シナリオ

そこぬけそこぬけ少女が往く

#√汎神解剖機関 #ノベル #人間災厄「トラペゾヘドロン」 #グロテスク #少女の偶像

タグの編集

作者のみ追加・削除できます(🔒️公式タグは不可)。

 #√汎神解剖機関
 #ノベル
 #人間災厄「トラペゾヘドロン」
 #グロテスク
 #少女の偶像

※あなたはタグを編集できません。

イリス・フラックス
(エルンスト・ハルツェンブッシュ(あまいろの契約・h02972)
……とほぼ同時・同内容でリクエストしています。合わせたノベルでお願いします)

ちょっと特殊なリクエストだと思いますが、よろしければぜひ!

基本情報はステシ参照で、イリスの過去は以前書いていただいたイリスのノベル参照でお願いします。


【人物】
ド迷惑(※最悪(グロ)から軽度な混乱まで)をかけまくる人間災厄「少女の偶像」
(イリス・フラックス(ペルセポネのくちづけ・h01095))

物理的にも精神的にも振り回されるAnker
(エルンスト・ハルツェンブッシュ(あまいろの契約・h02972))

【内容】
おまかせ多めで!

イリスが収容されたてほやほやの時期。

「あなたも『少女』なのね」とエルンストに『|定義付け《レッテル》』を貼った上で、
「|わたしを好きなひと《振り回される可哀想な監視役》」と定義して散々な目に合わせる、

「この女、最悪すぎんか?」
みたいなノベルをお願いします。

・まったく加減が分かっていないので些細な言葉で収容先の人間を発狂させたり
・ちょっとした威圧で放った言葉で死なせて何故か逆に慌ててたり
・「あなたは○○なのねとか言っちゃダメ!!」って言われて「わかった!」と返事をするも、そのちょっと後に「あなたは『よく食べる』のね」と言った結果お察しの流れでヒト殺してたりすると頭わるめでかわいいと思います

・脱走して「あそんで」は、エルンストに見つかりツノひっつかまれて「ミ゜ッ」てなるのが最近のイリスとエルンストの関係です。
災厄と監視役、それ以上でも以下でもありませんが、エルンストはめちゃくちゃにイリスを恨んでいます。
彼女の言葉で「恨みきれない」ようにされていますが。

 天井と床の区別がつかない。
 羊水に囚われた胎児の如く、ぐるり、ぐるり。
 ほんとに……ほんとに……勘弁して……!!
 ボクは絶対に、何が起ころうと、お前を『少女』とは認めない!
 マグナ・マーテルの抱擁に溺れてしまうのは仕方のない事だ。マグナ・マーテルの戯言に縋り付きたくなるのも必然と謂えよう。されど大いなる母は名を忘れ、意味を見失い、じっと脳髄へと粘り憑く今しか赦されない。これは果たして誰の仕業なのだろうか。これはいったい誰の所業なのだろうか。ぐるりと、世界中を見渡したところでわかりきっている事だ。滾々と、混々と、頭蓋をノックしてくるそれは『言の葉』でしかない。何度も口にしたのだ。やめてくれと。何度も頭を下げたのだ。お願いだからと。いや、確かに願いとやらは叶っていたのかもしれない。結局のところ適応出来なかった者の、物の失態なのだ。楽園より追い出された、憑き墜とされたモノの愛おしさと謂ったら、おぞましい。支離滅裂なのであればマシだった。盲目で、白痴であったのならば封じる事も容易だった。ああ、こうまでしても、尚、人間災厄と呼ばれる連中は『懲りない』と謂う事なのだろう。頭を柔らかくしてくれたならば、其処で終いだ。終了されていたのであれば、きっと、何もかもを背負わなくても済んでいた。まるで、澄んでいるかのような、星のような、キラキラとした瞳に邂逅している。この際だ。この際だから、改めて宣言しておこう。ボクは男だ……。
 「あなたも『少女』なのね」――人間災厄「少女の偶像」の『|定義付け《レッテル》』は容赦をしらない。勿論、彼女自身が容赦の二文字を、そのまま知らないからに尽きる。ボクが『まだ』男の姿だった頃、彼女に出会った際の一言目というワケだ。あの時の眩暈と謂ったら、あの時の喪失感と謂ったら、たまらなくおぞましい。今でも時々、彼女を『制御』しているにも関わらず、ゾクリと思い出してしまう。いや、この独白めいた状況はボク自身を慰める為の、思い込ませる為の反芻にすぎない。何故なら、ボクは稀に『少女なのではないか』と疑問符を浮かべてしまうのだ。違う。ボクは男だ。仮に姿形が少女だったとしても、ボクは男なんだ……。鏡の前の自分に対して悪態を吐き、頭を振る。クラクラ、ゆらゆら、足元が覚束なくなってようやく、ボクはボクとして、ボクを認める事ができた。
 「あなたはわたしのことが『好きなひと』なのね」――眩暈を眩暈で塗り潰しても、新たな眩暈によってボクはひっくり返ってしまった。その通り、まったく、ボクは何処までも愚かな人間だ。収容時にアレの口を縫ってしまえば良かったと謂うのに、この、限度を知らない『好意』とやらの所為で……! それだけではない。ボクは本気で、心の底から、離れたいと思った事が『ない』んだ。そんな莫迦な、ボクはアレを恨んでいると謂うのに……! 今日はアレを、お前を、収容施設に運び込まなければならない。怪異を載せる為のトラックが到着したようだ。慎重に――「少女の偶像」に口枷と目隠しをさせる。仔牛を彷彿とさせる有り様だが、出荷される肉のような扱いだが、束縛こそが『偶像』を守る為のひとつの手段とも考えられた。ボクはお前を制御しなくちゃいけない。出来なければ自身諸共、機関によって解剖されてしまうだろうから……。
 ガタガタ、ガタガタ、狂ったように啼いているトラックが正気に戻ったところで終点だ。此処が何処の収容施設なのかは『ボク』にも教えられていない。万が一、アレがボクに「おしえて」なんて謂おうものなら、何もかもが台無しだ。最悪、世界が崩壊しかねない状況に陥ってしまう。兎も角「少女の偶像」は降ろされた。一歩、一歩と促され、アレは愉しそうに、面白そうに自分のお部屋へと向かっていく。死刑前の囚人を思わせる現実にボクは再びの眩暈をおぼえた。そうだ。やっぱりアレは、お前は化け物のような扱いを受けるんだ。……ボクは何を考えている? 何を今更、物騒な事を考えている。それを計画し、実行してしまったら、誰がアレを止めると謂うのか。迎えに来てくれた職員のひとりがボクの事を心配そうに見ている。不安感にも似た視線がボクの顔色を覗き込んでいるのだ。ほんの少しだけ休もうかと思った矢先、けたたましい警鐘。秒程度しか意識を逸らしていなかった。だと謂うのに、なんとも無邪気に、目隠しが外されてしまった……。
 「あなたは『束縛が好き』なのね」咄嗟にこぼれてしまった『|定義付け《レッテル》』。てんごくにて行われていた連結をイメージしてしまったが、その程度の沙汰であれば、まだ、改竄は出来ていた。アレに最も近かった職員が身体を捻じ曲げ、ゆっくりと、己の四肢を結んでいく。束になって自縛をするサマ、その描写のし難さについては判ってもらえるだろう。ボクは人間が『固く結ばれる』のを目の当たりにした。イリス!!! あなたは○○なのねとか言っちゃダメ!!! 思わずボクは叫んでしまった。腹の底から叫んでしまった。……? 首を傾げている小悪魔、瞬くかの如くに。「わかった!」と……。
 異常事態が起きていても尚、気の触れている職員どもは世間話とやらをやめてくれない。女性の職員が隣の男性に対して「今日のお昼はどうしましょう」なんて微笑んでいる。「そうだなぁ、あそこの限定メニューに挑戦してみようか」「それってあのチャレンジメニューのこと……?」おそらく彼と彼女はDクラスか何かだ。消耗品として機関に使われている『もの』でしかない。だが、だからと謂って、人命を蔑ろにするのは……。「あなたは『よく食べる』のね」最悪だ。鶏レベルだ。三歩と進む前に、嘴を突っ込む……。柘榴を捌くのには道具が必要だ。彼は道具を有していない。故に、最初に選んだのは眼球だった。
 これで何度目の眩暈だろうか。これで何度目の惨事だろうか。昼過ぎての三時頃、お菓子を前にしての侵しとは、流石は人間災厄と褒めてやろうか。清掃作業員のため息を無視しつつ、ボクはアレのチャームポイントを握ってやった。次、こんな事をしたら掴むだけじゃ許さないからね。可愛らしい「ミ゜ッ」も最早、天使の喇叭めいた殲滅に聞こえてしまう。憂さを晴らすかのように、寂しさを和らげるかのように、世界は太陽とやらを拒絶した。
 ボクは監視していた筈だ。ボクはずっと見ていた筈だ。なのに、如何してアレは部屋の何処にも存在していない。大慌てで部屋の中へと入ろうとしたボク。そんなボクの背後から言の葉が届いた。「親愛なるあなた、どうして、そんなに慌てているの」誰の所為だと……誰の所為だと……! ぐいっとコイツの角を掴んで、激しく、激しく、オツムの中身をシェイクしてやる。「ミ゛ッ」許さないって言ったよね? ねえ、ボク、許さないって言ったよね??? 「だって、わたし、あなたに、あそんでほしかった……」揺さ振っていた手を戻してやる。はじめてだ。はじめて、少女の目の玉が星のように回転している……。わかったよ。ボクが遊び相手になるから、他の人と遊ぶ時は、出来る限り『おさえて』くれないかい……? ふわふわと上の空だったイリスちゃん、母なる大地に舞い戻っての『こくり』だ。「わたし、がんばる」。頑張るではダメなのだが。『良し』とするボクも毒されているに違いない。
「……あなたは『忙しない』のね」
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

挿絵申請あり!

挿絵申請がありました! 承認/却下を選んでください。

挿絵イラスト