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⚡️Path Y1 “ゼーロットさんの不運な一日”
なんとスムーズに回らぬ|歯車《いちにち》でしょう。
「……嗚呼、どうしてこんなにも上手くいかぬのだ」
理由が欲しいですか統率官様、|簒奪者《あなた》はとても運が悪い。
|√EDEN《らくえん》求めてかれこれと、侵略の手を伸ばさんと頑張ってみたものです。欲しいのが王劍アンサラー、永き戦争の解答を見つけ出す一番の“鍵”なものですから何処までも手を伸ばしたい、そうでもしないと届かない――、
ところがあんまりにも音沙汰が無い。
「“頼みの綱”は全て順調と言うが一向に王劍が見えぬ」
裏切られているとも知らぬので誰も主の下に戻って来ない。
「遅延行為だとも疑ってはみたがのらりくらり……」
全てが上手くいかない無いもの|強請《ねだ》りさん。
「おのれぇ……本当にスパイならばただではおかぬぞ――」
“ない”ばっかり言うから恨み言しか吐けないのですよ。実際レリギオス・オーラムとはゼーロットが御坐す堅固な拠点、“ない”をぶつけて跳ね返すにはあまりに機械じみていたというので気が遠くなるようなのです、早く手元に“それ”が来なければと、欲しがり欲しがり欲しがり尽くす。コマンドの羅列さえ繰り返しで雁字搦めになりそうで――、
だから不運なのですゼーロットよ。
それであんまりにも待ち過ぎたものだから、
「統率官様、新しい情報が通達されました」
機械の兵の報せに目を回すことになるのです。
「レリギオス・オーラムが√能力者複数に襲撃されています」
「ハ?」
開いた口が塞がらないとはこのことで。|文字《テキスト》でも震わせ打ち続ければ宜しいのです。
「該当戦闘機械群への指示が必要です」
怒りに身を震わせれば宜しいのです。
「……総員、直ちに迎撃設定を整えるのだ」
大きく息を吸ってせえの、
「――邪魔をする|√能力者《ものども》全員、ブチ殺せェ!!!」
おっと、口も鼻も肺も存在するかすら怪しいですか。機会に恵まれぬこと。
「みんなー! でかいの来ましたよー!」
神奈川県川崎市だったでしょうか、甘く気怠く響く声。
「大規模作戦が始まりですって、あたしたちの方も始めちゃお!」
元気が効くから甘酸っぱい――ルーシー・ミルズの星語り。
「オーラム逆侵攻って言ってね、ここ√ウォーゾーンなんだけど……ここから行ける臨海部周辺にはね、戦闘機械群が|派閥《レリギオス》を作っていらっしゃるんですって」
嗚呼ゾディアック・サインよ、真っ直ぐに降りるのです。
「レリギオス・オーラム――戦闘機械都市に造り変えられてるから、常に生命を害される状況下で自由に動けるんですよ」
そう、自由に落下してくるのであれば。
「そう、自由。もう何にも決まってない状態で始めるからね」
己の手で道を繋ぎ拓くことさえも叶うのです。
「五つプランがあるみたい。そのいずれかに繋がるなら、みんなで何するかわちゃわちゃぺちゃくちゃしながら決めてもいいよ」
出来る限りの自由を手元に置くのです。
五つの剣があると考えるべきか――そう次の通り。
不運な統率官様の泣きっ面に蜂をお届けするか、
邪魔な機械群を片っ端から壊し数を減らすか、
大黒ジャンクションを潰し軍勢の侵攻を止めるか、
囚われの√能力者を解放し救いを齎すか、
見知らぬ簒奪者グロンバインの頭を悩ますか、
切先がどれも鋭過ぎているのです。
「全ての作戦で最も上手く行った作戦がそのまま、後で引き続き使われることになるみたいね」
どこに続こうというのか、その先を聞くものなどいなかったのです。なぜならそれこそ、より深い死の領域であるから……、
「でも、今ここで目指すものは、ここにいるみんなでひとつ、って具合にしよ。大丈夫大丈夫、こういうのってやっていく内に色々変わったりするかも知れないじゃん」
されど今は、挑むのです。
挑み、錯誤し突破するのです。
「それじゃ――Bonne chance!」
駆けるならば直ぐに、危機がやって来て。
これまでのお話
マスターより

お世話になっております。大規模作戦です。
先ずは一発目、といってもスタート地点の描写は明確には定めていません。どの作戦になっても良いように、という心算です。
今回はシナリオページの一言雑談での相談が推奨され、プレイングと相談内容を見つつ作戦を確定……という形で第1章は完結すると思われます。そして相談ですが、本シナリオではこちらからは不干渉のスタンスを取るものであります。特設ページもご覧の上で、どうしていくかを考えてみるのも良いはずです。
そして、基本は即日または24時間以内、遅くても48時間以内での返却を心がけて執筆していく予定です。可能な限り続けていくことが叶ったらと思いますので、思い思いに共に暴れましょう。
以上、よろしくお願い致します。
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第1章 冒険 『大型設置兵器修理』

POW
重い大型部品運搬など
SPD
修理作業への参加など
WIZ
性能強化、機能追加などの改良作業
√ウォーゾーン 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
やあ、がちゃがちゃしているのです。
派閥なんぞを組み立てる際にごちゃごちゃに“整理”し直した結果の兵器の山々。部品ごとバラバラだったりわざと解体されていたり、或いは故意に破壊されていたり――嗚呼すごく目立つものですね破損が。
これだけの山があると何かに使いたくなる、使ってみたくなる。
直せたのなら使えたのなら設置が叶ったのなら、どんな敵が来ようとへっちゃらなものでして。
持ち運べたのなら振り回せたのなら――ちょっと危ないかも知れないが、広い場所に影響を与えたり、ぶっ放したりでぶっ壊す、なんてことも叶うのでしょう。
やあ、どうしたものか、こうしてみようか。
あれこれ悩むこともありましょう、ですが先ずは修理が必要なのです。
五つの|剣《プラン》――どれを取るかは皆の決める通り。
言葉交わし、道を一つ選び歩くのです。するとほら、いつの間にか苦楽共に吹き飛ばしている――、
Path Y1 chosen.

※アドリブ連携大歓迎
大規模作戦!皆で協力して作戦を決めるんだな。
よし、皆で頑張っていくぞ!えいえいおー!!
さて、オレからは【作戦3】を提案したいと思う。
√EDENには無辜の一般市民が沢山居る……あと、オレの大切な|娘《Anker》も居るんだ。
何としても√EDENへの進行を食い止める必要がある!
作戦の実行に向けて、この場所にある兵器の数々も調査しておこうと思うよ。
大黒ジャンクションの破壊……簡単なのは、爆弾で壊すことだよな。ここに爆弾はあるかな?
あとは鋭い兵器類で道路を壊していく、とか?
オレの√能力の強風や竜巻で兵器類を巻き上げて、道路を壊す補助が出来ないか、検討してみるぜ。

「攻め込まれる前に暴れて出鼻を挫けば√EDENの被害も減らせるはずだよね」
【目的3】
POWで挑戦。可能な限り連携を取る。アドリブOK。
WZ装着状態で√ウォーゾーンの大黒ジャンクションに乗り込み、プロジェクトカリギュラを起動して敵が迎撃に集まってくる前に敵兵器の部品や解体された兵器のうち振り回せる範囲で大きいものを拾っては駆け回り振り回し(怪力+重量攻撃+薙ぎ払い+衝撃波)て敵施設、兵器を破壊して回り、注目を集め味方が工作しやすくする。
使っているものが壊れたら手近な敵か敵施設に投げつけ、そこらに転がっている(あるいは疾風さんが集めてくれた)ガラクタに持ち替え振り回し攻撃、破壊活動を続ける。

アドリブ・アレンジ・連携歓迎
WIZ
心情
【作戦3】
…出来るだけ…進行を遅らせる為に、今…出来る最善を…。
…√EDENへの進行だけは…絶体に…させません。
…僕が出来ること、出来る限り…っ…!
…他の方々の…努力を無碍にしない為にも…頑張って…邪魔を、していきます。
行動
√能力《戦闘知識》を強化
一応、音が出る場所の影に身を隠して作業をします
見つけられたガラクタと使って《戦闘知識》と《ドローン操縦》で、臨時で時限爆弾を作ります
時限爆破は【漆黒のピアス】と《ドローン操縦》と連動させれば、僕は|半身《レギオン》を操る要領で爆破できますので、時限爆弾を材料がある限り、どんどん作って行きます
配置は、効果的な場所を
そうだと理解したのなら話が早いのです。
「√EDENには無辜の一般市民が沢山居て、オレの大切な|娘《Anker》も居て」
だから護らなくちゃいけないんだ――大切にしてあげたいのですよ、最近じゃ自分は捨て子だったらしくてより如実に護りたい気持ちが出でる。
「だから何としても、√EDENへの進行を食い止める必要がある! そう思うんだ」
風駆ける準備をするのです、矢神・疾風よ。
ほら、四之宮・榴も頷いてくれているのです。見知った顔。
「……出来るだけ……進行は、遅らせたいですから……√EDENを、護りたいその気持ちは、僕も……」
己の生きてる価値を疑いそうになる虚ろな繭……それでも、何度も死にかけて今ここにいるし、他の方々が一生懸命に積み上げた努力は実って然るべきで、無碍にしたくなくて。
「……向こう側の、邪魔も、頑張らないと……ですね……」
お力添えの|準備《きもち》までもが、整って。
「ボクも手伝うよ。こういうのは、速攻で片付けて出来る限り消耗を抑えるんだ」
ふんわりどたぷん、元気にサキュバスも加わっているのです。逸般通過超重量級おっぱいさん、脳のエネルギーと快楽エネルギーのバランスは如何ですか。
「攻め込まれる前に暴れて出鼻を挫けば√EDENの被害も減らせるはずだよね」
がちりと速攻で決めてしまうと宜しいでしょうか、眼差しは既にやる気に満ち、見据えるは数多の機械を|阻止《とめ》る機械。
「よし、やることは決まったな!」
みんなして自然に集まって、円陣でも組みましょうかと、
「皆で頑張っていくぞ! えいえいおー!!」
微かに或いは元気よく応える声が聴こえて、おー、って、
次の瞬間突き進んでいらっしゃるのですよ。
「突き進むのは、ボクだ!」
プロジェクトカリギュラを実行するのです、大黒ジャンクションに進入した時には既に大きな大きな――2.5m程はありましょうか――決戦型ウォーゾーン「錦奇」に搭乗せしミネタニ・ケイの御姿。専用のパイロットスーツで殊更魔力沸るままに、がじゃんと大地にヒビを入れるくらいに大いに活躍するのです。
「使えそうなものは残して、施設や兵器は使われる前に壊しちゃうからね!」
「分かった!」
大暴れの時間でもあるのです。
「……僕も、知識で……」
今は独りじゃない上に知られざる|お魚さん《インビジブル》たちの知恵までお借りしてしまうなら。
「……贄たる我が声が聴こえるのなら、その叡智を授けて……」
稀釈しなくては。戦闘知識を持つのです、あれよあれよと言う間に入ってくる情報、即席で爆ぜて破壊する|物体《もの》の作り方、詳細に覚えなくてはならぬのです。
在らん限りの知識が――詰め込まれて。
「……疾風様は、まだ√能力は、使わないのですか……?」
「そ。壊れているガラクタなんか、何かに使えないかどう使うかを考えるのもそうだけど」
この道路そのものを壊せたらきっと――そう、数多の機械の群れがお通りになる場所であるからして……大いに寄せ集めて落としたならばと考えたら――考え、
「……分かりました」
さあさ、ちょうど良い作業場所も見つけなくてはなりません。うんともすんとも言わぬガラクタばかりでは無いのだから、ぴぴぴと|虫の息《・・・》なそれらが――見つかる、原型が少ししか残っていない固定砲台、ざんばらに余る傷だらけの銃器、それから、
「……爆弾……!」
それとある程度の残骸。そのまま使えそうなサイズのものが数個あったのは良いとして、残りは未だに爆ぜていない不発タイプ、役目の無かった遠隔操作タイプのもの、etc……、
「お、良い感じのやつがあったな! でも数はどうだ――作れるか?」
「……近くの、残骸を、使って……!」
結局は継いで接いでやれるのです、脳波で同調させるのです、小型無人兵器であるところのレギオンが手足の如く、事細かに物事進めて接続出来るだけでどんどんと爆弾が出来上がっていくのかと思う程に――。
それを許す敵方じゃないでしょうって? NOPE.
「気付かせない、見つけさせないよ!」
錦奇が躍動している、出力最大で|丁度良い《・・・・》サイズの部品や解体残骸などぐしゃぐしゃり、振り回して施設やまだ|生きている《・・・・・》兵器群など一緒くたにして叩きつけ破壊しているから吸い寄せられるのです注目、大いに呼び寄せるのです|視線《センサー》。
何物も共に工作するお仲間さんを見つけられない。サキュバスマジックでしょうか――間違いでも無い。振り回す内にズタボロという形容詞がつけられない程損耗したガラクタならば放り投げて他の敵施設に落としてやれば宜しいのです。やられた方は堪ったものでは無いでしょうが――嗚呼、また一つ終わりました。
爆弾、数が徐々にジャンクションを機能不全に出来るくらいには生まれてきて――榴のお陰様でもあるのです、それが作戦を始める十分なきっかけになりそうな程に、色んなタイプの|爆弾《こども》らがいるものですからとおっても助かるものでしょう――嗚呼そうそう、
「……こうすれば、いっぺんに、好きなタイミングで」
レギオンによって起爆出来ますと――それくらいしてやらねば。要領もこの様に良いものです、二人も大助かりでしょう。
「おお、出来上がってる! 助かるぜ……!」
「……後はこれを、最も効率の良い、場所に」
運ぶことすら、レギオン任せ。邪魔が入ろうにも今の所全てがケイの思う壺、そのままに全てが心地良く進むものですから大変に幸先が良いのです。
「これで大黒ジャンクションをどうにかする準備は整ったな」
幾度も重ね続けるから意味があるのです、全域屑鉄か藻屑になりそうな気もするけれどそれはそれでしょう、
おお、風駆ける者よ。
「……鋭い兵器類で道路を壊していくのも、ありだろうな」
風の囁きを聴くのです。
「――、」
びゅおう、通り抜ける風がそうだと気付かせるのです。舞うごく小さな鉄屑、辺りに出てみれば周りにざんばらばらばらな|兵器群《つかいおわり》の数々。
嗚呼、これ、√能力――要らないな?
吹き抜ける風に応えるように漲る、満ちる魔力をそうっと流してみれば。ふよりふより、重くゆっくりと運ばれていくそれらがあることです。巡り巡って――、
「――、これは!」
ケイの操縦せしWZの下。導きなのです、助け合いなのです。
「これならもっと多く、壊していけそう!」
ありがとう疾風さん――!
「へへっ、どういたしまして!」
次の瞬間に持ち替えが効いて、目に付く全ての施設を粉々に。叩き付ける程にスムーズなのです、実に幸運であるのです。力繋ぎ合わせた結果がかくもひとつながりの大成果――、
Plan 3 executed.
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第2章 冒険 『立ちこめる異臭騒ぎ』

POW
片っ端から消臭する
SPD
素早く換気する
WIZ
臭いの原因を断つ
だからゼーロットさんの下にも一報届くわけなのです。
「統率官様、緊急事態です」
「緊急事態ィ!」
反芻しようにもすっかりイライラが入ってしまって――当然なのです、出だしからして何も上手くいかない。
「大黒ジャンクションにて敵が確認されました」
「数は!」
「|僅か一機《・・・・》と予測されます」
「予測されますじゃないのだが!??」
読み違いすら起こってしまっているから殊更にびっくりしかしないのです!
「一機なわけが! それを止めて然るべきなのだ、もう既に止めていなければならないのだ!」
第一既に他所でも√能力者が確認されるようなものだぞ――うーん、手も回りそうにありませんか。続け様に上がる報告なのです、最も目に付くのが今聞いたジャンクションであるからして。
「……え、本当に一機ではないよな?」
「これより続々と増えるものと思われます」
「後付けみたいに!!」
仕方無いとばかりに施しをしなくてはならないのです。
「……破壊された施設は――あの機能はまだ動くか」
「動作可能。命令があり次第直ぐに実行可能――、」
「可能だのどうだの良いから早く動かせ――!」
この様にとおっても、その場凌ぎなものですから。
思い出したように異臭が溢れて止まらないのです。
破壊した施設から、そうでない|生きて《・・・》いる施設から、兎にも角にも、ガスの臭いのような――、
ガスが漏れ出ているのです。大きく吸って直ぐに害が出るようなものでは無い、あまりに範囲は広そうな予感があるのだけど、予感を感じずにはいられない施しであると気付けるのです。
大黒ジャンクションそのものが一部壊れてしまいそうな程の――、
――おや。
もしやジャンクション、本当にこのままぶち壊せるのでは無いですか?
全部とまではいかないでしょうが、これを利用したならば断絶があるのでは?
その場合軍は、状況は、全ては――嗚呼、依然|√能力者《こちら》側の思う通りなのかと、
Path C chosen.