光線でも切断でもピンチになる
昼間の都心部であり、交通量も多い。
それが人の目から隠されていたのは、ビルの解体工事現場だったからだ。全周を防音防塵シートに覆われ、鉄骨とコンクリート壁が残されるだけの素抜け状態。
景気の悪さから、工事は中途で止まっており、作業員の姿もなかった。
瓦礫の散らばる最下層で、怪異が復活する。
反応して引き寄せられる、もっと小さな怪異たち。
それらは、工事現場の範囲内で力を試した。レーザー光、粒子ビーム、そして白い風。
チャ~ンチャ、チャチャ、チャ~ンチャ、チャチャ♪
軽快な音楽が流れ、仮面の女性が歌いながら現れる。
「しょうわ仮面のおねえさま、顏を隠して正義を助ける、いい女ひとよ♪」
昭月・和子(しょうわ仮面・h00863)の定番スタイルだが、少し照れが見える。
「みなさん、お久しぶりです。√汎神解剖機関に、小規模な怪異出現が起こるので、お知らせに参りました」
マントのすき間から、チラと素肌を覗かせながら、地図などの資料を渡してくる。
「私はここ数カ月、『スパルタン教育委員会』なる悪の組織を追っていました。全貌が明らかになりつつあったのに、残念ながら再び尻尾を掴めなくなってしまいました。ヤツラは潜伏して侵略の準備をすすめているかもしれず、引き続き警戒しておきます。それで今回は、ビルの解体工事現場に出現する怪異を退治していただくことになりました」
資料によれば、女性型、怪物型、女性型ボスが同じ場所で次々と覚醒するらしい。
「地面から、レーザーなどの武器を乱射しているので、行けばすぐに判ると思います。ほかに切断武器も持っているようで、いずれもご注意ください。当たれば、衣服や装備がピンチになります」
完全復活前に退治するには、多少の無謀でも敵に突っ込んでいく勇気が必要だ。
「簒奪者と戦うみなさん、そして心を同じくするヒーローのみなさん。どうか力をお貸しください」
マスターより
大丁オープニングをお読みいただきありがとうございます。
マスターの大丁です。
今回は、休止中の工事現場で怪異を倒すシナリオとなっております。
三章構成のすべてが敵との戦闘です。
プレイングによりますけれど、戦闘で服がピンチになるかもしれない依頼です。スタイルの指定がなければ、キャラクター画面の情報を参考に描写させていただきます。
√能力者のお名前についてです。初出はIDまで含めた正式名を地の文でいれます。以降は、下の名前(洋名はファーストネーム)が基本となりますが、プレイングでご指定くだされば、二つ名や称号、ヒーローとしての名前で記述いたします。
戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
27
第1章 集団戦 『一つ目系女子「ドロッセルちゃん」』
POW
あなたのことが知りたいの
【眼球からのレーザー】による牽制、【影に引きずり込む愛憎の兎人形】による捕縛、【そして、不安定な√能力者の姿に変異し武器】による強撃の連続攻撃を与える。
【眼球からのレーザー】による牽制、【影に引きずり込む愛憎の兎人形】による捕縛、【そして、不安定な√能力者の姿に変異し武器】による強撃の連続攻撃を与える。
SPD
避けて、逃げてよ!!!
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【眼球から発射される防御不能のレーザー】で300回攻撃する。
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【眼球から発射される防御不能のレーザー】で300回攻撃する。
WIZ
嬉しい、うれしい、うrえsいい
自身が受けた武器や√能力を複製した【愛憎の兎人形へと取り込むカッター】を創造する。これは通常の行動とは別に使用でき、1回発動すると壊れる。
自身が受けた武器や√能力を複製した【愛憎の兎人形へと取り込むカッター】を創造する。これは通常の行動とは別に使用でき、1回発動すると壊れる。
カヌレ・ド・ショコラ解体予定であるのであれば、少々穴が開いてもかまいませんわよね?【ハイパーエレガントキャビン】に搭乗し、幕やら壁やらはぶち抜いて、現場に突貫いたしますの。レーザー攻撃を【銃剣「ベールヌイ」】の傘モードで防ぎつつ、一つ目ちゃんを、こんなこともあろうかと、建てておいたお菓子の城へとご招待。彼女と、潜む他の標的の情報を得ると致しましょう。わたくしは、お茶とお菓子をご堪能されている隙に、一つ目ちゃんを【吸血】させていただきますの。不気味な一つ目にまどわされがちですが、端正な顎のライン。均整の取れたボディーライン。かなりの美形と見ましたの。久々に美味しい血にありつけそうですわね。
アドリブ、連携歓迎
渋滞というほどではないから、車は流れている。
そこに混じって走っている馬車。
装飾は優美で、巨大な銀狼が引き、御者は首無し騎士。√汎神解剖機関では隠されるべき、怪異に近い風体だ。しかし、人々に覇気がないのもこの|√《ルート》の特徴で、どうせ何かの作り物だと一瞥し、はしゃぎも喜びもされないのだった。
この馬車、『ハイパーエレガントキャビン』の客室にいるのは、吸血鬼の少女。
カヌレ・ド・ショコラ(お菓子の城の吸血令嬢・h02165)である。
「解体予定であるのであれば、少々穴が開いてもかまいませんわよね?」
他に気にすることもあろうが、御者に命じて現場に突貫する。幕やら壁やらはぶち抜いた。ゆえに、制御不能のレーザー光の一部が、街路にも漏れて照射される。
前述の理由で、騒ぐ一般人もいないのだが。
銃剣『ベールヌイ』を傘モードにして、カヌレはレーザー光の発射地点まで歩いていった。
「一つ目ちゃん、わたくしの『お菓子の城』へ、ご招待しますわ」
「ああ、お怪我をされていない。うまく、避けてくれたのね!」
怪異の張本人、一つ目系女子『ドロッセルちゃん』は、好きで危険な攻撃をしているわけではないと、弁解した。カヌレの招待にも喜んでついていき、いっしょに馬車に乗る。
「まぁ、そうでしたの!」
客室で聞いたところによると、工事現場にはほかに蟹のような怪物がいたらしい。
頷きながらもカヌレは、一つ目系女子をしげしげと眺めるのだった。
(「不気味な一つ目にまどわされがちですが、端正な顎のライン。均整の取れたボディーライン。かなりの美形と見ましたの。久々に美味しい血にありつけそうですわね」)
🔵🔵🔵 大成功
雪月・らぴかはええ、動いてない工事現場で怪異が復活ねー。そういうところってやばい人がたむろしそうだけど、怪異が出るのがいかにも√汎神解剖機関って感じだね!武器の乱射するようなのが外に出るとやばいし、ササッと片づけちゃおう!
敵を見つけたらいきなり【両鎌氷刃ブリザードスラッシャー】発動!ササッと近づいてババババッと斬っていくよ!
敵が√能力のレーザー撃つの見えても突っ込んで斬りにいくよ!なんか技を出しきらせるのやばそうだし、やられる前にやっちゃえ!
※スタイルはでかいほそいでかいといった感じで、自分の体型に自信がある。
下着は薄いピンクのセクシーなもの。
戦闘中は服が破れても気にしないが、後で少し恥ずかしくなる。
「はええ、動いてない工事現場で怪異が復活ねー。そういうところってやばい人がたむろしそうだけど、怪異が出るのがいかにも√汎神解剖機関って感じだね!」
裏通りから、|雪月《ゆきづき》・らぴか(霊術闘士らぴか・h00312)は潜入した。
可愛いらしい装飾のついた『耐霊愛服キュートクローズ』を、でかいほそいでかいといった感じのスタイルに纏っている。
手には白とピンクの『雪月魔杖スノームーン』。
本人曰く、魔法少女ではないらしい。
「武器の乱射するようなのが外に出るとやばいし、ササッと片づけちゃおう! って、これナニ?」
防塵幕に大穴が空いていた。
すると、現場の中央付近から、気配が。
一つ目系女子『ドロッセルちゃん』の眼球レーザーだ。
「いきなりね! 私だって!」
らぴかはかまわず突っ込んでいく。
「なんか技を出しきらせるのやばそうだし、やられる前にやっちゃえ!」
この怪異は、兎人形使役や変異打撃と連続した能力を持っている。牽制のレーザーに服のフリルが焦げたみたいだが、そばまで近づいて技の合間に割り込んだ。
「|両鎌氷刃《りょうれんひょうじん》ブリザードスラッシャー!」
魔杖が、2振の鎌を合体させたような武器に変形した。防御用の霊力もつぎ込む。
ババババッと回転斬撃がきまり、ドロッセルちゃんの黒衣が切り刻まれる。怪異は力を失い、スッと消滅した。
「よーし、いまのところ出現しているのはコイツだけだったね。……って、これナニ!!」
スカートの各所に穴があき、下着が見えてしまっている。履いていたのは薄いピンクのセクシーなもの。それだけならまだしも、最初からあいていた防塵幕の大穴から、表通りの行き来が丸見え。
通行人がわからも、らぴかの服のダメージが丸見え。
「あ……もう、退散しよっと」
さすがに、恥ずかしい。
🔵🔵🔵 大成功
空地・海人(サポート)・人間(√EDEN)のカード・アクセプター×サイコメトラー、19歳の男。
・普段の口調は「男性的で砕けた口調(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、年上には・目上の人にはやや丁寧「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」。
※多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為や、公序良俗に反する行動はしません。
※√能力使用の有無はお任せします。よろしくお願いします。
まさか戦闘に巻き込まれるとはな……。
ま、これも何かの縁だ。とりあえず俺も助太刀するぜ!
雑魚敵相手なら変身するまでもないな。基本は俺流の[喧嘩殺法]で応戦しよう。
「まさか戦闘に巻き込まれるとはな……」
|空地・海人《そらち・かいと》(フィルム・アクセプター ポライズ・h00953)は、√EDENから来た青年だ。
この|√《ルート》であっても普通の人間に見えるだろう。
工事現場の幕内に立ち入ってしまった以上、怪異は敵対者と認識する。
「ま、これも何かの縁だ。とりあえず俺も助太刀するぜ!」
ダッシュで、相手の視覚を翻弄しようとする。
そこいらには資材や瓦礫など、遮蔽になるものには不自由しない。一つ目系女子『ドロッセルちゃん』たちは、ぎょろぎょろと目玉を動かした。
「嬉しい、うれしい、うrえsいい♪」
甲高い声が響いてくる。抱いている兎人形が武器のはずだが、発動する気配がない。
「雑魚敵相手なら変身するまでもないな」
海人は、鉄骨の山から飛び出して、一体ずつ喧嘩殺法で対処した。少女らしい黒ドレスに、拳や蹴りが当たる。
「俺流なんでね!」
やがて、主の腕からぴょんと飛び出した兎人形が、海人のすねにローキックをかました。
「痛てっ……というほどでもないか。技を複製できるが劣化版らしい」
√能力を使っていたらコピーされてややこしかったかも。などと海人は思いつつ、その場にいた最後のドロッセルを後ろから締め上げ、一つ目がガクリとうなだれるまで力を抜かなかった。
「なんだ、血が出てる」
ズボンのすねが破れて怪我をしていた。その場ではかまわずに、|√《ルート》の出口を探して工事現場を去る。
🔵🔵🔴 成功
カヌレ・ド・ショコラさて、引き続き一つ目ちゃんを、お菓子の城にエスコートしますの。早く血を吸いたくて致し方がないのですが、相手は、怪異。もう少し、場を暖めて、油断を誘いましょう。今後の任務の遂行を考えますと、カニの怪物について聞いてみるのも良いかもしれません。わたくしは興味ございませんが、確か、お高い食材だったような気がいたしますわね。えっと、あべしガニだか、たわばガニだかいうやつですの。まあ、それはさておき、一つ目ちゃんと茶菓子を嗜みながら、楽しいひとときを過ごし、頃合いを見て、血をいただくことといたしましょう。ふふふ……わたくし、一度狙った方は、絶対に逃しませんのよ。あしからず。
アドリブ、連携歓迎
「一つ目ちゃんを、お菓子の城にエスコートしますの」
カヌレ・ド・ショコラ(お菓子の城の吸血令嬢・h02165)は、連れてきた怪異を椅子に座らせてしまった。理由はともかく、一つ目系女子『ドロッセルちゃん』も悪感情を抱いているそぶりは見せない。
お菓子の城のティータイムは、ビスケットのお手伝い、ジンジャーブレッドマンたちがセッティングしておいたものだ。
(「早く血を吸いたくて致し方がないのですが、相手は、怪異」)
むかいの席に、優雅につく、カヌレ。
(「もう少し、場を暖めて、油断を誘いましょう。今後の任務の遂行を考えますと、カニの怪物について聞いてみるのも良いかもしれません。わたくしは興味ございませんが、確か、お高い食材だったような気がいたしますわね。えっと、あべしガニだか、たわばガニだかいうやつですの」)
カニの話はさておき、ふたりが茶菓子を嗜みながら、楽しいひとときを過ごしたのは本当だ。
時折、一つ目からビームが出て、カヌレの後ろにあったアンティークが壊れたりしたが、お菓子の城の主には無効で、あらごめんなさい、いえいえどうってことなくてよ、などとお嬢様同士の親交で済ませる。
頃合いをみるまでは。
(「ふふふ……わたくし、一度狙った方は、絶対に逃しませんのよ。あしからず」)
なにかを見せるふりをして席を立ち、ドロッセルの後ろにまわると首筋に噛みついた。
生の肉体を持っているかのように、温かな血だ。
意識がなくなり、ぐったりしてきた少女を、カヌレは抱き留め、吸い続けるのだった。
興味ないとは言ったが、怪物型は工事現場に出現している頃合い。コンクリートの破片の上で、緑の甲殻が蠢きだす。
巨大な蟹の怪異、『カニビーマー』だ。
🔵🔵🔵 大成功
第2章 集団戦 『カニビーマー』
POW
蟹光線(最大出力)
60秒間【全身のエネルギー】をチャージした直後にのみ、近接範囲の敵に威力18倍の【ハイパーメガビーム】を放つ。自身がチャージ中に受けたダメージは全てチャージ後に適用される。
60秒間【全身のエネルギー】をチャージした直後にのみ、近接範囲の敵に威力18倍の【ハイパーメガビーム】を放つ。自身がチャージ中に受けたダメージは全てチャージ後に適用される。
SPD
人食い蟹のハサミ
【ハサミ】が命中した部位を切断するか、レベル分間使用不能にする。また、切断された部位を食べた者は負傷が回復する。
【ハサミ】が命中した部位を切断するか、レベル分間使用不能にする。また、切断された部位を食べた者は負傷が回復する。
WIZ
蟹光線(連射)
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【ビーム】で300回攻撃する。
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【ビーム】で300回攻撃する。
カヌレ・ド・ショコラやはり、思っていた通り、一つ目ちゃんの血は美味でございましたわね。さぁて、食事の後は、軽く運動をしておきましょう。それに、一度受けた依頼は最後までやり遂げなくてはなりませんし。お腹がいっぱいになったので、おねむなのですが、ここはグッと我慢の子。ですの。【ハイパーエレガントキャビン】を駆って、現場に急速進行!ですわね。前回とは別の方向から突入して、大穴前で待つ敵陣の、虚を突きましょう。
あらら。食べられそうにない感じですのね。捕らえて売り飛ばして、おこづかいにしようかと愚考しましたが、無理なようですの。では、手加減は無用。√能力を範囲攻撃に変えて、一挙に殲滅してしまいましょう。
アドリブ、連携歓迎
「やはり、思っていた通り、一つ目ちゃんの血は美味でございましたわね」
カヌレ・ド・ショコラ(お菓子の城の吸血令嬢・h02165)の姿はふたたび、一般道を走る『ハイパーエレガントキャビン』の客室にあった。
馬車の行先は、工事現場。
「さぁて、食事の後は、軽く運動をしておきましょう。それに、一度受けた依頼は最後までやり遂げなくてはなりませんし。お腹がいっぱいになったので、おねむなのですが、ここはグッと我慢の子。ですの」
前回とは別の方向から突入した。
蟹の怪異『カニビーマー』はすでに、数体が発生している。壁の一部が崩れて、門のようになったところから、外の街を覗いているようだ。面白がってくぐり出そうな個体もいる。
「では、手加減は無用。一挙に殲滅してしまいましょう」
敵陣の虚を突き、蟹の背中というか甲羅側から『|淑女の降車術《シュクジョノコウシャジュツ》』を加える。
カヌレは馬車の屋根に登ってから跳躍した。
「ご挨拶遅れましたの。わたくし、カヌレ・ド・ショコラと申しますの。以後お見知りおきを」
空中でカーテシーを決めつつ月面宙返りする。
カニビーマーたちを範囲に捉えた。稲妻を纏って一体を踏みつけると、残りの蟹もひっくり返って痺れる。
蟹のハサミは半開きになって用をなさなかった。
紫色の身が漏れ出ている個体もある。
「あらら。食べられそうにない感じですのね。捕らえて売り飛ばして、おこづかいにしようかと愚考しましたが、無理なようですの」
カヌレの言葉遣い、立ち振舞。
高貴な家柄らしき11歳少女は、ピンチにならない。
🔵🔵🔵 大成功
雪月・らぴかうひょー!服を直して戻ってきたよ!
さっきのは別の意味で強敵だったねぇ……どれくらいの人に見られてたんだろ……ま、過ぎたこと気にしても仕方ないね!
って、今度はカニ!?うーん、ここは解体現場だし、ハサミで解体作業とかするのかな……?
ハサミが危なそうだし、今回は近づかないで戦うよ!ってことで【霊雪爆鎚コールドボンバー】発動!床とか叩いて爆発おこして敵を攻撃していくよ!
敵の√能力は手数多くて一発の威力は低いっぽいから、あんま避けること考えずに、多少食らいながらでも強引に爆発おこしてやられる前にやっちゃおう!
また服が穴だらけになりそうだけど、効率よく倒すこと考えると仕方ないね!
「うひょー! 服を直して戻ってきたよ!」
怪異出没の危機は去っていない。
|雪月《ゆきづき》・らぴか(霊術闘士らぴか・h00312)は『耐霊愛服キュートクローズ』姿で再訪する。囲いの大穴を見ると、頬が赤らむ。
「さっきのは別の意味で強敵だったねぇ……どれくらいの人に見られてたんだろ」
スカートの裾を押えながら、つい表通りの様子を伺ってしまう。
「……ま、過ぎたこと気にしても仕方ないね! って、今度はカニ!? うーん、ここは解体現場だし、ハサミで解体作業とかするのかな……?」
緑色の巨大蟹、『カニビーマー』が湧き出してきた。
この集団敵はもっと大きな怪異に引き寄せられている。なにかに因んでいるのなら、ハサミと解体との共通項もありえるかもしれない。
「ハサミが危なそうだし、今回は近づかないで戦うよ! ってことで『|霊雪爆鎚《レイセツバクツイ》コールドボンバー』発動!」
『雪月魔杖スノームーン』を爆鎚形態に変化させ、現場に敷かれた重機用の鉄板を叩く。
霊気と氷雪の爆発が起こり、カニビーマーたちをふっとばした。
らぴかの実力ならば、工事区画内のすべてを爆発範囲に含めることが可能だ。
「敵の√能力は手数多くて一発の威力は低いっぽいから、あんま避けること考えずに、多少食らいながらでも強引に爆発おこしてやられる前にやっちゃおう!」
効率よく倒すことを考えると仕方ない。
カニビーマーだって、連射蟹光線を同じ範囲に含めることが可能なのだから。
「また服が穴だらけに……し、仕方ないね!」
ハサミの中、表面、蟹の口と、さまざまな位置から300回のビームが発射される。爆発で倒した個体もいるし、全部のビームが命中するわけではないが、それにしても細かな穴が、キュートクローズに空いてしまった。
今度は下着の一部にまで。
大丈夫、大事なところは見えてないから。
🔵🔵🔵 大成功
ユッカ・アーエージュ(サポート)精霊複数召喚系の√能力使用後、精霊たちにも【属性攻撃】の魔弾を【一斉発射】してもらったり
√能力『遍く御座す全ての友よ』で範囲攻撃を狙うなど
多くの精霊たちの力を借りて数で押すような戦い方をします
己が血みどろになるような野蛮な戦いは好まず、できるだけスマートに
飛翔して上方から攻撃したり、遠くから弾幕を斉射したりといった攻撃を好みます
但し誰かを守るためなら己の身は顧みず行動します
工事現場に湧く怪異、『カニビーマー』の数が増えてきた。
人食い蟹のハサミをかちゃかちゃと鳴らし、いまにも防塵用の覆いを裂いて、街中に溢れてしまいそうだ。
「まあまあ、すこしだけお手伝いしようかしら」
鉄骨の骨組みに腰かけ、ユッカ・アーエージュ(レディ・ヒッコリー・h00092)は蟹怪異の集団を見下ろした。
|ゆったりとしたワンピースドレス《ル・プティ・ボワ》の裾が風になびく。
「同じ眼差しを持っているのなら、きっと貴方もお友達、よ」
両手を差し伸べると、心通わせた万象の精霊たちが召喚されてきた。
さまざまな姿をしているが、17体という数は、集団怪異に立ち向かうには十分だ。ユッカ
の『|木陰のあなたに願い事《アフタヌーン・アイスクリーム》』に従って、属性攻撃の魔弾を、一斉発射してくれる。
『カニビーマー』を甲羅側から焼き、凍らせ、潰し、四散させた。
ほんのつかの間、通行人が工事現場のほうに顔を向けたが、また背を丸めて去っていく。
「退治はこっそり、よ」
ユッカがみたところ、街に出てしまった怪異はいない。
「ありがとう、私のお友達」
被害は防げたということで、精霊たちに礼を言い、もとの居場所へと帰した。
🔵🔵🔴 成功
四二神・銃真(サポート)オレはどこにでもいる只の私立探偵。揉め事でも厄介事でもいっちょ噛みさせてもらうぜ?
といってもふらっと来たから…√能力や技能は|パッと思いついたもの《ランダム》でいこう
今日のオレは主役じゃないから、同業者さんには迷惑かけないようにするよ。まあそもそもオレは只の私立探偵だから、猫の手位のサポートにしかならないがね…ククク
そして…敵さん相手なら多少のことは…やっちゃっても? いいだろ?
こういう時、ちゃんとしたヒーローならお行儀よくしてくれると思うけど…オレはどちらかといえば|ヒーロー《HEEL−O》だから。場合によっては手加減するけど…容赦はしないぜ?
後はなるようになるってことで、宜しく頼むぜ
暁・千翼(サポート)ダンジョンの散策動画投稿を主に行う投稿者
冒険者学園の高等部(通信制)の学生でもある
性格:穏やかな気質。情緒が幼い部分もある
D.E.P.A.S.故に体調を崩しやすく、貧血になりやすい代わりに制御や融合は得意
戦闘中は、冷静な振る舞いになる
戦闘方針
分析して的確に弱点を突くタイプ
【戦闘知識】、【錬金術】を中心に戦術を組み立てる
血刃・双月を的確に改造して戦っていく
戦闘以外
情報収集を中心に動く
説得などは相手に寄り添う方針でこなしていく
必要なら戦闘中でもポーションや造血剤を味方に注意事項を添えて渡す
(※注意事項の典型例:味が酷い、副作用が酷いなど)
一体の『カニビーマー』が、ハサミを使って瓦礫を退かしていた。
当地に出現したこれまでの群体より、巨大だ。
「個体差があるということか」
|暁・千翼《あかつき・ちひろ》(幻狼の騎士・h00266)は二刀一対の詠唱錬成剣、血刃と双月を抜いた。
巨蟹は穴掘りをやめ、横歩きぎみに千翼へと向きをかえる。
敵と認識されたのだろう。攻撃で繰り出されてきたハサミを二刀でさばき、まずは様子をみる。
「弱点はどこだ。……む?」
どこからか、蟹の動きの解析データが流れてきた。
「よし……見えてるかな?」
男がいた。
√能力と思われるが、他人に援護用のリンクを接続できるらしい。
目立つのは左眼を通る傷。
「君……」
「オレはどこにでもいる只の私立探偵。揉め事でも厄介事でもいっちょ噛みさせてもらうぜ?」
男、|四二神・銃真《やつがみ ガンマ》(そいつの名前は死神ガンマ・h00545)は、魔銃を取りだす。
相手が増えても人食い蟹はかまわない。ハサミでの斬撃を繰り返してくる。
『ヴィジョンリンク』がもたらす反応速度で、千翼も銃真と同じに楽々と回避できた。
「この『カニビーマー』はただ誘い出されてきただけの怪異だ。けど、敵さん相手なら多少のことは……やっちゃっても、いいだろ?」
『ガンマブラスター』を撃つ、銃真。
蟹は横歩きをやめて、甲羅でそれを受け止めた。そのままじっとしているのは。
千翼が看破する。
「全身からエネルギーをチャージしている。さては、最大出力の光線だな」
見立ては当たった。
ハイパーメガビームが発射されるが、ふたりはそれも避ける。
「最大威力が、最大の弱点でもある。錬成完了、お返しだ!」
|錬成・贋作武装《アルケミア・フェイクアームズ》が、蟹と同じ武器を創造する。ハイパーメガビーム砲を手にした千翼は、その一撃で巨大カニビーマーの甲羅に大穴をあけるのだった。
消滅していく怪異ともに、錬成武装も分解、消え去った。
巨大蟹が押しのけた、瓦礫の底から風が吹いてくる。
ほんのり温かい、白く光る風が。
銃真は大穴を見下ろしつつ、ゆっくりと下がる。
「探していた手掛かりは、こいつだった」
「君、なにか知っているのか?」
千翼の真顔に、肩をすくめる銃真。
「ククク。言ったろ、探偵だって。調べるとこまでがオレの仕事だよ。本命の怪異は、人間災厄『終日今朝』ってヤツで確定だ。もう、休止中の工事現場だけじゃ済まない。無差別虐殺が始まる……!」
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功
第3章 ボス戦 『人間災厄『終日今朝』』
POW
死刑執光
【光を纏った大鎌】で近接攻撃し、4倍のダメージを与える。ただし命中すると自身の【肋骨】が骨折し、2回骨折すると近接攻撃不能。
【光を纏った大鎌】で近接攻撃し、4倍のダメージを与える。ただし命中すると自身の【肋骨】が骨折し、2回骨折すると近接攻撃不能。
SPD
ホワイトパートナー
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【歴史と土地を奪われた場所?】」から【光り輝く真っ白な自分の分身】を1体召喚する。[光り輝く真っ白な自分の分身]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【歴史と土地を奪われた場所?】」から【光り輝く真っ白な自分の分身】を1体召喚する。[光り輝く真っ白な自分の分身]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
WIZ
あ戦い朝風
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【ほんのり温かい白く光る戦いの風】で300回攻撃する。
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【ほんのり温かい白く光る戦いの風】で300回攻撃する。
カヌレ・ド・ショコラよく寝ましたの(現場に無断駐車したハイパーエレガントキャビンでお昼寝していた)おめざをいただきたいところですの。あら?丁度良い方がいらっしゃいますのね。とっても綺麗なシスターのお姉さまですの。これは間違いなく極上品。疑う余地はございませんわ。しかし、かなりの強敵と見ました。ハイパーエレガントキャビンを√能力で臨時移動拠点とし、皆様と共に要撃いたしましょう。わたくしはハイパーエレガントキャビンの内蔵火器と銃剣『ベールヌイ』の銃モードで弾幕を張りますの。そうして、隙をうかがって、荷台から【空中ダッシュ】で飛びつき、【吸血】させていただきますのよ。ふふふ。…聖女の血の味は如何なるものか。楽しみですの
天野・葵(サポート)口調:敬語混じり(僕、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
時々ごく普通の少年(僕、~君、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )
僕はベルセルクマシンであり量産型WZ「碧空」に搭乗している
戦線工兵の14歳の男です。見た目はこの通り普通の子どもと変わらない。
「碧空」は搭乗機であるのと同時に僕の大事な友達です。
(使用する√能力はおまかせ)
戦闘においてはメイン参加者のフォロー。
牽制射撃・援護射撃・一斉発射などで応戦します。
味方にダメージが来そうな時はエネルギーバリア。
「援護します!ここは任せて下さい!」
アレンジ・アドリブOK、他の√能力者さんとの絡みも歓迎します。
後はMSさまにおまかせします。
アルカウィケ・アーカイック(サポート)ええと…この相手はただの強敵じゃないですよね
たぶん、普通の戦い方じゃ通じないかもしれません
でも、大丈夫です
僕は味方の動きを見ながら補助に回るのが得意ですから、視界を遮ったり、足場を崩したり、相手の動きに合わせながらも僅かな隙を作って狙います
直接倒せなくても倒すための切っ掛けを作ることも出来ますし、連携攻撃を上手く使ってお味方の動きを補ったり、逆に敵の守りを崩しやすくするのも得意としています
ジャストガードや見切りも活かしながら無理をせず…相手の注意を逸らしたり、拠点防御で守りを固めたり、場合によっては地形の利用で相手をおびき寄せつつ…頑張ります
ネメシア・ヘリクリサム(サポート)人間(√ドラファン)の錬金騎士×凶閃の霊剣士、23歳・女
生粋の剣技好き、新たな剣士に会うとその剣技を目で体験で吸収しようと積極的に勝負を挑む。どんな√やシチュも「新たな剣に出会うチャンスかも!」の気概で楽しむ。剣技以外も自身の興味に素直なため、「行って(やって)みよっかー!」とザクザク進んでいく。一方で割切上手なため、取捨選択が求められる場面ではドライな選択も可能。とはいえ「そうじゃない」人に寄り添う心はある。
「〜〜か。じゃあ次はこうするべきかな?」「え、面白そう!やる価値あるよね!」「君は剣士だね?なら、一戦よろしく頼むよ」「全ては選べないなら、私はこれを選ぶよ。みんなは?」
クーベルメ・レーヴェ(サポート)√ウォーゾーンの出身よ
人類の勝利と国土奪還の為に頑張りましょう!
他の√への支援も、協力関係を築けるかもしれないし重要よ
戦闘では、まずアイテムのクインテットウォールを展開
技能の拠点防御と継戦能力を活用するわ
そして武器のウェザーブレイカーや突撃銃で射撃戦
レーザー射撃、貫通攻撃、制圧射撃…何が有効か探りましょう
敵の接近を許したら、シャベル格闘術の出番
距離を詰めただけで勝ったと思わないでよね!
陣地変換して仕切り直しよ
バックアップ素体のいる少女人形だけど、普段は自分を使い捨てにしないわ
Ankerの子が悲しむからね…
でも√能力者以外が死んじゃいそうな時とかは捨て身で庇いにいく
そういう死に方は許してくれるの
雪月・らぴかひええ、今日の仕事は服が大変だね……でもでも、直せばいいしもう少しっぽいから頑張ろう!
次の相手はセクシーなお姉さんだー!こっちが破る側になってもっとセクシーにしちゃうよ!
あの鎌で斬られると服だけじゃなくて肉もやばそう!それに杖で打ち合いうのも不利そうだね。
[彷徨雪霊ちーく]ちゃんを呼んで攪乱してもらいつつ、[霊雪心気らぴかれいき]の遠距離攻撃で削っていくよ!
近づかれて√能力っぽい動きが見えたら思い切って前にでちゃおう!あの鎌長いから至近距離は弱そうだし!
一度近づかれると離れるのきつそうだし【変形連鎖トランスチェイン】を刃物多めでやっちゃおう!
現場に無断駐車された優美な馬車。
『ハイパーエレガントキャビン』のなかでお昼寝していた、カヌレ・ド・ショコラ(お菓子の城の吸血令嬢・h02165)は。
「よく寝ましたの。おめざをいただきたいところですの。……あら?」
窓の外をみて、女性型の怪異に気付く。
地下から瓦礫の穴を通じて昇ってきたようだった。ともに噴き出す白い風が勢いを増し、馬車の窓がガタガタと揺れる。
「丁度良い方がいらっしゃいますのね。とっても綺麗なシスターのお姉さまですの」
御者の首無し騎士に命じてドアを開けさせ、カヌレは客室を出た。
「これは間違いなく極上品。疑う余地はございませんわ。しかし、かなりの強敵と見ました」
「ええと……あなたも√能力者ですよね?」
ピンク髪のウェーブが美しい、少女のようにも見える男の子が話しかけてくる。
「僕はウィケ、アルカウィケ・アーカイック(虚像の追憶・h05390)」
男の子の自己紹介に目を丸くしていると、カヌレのそばには他にも数人の男女がいた。
「こんな大きな狼に引かせた馬車に乗ってるんだもの。そりゃあ、タダモノじゃないよね!」
ロングソードを持った女性だ。顔に傷跡がはいっている。
「私はネメシア・ヘリクリサム(剣と共に歩み、息づき、愉しむ人生・h08297)だよ。強そうな相手がいるって聞いてね。得物は剣じゃなさそうだけど、面白い戦いができるんじゃないかな」
剣士が指摘したとおり、怪異、人間災厄『終日今朝』は光を纏った大鎌を携えていた。
風が止んで地上に足先をつけると、工事現場の覆いを見ている。
「もしかして、一般人を狙ってるんじゃないですか?」
少年の声がしたが、量産型ウォーゾーンのなかからだ。
「顔も見せずに失礼します。|天野・葵《あまの あおい》(碧空の操縦者・h06847)です。あの怪異は僕たち能力者を気にかけていません。無差別虐殺を好むという情報もあります」
「ええ、葵さん。他の√でも、人類の勝利のため、頑張りましょう」
武器を満載した|少女人形《レプリノイド》が、人間災厄から目を放さないようにして言った。
「|クーベルメ・レーヴェ《Kuhblume Loewe》(余燼の魔女・h05998)よ。みなさんで力を合わせれば、きっと人々を救える!」
どうやら、葵とクーベルメは同郷のようだ。協力を請われて、カヌレは作法にのっとったお辞儀をする。
「申し遅れました。カヌレ・ド・ショコラですわ。皆様と共に要撃いたしましょう。さあ、お手を。わたくしの馬車をお足としてご利用くださいませ」
『淑女の|相乗術《アイノリジュツ》』を受けて、ハイパーエレガントキャビンは臨時移動拠点となった。
首なし騎士が御者台に戻る。
カヌレは荷台へひょいと上り、クーベルメに、葵の量産型WZ『碧空』もそこに陣取った。ウィケとネメシアは、客室から身を乗りだし、いわゆるハコ乗りに構える。
人間災厄『終日今朝』が、防音防塵幕の穴に気がついたようだ。ゆっくりとそちらに向き直る。虐殺に出られるまえにと、御者が銀狼に鞭をくれてやろうとしたとき、その穴から可愛らしい衣装の女性が走りこんでくる。
「ひええ、今日の仕事は服が大変だね……でもでも、直せばいいしもう少しっぽいから頑張ろう!」
|雪月《ゆきづき》・らぴか(霊術闘士らぴか・h00312)だ。
この場所へ引きつけられた怪異を討伐してきたが、いよいよその元凶を目の当たりにする。
「次の相手はセクシーなお姉さんだー! こっちが破る側になってもっとセクシーにしちゃうよ!」
「一緒に戦いませんかー!」
ウィケが手を振って誘った。らぴかは杖を振り返し、首なし騎士のとなりに腰かける。馬車は急発進した。
「雪月らぴか、だよ。助かる~。あの鎌で斬られると服だけじゃなくて肉もやばそうだったし! それに杖で打ち合うのも不利そうだね」
「でも、大丈夫です。僕たちが一丸となれば!」
「弾幕を張りますの!」
カヌレは、銃剣『ベールヌイ』の銃モードで射撃する。
その照準と連動し、ハイパーエレガントキャビンの装飾から内蔵火器が突き出てきて、怪異を攻撃する。しかし、弾丸のほとんどは、大鎌に弾かれたようだ。
「ふふふ。……聖女の血の味は如何なるものか。楽しみですの」
射撃で引き付けるあいだに馬車は、クーベルメの間合いに入った。
「Ураааааウラー!!」
荷台から跳躍する、VII号戦車の|少女人形《レプリノイド》。様々な火器を使ったあと、『軍用シャベル』を持ちだす。
振り下ろした道具が、人間災厄の頭部を強打した。
なよなよとくず折れる女性型をみて、戦線工兵はそれが分身体であると見抜く。
「出てきたとき大人しかったのは、このための瞑想だったの?!」
すんでのところで、本体による大鎌の不意打ちを回避した。
「クーベルメさん、援護します! ここは任せて下さい!」
葵が、WZ『碧空』から小型無人兵器『ファントム』を放った。
内装火器をはじめ、馬車の仲間たちから遠距離攻撃が加えられる。らぴかは、雪だるまの死霊『彷徨雪霊ちーく』を呼んで攪乱してもらいつつ、自身の気『霊雪心気らぴかれいき』の霊気と冷気を飛ばしていく。
クーベルメは煙幕をつかって離脱した。
「陣地変換して仕切り直しよ! ……それにしても、他√の能力者は頼もしいわ。支援で協力関係を築いていければ、√ウォーゾーンの国土奪還にも支援してもらえるかもしれない」
「みんな、僕に力を貸して」
葵のファントムユニットが、各々でミサイルを撃った。
破壊力は心許ないが、人間災厄が発する害への牽制になっている。すなわち、ほんのり温かい、白く光る戦いの風である。
工事現場の枠から漏れてしまえば、大変な被害がでるだろう。
「ええと……この相手はただの強敵じゃないですよね。たぶん、普通の戦い方じゃ通じないかもしれません」
声音は恐縮しながら、ウィケは同乗者に伝える。
空想未来人の『サプライズ・フューチャー』を使えば、誰かひとりの武器を技術革新させられると。
「え、面白そう! やる価値あるよね!」
挙手をしたのは、ハコ乗り仲間のネメシア。
『強制進歩ビーム』が、彼女の竜漿兵器『ロングソード・フランメ』に照射された。『|対標的必殺兵器《ターゲットスレイヤー》』に変形していく。
「うひょー! かわっちゃったよ! 次があったら私もお願いしよっかなー♪」
らぴかのテンションが高いので、ネメシアは頭を下げる。
「ごめんね。変形は元から『戦闘錬金術|《プロエリウム・アルケミア》』の能力だよ。けど、『錬金毒』の効果が高まっているみたい。ウィケのおかげだね」
「どういたしまして。さ、次できめましょう」
「シスターのお姉さまに横づけさせますわ」
カヌレは『ベールヌイ』を剣モードにする。そして、らぴかも別の手を思いついた。
「きたきた! 繋がるコンボチャンス!」
構えた魔杖が、なんとこれも変形して鋭い剣になった。
白い風が防塵幕にとどくまえに、ハイパーエレガントキャビンが人間災厄『終日今朝』へとドリフト走行で迫る。
車体の回転にあわせて、横から突きだされた三本の剣が、怪異をつぎつぎに斬りつけた。分身をだしたが、その首もネメシアのロングソードにはねられ、本体にまで傷を負わせる。
魔杖剣の氷刃が怪異に恐怖心すら与え、肋骨を折り、光る大鎌の柄を叩き斬った。
美しい顔が、滅びのさいにも笑みを浮かべている。
「変形連鎖トランスチェイン!」
技がきまって、その名を唱えるらぴか。
車輪のきしむ音がして、荷台から飛び出したカヌレが、空中ダッシュで女性型怪異にしがみ付く。
「吸血させていただきますのよ」
お菓子の城の吸血令嬢は極上品を、おいしく召し上がったのだった。能力者たちは馬車から降り、あるいは合流してから、また各々の√へと帰っていく。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴 成功