シナリオ

あやかし縁日、夏祭り

#√妖怪百鬼夜行

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 #√妖怪百鬼夜行

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 ふらりと気侭に路地を曲がれば、いつの間にか迷い込んだそこは妖怪たちの世界。
 耳を澄ましてみれば、どこかから聞こえてくる賑やかな祭囃子。
 そして楽し気な音色に誘われれば――辿り着くのは、真夏の夜の縁日。
 ほおずき提灯がゆうらり揺れて灯る中、ずらり並ぶお祭り屋台。
 タコ焼きにイカ焼き、焼きそばに焼き鳥、チョコバナナや林檎飴などなど、お祭り定番のものは勿論。
 長ーいろくろ首ソフトクリームや目玉白玉クリームあんみつ、フルーツほおずきのパフェ、ぱちぱち花火かき氷、おばけわたあめなどの、妖怪メニューの屋台だったり。
 混ぜるとどんどん色が変わる不思議フローズンはしゃりっと涼し気で、成人していれば不思議フローズンカクテルにもしてくれるし。他にも夏らしいドリンクや、妖怪地酒などの酒類も振舞われる。
 そして、射的に妖怪型抜き、ヨーヨー釣りや金魚掬い、お面屋さんやガラクタ千本くじなどの、食べ物以外の遊べる屋台も沢山。
 夜空には定期的に打ち上げ花火もあがって、広場では手持ち花火が配られており、手持ち花火定番のススキ花火やスパーク花火や線香花火、奇想天外な動きをする妖怪ねずみ花火、ロケット花火なんかも楽しめるようだ。
 さらに、今年の夏の夜祭りの目玉は、何といってもこれ。
「よってらっしゃい見てらっしゃい! ほおずきランタン片手に、思わずぞくぞくひやっとする『うらめしやしき』に挑戦してみるかい?」
 そう――肝が冷えすぎるお化け屋敷と噂の、『うらめしやしき』!
 さあ、祭囃子が響く真夏の夜祭りに、折角迷いこんだのだから。
 どこから巡って楽しもうか。

●真夏の夜祭りと肝試し
「夏祭りは心躍るな。個人的には、祭りならではな甘味の屋台を全制覇したい」
 楪葉・伶央(Fearless・h00412)はそう穏やかな笑みで皆を迎え、礼を告げてから。
 星詠みの予知の内容を語り始める。
「今回皆に赴いてもらうのは、√妖怪百鬼夜行で催される夏の夜祭りだ。凶暴で他者の血肉を喰らう危険な「古妖」の封印は、√妖怪百鬼夜行の各地に存在するが。「情念」を抱えた人がこの封印に引き寄せられ、その願いを叶えるという約束と引き換えに、古妖を封印から解き放ってしまったようだ」
 解き放たれた古妖を自由にのさばらせておく訳には当然いかないし。
 封印を解いてしまった人のフォローもしてあげられるといいかもしれないし。
 また、古妖や人々に怪しまれぬよう、真夏の夜祭りを目一杯満喫している一般人のフリをすることも必要だろう。
 そして時が来れば、解き放たれた古妖を倒す――これが今回の依頼である。

 それから伶央は、詳細を説明する。
「古妖を解き放った人は、この夏祭りの目玉であるお化け屋敷『うらめしやしき』の責任者だ。話題になるようなお化け屋敷を企画しなければと思いつめてしまい、廃墟と化していた屋敷の視察の際に、屋敷に封印されていた古妖に唆されたようだ。彼は「自分の願いの為には必要だった」と自分にいい聞かせるように、お化け屋敷の運営にひたすら勤しんでいるようで。そして解き放たれた古妖は、次に唆すターゲットを探しつつ、件のお化け屋敷に潜んでいる。『うらめしやしき』は祭りがはじまったばかりの頃はまだ準備中なので、準備が終わるまでは自由に夏祭りを楽しみながら自由に過ごしてもらって構わない。そして先行入場券を入手して全て押さえているので、時間になれば「うらめしやしき」に入場して、潜んでいる古妖を倒して欲しい」
 敵が潜む「うらめしやしき」は、妖怪スタッフたちの気合が漲る、この祭りの目玉といわれているお化け屋敷。
 けれど夏祭りが始まった頃はまだ準備中だというので、入場が開始する時間までは自由に過ごせるから。敵に怪しまれぬよう一般人を装い、真夏の夜のお祭りを自由に楽しんでほしい。
 そして「うらめしやしき」に入場し、屋敷に潜む古妖を倒して欲しいというのが、今回の依頼内容である。

 そこまで星詠みの説明した後、皆を見回して。
「古妖を退治するのが一番の目的だが、お化け屋敷が開く時間までは自由に過ごして貰って構わないし。夏祭りを目一杯楽しめば、敵を欺くことにもなる。それに、妖怪世界ならではな珍しいものもあるだろうし、花火なども夏の夜らしくて良いな」
 だから、折角なので夏祭りも楽しんできてくれ、と伶央は笑んだ後。
 改めて、よろしくお願いする、と丁寧に頭を下げて皆を送り出すのだった。

マスターより

志稲愛海
 マスターの志稲愛海と申します。
 よろしくお願いいたします!

 ※ご連絡※
 第1章の受付は【8/9(土)朝8:30~8/13(水)23:59迄】です。
 以降の章の受付等は、シナリオタグやMSページで連絡します。
 各章の詳細を記載した断章を、各章受付開始前に掲載予定です。

 日常と冒険章はPOW/SPD/WIZは気にせずOKです。
 どの章からでも、気になった章のみでも勿論歓迎です!
 可能な限り内容が採用できないプレイング以外は全採用予定です。
 何名様ででも、何文字ででもお好みで、お気軽にどうぞ!

 今回の依頼内容は以下です。

 第1章は、真夏の夜のお祭りをご自由に楽しめます。
 時間は夜、日が暮れた後の時間です。
 内容はOP通り、詳細は断章に記載いたします。
 OPや断章にないことでも、祭りでできそうなこと、ありそうなものを楽しんでいただいて構いません。お気軽に好きなように、夏祭りを自由にお過ごしください!
 お化け屋敷「うらめしやしき」はまだ準備中です。

 第2章は、お化け屋敷「うらめしやしき」で肝試しが楽しめます。
 詳細は断章に記載しますが、妖怪スタッフが張り切って脅かしてきます。
 わいわいきゃあきゃあとお化け屋敷を楽しんでいただければですし。
 怖すぎるのが苦手なら、手加減もしてもらえるようですし。
 逆にスタッフを脅かしてみたり等々、それぞれの楽しみ方をしていただければ!

 第3章、古妖との戦闘です。
 詳細は第2章クリア後の断章に記載いたします。
 お気軽に参加できる雰囲気のものになりそうです。

 公序良俗に反する事、他人への迷惑行為、20歳以下の方の飲酒喫煙は厳禁です。
 締切等はMS個別ページやXでお知らせします。

●お願い等
 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称推奨)と、hからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。

 グループ参加の人数制限はありません。
 お一人様~何名様ででもどうぞ!
 ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。

 ご参加お待ちしております!
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よろしいですか?

第1章 日常 『お祭りを楽しもう!』


POW お神輿担ぎに参加する!
SPD 屋台巡りをする!
WIZ 盆踊りに混ざる!
√妖怪百鬼夜行 普通5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 夕日が水平線の向こうに沈めば、かわりに灯るのは、ほおずき提灯。
「ほおずきがなんで鬼灯って書くか知ってるかい? お盆の時期に先祖の霊を迎えるための提灯に見立てて飾られたからだ。今年もお盆の時期がやってくるからなぁ」
 他にも、ほおずきの赤い実が火の玉のように見えることから「|火々着《ほほつき》」と呼ばれ、それが変化したという説もあるという。
 そう話してくれる赤鬼が教えてくれるのは、よーく実を揉んで種を取り出して鳴らす「ほおずき笛」の作り方。
 
 そんなずらりと並ぶ仄かな赤き炎に照らされて、賑わいをみせるのは、お祭り屋台。
 祭りといえば、定番の屋台フードや屋台スイーツは勿論のこと。
 此処はなんていったって√妖怪百鬼夜行、この世界ならではな妖怪屋台も沢山。
 例えば「タコ入道のビッグタコ焼き」に、負けじと大きな「大王イカ焼き」だとか。
 激辛な「地獄焼きそば」に、怪火でこんがり焼いた焼き鳥屋台、「七色ゲーミングチョコバナナ」や、紫色の飴がかかった「毒林檎飴」、香ばしく焼けた「鬼火もろこし」だとか。
 バニラやチョコやミックスが選べる「長ーいろくろ首ソフトクリーム」や、「目玉白玉クリームあんみつ」、「ふわふわおばけわたあめ」などの妖怪メニューも沢山だし。
 トロピカルな味わいの食べられるほおずき「フルーツほおずきのパフェ」や、シロップの味やトッピングが選べる「ぱちぱち花火付きかき氷」等の期間限定スイーツ屋台。
 それに、ドリンクも妖怪仕様のものもいっぱい。例えば、混ぜるとどんどん色が変わる「七不思議フローズン」はしゃりっと涼し気で味も七変化、成人していれば「七不思議フローズンカクテル」にもしてくれるし。他にも、成人していれば珍しい味わいの貴重な妖怪地酒「神隠し」などの酒類も振舞われ、燃えるようにしゅわしゅわ弾ける真っ赤な不死鳥ソーダは勿論未成年でも飲める。
 これらの妖怪メニューは、見目は物珍しいが、味は美味しいものが多いらしいし。
 当然ながら風変りな妖怪メニューだけでなく、普通のスタンダードなお祭り屋台フードも沢山売っているので、妖怪メニューに抵抗がある人も安心だ。

 また、ちょっと変わった商品が並ぶ射的屋や、妖怪のカタチをした型抜き、喋るヨーヨー釣りやおばけ金魚掬い、妖怪お面屋さんやガラクタ千本くじなどの、食べ物以外の遊べる屋台も沢山。
 これらも、妖怪仕様のものだけでなく、普通の馴染みある形式のものもあるので、お好みで遊んでみるのもいいだろう。
 それに、夏や鬼灯にちなんだ雑貨やアクセサリーや根付、そして鬼灯提灯を買える出店も並んでいるようだ。

 そして、時間になれば夜空に咲くのは、大輪の光の花。
 やはり夜祭りといえばそう、花火大会! 
 まさに色も形も七変化、拘りの花火職人妖怪の自慢の打ち上げ花火である。
 さらに祭りの広場では手持ち花火が配られ、自分達の手で花火をすることもできる。
 手持ち花火定番のススキ花火やスパーク花火や線香花火にロケット花火、中には奇想天外な動きをする妖怪ねずみ花火なんてものも……?

 そしてこの夜祭りの目玉は、何と言っても。
 肝が冷えすぎるお化け屋敷――『うらめしやしき』!
 けれど、今はまだ準備中だから。
 屋台で腹拵えしたり、花火を鑑賞したり、他のことを楽しんでおこう。
 真夏の夜のお祭りは、まだまだ始まったばかりなのだから。

<マスターより補足>
 遊べる屋台の景品などはご指定のものでも、お任せのものでも構いません。
 OPや断章にないものでも、ありそうなものを食べたり買ったり遊んだりできます。
 妖怪仕様のものだけでなく、普通のものもひととおり勿論あります。
 基本お好きなように、夏の夜祭りを楽しんでいただければです!
皮崎・帝凪
ライラ(h06574)と
無地・紺色の浴衣で参加
提灯の薄明かりに照らされた——優美なる俺!
祭りといえば浴衣だな!
ライラもよく似合っているぞ!

魔王たるもの、大王イカ焼きには挑まねばならんだろう!
相当なサイズだが、このダイナ様の胃袋を侮るなよ
余さず平らげてくれよう!

ヨーヨー釣りは喋るヨーヨーに興味津々
注意が逸れた隙に失敗してしまう
なかなかの強敵たちだな!と笑い掛けて

射的か、任せるがよい!照準計算は得意なのだ!
狙いを定め、大物の妖怪貯金箱を狙おう
ライラ、もう少し肩の力を抜くと良い
軽く脇を締めて、左手は……うむ、この辺りだ
銃を持つ彼女の手に自身の左手を添えてフォーム調整
どうだ?撃ちやすくなっただろう!
ライラ・カメリア
ダイナ様(h05616)と

白地に金魚が泳ぐ浴衣で
ダイナ様の浴衣姿に尊さが極まり賞賛と感謝を捧げる

はっ、まさか、このお姿を独り占め…!?

大王イカの大きさに驚きつつ
美味しさに破顔

ダイナ様が完食(勝利)するご様子に感動!

さすがダイナ様…!

次は喋るヨーヨー釣りへ

あと少しというところで紐が切れてしまい残念

ダイナ様はお上手そうだけれど…あ

楽しくなって思わず笑って

最後に射的屋へ

銃器を持つダイナ様は世界一お似合いで

狙われる景品も幸せなことでしょう…!

初挑戦でドキドキしつつ小さなお菓子を狙う

…ダイナ様!?

重なった手に心が大騒ぎ

これでは景品よりわたしが撃ち抜かれてしまいますー!(心の絶叫)

 たくさんのほおずき提灯たちがゆうらり、宵闇を明るく照らす中。
 ライラ・カメリア(白椿・h06574)は思わず、真夏の夜空を仰がずにはいられない状況に陥っていた。
 だって、早速の供給過多に内心極まりまくりなのだから。
「祭りといえば浴衣だな!」
 ……提灯の薄明かりに照らされた――優美なる俺!
 そう紺色無地の浴衣を纏った推し・皮崎・帝凪(Energeia・h05616)の姿が、あまりにも尊すぎて。
 そして、そんな彼の姿をそっとガン見しながらも。
「ああっ……! 浴衣姿のダイナ様のなんという美しさ……! 真夏の夜のような高貴な紺のお色がとてもよくお似合いですわ! ダイナ様のこのような御姿が拝めるだなんて、生きている喜びを感じますの……!」
 溢れる気持ちのままに心なしか早口で、賞賛と感謝を帝凪へと捧げる。
 そんな色々と極まっているライラだが、ダイナ様の隣を歩くに相応しくあらんと、今日は白地に金魚が泳ぐ浴衣姿。
 ……いや、こういうところがまた推せるのだ。
「ライラもよく似合っているぞ!」
 そんな気遣いの言葉をかけてくださる、なんともお優しいところがまた!
 そして夜祭り独特の灯火に照らされた姿をうっとりガン見するライラであったが。
 刹那、大きく瞳を見開いてしまう。だって、気づいてしまったのだから。
(「はっ、まさか、このお姿を独り占め……!?」)
 そんなライラは今夜も推しに情緒を殺され、そして推しに生かされているのである。
 それからふたりで巡ってみるのは、良い香りが漂う屋台が並ぶ広場。
 屋台といってもただの屋台ではなく、この世界ならではな、妖怪屋台がずらり。
 その中で、帝凪が選んだ妖怪屋台メニューは勿論これ。
「魔王たるもの、大王イカ焼きには挑まねばならんだろう!」
 大王という名に相応しい、大王サイズのイカ焼き!
 ライラもその大きさに思わず驚いてしまうけれど。
 でも、イカ焼きが大王と言うのならば。
「相当なサイズだが、このダイナ様の胃袋を侮るなよ」
 ――余さず平らげてくれよう!
 そう自信に満ち溢れ言い放つ帝凪は魔王なのだ。この戦い、負けられぬし負けるわけがない。
 ということで、大王イカ焼きを早速、はむり。
 ライラも普通サイズの大王イカ足を口にすれば、さすがは大王、その美味しさに破顔して。
 そして、それ以上に感動してしまう。
「このダイナ様の胃袋には敵わずとも、大王もなかなか美味だったぞ」
「さすがダイナ様……!」
 ダイナ様が|完食《勝利》するご様子と、やはり大王イカ焼きを讃えることも忘れぬその優しさに。
 それから美味しくおなかも満たされれば、次に足を運んでみたのは、賑やかな声が聞こえるヨーヨー釣りの屋台……なのだけれど。
『イラッシャイ! ワタシタチヲ、ツッテイカナイ?』
「ふむ、喋るヨーヨーか。これは興味深い」
『アラ、アナタニナラ、ツラㇾテモイイワ!』
 ヨーヨーはヨーヨーでも、喋るヨーヨー釣り!
 そんなヨーヨー達にも大人気で、興味深々眺めているダイナ様の様子に尊さを感じながらも。
 まずはライラが、大人しそうなヨーヨーを釣ってみようと挑戦したものの。
「あっ、紐が切れてしまいましたわ」
 あと少しというところで釣り上げられず、ちょっぴり残念に思うも。
 逆に、オシカッタワ! スジハワルクナカッタワヨ! などヨーヨー達に言われれば笑んでしまうし。
 何より、続いてチャレンジするダイナ様の一挙一動を見逃すわけにはいかないから。
 ヨーヨーの釣り竿を持つ様も素敵な推しをじいとライラは見つめ、決して邪魔にならないように見守ることにして。
『ワタシヲツッテイイワヨ、オニイサン!』
『ワタシノ色モ、ステキデショ!』
「ダイナ様はお上手そうだけれど……あ」
 何せ相手は喋るヨーヨー、集中しようにもその声に注意が逸れて、帝凪も惜しいところで失敗してしまう。
 けれど、アーンオシイ! と本人よりも残念がるヨーヨー達に笑い掛けて。
「なかなかの強敵たちだな!」
 そんなヨーヨー達とダイナ様のやりとりに、ライラも楽しくなって思わず笑っちゃう。
 それから次にふたりが足を止めたのは。
「射的か、任せるがよい! 照準計算は得意なのだ!」
 ずらりと大小様々な景品が並ぶ、射的屋台。
 早速コルク銃を手にし帝凪が狙いを定めるのは、魔王たるものに相応しい大物!
 ピカピカ光っている、大きな雷神妖怪貯金箱!
 そして自信に溢れていながらも、照準計算し慎重に狙うその姿を見れば、またライラの中の尊さが一瞬にして極まってしまう。
 だって、銃器を持つダイナ様は世界一お似合いで。
(「狙われる景品も幸せなことでしょう……!」)
 見事こてんっとダイナ様に撃ち倒された雷神は、光栄で幸せに違いない。
 そして尊いその一挙一動を存分に堪能した後、ライラもチャレンジしてみるけれど。
 何せ射撃は初挑戦、ドキドキしつつも小さなお菓子を狙ってみることに……したのだけれど。
「ライラ、もう少し肩の力を抜くと良い」
「……ダイナ様!?」
「軽く脇を締めて、左手は……うむ、この辺りだ」
「だ、ダイニャさまっ!?」
 ふいに重なった大きな手に、ライラの心は大騒ぎ。
 そう、銃を持つライラの手に、自身の左手を添えてフォーム調整をしてあげる帝凪。
 そして思わず蕩けて溶けてしまいそうになるのを必死に耐えながらも、でも、折角ダイナ様がご指導くださるのだからと。
 ライラはそのお優しさに応えるべく、彼の言うように慎重に狙いを定めて。
 色々な感情が入り混じってドキドキしつつも、ぐっと引き金を引けば――ぽこんっ。
「! あっ、ダイナ様、当たりましたわ……!」
 狙ったお菓子に見事命中!
 そして、キラキラと喜びに満ちた瞳で振り返れば。
「どうだ? 撃ちやすくなっただろう!」
 思わず瞬きも忘れて、ライラはまたガン見してしまう。
 自分へと笑み向けるダイナ様のお姿や言動に。
 そしてその尊さにぷるぷると小刻みに震えながらも、心の中で絶叫するのだった。
 ――これでは景品よりわたしが撃ち抜かれてしまいますー! なんて。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

ニーム・ティリス
アドリブ・アレンジ歓迎
すずやh06306と夏祭りに
ここは賑やかだね
すずやはどこか行きたい場所とか食べたい物とかある?

毒林檎飴良いね〜僕も食べてみたいな。食べられる毒が入ってたりしてね

お、珍しい物に行くじゃん
そうだなぁ、僕はビッグたこ焼きが気になってるんだよね
どうかな、どうせなら一口ずつ交換しない?
あーん。うん、美味しいな
はい、すずやもあーん

あ、僕からも良い?
七不思議フローズンカクテル、飲みたいんだけど、一緒にどう?
混ぜたら味も変わるか気になるんだ
(ストローでかき混ぜながら一緒に飲んでゆく
味が変わるならその感想も言い合う)

見て、花火だよ
綺麗だね…
見惚れてる隙に頬にキスをして気づいたら微笑みを返す
八束水・珠洲夜
アドリブ・アレンジ歓迎
ニーム(h07621)と参加!

ニームちゃんと|食べ歩き《デート》なのです!
すずやね、まず「毒林檎飴」食べたいかな~?
食べた後、舌の色が紫になってないかな
舌出してみてもらおー

次は「長ーいろくろ首ソフトクリーム」で、ミックスがいいなぁ~
ニームちゃんは?
そっちも美味しそうだね!
うん、交換しよう~♪
あーんしてね。すずやもあーんするから♪

いいよ!
お酒って久々かも~
綺麗だなぁ~
これってカクテルだからやっぱり甘いねぇ~
(酒は笊です)
ニームちゃんとお酒を愉しんでる間に、√能力【百鬼夜行】で自分の配下に食べ物の買い物を頼むよ!
これで飲みながら、食べれるからね!

飲食中にあがる、花火に見惚れる

 日が落ちて夜になれば、かわりに一斉に灯るのは、ゆうらり揺れる数多のほおずき提灯。
 そして夏の夜風が吹き抜ければ、ふわりと香るのは、たくさんの美味しそうな匂い。
 そう、今夜は夏祭りで|食べ歩き《デート》です!
「ここは賑やかだね」
 ニーム・ティリス(世界移動者・h07621)は青の瞳を細め、夜祭の喧騒を楽しむように歩きながらも。
 愉しい気配に迷子になりそうなくらい足取り軽い、隣の彼女へとこう訊ねてみれば。
「すずやはどこか行きたい場所とか食べたい物とかある?」
「すずやね、まず「毒林檎飴」食べたいかな~?」
 八束水・珠洲夜(出来損ない硝子細工の鵺・h06306)が向けた視線を追った先には、林檎飴の屋台が。
 でもここは√妖怪百鬼夜行。林檎飴は林檎飴でも、ちょっぴり毒々しい色をした毒林檎飴……!?
 というわけで、いざ!
「毒林檎飴良いね〜僕も食べてみたいな。食べられる毒が入ってたりしてね」
 まずは毒林檎飴をわくわく購入してみて、ぺろりと味わってみれば。
 口に広がる病みつきになりそうな甘さは、ニームの言う通りもしかして、食べられる美味しい毒?
 だって……食べた後、舌の色が紫になってないかな、なんて。
 珠洲夜が出して見せてみた舌はやっぱり、すっかり毒々しい紫色に染まっちゃっているから。
 そして毒林檎飴を美味しくいただいた後、ふたりお揃いの紫色の舌になれば。
 再びきょろりと活気溢れる屋台広場に視線を巡らせてみては、そわり。
「次は「長ーいろくろ首ソフトクリーム」で、ミックスがいいなぁ~」
「お、珍しい物に行くじゃん」
「ニームちゃんは?」
「そうだなぁ、僕はビッグたこ焼きが気になってるんだよね」
「そっちも美味しそうだね!」
 妖怪屋台は何だかわくわくへんてこで、とても美味しそうなものでいっぱいだから。
 でも、あれもこれも、色々と気になっちゃうならば。
 ニームが持ちかけてみるのは、こんな名案。
「どうかな、どうせなら一口ずつ交換しない?」
 そう、お互いが選んだものを交換こ!
 勿論、珠洲夜もこくこくと頷いて返して。
「うん、交換しよう~♪」
 噂通り、ながーーいろくろ首ミックスソフトクリームを早速差し出して。
「あーんしてね。すずやもあーんするから♪」
「あーん。うん、美味しいな」
 あーんしてもらった長いソフトクリームをはむりと口にすれば、ニームも冷たさと美味しさをお裾分けしてもらって。
 それから今度は、自分の買ったやたら大きな熱々ビッグタコ焼きを、このままでは入らなそうだから彼女の口のサイズに割ってから。
 火傷しない程度に、ふーふーしてあげた後。
「はい、すずやもあーん」
「あーん♪」
 はふはふ、熱いのと冷たいもの、どちらも美味しく分け合いっこ。
 それからニームは、とある出店を見つければ、こう切り出す。
「あ、僕からも良い? 七不思議フローズンカクテル、飲みたいんだけど、一緒にどう?」
 ……混ぜたら味も変わるか気になるんだ、って。
 話に聞いていた、ひんやり摩訶不思議なカクテルを飲んでみたくて。
 その申し出に、珠洲夜も勿論賛成!
「いいよ! お酒って久々かも~」
 早速、しゃかしゃかシェイクされたフローズンカクテルが、ふちにガイコツがしがみついているグラスに注がれて。
 ふたりでくるくる、ストローでかきまぜてみれば。
「綺麗だなぁ~。これってカクテルだからやっぱり甘いねぇ~」
「不思議だね、色と一緒に味も変わってる。白はミルクだったけど、赤になったらベリー味になったよ」
「あ、すずやのは黄色になったよ~。パイナップルかなぁ~?」
 七不思議の名前の通り、不思議で美味しい、お酒タイム。
 そしてふたりカクテルの感想を言い合ったり、お喋りを愉しんでいる間に。
「これで飲みながら、食べれるからね!」
 珠洲夜はばっちり、配下妖怪たちにおつかいを。
 怪火焼き鳥や鬼火もろこしなど、他にも気になっていたおつまみになりそうな妖怪メニューを追加で買ってきてもらえば。
 ぐるぐる色が変わる、1杯でいくつもの味が楽しめるカクテルと一緒に、いただきます!
 それから、美味しく楽しくふたりで過ごしていれば。
 ニームはふと夜空を見上げ、紡ぎ落す。
「見て、花火だよ」
 ――綺麗だね……って。
 向けた青の瞳に、弾ける光の花を映しながら。
 それから、すぐ傍で花火に見惚れている彼女へと視線を向ければ……その頬へと、そっとキスをして。
 大輪の花火が再び上がった夏の夜空の下、自分に向けられた緑色の瞳に、ニームは咲かせた微笑みを返すのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

根津・道雄
【鼠巫女竜】
いつの時代も場所でも祭りは良いものだなあ
りんご飴を齧りつつ屋台巡りを楽しむぞ

私はだいたい食べれるそ?今度は不思議フローズンを食べようか
おお、本当に色が変わるんだな

屋台と一口に言っても、色々と種類があるのだなあ
お、これはちょっと気になるな(お面屋を見つけてマスクドヒーロー的なお面を購入)
素顔でもいいんだが、やはりこういう顔を隠して正義を成すヒーローには憧れを抱いてしまうな(お面をつけて心做しかはしゃぎながら)

打上げ花火もあるらしいし、そちらも楽しみだな
お、手持ちもあるのか
やはりここは両手持ちだろうな(丸・三角・四角を火の軌跡で描いている)
九ノ里・深月
鼠巫女竜(根津さん・リリンドラさん)
SPD

元々いた世界なので見慣れた雰囲気のお祭りですけど…久しぶりなのでワクワクしてしまいますね。

まずは屋台でしょうか。しっかり食べて力を付けておきたいですね。
たこ焼きとか、イカ焼きとか…そういえば根津さんは何でも食べられるのでしょうか?猫舌ならぬ鼠舌…?
あと林檎飴に…七不思議フローズンというのも美味しそう。面白くてついつい混ぜ続けてしまいそうです。

これらを打ち上げ花火を眺めながらのんびりと…おや、手持ち花火もありますね。折角だし少しだけやっていきません?
ふふ、童心に帰ったようで楽しいです…妖怪ねずみ花火…?わぁっ!?(驚いて誰かに飛びつく)
リリンドラ・ガルガレルドヴァリス
【鼠巫女竜】
久しぶりの縁日。
いいわね、夏祭り!
これは旅団の二人と目一杯堪能せねば不作法というものね。
なれば早速リンゴ飴!
これは外せないわ、4個は買うわ。
そしてガリガリ食べる!
甘い物が食べたらしょっぱいのも欲しくなる、これは自然の摂理ね。
たこ焼きと焼きそばを買って、モリモリ食べる。
味はチープなのかもしれないけれど、
このお祭り特有の雰囲気と知り合いと一緒にお祭りにきている事が美味しさを増してくれる。
一通り屋台を満喫したら旅団のメンバーと花火をやろうかな。
手持ち花火を買ってきて皆に配るわ。
スパーク花火を手に持ってクルクル回ると綺麗なのよね。
面白次いでにねずみ花火もやるわよ!

 夏らしく燦燦と煌めいていた太陽はすっかり沈んでしまったけれど。
 でも、かわりに数多燈るのは、赤く仄か光るほおずき提灯たちの灯火。
 そして真夏の夜を楽しむ人々の声で賑やかで。
「いいわね、夏祭り!」
 リリンドラ・ガルガレルドヴァリス(ドラゴンプロトコルの屠竜戦乙女《ドラゴンヴァルキリー》・h03436)もわくわくと、心も声も弾ませれば。
 根津・道雄(快傑ビッグ・マウス・h00465)も賑やかな光景に視線巡らせながら、頷いて返して。
「いつの時代も場所でも祭りは良いものだなあ」
「元々いた世界なので見慣れた雰囲気のお祭りですけど……久しぶりなのでワクワクしてしまいますね」
 九ノ里・深月(元・因習村の巫女男の娘・h08145)も、馴染みのある祭りの風景に瞳を細める。
 そしてふいに夜風が吹けば、ふわり香るのは、沢山の美味しそうな匂い。
 そんな食欲をそそる匂いに誘われるように、自然とふらり足が向くのは。
「まずは屋台でしょうか。しっかり食べて力を付けておきたいですね」
 ずらりと並ぶ、お祭り屋台。
 そして深月と同じく、久しぶりの縁日だというリリンドラは、彼の声にひとつこくりと大きく頷いて。
「これは旅団の二人と目一杯堪能せねば不作法というものね」
 そう紡ぐやいなや、まっしぐらに向かった屋台はというと。
 ――なれば早速リンゴ飴!
「これは外せないわ、4個は買うわ」
 お祭りといえばこれ、まんまるつやつやのリンゴ飴!
 それを4個買って、二刀流ならぬ4本持ちしながらも、勿論早速ガリガリ食べます!
 そんなリリンドラと一緒に、道雄もリンゴ飴を買ってから。
 美味しくかりかり齧りつつ、ふたりと共に屋台巡りを楽しんで。
 それから林檎飴をガリガリ食べながらも、リリンドラはきょろり視線を巡らせる。
「甘い物が食べたらしょっぱいのも欲しくなる、これは自然の摂理ね」
 というわけで、次のお目当てはしょっぱいもの。
 深月も、祭りの定番メニューが並ぶ屋台を見ていきつつ。
「たこ焼きとか、イカ焼きとか……そういえば根津さんは何でも食べられるのでしょうか?」
 猫舌ならぬ鼠舌……? なんて。
 そうふと首を傾けながら、道雄へと訊いてみれば。
「私はだいたい食べれるぞ? 今度は七不思議フローズンを食べようか」
「あと林檎飴に……七不思議フローズンというのも美味しそう」
 深月も、ふたりが食べているリンゴ飴と、道雄が見つけた七不思議フローズンを買ってみて。道雄と一緒に、ストローでくるくる。
「おお、本当に色が変わるんだな」
「面白くてついつい混ぜ続けてしまいそうです」
 聞いていた通り、白から赤、黄色や青に紫、混ぜるたびに色が変わる不思議。
 楽しくなってつい、ずっとくるくるしちゃいそうだけれど。
 不思議なのは色だけではなくて、飲んでみれば、色によって味も違って。
 何より、ひんやりシャリシャリ、美味しい味わい。
 そしてリリンドラは、買ったたこ焼きと焼きそばをモリモリ食べながらも思う。
 屋台グルメの味はやはり、ちょっぴりチープなものかもしれないけれど。
 でも、このお祭り特有の雰囲気と、何より知り合いと一緒にお祭りにきているということが、美味しさを増してくれる――って。
 それに夜祭屋台は、グルメなものだけではなくて。
「屋台と一口に言っても、色々と種類があるのだなあ」
 射的やヨーヨー釣り、射的などの遊べる屋台だったり、お土産にできそうなものが売っている屋台も。
 そんな屋台をふたりと見て回っていた道雄は、ふと足を止めて。
「お、これはちょっと気になるな」
 見つけたのは、沢山のお面が並ぶ屋台。
 そんな色々なものがある中、道雄が手に取ったのは。
「素顔でもいいんだが、やはりこういう顔を隠して正義を成すヒーローには憧れを抱いてしまうな」
 そう、マスクドヒーロー的なお面!
 そして早速、買ったお面をすちゃりとつけてみれば、心做しかはしゃいでしまうし。
「正義を成すヒーロー! いいわね!」
「根津さん、とても似合っています」
 そんなリリンドラと深月の声に、ますます尻尾もご機嫌にゆうらゆら。
 それからやはり、夏祭りの目玉といえば。
「打上げ花火もあるらしいし、そちらも楽しみだな」
 屋台で買った美味しいものをお供に、夜空に上がる花火を見るのも醍醐味だから。
「打ち上げ花火を眺めながらのんびりと……」
 深月も道雄の言葉に頷き、花火がよく見えそうな場所を探してみれば。
 かわりに見つけたのは、広場でパチパチと弾ける沢山の光。
「……おや、手持ち花火もありますね。折角だし少しだけやっていきません?」
「お、手持ちもあるのか」
 打ち上げ花火だけでなく、手持ち花火も配られて楽しめるというから。
 リリンドラは手持ち花火を早速貰ってきて、皆にも配って。
「スパーク花火を手に持ってクルクル回ると綺麗なのよね」
「やはりここは両手持ちだろうな」
 激しく弾けるスパーク花火を手にくるくる回ってみせるリリンドラと、両手持ちした花火の火の軌道で丸・三角・四角と描いてみる道雄。
 そんなふたりの姿に、ススキ花火を手にした深月も笑み宿して。
「ふふ、童心に帰ったようで楽しいです」
「面白次いでに妖怪ねずみ花火もやるわよ!」
「……妖怪ねずみ花火……?」
 リリンドラの声に顔をふと顔を上げれば――わぁっ!? っと。
 火が点いた途端、くるくる回転しながら予測できない動きで走り回る妖怪ねずみ花火にびっくりして。
 同時に打ち上げ花火も上がり始めた夏の夜空の下で思わず、正義のマスクドヒーローに飛びついちゃいます……!
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

ララ・キルシュネーテ
【樂園】

ララ、夏祭りすきなの
美味しいものかたくさんなんだもの

マリーがご馳走してくれるの?
可愛いお前に甘えてしまおうかしら
そうね
まずはマリーの気になっているものから
ビッグたこ焼きをお口いっぱいに頬張って
次は大王イカ焼きに舌鼓
美味しくぺろりと平らげ次は焼き鳥と唐揚げ…塩っぱいものの次は甘いのね
目玉白玉あんみつに…マリー
このソフトクリーム…長いわ
ろくろ首ね
おばけわたあめは二人で分けっこしましょう
次はぱちぱち花火かき氷も気になる
妖の屋台って摩訶不思議で楽しいわ
くるくる色の変わる不思議フローズンで一休み

見上げればパンと満開の花火が咲いて
マリー、次は一緒に花火をしにいきましょう?
お祭りはまだまだこれからよ
マリー・エルデフェイ
【樂園】
夏祭りです!お祭りと言えば屋台!屋台と言えば屋台グルメ!気持ちは全店制覇です。
もっとも、途中でお腹いっぱいになっちゃいそうですけど。
お小遣いもいっぱい持ってきたので予算は充分。

ララさんは何から食べたいですか?今日はお付き合いしてくださったお礼に、私が全部ご馳走しちゃいますよ!
私はあそこのお店のビッグたこ焼きと大王イカ焼きが気になってます。
うーん、焼きたてだからアツアツですけど、それがまた美味しい!
水分補給も忘れずに、七不思議フローズンをごくごく。
混ぜる度に色が変わっていくのは綺麗ですね。

花火の音に顔を向け、お祭りはまだまだこれからですね!見やすい場所へ行きましょうか!

 真夏の夜に、ひぃふうみいよ――数えきれないほおづき提灯たちが仄赤く灯れば。
 賑やかな喧騒の中、マリー・エルデフェイ(静穏の祈り手・h03135)は心も声も弾ませる。
「夏祭りです!」
「ララ、夏祭りすきなの」
 ララ・キルシュネーテ(白虹迦楼羅・h00189)も勿論、赤咲く花一華を巡らせてはわくわく。
 ……美味しいものかたくさんなんだもの、って。
 そう、何せ今宵は夏祭りなのだから。
「お祭りと言えば屋台! 屋台と言えば屋台グルメ! 気持ちは全店制覇です」
 足が自然と向くのは、ずらりと屋台が並ぶ活気溢れる広場。
 だって、そこかしこから漂ってくる香りが美味しそうで、ついその誘惑につられちゃう。
 とはいっても、全店制覇となれば、おなかのキャパが相当必要そうで。
「もっとも、途中でお腹いっぱいになっちゃいそうですけど」
 あくまで全制覇する意気込みで。お小遣いもいっぱい持ってきたから、予算はきっと充分。
 というわけで。
「ララさんは何から食べたいですか? 今日はお付き合いしてくださったお礼に、私が全部ご馳走しちゃいますよ!」
「マリーがご馳走してくれるの? 可愛いお前に甘えてしまおうかしら」
 マリーの申し出に、ララも瞳を細め笑み返した後。
 並ぶ屋台を改めて眺めていきながらも紡ぐ。
「そうね、まずはマリーの気になっているものから」
 そして、マリーの目にふととまった屋台は。
「私はあそこのお店のビッグたこ焼きと大王イカ焼きが気になってます」
 まんまる熱々たこ焼きと、甘辛いたれがかかったイカ焼き。
 でもただのたこ焼きとイカ焼きではなくて、どちらも妖怪屋台のビッグサイズ!
 早速、出来立てを受け取れば――はふはふ、はむり。
「うーん、焼きたてだからアツアツですけど、それがまた美味しい!」
 ララもマリーと一緒に、はむはむもぐもぐ。
 ビッグたこ焼きをお口いっぱいに頬張った後、次は大王イカ焼きに舌鼓。
 妖怪グルメの大王サイズだって、腹ペコ聖女サマにとっては何ともない量。
 美味しくぺろりと平らげれば、きょろり。
「次は焼き鳥と唐揚げ……塩っぱいものの次は甘いのね」
 焼き鳥と唐揚げもぺろり美味しくいただいいて、そして味変で今度は甘いもの。
 目玉白玉あんみつをぱくりと堪能したララは、うきうきと見つけたソフトクリームの屋台へ向かって。
 注文して受け取ったそれを見れば、思わずぱちり。
「……マリー、このソフトクリーム……長いわ」
「ろくろ首という名前も納得の長さですね」
「ろくろ首ね」
 絶妙なバランスでくるくる盛られた長ーいソフトクリームは落とさないように慎重に、勿論ララは完食。
 それから、ふわふわしゅわり、溶けるような甘いわたあめなら、おなかがいっぱいでも食べられそうだから。
「おばけわたあめは二人で分けっこしましょう」
「おばけの形が可愛いですね。それに甘くて美味しいです!」
 マリーと一緒に分けっこして、半分こ。
 そしてララは、ぱちぱち弾ける花火かき氷もやっぱり気になるところで。
 美味しいのは当然ながらも、興味津々、改めて視線巡らせる。
「妖の屋台って摩訶不思議で楽しいわ」
 そしてかき氷も当然嬉々と食べた後、マリーとお揃いで。
「混ぜる度に色が変わっていくのは綺麗ですね」
 ストローで一緒にくるくる、色の変わる不思議フローズンで水分補給をするべく、ひんやりごくごく一休み。
 そして虹色に移ろう氷菓をゆっくりと休憩していれば、ふとふたり同時に、夜空を見上げる。
 真夏の夜空に、満開の花火が咲いたから。
「マリー、次は一緒に花火をしにいきましょう?」
 ……お祭りはまだまだこれからよ、って。
 ララは夏の夜を彩る打ち上げ花火を楽しみながらも、手持ち花火を人々が楽しんでいる広場にも目を向けて。
「お祭りはまだまだこれからですね! 見やすい場所へ行きましょうか!」
 マリーも花火の音に顔を向けながら、再び嬉々と賑やかな祭りの風景を歩き出す。
 まだまだこの真夏の夜を勿論、ララと一緒に、余すことなく堪能しまくるつもりだから。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

神楽・更紗
【分福】アドリブ◎
ガザミと共に夏祭りを堪能。
祭囃子を乗せて吹く風が心地よい。
最近、味はしなくとも、刺激はわかると発見した。
店主、地獄焼きそばを大盛りで頼む。
さて、熱いうちに一口。なかなか、刺激が強いが悪くない。
何をおかしな事を。目玉は動くものだろう。
白玉か。確かに、活きが良さそうな目玉だ。早く食べねば逃げるかもな?
匙で白玉を掬って、ガザミの口に運ぶ。
強すぎる刺激は危険か。言う通りだな。今夜は酒はやめておこう。
みな、ガザミのような赤い目をしているのか。不思議な事だ。
(八岐大蛇の目とも聞いた覚えがある。古い神とは……まさかな)
きっと、優しい神なのだろうな。
うむ、絶景だ。ガザミといると退屈しないな。
ガザミ・ロクモン
【分福】アドリブ歓迎
更紗さんと一緒に、祭りの賑わいを楽しみつつ屋台をぶらり。
目玉白玉クリームあんみつ! 目玉好きとしては食さねば。
え。今、目玉がぐるんとこっち向きませんでした?
って、更紗さん、地獄焼きそばじゃないですかっ!? 
味と痛みは別物ですからっ!!!
血の池地獄ラッシー(ミックスベリー味)で応急処置。
びっくりしたぁ。夜空が見える場所で一休みしましょうか。
鬼灯だらけの景色は、故郷にいる時みたいな懐かしさ。
故郷の妖怪たちの、赤い目に似ています。
「赤加賀智の目」と言って、古い神様からの祝福の証という言い伝えです。
言い伝えなんて、まるで人間みたいですよね~。
ほら、花火ですよ。この場所、正解ですね。

 夏の夜に吹き抜ける風がふいに頬を撫ぜれば、さらりと心地良さを感じると同時に。
 神楽・更紗(深淵の獄・h04673)の狐耳も、自然とぴこり。
 ご機嫌に尻尾をゆらりら揺らしながら誘われてみるのは、風に乗って聞こえる楽し気な祭囃子の音色。
 そして更紗と並んで歩くガザミ・ロクモン(葬河の渡し・h02950)も祭りの賑わいを楽しみつつ、まずは屋台をぶらり。ほおずき提灯の明かりが照る中、わくわく視線を巡らせてみれば。
「目玉白玉クリームあんみつ! 目玉好きとしては食さねば」
 見つけたのは、目玉好きの心を擽る、目玉白玉クリームあんみつ!
 更紗も、くるりと祭りの雰囲気に酔い知れるように、ガザミとお祭り屋台を見て回っていたが。ふと目に留まった屋台に、足を向けてみる。
 いや、更紗の欠落の一部は、酒の味以外の味覚と食欲。
 なので何を食べても味がしない……ことには、違いないのだけれど。
 それでも、食べ物を「感じる」ことができるということに、更紗は気づいたのだ。
(「最近、味はしなくとも、刺激はわかると発見した」)
 そう、それは刺激……!?
 というわけで、更紗が注文したのは。
「店主、地獄焼きそばを大盛りで頼む」
 激辛と謳われている、地獄焼きそばです!
 しかも、より刺激増し増しな、出来立て熱々。まさに地獄のように真っ赤な、見ているだけでも舌が痺れてしまいそうな焼きそばなのだけれど。
 ――さて、熱いうちに一口。
 ふーふーすることもなく、ぱくり。地獄焼きそばを口に運んでみた更紗であるが。
「なかなか、刺激が強いが悪くない」
 味はやはりわからないものの、口の中がピリピリ刺激的!
 そして目玉白玉クリームあんみつを買ってきたガザミも、うきうきとあんみつをひと匙……掬おうとした、瞬間。
 思わずぱちりと瞬いてしまう。
「え。今、目玉がぐるんとこっち向きませんでした?」
 ぐるんとこっちを向いた気がする目玉白玉と、じいと見つめ合いながら。
 そんな不思議そうに首を傾けるガザミのあんみつに、更紗も視線向ければ。
「何をおかしな事を。目玉は動くものだろう」
 ぎょろりとやたらリアルな目玉白玉を、ひょいっ。
「白玉か。確かに、活きが良さそうな目玉だ」
 ……早く食べねば逃げるかもな? なんて。
 白玉をひと掬いして、ガザミの口へ。
 そしてそれをはむりと口にして、もちもちな美味しさにほわりとした、ガザミであったけれど。
 更紗がもぐもぐと食べている戦利品を見れば、大きく瞳を見開いてしまう。
「って、更紗さん、地獄焼きそばじゃないですかっ!?」
 見ただけで何だか目に染みるほど辛そうな、真っ赤な焼きそばに気づいて。
 それから慌てて、ガザミは更紗へと続ける。
「味と痛みは別物ですからっ!!!」
 そう言われれば、口の中がピリピリ痛い気もするから。
「強すぎる刺激は危険か。言う通りだな。今夜は酒はやめておこう」
 応急処置としてガザミが買ってきた、血の池地獄ラッシーを受け取って口にする。
 ちなみに焼きそばと違い、このラッシーの地獄という名は、真っ赤な見た目からつけられたようで。安心安全、ひんやり美味しいミックスベリー味です。
 そして酒ではなくラッシーを飲んでくれた更紗にホッとしながらも。
「びっくりしたぁ。夜空が見える場所で一休みしましょうか」
 夏の夜空と祭りの風景が一望できる場所を見つければ、暫しの間、ひと休み。
 のんびりと夏祭りの賑やかさを堪能しつつ、人々の楽しそうな笑顔、はしゃぐような声や祭囃子を耳にしながらも。
 ガザミは己の瞳にも灯るそのいろを見れば思う。
 ……鬼灯だらけの景色は、故郷にいる時みたいな懐かしさ、と。
「故郷の妖怪たちの、赤い目に似ています」
「みな、ガザミのような赤い目をしているのか。不思議な事だ」
 更紗はそう聞けば、ほおずきの灯火とお揃いの色をした彼の目を、ふと見つめて。
「「赤加賀智の目」と言って、古い神様からの祝福の証という言い伝えです」
 ……言い伝えなんて、まるで人間みたいですよね~、なんて。
 そう笑むガザミを横目に、そっと瞳を細める。
(「八岐大蛇の目とも聞いた覚えがある。古い神とは……まさかな」)
 けれど、一瞬頭に過ったモノのことは、口にはせずに。
「きっと、優しい神なのだろうな」
 楽し気に煌めくガザミの瞳の赤を、更紗は己の緑の双眸に重ねる。
 けれどそれもすぐに、頭上へと向けられることになる。
 大輪の花が刹那大きく弾けて、真夏の空を鮮やかに彩ったから。
 そしてはしゃぐようにわくわく、弾けては咲く光の花たちを見上げて。
「ほら、花火ですよ。この場所、正解ですね」
「うむ、絶景だ」
 ガザミの言葉に、更紗もこくりと頷いて、尻尾をゆうらり。
 打ち上がる花火と共に、光に照る楽しそうな彼の顔を眺めながらも、こう紡いで返すのだった。
 ……ガザミといると退屈しないな、って。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

ジズ・スコープ
めいっぱい堪能するつもりで
幼く見える姿にて参加

何をおいてもまずは…と、向かうのは
「おばけわたあめ、ください。大きめが良いです。わたがし大好きです」
見た目も、最高です!
おばけさんは大きい方が可愛くて格好良くて素敵だと思います
頑張ってアピールし、かなり大きめサイズ購入
お礼述べ尻尾振りご機嫌で受け取れば
周囲に付けぬよう気を付けつつ、うきうきで次へ。
たこ焼き並びつつ、わたがし完食。やはりわたがしは最高ですね外せません。
ぱちぱち花火かき氷並びつつ、たこ焼き完食。あちあちです。
焼き鳥並びつつ、かき氷完食。ぱちぱちです。
と、並びながら堪能して、また次を手に入れて。
どれもこれも美味しいです
あちあちとひんやり、甘いのとからいの、交互に頂くと延々と食べれてしまいます。
焼きそばもパフェもイカ焼きもソフトクリームも、食べたいのは順に網羅
お腹が満たされてきたら射的やヨーヨー釣り、型抜きにも挑戦
広場で手持ち花火も貰って、ススキ花火や線香花火を楽しんだら
大人の姿に変化してフローズンカクテルや地酒も巡り
打ち上げ花火鑑賞

 夜になって日が落ちれば、ようやく少し過ごしやすくなったから。
 足を向けてみるのは、ほおずき提灯がゆうらりゆらり、燈り揺れる真夏の夜祭り。
 そして変化はお手の物、今宵のジズ・スコープ (野良|古代語魔術師《ブラックウィザード》・h01556)の姿は、きゅーんと可愛いもふもふ獣姿? それとも、丁寧な言葉遣いの大人の姿?
 いえ、まずは、めいっぱい堪能するつもりで、幼く見える姿で参加します!
 それから、賑やかな屋台が並ぶ広場をくるりと見回して。
 何をおいてもまずは……と、向かった先は。
「おばけわたあめ、ください。大きめが良いです。わたがし大好きです」
 この妖怪の世界ならではな、おばけわたあめの屋台。
 そんなもふもふおばけたちを見れば、思わず尻尾もゆらりら揺れちゃう……見た目も、最高です! って。
 いえ、ジズは、他と共に生きてゆく為の知恵が、ちゃんとあるから。
「おばけさんは大きい方が可愛くて格好良くて素敵だと思います」
 頑張って大きめを所望するアピールをすれば、お強請り通り、かなり大きめのサイズをゲット!
 その大きさは、ジズの顔も余裕で隠れそうなくらい、もこもこ大きなおばけさんで。
 差し出されたわたあめをちょっぴり背伸びして受け取れば、ゆるかわおばけとご対面。
 そしてお礼述べてふりふりと尻尾を振って、ご機嫌で受け取れば。
 ふわふわおばけは大きいから、周囲に付けぬよう気を付けつつも、うきうきで次へ。
 やはりお祭り定番のたこ焼きは大人気だから、行列に並んで、その間にはむはむしゅわり、大きいわたあめも難無く完食。
「やはりわたがしは最高ですね外せません」
 それから代わりに、順番が回ってきて、タコ入道のビッグたこ焼きをゲットして。
 今度は、ぱちぱち弾ける花火かき氷の列にすちゃっと並びつつ、ビッグたこ焼きをぺろりと完食。はふはふ出来立ての、あちあちです。
 そして夏らしい花火かき氷を食べながら、香ばしい匂いが食欲をそそる怪火焼き鳥に並んで、かき氷も完食。ひえひえきんきんで、ぱちぱちです。
 という感じに効率良く、並びながら堪能しては、また次を手に入れて。
「どれもこれも美味しいです」
 こくりと頷くジズは、でもまだまだ、焼きそばもパフェもイカ焼きもソフトクリームも食べたいって思うから。
 これもまた、存分に余すことなく堪能するための知恵……?
(「あちあちとひんやり、甘いのとからいの、交互に頂くと延々と食べれてしまいます」)
 違った味や食感を交互に楽しんで、飽きることなくどれも美味しくいただけます!
 でもそろそろ、お腹いっぱいになってきたから。
 屋台は屋台でも、射的やヨーヨー釣り、型抜きなどの遊びにも挑戦!
 タヌキのようなキツネのようなもふかわ妖怪ぬいぐるみをゲットすれば、さらにご機嫌になって。
 広場で手持ち花火も貰って、パチパチ楽しむのは、ススキ花火や線香花火。
 それからふいに、今度はどろんと、大人の姿に変化。
 その目的は、大人だけしか楽しめない、お酒屋台巡り。
 フローズンカクテルや地酒などの酒類を美味しく堪能しながらも、ほわり夏の夜に心地よく酔い痴れていれば。
 刹那、杯に満ちる酒に咲いた光の花に気づいて、夜空を見上げる。
 夜空に弾けるのはそう、夏の風物詩でもある、打ち上げ花火。
 そして頭上に咲く大輪の花を酒の肴にしながらも、ジズはやっぱりほしがりだから。
 美味なものも、わくわくな遊びも、綺麗な花火鑑賞も、他にも気になること全部。
 真夏の夜のお祭りを心行くまま、変幻自在、目一杯楽しむのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

第2章 冒険 『肝が冷えすぎる心霊スポット巡り』


POW 怖すぎて幽霊(?)に鉄拳
SPD 見ないために、一気に駆け抜ける
WIZ 逆に幽霊達と仲良くなる
√妖怪百鬼夜行 普通7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 沢山の人々が訪れ楽しむ、夏の夜祭りは大盛況。
 そして真夏の夜の時間は、まだまだ終わらないから。
 会場を歩いていれば、何やら、人だかりができていて。
「よってらっしゃい見てらっしゃい! さあさあ、肝が冷えすぎるお化け屋敷と噂の『うらめしやしき』、もうすぐ準備完了だよ!」
 聞こえてくるのは、そんな威勢の良い呼び込みの声。
 そんな呼び込みをせずとも、お化け屋敷『うらめしやしき』は話題沸騰の大人気であるようだ。
 そして満を持して、廃墟であった屋敷を舞台とした『うらめしやしき』の扉が、いよいよ開く時間になったのだけれど。
「まずは、先行入場券をお持ちのお客さんからご案内だよ! 一般の方はもうちょいお待ちを!」
 案内されるまま、星詠みを聞いてやって来た√能力者やAnker達は、屋敷へと入場するべく歩き出す。
 そう、先行入場券は全ておさえてあるのだ。
 一般人が危害に遭わぬよう、事が起こる前に……この廃墟であったという屋敷に潜む古妖を倒すために。
 だが、古妖がこの屋敷に潜んでいることは確かだが、どこにいるかまではわかってはいない。
 お化け屋敷にできるだけあり、屋敷内はとても広いという。
 そして古妖を解き放ったのは、この『うらめしやしき』の責任者だというので、客へと案内している順路には古妖はいないと思われる。
 きっと、立ち入り禁止にしている場所だと思われるが……まずはとにかく、屋敷の探索からする必要があるから。
「はい、先行入場券確認いたしました! 此方のほおずきランタンと館内地図、スタンプラリー台紙をお持ちくださいね」
 責任者以外のスタッフは恐らく何も知らない一般人や一般妖怪なので。
 案内されるまま、まずは『うらめしやしき』の客を装い、屋敷内を巡ってみて欲しい。
 それからスタッフから、『うらめしやしき』の楽しみ方の説明がおこなわれる。
「お客さんは、お化けは得意ですか? 平気でしたら妖怪が出てくるびっくりな『うらめしコース』、お化けが苦手でしたら妖怪などが出てこない『たんけんコース』の2種類がありますので、お好みでお選びいただけますよ!」
 この『うらめしやしき』は、屋敷内に設置してあるスタンプを集めて巡り、集め終われば出口のゴールへと進む、というもので。
 『うらめしコース』と『たんけんコース』の違いは、驚かす気合満々な妖怪スタッフが出てくるか、出てこないかの違いだけだという。
 うらめしやしきは、ありとあらゆる手で妖怪たちや仕掛けが脅かしてくる、まさに肝が冷えるお化け屋敷。
 悲鳴を上げながらお化けに驚かされ、おいかけられたり。むしろ、お化けを驚かしたりおいかけたりも……?
 たんけんコースは、驚かすお化けや仕掛けなどはなく、大きな廃墟の屋敷が探索ができる仕様となっている。
 夏の夜の廃墟は、驚かすお化けや仕掛けがなくても、雰囲気満点でドキドキ。もしかして……予期せぬが起こることもあるかも?
 そして古妖の探索の際は、どちらのコースを選んでも変わらないだろうということで、好みで選んで構わない。
 一般人やスタッフに気づかれないよう、お化け屋敷の客として楽しむことが最良の行動であろう。
 というわけで、コースを選び終われば、渡された地図を確認しながらも。
 ゆうらり揺れるほおずきランタン片手にいざ、『うらめしやしき』へ!

<マスターより補足>
 第2章では古妖はでてこず、戦闘は第3章でとなりますので。
 第2章は、話題のお化け屋敷『うらめしやしき』での肝試しを、お好きなように存分にお楽しみください!
 屋敷内は暗いので、渡されたほおずきランタンの明かりを頼りに進む、廃墟をそのままお化け屋敷にした雰囲気です。
 ありそうな部屋やできそうな仕掛けやハプニングであれば、お好きなように設定していただいて構いません。
クレス・ギルバート
【暁唄】

俺はお化けとか平気だけど
リアはうらめしコースで大丈夫か?
意気込む少女を気に掛けつつ
鬼灯ランタンの灯り頼りに
驚きとスタンプ求めて探索へ

途端に不安げになる幼馴染に
リアを置いていくわけねぇだろ
怖かったら目を瞑ってもいいんだぜ?
手を繋ぎ進んでいくと
天井から落ちてくる生首
長い廊下では血濡れの鉈持った妖怪に追いかけられ
その度に涙目で叫んでしがみつくリアを
可愛くて面白いなと思いつつ

あそこで角待ちしてるお化け役
綺麗なお姉さんだから怖くないぜ
なんて告げれば遅れて響く悲鳴
本当にリアは怖がりだなぁ
叩かれ乍ら軽く笑って
俺はお化けよりも(迷子で)お前が居なくなる方が怖いよ
はぐれぬように繋ぐ手にそっと力を籠める
オフィーリア・ヴェルデ
【暁唄】
古妖と違ってお化け屋敷のお化けはクレスでも倒せないから怖いわ
でも!
折角驚かす為に準備してくれているのだもの
うらめしコースの方にするわ

冷静な様子の幼馴染を見ると少し安心
絶対置いていっちゃ駄目よ?
繋いだ手を強く握って進んでいくわ

突然出てくるタイプのお化けは
一瞬硬直した後、彼の腕にしがみついて小さな悲鳴を上げて
追いかけられるタイプには悠然とした彼の腕を引っ張って急かすわ
もぅ!捕まっちゃう!

綺麗なお姉さんお化け?
彼の声に目を向けじっと観察するけど…
綺麗でも血塗れは怖い!
理不尽かもだけど彼をポカポカ叩いちゃう!
居なくなったらクレスでも怖いの?
じゃあ絶対離れないでいてあげる、とぴったりくっつくわ

 ――よってらっしゃい、見てらっしゃい! 祭りの目玉、うらめし屋敷の開幕だよ!
 そんな威勢の良い妖怪案内人の声に従って、ふたつのコースの入り口までやってくれば。
「俺はお化けとか平気だけど、リアはうらめしコースで大丈夫か?」
 クレス・ギルバート(晧霄・h01091)は、いざお化け屋敷に入る前に確認しておく。
 うらめしコースは、おばけが出る方のコースだから。
 そして、そう彼から問われれば。
「古妖と違ってお化け屋敷のお化けはクレスでも倒せないから怖いわ」
 オフィーリア・ヴェルデ(新緑の歌姫・h01098)は素直にそうこたえるのだけれど。
 ――でも! と気合充分に続ける。
「折角驚かす為に準備してくれているのだもの。うらめしコースの方にするわ」
 というわけで、クレスは傍らで意気込む少女のことを気に掛けつつも。
 雰囲気満点、仄かに燈る鬼灯ランタンの灯りを頼りに、いざ出発。
 驚きとスタンプを求めて、うらめし屋敷の探索へ!
 オフィーリアはいつお化けが出てくるのかとドキドキしながら歩むも。
 でもちらり、冷静な様子の幼馴染を見れば少し安心して。
「絶対置いていっちゃ駄目よ?」
 繋いだ手をぎゅっ。離さないでねと、自然と強く握っちゃう。
 そんな途端に不安げになっている幼馴染に、クレスは向けた菫の眸を細めて。
「リアを置いていくわけねぇだろ。怖かったら目を瞑ってもいいんだぜ?」
 そう手を握り返して、進んでいれば――ガタンッ!!
 天井から突然落ちてきたのは、生首!?
「……!」
 そんな生首に大きく瞳を開いて、一瞬硬直した後。
 彼の腕にしがみついて、ひゃあっと、小さな悲鳴をあげるオフィーリア。
 そして足早に通り過ぎ、ようやくひといき……つく、暇もなく。
「――っ!?」
 長い廊下に差し掛かれば、追いかけてくるのは、血濡れの鉈持った妖怪!
 その姿を見れば、オフィーリアは慌てて、悠然としている彼の腕をぐいっと必死に引っ張って。
「もぅ! 捕まっちゃう!」
 あわあわと涙目で叫びつつ急かす、幼馴染のその姿を見れば。
 クレスは思わずお化けそっちのけで思っちゃう……可愛くて面白いな、って。
 それからふと長い廊下を過ぎ、血濡れ鉈妖怪をやり過ごせば。 
 クレスはふと気づいて、オフィーリアに教えてあげる。
「あそこで角待ちしてるお化け役。綺麗なお姉さんだから怖くないぜ」
 そんな彼の声に、ぱちりと瞳を瞬かせた後。
 向けられている視線の後をそっと追ってみて、じっと観察してみるオフィーリアだけれど――。
「! 綺麗でも血塗れは怖い!」
 告げた言葉に遅れて響くのは、勿論彼女の悲鳴!
 理不尽かもと思いながらも、彼のことをポカポカ叩かずにはいられなくて。
「本当にリアは怖がりだなぁ」
 ポカポカ叩かれながらも、クレスはそう軽く笑っちゃう。
 でも、そんな飄々として動じないように見えるクレスだけれど。
「俺はお化けよりも、お前が居なくなる方が怖いよ」
 そんな彼が怖いと思うのは、隣の幼馴染が迷子になっちゃうこと。
 だから、はぐれないようにって、繋ぐ手にそっと力を籠めれば。
「居なくなったらクレスでも怖いの?」
 そう見上げて紡ぎながらも、ぴったり彼にくっつくオフィーリア。
 ――じゃあ絶対離れないでいてあげる、って。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

八束水・珠洲夜
アドリブ・アレンジ歓迎
ニームちゃん(h07621)とお化け屋敷に!

『うらめしコース』を選んで2人で速攻迷子になります!
(※方向音痴の迷子属性)

ニームちゃん?
あれ? こわい??
わざとニームちゃんの周りと廻って「ねぇ? ねぇ?」と聞くー!
少し目立たないようにして、わっと腕に抱き付いて脅かす!

前回は、やられたからね♪
あれ? ニームちゃん??
今、悲鳴あげた…よね?
(尚、野生の勘が危ないと謂わないので、全然怖がらないし、怖くもない模様、暗殺者として寧ろ怖がらせるまである)
ねぇ、ねー!
なんか誤魔化してる?
あ、でもスタンプラリーしないといけないだっけ?
ん?
すずやは、ニームちゃんと一緒だと、何処でも愉しいよ!
ニーム・ティリス
アドリブ・アレンジ歓迎
すずや(h06306)とお化け屋敷に!

二人とも方向音痴なので手を繋いでいますが爆速で迷子になります。

別に怖くなんてないけど!?

お化けが出てきても平静を装うが、冷や汗はかく

すずやこそ、怖いならもっと引っ付いてもいいんだよ?

ぎゃー!
気のせいじゃないかな???(すずやこれ、当ててるのか?
いや、天然でやっている!?嬉しいけど恥ずかしいよ!)

そ、そんなことより、出口に向かおう。止まってると他のお客さんに迷惑だからさ
誤魔化してないけど?

そうそう、スタンプラリーをまずは探そう

(遅まきながら迷子になっている事に気づく)
あれ、ここ、どこだ
でも、お化け屋敷でも迷子でもすずやと一緒だと楽しいな

 ほおずき提灯の明かりヨシ、屋敷の地図もヨシ!
 逸れて迷子にならないように、しっかり手と手も繋いでいるし。
 八束水・珠洲夜(出来損ない硝子細工の鵺・h06306)とニーム・ティリス(世界移動者・h07621)もいざ、うらめし屋敷の『うらめしコース』へと――足を踏み入れた、速攻であった。
 何せ二人お揃いで方向音痴。そうなればもうそれは必然?
 そう、逸れてはいないけれど、爆速で揃って迷子になりました!?
 しかし方向音痴であるが故、そのことに気づいていない二人。
 周囲のお化けたちの方が、明後日の方向にいきなり歩き出した客人達にざわざわ。
 そんなお化けたちが蠢く気配に、ニームは思わずそわそわ。
 そして、そんな彼の様子に気づいて、珠洲夜はきょとり。
「ニームちゃん? あれ? こわい??」
 それから、わざとニームの周りをくるくる廻っては「ねぇ? ねぇ?」と聞いてみて。
「別に怖くなんてないけど!? ……っ!」
 ひょいっと出てきたお化けに叫びそうになるも、何とか平静を装うニーム。
 いや、冷や汗はかいているのですけれども。
 でも、自分の周囲をちょろちょろ、じいと見つめている彼女へとちらり視線を向けて。
「すずやこそ、怖いならもっと引っ付いてもいいんだよ?」
 そう言いながら、握る手に自然と力がこもっているニームであるが。
 珠洲夜は今度はそろーり、少し目立たないようにして――わっ!
 ……前回は、やられたからね♪ なんて。
 いきなり彼の腕に抱き付いて、脅かしちゃいます!
 そんな珠洲夜が実行した前回の仕返しに。
「ぎゃー!」
 思わずそう、声をあげてしまうニームなのだけれど。
「あれ? ニームちゃん?? 今、悲鳴あげた……よね?」
「気のせいじゃないかな???」
 そうしれっと言いながらも、色々な意味でドキドキしてしまう。
 ぶっちゃけめちゃめちゃびっくりしたし、それに……。
(「すずやこれ、当ててるのか? いや、天然でやっている!?」)
 ……嬉しいけど恥ずかしいよ! なんて。
 色々と脳内が忙しくなって、さらに冷や汗をかいてしまいそう。
 逆に珠洲夜は、微塵も怖がっていない様子。
 それもそのはず、お化け屋敷のお化けに対して、野生の勘が危ないと謂わないし。
 暗殺者として寧ろ怖がらせるまであるほど、怖くもない模様である。
 それからニームは、そんな彼女をそそくさと促して。
「そ、そんなことより、出口に向かおう。止まってると他のお客さんに迷惑だからさ」
「ねぇ、ねー! なんか誤魔化してる?」
「誤魔化してないけど?」
 じいと再び見つめられれば、ついちょっぴり虚空へと視線を向けるけれど。
「あ、でもスタンプラリーしないといけないだっけ?」
「そうそう、スタンプラリーをまずは探そう」
 彼女の声に、改めて屋敷の地図を広げて見てみれば――ようやく気づくのだった。
「……あれ、ここ、どこだ」
 今更ながら、自分達が迷子になっていることに。
 けれど、まだ色々とドキドキしてはいるのだけれど。
 ニームは握るその手を離さずに、すぐ隣にいる彼女の姿を見つめながらも紡ぐ。
「でも、お化け屋敷でも迷子でもすずやと一緒だと楽しいな」
 そして……ん? とこてり首を傾けてみせた後、珠洲夜も、にぱっと屈託のない笑顔で返す。
 ――すずやは、ニームちゃんと一緒だと、何処でも愉しいよ! って。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

ジズ・スコープ
なんと、お化けさんが出て来られるのですね。
びっくり…?それはそれは楽しそうです。
うきうきと『うらめしコース』へ進む。

中々雰囲気がありますよね。
なんて。何となく誰か近くに居るような気がして突如話しかける。
この、ほおずきランタンも可愛くて素敵です。

あまり動じることなく、
こんばんは。と普通に挨拶したり
こちらの道であってますよね、と場所確認したり
そして、時々…
野生の勘はたらかせ、今!と思った瞬間に…
どろんっと石に変化して姿をくらませてみたり
巨大な狐に変化して驚かせてみたり
すみません、つい…出来心で。
と、謝りはするものの、楽しさに輝くおめめ
着々とスタンプを集めつつ、全ての部屋を見なければと散策を楽しむ。

 屋台をくるりと巡って、おなかも満たされたから。
 次にやって来たのは、一段と人が集まっている場所。
 そして威勢の良い呼び込みの声を聞けば、ぱちり。
「なんと、お化けさんが出て来られるのですね」
 ああ、びっくりお化けさんたちがいるよ! なんて聞けば。
 ジズ・スコープ(野良|古代語魔術師《ブラックウィザード》・h01556)はわくわくそわり。
「びっくり……? それはそれは楽しそうです」
 先行入場券を見せれば、お化け屋敷――うらめし屋敷の中へと案内されて。
 うきうきと進むのは勿論、お化けさんたちが出てくるという『うらめしコース』。
 そしてきょろりと視線巡らせながら進んでいれば。
「中々雰囲気がありますよね」
 ……なんて、突如話しかけたのは、何となく誰か近くに居るような気がしたからで。
「え!? あ、ハイ、ここ廃墟だから……」
「この、ほおずきランタンも可愛くて素敵です」
 そっと潜んでいた相手のお化けさんの方が、思わずびっくりこたえちゃうも。
 ジズはあくまでマイペースに、仄か照る赤の灯火をゆらりら。
 それからもやはり、あまり動じることなどなく。
「こんばんは」
「あっ、え、こんばんは……」
 わっ! と急に出てきたお化けさんにも、普通にご挨拶。
 そして戸惑うお化けさんにジズは確認してみる。
「こちらの道であってますよね」
「あ、はい、順路はここをまっすぐ――」
「ご丁寧にありがとうございます」
「えっ、あ、お気をつけて……」
 それから、教えて貰った順路を進んでいたジズだけれど。
 でも、時々……野生の勘はたらかせて。
 ――今!
「ばあっ!! って、あ、あれ……?」
 そう思った瞬間に、どろんっ。
 お化けさんが驚かしてくる前に、石に変化して姿をくらませてみたりだとか。
「さっき確かにお客さんがいたような……えっ、わあっ!?」
 今度は、巨大な狐に変化!
 逆に驚かせてみたりなんてしてみれば、びっくりして腰を抜かしそうになっているお化けさんに、元の姿に戻ってぺこり。
 何て言ったって、ジズは変化は得意だから。
「すみません、つい……出来心で」
 そう謝りはするものの、キラキラと楽しさに輝くおめめ。
 それからスタンプ台を見つければ、ぽんっと押して。
 ジズは着々とスタンプを集めつつ、うらめし屋敷の散策を楽しむ――うきうきわくわく、全ての部屋を見なければ、って。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

浮石・尾灯
【五十鈴・珠沙(h06436)と一緒に】

たまにはこっちからも誘わないとね
と言うわけでお化け屋敷です
僕は幽霊も妖怪も好きだね
インスピレーションが掻き立てられるよ

後ろにすずすずをくっつけて意気揚々と前へ
一個一個ギミックを確かめるように
ほうほう次はどんな仕掛けかな

(すーっと血まみれの手が障子を開ける)
おぉ!動きでびっくりさせないで演出で怖がらせるのは玄人好みだね
ふふふふふ、良いお化け屋敷だ
それはそれとしていつもすずすずには振り回されてるからちょっと新鮮な気持ち

(こっちの掛け軸から血まみれの女性が)
おぉー、障子に注目させて予想外の場所からぁぁぁぁ(手を引っ張られてドップラー効果)
五十鈴・珠沙
【ビート先輩(h06435)と】

珍しくビート先輩のお誘い!と思ったら
おばけ、いや、うらめしやしき!?
あたし、妖怪だけど幽霊は超苦手!
え、え、なんだか先輩、意気揚々と!
妖怪と幽霊は違うんだよー…(語尾が小さくなる)

震えながら先輩を盾にするように歩くよ
物音がすればびくってするし
なにか出てきたら尻尾が二本とも凍りつくし
珠沙さん、怖いの苦手なんだって…

(すーっと血まみれの手が障子を開ける)
にゃあああああああああ!
ビート先輩、あれは駄目、あれは駄目!
逃げよう、逃げよう、なんで笑ってるの!?

(こっちの掛け軸から血まみれの女性が)
にゃああああ!
(先輩の手を掴んでダッシュする)

 賑やかな祭囃子に、美味しそうな匂い、楽し気な雰囲気……それも勿論、心躍るのだけれど。
 ふりふりゆらり、五十鈴・珠沙(Bell the cat・h06436)の二又の尻尾がご機嫌に揺れているのは。
(「珍しくビート先輩のお誘い!」)
 ……と思ったのだけれど。
 いや、確かに今回は。
(「たまにはこっちからも誘わないとね」)
 浮石・尾灯(ウキヨエ・妖怪・ヒーロー・h06435)の方から誘ったことには、間違いないのだが。
「と言うわけでお化け屋敷です」
「おばけ、いや、うらめしやしき!?」
 うきうきと尾灯が誘ったのは、お化け屋敷!
 しかも、肝が冷えすぎると噂の『うらめしやしき』である……!
 そんな評判も頷けるほど雰囲気抜群、古い廃墟をお化け屋敷にしたというこのうらめしやしきを前にして。
「僕は幽霊も妖怪も好きだね」
 ……インスピレーションが掻き立てられるよ、なんて。
 尾灯はとてもうきうきでわくわくな様子。
 一方の珠沙はといえば、揺れていた尻尾もお耳も震えるようにぴんっ。
「あたし、妖怪だけど幽霊は超苦手!」
 自分も猫又で妖怪なのだけれど、それはそれ。
 珠沙は本当に入るのかとそろりと先輩をうかがえば、瞳をぱちりとさせちゃう。
「え、え、なんだか先輩、意気揚々と!」
 ぴとりと自分を後ろにくっつけて、るんるん意気揚々な尾灯のその姿に。
 それからちらり、彼を見上げながらぼそり。
「妖怪と幽霊は違うんだよー……」
 だんだん語尾が小さくなる主張を、一応しておきつつ。
 珠沙は震えながらも尾灯を盾にするようにそろりと屋敷内を歩き出す。
 そして――ガタンッ!! と。
「……っ!?」
 物音がすれば、ぴやっと跳ねるようにびくっとしちゃうし。
「う~ら~めしや~」
「!!?」
 お化けが出てきたら、尻尾がぴきんっと二本とも凍りついてしまう珠沙。
 だって、自分も妖怪ではあるのだけれど。
「珠沙さん、怖いの苦手なんだって……」
 やっぱり、怖いものは怖いのです……!
 そんなぷるぷるしている珠沙を背に歩きながら。
「ほうほう次はどんな仕掛けかな」
「にゃあああ! ビート先輩、絵が! 急に血塗れに……!!」
「ふむふむ、定番のブラックライトプリントかな。特殊なインクで描かれた絵が、ブラックライトで浮かび上がる仕掛けだね」
 尾灯は一個一個ギミックを確かめるように確認しては、興味津々。
 そして……すーっ、と突然障子が開いたかと思えば。
「!? にゃあああああああああ! ビート先輩、あれは駄目、あれは駄目!」
 大慌てでふるふる必死に首を横に振る珠沙。
 だって障子を開けたのは、血塗れの手だったのだから……!
 それなのに。
「おぉ! 動きでびっくりさせないで演出で怖がらせるのは玄人好みだね」
 逃げるどころか、感心したようにまじまじと血塗れの手を見つめる尾灯の腕を、涙目になりながら引っ張ろうとする珠沙。
 そして、そんなあわあわしている彼女とはやはり逆に。
「ふふふふふ、良いお化け屋敷だ」
 上機嫌で、あれやこれやと眺めては楽しそうな尾灯。
 それから……それはそれとして、と。
「逃げよう、逃げよう、なんで笑ってるの!?」
(「いつもすずすずには振り回されてるからちょっと新鮮な気持ち」)
 余裕の全くない珠沙の姿を見れば、思わずほっこりして。
 次はふと、違う方向からゆうらり感じた気配に、同時に視線を向けるふたり。
 そして瞬間、大きく瞳を見開く。
「にゃああああ!」
 掛け軸から血まみれの女性が出てきました!?
 それを見れば、珠沙は先輩の手をがしっと掴んで、猛ダッシュ!!
 そして、その手を必死に引っ張りながらも耳に聞こえるのは。
「おぉー、障子に注目させて予想外の場所からぁぁぁぁ――……」
 引っ張られる勢いでドップラー効果を起こす、尾灯の嬉々とした声であった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

リリンドラ・ガルガレルドヴァリス
ふふ……肝が冷えるっていうなら、むしろ暑さ対策にちょうどいいかしら。
ほおずきランタンを胸の前に掲げ、いざ出発よ!

もちろん選ぶのは『うらめしコース』。
怖いものを避けていては、この夜祭りを堪能──いえ、調査はできないもの。

普段からゴーストや幽霊を見慣れているから、ホラー耐性は十分。
仕掛けで現れる妖怪たちにも臆せず近づき確認。
ただ楽しむだけでなく、館の構造や立ち入り禁止の場所など、古妖探索に繋がる情報をしっかり頭に入れておくわ。
一般人やスタッフには気づかれぬよう、あくまで「肝試しを楽しむ客」を演じることは忘れずに。
古妖を探す緊張感と、祭りの肝試しを味わう楽しさその二つを胸に、堪能してみせるわ。

 やって来た廃墟はいかにも何か出そうな雰囲気で、お化け屋敷にはうってつけ。
 それに、ただのお化け屋敷ではなく、この『うらめしやしき』は、巷ではこう言われているという。
「ふふ……肝が冷えるっていうなら、むしろ暑さ対策にちょうどいいかしら」
 そう、リリンドラ・ガルガレルドヴァリス(ドラゴンプロトコルの屠竜戦乙女《ドラゴンヴァルキリー》・h03436)の言うように、肝が冷えすぎるお化け屋敷だと!
 だが、その言葉通りに涼し気な顔で、むしろ嬉々と。
 ほおずきランタンを胸の前に掲げれば――いざ出発よ! と。
 全く臆することなく進むリリンドラがもちろん選ぶのは、お化けが驚かしてくるという『うらめしコース』!
 そして、敢えてこのコースを選んだ理由はというと。
「怖いものを避けていては、この夜祭りを堪能──いえ、調査はできないもの」
 存分にお祭りを楽しむ……もとい、星詠みで聞いた仕事だって、当然しっかりとやるつもりだから。
 赤く揺れるランタンの輝きを頼りに嬉々と、屋敷探索!
 そんな彼女が全く怖がる様子が微塵もないのは、普段からゴーストや幽霊を見慣れているから、ホラー耐性は十分で。
「う~ら~めしや~……、!?」
 おどろおどろしいお化けが出現しても、悲鳴を上げるどころか。
 仕掛けで現れた妖怪たちにも臆せず近づき、一体ずつ見ては色々と確認しておく。
 ただ楽しむだけではなく、館の構造や立ち入り禁止の場所などもさり気なくチェックしながら。
(「古妖探索に繋がる情報をしっかり頭に入れておくわ」)
 このうらめしやしきには、お化けよりも厄介な古妖が潜んでいるという話だから。
 けれど、こうも勿論心掛けておく。
 一般人やスタッフには気づかれぬよう、あくまで「肝試しを楽しむ客」を演じることは忘れずに、と。
 それから、うきうききょろりとスタンプを集めつつも向かうのは、屋敷の奥。
 だって、リリンドラは目一杯堪能しながらも、うらめしやしきをばっちり攻略するつもりだから。
 古妖を探す緊張感と、祭りの肝試しを味わう楽しさ――その二つを胸に。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

ララ・キルシュネーテ
【樂園】

むふふ……ついにお化け屋敷よ
わくわくするわ
弾むような足取りで進んでみれば──あら、マリー
ふるふると震えて可愛らしいこと
お前、怖いのは苦手なのは相変わらずなのね
それなら、と手を繋ぐ
ララがついているから大丈夫よ、と咲って

驚かせに来るとわかっているお化けだもの
楽しんであげなきゃね
……(そっちは、『うらめしコース』だけれど)
でも、楽しそうだから黙っておくわ
とっても楽しそうね

あら
むきゃ、今のはビックリしたわ
擬態モモンガ尻尾がぶわっとなったのよ
……マリーの反応見るのがすごく楽しいわね

むきゅ
マリーのダッシュで身体が浮かび上がって
まるで飛んでいるみたい
ころころ
嬉しい笑顔が満開に咲く
なんて素敵なのかしら
マリー・エルデフェイ
【樂園】

うう、ついにお化け屋敷に行かなければならないのですね。自然な幽霊とかならまだしも、こう、人を驚かせる為のお化け屋敷は苦手です……。

『たんけんコース』へ行くつもりが勘違いして『うらめしコース』へ行ってしまう。
ララさん、たんけんコースなら驚かされることなく進めるはずです、行きましょう。

めちゃくちゃに驚かされてワー、キャーと悲鳴をあげながら涙目になっていきます。
途中でコースを間違えてることに気がつき、そこからは、ララさんの手を引いてダッシュで出口を目指す。

出口にたどり着いたら、楽しそうなララさんを見て思わず声を出した笑ってしまいます。

 真夏の夜祭りの喧騒の中、人々が話題にしているという噂の場所。
 ララ・キルシュネーテ(白虹迦楼羅・h00189)は、事前に貰っていた先行入場券をぴらりと係員に見せれば……わくわくするわ、と。
「むふふ……ついにお化け屋敷よ」
 そう楽し気に笑み咲かせながら、うきうき弾むような足取りでいざ。
 やって来たお化け屋敷『うらめしやしき』の中へと、進まんと……したのだけれど。
「うう、ついにお化け屋敷に行かなければならないのですね」
 ──あら、マリー、って。
 共に訪れたマリー・エルデフェイ(静穏の祈り手・h03135)の様子を見て声向ければ、ララは花一華の眸を柔く細める。
 ……ふるふると震えて可愛らしいこと、って。
 そう、何せマリーは、実は得意ではないのだ。
「自然な幽霊とかならまだしも、こう、人を驚かせる為のお化け屋敷は苦手です……」
「お前、怖いのは苦手なのは相変わらずなのね」
 ララはそんなマリーの言葉に小さく首を傾けつつ……それなら、と。
「ララがついているから大丈夫よ」
 ふるりと震えるその手を取って繋いで、咲ってみせる。
「驚かせに来るとわかっているお化けだもの」
 ふふりと……楽しんであげなきゃね、なんて。
 というわけで、お化け屋敷が苦手だというマリーが選ぶコースは勿論。
「ララさん、たんけんコースなら驚かされることなく進めるはずです、行きましょう」
 お化けがでない、廃墟探索の『たんけんコース』へ。
 ……行く、つもりだったのに。
 ララはとりあえず、マリーへとわくわくついていくことにして。
「…………」
 くるりとそっと周囲を見回せば、ララは心の中だけでナイショの話。
(「そっちは、『うらめしコース』だけれど」)
 マリーが向かっているのは、おばけいっぱいの『うらめしコース』!
 でもそれでも、黙っておくことにしたのは。
「とっても楽しそうね」
 色々な意味で、楽しそうな予感がララにはしているから。
 そんなわけでふたり一緒に、うらめしやしきに入れば。
「ばあっ!」
「!! キャー!」
 突如出てきたのは勿論、お化け!
 出てくるはずないお化けに思わず悲鳴をあげれば、マリーは涙目になっちゃうし。
「キャッ!? ワー!」
 生首が突如飛んでくれば、飛び跳ねるほどびっくり。
 それからも、めちゃくちゃ散々驚かされまくったのだけれど。
「あら。むきゃ、今のはビックリしたわ。擬態モモンガ尻尾がぶわっとなったのよ」
「……!!」
 足首をふいに掴まれれば、叫ぶこともできずに硬直してしまうマリー。
 そして尻尾を撫で撫でもふりと整えながら、ララはまた微笑まし気に咲うのだった。
 ……マリーの反応見るのがすごく楽しいわね、って。
 それからマリーはようやく、コースを間違えてるということに気がつけば。
 刹那、ララは赤の瞳をぱちりと瞬かせて、むきゅ、とひと鳴き。
 だって、ふいにがしっと手を握られたかと思うと。
 そこからは、出口を目指して、手を引いてダッシュ!
 そんな必死なマリーの猛ダッシュの勢いに、ふわりと身体が浮かび上がって。
 やっぱりララは楽しそうに笑み零す――まるで飛んでいるみたい、なんて。
 それから一気に駆け抜けてお化けを振り切った後、出口に辿り着いてようやくホッとすれば。
 ララと顔を見合わせたマリーは、思わず声を出して笑ってしまう。
 だって――なんて素敵なのかしら、なんて。
 そうころころと、ララが咲かせる嬉しい満開笑顔を見て、マリーも一緒に。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

神楽・更紗
【分福】
アドリブOK
『探険コース』を選択
何も出て来なくては面白くない。
苦手か。ならば、驚かしの手本にもなりそうだな。
そんなに怖いなら、腕を貸そうか?
ニヤニヤと軽く煽ったんだが、腕を組む事になって内心は嬉しい。
ガザミをエスコートしてスタンプも忘れずに進むとしよう。
いきなり物音。ひゅるりと冷たい風。コンニャクか。
ふふ、賑やかだな。ガザミの悲鳴に驚かされてばかりだ。
ほう、本物の幽霊か。
驚かす以外の害はなさそうだが、ガザミが怖がってる。祓うか。
怖がってない?笑ってるのか?
楽しそうだから祓うのやめとこう。
笑顔につられて自然と笑みがこぼれる。
ガザミ、ゴールまで走るぞ。
ははは、本当におまえは可笑しなヤツだ。
ガザミ・ロクモン
【分福】アドリブ歓迎
僕、驚かすのも驚かせるのも苦手なんですよぅ。
驚かしの勉強ですか。その考えはなかったです。
少し楽しく思えてきました!
腕、お借りします。わ、すごく心強い。
ふわ、やばっ、かなり本格的じゃないですか。
ふぎゃ! ぎゃあ!? うわわんっ!! 
うぅ、変な声でて恥ずか死にそうですよぅ。
前に誰かいますね、前の人に追いつい……え、両手に刃物?
ちょ、こっち来るぅ!?
ひぃ、こないでぇぇっー!! たすけてー!!!
あ!そっか、今は、たすけてーって、叫んでいいんだ。拒んでいいんだ。
たすけてー!!(笑顔) 近寄るなぁ!!(超笑顔)
はぁ、驚かしの勉強する余裕なかったけど、叫ぶのって楽しくてすっきりしますね。

 肝が冷えすぎると評判のお化け屋敷とやらは、どの程度のものか見極めてやろうと。
 ちょっぴりそう楽しみにしていた神楽・更紗(深淵の獄・h04673)であったが。
 うらめしやしきを歩く彼女の尻尾は、退屈そうにゆらゆら。
 選択したのはお化けが驚かしてくる『うらめしコース』ではなく、『たんけんコース』であったから。
 ……何も出て来なくては面白くない、と。
 そう更紗は思いはするものの。
「僕、驚かすのも驚かせるのも苦手なんですよぅ」
 ふるふると小さく震えるガザミ・ロクモン(葬河の渡し・h02950)が得意ではないから、たんけんコースにしたわけで。
 でもこのままでも飽いてしまうから、更紗はこう彼に告げてみる。
「苦手か。ならば、驚かしの手本にもなりそうだな」
 そしてその言葉を聞けば、ガザミはぱちりと瞳を瞬かせた後。
「驚かしの勉強ですか。その考えはなかったです」
 こくりとひとつ頷いて、改めて勇気をふるいたたせるガザミ。
 ……少し楽しく思えてきました! なんて。
 そしてその姿を見ながら、更紗はニヤニヤと。
「そんなに怖いなら、腕を貸そうか?」
 軽く煽った、つもりだったのだけれど。
「腕、お借りします。わ、すごく心強い」
 素直なガザミがそう腕を組んでくれば、尻尾たちもゆうらり、内心は嬉しい更紗。
 それからそのままガザミをエスコートして、スタンプも忘れずに推しながら進んでいく。
 けれど、お化けこそでないものの。
 ――ガタッ!! ガタガタ、ガタンッ!
 いきなりの大きな物音が!?
 ガザミは急な大きな音に、ぴえっと思わずとび上がるくらい驚いて。
「ふわ、やばっ、かなり本格的じゃないですか」
 そう震えれば、今度はひゅるりと冷たい風――。
「ふぎゃ! ぎゃあ!? うわわんっ!!」
「コンニャクか」
 ぺちりとガザミのほっぺに当たったのは、更紗の言うように、仕掛けられていたコンニャクです。
 いや、確かにお化けではない。ないのだけれど。
「うぅ、変な声でて恥ずか死にそうですよぅ」
 そういちいちびっくりしては声をあげてしまうガザミ。
 そんなちょっぴりぐったりした姿の彼を見れば、更紗は思わず笑っちゃう。
「ふふ、賑やかだな。ガザミの悲鳴に驚かされてばかりだ」
 それから、次のスタンプ台があるという場所へと向かい始めれば。
 ガザミはふと気づくのだった。
「前に誰かいますね、前の人に追いつい……え、両手に刃物?」
 前にいる人が、その手にきらり光る刃を持っていることを。
 それからくるり、振り返ったかと思えば。
「ちょ、こっち来るぅ!?」
「ほう、本物の幽霊か。驚かす以外の害はなさそうだが」
 更紗は「それ」を見て、そう判断するも。
「ひぃ、こないでぇぇっー!! たすけてー!!!」
「ガザミが怖がってる。祓うか」
 隣から上がる悲鳴を聞いて一瞬思ったものの、ふと思いとどまる。
 だって、自分の腕にしがみついているガザミの顔を見れば。
(「怖がってない?笑ってるのか?」)
 いや、わーわーと叫びつつも、ガザミは気づいたのだ。
(「あ! そっか、今は、たすけてーって、叫んでいいんだ。拒んでいいんだ」)
 だから、にこりと敢えて笑顔で。
「たすけてー!!」
 さらに、にこにこと超笑顔で。
「近寄るなぁ!!」
 そう怯まずに声をあげれば、その笑顔を相まって、お化けの方が戸惑っているみたい……?
 そして更紗はそんな彼の様子を見て思うのだった。
 ――楽しそうだから祓うのやめとこう、と。
 それから、自然と笑みがこぼれてしまう。叫びながらも笑顔な彼につられて。
 ということで、祓わないと決めたから。
「ガザミ、ゴールまで走るぞ」
 驚かすようにぶんぶん刃物を振り回してくるお化けさんを振り切るべく、ゴールまで一緒にダッシュ!
 そして出口へと辿り着けば、ガザミはほっとしつつも。
 やはり笑顔で、こう続けるのだった。
「はぁ、驚かしの勉強する余裕なかったけど、叫ぶのって楽しくてすっきりしますね」
 そしてそんなガザミの声を聞けば、更紗も尻尾たちをご機嫌にゆうらり。
 ……ははは、本当におまえは可笑しなヤツだ、なんて。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 ボス戦 『釣瓶落とし『つるゑ』』


POW 釣瓶事変
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【空から降ってくる大量のバケツ】で300回攻撃する。
SPD 釣瓶乱舞
X基の【空から降ってくるバケツ】を召喚し一斉発射する。命中率と機動力がX分の1になるが、対象1体にXの3倍ダメージを与える。
WIZ 釣瓶夜行
半径レベルm内にレベル体の【浮遊するバケツ】を放ち、【バケツの中の鬼火センサー】による索敵か、【バケツから放たれる鬼火球】による弱い攻撃を行う。
イラスト sio
√妖怪百鬼夜行 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

  今年のこの夜祭の目玉だと言われていて、失敗は許されなかった。
 だから、入場希望者が殺到している『うらめしやしき』の盛況さには、正直ホッとしているけれど。
 でも……うらめしやしきの責任者である彼の心に安堵と共にあるのは、不安と罪悪感。
 だがしかし、もう、先行入場券を持っている客は、屋敷に入れているのだ。
 後戻りはできない……こうするしかなかったのだ。
 解き放ってはいけない古妖の封印を解いてしまったことは。
 幸い、古妖はお化け屋敷のコースではない、屋敷の離れにいる。
 だから最後までうまくいく、何事もなく成功してくれ……そう、もう祈るしかない。
 
 うらめしやしきと名付けられたお化け屋敷。
 廃墟であったその屋敷に封印されていたのは、古妖『釣瓶落とし『つるゑ』』。
 でも、まんまと人間を唆して封印を解かせることができたのだから。
 ケタケタと笑いながら、つるゑは今はまだ、じっくりと吟味する。
『わしをもっと楽しませてくれる人間はいるかのう……?』
 笑うこと以外の感情が欠落しているイタズラっ娘は、次にそそのかす標的を待つ。
 賑やかなお化け屋敷と化している本館にいる人間から選んでもいいが、それでは少々つまらないから。
 もしも誰か此処に……この屋敷の離れを訪れるような者がいるのならば、容赦なくバケツを落として遊んでやろうと。
 他者よりも強い好奇を抱くような者がきっと、自分をより楽しませてくれるに違いないからと。
 ケタケタと、ただひたすら笑いながら、古妖は悪戯な笑みを浮かべるのだった。
白影・畝丸
√百鬼夜行のお化け屋敷は必ずや守って見せましょう…何せ相手は悪しき古妖ですから。これ以上皆様に危害を加えるような悪戯はさせません。
まずはそのバケツ攻撃の一部を展開した大鎧の盾(展開式大盾鎧)の【盾受け】【ジャストガード】【鉄壁】にて防ぎ、その力を複製した毒纏いし鎧武具と化して纏ってみせましょう。(デザインはMS様にお任せ致します)
バケツにはバケツを。そしてそれに毒の瘴気を乗せてお返しさせて頂きます。
これ以上アナタが執拗な悪戯を求めるのであれば、僕はそれを防ぎます。

 大盛況のお化け屋敷の賑やかさに紛れて、気付いている人は果たしているのか。
 ケタケタとただひたすら、笑うこと以外の感情が欠落している古妖 『釣瓶落とし『つるゑ』』の声を。
 いや、誰よりも早く、白影・畝丸(毒精従えし白布竜武者・h00403)はその場へと赴いていた。
 感じる縁、そして√能力者として己がやるべきことを、白き竜の如き妖怪の青年は口にする。
 √百鬼夜行のお化け屋敷は必ずや守って見せましょう……と。
『ケタケタ……ぬしはわしをもっと楽しませてくれるかのう……?』
「何せ相手は悪しき古妖ですから。これ以上皆様に危害を加えるような悪戯はさせません」
 そう――もう二度と復活せぬように、この古妖を止めること。
 それができるのは、誰よりも真っ先に彼女の前に辿り着いた、畝丸だけなのだから。
 けれどそれでも、ケタケタと笑いながら。
 イタズラっ娘は、容赦なく数多のバケツを落としてくる。
 けれど畝丸は、大鎧の一部に組み込まれている展開式大盾を鎧浮遊大盾へと変形させて。
 鉄壁を誇る大盾で大量のバケツを盾受けして防ぎながらも、ジャストガードで逆に返してやりながらも。
 ――汝の其の術、鎧と化して我が身に鎧え。
「では、その力、使わせて頂きます……」
『ケタケタ……わしの力をぬしが、だと?』
 つるゑが展開し、その身に受けた釣瓶事変を複製して。
 バケツとつるべ落としの意匠を思わせる鎧武具と化して纏ってみせる。
 いや、ただ古妖の力を模しただけではない。
「バケツにはバケツを。そしてそれに毒の瘴気を乗せてお返しさせて頂きます」
『! なんじゃと、わしのバケツを? それにこの瘴気は……!』
 その力を利用し、毒を帯びた甲冑として創造して。
 それでもケタケタと笑い続ける古妖を容赦なく、その毒で蝕む。
 そして畝丸は再び、バケツをまだ落とさんとしてくる眼前のイタズラっ娘へと、改めて告げる。
「これ以上アナタが執拗な悪戯を求めるのであれば、僕はそれを防ぎます」
 そう――これでもう 『釣瓶落とし『つるゑ』』の悪戯は、この事件で最後。終わりを告げるだろう。
 そしてあとは他の仲間達の手によって、復活した古妖が滅びの道を辿るのみ。
『! ケタケタ……ぬしが、このわしを一番、楽しませてくれたようだのぅ』
 真っ先に古妖の元へと駆け付けた畝丸が、その毒の瘴気をもって。
 二度と復活できぬ引導を、彼女へともう、付与したのだから。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

リリンドラ・ガルガレルドヴァリス
※アドリブ、連携歓迎

さっさと古妖を討伐して、秋祭りの続きといきましょ。
でもあれなのね、古今東西妖怪であれ悪魔であれ人の心の隙間につけ込む奴は一定数いるものね。
誰しもが強い心根と正義感を持っている訳ではないししょうがないのかもしれないけれど。
結局お化け屋敷では古妖には出会わなかったし、怪しい部分もなかったわ。
そうなると他に隠れるようなところがあるって事かしら?

【戦闘】
正義完遂で最初からフルスロットルで対応するわ。
ただしブレス攻撃は周囲に与える影響もあるから、真竜の姿による近接攻撃に留めるものとする。

依頼をこなしたらすぐにお祭りへ。
りんご飴のおかわり用とお土産用を買って帰らないといけないから!

 肝が冷えすぎるお化け屋敷、それもまた堪能する心意気で。
 うらめし屋敷の『うらめしコース』に臨んで楽しんだ、リリンドラ・ガルガレルドヴァリス(ドラゴンプロトコルの屠竜戦乙女《ドラゴンヴァルキリー》・h03436)であったが。
 勿論、本来此処に赴いた目的だって、忘れてはいないし。
「さっさと古妖を討伐して、秋祭りの続きといきましょ」
 それに秋の夜長というくらいだから、まだまだ終わらない秋祭りも満喫したいところ。
 けれど、選んだ『うらめしコース』を征きながらも、リリンドラはふと思い返す。
(「でもあれなのね、古今東西妖怪であれ悪魔であれ人の心の隙間につけ込む奴は一定数いるものね」) 
 星詠みから聞いた一連のこの案件のことや、自分が実際に赴いて今体感していることを。
(「誰しもが強い心根と正義感を持っている訳ではないししょうがないのかもしれないけれど。結局お化け屋敷では古妖には出会わなかったし、怪しい部分もなかったわ」)
 それから、くるりと周囲を見回し、呟きを落とす。
「そうなると他に隠れるようなところがあるって事かしら?」
 けれど、ゴールに近づいたその時――ケタケタ、と。
 不気味な笑い声が風にのって聞こえてきたから。
 その声がする場所を、リリンドラは探ってみれば。
 辿り着いたのは、お化け屋敷となっているコース外――屋敷のはずれにある離れ。
 そしてリリンドラは、そこで見つけるのだった。
『ケタケタ……ぬしもわしを楽しませてくれるかのう……?』
 自分に気づき、そう口にする 『釣瓶落とし『つるゑ』』の姿を。
 それから、容赦なく空から大量のバケツを落としてくる眼前のイタズラっ娘。
 手数こそ多く、雨あられとバケツを降らせてくる古妖だけれど。
 しかし、その威力は幸い弱いもの。
 だから、リリンドラは|正義完遂《アクソクメツ》を展開すれば。
 ――ごめんね、私も負けられないから!
 最初から、フルスロットル!!
 プラズマのブレスを放つ|黒曜真竜《オブシディアンドラゴン》へと姿を変じて。
 ブレス攻撃は周囲に与える影響もあるからと、真竜の姿で距離を詰めた近接攻撃に留めるものとして。
『!? おまえは、このわしを楽しませてはくれないのか……っ』
 ケタケタと笑い続けながらも、そう彼女は紡ぐけれど。
 リリンドラの目的は、見つけた眼前の古妖を倒すこと。
 正義の矜持をもって、悪を挫くために!
 そして、依頼をこなしたらすぐに。
「りんご飴のおかわり用とお土産用を買って帰らないといけないから!」
 屋台が店じまいを迎えて畳まれるその前に、何としてもお祭りへと戻らないといけないのだから。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

ララ・キルシュネーテ
【樂園】

なるほどね…ララ達は利用されたってことなのかしら?
ふん、面白いわね
雰囲気もばっちりじゃない
ララはこういうのすきよ
マリー…あの者と存分に遊んであげましょう。
丁度、お前のやる気もばりばりだもの
頼もしいことだわ

その言葉を背に、とんと駆ける
影踏みしましょ
バケツを躱して、時に窕のナイフで切断してあげる
幾つ落ちてきたって解体していくわ!
マリーとゴーレム達の息、ぴったりね
銀災でザクリと斬り刺して、破魔の迦楼羅焔でまとめて焼却していくのよ
バケツも熔けてしまうわね?
ふふっ
つられて笑う
笑う事以外がかけているならば、これも楽しめるのかしら
いいわ、どんどん楽しんで
燃え尽きるその瞬間まで、楽しく遊んであげるわね
マリー・エルデフェイ
【樂園】
この先が古妖の居る『うらめしやしき』ですか。
廃墟なだけあって雰囲気はありますね。それこそ先程までのお化け屋敷と同じくらいに。

ララさん、先程はみっともない姿をお見せしてしまいましたが、今度はしっかりとした所を披露してみせます!
相手の注意は私が惹きますので、ララさん、攻撃をお願いします。
木精の守り手でゴーレム達を召喚。数体を壁役として自分たちの近くに配置し、残りのゴーレム達は攻撃が自分に向くように敵の周りをウロチョロさせる。
ララさんは凄く楽しそうですけど、なんだか私のゴーレムさん達に飛び火してません?
慌てて、魔法で生み出した水をかけて消火する。

 何とか涙目でゴールした、お化け屋敷の『うらめしコース』だけれど。
 でも、これからが本番。
 マリー・エルデフェイ(静穏の祈り手・h03135)は耳を澄ませて、ケタケタと聞こえる笑い声を頼りに足を運ぶ。
「この先が古妖の居る『うらめしやしき』ですか」
 お化け屋敷となっている本館と同じ敷地にある、『うらめしやしき』の離れをみつけて。
 そしてララ・キルシュネーテ(白虹迦楼羅・h00189)も、マリーと共に今回の事件の元凶の元へと辿り着けば。
『ケタケタ……ぬしらはわしをもっと楽しませてくれるかのう……?』
 ひたすら笑う古妖 『釣瓶落とし『つるゑ』』へと向けた赤の花一華を細めながらも。
「なるほどね……ララ達は利用されたってことなのかしら?」
 ……ふん、面白いわね、って。
 古妖が潜んでいる廃墟をくるりと見回し、可惜夜の翼をぱたぱたはためかせる。
「雰囲気もばっちりじゃない。ララはこういうのすきよ」
「廃墟なだけあって雰囲気はありますね。それこそ先程までのお化け屋敷と同じくらいに」
 マリーはララの声に頷きつつ、先程驚かされては絶叫しまくったお化け屋敷のことを思い出すも。
「マリー……あの者と存分に遊んであげましょう」
「ララさん、先程はみっともない姿をお見せしてしまいましたが、今度はしっかりとした所を披露してみせます!」
 今度こそとぐっと気合十分、古妖をいざ倒します!
 そしてそんな様子に、ララは楽し気に笑って。
「丁度、お前のやる気もばりばりだもの。頼もしいことだわ」
「相手の注意は私が惹きますので、ララさん、攻撃をお願いします」
 おばけではなく古妖ならば話は別。そんなマリーの心強い声を背に、とんと駆ける。
 刹那、つるゑが空から降らせるのは大量のバケツ。
『ケタケタ、ぬしらの頭にバケツの雨を降らせてやろう』
 けれど、その対象はララではなくて。
「森よ、我が声に応えて。優しき護り手を、いま此処へ――顕現せよ、木精の守り手」
 マリーがすかさず詠唱し喚んだ、バケツよりも沢山の数のウッドゴーレムたち。
 召喚したうちのでゴーレム達のうち、数体を壁役として自分たちの近くに配置して。
 残りのゴーレム達は、古妖の意識を引き付け攻撃が向くようにと、敵の周りをウロチョロさせる。
 そんな突如現れた、バケツを降らせて驚かす対象に、つるゑはケタケタと相変わらず笑って。
『ケタケタ、わしをもっと楽しませてくれ……、!?』
 バケツを降らせる古妖は、かぶったバケツ越しに見遣る瞳をふと大きく見開く。
 命中率と機動力がバケツの数だけ下がっているのだから……みすみす当たったりなどしない。
「――影踏みしましょ」
 バケツを躱して、時に窕のナイフを閃かせて。
 踏んで、ふまれて、 花の影――幾つ落ちてきたって解体していくわ! って。
 バケツを難無く切断していくララが、すぐ目前まで迫っていることにようやく気付いて。
 光の桜が咲き誇れば、廃墟を照らし燃ゆるは、花吹雪に変じた清浄なる迦楼羅焔。
 そして、巧く敵の気を引いてくれているゴーレム達を動かすマリーへと、ララは向けた花眸を細めた後。
「マリーとゴーレム達の息、ぴったりね」
 銀災でザクリと斬り刺せば、まとめて焼却していくべく、舞う焔たちをお見舞いしてあげる。
 ……バケツも熔けてしまうわね? なんて。
 そんな絶たれては燃ゆるバケツを見れば、よろめきながらも尚、古妖はケタケタと笑って。
『ケタケタ……ぬしら、もっとわしを楽しませるのじゃ』
 ララは、ふふっとつられて笑う。
 まだまだ楽しみたいと紡ぐつるゑは話に聞けば、笑うこと以外の感情が欠落しているというから。
 ……笑う事以外がかけているならば、これも楽しめるのかしら、なんて。
「いいわ、どんどん楽しんで」
 ララは再び生み出されては降るバケツを、幾つだって燃やしてあげるつもり。
 古妖の存在がもうすでに、風前の灯火であることはわかっているし。
 それに、ララの顔にも笑みが自然と咲くから。
「燃え尽きるその瞬間まで、楽しく遊んであげるわね」
 そして楽し気に咲く破魔の迦楼羅焔に、思わず瞳をぱちりと瞬かせるマリー。
「ララさんは凄く楽しそうですけど、なんだか私のゴーレムさん達に飛び火してません?」
 何せ召喚したゴーレム達はウッドゴーレム……そう、木製なのだから。
 マリーはゴーレムへと燃え移りそうになった焔を慌てて消火する。魔法で生み出した水を、ばしゃりとかけて。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

ジズ・スコープ
おや…このような離れに。
遊び相手をお探しでしょうか?
こちらも容赦など致しませんよ

早業・先制攻撃『交代』にて、
つるゑの周囲に居るインビジブルと
次々と位置を入れ替え囲い込み、
動けばダメージを与えれるように仕向ける。
鬼ごっこはお嫌いで?
成程、火遊びをご所望と…
しかしながら、引火しては危のぅ御座いますので
遠慮致しましょう。

野生の勘、見切りにて
攻撃を察知すれば『交代』で躱し
高速詠唱にて、水の属性攻撃を放つ。

折角のお祭り、騒ぎなどで台無しにしたくはありません。
屋敷に鬼火がうつりボヤ騒ぎなども、させる訳にはいきませんね。
屋敷、離れ等にも影響が出ぬように、立ち回る。

『交代』で真後ろをとれたならば、
そのまま『嗜』にて掌底打ちを繰り出す。
度が過ぎる悪戯はいけませんよ。

 お化け屋敷を行く道すがら、出てきたお化けさんに挨拶したりお話したり。
 ときには、どろんっと逆に変化しては驚かしてみたりしながらも。
 尻尾もご機嫌にゆらりら、『うらめしやしき』のうらめしコースを目一杯楽しく満喫した、ジズ・スコープ(野良|古代語魔術師《ブラックウィザード》・h01556)だけれど。
 ふと、お耳がぴくぴく、聞こえてくるのは何モノかの笑い声。
 だからこれまで同様、特に臆することなく、声のする方へと向かってみれば。
 辿り着いたのは、お化け屋敷として使われている屋敷と同じ敷地内にある、離れであった。
 そしてひょこりと覗き込み、お邪魔致しますね、なんて足を踏み入れれば。
『ケタケタ……よく来たのう。ぬしはわしをもっと楽しませてくれるかのう……?』
 姿をみせるのは、バケツを頭からかぶった少女の姿の古妖 『釣瓶落とし『つるゑ』』。
 つるべ落としに乗っている彼女を見れば、一般人ならば悲鳴をあげたり、腰を抜かしているかもしれないけれど。
 やはりジズは動じる気配なく、こてりと小さく首を傾けて声をかける。
「おや……このような離れに。遊び相手をお探しでしょうか?」
 いや、ジズは知っているから。先程までのおばけと、目の前の古妖が、別モノであることを。
 だから、倒すべき古妖を前に、こう続ける――こちらも容赦など致しませんよ、と。
 そして、楽しませて欲しいと仰るならば、と。
『……!?』
 ――こちらへ。
 そう紡いだジズは|交代《スイッチ》する。
 つるゑの周囲に居るインビジブルと自分の位置を、くるくる次々と。
 そして囲い込めば、動けばダメージを与えられるように仕向けて。
『……うぐっ!』
「鬼ごっこはお嫌いで?」
 堪らずよろめきながらも尚、笑うこと以外の感情が欠落しているという彼女が再びケタケタ笑い声を上げる中。
 ふわりと刹那浮遊したバケツの中身を見遣れば。
『ケタケタ……バケツから鬼火が出てきたら、ぬしは驚くかのう?』
「成程、火遊びをご所望と……」
 けれどジズは当然驚くこともなく。
 そう紡ぎ返すも、すぐにふるりと首を横に振る。
「しかしながら、引火しては危のぅ御座いますので、遠慮致しましょう」
 だから、浮遊するバケツから放たれる鬼火球を、野生の勘で確りと見切りながらも。
 再び周囲のインビジブルと『交代』しては躱し、高速詠唱すれば。
 火遊びは断ったのだから、水の属性攻撃を放って鬼火を消火してみせて。
 賑やかな祭りの声を遠くに聞きながら、改めてジズは思うから。
「折角のお祭り、騒ぎなどで台無しにしたくはありません」
 騒然とではなく、楽しい喧騒がお祭りには相応しいし。
 それに此処は廃墟、屋敷に鬼火がうつってボヤ騒ぎなども、させる訳にはいかないから。
『ケタケタ……わしと遊んでくれるのだろう?』
 お化け屋敷として今つかわれている屋敷も、此処や他にある離れ等にも影響が出ぬようにと。
 再び浮かび上がるバケツから放たれる鬼火を、ジズはひとつ残らず消しながらも。
 展開した『交代』で真後ろをとった瞬間――失礼、と。
「度が過ぎる悪戯はいけませんよ」
『なっ、ぐぅっ!!』
 イタズラっ娘へとそのまま容赦なく繰り出すお仕置きは、『嗜』による強烈な掌底打ちの連撃。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

神楽・更紗
【分福】
アドリブOK
笑い声を手がかりに古妖の居場所を特定。
驚かすのか。面白そうだ。にんまり。
さっき、腕にしがみついてた手とは思えん紅葉な手に胸がきゅうん。
妾は赤子のガザミを乗せた乳母車を押し、12体の擬人式神と共に、尼僧の格好をして霊力を込めた経を輪唱しつつ古妖を囲んで注意を引く。
あらかじめ、布良にバケツを見たら水あめで満杯にするよう命令。
バケツの異変に古妖が気を向けたタイミングで、乳母車を強く押して手を放す。
赤子が古妖を掴むと同時に、式神たちと「返せ!!」と叫ぶ。
ほらほら、よそ見してると掴まるぞ。
式神たちを指揮して集団喧嘩殺法で古妖の逃走を阻む。
ガザミと連携し古妖をこらしめ封印しなおす。
ガザミ・ロクモン
【分福】アドリブ歓迎
古妖みーっけ。にんまり悪いお顔。
僕と更紗さんで考えた驚かしを古妖に試します。
「抱っこしてあげてください」って書いた紙を身体に貼って、人化けの術で人間の赤ちゃんに化ける。
置いてあった乳母車に乗って古妖に接近です。
更紗さんのお経を読む声、心地よいですねぇ。成仏しちゃいそうです。
古妖を掴まえたのを合図に「返せえぇぇぇ!!!」と恐ろしい絶叫を上げる。
仙獣遊戯で古妖そっくりに化けて、ケタケタわらいながら、お部屋を埋め尽くすくらい大きくなって古妖を押し潰してみます。
僕の初めての驚かし、古妖は気に入ってくれるかなぁ。
上手くできたら、お化け屋敷のご主人に新しい仕掛けとして提案してみます。

 ケタケタと、何処かから聞こえてくる笑い声。
 その声を辿れば、誰もいないはずの廃墟である屋敷の離れから聞こえているようだから。
 おばけが苦手なガザミ・ロクモン(葬河の渡し・h02950)にとっては、思わずふるりと震えちゃう……かと、思いきや。
「古妖みーっけ」
 浮かべているのは、にんまり悪いお顔。
 そう、笑い声を手がかりに古妖 『釣瓶落とし『つるゑ』』の居場所を特定したのだけれど。
 ガザミがにんまりしちゃうのは、ただ、探していた古妖を見つけたからなだけではない。
 いや、にんまりしているのはガザミだけではなく、尻尾をゆうらり揺らす神楽・更紗(深淵の獄・h04673)だって同じで。
 ふたり、顔を見合わせれば。
「驚かすのか。面白そうだ」
 にんまりにんまり、お揃いで悪いお顔。
 人を驚かし誑かそうとするイタズラっ娘を逆に驚かしてやろうというのだ。
 というわけで、ふたりで考えた驚かしを古妖に試します!
 ガザミがまずは人化けの術で化けるのは、人間の赤ちゃん。
 そして、「抱っこしてあげてください」と書いた紙を身体にぺちりと貼って。
 そんな赤ちゃんガザミを抱いて、置いてあった乳母車に載せながらも、更紗はきゅん。
 先程自分の腕にしがみついていた手とは思えないような、ぷっくり小っちゃな紅葉なその手に。
 それから思念呪操を展開すれば、赤子のガザミを乗せた乳母車を押して歩み始める。
 あらかじめ、布良にバケツを見たら水あめで満杯にするよう命令しておいて。
 事前に招集しておいた12体の擬人式神と共に古妖の注意を引く更紗。尼僧の格好をして、霊力を込めた経を輪唱しながら。
 そしてそれを乳母車に揺られつつも耳にすれば。
(「更紗さんのお経を読む声、心地よいですねぇ。成仏しちゃいそうです」)
 まるで子守唄みたいで、赤子のガザミもうっとり成仏しそう……!?
 いや、でも古妖を驚かす企みがあるのだから、成仏するわけにはいかないし。
『ケタケタ……ん? 尼僧と赤子?』
 古妖が自分達に、そして素早くこっそりバケツに満たされた水あめにも気づいたから。
 更紗はそのタイミングで、乳母車を強く押して手を放した――瞬間。
『!?』
「返せえぇぇぇ!!!」
 赤子なガザミが古妖をガシッと掴まえて、恐ろしい絶叫を上げたのだ。
 さらに、尼僧な更紗と擬人式神も同時に。
「返せ!!」
『……!??』
 そう叫べば、何が起こったかわからずに思わず数歩後退りをしようとした古妖であるが。
「ほらほら、よそ見してると掴まるぞ」
 更紗はすかさず式神たちを指揮し、集団喧嘩殺法で逃走を阻んで。
 ――こんな手はどうでしょう?
 赤子であったガザミがぴょこんと乳母車から飛び出したかと思いきや、今度はケタケタと。
『なっ、わしが……!? っ!』
 仙獣遊戯で古妖そっくりに化ければ、同じようにわらいながら――どーん!
 部屋を埋め尽くすくらいに大きくなったガザミが、古妖を押し潰します!
(「僕の初めての驚かし、古妖は気に入ってくれるかなぁ」)
 ガザミはそういつもの人型に戻りつつ、つるゑへと視線を向けてみれば。
『ケラケラ……なかなか、楽しかったぞ』
 笑うこと以外の感情が欠落しているという古妖は、それだけ言って、永遠に消え失せたのであった。
 そして古妖の再封印は勿論、初めての驚かしもばっちり上手くできたから。
 ガザミは更紗と楽し気に笑み合いながら、こう思いつくのだった。
 今回の古妖を解き放った彼――お化け屋敷のご主人に新しい仕掛けとして提案してみましょう、なんて。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

挿絵申請あり!

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挿絵イラスト