シナリオ

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新春くまのじんじゃ

#√EDEN #√マスクド・ヒーロー #プレイング受付〆・執筆中

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「こんな大晦日の夜に声かけるなんて、理由はひとつしかないでしょ! ――初詣行こう!」
 どこかワンコを思わせる印象の泉・海瑠(妖精丘の狂犬・h02485)は、そう|和《にこ》やかに微笑んでから、「あ、依頼の話もあるよ」とそちらがついでと言わんばかりに付け足した。

「概要をサクッと伝えると、横浜のとある神社付近で秘密結社『プラグマ』の動きが予知されたから、初詣ついでにそいつらぶっ飛ばしてきて欲しいんだ」
 この年末年始に勘弁して欲しいよねー、とカラフルなペンをくるくる回しながら海瑠は大仰に嘆息する。
「ただ、敵の具体的な潜伏場所までは視えなくてさ。くまグッズを売ってる露店が怪しいんだけど……お参りがてら探ってきてくれると助かるよ」
 幸い、敵が動く時間まではまだ猶予がある。
 このあとすぐに向かい、年明けを現地で迎えるのも良し。日中に訪れ、新春の爽やかな空気を感じながらお参りするのも良いだろう。

 露店は、神社の社務所が閉まる深夜~早朝以外ならどの時間でも楽しめる。
 焼きそば、たこ焼き、つくねや焼き鳥、フランクフルト、甘酒などの軽食から、わたあめやりんご飴、チョコバナナなどのスイーツもある。なかには、じゃがバターやラスクといったちょっと珍しいものもあるというから、そちらをお目当てにするのも一興だ。
「あー……そうそう、その怪しいくまグッズの露店も結構ガチで揃ってるよ」
 曰く、くまのお面、くま型のわたあめ、くまバルーン、暗闇でカラフルに光る人形やペットボトル――勿論すべてくま型――のほか、隣接した露店ではくまヨーヨーすくいもやっているらしい。よほどくまへの愛が深いのだろう。
「勿論、お神籤もあるよー。なんでも、凶が出た人には縁起直しの『禍転為福御守』ってお守り貰えるんだって! どんなのか気になるなぁ」
 ほかにも、様々な種類のお守りをはじめ、一般的に神社で売られているものであれば一通り揃っている。特に、勝負事に強い神社らしく、勝利祈願の『勝守り』が人気だと言う。
「ボスは2種の配下を連れてきてて、まずはそのどっちかと遭遇すると思う。どっちに当たるかは流れ次第かな。そいつらボコったらボスもすぐに出てくるから、遠慮なくやっちゃってね」
 本当に添え物のように敵の情報を付け加えると、海瑠は「あったかくして行ってね、良いお年を!」と皆を送り出す。
「――あ、場所は『くまのじんじゃ』だよ! よろしくねー♪」
これまでのお話

第2章 集団戦 『クマぐるみ怪人』


POW ファンシーフィールド
半径レベルm内の敵以外全て(無機物含む)の【ファンシー力】を増幅する。これを受けた対象は、死なない限り、外部から受けたあらゆる負傷・破壊・状態異常が、10分以内に全快する。
SPD カワイイ悪巧み会議
先陣を切る(シナリオで、まだ誰のリプレイも出ていない章に参加する)場合、【カワイイ仕草】と共に登場し、全ての能力値と技能レベルが3倍になる。
WIZ くまくま行進曲
「【くまくま行進曲】」を歌う。歌声をリアルタイムで聞いた全ての非√能力者の傍らに【対象を誘うミニクマ】が出現し、成功率が1%以上ある全ての行動の成功率が100%になる。
√マスクド・ヒーロー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●可愛いは正……義?
 元日の賑わいも漸く落ち着いてきた夕暮れ時、じわりと変わった空気に気づき、気配の元へと駆けつけた√能力者たちが見たものは、大量のクマぐるみ怪人(全長2m)たちだった。
「ふっふっふっふ……くま好きのみんなのために来てやったくまー!」
「嬉しいくま? 新年早々、テンションアガるくま?」
「これからパレードするくま! ファンシーワールドで沼るくまー!!」
 お呼びでない――と言いたいところだけれど、どうやらこの場に溢れるくま愛をどこぞからキャッチしたようだ。
「どうしたくま? みんな遠慮してるくまね?」
「なら、ぼくの方からハグしにいくくま――!!」
 サービスの押し売りとはまさにこのこと。愛らしい外見とは裏腹に、結構図太い神経らしい。

 とにもかくにも、群れなすクマぐるみ怪人をどうにかしなければ大将も現れまい。
 迫り来る脅威を前に、√能力者もまた応戦するのであった――。

 ✧   ✧   ✧

【マスターより】
・戦場は境内の外れ、一般人は来ることのない場所となりますので、人払いや一般人への影響は考慮しなくて構いません。
・コメディですので、戦闘よりもクマぐるみ怪人への行動や心情に重きを置いたプレイングを推奨します。
・プレイング受付期間は特に明示しない予定でしたが、想像以上にご参加をご検討くださっている方が多いようなので、目安を設けることにいたしました。
 詳細はタグをご参照ください。タグにある日時以降も引き続きフォームが閉まるまでは受け付けますが、突然閉まる可能性が高いのでご注意ください。
ネスリー・フォールンハイン
◆心情
…いや、私はちょっと無理。
ぬいぐるみとか、小さくて大人しくしてるから可愛いって部分あるでしょ?
こんなデカさで動き回って、しかも喋ってるし多いしデカいし。
うん、まぁ、ちょっと無理。
もうテーマパークの着ぐるみに喜ぶって歳でもないしね。

◆行動
まぁ、そういうわけだから。とりあえず大人しくなってくれない?縮むのは無理としても。
|夢の監獄《フォーリンナイト》、魔力放出を開始…|あなたに休息を《フォーリンドーズ》、照準合わせ…
|白昼の微睡《フォーリンダウン》、発射。
ああ、巻き添えにはならない方がいいかも。いや、被害が出るとかじゃないんだけど。実際強化効果もあるんだけど。
…後からすっごい眠くなるから。

「みんなのだぁ~いすき! クマぐるみだくま――♪」
「……いや、ちょっと無理」
 きゃるるん! という効果音でも聞こえてきそうな仕草と円らな眸で躍り出てきたクマぐるみ怪人を、ネスリー・フォールンハイン(|黒昼夢《ワールドリーム》・h01500)は容赦なくぶった切った。
「え……? きみはくまが好きじゃないくま……!? どうしてくま!?!?」
「普通に考えてみてよ。ぬいぐるみとか、小さくて大人しくしてるから可愛いって部分あるでしょ? なのに、こんなデカさで動き回って……しかも喋ってるし多いしデカいし」
「全否定くま――!?!?」
「元気出すくま……あの子も、本当はぼくたちのこと好きくまよ……」
「そうくま……ちょっと照れてるだけくま……」
 がくりと膝から崩れ落ちたくまを、別のくまたちが肩や背に手を添えながら健気に励ます。その自己肯定感の高さは一体どこから来るのか。
「……もう、テーマパークの着ぐるみに喜ぶって歳でもないから……とにかく無理なものは無理。とりあえず大人しくなってくれない?」
 これでは埒が明かないと、ネスリーは溜息交じりに速攻先手を仕掛けた。結構無駄な時間を消費してしまった。ここで彼らが縮むのはどう足掻いても無理なのは明白。ならば共存の道はない。
 今迄|夢の監獄《フォーリンナイト》に溜め込んだ魔力を一気に放出しながら、小型大砲へと注ぐ。照準を合わせる先は、無論――クマぐるみ怪人の群れ。
 心中で引き金を引くと同時、|強力な睡魔《堕落》を纏った弾丸が真っ直ぐにクマぐるみたちを襲った。
「ぐ、ぐま゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「可愛くない声……」
 着弾すると同時に爆風が舞い上がり、あれほどパワフルだった面々から一瞬にしてやる気を削いでゆく。
 次々に倒れ伏すくまたちを前に、ふとネスリーが口を開いた。
「ああ……ほかの人は巻き添えにはならない方がいいかも。いや、被害が出るとかじゃないんだけど。実際強化効果もあるんだけど」
 ――後から、すっごい眠くなるから。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

空沢・黒曜
あ、なんか出てきた。
着ぐるみじゃなくて怪人…結構迫力というか圧があるね?(身長差)
言葉も見た目も遊園地のちびっこたちに大人気間違いなしだろうけど怪人だからまあ、アウトだよね。
大将見つけるためにちょーっと蹴散らさせて貰わないと。

…くまくま行進曲?ミニクマ?
更にあざとさ上乗せしてくるとはやるね…!
テーマソングは客商売には大事だと思うんだ。
一般人が沢山いたら大変だったかもだけど今はいないし大丈夫。
√能力でさくっと温泉掘って足浸けて、一気に切り込みすぱーんとツルハシでしばいて千切っては投げの勢いでくまぐるみ倒して行こう。
中身だけをしばく。…ガワ壊したらなんか色々夢が壊れそうだし。

※アドリブ絡み等お任せ

「――あ、なんか出てきた」
「こんなプリティキュートなクマぐるみに向かって、なんかとはひどいくま! ……って、もしやきみもお仲間!?」
「いやこれ自前だから」
 円らな眸に期待感を滲ませるクマぐるみ怪人を前に、空沢・黒曜(輪る平坦な現在・h00050)は即答した。仲間ではないのは事実だし、一緒にされたら人として終わっているような気がする。
「にしても……着ぐるみじゃなくて怪人、か……結構迫力というか圧があるね?」
 およそ40cmほどの身長差のある相手を見上げながら、そう独り言ちる。口調も見目も、ここが遊園地であればちびっ子たちに大人気なのだろうが、そもそも怪人では全部がアウトだ。
「さてと……大将見つけるために、ちょーっと蹴散らさせて貰うよ!」
「そう簡単にやられるわけにはいかないくま! みんな、行くよ! ――『くまくま行進曲』!」
「うわ、更にあざとさ上乗せしてくるとはやるね……!」
 思わず行進したくなるリズムで、軽やかな歌声を響かせる怪人たち。
 意外にも美声なのは良いが、歌うだけで行進しないのか――そんな疑問も過ぎったが、一応黙っておいた。
「ふっふっふ……これでぼくらのやることなすこと、必ず成功しちゃうくま!」
「……でも、一般人いないから大した被害ないよね」
「!?!?!?!? そ、そうだったくま――!!!!」
 もしや脳も綿でできているのだろうか――思わずそんなことも過ぎったが以下略。
「まぁ、じゃあさくっとね」
 手にしたツルハシで瞬く間に掘って湧いた温泉にざぶりと脚を浸けた黒曜は、速攻湯船から出るやいなや瞬く間に怪人の群れへと突撃した。
 すぱーん!
 すぱぱ――ん!!
 すぱぱぱ――ん!!!
「く~~~~ま~~~~」
「く、くま――!!!」
「さ、最後まで歌わせるくま~~~~!!」
 獲物でしばいて千切って投げて――目まぐるしい勢いでばったばったと怪人を倒してゆく黒曜は、ひとつだけ配慮をしていた。
(しばくのは中身だけ……中身だけ……。ガワ壊したら、なんか色々夢が壊れそうだし)
 知らないことが良いこともある――そんな世界の均衡を護るのもまた、力ある者の務めなのだ。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

薄羽・ヒバリ
ウソ、敵ってこの子達なのー?
こんなにふわふわもこもこ…
ちょーキュートなのに攻撃するとか無理すぎだしっ

えっえっ、嬉しいけどこっちに来ないでってば!
私はあなた達を攻撃したくないの!

こほんと咳払いしてkey:AIRを操作すれば、お仕事モードのヒバリへと早変わり
CODE: Assistを起動
半径20m内の味方全員にレギオンが放つリンケージワイヤーを接続
命中率と反応速度を強化してあげる!
さっ、みんなのお手並み拝見って感じ?

ち、ちがーう!
私が攻撃したくないからみんなに任せてるなんてそんなワケ…
こちらに攻撃が飛んでくるのならDef:CLEARのエネルギーバリアを展開してガード
とにかく任せたから!
よろよろーっ

「はーい! くまたんだよー! ぼくたちと一緒に遊ぼうくま!」
「ウソ……敵ってこの子達なのー?」
 可愛くウインクしながら群れでやってくるクマぐるみ(怪人)たちを前に、思わず薄羽・ヒバリ(alauda・h00458)は後退った。
「こんなにふわふわもこもこ……ちょーキュートなのに攻撃するとか無理すぎだしっ」
「そうだくま……ぼくとぎゅーってハグするくま……抱き心地も手触りも抜群くまよ……?」
「えっえっ、嬉しいけどこっちに来ないでってば! 私はあなたたちを攻撃したくないの!」
 じりじりと後退しながらも、こほんとひとつ咳払いしたヒバリは愛機のキーボードに指を添えた。“お仕事モード”に切り替わるには、それだけで十分!
「さっ、命中率と反応速度を強化してあげる! ――みんなのお手並み拝見って感じ?」
 小型無人兵器『レギオン』への命令コードを手早く打ち込むと、仲間たちへとリンケージワイヤーが放たれた。
 そんな様子を前に、ひとりのクマぐるみ怪人が呟く。
「……つまり、人任せってことくま?」
「ち、ちがーう! 私が攻撃したくないからみんなに任せてるなんてそんなワケ……」
「なら、まずはぼくとハグだくま――ぐはっ……!」
「あ、ごめん|Def:CLEAR《バリア》が自動的に弾いちゃった」
 ヒバリの間近まで突撃してきたものの|透明な壁《なにか》に盛大にぶつかったクマぐるみ怪人は、衝撃で弾き飛ばされながらあまりの痛さに地面をごろごろと転がった。あまりあの外皮(?)に防御能力はないらしい。派手にぶつかり悶絶する様は、可愛くもあるけれどちょっと可哀想かもしれない。
「だ、大丈夫……? って言ってる場合じゃないか。――とにかく任せたから! よろよろーっ」
 こういうものは、適材適所――あとはバックアップに努めんと、ヒバリは仲間たちへひらりと手を振りながら、ばびゅんと戦場後方へ駆けていった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

茶治・レモン
なるほど、これが可愛いの暴力と言う奴ですか
僕も、可愛いのは好きですよ
くまも勿論大好きです
だけどほら、折角これだけのくまが揃ったわけですから
僕好みのくま、探してきても良いですか?
好みじゃないのは、魔導式刀剣技巧で切り捨てて行きます
我こそはと思うくまは、是非僕のもとへ来て下さいね

もっとふわふわの毛並みで!色も柔らかくて!
目は光沢感があって!愛らしいのが良いんです!
あっ、すみませんチェンジで
ネクタイが歪んでるのは論外です
可愛い仕草について研究する前に、常識を身に付けて貰えますか?

これだけのくまがいて、僕好みのくまがいないのですが…!
許せません、僕の純情返して下さい
くまぁ!(お前を殺す)

「え? ヒバリさん!?」
 颯爽と自分の横を駆けて後退していく仲間に気づき、茶治・レモン(魔女代行・h00071)が反射的に振り返った。可愛いに抗えなかったのかとすぐに合点すると、再び対峙するクマぐるみ怪人たちを見据える。
「可愛い男の子くま!」
「おいでおいで~。ハグしてあげるくまよ~」
 きゃは☆ と言わんばかりの決めポーズをした怪人たちを前に、けれどレモンの眼は冷静に状況を映していた。
「なるほど、これが可愛いの暴力という奴ですか……」
「そう! ぼくら可愛いくま!」
「見る目があるくま! 将来有望くまね~」
「……僕も、可愛いのは好きですよ。くまも勿論、大好きです。……だけど、ほら――」
 一歩、また一歩と踏み出す少年。
 そのやや小柄な身体に纏う、とてつもない執念のような熱量のようななにかを一瞬にして感じ取った怪人たちは一斉に動きを止めた。じり、と思わず後退する。
「折角これだけのくまが揃ったわけですから……僕好みのくま、探しても良いですか?」
「そ、そういうことなら是非にくま!」
「そ、そうそう! お気に入りの子がきっと見つかるくまよ!」
「――好みじゃないのは、魔導式刀剣技巧で切り捨てて行きます」
「ひぃ!!!!!!!」
 この子、可愛い外見とは裏腹に怖い――いや、すくなくとも可愛いものに対する熱量が半端ないのでは――。
 そう怪人たちが気づくも、時既に遅し。
「我こそはと思うくまは、是非僕のもとへ来て下さいね……!」
「ひ、ひゃあああああああ!!!」
「無理くま――!!!!」
「あの子眼が本気くまよ――!!!」
「まずはそこのピンクのあなたから!」
 言うと同時に地を蹴ったレモンは、手にした|玉手《ぎょくしゅ》を瞬時に魔導式の刀剣へと変えた。小柄な体躯を活かして死角に回り込むと、怪人と視線が合う前に一太刀を浴びせる。
「僕の好みは! もっとふわふわの毛並みで!」
 ずばっ!!
「色も柔らかくて!」
 ざしゅっ!
「目は光沢感があって! 愛らしいのが良いんです!」
「それならぼくは――」
「あっ、すみませんチェンジで」
 ざしゃっ!!!
「……ネクタイが歪んでるのは論外です」
「この子……“可愛い”へのこだわりが半端ないくま……!」
 次々に屠られていく仲間たちを前に、逃げ腰になるクマぐるみ怪人たち。
 だが、それでもレモンは止まらない。
「そもそもですけれど……可愛い仕草について研究する前に、常識を身に付けて貰えますか?」
「「「ひぃぃ!!!」」」
「大体、これだけのくまがいて、僕好みのくまがいないなんて……許せません」
「ちょ、ちょっとくらい妥協するのは――」
「しません……! 僕の純情、返してください」
 ふつふつと湧き上がる熱量のまま距離を縮めてくる少年に、怪人たちは身を寄せ合ってぷるぷると震え上がる。
 レモンが構えた刃に、彼らの円らな眸が映った。

 ――|くまぁ《お前を殺す》!
🔵​🔵​🔵​ 大成功

緇・カナト
【狼と牛】

うわ、見た目のサイズ感が
エンペラーオブくま…!
……じゃあなくって、
プリティラブリ〜お面の事とか
木彫りの鮭とか一旦忘れて
マジメにお仕事しましょうか

見た目もカワイイ仕草ってのも
気が抜けてくるんだよなぁ…
能力は侮れないらしいって話だから
足元の影業、猟犬に似た其れらを
威力偵察代わりに嗾けてもみて
クマVSイヌ+牛だと分が悪いって?
オレもきちんと働くから安心しなよ〜っと
マサカリならぬ得物の手斧を担いだならば
お稽古でもしてくれる?

攻撃しようと来る怪人に向けて
オートキラーでのカウンター狙いを
ヒグマみたいに強そうな一撃でも
当てられなければ如何という事もない
それじゃあ引き続き、遊ぼうか

アドリブ大歓迎
野分・時雨
【狼と牛】
パレードやめろ。中止だ、中止……でっっっか。
普通にヒグマじゃないですか。エンペラーだとキング超えてそう。
クマさま方、落ち着いてください!今年は巳年です。干支に混ざるにも遅すぎます。お帰りいただいてどうぞ。

話しつつ近づき、早業で鋼糸を使い締め上げます。
これ攻撃効いてます?ボンレスクマみたいになってません?ハグしようとするな。そのまま背骨折る気でしょ。
カナトさん、バシっと切断どうぞ。

クマ好きなお友だちもいる手前、ぼくも切ったり刻んだりすると目に優しくないですかねぃ。
卒塔婆に装備を切りかえて、カナトさんのいる方へしばき投げます。

おら、ケツだせ!!!

(アドリブ他おまかせ)

「……レモンくん、結構くまに拘りがあったんですね……」
「みたいだねぇ……。ここは一旦、プリティラブリ〜お面のこととか木彫りの鮭とか忘れて、マジメにお仕事しましょうか」
 仲間の意気込みを見守りつつ呟いた野分・時雨(初嵐・h00536)に、緇・カナト(hellhound・h02325)も静かに頷いた。ちなみに、時雨の頭にはまだプリンセスくまのお面はついたままだ。
「――というか、パレードやめろ。中止だ、中止……!」
「ええー? そう言って、実はちょっとは楽しんでたくまでしょ~?」
 しなっ、なよっと身体をくねらせながら窺ってくる2mのクマぐるみ怪人たちを改めて前にしたふたりは、思わず眉間に――カナトはお面の内側で――皺を寄せる。
「でっっっか。普通にヒグマじゃないですか」
「見た目のサイズ感がエンペラーオブくま……!」
「エンペラーだとキング超えてそう……」
 小さきものは、みな|うつくし《可愛い》――そう清少納言も言っていたのに、何故真逆を選んだのかと問い詰めたい。そのサイズで可愛いものなぞ、それこそただのぬいぐるみくらいだ。
 しかし、クマぐるみ怪人たちは自尊心が高かった。青年ふたりの言葉にも動じない。
「もっと可愛い表現がいいくまー。プリンセスなんてどうくまー?」
「お前その図体でプリンセスは無理があるだろ」
「すみませんプリンセスはぼくなんです」
 カナトがすかさずつっこみ、時雨が真顔で答えた。一応、彼らも真剣である。ちゃんとここが戦場だということも分かっている。
 その証拠に、時雨は鋼糸を隠し持ちながら、さりげなく怪人たちへと近づいていた。油断したところで仕留める気満々である。
「クマさま方、まずは落ち着いてください! 今年は巳年です。干支に混ざるにも遅すぎます。お帰りいただいてどうぞ」
「干支とか12年に一度しか順番が回ってこないものに興味はないくま!」
「そうくま! ぼくらは毎年くまイヤーなんだくま!」
 とてとてと歩きながら、きゃぴ☆ とぶりっこポーズをキメるくまぐるみ怪人に、思わずカナトも溜息を洩らす。そろそろ心労が堪ってきた。早く終わらせないと色々危ない。
「はぁ……この見た目もカワイイ仕草も、なんか気が抜けて――」
「隙ありくま――!」
「っと……!」
 一瞬にしてカナトの間合いに飛び込んできたクマぐるみ怪人に、咄嗟に時雨が動いた。
 慣れた動きで素早く鋼糸を繰り、一体の身体を縛り上げる。――が、もふんと柔らかい感触はいまいち手応えがない。
「これ攻撃効いてます? ボンレスクマみたいになってません?」
「ぐっ……ぐるしいぐまァァァァ……!」
「っっ……なってる、けど、効いてるんじゃないかな?」
 思わず洩れそうになった笑いを、どうにか堪えた。これが地声なのだろうか、ものすごい野太い呻き声が響いている。可愛さどこ行った。
「くま男――! 今助けるくま!! そこのきみ! 大人しくぼくのラブリーハグを受け止めるくまーっ!」
「くま男って言うんですか……ってハグしようとするな。そのまま背骨折る気でしょ」
 ボンレスクマ状態のまま1体を横に放りながら、時雨は突撃してきたもう1体を華麗に躱した。外皮(?)は柔らかいのかもしれないが、あの中身は絶対ゴツくて固いと確信する。
 最早、確かめる必要もなさそうな気もするが、カナトは体勢を立て直しながら、次々と迫ってくる怪人たちへと猟犬めいた影業を嗾けた。
(さて、どのくらいの強さがあるか――)
「この黒いいぬ、可愛いくま!」
「こっちおいでくま~……って痛っ! 痛、ちょ、やめるくま! 噛まないで欲しいくま!」
 なんだろうこの光景――そんな思いが過ぎったがすぐに棄てる。クマVSイヌ+牛だと分が悪いやもと思ったが、戦闘力はともかく、頭が大変お花畑なのかもしれない。
「……そろそろ終わらせようか……」
「カナトさん、バシっと切断どうぞ」
 時雨に促され、マサカリならぬ手斧を肩に担いだカナトが先行した。
(クマ好きなお友だちもいる手前、ぼくも切ったり刻んだりすると目に優しくないですかねぃ)
 卒塔婆に持ち替えた時雨も後に続くと、手始めに足許に転がっていたボンレスクマを――思いっきりしばき投げる。
「ぐっぐま~~~~~~!!!」
「お~良い軌道だねぇ」
「おら、ケツだせ!!!」
「ぎゅまぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 ぽーん! ぽーん! しゅぽぽぽーん!!
 時雨に吹き飛ばされ、見事な弧を描いてぼとんぼとんと落下しながらも、よろよろと立ち上がり今度は近くにいるカナトへと突進してくるクマぐるみ怪人たち。意外と身体もメンタルもタフらしい。
 だとしても、そのヒグマのような強打も当たらなければ恐るるに足らず。
「いぬよりくまのお面つけようくま――!」
「もう一人の子は付けてくれてるくまよー!?」
「ずっとは付けてませんよ」
 そんな時雨のつっこみを挟みつつ、向かい来るクマぐるみ怪人へと口角を上げて、
「お稽古でもしてくれる?」
 肉薄し、手斧で穿ち――軽快な足取りで次々と斃しながら笑みを深める。

 ――それじゃあ引き続き、遊ぼうか。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

日南・カナタ
■宵ちゃんと(h00457)

どぅわーー!?クマだらけ!
いや、可愛いけど…全長2mが群を成して襲ってくる絵面って相当なもんだね!?初めて知った!

なんて感動してる場合じゃない!こんなの冗談抜きに押しつぶされちゃうよ!
こらーー!クマー!止まれー!これが目に入らないかーー!

って警察手帳掲げてみるけど、クマには通用しないかーー!
なんだよ、何それ美味しいの?みたいな目で見てくるなーー!
(なんだか警察官としてのプライドがちょっと気づいた)

宵ちゃん逃げて!
宵ちゃんには指一本触れさせないからな…って、よ、宵ちゃん!?

心配する俺の横を颯爽と駆け抜け鮮やかな攻撃をしかける宵ちゃん
俺ぽかん

宵ちゃん…すごいです…
十六夜・宵
カナタン(h01454)と!

クマ可愛い……可愛い……あ、えっと。
あれは敵。あれは敵……よし。良い事思いついた!
もふっとぬいぐるみにハグしにいく。
もふーっと抱き着いて……
ふっふっふ。……此処まで近かったら避けられないよねえ……
と此処から【月雷戦闘戦】に移行するよ。
攻撃技の「【雷刃弾】」を発射する。零距離発射。避けれるなら避けてみなよ!!

……あれ、カナタンどしたの?だいじょぶ?とけろっとしてるよ。

「どぅわ――!? クマだらけ!」
「わ、クマ可愛い……可愛い……」
 驚く日南・カナタ(新人|警視庁異能捜査官《カミガリ》・h01454)の隣で、結構本気でときめいている十六夜・宵(思うがままに生きる・h00457)がぽつりと零した。
「いや、可愛いけど……」
 2mの巨大くまが群れを成して襲ってくる光景の圧がどれほどのものかを、カナタは16歳にして知った。思わず感動してしまったが、好んで知りたいとは断じて思わないし、おそらく今後、役に立つこともないだろう。
「って、こうしてる場合じゃない!」
 このままだと確実に圧死する――一瞬にして顔面蒼白になりながら、カナタは咄嗟に紋所ならぬ警察手帳を突きつけた。
「こら――! クマー! 止まれー! これが目に入らないか――!」
「さすがにそんな大きいものは入らないくま――!」
「ばかくまねー。そういう意味じゃないくま。あれが見えないのか、って意味くまよー」
「見えてるくまよ……??」
「なんだよ、何それ美味しいの? みたいな目で見てくるな――!」
 中身は絶対おっさんだと思われる相手なのに、全く通じていない。寧ろこれは様式美でさえあるのに――新人とはいえ、警察官たるカナタのプライドにちょこっとダメージが入った。
「駄目だ……このままじゃ宵ちゃんまで……宵ちゃん、逃げて!」
「誰かを護ろうとする姿……美しいくまね……」
「可愛さとはちょっと違うけど、これもまた尊いくま……」
 そう感動しながらも怒濤の勢いで襲ってくるクマぐるみ怪人たちを前に、カナタは両の手をいっぱいに広げ仁王立った。
「宵ちゃんには指一本触れさせないからな……!」
 ここはもう、かの弁慶のようにこの身を以てどうにかするしかない。
 敵影を見据え、唇をきゅっと引き、そうカナタが心を決めたときだった。
「……あ、えっと。あれは敵。あれは敵……」
 あまりの可愛さにちょっと心動かされ掛けていたが、どうにか敵だと認識し終えた宵が、どこか愉しげに口端を上げた。
「――よし。良いこと思いついた! クマかわい――!!」
「え?? よ、宵ちゃん!?」
 軽やかに地を蹴り、カナタの脇を颯爽と抜けて駆けてゆく宵。
 向かい来るくまの群れへと寧ろ嬉しそうに飛び込んでいくその姿に、カナタも瞠目せずにはいられなかった。思わず口がぽかんと開くも、次の言葉を紡げない。
「ウェルカム可愛い子くま――!」
「ハグしてあげるくまよー!!」
 もふん……!
 見た目通りに柔らかなクマぐるみ怪人に抱き留められた宵は、そのもふもふ具合を堪能――せずに、ぎゅっと抱きしめる。
「…… ふっふっふ。……ここまで近かったら避けられないよねえ…… 」
「なっ……!? なんか悪い笑顔してるくま!?」
「はっ! くま次郎! 早く離れるくま……!!」
「おっそ――い! 避けれるなら避けてみなよ!!」

 来たれ、月神、雷神――雷刃弾、零距離発射!!

「ぐまァァァァァァァァ!!!!!」
 それがハグではなく拘束だと気づいたときには、既に遅し。野太いボイスを響かせながら絶叫するクマぐるみ怪人は、宵に棄てられるように放られると、ぷすぷすと煙を吐きながら地面へと崩れ落ちた。
 残るクマぐるみ怪人たちが、思わず後ずさりする。
「さ、ほかのみんなもハグしてあげるよー! ……あれ、カナタンどしたの? だいじょぶ?」
「宵ちゃん……すごいです……」
 ケロッとした宵を前に、カナタがそれだけをどうにか零す。
 ――頑張れ、少年! きみの√能力者としての道は、まだ始まったばかりだ……!
「なんかちょっと連載終了時みたいなナレーションに聞こえるの気のせい!?!?」
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

ツェイ・ユン・ルシャーガ
連携歓迎
熊を奉っておるがゆえ……かの
ふふふ、これはこれは、まことに愛らしい
年の明けにはしゃぐのは人ばかりではないようだ

よしよし、|愛《う》い子らだの
[空中浮遊]や[おびき寄せ]を使って
つかの間なれど追いかけっこの振りをして
時々上や背からポンポン撫でてやりながら
熊たちが多く一カ所に集うように仕向ける
くろぐろとした円らな瞳と合うてしまえば
まあ、うむ、いくらか胸が痛まぬでもないのう
そうも言っておられぬのが勤めよな

それ以上は寄せられぬ、となった所で
同時に近くにおる者らの助けともなるよう
|白群燎齎《エンライ》による星火を浴びせる
手に感触が残っている気がしておる
もう少し遊んでやりたかったが、すまなんだな
竜雅・兎羽
連携・アドリブ歓迎

クマぐるみ怪人…
うう、かわいいですね…さっきまでくまさんを満喫してしまったから
ちょっと攻撃しづらい…しかし、そうも言ってられません!
2mもあるくまさんに囲まれたら動けなくなってしまいます!
先に行動しなくては…
…ちょっと埋もれてみたい、なんて思ったりしてないですよ?

ファンシーにはファンシーで対応するくま…と、ちょっとうつってしまいました。
【竜兎召喚】を使用して攻撃技「【竜兎ストライク】」を指示します。
『おいでませ、竜兎♪』
(竜と兎が混ざった可愛い護霊が攻撃を仕掛ける)
(心なしか、「かわいさでは自分もまけないぞ!」という気合を感じる気もする)
…可愛いがいっぱいでちょっと幸せですね

「お正月、愉しんでるくまー?」
「ぼくたちと一緒に、もっと愉しく遊ぶくまー♪」
 ぽてぽて、ぱたぱたと手足を動かす様は、例え2mあっても遠目で見れば愛らしいものだ。かく言う竜雅・兎羽(歌うたいの桃色兎・h00514)とツェイ・ユン・ルシャーガ(御伽騙・h00224)も、その一見ほのぼのとした光景に脚が止まる。
「クマぐるみ怪人……うう、かわいいですね……」
「ふふふ、これはこれは、まことに愛らしい。年の明けにはしゃぐのは、どうやら人ばかりではないようだ」
 ここがくまを奉る場所ならば、彼らにとってもホームということだろうか。あの一帯だけかなりの陽気さが溢れている。
「さっきまでくまさんを満喫してしまったから、ちょっと攻撃しづらい……しかし、そうも言ってられません!」
「うむ、このままでは――」
「あんなくまさんたちに囲まれたら、動けなくなってしまいます!」
 ぐっと拳を握り締め、兎羽が言う。速く動かねば――そう思っている片隅で、ちょっと埋もれてみたいなんて思っていたりはしない。断じて。本当に。
「娘殿はどうするつもりかの?」
「えっと……ファンシーにはファンシーで対応するくま――……う、うつってしまいました……」
 恥ずかしさを払うように一気に飛び出した兎羽は、駆けながら護霊“竜兎”を喚んだ。
「おいでませ、竜兎♪」
「はっ……竜とうさぎの合いの子みたいなそのキュートなフォルム……!」
「ぼくらのライバルってわけくまね……!! 負けないくま!! 出でよ、ファンシーりょぐぼぁっ!!!!」
 なにかを放ちそうな構えを取ったその無駄でしかない隙を狙い、竜兎が容赦なくその鳩尾へと突撃した。
 ナイスストライクを喰らって悶絶するクマぐるみ怪人を眺めながら、ツェイも柔く眦を細める。
「ふふ、娘殿の竜と兎の子も、どこか負けぬという気迫を感じるのう」
「な……なんか張り切っちゃってるみたいですね」
 戦闘とは言え、可愛いと可愛いの相乗効果はやはりほっこりとする。可愛いがいっぱいでちょっと幸せです、と零した兎羽へ、ツェイもゆるりと視線を移した。
「では、我もそろそろ参ろうか。……あれらを、斃しても良いかえ?」
「――はい……! いくら可愛いと言っても、悪い人たちですから……!」
 可愛いと愛でていても、対峙するは敵であり、己は√能力者。その志を確りと抱く兎羽へとひとつ笑みを深めると、ツェイは長い髪と服の裾を靡かせながら嫋やかに跳んだ。
 どれほど体躯の大きなくまであっても、空往くツェイにとっては可愛い子ぐまのようなもの。
「ま、待つくまー!」
「空中移動するとはずるいくまー!!」
「よしよし、|愛《う》い子らだの」
 追ってくるクマぐるみ怪人たちへと双眸を細めながら逃げるツェイ。
 まるで大きく弾む鞠のように、ふわりふわり。時に気紛れに高度を下げ、その柔らかな頭や肩、背をぽん、と叩いて撫でて、余裕を見せてまた逃げる。
「ハァ……ハァ……待つ、くま……!」
「そ、そこでじっとしてるくま……!」
 体力不足か、はたまた酸欠か。肩で呼吸をするクマぐるみ怪人たち。
 兎羽の竜兎に幾度も吹き飛ばされたのも相俟って、知らずと一ヶ所へと集められた彼らを見下ろしながら、ツェイは宙で立ち止まった。
 ふと、一体の円らな眸を視線が合う。
「まあ、うむ、いくらか胸が痛まぬでもないのう。……そうも言っておられぬのが勤めよな」
 未だ、手に残る柔らかな感触を確かめるように、静かに拳を握る。
 ――それでも、この遊戯はいつか終わりがくるのだから。
「もう少し遊んでやりたかったが、すまなんだな」
「「「くっ、くまあああああああああ!!!」」」
 娘や周囲の仲間たちへの加護ともなればと放った白群の炎が――流星の如き光の弾丸が、怪人諸共巻き込みながら爆ぜるのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

柊・冬臣
アドリブ連携歓迎

かわい……いや、可愛いと言えば可愛いんだけど……
……おっきいなあ。群れでいるとむしろ怖いよ……

くま露店のグッズや食べ物のくま愛はこの自己肯定感の高さから来ているのだろうか……
って、うわー! ハグはいい! 骨とか折れそう!
くまは嫌いではないけど、きみたちはだめだ! やっぱり可愛い通り越して怖い!
悪いけれど爆ぜてくれ!

エレメンタルバレット雷霆万鈞で景気良く爆発してもらいつつ、周囲の戦闘力を強化
あれを一般人へ放出してはいけない!
皆で全力で蹴散らそう!

「おにいさんも、ぼくたちと一緒に遊んでくれるくま?」
「そんなところに立ってないで、おいでよくま! 一緒に遊ぶくまー♪」
 こいつら自分が可愛いって分かってるなという仕草でアピールしてくるクマぐるみ怪人たちへと、柊・冬臣 (壊れた器・h00432)がなんとも言えない微妙な笑顔を返した。
「かわい……いや、可愛いと言えば可愛いんだけど……」
 執念とも言えるほどの熱量を感じた、あのくまグッズの露店。
 あれだけの品を集め、あれだけ拘りをもってわたあめを生産していたのだ。
(なら、この自己肯定感の高さも、そこから来ているのだろうか……)
 でもそれってつまり自家発電じゃなかろうか。そのまま自己完結していてくれたら平和的だったのに。
 じり……。
 じり、じり……。
 じわりじわりと迫ってくるくまに対し、その分冬臣も後ろへと後退る。
「……おっきいなあ。群れでいるとむしろ怖いよ……」
「どうしたの? おにいさん……そんなに逃げるなら――ぼくの方からハグしに行っちゃうくまよぉぉぉぉぉぉ!!」
「って、うわ――! ハグはいい! 骨とか折れそう!」
「嫌も嫌も好きのうちって言うくま――!!」
「くまは嫌いではないけど、きみたちはだめだ! やっぱり可愛い通り越して怖い!」
 ――悪いけれど爆ぜてくれ!
 少し距離を取れたところで立ち止まり、振り返りざまに冬臣が引き金を引く。忽ち、雷を纏った弾丸が、群れるクマぐるみ怪人たちのど真ん中へと着弾し――文字通り盛大に爆ぜた。
「ぐっ、ぐま――!?!?!?」
「ぐま゛ぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 ひょっとして中に人などおらず、本当に綿でできていたりするのだろうか――そんなことを思ってしまうくらいには軽やかに、爆風に煽られ吹き飛んでゆくクマぐるみ怪人。さっきまでの可愛らしい声とは全く違う、野太いおっさんの声が響いたのは忘れない。
「まだ……まだくまよ……!」
「好きって認めるまで諦めないくま……!」
「なんかヤンデレになってないかい!? あと中の人がちょっと出てきているようだよ!? ……駄目だ……これを一般人へ放出してはいけない!」
 帯電による強化を受けた仲間たちも、冬臣の叫びに真顔で頷く。
 危機的状況下で生まれる、これぞまさに素晴らしき連帯感――!
「ここは皆で全力で蹴散らそう!」
「おお――!!!!」
 その冬臣 の心からの言葉に、周囲の面々も一同に拳を掲げるのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

目・魄
これが怪しいくま、の怪人というわけだね。

頭一個分ぐらい大きなクマぐるみ怪人を目撃し
くま愛を振りまきハグをしに来るクマぐるみ怪人を大胆にも正面から
可愛い|攻撃《ハグ》を仕掛けてくるクマさんが来てくれる嬉しさに
にっこりと微笑み、迎えるかの如く手を拡げ待ち

遠慮はしたが、其方から抱擁をしてくれるなんて嬉しい事だね。

微笑みとは裏腹にちゃんと武器が、鬼斧が握られているという違和感
勿論、笑顔のまま嬉しそうな姿は変わらず|容赦なく愛でる《キュートアグレッション》
本当に抱擁されるのは困るので距離を取っては、誘う様に手を叩いてこっちこっちとクマさんが追いかけて来てくれるのを楽しむとしよう

可愛い可愛いクマさん、こちら。さあ、捕まえてごらんよ。

※連携アドリブ歓迎

「――これが怪しいくま、の怪人というわけだね」
 既に相当混沌と化している戦場を前に、目・魄(❄️・h00181)は飄々とした声音で呟いた。
(俺の頭1個分くらいは背があるのか……)
 これほどの量と質量のあるクマぐるみ怪人が、これまで一体どこに潜んでいたのだろうか。どうやら、くま好きと思われたら最後、怒濤の勢いで襲ってくるらしい。彼方此方で、仲間たちだったり――仲間たちに迎撃された怪人だったりの阿鼻叫喚が絶えず聞こえてくる。
「あっ! もしかしてそこのイケメンさんも、ぼくたちのこと好きくま??」
「こんなおにいさんにまで好かれるなんて、ぼくたちも罪深いくま……」
 まだなにも答えていないのに、自問自答して完結した。しなを作りながらお喋りするくまたちは、つっこむ隙すら与えてくれない。
 だが、それでも気にもせず、魄はその美しい|容《かんばせ》でにこりと微笑む。
「そちらから抱擁をしてくれるなんて、嬉しいことだね」
「! やっぱりそうなんだくまね~~!」
「知ってたくま――!」
 怪人なのに意外とピュアなのか。それとも自己肯定感が高すぎる故か。円らな眸を燦めかせながら一足飛びに駆け寄ってきたクマぐるみ怪人を、魄も受け止めんと両手を広げ――、

 どごっっっっ!!!!

「ぐま゛っっっ……!」
「く、くま介!? 急に倒れてどうしたくま!?」
「あれ?? あのおにいさんはどこ行ったくま!?」
 正面から強撃され、仰向けで倒れ込んだ1体へと群がる仲間たち。
 そのうちの数体がきょろりと辺りを見渡していれば、どこからか現れた魄が、再びサングラス越しに淀みのない笑顔を浮かべた。
「おや? お友達は大丈夫かい?」
「なんか悶絶してるけど、きっと大丈夫くま!」
 どう見ても大丈夫ではない。ひどい。
「そうか。――なら、可愛い可愛いクマさん、俺と遊ぼうよ」
「! おにいさん、そんなにぼくらと遊びたいくまね~~しょうがないくま~~!!」
 敵ながら、もう少し危機感を持ったほうが良いんじゃないか。いずれ誰かがそんなつっこみを入れそうな軽さで、照れ照れデレデレしながらクマぐるみ怪人たちは魄目がけて飛び出した。
 すぐそこには、微笑みながら両手を広げて待っていてくれるイケメン。
 なんと美しきくま愛――怪人の誰しもが、そう信じて疑わなかった、その直後。

 ぐしゃぁぁぁぁぁっ!!!!

「あ、あれぇぇ!? どうしたんだくま、くま三郎――!?」
 再びあたりに響いた強烈な衝撃音とともに、群れてざわめくクマぐるみ怪人たち。
 確かに魄は、本当に抱擁されでもしたら厄介だとさりげなく距離を取り、手にした獲物をそれはそれは巧みに隠しているが、それでもそろそろ気づいても良い頃合いじゃないだろうか。円らすぎるその双眸は、一向に現実を映そうとしない。
「さあさあ、こちら。――捕まえてごらんよ」
 ――俺の|容赦なく愛でる《キュートアグレッション》は、まだこれからだよ。
 そう言わんばかりに、魄は愉しげに笑みを浮かべるのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功