シナリオ

今こそ彼女に挽回を!

#√汎神解剖機関 #🌈 #ぐるぐるバット #レッツ・ゴー・サイクロン #乙女心

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 #√汎神解剖機関
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●拡散お願いします!!!
 √汎神解剖機関――王権決死戦についての情報は、諸君も知っての通りである。羅紗の魔術塔の魔術士、アマランス・フューリーはなんやかんやがあって『味方』のようなポジションになった。彼女は部下である魔術師と共に来るべき『決戦』に向けて、諸々の準備をしているようだが――如何やら部下達は、上司の本性とやらに気づいているらしく。それがまた『良い』のだと思っている様子であった。
 ああ……!
 ああ……あぁ……あぁ……!
 アマランス・フューリーが震えている。理由はわからない。わからないが、今、彼女が見ているものはパソコンの画面である。こっそり、部下の一人が近づいても、気づかないほどの動揺。彼女が見ているものはいったい――?

 全戦全敗の女、アトラクションにも負ける。
 動画はこちら。

 SNSだ!!! とある遊園地のアトラクションに乗せられ、その結果、目を回してフラフラしている己の醜態!!! しかも結構バズっている!!! これ以上拡散されたなら如何だろう。きっと、ようやく取り戻した威厳とやらがバベルのように崩壊する!
 汚名返上しなければ……名誉を挽回して、私の『魔術士』としての誇りを取り戻さなければ……こうなったら、証明の為にも、彼等の力が必要だろうな。
 そうして君達は呼び出されたと謂うワケだ。

●この動画が面白かったらチャンネル登録云々
「み、みみ、皆さん! えっと……アマランス・フューリーが星詠みに引っ掛かりました! それで、その、皆さんには彼女と『ぐるぐるバット』をしてもらいます!!!」
 なんて???
「それがですね。なんでも、とある動画が拡散して、彼女の威厳がガタ落ちしているらしいのです。それを覆す為にも、必要との事らしいですが……えっと、その思い付きが一番、あれなのではないかと、私は思うのですが」
「と、兎に角。こっちも、鍛えておくのが良いでしょう。練習をしてから、彼女に挑んでください。なんだか戦わなくても、倒れてそうな気もしますが」
 なんだかよくわからんけどがんばれ!!!

マスターより

にゃあら
 にゃあらです。
 このシナリオは『巴』の続編です。
 読まなくても問題はありません。
 トンチキなので。

 第一章。
 特訓パートです。
 良い感じのバットを探したり、練習したりしましょう。

 第二章。
 不明です。

 第三章。
 本番です。羅紗の魔術士とぐるぐるバットしましょう。
 威厳を取り戻せ!!!
80

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よろしいですか?

第1章 冒険 『*奇妙な現象が起こっている。*』


POW 腕力と気迫で何とかする💪💪💪💪💪
SPD 周囲をよく観察し、原因となる物や条件を突き止める。
WIZ 呪文や聖句を唱えたり、生贄やアイテムを使う。
√汎神解剖機関 普通7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

 奇 妙 な 現 象 が 起 こ っ て い る !
 いや、確かに奇妙なのかもしれないが、羅紗の魔術士の事だ。きっと深淵よりも深いお考えを持っての沙汰に違いない。現場に駆け付けた君達は羅紗の魔術塔の魔術師たちが一種の、儀式的な何かを行っている。
 なんで……なんで、私達まで……。
 耐えるんだ。アマランス様が気づかないように、我々も全力でやるしかない!
 で、でも、だからといって、こんなの。
 魔術師がする事じゃない……!
 かつんと、棒状の物質を支えとしたなら、額を良い感じにぴったりくっつけ、只管にぐるぐるするだけのやつ! そう、所謂ぐるぐるバットだ!!!
 うっぷ……も、もうダメ……。
 ま、また脱落者が出たか……しかし、これもアマランス様のかわいいすが……ゲフンゲフン。威厳を取り戻す為……!
 今ちょっと本音が出てなかったか?
 まあ、ともかく。
 君達も、アマランス・フューリーの威厳の為に、レッツ・ゴー・サイクロン!!!
愛禍咲・雛菜
あのねアマランスちゃん。
略してアマちゃん。雛菜考えたんだぁ。
世の中には、どうしようが1人じゃ達成出来ないことってあると思うの。
それは例えば運動音痴にとっての逆上がりだったり、ぼっちくんにとっての合コンだったり、中二病ちゃんにとっての好きな子とペア作ってー
だったりするわけじゃない?アマちゃんにとってはたまたまそれが威厳を築くことで、
それはもう賽の河原の石積みだと思うんだよねぇ。

だから雛菜は考えました。
鍛えよ?三半規管。
うん、ここにプロテインと牛乳があります。
体幹鍛えよ?雛菜と一緒に1日15セットヨガやろ?
大丈夫大丈夫。筋肉は正直。鍛えた身体は裏切らない。必ず絶対結果にコミットするからぁ……ね♡

 魔術師たちの残骸を――ぐるぐるバットの犠牲者たちを――チラリ、目にしながらも、ふつうの女の子は歩を進めた。時々、魔術師たちの呻き声が聞こえたが、嗚呼、今は気にしている場合ではない。重要なのは羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』と接触する事であり、モブさんと遊んでいる暇はないのだ。屍を越えた先でようやく彼女の|羅紗《●●》を見つける。それで、威厳を取り戻したくてたまらない魔術士サマの状態は如何に。……あのねアマランスちゃん。略してアマちゃん。雛菜考えたんだぁ。
 声を掛けても此方を見ようとしない。いや、おそらくだが、見ようとする事が出来ないのだ。ほんの少しだけ練習しようと、くるり、くるり、羅紗を踊らせた結果がクラクラである。ふるふると、如何にかして理性を働かせたなら――頭の中がぐるぐるする。アマランスだからアマちゃん。それは、もしかして私の事を『甘ちゃん』だと謂いたいのか――そんな筈がない。きっと、ふつうの女の子は――素敵な提案とやらを持って来てくれたのだ。あ、ああ。いや、この際だ。アマランスでも、アマちゃんでも構わない。何か考えがあるのだろう? 未だ右往左往している瞳とやらをふつうの女の子へとやってみた。
 世の中には、どうしようが一人じゃ達成できないことってあると思うの。それは、例えば運動音痴にとっての逆上がりだったり、ぼっちくんにとっての合コンだったり、中二病ちゃんにとっての好きな子とペア作ってーだったりするわけじゃない? やめてほしい。その『例』は全て魔術士に効く。鉄棒なんて出来た試しがなく、友達もきっとあんまり居なかった。中二病なんて謂われたなら、もう、くっころなのではないか。今にも憤死してしまいそうだが、それでも、プルプル震えるだけなのは流石、羅紗の魔術士と褒めるべきところ。で、アマちゃんにとってはたまたまそれが威厳を築くことで、それはもう賽の河原の石積みだと思うんだよねぇ。爆発した。何が爆発したかって謂うと、アマちゃんの頭が。別の意味でおめめぐるぐる、いよいよ倒れてしまいそう。
 ……な、な、なら、私にどうしろと……???
 だから雛菜は考えました。
 鍛えよ? 三半規管。
 それが出来たならば、あの時、醜態を晒す事などなかった。今からでも間に合うと謂うのならば『やる』しかない。うん、ここにプロテインと牛乳があります。待て、確かに私は三半規管を鍛えるつもりだった。しかし、なんだ、鍛えると謂うのは……其処までして……。迫りくるピンク色の瞳。覗き込まれたくないのか、アマちゃんは顔を逸らす。体幹鍛えよ? 雛菜と一緒に一日15セットヨガやろ? そ、そんな時間などない。まだ、私達にはやるべき事が……? ぐい、と身体を引っ張られた。人間災厄「サ―クルクラッシャー」から逃げる事など赦されない。大丈夫大丈夫。筋肉は正直。鍛えた身体は裏切らない。必ず、絶対、結果にコミットするからぁ……ね♡
 何故だろうか。アマちゃんの脳に、精神に、溶け込んでいくこの感情。
 筆舌に尽くし難いものだが、嗚々、治まらない。
 わ……わかった。ただし、私が倒れない程度に頼む。
🔵​🔵​🔴​ 成功

四之宮・榴
アドリブ・アレンジ・連携歓迎。

心情
…なんか、SNSの闇を…垣間見た気がします。
…其処までして…勝ちたいモノなので、しょうか…?
…嗚呼。
…僕には…全く理解…できません…っ…。

…だって、慣れてるし…。
…そう謂えば…なんで、履修科目になってるんだろう…。
…最近、怖い先輩も増えましたし…。

行動
√能力は《インビジブル融合》で、|壊しては回復《チート》します。
ルールやコツを聞かれたら、親切に教えましょう。
長さもしっかり前傾姿勢になった時に、腰に無理が掛からない物を進めます。
unknownの執事たる者、ぐるぐるバットは履修科目です。
練習に付き合いますけど、僕を相手に練習とか付き合うと漏れなく…(言葉を濁す)

 エチケット袋の悲鳴が聞こえる。
 ある種の深淵――面白いものを摂取したいと、愉快なものを拡散したいと、人間の慾が蔓延っている。成程、電子の海がご覧の有り様なのであれば『天使の存在』も、最早ないと思われていたって仕方がないのか。……なんか、SNSの闇を……垣間見た気がします。しかし、嗚呼、四之宮・榴。この拡散の原因については、黒幕については、あの場に居たオマエであっても完璧には把握できないだろう。……其処までして……挽回したいモノなので、しょうか……。カリスマをブレイクされた羅紗の魔術士の気持ちになってお考えください。初登場時は何処かの『紳士』みたいに冷酷無比だったと謂うのに、この無様な墜落である。嗚呼……僕には……まったく理解……できません……っ……。もしかしたら理解する必要など欠片として『ない』のかもしれない。人には人の欠落があるのだから、コンプレックスも『それ』に同じと謂えよう。……それに、僕は……慣れてるし……。果たしてそれは『慣れても』大丈夫な行いなのだろうか。おお、ぐるぐるバット。このトンチキな響きに🌈あれ。
 魔術師たちが――まだ、目を回していない数名が――やり方を教えてくれないか、と、願ってきた。如何やら彼等は魔術の事にしか興味がなく、今まで『こういうお遊び』をした試しがないご様子だ。……そう、ですね……とりあえず、ここに『やり方』を……書いて、おきましたので……。ルールについては予めメモ帳に。コツについては……まず、バットの長さから。……男性と、女性で、身体の大きさなどが……違いますので。腰を痛めないように……そこだけは、本当に……。unknownの執事たる者、先輩メイドに負けてはいられない。ぐるぐるバットは履修科目なのだから――教える側に回っても良いほどに。
 そう謂えば、なんで、履修科目に……?
 気にしてはいけない。気にすればするほど、666人目の影が濃くなってしまう。或いは、知らない√への道が開かれ、儀式に巻き込まれるかもしれない。
 なんとなく、コツは掴めそうです。それで、折角ですので、一緒に練習をしてくれませんか? 魔術師からのご指名だ。コツさえマスターしてしまえば、きっと、アマランス様も『できる』筈――あ……僕を相手に、ですか? その、僕が付き合うと、もれなく……。
 言の葉を濁したところで結果は変わらない。三半規管|つよつよ《チート》について行く事など――死屍累々だ。🌈の彼方へと頭を突っ込むと宜しい。
 ……掃除は……必修……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

鬼灯・睡蓮
POW

ふみゅ……?
ぐるぐるばっと、とはなんでしょう……?
んん……なるほど、これでぐるぐる回って、三半規管を鍛える……
ただ……地面で、僕の背丈(100cm)だと、難しいので……
地形を利用して、空中浮遊、空中移動、空中ダッシュを駆使して練習するですよ……
1方向だけだと、訓練にならないと思うですから……
縦回転、斜め回転も含めたら、立派な訓練になりそう、なのです……
他の人も、もしやりたいなら……手伝うのも、吝かではありません……すぴー……
僕自身に催眠術をかけるとか、狂気じみたこともしてみましょうか……
狂気耐性は、あるですよ……
こんな体ですが、体力はあるですよ……(POW200超え)

アドリブ絡み歓迎

 汚染が齎したのは夢のような心地、フワフワ、フワフワ、立っていられない。
 強烈な眠気と目眩は似ているのではないか、そう、疑問を投げつけられたのかと思うほどには奇妙であった。垂れている涎が胃液みたいに思えて仕方がなく、くるりと、海鼠のように丸っと洗浄してしまいたい。ふみゅ……? ぐるぐるばっと、とは、なんでしょう……? 数名の魔術師が何かを読んでいたので『それ』を手にした。うっすらと、ぼんやりと、半開きな儘で解いていく姿形は、まるで、渦の中の人魚が如くか。んん……なるほど、これで、ぐるぐる回って、三半規管を鍛える……。そもそも『ぐるぐるバット』は三半規管をいぢめるだけのお遊びであって、鍛えるのであれば、他の方法を選択すべきなのかもしれない。そんな常識とやらは置いておいて――地面で、僕の背丈だと、難しいので……。いや、魔術師の手を借りたならばきっと子供用のバットも作り出せる筈なのだが、肝心の魔術師たちが🌈塗れなのだから如何しようもない。えっと……一方向だけだと、訓練にならないと思うですから……。イメージすべきは宇宙飛行士用の凄惨なトレーニング。無重力とやらの再現以上におそろしい――アクロバットでファナティックな動き回る方法。
 地を駆け、宙を翔け、ひっくり返る。縦にも横にも斜めにも回転を加えてやれば、それはもうぐるぐるバットの領域を超越している。立派な訓練になりそう、なのです……。さて、オマエは見ていたのは比較的、三半規管つよつよな魔術師ではあったのだが。……すげぇな。こっちの目が回りそうだ。もしやりたいなら……手伝うのも、吝かではありません……すぴぃ。……寝てるのか? 寝てないのか? いや、それより、虎穴に入らずんば虎子を得ずか。数分後、そこには顔面蒼白でぶっ倒れている誰かさんの屍が!!!
 ふみゅ……ダメに、なったのです。
 そうです、僕自身に催眠術をかけるとか、狂気じみたことも……。
 そもそも狂気に耐性があるのだから、五円玉その他を追いかけたって、ぐるぐる、目の玉が騒がしいだけ。……あんまり、やり過ぎない方が良いかも、なのです。ですが……休憩をしたら、余裕で、耐えられます。まったくフィジカルまでモンスター。
 これには他の√能力者もびっくり。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アリエル・スチュアート
…え、ええ…!?(バッド放り投げる)
な、何よこれ、私はこんな事の為にアマランスを助けた訳じゃないのよ!?
彼女とは、もっとこう…緊張感あふれる魔術戦をしたくて…。
『全く我儘ですねー。やるしかないでしょう、公爵。
アマランスのカリスマの欠如、原因は公爵にもあるのですから。』
だ、だからってこれは嫌よ!
私虹色NGよ!?
『はー、分かりました分かりました。
…ではインビジブル化、しましょうか、アリエル。
そっちの貴女なら出来るでしょ?』
ちょっ、レディ・ブリタニアを呼ぶのはずる…っ!?

(ティターニアからアリエルに魔力が流れ、左頬に妖精羽のワンポイントタトゥーが刻まれ、左側の翼が生え、両翼は黒赤翼へと変異し)

 トライデントを構えるかの如く、憂鬱を払拭せよ。
 苛烈な選択も辞さない。
 魔導の代わりとして――槍の代わりとして――公爵様が手にしていたのは金属製のバットであった。今から野球でもするのかと、かっ飛ばすのかと、疑問を抱きそうになるのだが、そのような|疑問《●●》すらも裸足で逃げ出す有り様なのだ。おお、視よ。電子の海に放出されてしまった羅紗の魔術士の醜態を――樽の中にでも詰め込まれていたのかと、問うてみたくなるほどの千鳥足か。……え……ええ……!? 何をそんなに驚いているのか。何をそんなに慌てているのか。まるで、鳩が決戦気象兵器の光線を喰らったかのような面構えである。ぶぉん――! アリエル・スチュアートはボールの代わりに金属バットを放り投げた。さて、放り投げた先にあったのは――誰かさんの後頭部。ぎゃん!!!
 な、何よこれ、私はこんな事の為に、こんなトンチキの為に、アマランスを助けた訳じゃないのよ!? 心からの叫びである。まるで、夜道で化け物にでも、ブギーマンにでも出遭ったのかと思うほどの咆哮であった。彼女とは、もっとこう……緊張感あふれる、カリスマあふれる魔術戦をしたくて……。脳内に棲んでいるアマランス・フューリー、おそらく、優雅に羅紗を手繰りながら、荘厳の化身として振る舞ってくれるのか。しかし、嗚呼、現実は喜劇的なもので――オマエが気づかない内にも、ぷっくりとした瘤を作っているほどだ!
『全く我儘ですねー。やるしかないでしょう、公爵。アマランスのカリスマの欠如、原因は公爵にもあるのですから。』
 ティターニアからのお言葉だ。そういえば、ケツバットみたいな事もしていましたね、とは、流石に口にはしない。辛辣な女の子と称されるティターニアでも、そろそろ、アマランス・フューリーが哀れに思えてきたのだ。だ……だからってこれは嫌よ! 遊園地のアトラクションなら、まあ、百歩譲ってあげるけど! ぐるぐるバットよ? それに、私虹色NG!? アマランスちゃんだけがカリスマブレイクなんて可哀想ではないだろうか。此処はやはり√能力者も――覚悟をして挑まなければならない。
『はー、分かりました分かりました……では、インビジブル化、しましょうか、アリエル。そっちの貴女なら出来るでしょ?』
 公爵呼びだったものが名前呼びに変わっている。叩きつけられた言の葉が齎すのは果たして、より、|混沌《ぐるぐる》とした展開なのか。ちょっ……レディ・ブリタニアを呼ぶのはずる……っ!? ティターニアから――アシスタントAIから――機械仕掛けから、膨大な魔力が流れ込んでいく。ぶわりと、最初に出現したのは左頬、妖精の羽のワンポイントタトゥー。そして、タトゥーよりも目立っているのが――生えてきたのが――左側の翼。片翼のセレスティアルは今、再誕を迎えた。
 おお、視よ。赤黒とした変異を。
 祈りはようやく聖乙女に届き――民は何を願ったのか。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ディラン・ヴァルフリート
羅紗の魔術士も……思いの外、人間臭かったようで。
現時点では協力関係というだけの簒奪者ですが……今更ですね
それを踏まえての案件なら此方も相応に応じるべきなのでしょう

バットを探す名目で散策、最小震度で密かに【響刻】
[ぐるぐるバット挑戦の消耗・恐怖・絶望が増大していく錯覚]付与で
本格的な(?)試練としての箔を盛って回ります

仮に行く先々でスランプが蔓延する事自体を怪しまれれば
「この競技には一家言ある身なので……プロの存在が本能的なプレッシャーを与えてしまったのかもしれません」等々
適当に誤魔化しましょう
回転を披露する際は
|フィジカル《POW》+自己《ハッキング》+《気合》
見る者の心が折れる程の回転力で。

 心をへし折るほどの回転力だ。
 どこぞの√であれば高得点間違いなしである。
 天使を追いかけ回し、怪異を奴隷とする『彼女』も如何やら、その性根は『らしい』ものであった。如何に冷酷無比なのかを、己でアピールしていた時点で転げ落ちてしまう事は必至だったのかもしれない。つまりは、そう、羅紗の魔術士も……思いの外、人間臭かったようで。現時点では|協力関係《●●●●》というだけの簒奪者ですが……そのような事も、今更ですね。√能力者を名乗っているものの中には、おそらく、たくさんの元簒奪者や、簒奪者予備軍がいる筈なのだ。それを踏まえての案件なら、それを踏まえての息抜きなら、此方も相応に働きかけるべきなのでしょう。まるで舞台上だ。舞台の上の役者が如くに、只、己のキャラクターに没頭してやると宜しい。……ところで、バットが足りませんね。誰かが投げてしまったのでしょう。投げた先の後頭部については最早、言葉も必要ないくらいに!
 兎にも角にも得物を探そう。探すという名目の儘に、散策、こっそり√能力を揮ってやると良い。これも、訓練だ。訓練であるのだから、難易度を徐々に上げていくのが正解である。……思うが儘に。もしくは、思うが儘に『できない』方が効果的……だと、思われます。響いているのは恐れだろうか。刻み込まれたのは絶望であろうか。もっとも、震えているのは消耗の類で、三半規管へのダメージで――本格的な試練にやられた魔術師数名、すっかり目を回している。……これで、箔もついた事です……僕も、そろそろ、参加しましょう……。
 回ろうとした瞬間、構えようとした刹那、ギリギリ、耐えている魔術師からの|胡乱な視線《おめめぐるぐる》。な、なあ……もしかして、能力か何か、使ってないか? さっきから、回る前から、目が回っているような……? この競技には一家言ある身なので……プロの存在が本能的なプレッシャーを与えてしまっているのかもしれません……見てください。あの……羅紗の魔術士が、蹲ってしまうほどの、強さなのです。指を差した先には蹲って、何かを必死にこらえているアマランスちゃん。……そうか。なら、その、プロのぐるぐるバットとやらを、見せてもらわないとな……。適当言って誤魔化せたのだが、披露する事に変わりはなく。
 魔術師たちとドラゴンプロトコル、前者が圧倒的に不利なのは、そう、フィジカル。それに加えての竜眼、たとえ、振盪しようとも、魔法相当を宿す『それ』は狂わない。額をバットへと押し付けたのなら――気合を入れて、おお、凄まじくサイクロンだ。
 ……み、見ているこっちの目が回るな。
 アマランス様は、これに、抗おうとしているのか……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

赫夜・リツ
満月さんの星詠みの内容を聞いて
一瞬ちょっと何言ってるのか分からなかったんだけど
そうですか、ぐるぐるバットを…ですか
その思い付きが一番あれ…というのは激しく頷いちゃいますね
…分かりました、特訓しておきます

エミちゃんがぐるぐるバットで女神と対決した事あったけど
なんかデスメタルがどうとかトンチキなこと言ってた気が…
そういえばエミちゃん、曲聴きながら首振りまくってたっけ
あれ位激しいのを思い描きながらぐるぐる回ればいいのかな

…あのさ、ギョロ
他人事みたいにギャハハハ笑ってるけど、僕が回るって事はさ
君も回るって事でもあるんだよ…この意味、わかるね?
今更やめろって言っても遅いよ
借りたバットでぐるぐる回ってやる

 赤黒い。今日はなんだか蒼白い。
 ゆっくりと、まったりと、水分補給をしていたところに奇妙奇天烈な星詠みだ。噴き出さなかったのは奇跡に近いもので、成程、予防接種めいた『こと』がプラスに働いた。正直に口にするのであれば、そう、一瞬、ちょっと何を言っているのかわからなかったけれど……。そうですか。アマランスさんが……ぐるぐるバットを……。反芻しても尚「どうして」が止まらない。聞き間違いであってほしかったのだが、しかし、現実は残酷である。その思い付きが、その名誉の挽回の方法が、一番あれ……と、いうのは……。それはもう激しく頷いた。首がもげて、頭部が転がってしまいそうなほどには、頷いた。……わかりました。いや、ちょっと、まだわかんないけど……特訓しておきます。そもそも『ぐるぐるバット』の特訓とは何なのか。むしろ、特訓しない方が面白いのではないか。疑問は尽きない。
 エミちゃんがぐるぐるバットで女神と対決した事あったけど……。やはり、赫夜・リツが『ぐるぐるバット』と聞いて、最初に思い出すものは仔産みの女神『クヴァリフ』のお戯れか。信者達からの供物として、ぐるぐる、ぐるぐる、目を回しているサマは今でも記憶に新しい。……なんか、デスメタルがどうとか、トンチキなこと言ってた気が……。エミちゃん、曲聴きながら首振りまくってたっけ。あれこそ、目が回らないのだろうか。首を痛めはしないのか。特殊な訓練でも受けていると謂うのであれば――成程、納得がいく。あれくらい、激しいのを思い描きながら、ぐるぐる回ればいいのかな……。ぎゅっと、バットを握り締めた。
 ギャハハハハ! ギャハハハハ!!!
 おいおい、リツ! テメェもやんのかよ!
 こりゃ傑作だ! ギャハハハハ!!!
 異形の腕も――ギョロ君も、このトンチキには大満足といったご様子。あのさ……ギョロ。他人事みたいに笑ってるけど、僕が回るって事はさ……君も回るって事でもあるんだよ。この意味、わかるね? 彼も一緒にぐるぐるしなければならない。しかも、彼は腕そのもので、そして何より目玉が大きい! 加えて、他人にぶん回されるほど……気分が悪くなる事は、たぶん、ない。……お、おい。リツ。その、なんだ。俺は、別にやめたって……。
 今更やめろって言っても遅いよ。遅いし、もう、やるしかないんだよ。
 借りてきたバットを地面に、額をしっかりと当てたのなら。
 ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アーシャ・ヴァリアント
POW判定。
アドリブ大歓迎。

威厳なんてあったかしら……あったとしてももう木っ端微塵なんじゃないの?
まぁ、それは置いといて練習ね、何か棒状のものがあればいいわけでしょ。
……羅紗をいっぱい集めて丸めれば程よい厚みでそうじゃない?
魔術的なホニャララで頑丈そうだし。
つーわけで貸しなさいと強制徴収してテープで止めてレッツ・ゴー・サイクロン!

 棒のようにぶっ倒れているふたり。
 ひとりは羅紗の魔術士、もうひとりは……誰だろうか。
 誰の所為なのかと問うたなら――何故アマランス・フューリーが目を回しているのかと問われたら――その原因は、オマエの|妹《●》に在るのだが、おそろしい事に。オマエ個人は『妹の所業』に気づく事など、ありえない。威厳なんてあったかしら……あったとしても、もう木っ端微塵なんじゃないの? それとも、微塵も『なくなった』が正しいのかしら。頭を抱えて蹲っている魔術士、その耳には届いていないのだが、もしも、届いていたのであれば「くっころ」啼いているのかもしれない。まぁ……魔術士のことは置いといて、練習ね、何か棒状のものがあればいいわけでしょ。視線の先、蹲っている『それ』から、こっそりと拝借しようかとも考えた。されど、こっそりと拝借、なんて神業をアーシャ・ヴァリアントが出来るとは思えない。羅紗をいっぱい集めて丸めれば程よい厚み出そうじゃない? 魔術的なホニャララで頑丈そうだし。がし、と、羅紗の先端を掴んでみる。此処でようやくアマランス・フューリーが――アマランスちゃんが、事の重大さに気づいたようだ。な……何を……何を、するつもり……? 思い出したのは椿太夫、彼女が誘っていた男とやらの情念か。ちょっとこれ貸しなさい。大丈夫大丈夫、破れやしないでしょ。破れはしない。羅紗の頑丈さはそれこそ、帯とやらの数倍なのだから……。
 強制徴収。
 あ~~~れ~~~!?
 引っ剥がしてやった羅紗を良い感じに丸めて、ぺたぺた、テープを貼っていく。独楽にされたアマランスちゃんは如何やら、まだ、ぐるぐる止まらないらしく悲鳴のような何かを発していた。……思ったより回ってるじゃない。とりあえず、練習練習っと……。羅紗バットを構えてお辞儀をするかの如く。それに、嗚呼、掛け声だって忘れない。
 レッツ・ゴー・サイクロン!!!
 アーシャ・ヴァリアントは加減を知らない。
 他人に対しても、自身に対しても……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アリシア・イーフェ・サーヴィーレ
「POW」

面白そうな催し物があるって聞いてきたの〜
ぐるぐるバットなの!
お店でもやってたの!
あの時はそんなに回れなかったし、回り切るまでに何回か転んじゃったから転ばずに回ってみたいの〜
右腕の肘から先が欠落してるからゆっくり回るの!
バランス感覚取りながら今度はやってみるの〜
……というか、初めて参加する依頼がこれでよかったのかなぁってちょっと疑問にも思うけど、依頼は依頼だから別に気にしないでいくの!
体調不良の人がいたら魔術刻印・復元で少しでも気分の悪さが紛れるようにするの〜
「復元せよ、時戻し」
これでもっと回ってもきっと大丈夫なの!
私の治せる範囲で治すの〜
楽しく遊びましょ!

 むくりと、羅紗の魔術士が不思議そうに起き上がった。
 如何してか、目が回っていない。頭も痛くなくなっている。
 これなら、もうひと頑張り出来そうだ。
 文字通りに――物理的に――脳髄へと刻み込まれた回路については、さて、魔術士は察してくれるのだろうか。玩具にされた、独楽にされたアマランス・フューリーの復帰にはおそらく数十分ほどは掛かるだろうから、お楽しみは後程である。面白そうな催し物があるって聞いたの~! たぶん、催しているのは吐き気なのだが、そんな事よりもこの奇妙な現象を見るとよろしい。ぐるぐるバットなの! お店でもやってたの! お店――つまりは彼女の、アリシア・イーフェの『いきつけ』とやらでのイベント。いや、そもそもお店で『ぐるぐるバット』をするのは如何なものかと思うのだが、そのお店が『そういうもの』なのだから致し方なし。あの時はそんなに回れなかったし、回り切るまでに何回か転んじゃったから転ばずに回ってみたいの~。詳しいルールも知らなかった初心者の頃とは違って、そう、今では立派なぐるぐるバッター。左手だけでバットを構え、ゆっくり、ゆっくり、頭を下へ。ところでオマエの欠落は右肘から先だ。バランス感覚を考えて最初は無理のないスピード。ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる……。あ、あれ? 思っていたよりも、目が回るの~……。
 ……というか。アリシア・イーフェ・サーヴィーレ初の依頼が『ぐるぐるバット』とは如何なものか。これで良かったのかと、正直、自分でも疑問に思ってしまう。しかし、依頼は依頼だ。シリアスだろうとトンチキだろうと、しっかりと熟してやれば――糧となる事に違いはない。別に気にしないで回るの! ぐわり、頭が急に重たくなった。重たくなって、傾いて、そのまま倒れそうになった。……頭も、ぐるぐるしてきたの。
 何処から何処まで復元が可能なのか。それは。かっ開いた脳髄にでも訊いてくれ。復元せよ、時戻し――これで、めまいが治まった。治まったのであれば、何度でも、だ。もっと回ってもきっと大丈夫なの! 楽しく、楽しく、遊びましょ!
 好奇心の獣が齎すのは災厄か、或いは。
🔵​🔵​🔴​ 成功

露木・幽蘭
ぐるぐるバット…
不思議なことに懐かしさを感じるですにゃー
そして根拠もなくイケるという自信!
ホントに根拠がなくてそれはそれで不安になるのです
なので真面目に特訓しておくのです
大事なのは三半規管の強化!
なんてありきたりなことではないのです
肉体を完全な制御下に置くことができればイケるイケる
とゆーことで内家剣士らしく内勁を通して肉体を操るですよ
それには連環套路を通して正しく内勁を運用しないとなのです

 デジャヴ――巡りに巡って、現、ここに。
 サイクロンの消失が意味するのは倒れそうなほどの目回しだ。
 ぐるぐるバット――!
 それは、とある√にて、古代より『神と一体化する為の儀式』として広められた、由緒正しきスポーツ。その神聖さはドラゴンに勝るとも劣らないと描写されており、ぐるぐるバットの影響力は簒奪者だとしても逃れられないと謂う。……不思議なことに、よくわからないけど、懐かしさを感じるですにゃー。露木・幽蘭の脳裡に這入り込んできたのは知らないもの。自分がぐるぐるバットの競技大会で好成績を収めたとか、如何とか、そんなぐるぐる。根拠もなくイケるという自信!!! ……ホントに根拠がなくてそれはそれで不安になるのです。まるで花魁、追いかけるかの如くに乱れる荒業、こっちでは如何やら、自分自身が独楽にでもなっているのかと思えるほど――ぶんぶん。首を振った。と、とにかく。真面目に特訓しておくのです。特訓は固定値よりも裏切らないっぽい! 良い感じの長さをしているバットを握れ。地面に向かったのであれば、いざ、基本姿勢……! 基本姿勢? ボク、そんな言葉知らないのに……なんだか、しっくりくるのですにゃー。
 大事なのは三半規管の強化! なんて、ありきたりなことではないのです。そう。ぐるぐるバットの特訓に不可欠なのは如何に🌈を目指すかだ。🌈の彼方に到達した者は勝利を約束され、神に、存在を認められる……。それもなんか違うよね? 肉体を完全に制御下に置くことができればイケるイケる。ここはぐるぐるバッターとしてではなく、内家剣士らしく、内勁を通して……肉体を操るですよ。通常攻撃が二回攻撃かつ範囲攻撃になる。それ即ち凄まじい勢いでの回転であり――竜巻を起こすほどのぐるぐるだ。
 連環套路――正しく運用したのであれば、文字の通りに。
 レッツ・ゴー・サイクロン!!!
 ちょ……ちょっと、待って。なんで、私の方に……。
 アマランスちゃん巻き込まれた!!!
🔵​🔵​🔴​ 成功

愛禍咲・雛菜
と、いうわけでぐるぐるバット休憩でーす。
ここからヨガだねぇ、アマちゃん一緒にがんばろぉ!
じゃ、英雄のポーズ1、姿勢固定してぇ?
英雄のポーズ2、弓のポーズ、眠る亀のポーズの順に行こうねぇ。
え、身体曲がんない?
大丈夫大丈夫、毎日やれば誰でも出来るようになるしぃ……人間案外壊れない♡
だからがんばろぉ?昔の偉い人も為さねば成らぬって言ってるよぉ☆
やれば出来るやれば出来る♪目指そうマッスル♪
新陳代謝も良くなってお肌も綺麗になるし良い事しか無いからぁ♡

って応援しながらアマちゃんのぐにゃぐにゃ体幹とよわよわ三半規管を補強するよぉ。
はいじゃあヨガタイム終わり。
プロテイン一気してまたぐるぐるバットに戻ろうねぇ?

 ぐるぐるバットの練習――練習? を只管に続けてきた結果、アマちゃんはすっかりグロッキーだ。蒼白としたお顔を晒しながら、なかなか治まらない眼振にやられながら、今にも吐きそうな状態に陥っている。そんなアマちゃんを落ち着かせたなら、ようやく、愛禍咲・雛菜は声を上げた。と、いうわけでぐるぐるバット休憩でーす。息も絶え絶えな羅紗の魔術士に、おめめぐるぐるなアマランス・フューリーに、新たな試練とやらを告知する。ここからヨガだねぇ、アマちゃん一緒にがんばろぉ! は……はぇ……す、少しだけ、休ませてくれ。目が回っていて、私が、何処に居るのかも……。アマちゃんの手を取ったなら、ぐい、と引っ張る。用意しておいたヨガマットに座らせたのなら、目が回らなくなるまでたっぷり数十分――大丈夫だよぉ。それじゃ、英雄のポーズ1、姿勢固定してぇ?
 アマランス・フューリー曰く――この女の子は、可愛い顔をした『鬼』であった。運動とやらに、お外やらに、縁のない|魔術士《ひきこもり》にとってヨガとはある種の拷問に近かったのである。ぷるぷると、今にも崩れて終いそうだが、それでも尚、頑張ろうとしている姿に人間災厄「サークルクラッシャー」は満面の笑みを向ける。次は英雄のポーズ2、弓のポーズ、その次が眠る亀のポーズ……。亀! 鈍間だと謂いたいのか。とんでもない! 身体が柔らかくないと、眠る事すらも赦されやしないのだ! あ……あ゛……いた……いたい……。曲がらない。身体がものすごくカチカチなのだ。え? 無理だって? 大丈夫大丈夫、毎日やれば誰でも出来るようになるしぃ……人間案外壊れない♡ 流石は人間災厄、人がどれほど強いのか、弱いのか、よくわかっているではないか。だからがんばろぉ? 昔の偉い人も為さねば成らぬって言ってるよぉ☆ やれば出来るやれば出来る♪ 目指そうマッスル♪ ちょっと汚い悲鳴が漏れた。魔術士に筋力は、あんまり、必要な……。新陳代謝も良くなってお肌も綺麗になるし、良い事いっぱいだからぁ♡ ツヤツヤお肌!? あ、喰いついた。たぶん最近寝つきが悪いのだろう、それもあっての蒼白だ。
 応援は大成功。このまま、アマちゃんのぐにゃぐにゃ体幹とよわよわ三半規管を補強してしまうと宜しい。はい、じゃあヨガタイム終わり。プロテイン一気してまたぐるぐるバットに戻ろうねぇ? ……戻るのはいいのだが、それは、戻すと思うのだけれど。
 問題ないよぉ、アマちゃんならもっとぐるぐるできるからぁ🌀
🔵​🔵​🔴​ 成功

第2章 冒険 『⚠足元注意!』


POW 足元にある危険を、耐える/破壊する。
SPD 足元にある危険を、回避する/逆手に取る。
WIZ 足元にある危険を、緩和する/無効化する。
√汎神解剖機関 普通7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

 渡されたプロテインを一気に飲み干し――改めて、マイバットを手にしたアマランス・フューリー。今までの自分とは違うのだと、ぐるぐるを積み重ねてきたのだと、己に言い聞かせながら『ぐるぐるバット』に再挑戦。基本姿勢は最初よりも『出来ている』のだが、ぐるぐる、ぐるぐる、回れば回るほど気持ち悪くなるのに変わりはない。部下たちの応援もあってか――如何にか、目標の10回転には辿り着けた。されど、そのまま、真面に歩ける筈もなく。
 め……目が回る……だが、これくらいであれば、数時間前の私よりかは……。
 練習の成果はちゃんとしていた。頭が地面に吸い込まれてしまいそうだが、それでも、エチケット袋のお世話にはならなくて済みそう。ふ……ふふ。私も成長できるのだ……私も、威厳を取り戻す事くらい……問題なく……?
 そういえばアマランス様、絶対に目なんて回さないって意気込んで、自分で床にトラップ仕込んだの忘れてないか?
 あ……あ~……アマランス様、そっちは、その……。
 カチッ。
 アマランス・フューリーの足元で『なにか』が起動した。羅紗の魔術士によるちょっとした、非殺傷かもしれない――真っ直ぐ歩けないと必ず踏んでしまう、惨事の気配。
 へ……?
 宙に出現したのはタライであった。大きな、大きなタライは――アマランス・フューリーの脳天へと――お約束じみて、落ちていく!
 ゴッッッッッ!!!!!

 目を回しながら目を回す事になってしまった。
 ピクリともしない。
 兎に角、如何にかしなければ。
 しかし、その為には――君達も、ぐるぐるバットをした後に、
 トラップを踏まずに進まなければならない!!!

 ※※※
 罠の種類は星の数ほどあります。
 あなたは、新たに罠を作って、それに引っ掛かってもいい。
四之宮・榴
アドリブ・アレンジ・連携歓迎。

心情
…嗚呼。…酷い阿鼻叫喚が…。
…安全な道を作りたいのですが…嵌るのは、厭です。
…さ、流石に…これ以上、被害を…ふ、増やすのは、心苦しいので…。
…こ、此処は、比較的安全なので…っ…あ、そこで…ふらふらすると、危ない…っ…です!
…あ。…掃除もしないと…。


行動
√能力は、《第六感》です。
自分で《|インビジブル融合《チート》》をして、この罠の道は抜けれるのですが…ええ、簡単に、僕は…。
《地形の利用》を使用して、併殺させるように安全な道を作りましょう。
下手に√能力で攻撃すると、余計な阿鼻叫喚を産みかねません。
《医術》と《救助活動》で、助けを求める者にはすべからく助けを。

 石橋を叩いてはいけない。絶対に、崩れるのだ。
 遠方――トラップ地帯の彼方――痴態を晒している羅紗の魔術士。彼女を助けようとして何人かの魔術師が|お戯れ《ぐるぐる》に挑んだが、嗚呼、悉くがタライの餌食となっていく。目を回して、悲鳴のようなものを残して、床に転がっている彼等彼女等の無謀さは――まるで、知性を著しく低下させる√能力を食らったのかと思うほどの無様さであった。そんな惨事を、そんな、酷い阿鼻叫喚を、呆然と眺めている執事が一人。……嗚呼……。幾ら『ぐるぐるバット』のプロと謂えども、三半規管つよつよな怪物と謂えども、この罠の多さには如何しても躊躇をしてしまう。いや、四之宮・榴は存外に冷静だった。……安全な道を作りたいのですが……嵌まるのは、厭です。それに……これ以上、被害を……ふ、増やすのは……。この感情は「心苦しい」なのだろうか。もう見ていられないし、聞いてもいられない。……えっと……僕のいる、此処は、比較的安全なので……? またしても、だ。魔術師の誰かが律儀に『ぐるぐる』した後、吸い込まれるように――そこで、ふらふらすると、危ない……! 手遅れだ。タライの代わりに落ちてきたのは頭部ほどのスイカである。スイカが割れるのか頭蓋が割れるのか、考えてみるとよろしい。……考えている、場合じゃ……!
 鶴が恩返しをしようと、見えない怪物達が仇返ししようと、さて、複製したものは羅紗であったのか。羅紗が内包していたのは所謂第六感と称されるもので、ざわつき、罠の位置の殆どを察する事に成功した。……これなら、僕になら、危なげなく……。何度も何度も酷使してきたつよつよな所業。適度にぐるぐるバットをしたならば、さあ、舞踏をするかの如くに。ここは……大丈夫です、か……? 何事も起きなかった足場に印をつけておく。勿論、この場合は『攻撃』など御法度。もしも、万が一、起動してしまったら――目を回している面々に被害が重なり、余計な|阿鼻叫喚《こうけい》が目に浮かぶかのよう。
 ……それで……その、辿り着きましたので、フューリー様にも……。
 氷嚢か何かを当ててやるとよろしい。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アーシャ・ヴァリアント
パワー判定、アドリブ歓迎。

あっはっはっはっはっ、何やってんのアンタ、お笑い芸人にでも転職するの?
(容赦なく指さして笑う娘)

しゃあないわねぇ、ちょっと待ってなさいよ。
(グルングルン回った後で向かおうとするが加減を知らず回りすぎたか千鳥足)

あん、何か音がしたような?
(スイッチ音がしたと思ったらバネ仕掛けで床に打ち出されたと思ったら天井から伸びてきた縄に
縛り上げられ駿河問いの恰好でレッツ・ゴー・サイクロンで回転、逆回転でグルグル回される)

う、うっぷ……ふ、ふふふ、なかなかやるじゃない、う、🌈🌈🌈。
(解放後アマランスの元にたどり着くも耐えきれず🌈、はたしてアマランスちゃんは汚れずに済むか)

 お風呂の用意をしてほしい。
 いっそ洗濯機に入ってくれ。
 二重の意味で目を回している羅紗の魔術士――無様の極みをしている可愛いアマランスちゃん――彼女を指差している者は、さて、如何様な色をしていたのか。あっはっはっはっはっ、お、お腹痛い……! アーシャ・ヴァリアント、指差ししながらも肚を抱えている。其処から腸がこぼれそうなほどに、捩れている。な、何やってんのアンタ……あはは……お笑い芸人にでも転職するの……ふふ、あはは……! まったく無理もない状況だ。あの羅紗の魔術士が、アマランス・フューリーが、墓穴を掘っているのだから。あー……おかし……しゃあないわねぇ、ちょっと待ってなさいよ。待ってなさいも何も、すっかるおめめぐるぐるなのだから、起き上がる気配の欠片も無い、そんな事よりもドラゴンプロトコル、オマエも理性とやらを失くしてしまったのか。そう、疑問を抱いてしまいそうなほどに堂々とした|基本姿勢《ぐるぐるバット》――ガチガチに丸められた羅紗も吃驚な加減知らずである。
 グルン、グルン、グルン、尻尾と翼がダイナミックさを演出しているが、故に、オマエのサイクロンを止めようとする者はいない。止めようと這入り込んだならばおそらく、ばこんと、吹っ飛ばされる。はっ……この程度で目を回すなんて、|羅紗の魔術士《称号》が泣くわよ? まあ、称号からも呆れられているかもしんないけど……??? 握り締めていた|羅紗《バット》を手放した瞬間、己の『やらかし』に気づく。三半規管をいぢめにいぢめた結果が――さっきのアマランスちゃんと同じである。
 カチッ。
 あん……??? 何か、音がしたような……? 倒れ込む事はなかった。常人が目を回している程度でしかなかった。されど、此処はカートゥーンを臭わせるトラップの宝庫。仕掛けられていたバネの所為で――無理やり、転がされる。立とうとした。立とうとしたものの、ずるりと、頭が落ちてしまいそうなほどの眩暈感。さて、そんなドラゴンプロトコルに迫りくるのは――ある種のフラグ回収、天井から伸びてきた――ヤケに丈夫な縄。
 な……なにが……くっ……千切れない……? 何せ羅紗魔術で作られた|縄《●》なのだ。千切る事など不可能に等しい。哀れにも捕縛されたオマエの格好は――所謂、駿河問いのような状態であった。レッツ・ゴー・サイクロン!!! 最早、言葉は要らないだろう。背中に石がなくたって――文字通りの拷問、右回転やら左回転やら、|目が回るほど《忙しない》!!!
 べちゃ。アーシャ・ヴァリアントが解放されたのは数十分後である。穴という穴から色んなものが溢れてきそう。う、うっぷ……ふ、ふふふ、なかなかやるじゃない、う……。体調は最悪だ。それでも、這ってでも、アマランスちゃんのお隣に辿り着けたのは奇跡である。しかし、嗚呼、現実はおそろしいかな。乙女心は限界である。
 🌈🌈🌈。
 アマランスちゃんはバケツではありません。
🔵​🔵​🔴​ 成功

鬼灯・睡蓮
ふにゃ……ぐるぐるの訓練の後は足元注意ですか……
空中浮遊や空中移動、空中ダッシュで足元の注意は、完璧ですね……
浮いていれば、足元の罠にかかることは無いはず……
体も小さい(100cm)ので、誰かにぶつかることもないはず、です……方向感覚がアレですが……
元々、体力がある(POW220以上)ので、ぐるぐるしたとしても、体力は有り余ってるです……
三半規管が狂うことも、ないので、罠を踏むなんてことはよっぽど無いのです……
もし万が一、√能力関係で罠を作る人がいるなら、容赦なくルートブレイカーでぶち壊すですね……
作るものがいるならば、壊すものもいるのです……すぴー……

アドリブ絡み歓迎

 阿鼻叫喚を認めながら、虹色の臭いに気づきながら、それでも眠いと傾げるのか。汚れたシーツの交換に思考を攫われても、嗚呼、アルコール消毒は忘れない。
 ゴム手袋もつけておこう。準備は万端だ。
 体力は有り余っている。
 布団にでも包まって、ころころ、坂道を転がり落ちてみたい。その途中で何が邪魔をして来ようとも、悉くを巻き込んで、目を回しているのか、眠いのか、わからなくなってみたい。誰かさんの願望を枕としながらオマエ、ふにゃ、と、獏よりも惰性に鳴いてみせた。ぐるぐる訓練の後は、足元注意ですか……。足元に注意しつつ頭上、やってくるかもしれないタライにも意識を裂かねばならない。しかし、そう、足元のスイッチを踏まなければ――宙をふわふわ、漂っていれば、痛くも痒くもない、完璧な手札か。それにしても、折角のトンチキを殺すだなんて、それはそれで勿体ないのではないだろうか。……ふみ……これは、アマランスさんの、威厳を取り戻す、依頼なのでは……? まったくその通りだ。その通りだが、されど、果たして彼女は本当に『威厳』を求めているのだろうか。……真偽は、置いておいて、身体も小さいですし……目を回している、誰かにぶつかることもないはず、です……。あっちへフラフラ、こっちへフラフラ、三半規管は正常だと謂うのに、さて、フラついているのは何故。眠気? いいや、欠落の仕業だ。右も左も前も後ろも、わかりっこない。
 ぐるぐるが足りないのか。そうに違いない。転がっていた|羅紗《バット》を構えて何度も、何度も、回転していく。……なんだか、螺旋階段を、降りている気分、です。そのまま森にでも迷い込んでくれ鬼灯――罠を踏む事などなく。何もかもは順調か。……? あれは、なんでしょう。アレは何か。何処かの誰かさんが駿河問いをされた|痕跡《あと》である。放置してしまえば今度は、別の誰かが引っ掛かってしまうかもしれない。……作るものがいるならば、壊すものもいるのです……すぴー……。
 右掌で触れた、縄が文字通りに、ほどける。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アリシア・イーフェ・サーヴィーレ
ぐるぐるバット終わったらなんかトラップだらけなの!?
誰なの、こんなの仕掛けたの!!
タライが降ってくるとか古典的すぎる気がするのっ!!
足元も頭上注意しなきゃなの……
とりあえず怪我人には魔術刻印・復元をしなきゃなの〜
『復元せよ、時戻し』
私自身そこまでまだ魔法とか色々使えるわけじゃないし、何か新しいトラップ作ったりも思いつかないの〜
楽しいことは好きだけど、迷惑になるようなことはしたくないの〜
√能力とインビシブル融合とインビシブル制御も利用しながら私自身はなんとかするの〜

アドリブとか歓迎なの!

 頑張った果てのゴール。
 落ちてきたタライが脳味噌を揺らしたとして、治す事に、
 直す事に――秒とも必要ない。
 大切にしなければならない脳髄、大事に抱えていなければならない臓物、何もかもを、いぢめて、いぢめて、いぢめ続けている有り様は――羅紗の魔術士の大混乱は――塔が崩れるよりも大掛かりであった。アマランス・フューリーを見つめているのは、観察しているのは、何も彼女の部下だけではない。嗚呼、実に喜劇的な、カートゥーンを彷彿とさせる墓穴ではないか。ぐ……ぐるぐるバット終わったらなんかトラップだらけなの!? 誰なの、こんなの仕掛けたの!!! タライが降ってくるとか、駿河問いされるとか、古典的すぎる気がするのっ!!! 誰が仕掛けたのかと問われれば最初に引っ掛かった三半規管よわよわ魔術士なのだが――それを指摘すると流石に可哀想なので、部下たちは沈黙を貫いた。
 足元も注意しなきゃなの……。アリシア・イーフェ・サーヴィーレ、オマエは成程、魔女であった。時間をたっぷりと消費しても尚、紐解きたいものが存在するのだから、それに迷わず身投げが出来るのだから、魔女と称するに相応しい。いつか、羅紗魔術とやらにも興味を示しそうなものだが――このトンチキを片付けてからにすると宜しい。とりあえず、怪我人もいるの。治しておくのが最優先なの~。拡がっていく刻印からの魔力――文字通り、脳の髄からのお届け物だ。それにしても、嗚呼、未曾有に対しての想いだけが膨らんでいく。
 私自身、そこまで、まだ魔法とか色々使えるわけじゃないし、何か新しいトラップ作ったりも思いつかないの~。おそらく。切っ掛けさえ有れば可能なのだ。可能なのだが、ひとつ、今のオマエを抑制するのだとしたならば――楽しいことは好きだけど、迷惑になるようなことはしたくないの~。魔女よ、オマエは優しいのだ。
 ぐるぐるバットだ。ぐるぐるバットを遂行し、トラップを抜けて、魔術士を回収しなければならない。仮に、トラップを踏み抜いたとしても――融合と制御と、√能力が発動できていれば突破くらいは可能である。私ならやれるの。がんばるの。
 なんとかするの~。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アリエル・スチュアート
…。(全く喋らなくなったティターニアに指を添え)
何ですか、その様は。
それが悪の簒奪者の姿ですか?
ああ、もう貴女に悪の要素はありませんでしたね。
では私が、ええ、堕落した悪の女公爵であるこの私が、貴女の代わりに立派な悪を務めあげましょうか。

そもそも、羅紗魔術で酔い止めをすれば良いでしょうに。
何のための羅紗魔術ですか。
そうすればこの位は余裕です。

……ぅ……けぷっ。
せ、セーフ…こほん…ええ、余裕ですが?
別に目を回して罠なんて踏んでませんし、仮に踏んだとしてもそんなのは隷属の羅紗魔術でその辺の魔術士を盾にするだけですし。
まあ…多少殺傷力があっても死にはしないでしょう。
多分、きっと、おそらく。

 カリスマブレイクを覗く時、カリスマブレイクも此方を覗いている。
 ギャグシーンで良かった。
 沈黙したドローンへと――魔力を捧げてくれた|女王《ティターニア》へと――指を這わせているのは、天の使いで在ろうか。宙より地へと、地から底へと、堕ちていくかのような黒は、嗚呼、如何様な感情を湛えている。悪辣さの化身めいた振る舞い、もしくは、傲慢さを揮う何者かへの倣い――大きく、見せつけるかの如くに、羽ばたく真似事をしたのか。何ですか、その様は、いいえ、如何いう事ですか、その無様は。それが悪の簒奪者の、羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』の姿ですか? ああ、もう貴女に、アマランスちゃんに……甘ちゃんに、悪の要素は欠片としてありませんでしたね。悪辣? 否、辛辣だ。二重の意味で目を回している無様さんに聞こえているのかはわからないけれども、只管に、思いの丈とやらをぶつけてやると宜しい。では……代わりに私が、ええ、堕落した悪の女公爵であるこの私が、立派な悪を――邪悪というものを、務めてあげましょうか。落ちに落ちてしまったのはアマランスなのか、アリエルなのか。それを決める為には先ず、ぐるぐる、狂った独楽をリスペクトしなければならない。……そもそも、羅紗魔術で酔い止めをすれば良いでしょうに。何のための羅紗魔術ですか。√能力ですか。そうすれば、この位は余裕です。
 シュールだ。非現実的だ。悪の女公爵を名乗る堕天使が――シリアスがひどく似合うであろうアリエル・スチュアートが――優雅に、くるくる回っている。ああ、バレエなどであったならば、拍手喝采が起きていた事だろう。悲しいかな、ぐるぐるバット。濡れた髪の毛を乾かす事など出来ないと知っているのに……コーカスレースか。
 ……ぅ……けぷっ……。
 せ、セーフ……こほん……ええ、よ……余裕ですが?
 余裕と謂うには些か、顔色がよろしくない。別に、目を回してなんかいませんが? なら、そろそろ目を開けてみても良いのではなかろうか。一歩、進んでみても良いのではなかろうか。……か、仮に目を回していて、踏んだとしても、そんなの……。
 よろよろ、ふらふら、ちゃんと目を回していた堕天使ちゃん。ギリギリ、カリスマブレイクには至らなかったが――カチッ――試練とやらは此処からだ。頭上、出現したのはタライではない。その代わりとしてやってきたのはヤケに大きな魔導書、その|角《●》。……ひくっ……ま、まあ? この程度の罠? 隷属の羅紗魔術があれば……問題ないし。砂塵の色は黒ではない、盾を構える事に躊躇はなかった。
 生贄として差し出されたのはその辺の魔術師である。
 犠牲者は悲鳴をあげる事もなく、どくどく、漿液を散らかしている。
 多少殺傷力があっても死にはしないでしょう。
 たぶん、きっと、おそらく。
🔵​🔵​🔴​ 成功

赫夜・リツ
…ちょ、アマランスさんの頭に…タライが…
なんでそんなトラップ仕込んでるんだあの人は
カリスマお笑い芸人にでもなる気なの…?
ええっと…思うことが色々ありすぎて、更に目が回りそうだけど
倒れてるし…心配だから、助けにいこう…

わ、わぁ…特訓で目が回って、足元がふらつくなぁ…
あ。ギョロ…大丈夫…?
吐いたりとかはなさそうだけど、スン…としてそうだね
効果あるかわかんないけど、ちょっと腕をさすっておこう

※引っかかる罠はお任せします

どうにかアマランスさんの側に近づけたら【再起を願う】を使った後
何してるんですか…ってやんわりツッコミを入れてしまいそうだな
でも、頑張ってたのは確かだし、最後まで頑張れるように応援しよう

 きっと、エミちゃんも応援する筈だ。
 混沌とした沙汰とやらを――混乱極めている最中――物理的に、引っ掻き回すのは止めていただきたい。いっそ清々しく思えるほどの痴態ではあるのだが、最早、後の祭りか。ちょ……ちょっ……アマランスさんの頭に……タライが……? 羅紗の魔術士、彼女の部下達から口にされた衝撃の事実。墓穴を掘るのも大概にしろと突っ込んでやるべきなのだろうか。なんでそんなトラップ仕掛けてるんだあの人は……カリスマお笑い芸人にでもなる気なの??? ああ、この無様ではカリスマの四文字、息をしていない。ええっと……? 思うことが色々ありすぎて、更に、目が回りそうだけど……。数多の事件を解決してきた、数多の依頼に参加してきたベテラン√能力者であっても、この反応だ。アマランス・フューリーの錯乱が引き起こしたカオスは未曾有と表現するしかない。た、倒れてるし……心配だから、助けにいこう……。一歩、前に出ようとした。その瞬間だ。
 わ、わぁ……。特訓の所為か、ドジっ娘アマランスちゃんの所為か、眼球振盪が治まらない。足元がふらつくだけなら兎も角、脳味噌が、ぐるぐると撹拌されているかのような気分の悪さだ。そして何より、悪心とやらはオマエだけの『もの』ではない。あ……ギョロ……大丈夫……? オマエと一緒に回転していた異形の腕、いつも騒がしい彼が黙するほどの地獄ではあった。吐いたりとかはなさそうだけど……スンって……なってる……? 効果のほどは不明だがそっと、腕をさすってみる。其処に意識を取られたのか――カチッ――何かを踏んでしまったようだ。……あ、しまったな……。
 床から何か、霧のようなものが、流れてくる。
 息を止める、最善だと理解は出来ていたのだが、
 咄嗟に『する』事は難しかった。
 すごく、すっぱい。まるで、レモンの汁気を直に浴びたかのよう。身体をプルプルと震わせながらも如何にか目的地に到着する事ができた。願うべきは再起。……何してるんですか、アマランスさん。こんな事をしなくても、アマランスさんは立派な、羅紗の魔術士でしょう。だけれども、彼女は頑張っているのだ。頑張っている者を最後まで応援する。それに、月も鼈も『ない』のだから――思い残すことがないように。
🔵​🔵​🔴​ 成功

露木・幽蘭
彼女は必要な犠牲だったのです
とても悲しいことですが…
しかしその犠牲があったからこそ、根拠のある自信を手に入れられたのです
練習をしたことでぐるぐる状態での肉体の制御は完璧っぽい!
今のボクなら簡単な罠なら回避したり破壊したりできるのです
まぁ、簡単なことなので肉体を制御化に置けば難しいことではないのです
とゆーことで…ぐるぐるな円の動きで回避し、往なして、破壊して進むのです
失敗して引っかかってもそれはそれでおいしいので気楽にいくですにゃー
ぐるぐるバットとはそーゆーものなのです

 自分を古龍だと思っている語尾ワンな山猫の完成だ。
 画像の真ん中にあるのは人間だろうか。
 目が回りそうな状態ではあるのだが、修正可能な範囲とも考えられた。
 お約束というものは――ギャグトラップというものは――絶対性とやらを孕んでいた。筆舌に尽くし難いほどの強制力は、成程、たとえ簒奪者であっても逃れられないほどで、その喜劇的な末路は――おそろしくも、理不尽を極めていたのだ。彼女は必要な犠牲だったのです。とても、とても、悲しいことですが……。しかし、その犠牲があったからこそ、二重の意味での目回しがあったからこそ、根拠のある自信を手に入れられたのです。それに加えて先程までの練習だ。塵も積もれば山となる、ぐるぐる状態での、目が回っている状態での、肉体の制御は完璧っぽい! 今のボクなら――! フラグをへし折る事に躊躇がないとは『このこと』か。これにはぐるぐるの神様も吃驚を隠しきれていない。まぁ、簡単なことなので、肉体を制御下におけば難しいことなんて、万に一つもないのです。早速だが龍を彷彿とさせるぐるぐるバットをしてくれないか。お辞儀を確りとしてやると良い。
 レッツ・ゴー・サイクロン!!!
 もっとぐるぐるするんだよ!!!
 ぐるぐる、ぐるぐる、まるでひとつのコンパス。バットを軸としたならばオマエこそが鉛筆か。円を描いて、渦を描いて――その動きを殺さないように、トラップゾーンへと侵入していく。回避し、往なし、破壊をしていくこのサマこそが――チャクラの流れのイメージだ。調子がいい。とっても調子が良いと思ったところで「カチッ」とした音。あ、引っ掛かったにゃー。でも、それはそれでおいしいので、気楽にいくですワン……? ワン??? 語尾が変わった。如何やらそういう罠らしい。羅紗の魔術士が引っ掛かっていたら『らしゃ』になりそう。これがぐるぐるバット、そーゆーものなのです。……バウ。ぐるぐるの神様が微笑んでいる。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ディラン・ヴァルフリート
依頼は依頼。挑戦するというなら突破させる想定でしたが……
また敗けていらっしゃいますね……
此方の計画も軌道を修正すべきでしょう

魔術士たちを対象に【仁刻】発動
増幅するのは冷静な思考、身体能力と……助け合う心
威厳なら既にあるからこそ助けに、支えに集うのでしょう
まるで理解し難い心理ですが、今回はそういう方向の詭弁で。

罠はスコヴィル240万の|ドラゴンズ・ブレス《唐辛子》を流用した催涙弾
間食用に持ち歩いている香辛料とはいえ、
慣れない方には凶器としても有用かと
意思に覚悟、証明する術は限られますが……
味わった苦痛は多少なりとも裏付けとなるものです

僕自身は、まぁ。直進で適当に。
何にせよ完治10分未満の戯れです

 全戦全敗の魔術士は伊達ではない。トンチキなシナリオ内にてアマランス・フューリー、ある意味最強とも称するべきお方であった。ぐるぐる回れば回るほどにやってくる災難の数々。まるで、対処不能な災厄にでも出遭ったのかと疑ってしまえるほどには――彼女はひどく不幸だったのである。依頼は依頼、挑戦するというなら、抗うというなら、突破させる想定でしたが……。また、敗けていらっしゃいますね……。これにはドラゴンプロトコル、敗北すべき|魔王《ラスボス》の肩書も脱帽するほどか。此方の計画も軌道を修正すべきでしょう。まったく、運命にでも弄ばれているのか、ひっくり返っている君にため息を。
 此度のお相手は――仁刻を発動させるべき対象は――魔術士たちである。彼等、彼女等が、この罠地帯を抜けてくれたなら、痴態を晒している上司の救いともなり得る。冷静さ、身体能力の向上、そして何よりも、助け合いの心。威厳なら『既にある』のだ。既に存在しているからこそ、彼女にはたくさんの『部下』が存在している。まるで理解し難い【心理】ですが、今回は――そういう方向の詭弁で。正当化したのだ。正当化に成功したのなら、今度は試練を課す為にちょっと仕掛けてやると宜しい。取り出したる赤いブツの所業、最早、人でなしと叫ばれるほどの沙汰か。……スコヴィル240万の|ドラゴンズ・ブレス《唐辛子》。それを流用した――催涙弾。阿鼻叫喚でも作るつもりなのか、能力者よ。
 すっかり目を回してしまった魔術師の一人が、かちり、案の定。床下から噴出した|阿鼻叫喚《ドラゴンズ・ブレス》は――情け容赦なく――鼻腔や、眼球などを擽った。……間食用に持ち歩いている香辛料とはいえ、これなら、十分、有用かと。有用なんてレベルではない。仮に、覚悟をしていたとしても、絶望を『味わっている』事に変わりはないのだ。ああ、それでも。魔術師は上司の為に、羅紗の魔術士の為に、這い蹲っている……。証明されたのだ。たとえ、死にたくなるほどの、釜の底だとしても。
 裏付けには、なりましたでしょうか。僕自身……? まぁ、直進で、適当に。何にせよ完治10分未満の戯れです。戯れるのも程々にしてくれと、誰かさんが苦笑いした。
 さて、ドラゴンの吐息、目を回している魔術士にも流れ弾。
 おそろしい気付けの所為で羅紗の目にも涙。
🔵​🔵​🔴​ 成功

愛禍咲・雛菜
■ハニートラップ(物理)

わぁわぁ……アマちゃんが酷いことに……
よしよし辛かったねぇ。頑張ったねぇ
でも大丈夫、大丈夫だよぉ?
アマちゃんには親友の雛菜が付いてるよぉ♡

と言うことで、心も身体も傷付いたアマちゃんを、
√能力で回復だ!本邦初公開!《無差別円環破綻劇場》どんぱふー☆
うん?ちっとも治らない?
あ、10分待ってね。丁度良いからスクワットもしよっか
ヨガだけだと筋肉落ちちゃうこともあるからねぇ。
え、10分スクワットが地獄?
あは、大丈夫だよぉ、10分経過したら元通りだから……

……見た目はね?

(※注意!
この√能力は内から発生させた負傷や破壊や状態異常は一切回復しないよぉ?良い子は真似しちゃいけないゾ☆)

 ハニートラップにやられたのだ。
 ハニートラップ(物理)にやられたのだ。
 筋肉痛からは逃れられない。
 世界が歪んでいるのか、自分が歪んでいるのか、目を回している彼女からすれば、何方も似たようなものだったに違いない。強烈なスコヴィルを浴びてしまった魔術士の白黒、治まってきた頃に再び――災難が災難を招くと謂うのか。わぁわぁ……アマちゃんが酷いことに……。ぐるぐるバットはしなかった。罠も一時中断とされ、人間災厄「サークルクラッシャー」は――ふつうの女の子は手を伸ばしてみる。よしよし、辛かったねぇ。頑張ったねぇ。でも大丈夫、大丈夫だよぉ? アマちゃんには|親友《●●》の雛菜がついてるよぉ♡ 気が付けばお友達だ。気が付けば親友だ。親友という『もの』に最早、疑問は欠片として存在していない。う……うぅ……私は……私は、もう、おしまいです。口調までもブレイクしていないかアマランス・フューリー、いよいよ威厳は地に落ちて、その地すらもぶち抜かれていた。そんなアマちゃんに、心も身体も傷ついたアマちゃんに、朗報です。√能力で回復だ!!! 本邦初公開! 無差別円環破綻劇場!!! どんぱふー☆ 声でどんぱふするのは結構だがふつうの女の子、注意事項とやらをよく読んでおいた方が宜しい。何故ならこの能力は――内からのあれそれに反応しないからだ。つまり、そう、一切回復しないので「良い子は真似しちゃいけないゾ☆」誰の声だろうか、気にしてはいけない。
 うん……うん? ちっとも治らない? あ、10分待ってね。そしたら、たぶん治るから。気絶から回復しても尚、目は回っているし、眼球やら鼻腔やらが痛い。……ひ、雛菜ちゃん。私……いっそ死にたい。絶対死領域ではないのだ。死んでしまえば、そう、完治したも同然である。されど『それ』は今までの特訓を、ヨガを無意味にする行為だ。……アマちゃん? 丁度いいからスクワットもしよっか。鬼である。いや、人間災厄である。ヨガだけだと筋肉落ちちゃうこともあるからねぇ。え? 地獄? あは、大丈夫だよぉ、10分経過したら元通りだから……見た目はね。ぷるぷる、膝を曲げようとしたら尻餅付いた。世界がぐるぐるしている。結局、雛菜の小さな小さな言の葉は、聞こえなかったのだ。
 アマランス・フューリー、やり遂げた。
 やり遂げはしたのだが、何故だろうか。
 膝が笑っているし、立っているのもやっとな有り様。
🔵​🔵​🔴​ 成功

第3章 ボス戦 『羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』』


POW 純白の騒霊の招来
【奴隷怪異「レムレース・アルブス」】を召喚し、攻撃技「【嘆きの光ラメントゥム】」か回復技「【聖者の涙ラクリマ・サンクティ】」、あるいは「敵との融合」を指示できる。融合された敵はダメージの代わりに行動力が低下し、0になると[奴隷怪異「レムレース・アルブス」]と共に消滅死亡する。
SPD 輝ける深淵への誘い
【羅紗】から【輝く文字列】を放ち、命中した敵に微弱ダメージを与える。ただし、命中した敵の耐久力が3割以下の場合、敵は【頭部が破裂】して死亡する。
WIZ 記憶の海の撹拌
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【羅紗の記憶海】」から【知られざる古代の怪異】を1体召喚する。[知られざる古代の怪異]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
イラスト すずま
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

 情け容赦のないトンチキに――筆舌に尽くし難い混沌に――目を回していた羅紗の魔術士。たっぷりと数十分、休んだならばようやく動き出す。如何にか回復した彼女だが、さて、威厳の回復にはミリとも至っておらず。むしろ、動画とやらが霞むほどの痴態であった。転がっているバットを何度目か、握り締めて。呼吸を整え……。
 色々とあったが、本当に色々とあったのだが、此処からが汚名の挽回、名誉の返上だ。私が能力者達に勝利すれば問題ないのだろう?
 アマランス様、アマランス様、逆です。
 部下に指摘されたところでお顔真っ赤。如何やら、カリスマはブレイクされっぱなしで「いっそころせ」と蹲る残念さ。
 えー……アマランス様は疲れているらしいので、私から、今回の『ぐるぐるバット』についての説明をさせていただきます。はい。皆さんもご存知の通りですが、今回の依頼はアマランス様の威厳を取り戻す事です。あの動画が真実ではないと、世間に教えてやらねばなりません。つまりは、そうです。√能力を使っての勝負ではありません。
 ルールを説明します。
 ぐるぐるバットをして、先に、🌈した方の負けとなります。
 しかし、このルールだとアマランス様が圧倒的に不利ですので――アマランス様が考えたルールなのですが――私達から、ルールを追加させていただきます。
 アマランス様も含めて、この場にいる全員を『三半規管よわよわ状態』にしました。これで、平等になると思います。それでは、皆さん、アマランス様の為にも。
 道連れになってもらいますね。

 ※※※
 ぐるぐるバットルール
 √能力は敵味方共に禁止(バレなきゃ以下略)
 全員『三半規管よわよわ』状態
 先に🌈した方の負け
 以上!!! 頑張れ!!!
鬼灯・睡蓮
むにゃ……
ルールには、従いましょう……
ええ、イカサマしないとは言い切りませんが……
平和的な、勝負っぽいですし、頑張ってぐるぐるしましょう……ぐぅ……
疲労したら、一緒に眠って休みましょう……せっかくですし、仲良く遊べる相手は欲しいところですから……
とはいえ……ええ、負けず嫌いなのは、こちらもなので……
三半規管がよわよわが増幅するか、僕の能力値がただ膨れるだけか……勝負といきましょう……
こっそり、夢の階するです……
勝負事には真剣に、取り組むのが1番楽しいのですから……たまにはイカサマも、面白いものだと思っています……
アマランスさん……終わったら、一緒にお昼寝でもしましょう……すぴー……

アドリブ歓迎

 そもそも、多勢に無勢なのが常。
 下手でないから余計に、全部の弾が命中するのだ。
 アマランス・フューリーは既に、とっくの昔に、理解はしていた。
 羅紗魔術の結界――内包された者は――たとえ、化け物で在ろうと、人間で在ろうと平等だ。この絶対的な平等とやらが齎すのは一種の生き地獄でしかないのだが、さて、人間災厄「白昼夢」の反応や如何に。むにゃ……ルールには、従いましょう。ええ、イカサマしないとは言い切りませんが……。後で付けておいた『一言』は心の声だ。それを口にしてしまえばおそらく、本格的な、死ぬ事のない殺し合いと発展していた筈なのだ。せっかくの、平和的な勝負っぽいですし……ここで、ひっくり返すわけには、いきません、です。頑張ってぐるぐるしなさい、鬼灯・睡蓮。ぐるぐるの神様が真っ赤で、流れるような有り様なのであればついて行く価値くらいは有るのだから。疲労したら、ぐったりしたら、皆で眠ればいい。仲良く遊べる相手は貴重――当たり前とやらが、宝とされた。
 私は、そうです。貴方が思っている以上に負けず嫌いですので、たとえ、エチケット袋のお世話になったとしても……。羅紗の魔術士からの宣戦布告だ。それはお互い様だと、こくり、頷いてやったならばいよいよ基本の姿勢か。アマランスちゃんの部下がホイッスルを拭くと同時にぐるぐる開始。皆が何回ぐるぐるしたのかを数えてくれる中、さて、オマエは初っ端から『仕掛けていた』らしい。三半規管よわよわが増幅するか、僕の力がただ膨れるか、賭けとしましょう……。こっそりとした夢の階、この微睡みの中では眩暈など常時に等しい。胡蝶の飛び方の所為で頭がフワフワとするのか。
 勝負事には真剣に取り込むこと、それが何もかもを愉しむコツであった。たまにはイカサマも、失態を晒すのも、面白いものだと思っています……。ぐるぐる、ぐるぐる、最早、何もかもが渦の中――隣で何かが倒れた音。漂ってくる酸っぱい臭い。
 ……けぽ。🌈……ウェ……。
 アマランスさん……終わったら、一緒に昼寝でもしましょう。
 すぴ……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アリシア・イーフェ・サーヴィーレ
一瞬、命のやり取りかと思って身構えちゃったの!!
戦うのも好きだけどね!
今のところどうせ死なないから!
とはいえ、公平にみんな平等になったんだったらどっちが耐え切れるか正々堂々、勝負なの!!
もちろん、周りの魔術師さんたちも参加するのでしょう?
回る速度はみんな違うだろうけど、回る回数も全員一緒にしちゃった方が良い気がするの!どうかしら?
一緒に楽しく遊べたら嬉しいの〜
後仲良くなれたら嬉しいの!
魔術や魔法関係のお友達は多い方が嬉しいの!
いつか色々面白かったりすごい魔術とか教えてもらえたら嬉しいの〜
あ、でも、誰か犠牲にしたりとか迷惑かけるようなのは使っちゃダメなの〜
とりあえず、頑張ってぐるぐる耐えるの!

 羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』、彼女が纏っている雰囲気は、最早、決死戦時の『もの』に近しかった。トンチキな依頼でなければおそらく、既に数名ほどの√能力者がインビジブルと化していた事だろう。一瞬、命のやり取りかと思って身構えちゃったの!!! 戦うのも好きだけどね! 今のところどうせ死なないから! アリシア・イーフェ・サーヴィーレの科白の通り此処は絶対死領域ではない。死を覚悟するなんて事はなく、只、緊張感だけが漂っている。とはいえ……公平に、みんな平等になったんだったら、どっちが耐えられるか……🌈の彼方に行ってしまうか……正々堂々、勝負なの! 何処かのカフェーめいた展開である。シリアスなど皆無。『情念』のようなものだけが蓄えられている。もちろん、周りの魔術師さんたちも参加するのでしょう? ざわつく世界。……そうか、私の為に、そのような事まで……。アマランスちゃんも乗り気なご様子だ。わ……わかりました。我々も、参加するとしましょう。ぐるぐるバットロワイヤルが始まった。ぐるぐるバットの王様ってなんだよ。
 ひとりひとり、回る速度は違うらしく。考えてみたならば、少しも平等ではなさそうだ。その為、オマエは更なるルールを追加した。回る回数も全員一緒にしちゃった方が良い気がするの! どうかしら? いや……それは、違うな。羅紗の魔術士本人からの『否』だ。回数に上限はない。何故なら、これは『ロワイヤル』なのだ。最後まで回って、リバースしなかった者が勝者となる。わかったの。でも、本当に気持ち悪くなったら、出来る限り休んでほしいの。一緒に楽しく遊んで、仲良くなれたら嬉しいの! ニコニコと、輝かんばかりの笑顔。目が回るよりも前に眩んでしまいそう、魔術士は目を逸らした。
 魔術や魔法関係のお友達は貴重だと、心の底からのお言葉。いつか。そう、いつか。色々面白かったりすごい魔術とか、教えてもらえたら嬉しいの~! あ、でも……。誰かを犠牲にしたりとか、迷惑をかけたりとか、隷属させたりとかは……。約束できないな。私達はどのようなカタチであっても『羅紗の魔術塔』の人間だ。今からぐるぐるバットをするとは思えないほどの、やけにシリアスとした返答。……そう……なの……。
 複数人が集まってぐるぐるしている光景は、嗚呼、シュールを極めていて、笑い飛ばす事も難しい。果てには『数』を把握する事すらもできない有り様だ。とりあえず……頑張って……ぐるぐる……め、目が回るの~……。よろよろ、倒れそうになった魔女。ぶつかってしまったのは、柔らかくて、甘い匂いのする……。
 故意ではない。故意ではないのだが。
 アマランス・フューリーは巻き込まれ、そのまま、エチケット袋を取り出した。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アーシャ・ヴァリアント
アドリブ歓迎。

うぇっぷ……ふふ、なかなかやるわね(アマランスちゃんは何もしてないが)
名誉ならもう返上したようなもんじゃない……頭抱えてしゃがみこんでうーっていってるのがお似合いよ(カリスマブレイク)
平等の状態にしたところでアタシがアンタに負けるわけないじゃない……たとえ体調が最悪でも、うっぷ。
い、いくわよ、ボスらしく臓腑掻っ捌いたの如くぶちまけさせてやるわ(こっちがボスらしい)
レッツ・ゴー・サイクロンっ!

(|当人《アーシャ》は正々堂々√能力を使いませんが勝負とは始まる前から始まってたりする。
誰かさんの呪詛が今回は悪い事をしてないアマランスちゃんを襲うっ。
勝っても良し、引き分けでも良しで。)

 クヴァリフの仔とクヴァリフの仔、同じ肚から出た者どもが、殴り合っているかのような光景。団栗の群れが背比べをしているかの如くに、中々、愉快な一場面である。罠に嵌まって――スイッチを踏んで――駿河問いにやられたアーシャ・ヴァリアント、きっとオマエの威厳とやらも致命を受けてしまったのだ。うぇっぷ……ふふ……な、なかなか、やるわね。意地でも『目が回る』なんて『気持ち悪い』なんて口にしない。羅紗の魔術士は……アマランスちゃんは実際、何もしていないのだが、此処からは不毛な争いとやらの勃発であれ。名誉ならもう返上したようなもんじゃない……ほら、頭抱えてしゃがみこんで、うーってゲロってるのがお似合いよ。お互いにしたのではないか。プルプル、アマランス・フューリーは顔色を信号機にしている。……まさか、その状態で今の私と、平等だと思っているのか……うっぷ……。エチケット袋を隠しておくと宜しい。
 平等? 公平? そんな状態にしたところで、アタシがアンタに負けるわけないじゃない……たとえ、体調が最悪でも……うっぷ。似たように啼くのがお上手ではないか二人とも。同時にバケツへと身投げした方が正しいのかもしれない。い、いくわよ、ボスらしく臓腑掻っ捌いたかの如くぶちまけさせてやるわ……! ふらふらと、両者ぐるぐるバットの構え。アマランス・フューリーにとってもオマエは最後の壁だろうか。
 レッツ・ゴー・サイクロン!!!!!
 ところで数日前の話に遡る。アーシャ・ヴァリアントが知らないところで、彼女の真の妹ちゃんが如何やらお呪いに勤しんでいたらしい。この『お呪い』はアーシャ・ヴァリアントの――お姉ちゃんの『敵対者』に対して発動する。もちろん、この『敵対者』というものは――|実妹《カーシャ》の想いを含めて選ばれる!
 アーシャ・ヴァリアントはそろそろ、限界を迎える頃であった。頭上からのタライではなく|駿河問い《ごうもん》だったが故にこそ、三半規管その他へのダメージが尋常ではなかったのだ。……さ、さすがに、キツイわね……。目が回るだなんてものではない。今にも頭が落ちてしまいそうな不快感に、ドクドクする痛みに、屈して――その時だ。お呪いが届いたのだ――アマランスちゃん、バベルよりも盛大にスッ転ぶ!!!
 あの時の羅紗だ。そう、羅紗の魔術師は引っ剥がされた|羅紗《おび》に足元を掬われたのである。本来であれば絶対に起きない『沙汰』なのだが、ああ、なんて運の悪い……! そして彼女は本日何度目かの後頭部強打!!! 眼球振盪と脳震盪に挟まれ、耐えようとする事すらも赦されず――🌈! |目を回す《きぜつ》!
 な……なんだか、知らないけど、勝っ……っ……🌈。
 勝利には違いない。秒の差であった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

四之宮・榴
アドリブ・アレンジ・連携歓迎。

心情
…公平を期すなら、回復してからに、しませんか…?
…既にボロボロなので…あくまでも、提案ですが…如何でしょうか?
…10分間休憩して…では、駄目ですか?

…僕もunknownの店員ですし、負けると先輩のぐるぐるが待ってるので…負けれません、から…!

…ただ、勝手に治るのは…どうしましょうか…。

行動
ズルは、なしです。
事前にお互いに回復してから、と提案します。
許可が出れば、√能力で回復してから、ぐるぐるバットをします。
因みに、√能力ではないのです。
スキルだし、僕はD.E.P.A.S.なので、困るのですが。
一応|インビシブル《この子》達には、融合しない様に謂いつけておく。

 ズルはなしだ。なしなのだが、それでも不利なのに変わりなし。
 エチケット袋から溢れんばかりの。
 二重の意味での目回し、これについても何度目だろうか。ぐるぐるバットの後の頭部強打、ギャグシナリオでなければ、トンチキ依頼でなければ、アマランス・フューリーは今頃、インビジブルと化していた事だろう。遠い彼方に失せていた意識の回復――仮に、返事が出来ていたとしても、これ以上、三半規管その他をいぢめるワケにはいかない。……公平を期すなら、完全に……回復してからにしませんか……? 四之宮・榴は執事である。執事で在るのだから当然、紳士でもある。決闘をするのであれば、嗚呼、万全こそが道とも謂えよう。既にボロボロではありませんか……あくまでも、提案ですが……如何でしょうか? 完全回復に時間が掛かるならば、せめて10分。呼吸を整え、吐き気を鎮め、頭痛を治めるのが正解なのではなかろうか。……あ、ああ。その通りだ。今も、貴女が二重三重に見えて、仕方がない……。しかし、如何して真剣勝負をしてくれるのか。私は一応、まだ、羅紗の魔術士だと謂うのに……。それは……僕も、あのカフェーの店員ですから。それだけではない。もしも、此処で『確実な勝利』を選んでしまっていたら、先輩からのキツイお仕置きが待っているに違いない。絶対に🌈れない戦いがここにある。
 ……その、ひとつ……問題がありまして……勝手に、治されるのは……。オマエは贄なのだ。贄であると同時に、寵愛されているのだ。そんなオマエの様子に気が付いた魔術師の一人が言の葉を紡ぐ。では、こうしましょう。融合しないように言いつけるのではなく、融合できないように、羅紗魔術の|結界《●●》の中で『ぐるぐるバット』を行うと謂うのは? つまりは横入りなしのガチンコ。これで真に平等である。……わかりました……それなら、問題ないでしょう。囁きが届いたならば再度、掛け声だ。最早お馴染みとなったレッツ・ゴー・サイクロン。
 用心深さは愈々死んだ。その代わりにやってきたのは新鮮なまでの眼球振盪である。ぐるぐるバットの影響下にある者は皆、嗚呼、己の脳味噌の傾きに嘔気を知るのみ。……こ、これは……。先輩のぐるぐるよりもキツイ気がしてきた。それでも尚、我慢が出来るのは――お隣、そろそろ倒れてくれそうなアマランスちゃんのお陰か。ほう……私と同じくらいまで『よわよわ』になったと謂うのに、そのブレのなさ。脱帽する他に……ぅ……。最初にバランスを崩したのは魔術士。あとは、どろどろと倒れて、けろけろと啼くのみ。
 ……な、なんとか……耐える事が、できましたが……あの。
 ……大丈夫ですか?
 大丈夫ではない。貰わないようにしておこう。
🔵​🔵​🔴​ 成功

露木・幽蘭
最後は小細工なしのガチンコ勝負なのです!
まぁ、ぐるぐるバットなんだけどねー
√能力なしのガチンコ勝負でも問題なーし
事前の特訓と実戦を通して内勁の操作精度はあがっている!
つまり√能力なしでも十分勝ちを狙えるのです
気合、入れて…レッツ・ゴー・サイクロンですにゃー!!
本日最後のぐるぐるは🌈の向こうへ!

 文字通りの龍巻だ。
 凄まじいぐるぐるに気圧されてアマランスちゃん、しりもちをつく。
 羅紗の魔術士、彼女の強さについては――簒奪者としての力量については――知っての通りだ。確かに、彼女は全戦全敗のレッテルを貼られてはいるのだが、それは、複数の能力者を相手にしていたが故である。通常の簒奪者であればとっくに、滅ぼされていてもおかしくない状況だ。それでも尚、生き残る事が出来ていたのは――最早、説明する必要もない。そんな彼女からの『果たし状』だ。そんな強敵からの『挑戦状』だ。これを無視できるほど|武芸者《●●●》、正気ではない。最後は小細工なしのガチンコ勝負なのです!!! まぁ、ぐるぐるバットなんだけどねー。ああ、しかし、ぐるぐるバットで『良かった』のかもしれない。もしも、これが『√能力使用不可の殴り合い』だった場合は、此方が不利だった可能性を否めないのだから。では……尋常に、勝負だ。私は、たとえ、威厳を保てなかったとしても、勝利を掴むと此処に誓う。本末転倒なのではないか、アマランスちゃん。これにはカメラを回している魔術師も苦笑いである。上等、こっちも問題なしっぽい! ところで√能力者、露木・幽蘭。オマエのその自信は何処から来るのか。そう、特訓である。
 事前の特訓と実戦、経験を重ねてきた事による|内勁の操作精度《ちから》。これが、決して裏切らない事をオマエは理解しているのだ。つまり、能力を使わなくとも十分勝ちを狙えるのです。気合いだ。何もかもは気合いだ。継戦能力を高めていけば自ずと――彼方とやらを認識できる。レッツ・ゴー・サイクロンですにゃー!!! 勢いこそが鍵なのだ。相手がついて行けないほどの高速回転!!! アマランス・フューリー、続こうとするも呆気にとられ、回る前に目が回っているかのような感覚に陥る。
 ……わ、私は……私は、何と戦っている……?
 本日最後のぐるぐる!!! 三半規管の限界をぶち破った結果が🌈である。されど、嗚呼、魔術士はまだ、基本姿勢も出来ていなかった。
 この勝負は――アマランス様、我々の負けということで。
🔵​🔵​🔴​ 成功

愛禍咲・雛菜
そんな!親友(強調)のアマちゃんと戦うなんて、
雛菜には出来ない……出来ないよぉ……っ!

だから別に不戦敗で良いよねぇ?わたし取り戻す威厳もないし。とふにゃっと笑うふつうの女の子ムーブ

うん?でもやるの?けじめだから?
威厳取り戻したいから?友情よりそれ大事……?
あ。でもやるならねぇ……雛菜は決戦型WZ『S・D・A』に乗ってぐるぐるするね?
武器は√能力じゃないから使って良いよね?
この子自律稼働するから雛菜無限回ぐるぐるバット出来るけどルール全部守ってるしOKだよね?
じゃ、勝負開始ー

あ。WZに搭乗したら目は閉じてメインカメラオフにしまーす☆
うん、アマちゃんやっぱり詰めがアマちゃんだったねぇ……生きてる?

 一般羅紗魔術師曰く、二度あることは三度ある。
 限界を突破したいとの宣言に――戻しても尚、貫きたいと謂う宣言に――ふつうの女の子の反応や如何に。意地とやらに支配されてしまったならば、誇りとやらに捕縛されてしまったならば、嗚呼、男の子で在ろうと女の子で在ろうと、魔術士で在ろうと縋りつく他にない。そんな……! |親友《●●》のアマちゃんと戦うなんて……! 今にも崩れてしまいそうな、今にも頭を抱えてしまいそうな、雛菜ちゃん。人間災厄「サークルクラッシャー」の心の底からの言の葉には、さて、本物が宿ってはいるのだ。雛菜には出来ない……出来ないよぉ……っ! すっく、立ち上がって笑みを向けてくる。だから、別に不戦敗で良いよねぇ? わたし、取り戻す威厳も何もないし。この微笑みについては、この提案については逆効果だ。羅紗の魔術士であるアマランス・フューリーは「それは困る」と口にするのみ。うん? でもやるの? けじめだから? 威厳を取り戻したいから? それって……。友情よりも大事なのかと問われたとしても、ああ、秒とも悩まず彼女は頷く。その通り。私は最早、威厳の有無ではなく。これを、完遂しなければならないと、己自身に課しているのだ。あ、あはは……そうなんだぁ。あ、でも、やるならねぇ……。
 限界を宣言したのは何も魔術士だけではない。愛禍咲・雛菜にだって得物は存在するのだから。嗚々、視よ。彼女の隣で仁王立ちしている決戦型を――『S・D・A』に乗ってぐるぐるするね? 武器は√能力じゃないから使って良いよね? この子、自律稼働するから、雛菜、無限回ぐるぐるバット出来るけどルール全部守ってるしOKだよね? アマランス・フューリーは何か言いたげだ。そ、それは……。じゃ、勝負開始ー。何かを謂われるよりも先に開始宣言。……親友が、それで、良いと謂うなら……私は何も……。
 あ、WZに搭乗したら目を閉じて、メインカメラオフにしまーす☆ アマランス・フューリーは考えていた。仮に、何かしら『目を回さない』方法を思いついていたとしても、そもそも、あれは乗り物だ。三半規管よわよわ状態で『乗り物に乗る』選択をした時点で危ういのではなかろうか。それに……目を瞑っていたとしても、外の景色を見ないようにしていたとしても……身体は機体と諸共にぐるぐるしているのだから……それは、不利でしかない……筈。そう、筈なのだ。筈だったのだ。ふつうの女の子はきっと目を回さないし、三半規管よわよわだったとしても乙女心はつよつよなのである! 不条理!!!
 うん、アマちゃんはやっぱり詰めがアマちゃんだったねぇ。甘くはないのだ。アマランス・フューリーは魔術士だからこそ、きっと、頭でっかちなだけである。……目が回る……う、うっぷ……。アマちゃんはもうダメそうだ。今にも噴水してしまいそう。いや、した🌈。
 ……生きてる?
 生きてはいる。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アリエル・スチュアート
…一般羅紗の癖に余計な事をしてくれますね。
まあ、良いでしょう、√能力は使うなとは言われましたが、技能を使うなとは言われてません。
狂気耐性を試しに使ってみましょう。

いずれにせよ今や悲劇のヒロインと化したアマランスをこうして見下ろすのも、それはそれで愉しいモノですしね。
立場が逆になった気分はどうですか?
この勝負、私が負ける要素なんて一つもありませんね。
と言う訳でぐるぐる回ります。
回りますが…あれ、これ以外ときつい…?
…仮に私が先に負けそうになったらあざと可愛い無表情なメイドに隠してもらいましょう。
え?そのメイドは何時から居たか?
最初から居たでしょう、と公爵の社会的信用と礼儀作法で言いくるめます。

 ハンカチは常に持っておきなさい。
 切り離された布一枚、羅紗の端っこだとしてもその効果は上質だ。その所以を、成程、悪の女公爵は理解できている。……一般羅紗の癖に、平凡魔術師の癖に、余計な事をしてくれますね。正々堂々と『ぐるぐるバット』をするのだ。愉快痛快に『ぐるぐるバット』をするのだ。よりトンチキに、よりケイオスに、フラついてやらねば勿体ない。まあ、良いでしょう。能力を使うなとは言われましたが、それ以外を使うなとは言われていません。するりと、羅紗の切れ端を『彼女』のように纏ってみせる。たとえ、属性が『悪』に引っ張られたとしても、この『リスペクト』だけは忘れない。……それは、私に対しての嫌がらせなのか? それとも、宣戦布告としての真似事なのか? アマランス、無理をしなくても良いのですよ? 今の貴女は『ただのアマランス』ですから、口調をわざわざ、あの時のようにする必要などないのです。……そ、そうか……。公爵様からの有難いお言葉も、既に、目が回っていたなら薬にならない。いずれにせよ、今や悲劇のヒロインと化した魔術士を、こうして見下ろすのも――それはそれで愉しいモノですしね。立場が逆になった気分はどうですか? キッと、公爵様を睨んでやろうと試みた魔術士。さて、そのおめめは、まだ若干ぐるぐるしていた。……この勝負、私が負ける要素なんてひとつもありませんね。
 アマランスが使っていたバットの『ひとつ』を掴んで基本の姿勢、額をしっかりとつけるのがコツだ。改めてのぐるぐるバット――余裕だろうと思考を巡らせていたが――回っているのは己か世界か。回れば回るほどに圧し掛かってくる不快感に、頭の重たさと歪む何もかもに、ちょっとした汗のしたたり。……あ、あれ……これ意外ときつい……? こんなこと口にしたくないのだが、認めたくはないのだが、目が回っている。仮に、と、想定していたのだが――やるしかない。すっと這い寄ってきたのは誰かさん。あざとく、可愛らしく、無表情な――メイドさんが壁となった。音に関して? まあ、音に関しても何とかしたのだろう。何の音なのかは描写しないでおく。威厳を保つ為にも。妖精の足跡は綺麗なのだ。
 びちゃびちゃ、アマランス・フューリーの|乙女心《🌈》は今更だとして、問題なのは乱入してきたメイドについて。幾人かの魔術師が言の葉を交わしており、其処へとやってくるは顔色のよろしくない公爵様。……そのメイドはいつから居たのか? 最初から居たでしょ、まさか、魔術師が、羅紗の魔術士も含めて、『それ』に気づけなかったとでも……?
 言いくるめは成功した。成功したのだが、
 隠された真実を殺す事はできない。
🔵​🔵​🔴​ 成功

赫夜・リツ
三半規管よわよわ状態って何…!?
ただでさえキツイのに、追い打ちがスゴイな
アマランスさんも…かなりキツそうだし、どうしようかな
でも伝えたい事があるから、勝負の前に伝えよう

あの、アマランスさん…
クヴァリフの仔の事なんですけど
「クピ」という名前をつけて成長を見守っています
他の仔とも仲良くなって、いいこに育っています

では、伝え終えたら覚悟を決めて…
バットを地面に突き立てて真剣勝負を始めます
レッツ・ゴー・サイクロン!!
…確かこういう掛け声だったはず

キツい…けど、は、吐きたくない…
今日期間限定のバーガー食べたし、もったいない吐きたくない
膝をついたらエミちゃんに顔向けできないぞ
絶対勝つ…勝つしかないんだ…!

 羅紗魔術における基礎の基礎とは何か。それを論ずるよりも前に|魔術《●●》とは何かを語らなければならない。魔術とは! よくわからない『もの』を何かに押し付ける事を謂う。そう考えたのであれば、そう理不尽としたのであれば、√能力とあまり変わらないのではないか。……あの。三半規管よわよわ状態って何……!? わからない。おそらく、それを可能とした魔術師本人に訊いてもわからない。兎も角、三半規管がよわよわになる事だけはわかる。ただでさえキツイのに、追い打ちがスゴイな……それに。ちら、と、目をやった先、既に三半規管ズタボロな羅紗の魔術士。アマランスさんも……かなり、顔色悪いし、どうしようかな。でも、伝えたい事があるから、勝負の前に。スッキリとしてから挑むのも悪くないだろう。……あの、アマランスさん。ひくっ……ど、どうした、改まって。
 クヴァリフの仔の事なんですけど。仔産みの女神の子供、その可愛らしい鳴き声については説明不要であろう。あの時の、巴の時の『痴態』、アマランス・フューリーは未だに記憶している。いや、記録をされてしまっている。……「クピ」という名前をつけて成長を見守っています。他の仔とも仲良くなって、いいこに育っています。クヴァリフの仔を、|新物質《ニューパワー》を、愛玩動物のように可愛がるとは|不可解《●●●》なものだ。不可解ではあるのだが、しかし、羅紗の魔術士は『それ』を言葉にせず、頷くだけの返答とした。……覚悟はできているな、人間災厄。かつん、バットが地面をつついた音。真剣勝負だ。
 レッツ・ゴー・サイクロン!!!
 掛け声については見様見真似だ。それ以外は成程、両者、覚悟を決めているご様子。躊躇なく回転するサマは最早、大渦巻きが喝采するほど。き、キツい……目が回る、けど、は、吐きたくない……。胃袋の底、期間限定のハンバーガーがドアを叩くかの如く。う……気持ち悪い……で、でも、もったいないから……。ごくりと、異物を呑み込んだ。飲み込んで、耐えた。膝をついたらエミちゃんに顔向けできないぞ。絶対、勝つ。勝つしかないんだ……! 瀬戸際である。際の際である。や、やるな……私はもう、ダメ……。
 乙女心が噴き出たらしい🌈。
 ふ、ふぅ……まだ、目が回ってるけど、なんとか……あの、アマランスさん、大丈夫ですか? 大丈夫ではない。あと、ギョロ君も大丈夫ではない。
 あ……ギョロ……名前の通りになってるや。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ディラン・ヴァルフリート
……何故、元々弱い方まで更に弱くしてしまうのか
とはいえ……こんな事もあろうかと。抜かりはありません
[薬膳弁当]嗜好品枠のペッパーXを齧り《気合》を入れつつ。

[竜眼]《念動力+ハッキング》視線介し密かに【導刻】
相手の🌈を強制的に失敗させ決着までの猶予を作ります

[錬気竜勁]風の大渦で三半規管へ無差別《属性攻撃》
手段を選ばない感の演出で耐える者の箔を盛ると同時
🌈阻害効果が切れる前に自滅の体裁で降参しましょう

先に摂取した318万スコヴィルの《封印を解く》事の意味が分からないとでも……?
等の口実で🌈前リタイアを認めさせ
実際に被害を出して勝敗の印象を塗り潰す事の無いよう
《義侠心+気合》で耐えつつ撤収

 干渉するのは得意だった。それも、弱っている相手ならば、容易く。
 再生した怪人――或いは、改心した敵対者――弱体化がお決まりだとしても、嗚呼、幾ら何でも『やりすぎ』ではないだろうか。これには先代様とやらも苦笑いで、成程、優しい娘の所業としては間違いないか。……何故、元々弱い方まで更に弱くしてしまうのか。とはいえ……こんな事もあろうかと、抜かりはありません。何処まで用心していたのかと、何処まで考えていたのかと、この憂いのなさには愈々、魔術士その他も仰天である。いや、もっと仰天するだろう。その所以は――ドラゴンプロトコルの――薬膳弁当にあった。曰く、ペッパーX。この一口だけで数多の人間が錯乱するほどか。……気合は、お互いに、十分でしょうか。アマランス・フューリーは若干、後退った。正気か……? いや、私自身、私が正気なのか疑っているところなのだが。レッツ・ゴー・サイクロン、開始すると宜しい。
 羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』、彼女の三半規管はナメクジめいていた。数回転もしてしまえば、お終い、我慢する事なんて出来ないだろう。しかし、何故だろうか。今回はやけに調子が良い。まさか……そうか。私も、鍛えてきたのだから、このくらい大丈夫になったのだな……。勘違いさせるとは中々に、魔王様ではなかろうか。新たな技の名前については後で考えるとして――🌈の強制失敗とは、ある意味での無慈悲と思えた。
 大渦巻きを孕んでいる。それも、風が孕んでいるのだ。アマランス・フューリーだけではなく、その他の魔術師に及ぶほどのぐるぐる。この属性攻撃に、己を含めた無差別に、耐えられる者はいないだろう。特に、不意を喰らった面々は既に🌈まみれだ。……な、なにを……なにを、した。これは、√能力では『ない』のかもしれないが……少し、卑怯では……うっ……。これで……箔がつくとは思いませんか、アマランス・フューリー……。がくんと、身体が傾いた。傾いたと同時に、ディラン・ヴァルフリート、白旗をあげる。それは……ダメだ。私が勝ったと思うまで……逃げるのは……自滅など。🌈を阻害するのにも限度がある。今、認めさせないと――羅紗の魔術士、まさか、僕が摂取した『もの』の意味がわからないとは……。封印を解く(意味深)。318万スコヴィルの威力は最早、言葉にするまでもなく。
 ……わ、わかった。私の勝ちだ。だから、せめて、花を摘んできてくれ。
 実際、眩暈はしているのだ。目は回っていて、出そうな事も間違いではない。被害を出す前に素早く撤収だ。勝敗の印象を台無しにするよりも前に。
 ――花を持たせるのも『役割』であった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アリシア・イーフェ・サーヴィーレ
目が回ったの〜……
ふぇ……はわわっ!?
ぶつかってごめんなさいなのっ!?
えっと、アマランスお姉ちゃん、大丈夫……?
治療目的の√能力の使用は……ダメ、かな?
使ってよければ魔術刻印・復元を使うの〜
『復元せよ、時戻し』
私の方が早く倒れちゃったから1回目は私の負けなの〜……
……魔術や魔法に犠牲がつきものなのはわかってるつもりなの
なるべく、なかったらいいなぁって思う私は魔女としてはまだまだ未熟かもしれないの〜……
でもでもっ!
アマランスお姉ちゃん達と私は仲良くなりたいの〜
魔術や魔法についてのお話とか色々したいの!
お友達になっちゃダメ、かな……?
もしよかったらお友達になりたいの〜
ぐるぐる勝負もまたやるの!
鬼灯・睡蓮
ふにゅん……
ひとまず勝負には勝ちましたが、みんなお疲れの様子なので、掃除や治療を終えたらにはなると思うですが、お昼寝タイムといきたいですね……
もちろん、追い出されたりしなければ、ですが……
ベッドとか、ソファとか、用意できそうであればお布団とか……みんなでごろ寝しましょう……ごろごろと……
こういったぐるぐるバットは初でしたが、良い経験になったです……恐らく……
なので、また勝負事、命懸けじゃなくて、ただ勝負として楽しむのであれば、お声がけしてもらえたら、参加するですよ……
アマランスさんも、また遊べたら遊びましょうです……すやぁ……
とりあえず……枕を、所望します……すぴー……
(むぎゅる枕かお任せ)

 め……めが……目が回ったの~……。
 柔らかくて甘い匂い、それに釣られてしまったのか、単純に、目が回ってしまったのか。アリシア・イーフェ・サーヴィーレ、羅紗の魔術士のスイカとやらを枕にする。枕にされてしまった彼女は、成程、その衝撃の所為ですっかりお花畑の住民か。ふぇ……はわわっ!? はわっている場合ではないのだが魔女よ、その前に、ぐるぐるおめめを大人しくさせるとよろしい。ふにゅん……二人の様子を見ていたのは、さて、既にお眠な白昼夢か或いは。ひとまず、勝負には勝ちましたが……みんな、大丈夫、なのです……か? 大丈夫ではない。大丈夫ではないのだから、魔女は、改めての提案をした。ぶ、ぶつかってごめんなさいなのっ!? えっと……あの、アマランスお姉ちゃん、もう色々と限界みたいなの。治療に、√能力を使っても、いい、かな……? 決着はついているに等しい。アマランス・フューリーはアマちゃんであると認めざるを得ない状態で、何より、ひっくり返っていて声も出ないか。ふ、復元するの! 復元するから、もう少しの辛抱なの! がんばるの! ところで一回目、先に倒れたのは魔女なのだから、こっちの負けとしても良いのではないか。……い、いや。それは、違う。私が最初に戻したのだから、この勝負は私の負けであるべきだ。今度は『勝ち』を譲る方向性。この状況とやらに、ふみ、と啼いたのは掃除をしようとする『彼』だけか。……お昼寝タイムはもう少し、先になりそうですね。追い出されたりしないのであれば、僕は、じっくりと待つことにしましょう。
 鬼灯・睡蓮のお言葉に甘えてお時間を貰っておくとよろしい。アリシア・イーフェ・サーヴィーレとしては、そう、お話の続きがしたかったのだ。……アマランスお姉ちゃん。魔術や魔法に、こういうものに、犠牲がつきものなのはわかってるつもりなの。なるべく、なかったらいいなぁって、思う私は、魔女としてはまだまだ未熟かもしれないの~……。未熟? 未熟だと? 莫迦を謂うな。お前は、私なんかよりもよっぽど魔女をしている。私には、その魔術刻印のひとつひとつが「視えている」のだからな……。他人を犠牲にはしないが、自分については見ての通り。このような女の子を『魔女』と呼ばずに『どう』呼ぶのか。それにな、そっちの人間災厄も気付いているかもしれないが。我々は何処までいっても『悪辣』なんだ……。でも……でもっ! アマランスお姉ちゃん達と仲良くなりたいの~! 言わなくとも『既に』だ。ぐるぐるバットをしたならお友達、そのような事が文献にも記されているような気がした。……もっとお話ししたいの、お友達になっちゃ、ダメ……かな? ……構わない。私はもう、簒奪者としては失格なのだから。
 良かったの! グルグル勝負もまたやるの!!!
 ぐ、ぐるぐるは……その、これ以上は、しなくても……。
 ふにゅん、そろそろ、良いです? すっかり話し込んでいた。すっかり仲良くなっていた。その間に、ああ、空間はたっぷりのふわもこで囲まれていた。ベッドにソファとたいへん眠気を誘ってくる。みんなでごろごろしましょう、ごろ寝しましょう、ごろごろ。そのオノマトペは止めてくれないか、と、アマランス。もう目を回したくないのだろう。……そうですか。こういった催しは初でしたが、お互いに、いい経験になったです、おそらく。なので、命懸けではなく、ただの勝負として『今後』も楽しむと良いのです、すぴ……また遊べたら、遊びま……すやぁ。ふたりに挟まれてしまった羅紗の魔術士。這い出る事すらも困難な状況だ。さて、この抱き枕の豊満さで以て――むぎゅりと、終いとした。

 ところで威厳の方はどうなった?
 アマランス・フューリーがぐるぐるバット対決で目を回し、🌈している動画が大バズり。もうダメかもしれないね。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

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挿絵イラスト