘束された人、壊された器物……立派な現行犯ですが、あの人もAnker候補でしょうか?」
「岩壁に拘束される女性、さながら王女アンドロメダを思い出しますね。怪人の注意が逸れている今、救出する絶好のチャンスです」
 緋翠が“Ankerの資質を持つ者”を対象に《自動修復》を発動し、|存在情報《メタデータ》から算出した修復コードを放つ。
 絞めあげる触手のパワーに耐えられるほど、巳神の防御力が強化され、かつ毎秒負傷を癒やす√能力により、手足が引き千切られる不安はなくなった。

 そのまま緋翠が光ディスクで、黒い触手を効率的に切り落とし、孝則も探偵刀で斬り捨てていき拘束を解く。
「ケホ、ケホ……」
「急ぎこの場を離れましょうか」
 孝則が手を引き、巳神を立たせようとしたとき。
 クイーン・アトランティスが緋翠達に気付き、歯噛みして|サイコブレイド《刀剣》を構えた。
「逃がさないわ、その女は痛めつけてから始末するのだから!」
 目くじらを立てる人魚女王へ「ほほう」と顎を撫でつつ、孝則が向き直る
「どのように痛めつけるので? まさかその剣で膾斬りにするという、よくある手法ではないですよね。拷問具を用いるので? それとも、精神的苦痛で心を折るのでしょうか」
 昨今の文学表現でも見ないような、月並みな台詞に、孝則は問い質す。
 そうやって注目を引いている間に、緋翠が巳神を肩に担いでいく。
 |√能力《自動修復》で圧倒的な防御力を誇り、負傷が毎秒回復する状態を維持させた方が危険性が低い――行動できないなら、そこは緋翠が補えばいい。

「某,とても興味があります。後学のために教えていただけますか?」
「そんなに知りたいなら、実際に経験しなさい!」
 斬りかかるクイーン・アトランティスへ、孝則は呪符を引き抜いた。
 《怨敵退散》――投げ放った呪符が接触すると同時に、呪詛の余波がクイーン・アトランティスに襲いかかる。
 それと同時に凶刃が孝則に迫り、さらに緋翠もその場を飛びだす。
「あ、あの者を置いていくのですか!?」
「戻るとあなたが殺されます。あなたに傷ついてほしくない人は、そんな状況をどう思うでしょうね」
 そういった感情が理解できなかったものの、『親しい存在を引き合いに出されては黙るしかない』ことも想像に難くない。
 孝則が引き留めている隙に、緋翠は安全圏まで駆け抜けていった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

家綿・樹雷
アドリブ歓迎

他の人に意識が向いてる間に|化術《変身》で素早く動ける小動物に変身、どろん煙幕の迷彩と綿ブーツの足音を無音にする効果も利用して死角に回り込み、√能力『綿マフラー・森羅万象モード』で不意打ち攻撃。

「巳神さんが味わった認識できない敵からの攻撃、今度はあなたが味わうといい」
敵の攻撃は上昇した反応速度と相手に与えた認識不能、あと第六感を利用して回避

「水には雷属性が鉄板だけど、あなたにはどうかな?」
雷属性を付与した綿マフラーの第三第四の手と自分の体を使った|妖怪バリツ《喧嘩殺法》で、海に逃がさないよう動きを見切って追い詰める

「海に棲む妖怪の祟りもあるから海洋汚染は他の√より配慮されてるよ」
八木橋・藍依
環境問題とかSDGsとか
色々と問題になりやすいこのご時世に
ゴミが問題になるような祭りを開催する訳が無い
そんなことをしたら
とっくに世間に叩かれ祭りは開催中止に追い込まれているだろう

いるんですよね
それっぽい理由を付けて他人様に迷惑を掛ける連中
記者としてAnker抹殺計画を行う怪人が居ると知らせる使命があるので
我が社の新聞に載せるためにあなたの写真は撮らせてもらいますよ

戦闘ではHK416で攻撃を行います
攻撃回数と移動速度が4倍になるのは厄介ですが
閃光手榴弾で不意に目が眩んだら動きを止める瞬間があるはず
その瞬間を逃さずに「衝撃の瞬間!」で敵の姿をカメラに収めましょう
仕事が終わったら新聞社に帰りましょう

●跳ね返る
 巳神が他の√能力者に運ばれる様子を、|家綿《うちわた》・|樹雷《じゅらい》(綿狸探偵・h00148)は防波堤の陰で確認していた。
 隠れる直前、猫に変化していたが、それを解くとブーツの紐を強く結び直す。
「あの蛇女……逃がさないわ!」
(「片腕が使えなくなっているとはいえ。気が立っている相手に仕掛けるなら、もう一押し欲しいとこ……ん?」)
 興奮するクイーン・アトランティスの動向を窺っていた樹雷だが、また新たな人影が近づいてきたことに気付く。

「いるんですよね。それっぽーい理由をつけて、他人様に迷惑をかける人って? 今回の見出しは“人魚怪人、妖怪の伝統行事へ難癖つける!”でしょうか」
 右手に|HK416《アサルトライフル》、左手に事件帳簿、その身に纏うは新聞記者の制服。
 ゆっくりと歩いてきて、|八木橋《やぎはし》・|藍依 《あおい》(常在戦場カメラマン・h00541)は口元に笑みを作った。
「私には“記者”としてAnker抹殺計画に関わった存在を、広く知らせる使命があります。あ、確認ですけど、写真の掲載許可ってもらえます?」
 軽妙な口振りで許可を求める藍依だが、先の挑発が聞き流されたわけではない。
 傷の増えた扇を手に取り、クイーン・アトランティスが“オレイカルコスの三叉槍”へ変形させると、
「不敬者に許すことなんてないわよ!!」
 砲弾のごとき勢いと迫力で、藍依に輝く三叉槍を突きだす。
 ほぼ同時に√能力を発動し、カメラマンとしての根性魂を充填し始めるや、高速移動するクイーン・アトランティスへHK416で応戦していく。
 機関銃と比べれば、アサルトライフルの連射性は抑えめ。
 だが、連射による反動も抑えられることで、動き回るクイーン・アトランティスに照準を合わせやすい。

 そして、その光景を樹雷は好機とみる。
(「ボクの欲しかった一手だ、この機を逃しちゃいけない」)
 背中が向いた瞬間、防波堤の陰から飛びだし《綿マフラー・|森羅万象《ホンキ》モード》を発動。
 打綿狸の綿マフラーが“第三第四の手”に姿を変えていく。
「巳神さんが味わった“認識できない脅威”からの攻撃、今度はあなたが味わうといい」
 急襲する形で、クイーン・アトランティスの背を、第三第四の手で掻き切りにかかる。
 豊かな巻き髪ごと、稲妻を迸らせる複腕で焼ききることで、その背に裂傷を刻み込んでいく。
「っ、かは……小賢しい、マネを……隠れるなら引きずり出すまで!」
 しかし、複腕によって認識能力に異常を来したクイーン・アトランティスは、視認できるハズの樹雷ではなく、周囲に散乱する屋台骨を穂先でめくりあげる。
 様子がおかしいことには、藍依もすぐに気付いた。
(「彼の攻撃の影響でしょうか? 認識障害があっても、反射行動なら誘発できますよね」)
「よそ見してる場合ですか? |ビッグバン《・・・・・》なプレゼントがありますよ!」
 そう言って、藍依は樹雷のほうを見ながら閃光手榴弾を取りだしつつ、目元を手の甲で覆うジェスチャーを見せた。
 樹雷も意図に気付き、咄嗟に目を覆う――そして、クイーン・アトランティスが振り向くと同時に、藍依の手から閃光手榴弾が放たれる。

 ――ッキィ……ン!

 膨大な光量が炸裂して、一瞬、周囲が昼と見まごうほどに明るくなった。
 夜という暗い空間で、目に沁みるような閃光――極端なコントラストに、クイーン・アトランティスも反射的に顔を逸らす。
「ゴシップメーカーではありませんが、写真って解りやすい情報なのでっ」
 |充填完了《きっかり60秒》。
《|衝撃の瞬間《シャッターチャンス》!》による“必殺カメラフラッシュ”が、藍依の受けたダメージを上乗せして増大した威力を叩きこむ。
「う、あぁ! 前が、見え、な……っ」
 先の閃光手榴弾を上回る、圧倒的な光量によって、クイーン・アトランティスの視覚は潰されたようだ。
 動く片腕で目元を押さえて、よろめく人魚の女王の前に、樹雷が躍り出る。
「海に棲む妖怪の“祟り”を甘く見るような、厚顔な上司に従わなきゃいけないなんて……部下も大変だったろう、ね!」
 第三第四の手が、クイーン・アトランティスの顔面に爪を立てた。
 顔のパーツを削ぎ落とし、電撃を伴う攻撃が脳髄まで貫き――仰向けに倒れる。
 肉体の機能が停止したことにより、もう肉体の反射すら起きていなかった。

「……そういえば。√EDENに侵入する簒奪者もいるし、むこうも世界の亀裂が見えるよね。√妖怪百鬼夜行の海に逃げても、匿ってくれる味方も部下もいなかったか」
 相手が元々、√マスクド・ヒーローの存在だと思い出すと、樹雷は小さく息を吐いた。
 √能力を解いて綿マフラーを元に戻し、かぶった砂埃をはたき落とす。
 逆に藍依は、潮風でべたつく不快さもありそうなのに、カメラの容量を確かめていた。
「うーん、被写体がブレた気もしますが……成果は“帰ってのお楽しみ”ですね」
 今日もいい取材ができたと喜んでいると、ふと夜の海が藍依の視界に入る。
 月明かりは落ち着いていて、暗い空には無数の星が瞬く――夜の空と海の境界が溶け込んだ、不思議な光景に思わずカメラのシャッターを切った。
(「√能力者なら、これが本物の景色だと気付いてくれます」)
 満足げな藍依は、すぐに記事をまとめようと、元来た道を歩きだす。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

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