シナリオ

インビジブル量産作戦

#√EDEN #√ドラゴンファンタジー #√マスクド・ヒーロー

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 #√EDEN
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●呼び声
「おーい、おーい。お前さん、おじさんの声が聞こえるかー?」
 例えるなら、みすぼらしいキツネ……そんな雰囲気の青年が、√能力者に呼びかけていた。
 青年は|亜双義《あそうぎ》・|幸雄《ゆきお》(人間(√マスクド・ヒーロー)のマスクド・ヒーロー・h01143)と名乗り、「ちょいと協力しちゃくれないか?」と相談を持ち掛ける。

「おじさんの世界、√マスクド・ヒーローって言うんだけど。そこに悪の秘密結社『プラグマ』っていう、ロクでもない集団がいるんだが。連中……『一般人をインビジブル化させて、√EDENへ侵略する足がかりにする計画を準備している』ようでね」
 厄介そうに頭をボリボリ掻きつつ、幸雄は、その仔細にも触れていく。
「プラグマの目的は世界征服、それも一個じゃない。全ての世界なんだよ。で、利用するのは、何も知らない一般人というワケだ」
 インビジブルとなるかどうか、については未知数であり、非常に効率が悪いプラン。
 だが、虐殺するまでには多少の猶予がある。

「おじさんの読み……というか、お前さん達の動き次第で『全員を脱走させられる』かもしれんし、『|インビジブル《悪霊》の未練と戦うことになる』かもね」
 脱走させられれば、末端の怪人と戦うことになるだろう。
 しかし、一般人が殺害されることになれば……不条理な死に怒れる存在を鎮めなければならない。
「世の中ってのは、不条理なもんさ。救えなかったとしても、お前さん達のせいじゃない。“そいつの運が悪かった”……そういう日もあるだろ?」
 平然と言ってのけるのは、ヒーローとして見てきた光景もあるのだろう。

●状況
 プラグマの怪人組織が隠れ潜むという、廃工場の地下施設についても幸雄は口にする。
「よくある工場地帯だった場所だ。そこに拉致、監禁した一般人を寄せ集めているのが現状。|時間をかけ過ぎれば《・・・・・・・・・》、虐殺用のガス室に放りこまれて一般人が窒息死しちまう」
「救出するなら迅速に」と幸雄は声のトーンを落とす。
「しかし部下のミスが致命的なんだわ、ガス室のガスを入れ忘れて注入中なんだよ。その隙を突けば、地下施設から脱出させられるだろう……強いていうなら『敵の目を欺く方法』とか『敵の目を掻い潜る手段』は考えてくれよ」
 √能力が万能とはいえ、なんの作戦もなしに、一般人を通路に放り出せば……敵も異変に気づく。
 場合によっては、“その場で殺害する”かもしれない。

「安全第一、無事故も第一。困ったときは他の√能力者と協力しあうんだぞ? おじさんも、必要なモンはできる範囲で用意しとくから」
 一応、幸雄は後方支援としてアシストしてくれるようだが、強力なモノ、高性能な機具は期待しないほうがいいだろう。
「仕上げに指揮官もぶっ飛ばせば無事終了だ……さて、だいたいの話は済んだか」
 そこまで言うと、幸雄は通り道を譲るように、身体を斜に構えた。
「敵も√能力者で、おじさんみたいに“未来予知”ができちまう強敵がいる。気張っていくぞ」

マスターより

木乃
 木乃です! 初めましての方も、お馴染みの方もよろしくお願いします!
 今回は√マスクド・ヒーローからお送りいたします。

 秘密結社『プラグマ』の末端組織が起こす、『一般人インビジブル化作戦』を阻止しましょう。

●状況
 一般人は廃工場地帯にある地下施設に拉致、監禁されています。
 集団で監禁されている人達が多く、時間をかけすぎるとガス室送りになるでしょう。

 しかし、幸いなことに、末端怪人のミスでガス室の準備が整っていない模様。
 この隙を突いて、一般人を無事に脱出させることが、できるかも知れません!
 とはいえ、敵のアジトでもあるため、施設内には怪人が徘徊しています。
 敵の目を掻い潜る、敵の目を欺く、一般人から気を逸らさせるなど、脱出プランを用意することが重要になってきます。

 分岐点については、オープニング内をご確認くださいませ。

 以上です、それでは皆様のご参加をお待ちしております!
11

第1章 冒険 『人質救出作戦』


POW 陽動で簒奪者の注意を引き付ける
SPD 扉や窓の鍵を外す
WIZ 安全な救出ルートを確保する
√EDEN 普通7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

ラーレ・レッドフード
ガス室爆破すりゃある程度行動を抑制できそうってもんだがマァ相手も未来予知出来るんならそこらへんも予測されてら。

手持ちのマッチ数本を一気に燃やし、敵さんと救出者たちの位置を大まかに補足。一瞬だけだし背景の情報手掛かり程度だが、互いの人数分かりゃそれでいいわ。

それが分かったら壁爆破なり銃でぶち抜くなりして突撃。その時、敵が少なさそうな箇所もしくは救助者が多そうな箇所を狙う。
敵へは火炎瓶を投擲。燃やし尽くすってより逃亡や他の連中に向かわせないよう阻止するのが目的。可能なら銃ぶっ放してノックアウトできりゃ御の字。
一般人には√能力を使用し、怪我してても無理やり治しながら逃げさせる。なぁに死ななきゃ安い。

●ファイヤワークス
 ラーレ・レッドフード(おとぎの暴虐者・h00223)は不思議なマッチを数本、擦って着火させる。
 灯火から垣間見えた光景を確認し、
「チッ」
 不機嫌そうに舌打ちして、マッチの火を踏み消す。
「人質は十数人。まとめて牢屋にブチこまれてるのは解った……が、肝心の“居場所”が解んねぇ。戦闘員もガス室の用意で、ネズミみてぇに施設内を走り回ってやがる」
 おそらくガスの用意に不備があり、慌てふためいているのだろう。
 だが、それ以上は解らない。
『どこに』『誰が』『どれだけ居るのか』という“位置情報”を得るなら、内部に入る必要があった。
 “虎穴に入らずんば虎児を得ず”――|虎の穴《アジト》に踏み入らねば、|虎児《一般人》の居所は知れない。

「……ここが廃工場だらけ、ってのが救いか」
 ラーレは火炎瓶を取りだすと、ポンポンと掌で跳ねさせてから着火。
(「救出するにゃあ、詰めは甘かったが……」)
「外で騒ぎが起きりゃあ、嫌でも出てくるだろ――モグラ野郎!!」
 侵入口から少し離れた廃工場めがけ、火炎瓶を投げつけた。
 パリン! ――ボトルが割れると同時に、周囲に炎が広がっていく。
 何本か投げていくと、錆びたトタン板で覆われた鉄骨が、音を立てて崩落する。

 ズシィィ……ィンッッ!!

「こんだけ外が騒がしきゃあ、ガスの相手なんざしてらんねぇよなぁ!?」
 包囲するように、廃工場を崩壊させながら、ラーレは地下施設の混乱を後押ししていく。
🔵​🔵​🔴​ 成功

茶治・レモン
…“運が悪かった”なんて、僕はまだ、割り切ることはできません
微力ながら、僕が内部へ侵入して参ります
具体的な位置情報、そして救出ルートを探りましょう
……誰も、死なせたりしません
|死《それ》への恐怖は、僕だって分かりますから

速度と隠密を活かして動きます
敵の数は多いですが、外の騒がしさに釣られたようですね
敵と同じ格好ができれば、動きやすいと思うのですが……
可能なら装いを真似ますが、危険なら素直に考えを改めます
自分の足で、探すしかないでしょう
ガスが無く、能力者も現れ混乱している今が好機です

●まだ抗えるというのなら
 悲哀が抜け落ちた星詠みは言う――世の中は不条理なものだ、と。
 拉致監禁も、ガス室送りも、救助の難航すらも“その人の運が悪かった”のか?
『不測の事態が起きても、気に病むな』という意味だろうが、茶治・レモン(魔女代行・h00071)には聞き捨てならなかった。

(「運が悪かった、なんて……僕はまだ、割り切ることはできません」)
 侵入口のある廃工場内の様子を伺い、レモンは戦闘員の動向を窺う。
 すると、鉄骨の崩落で生じた地鳴りは、地下にも響き渡ったようだ。
「なっ、なんで火災が? ――敵襲か!!」
「ガスを使おうってときに、急いで消火するぞ!」
 獣じみた容姿の怪人が複数、敵を見つけだし、延焼を食い止めるべく地下から飛びだす。
 その姿を見て、レモンは現状を分析する。
(「僕より大柄な怪人ばかりだし、なにより頭が動物のようでした。変装は難しいですね……ですが、かなり取り乱しています」)
 つまり、統率が乱れた。
 ラーレの|行動《放火》によって、|猶予が引き延ばされた《・・・・・・・・・・》と言える。
「地下の怪人が減った今が、潜入するチャンス……誰も死なせたりしません」
 《|殉白《じゅんぱく》》を発動し、強烈な生存本能に潜む『死への恐怖』を引き出していく。
 強化される要素は、|ひとつ限り《・・・・・》。
『救出するなら迅速に』 ――その言葉を思い出し、レモンは“速度”を選んだ。
 地下施設に潜りこむと角から通路を覗き、敵の姿がないかを確認し、さらに奥へ進んでいく。
 すると、

「――……ない! こんな所で、死にたくない!!」

 ガシャガシャと鉄格子を揺らす音と、焦燥しきった叫びを、レモンは瞬時に察知する。
 地下施設であれば、通気口がいくつか設備されているだろう。
 おそらく入りこんだ煙のニオイで、囚われた人々も|緊急事態《地上の火災》に気付いたのだ。
「声はこっちからですね、急がないと」
 移動速度も当然、2倍。
 急行したレモンは、鉄格子のカギを次々に破壊していく。

 ――あとは、この十数人を地下から連れ出すのみ。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

森屋・巳琥
●主目的
「蜃気楼の分隊」用いて安全圏までの一般人退路の確保
連撃は分隊再展開考慮

・プランA
分隊の見た目は一般人ぽい感じに。
ひつじさんドローンで索敵等状況把握の精度を向上
展開した分隊を用いて本体の私の所まで退路誘導し護衛、一般人含め合流して引き上げが理想。

複数故に展開中に見つかるかも…その場合発見された個体は予定経路から離す様に陽動して
本命の避難がやり易くなるように動かします。


・プランB
経過悪く半数消化でも振り切れないなら残りをまとめて追跡をとめに入ります。
他の皆に託します。

少数で止めるは烏滸がましいかもしれない、
でも目的は敵の殲滅では無くて一般人の無事なのだから
逃げる時間を稼げればそれで充分だよ

「ここは任せて先に行って!」とか「別に倒してしまってもいいんだよね?」
とか本で見て格好いいなとは思うけど、無事に済めばそれでヨシなのです。


・プランC
始動(プレ提出)遅延にて
連携不可なら分隊で安全圏まで護送します。
A込みでやること増えますが任務中は能力者が常につくが大事
一般人だけで動くはダメなのです。

●数の力
「状況、把握です。……一般人の収容場所はここ。飛びだしてきた怪人も、消火活動や索敵で、アジトに戻れる状況ではないようなのです」
 |森屋《もりや》・|巳琥《みこ》(人間(√ウォーゾーン)の量産型WZ「ウォズ」・h02210)は、|自機《量産型WZ》のモニターにさまざまな情報を表示させる。
 |空飛ぶひつじさん《ドローン》がリアルタイム通信する周辺映像、潜入した能力者が獲得した内部情報。
 放火によって崩落した残骸によって、WZでも隠れられる死角が増えていたことが幸い……贅沢を言うなら、もう少し内部の熱気を下げたいところだが。
「一般人に扮すれば、と思いましたが……|この世界《√マスクド・ヒーロー》だと、6歳なら被保護対象なのです。逆に守ろうと動かれては本末転倒なのです」
 |自分《6歳児》に似せた素体では、誘導に従ってくれない――なら、|もっと年上に寄せればいい《・・・・・・・・・・・・》。
「|最年長《16歳》のラーレさんなら、まだ説得力あるのです。……並列操作補助機構『蜃気楼』起動」
 |蜃気楼の分隊《ミラージュ・スカッド》を起動し、|ラーレに似せた《見た目を類似させた》各素体の目に光が宿っていく。
「これより監禁された市民の救出作戦を実行。行動を開始するのです」
 立ち上がった分隊は巳琥の指示を受け、地下の侵入口へ突入する。

 巳琥は自身の代わりにドローンを随伴させた。
 まだ怪人が残っている以上、先行したレモンの移動経路を通る際も、敵影がないか確認しつつ、慎重に進軍させていく。
 そして、取り乱した一般人と、それを宥めるレモンの声を捉えた。
「至急、合流を急ぐのです。これだけの数がいれば、少しは安心できるはずなのです」
(「とは言っても、|デメリット《・・・・・》を考慮すると……数が足りないのよねぇー」)
 一抹の不安を覚えながら、巳琥の分隊は十数人の市民らと合流を果たす。

「ど、どこかで火災が起きてるんでしょ!? 八方塞がりじゃない!」
「出口だって解らないのに……1人でこの人数を守りきるのは無理だろう?」
 前門の怪人、後門の火災。頼みの綱は12歳の少年――明るい展望を見出すには、だいぶ苦しい。
「お、落ち着いてください。救助部隊がすぐに来ますから!」
 レモンが宥めているところに、巳琥のドローンと分隊が現れる。
「救助部隊です。皆さんを安全圏までお連れするのです」
 数の力は使いようによって、際限ない暴力にもなるし、これ以上ない安心感を与えることもある。
 12人の救援が、動揺した一般人を安心させる要素となった。
「私達が先行するのです。敵と遭遇した場合は、隊員の指示に従って避難するのですよ。火事の鉄則“押さない、駆けない、しゃべらない”でお願いします」
 そう告げて、――デコイに利用する前提で――市民を挟む形で8体を先行、殿に4体を配置。
(「反応速度が落ちている分、見つかった後のアフターケアが重要です。気を引き締めていくのですよ」)

 ……そして、その予感は的中した。
 地下の狭い通路を30人近くで通れば、必然的に列が長く伸びる。
 慎重に進むほど、列の進む速度も鈍り……非常時とはいえ、見知らぬ姿を見逃すはずがなかった。
「放火魔の一味か!?」
 獣頭の怪人は|巳琥の目《カメラレンズ》から一瞬、消えたと思った直後――素体の一体を剛腕で殴り飛ばし、叩きつけた壁に陥没が生じる。
 脆弱ではないにしろ、反応が遅れたことで防御姿勢を取り損なった。
(「√能力――これは、肉眼でしか探知できない類いですね」)
「|隊長《フォレスト1》、構成員に捕捉されました」
 他素体が把握した状況を巳琥に伝え、
「4体は構成員の足止め、そのまま施設内で陽動です。残る7体は別の経路から脱出を促すのです」
 緊迫感から、巳琥も身を乗りだしてモニターを凝視する。
 遠隔操作するドローンでは敵を見落とす以上、救出部隊への随伴を優先する。
(「最悪な状況は、脱出直前で一網打尽されること……侵入口の周囲に待機させましょう」)
 二度目の《|蜃気楼の分隊《ミラージュ・スカッド》》で起動した素体を、廃棄物の陰に待機させ、陽動する分隊が騒ぎを起こしている間に、市民は遂に地上へ舞い戻った。

 だが、まだ安全圏とは言いきれない。
 怪人がそこかしこにいる以上、この区域から脱出させなければ。
 巳琥は待機させていた第二部隊を合流させ、自身もWZに搭乗したまま、姿を見せる。
「皆さん、まだ安全が確保されているとは言えないのです。引き続き、護送するので指示に従ってください。第一部隊は地下に戻り、陽動とかく乱を継続するのです」
 市民の脱走を気取られたなら、追撃がないとは――断言できない。
 突入前に確認した、上空映像を頼りに、まだ火の手が届いていなかったルートへ一般人を連れ出し、安全圏へと連れ出す。

 ――市民がインビジブルに変容する|未来《ルート》は、完全に断ち切られた。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第2章 集団戦 『ボーグル』


POW レイジオブビースト
知られざる【獣人の長の記憶】が覚醒し、腕力・耐久・速度・器用・隠密・魅力・趣味技能の中から「現在最も必要な能力ひとつ」が2倍になる。
SPD ポイズンニードル
【皮膚から生えた毒棘】による近接攻撃で1.5倍のダメージを与える。この攻撃が外れた場合、外れた地点から半径レベルm内は【無数の毒棘が生えた状態】となり、自身以外の全員の行動成功率が半減する(これは累積しない)。
WIZ ボーグルの狩り
【集団狩猟】の体勢を取る。移動力と戦闘力を3分の1にする事で、肉眼以外のあらゆる探知を無効にする。嗅覚・聴覚・カメラ・魔術等、あらゆる探知が通用しない。
√ドラゴンファンタジー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

●獣頭怪人
 ボーグルじみた怪人は、地下施設周辺の火災を止めようと奔走していた。
「クソッ、施設ごと吹っ飛ばそうってつもりか!? とんでもねぇヤツが来やがったな!!」
 だが、災難はそれだけに留まらない。
 地下施設から現れた怪人が、消火中の怪人へ「おい!!」と乱暴に呼びかける。
「消火作業は中止だ、連中の目的は一般人の救出だったらしい。牢屋はスッカラカン、侵入者までいるときた!」
「なんだと? ボスはどうするって!?」
「ボスは『計画が知れた以上、施設を放棄せざるを得ない』とさ。オレ達にも“脱出しろ”って命令が下った、消火なんざ無駄ってことだ」

 ――いつガスに着火してもおかしくない。
 ここはまさに、長い導火線と繋がった火薬庫。こんなところに居続けるメリットがなかった。

「さっさとズラかるぞ、ボスの甲高いぼやきが待ってるがな!」
 獣頭の怪人達は、燃え盛る火の海から脱出を試みようとしている。
 √能力者が潜んでいる以上、それなりに警戒しているに違いない。
 だが、ここで叩けば、次の作戦までの時間稼ぎにはなる――追撃戦の始まりだ。
久遠・群炎(サポート)
 人間(√ドラゴンファンタジー)の|古代語魔術師《ブラックウィザード》×レインメーカー、16歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、寝起きは「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 √能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
青空・レミーファ(サポート)
モーゼル・ミリタリー少女人形《レプリノイド》の学徒動員兵×ヴィークル・ライダー、8歳の女です。「レミーって呼んでね!」

√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!

●燃焼
「……火の海ね、この一帯」
 久遠・群炎(群青の炎術師・h01452)は簡潔に状況を述べる。
「ガスを使うつもりだったんだよね? いつ引火してもおかしくないよ」
 |青空《あおぞら》・レミーファ(ややこしい子・h00871)もBMXに跨がったまま、周囲に視線を巡らせ、敵影がないか確認。
 蒸し風呂どころか、ローストになりそうな熱気の中、群炎ら以外の影がわずかに通り抜けていく。
「……あっちにいるみたい」
「先行して確認する、敵だったら一発カマしてやるから」
 ペダルに足をかけたレミーファが影に迫ると、人らしからぬ毛皮と頭の怪人達が脱出を試みている最中だった。

「見つけた、悪党共――この怒りの拳を受けてみろ!!」
 BMXから跳躍し、3回転スピンを決めたレミーファの《|疾風拳《スーパーナックル》》が炸裂。
 怪人に当たりこそしなかったが、その強烈な余波が獣頭怪人らを襲い、周囲の延焼もかき消されていく。
「チッ、見つかったか!」
 狙われた一体は、皮膚から伸びる毒棘を浴びせようと、ぶちかましをかけ、レミーファの機体を突き飛ばす。
 しかし、先の一撃には、もうひとつ|意味《・・》があった。

「……焼き尽くす」
  砲台を起動させた群炎が、《決戦気象兵器「レイン」》に発射命令を下す。
 レミーファめがけて殺到する怪人達めがけ、300回もの照射攻撃が襲いかかった。
「っ! 伏兵がいるぞ、隠れろ!!」
 気付いた怪人が遮へい物へ隠れるよう促すが、先の一撃で当たり所の悪かった者は、隠れる前に倒れ伏した。
 貫通した熱線は、崩れゆく廃工場の残骸にも風穴を残し、火の手がさらに勢いづく。
 熱波を受けながらも、集団狩猟の体勢をとった怪人が、手にする大鉈を群炎めがけ振りおろし、避けた群炎のいた場所には亀裂が放射状に広がっていた。

 さすがに冬場といえど、火事場に身を置けば、汗が噴きだすというもの。
「……アイスコーヒー」
「奇遇だね? あたしも帰ったら、キンキンに冷えたコーヒーを飲もうと思ってたところ」
 軽口を叩き合いながら、目の前に残る怪人達と交戦を続ける。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

リズ・ダブルエックス(サポート)
 AK47の|少女人形《レプリノイド》のレインメーカー×重甲着装者、15歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、演技時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 √能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!

●目標捕捉
 火の中を掻い潜り、あと数十メートル先へ走れば、抜け出せる。
「やっと灼熱地獄からおさらばだ、毛皮が焦げ付いちまった」
「換毛が酷いって時に……犯人を特定したら火炙りにしてやるぜ!」
 ――獣頭怪人らの気が緩み始めていた。
 だが、それもすでに想定済。
 ここが√ウォーゾーンだったら、背中から撃たれても文句は言えない。
「敵影、捕捉しました。交戦を開始するであります」

 リズ・ダブルエックス(ReFake・h00646)は《|LXF・LXM並列高出力モード《デュアル・アームズ》》を起動し、地上走破用の限定光翼を展開していく。
「レイン兵器の出力を防具機動力と武装破壊力の2点に集中――高速近接戦へと移行します!」
 プラズマブレイドの発光に頬を照らされながら、火を薙ぐ勢いで敵陣へ驀進。
 超加速の勢いを乗せた一撃は、怪人らが気付くよりも早く、煙のニオイが染みつく毛皮を斬り裂く。
「あと少しだってのに!」
「その見解は誤認ではありません。あと少しで、このアジトと構成員は壊滅するのであります!」
「ほざきやがれ!」
 怪人たちは集団狩猟の態勢をとって、リズの火器管制レーダー、自律兵装を無力化させて大鉈を叩きこむものの、すでに肉眼で捉えているリズにしてみれば誤差の範囲。
 パルスブレードで受け止め、直撃を回避しながら斬りこんでいく。

 燃え上がる炎は天を衝き、吠える鉄火場からはいくつも剣戟が聞こえてきた。
🔵​🔵​🔴​ 成功

茶治・レモン
一般人は無事救出…良かった、何よりです
これで安心して、あなた方のお相手ができます
「やーめたっ、帰ーえろっ」なんて、僕らが許すとお思いですか?
殺される覚悟で、ここまで来られたのでしょう?
ご安心ください、何度でも殺して差し上げますので

愛用の玉手を刀剣へと変えて、近くの敵から切り伏せて行きます
敵の武器を握る手、目、足元を優先的に攻撃
“人の嫌がる事は進んでしなさい”と、学校の先生も師匠も言ってました

敵の毒棘は厄介…っ
ですが、僕の武器もおあいこかもしれませんね
魔法中毒…と、呼んでいます
刀剣に籠った過剰な魔力が、あなたを蝕んでいるんです

僕、あなた方を逃がすつもりはありませんので
お覚悟下さいね
森屋・巳琥
さっきの不意打ち、√EDENの人達の力に似たのがありましたね
崩れ行くこの状況、逃げに徹せられると面倒です
しっかり見ていかないと…

●主目的
撤退する怪人達への追撃戦です。
連携と相性良い能力なので可能なら援護したいところ
計画に打撃を与える為、各個撃破に比重を置きます

幸い?施設周辺は炎上・崩落しているようですし、それら[地形を利用]しましょう。
奇襲での接敵及び敵の近接攻撃避けも使えそう。

ひとまずは毒棘の悪影響は無視できないので攻撃はなるべくその範囲外から行いたいですね
近中距離戦想定、[制圧射撃]して足止め狙いつつ削っていくのです


●副目的
ボーグル達の言うボスの接触手段を得る
主目的で計画遅延効果あるでしょうが取れる成果は取りたいです。

もし携帯端末類を持ってればボスから撤退命令を受けていたようですし
[ハッキング]で解析して合流点とか情報を取れるかもです。
なんならその端末で仲間に偽装して接触できるかも?

尋問は無力化する程度に力を示せればできそうだけど…
ガス爆発に巻き込まれるのは御免なので場所は考慮ですよ


 |茶治《さじ》・レモン(魔女代行・h00071)、量産型WZに搭乗する|森屋《もりや》・|巳琥《みこ》(人間(√ウォーゾーン)の量産型WZ「ウォズ」・h02210)は、焼けつく工場地帯に舞い戻り、残党狩りを開始していた。
 《|白銀の雫の願い《ウィッシュ・シルバードロップ》》で『連携攻撃』を強化し、レモンとのスムーズな立ち回りで、残党に制圧射撃を浴びせていく。

「どうですか? 少しずつ効いてくるので、後引くお味なのです」
 《対装甲侵食弾『ヴェノム・バレット』》を放つと、着弾地点の周囲にいた者達は、指向性ナノマシンの飛沫を浴びて毛皮が爛れ、レモンには耐ショック用の特殊装甲が構築されていく。
 炎の壁を利用した、不意の一撃を避けきれなかったものの、
「そのデケぇスーツ、叩き割ってやらぁ!」
 速度を上昇させた獣頭怪人は、矢の如く距離を詰めて、手にする凶刃を巳琥へ鋭く振り下ろす。
 分厚い鉈の当たる震動が、WZ内部にいる巳琥自身にも強い衝撃を与え、その隙に側面からレモンが|玉手《ナイフ》を手に迫る。
(「囚われた皆さんが、無事に脱出できてよかった……でも」)
「『やーめたっ、帰ーろっ!』なんて、僕らが見逃してあげると思ってましたか!?」
 両腕部の魔力を注ぎ込むことで、刃の短かった玉手は、刀剣へと姿を変えていく。
 《|魔導式刀剣技巧《アマテル・ソードアーツ》》による一振りが、怪人の片腕を裂き、
「ぉ、ごほ……こ、れは、毒か……!?」
「“魔法中毒”……と、呼んでいます。|この世界《√マスクド・ヒーロー》では馴染みがないでしょうが」
 過剰に注ぎ込んだ魔力で“魔法中毒”を負わせる。
 ドサリと音を立てて突っ伏すが、生死を確認するまでもなく、巳琥とレモンは各個撃破の構えで確実に潰しにかかった。

「人の嫌がることは進んでしなさい――|教導官《学校の先生》も師匠も言っていました。戦術を“卑怯”とは言わせませんよ!」
 鋭い爪の伸びる足元めがけ、魔力を帯びた一刀を斬りこむレモン。だが、
「だったら、テメェがやられても文句は言えねぇなぁ!!」
 踏み止まった怪人は生え伸びる毒棘を刺し穿とうと、アメフトじみたタックルで押し潰しにかかる。
 幸い、巳琥の施した対ショック装甲のおかげで、威力を軽減できた。
「っ、く……まだまだ、いけます!」
「次弾装填なのです。――撃ち抜くよ」
 再度、対装甲侵食弾を装填し、巳琥はレモンの至近距離に位置する怪人めがけて射出。
 怪人を中心として、指向性ナノマシンがはじけ飛ぶ。
「う、ガハ……ク、ソ、がぁ……――」
 今際の際においても口汚く罵り、怪人らは焼け焦げたコンクリートに崩れ落ちる。

 毒の影響に加え、周辺の酸素を消費し続ける炎の影響で、息苦しさがあったものの、レモンは自分の足で立っている。
「これで、構成員は壊滅……でしょうか」
「まだなのです」
 そう言って巳琥は小破したWZで器用に怪人の懐をまさぐり、トランシーバーを見つけだす。
 √ウォーゾーン出身者にしてみれば、『前時代的な代物』に映るかもしれない。
「無線機……ずいぶんアナログな機械ですね。ですが、単純ゆえにハッキングが難しいのです」
 予算をかけたくなかったのか、足取りを追わせないためなのか。
 とにかく施設を仕切っていた|主犯《ボス》に繋がらないか、ハッチを開いて、巳琥は手ずから通信を試みる。
「ボス、敵の足止めが多すぎます! 合流地点の変更は可能でしょうか!?」
 しばらく応答がなく、根気強く呼びかけ続ける巳琥。
 レモンも固唾を飲んで、その様子を見守り、
「……こちらの動きを予知して、捨てたのかもです。別の手段を――」
 反応がないため、巳琥がトランシーバーを手放そうとしたとき。

『――……っひひ、ヒャーッヒャヒャヒャヒャヒャ!! ディス・イーズ……CHA・BAAAAAAAAAAANNNN!!!』
「「!!?」」
 無線機越しから大音声の笑い声が響き、二人は目を丸くする。
『保護者同伴で来りゃよかったな。|小娘《ガキ》がゴツい怪人の声マネなんて、無理筋せずに済んだのによぉ? ヒャヒャヒャ!』
 巳琥は現時点で6歳。
 その幼い声色で瞬時に気付き、相手は“|挑発的な行為《放置プレイ》”に及んだようだ。
「……このアジトの幹部、ですね?」
『悠長に構えてる余裕があんのか? そろそろ始まるぜ。お前らの点けた――|ドデカい花火の打ちあげ《・・・・・・・・・・》が!!』
 その台詞に巳琥はハッとして、
「レモンさん、乗って。外周部まで強行突破するのです」
 状況を察したレモンも、急いで巳琥のWZへ乗りこむと、急いで火災エリアからの一時離脱を図る。
 そして、端末からはノイズ混じりに一言。
『オレ様に遊んでほしくて仕方ないんだろ。いいぜ、相手しても……“花火”に巻き込まれなかったらな? ヒャーッヒャヒャヒャヒャ!』
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 ボス戦 『『コウモリプラグマ』』


POW 幼稚園バスジャック作戦!
あらかじめ、数日前から「【幼稚園バスをジャックする】作戦」を実行しておく。それにより、何らかの因果関係により、視界内の敵1体の行動を一度だけ必ず失敗させる。
SPD コウモリブラスター
【超音波】を用いた通常攻撃が、2回攻撃かつ範囲攻撃(半径レベルm内の敵全てを攻撃)になる。
WIZ サーヴァント・バット
移動せず3秒詠唱する毎に、1回攻撃or反射or目潰しor物品修理して消える【コウモリ】をひとつ創造する。移動すると、現在召喚中の[コウモリ]は全て消える。
√マスクド・ヒーロー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

●決戦、コウモリ怪人!
 構成員が壊滅してすぐのこと。
 延焼していた炎はついに地下へ入りこみ、注入途中だったガスに引火する。

 ――ドゴォォォォォォォォォォンンンンッッ!!

 耳をつんざくような爆音。
 焼け落ちた瓦礫や、延焼さえかき消すほどの爆風が、辺り一帯に広がった。
 √能力者の目的は『アジトの保全』ではなく、『一般人の救助』
 ――すでに避難済みの現状を鑑みれば、“施設の再利用を防ぐことができた”と言っていい。

 外周部に一時離脱した√能力者達だが、爆音の余韻を引き裂くほどの大音声が、爆心地となった工場地帯から響いてくる。
「ヒャーッヒャヒャヒャヒャヒャ! ヒーロー様はホント、ド派手な演出がお好みだな?」
 現れたのは、コウモリじみた姿の怪人――コウモリプラグマ。
 三下じみた口調だが、プラグマの幹部怪人だ。
 爆砕した地下アジトを見下ろし、コウモリプラグマはゴキゲンな様子で両翼を広げる。
「基地ごとぶっ飛ばすなんて、最高に|イカレてやがる《おもしれーこと思いつく》ぜ! そのアイデア、オレ様も使わせてもらうわ。ヒャヒャヒャ!!」
 簒奪者にも“星詠み”と同じ、未来予知ができる者が存在する。
 どうやら避難場所を予知したことで、ガス爆発から逃れたようだ。

「出てこいよ、|ガキ共《√能力者》! わざわざ爆破予告までしてやっただろ、邪魔したからには楽しませてもらわねぇとなぁ!?」
 もう一度言う、あれは幹部怪人だ。
 先ほどまでの構成員とは別格の相手――心して挑まねば。
茶治・レモン
さすがコウモリ怪人!
言葉1つ1つが超音波みたいですね
とても不愉快ってことです
僕のすべてで、その口黙らせて差し上げます

率直に好かないとは言え、愚直に攻めはしません
怒りは抑えて、戦況を見定めて戦います
とは言え、僕がとれる手段は限られていますが

玉手を構えて、そのまま敵へ前進
敵との距離を詰めてから、玉手を刀剣サイズへ
距離感の計り違いを期待しましょう
攻撃は、切断や部位破壊を狙います
羽があるのですから、足の1本や2本、頂いてもよろしいでしょう
敵の攻撃を受ける前に、一太刀入れたい所です
魔力中毒で狂ってしまえ

この√に、怪人なんてお呼びじゃないんですよ!

●知恵比べ
「さっさと来いよ、それとも情けなく爆散しちまったかぁ?」
 ヒャヒャヒャと嘲笑いながら、コウモリプラグマは自身の存在をアピールする。
 来るなら迎撃したのち、始末書を書くだけ。
 来なくても離脱してから、始末書を書くだけ。
 アジト全壊による“始末書の作成”は確定事項なのだ。

 |茶治《さじ》・レモン(魔女代行・h00071)は、爆破によって増えた瓦礫の陰を伝って、コウモリプラグマの元に近づいていた。
(「耳触りなほど、よく通る声ですね……不愉快です」)
 そして、近づけば近づくほど、敵に気付かれる確率は上昇していく。
 あと数メートルまで近づき、様子を伺うと――コウモリプラグマは、気付いていないように|見えた《・・・》。
(「急襲して、一気にダメージを負わせます」)
 レモンは《|魔導式刀剣技巧《アマテル・ソードアーツ》》を発動し、|玉手《ナイフ》の刀身が魔力で伸びていく。
 早まる鼓動を抑えようと深呼吸し、
(「……行きます!」)
 物陰から飛びだしたレモンは、一息にコウモリプラグマに仕掛けた。
 魔力で淡く煌めく刀身が、全力で振り抜かれ――、

「|気付かれてねぇと思ったのか《・・・・・・・・・・・・・》?」

 足を狙った一太刀は掠めるに留め、深く踏みこんだレモンの頭上を、コウモリプラグマが飛び越える。
「|あんだけパフォーマンス《派手な襲撃と通信》されちゃ、オレ様も臨戦態勢がとれるってモンだ! ヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
 大きく動けば、それだけ|注目を集めやすい《警戒されやすい》。
 小さく動けば、相手に|気付かれにくい《関心が集まらない》。
 どちらも一長一短の常策である。――が、今回のここまでの流れは“前者”だ。
 しかも、|こちら側から《・・・・・・》通信をかけたことで、相手に警戒させる要因となっただろう。
 甲高い奇声ごと放たれる超音波は、レモンの背後へ連続して襲いかかった。
 衝撃の余波により、瓦礫ごと弾き飛ばされたものの、レモンはかろうじて|回転着地《ロール》による受け身をとる。

 振り返ると、瓦礫の上に立つコウモリプラグマは、袖を直すように翼を振っていた。
「マジで“遊び相手になる”って期待してたか? 誰が始末書モンの被害を出すバカと遊ぶかよ、ヒャーッヒャヒャヒャ!」
「想像以上にずる賢いようですね……怪人なんて、誰もお呼びじゃないんですよ!」
 ごっこ遊びではない、本物の怪人がもつ“狡猾さ”を痛感しつつも、レモンは膝をつかずに愛刀を握り直す。
🔵​🔵​🔴​ 成功

森屋・巳琥
●基本立ち回り
蝙蝠の怪人だけあって立ち回りが強いですね
使用√能力に対策を立て臨みます
瓦礫等遮蔽物はどちらも使える…うまく使えた方が優位です


・SPD
射撃ですが射程負けは十分に考えられます
音速故に着弾は瞬間、防御にシールド受けや遮蔽物などの地形を利用し直撃を避けたい所
近接の仲間には能力効果で援護です


・WIZ
目潰しを起点に>移動隠れ>召喚で発見までの時間稼ぎし物量で押してくる戦術を推定
相手を一定の位置に長時間留まらせない牽制が必要、移動誘発で攻撃解除を狙います

部隊を2機5組+私の組で展開、目潰しのリスクを分散かつ見失いからの索敵効率化
光線銃に換装したマルチツールガンで攻撃を行います
工業用?いいえ戦闘用です。
普通の蝙蝠なら光に弱いんだけど…怪人なのよね


●心情
子供と侮って油断するなら隙に出来そうですが
狡猾な相手、単にこちらを怒らせるジャブかも
良くて実力差を詰める一要素程度ですかね
戦略は予知される以上、接触できたこの一時の戦術に賭けます
私も一人の兵士なんです、平和な世界ならそうでもなかったのかな…

●Show Down.
 量産型WZから降り、遠方の陰に潜む|森屋《もりや》・|巳琥《みこ》(人間(√ウォーゾーン)の量産型WZ「ウォズ」・h02210)は、まだ幼い顔とは不釣り合いな、鋭い視線をコウモリプラグマに注いでいた。
(「交戦し始めたとはいえ……他の|襲撃者《√能力者》にも警戒している。そう考えるのが妥当なのです」)
 通信時にコウモリプラグマは、巳琥をこう呼んだ――“|小娘《ガキ》”と。
 通信してきた相手が『幼い女児だ』と特定している。
 しかも“通信機を奪い、合流地点を割り出そうとした”にも関わらず、
 “|適任者の不在《大人がいない》”という不可解な状況。

 ――この|小娘《ガキ》に入れ知恵をしたのは、|誰だ《・・》?
 巳琥が呼びかけ続ける間、考察し、分析する時間はそれなりにあった。

(「|頼める大人《適任者》が不在で、|発案者《小娘》がかけざるを得なかった。状況証拠だけでも、確信は得やすいのです」)
 そして、そんな奸計が思いつく“天才幼女”の姿が、まだ出てこない。
 コウモリプラグマは高らかに呼びかける。
「おい、オレ様に舐めてかかった|小娘《ガキ》はどこ行った? チビってお家に帰っちまったか、ヒャーッヒャヒャヒャヒャヒャ!」
 遠巻きに聞こえる罵声を、巳琥はさらりと聞き流して表情も変えず。
「レディは支度に時間がかかる、秘密結社では習わないのですね。仕方ないのです」
 マルチツールガンのバッテリー残量を確認しながら、並列操作補助機構『蜃気楼』を起動していく。
 《|蜃気楼の分隊《ミラージュ・スカッド》》によって、ここに巳琥と12体の素体による“特殊幼女戦闘小隊”が編成された。

「|ツーマンセル《2体一組》で行動を、うち一組は私に随伴して。射程圏内に入ったら、敵が動き続けるよう牽制射撃を仕掛け続けるのです」
「「「|了解《イエス・マム》」」」
 巳琥の指示を受けた素体達は分散し、鶴翼の陣形でコウモリプラグマへ接近していく。
 両翼の先端に当たる4機は射程を確認しようと、頭を僅かに上げる。
 その仕草に反応があるか、巳琥も注意深く観察し――。

「アーン・ドゥー・ヒャヒャー!!」

 一匹のコウモリが左前方の一組にコウモリを放った。
 目潰しではない――素体は前頭部を食い破られ、もう一機が迎撃すべく光熱線を浴びせかかる。
 あちらは援軍も見込めない状況で、孤軍奮闘中。|遊んでいる暇《デバフをかける余裕》はない。
「ようやく現れたか、オレ様をコケにした|小娘《クソガキ》よぉ! 怪人相手に“子供だまし”が通用すると思ったか!?」
 そう言って、コウモリプラグマは銃撃する素体めがけ、コウモリを放って一組を中破させる。
 ――瓜二つの|幼女《素体》を目の当たりにし、コウモリプラグマの表情はみるみると歪んでいく。
「なるほど、ご所望は“かくれんぼ”か? ……だったら、炙り出してやるよ!!」
 分厚いコンクリートを盾に出来た巳琥だが、周囲に広がる超音波にコンクリート全体が、素体達の体表が、衝撃に耐えきれず亀裂を走らせる。
 右前方の素体からも通信が入り、
「こちら|9番《ナイン》、遮へい物により損傷軽減。反撃を受けた|12番《トゥエルブ》、|11番《イレブン》は共に行動不能。広域攻撃で陣形ごと崩される恐れがあります」
 巳琥は聡い――先の通信機を用いた策も巧妙で、“|手札さえ揃えば役が通った《大人が居合わせたら騙し果せた》”だろう。
 だが、駆け引きするには、相手からチップを|奪いすぎた《・・・・・》。
 アジトは全壊。部下は全滅。工場地帯も全焼状態。

 戦況は、無線機よりも単純明快。|タマ《命》のとりあい。
 此方の予定は幹部怪人への断罪。彼方の予定は、|賠償補填《襲撃者の排除》と始末書の用意。
 相手が|最後のチップを賭けてきた《逃げも隠れもできない》以上――|真っ向勝負の時間だ《表へ出ろ》。

「……各機。衝撃に備えつつ、一斉射撃をもって援護するのです」
 巳琥はマルチツールガンを手に、随伴機を引き連れ、駆けだした。
 射程圏内へコウモリプラグマを捉えると、瓦礫で重い銃身を支え、
「遅くなりました。お土産を用意しないと失礼なのです――どうぞ召し上がれ」
 10体の素体から援護を受けながら、《対装甲侵食弾『ヴェノム・バレット』》を射出。
 着弾地点から噴き上がる、指向性ナノマシンが範囲内の素体を補強。
 コウモリプラグマの翼に付着したものは、無数の小さな風穴を空けていく。
「ヒャーッヒャヒャヒャヒャヒャ!! やっとお出ましか、替えのパンツが見つからなかったか? パンツは一人で履き替えられたか? チビりのヒーローじゃあカッコつかねぇもんなぁ!!?」
 ようやく巳琥本体が姿を現し、積もり積もった鬱憤をぶつけだすコウモリプラグマ。
 援護する素体ごと吹き飛ばさんと、広範囲に及ぶ超音波を放って、反応速度が落ちている巳琥と素体らを巻き込む。
 耳鳴りのような残響に、巳琥は微かに眉根を寄せる。
「例えがお下品なのです。それに、私はヒーローではありません――1人の兵士なのです」
 √ウォーゾーンには、当たり前のように存在するだろう。
 |平和な世界《√EDEN》を知ってしまった、|智謀に長ける策略家《あどけない女の子》は。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

カズヤ・サンタクロース・パインブック
森屋・巳琥(h02210)からのビーコンで支援要請を受けて
対魔物・魔獣仕様の『魔術武装ワゴンカー』で突撃する
可能ならば、敵を轢いたり吹き飛ばしたりする
公道における一般人相手に、このような事はしないが、このワゴンは、本来そういう用途のものだからな

車から降りて、状況を把握する
状況を判断した上で、足音を立てることなく《|ダッシュ《瞬歩》》で、敵との距離を詰める
※場合によっては【オートキラー】による反応
両の手に持った霊剣と詠唱錬成剣で《切り込み》
『隠し持った暗器』で、足元から《不意打ち》
敵のカウンターを警戒しつつ、距離を取る
《ダンス》を踊るかのような流れで、巳琥の行動に合わせて
連携する動きを取っていく

2振りの小太刀から衝撃波を発生させつつ、遠距離攻撃
「チッ。有効打には、成り得ないか……」
こちらの攻撃が、まるで効いていないと
忌々しそうな表情と共に、ひとりごちる
そんな《演技》をしながら、『削りダメージ』を積み重ねさせてもらう

【鳴神流・無間衝】にて、衝撃波を発生させて、敵に軽微なダメージを与え続ける
怪人の最期は、爆発と相場が決まっている。爆発オチなんかではなくな
何が起きたかわからないまま、爆発して死ぬがいい

【無意識の魅了】で、巳琥やシロエ&クロエが、行動不能にならないようにしておく

帰投する際に、クロエ&シロエ姉妹のWZをワゴンに格納
2人を回収して帰る
褒めて欲しそうなんで、撫でてやってからな
森屋・巳琥
●基本立ち回り
連携有(h00591)で再挑戦
こちらで派手に陽動し、協力者への警戒意識をこちらへヘイトを向けさせます
決め手を得て膠着を押し切り一気に決めたい所
戦いも終盤、私自身によるトドメには拘らないですが
これで決めに行きますよ。


・POW
陽動兼削り、能力のリスクは高くても最終段階に向けて出し切らねばなりません。
予知(選択肢)上、まだこのアプローチは掛けていない故に切り札がある。

というかこれ強奪したバス突っ込んできます?直撃は避けないと削りどころじゃないですね
仕掛けに対応する為にも隙が多い攻撃は避けたい所、被害2倍ですし
上げた4倍行動速内で対応し、どこまで削れるか、仕上げにかかってます。


・SPD
手札は全て出し、再度山札から使い回さざるを得ない…と思いました?
基本は同じでも今度は積極的に連携攻撃(別組み合わせ)を狙えるのが違い
この機会を逃さぬよう、相方の3割必殺に向け最後の一押しです。


●パフォ及びメタ
(協力は紹介兼ねて)ビーコンで支援要請してた体で。
戦闘後、私達の回収は亜双義さんお願いします。
茶治・レモン
他の方に頼ることもできます
でも僕は、僕の力であなたを倒したい
これはただの、“|子供《僕》”の意地です

敵が他の方に気を取られているうちに
『闇を這うモノ』を使用
これらを植物と呼ぶには、ちょっと納得がいかないんですが…
まぁ師匠がそう言っていたので、まぁ、はい
敵の移動手段を遮るように攻撃
移動する足へ、飛ぼうする羽へ、果てへ伸ばす視線へ、
どこまでも闇を絡ませて攻撃

動いてはいけないと言う制約は、
実際はなかなかにしんどいですね
ですが足を引くわけにも、倒れるわけにもいきません
僕、性格が悪いみたいなんです、すみません

僕は別に、正義のヒーローではありませんが
悪は倒されるべきもの、お約束でしょう?

●Game Set.
 |森屋《もりや》・|巳琥《みこ》(人間(√ウォーゾーン)の量産型WZ「ウォズ」・h02210)が、もきゅ毛玉のリムペットビーコンを瓦礫の隙間に押し込む。
(「WZは“パワードスーツ”なのです、私のWZをどなたかが運んでくれれば……それまでは」)
「物足りないですね、本気で遊んでくれてもいいのですよ?」
 コウモリプラグマを煽り、注意を引きつけようと試みる。
 度重なる“小細工”に苛立たせられていたのだ、聞き流せるものではない。
「チビって時間稼ぎしてるような|小娘《ガキ》が! デケぇ口裂いて真っ二つにしてやるよ、ヒャーッヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

「目移りしていてもいいのですか、僕も健在です!」
 |茶治《さじ》・レモン(魔女代行・h00071)は巳琥に注目が向いている隙に、《|闇を這うモノ《ナイトウォーカー》》を発動し、おぞましくうねる闇色の“植物”を創造。
(「植物というのは納得がいかない、というか、抵抗があるというか……そのように師匠が分類する以上、植物なのでしょう」)
 小さな穴が無数に開いた翼膜めがけ、蠢く植物が蔓状の枝葉を伸ばしていく。
「お遊びに付き合ってるほど暇じゃねぇんだよ、|大人《怪人》はよぉ……アーン・ドゥー・ヒャヒャー!!」
 コウモリプラグマもコウモリを創造し、それはレモンめがけて滑空する。
 当然、回避しようとその場を動けば、闇色の植物は消えてしまうだろう――義手で鋭い牙を受け止めながら、レモンは詠唱し続け、

 ――……オオオオォォォォォォォォォォンンンッッッ!!

 遠巻きに豪快なエンジン音とともに、瓦礫をはじいた反動で、車体を凹ませながら吶喊してくる武装ワゴンカーが一台。
「|パーティー会場《ビーコンの発信地点》はここですか、私も参加させて頂きますよ」
 魔術武装ワゴンカーを運転する、カズヤ・サンタクロース・パインブック(|アンフォーフィルリビドー《満たされることのない欲望》を抱く双剣士・h00591)は、巳琥のWZを車上に括り付けて現れたのだ。
 状況? 車外で確認するまでもない。
 まだ未熟な年頃の勇士が、悪の怪人に立ち向かっている――やるべきことは車中で認識した。
「ご注文のパワードスーツはここですよ、|持ち主《巳琥さん》は引き取ってくださいね!」
 ドリフト気味に車両を停車させるや、カズヤはコウモリプラグマに狙いを定め、運転席から飛びだす。
 そして、空間跳躍したかのごとく駆け上がり、瓦礫に立つ敵を|暗器《影業》の射程圏内へ捉えた。
「保護者ではありませんが、頑張る子供を応援するお兄さん登場です!」
 足元から伸び上がった影は大腿部に傷を残し、カズマはすかさず闇をまとって隠密状態に。
「あーーーー!! クソが、マジでクソっ!! 余計な仕事増やすんじゃねぇ!!?」
 隠れたカズヤを引きずり出そうと、超音波の広域攻撃を仕掛ける中、巳琥は再びWZに乗りこむ。

 収容完了。スリープモード解除。エンジン再始動。
(「カズマさんのおかげでWZが来ました。戦場の借りは、戦場で返すものです」)
「先ほどから探し方が荒いのです。荒っぽく探す、略して“荒探し”ですね。ワンパターンすぎると思いませんか?」
 後発のカズマより、巳琥は自身のほうが|ヘイト《不興》を向けられている自覚があった。
 当然、さんざっぱらコケにされてきたコウモリプラグマは、青筋を立てる。
「ガキだと思って、手ぇ抜くと思ったら大間違いだぞ……バラバラにして、串刺しの|BBQ《バーベキュー》にしてやらぁ!!」
 行動には結果が伴う。そして、巳琥は正しく|自身の結果《・・・・・》を理解していた。
 故にこそ、陽動役として、これ以上ないほど輝く。
「油断するとは思わないです。ですが、私の“覚悟”を過小評価しているのです。……高負荷リスク承認、限界のその先へ」
 《|過負荷機構解放《アプローブ・オーバーロード》》――真紅に輝くWZは決戦モードの証。
 移動速度が急上昇し、内部にかかる|G《加速圧》も、巳琥の幼い肉体に重くのしかかる。
 それでも、自身に視線誘導しようと果敢に攻め入り、コウモリプラグマに《対装甲侵食弾『ヴェノム・バレット』》をねじこみ、|飛沫《ナノマシン》で翼膜をボロきれに変えていく。
「かくれんぼの次は“鬼ごっこ”か、おあつらえ向きの|ブツ《・・》があるぜぇ!」
 どこからとももなくスイッチを取りだし、コウモリプラグマは握り締めた。
(「これは……直撃を避けないと」)
 嫌な予感を覚え、巳琥がは身構えた直後、側面から幼稚園バスが突っ込んできた。
 無人バスならと割り切り、車体に銃撃を浴びせて衝突を回避する。

(「レモンも支援したいが……せめて、巳琥と俺に視線誘導するか」)
 隠れている間に《|無意識の魅了《アンコンシャス・ファシネーション》》を発動し、巳琥とWZの快復を促す。
 そして、今度は二振りの小太刀を構えて、カズヤは《鳴神流・|無間衝《むげんしょう》》を浴びせかかる。
 衝撃波が翼膜を斬り落とし、コウモリらしい特徴は大きな耳と、口角から伸びる牙くらいか。
「フーッ、フーッ……クソ熱いし、胸クソ悪いし、クソみてぇな状況だ! 始末書の代筆でも許さねぇ、改造人間以下の“脳なし”にしてやらぁ!!」
 もはや高笑いする余裕も失せ、語彙のない罵倒ばかり口にするコウモリプラグマ。

 ――さて、|ここで一人《・・・・・》。
 忘れてはいないだろうか?

 巳琥の陽動は燦然と輝き、カズヤのかく乱によって――レモンの詠唱時間は|どれほど経った《・・・・・・・》だろうか?
 移動を封じる制約を受けていたが、それを補って余りある陽動。
 創造物は十数本にも増えていた。
(「お二人に任せきりで心苦しかったですが、ここで返上します!」)
「焦がれるは〝生〟への輝き、悦ぶは〝死〟への歪み――喰らい尽くせ」
 |玉手《ナイフ》を軍配のように掲げてから、レモンはコウモリプラグマを指し示す。
 十数とある闇色の植物は、傷だらけの蝙蝠怪人を足元から絡めとっていく。
「な、クソ、あの白いガキか!?」
「僕、性格が悪いみたいなんです。すみません。――でも、悪は倒されるべきもの。お約束でしょう?」
 絞めあげ、捻じりあげる植物に傷口が裂け、骨身も挽き潰されながら……コウモリプラグマは火の海に落ちていった。
「ク、ソ、ガァァ……――」

 大炎熱地獄に落ちては、ここで再浮上してくることも二度とないだろう。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

挿絵申請あり!

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挿絵イラスト