旧浜松市奪還作戦
●人類の生存圏
√ウォーゾーン。1998年に戦闘機械群ウォーゾーンを名乗る無人兵器群が突如として襲来し、瞬く間に人類の生存圏のほとんどを制圧した世界である。その人口を3割以下にまで減少させた人類は手段を選ばぬ反撃を開始し、またウォーゾーンたちもその後の作戦目標の相違から複数の派閥に分裂して抗争を開始。いつ終わるとも知れぬ泥沼の争いに突入した。
ウォーゾーンたちは人類の既存の都市を侵略、戦闘機械都市へと再構築していた。そのうちの1つが旧日本国静岡県浜松市である。もともと自動車を中心とする重機械工業が盛んで多数の工場を有している他、自衛隊の浜松基地を要していたことから、戦闘機械都市への改造も容易に完了していた。逆に言えば、この地は戦闘機械都市に改造こそされているものの、人類の生活にはさしたる影響がないことも意味している。
故に、人類側は旧浜松市の奪還が急務であった。この地を取り戻すことができれば、数々の工場や旧浜松基地に存在する多数の兵器を入手できる。戦力の大幅な増強が期待できるのだ。そして、この奪還作戦に投入されようとしているのが、√能力者たちであった。
●旧浜松市を奪還せよ
2024年12月、√EDEN世界。依頼の公示を受けて集まってきた√能力者たちの前に、1機のベルセルクマシンが姿を現した。ゾディアック・サインによる予知能力を保有する、星詠みと呼ばれる√能力者だ。そのベルセルクマシンはなぜか、手にハンドマイクを持っていた。発声能力は内蔵スピーカーがあるにもかかわらず、である。
「あーあー、もしもーし? √能力者の皆ー? 聞こえてるk」
そのベルセルクマシンが喋った瞬間、凄まじいハウリング音が発生した。集まった√能力者たちは顔をしかめる。大丈夫かこいつ、という思考が場を支配する中、当のベルセルクマシンはマイクを切って背後に放り捨てると再び話し始めた。
「あー、ごめんねー? マイクの調子が悪かったみたい。いいか、このまま話しちゃうね? 皆聞こえてるっぽいし。改めましてごきげんよう√能力者の諸君! ……織田信長です。って違うか、ギャハハハハハッ!!」
突然織田信長を名乗りだすベルセルクマシン。もちろんそんな名前ではない。本名ルシファー・アーク(裏切りの決戦兵器/アバウトに生きる機動兵器・h00351)。機械特有の真面目さを欠落させたと嘯く√能力者である。
「じゃ、今回の要件を説明するよー! 戦闘機械都市となった√ウォーゾーンの旧日本国静岡県浜松市に向かってちょうだいな! あそこ、|人類抹殺派《レリギオス・オーラム》のポンコツ共が陣取っててさ、そいつら追い出して人類側で有効活用してやろうってわけよ!」
旧浜松市は比較的山間部の天竜・浜北地区と市街地が広がる三方原・都田地区に大別される。天竜・浜北地区はすでに人類側の手に落ちているため、今回は南下して三方原・都田地区を奪還。旧浜松市の完全奪還を目指す構えだ。そこで、√能力者たちは東側から侵入。南下する人類軍側を陽動に、√能力者たちで一気に旧JR浜松駅周辺に陣取るウォーゾーン側戦力を叩くことになる。
「しっかし……ゾディアック・サインっていうのこれ。便利なもんだねぇ! ある程度未来がわかっちゃうんだから! こんなのあったら敵の作戦バレ放題じゃないのさ! あ、それで今回は人類軍とは別に、旧国道1号を使って東側から侵入してもらうけど、当然敵地だから警戒が凄いよ! こういうレギオンってドローン兵器がいっぱいいるんだってさ! 見たことあるかなー? 無い人は今この場でゆっくり覚えていってね! あ、踊り子には手を触れないでくださーい!」
自らの兵装であるレギオンを展開して見せるルシファー。1機1機は大したことはないのだが、補足されたが最後、四方八方から強烈な実弾・ビームの雨あられが飛んでくる。このレギオンを始めとする戦闘機械たちに見つからないように西進するのが作戦の第一段階となる。
「こいつら潜り抜けた先なんだけど、人類軍と君等の行軍スピード次第かなー。先に人類軍が攻め込んでれば多分このへん、昔大学だったとこのあたりで一息ついてると思うから、合流して挨拶してきて! もしそこまで行けてなかったら一旦北上してポンコツ連中を背後から挟撃しながら合流ね! 君等の行軍スピード次第になると思うから、ガラクタどものお掃除をしたかったらちゃっちゃと行軍しちゃってー!」
人類軍との合流ポイントは城北と呼ばれていた地域である。この付近は大学があり、人類軍が先に到着していればここを学徒兵達が拠点化していると考えられる。現場指揮官に挨拶しつつ、今後の戦闘に備えて軽く訓練や作戦の話し合いをしておくとよいだろう。逆に√能力者たちが先に到着している場合は街道を北上し、防衛ラインを崩して人類軍との合流を目指すことになる。
「んで、人類軍と合流したらいよいよ大掃除の時間だよ! 旧浜松駅に偉そうにふんぞり返ってるゼーロットって統率官を片付けてきて! |人類抹殺派《レリギオス・オーラム》のパッパラパーの中でも特大の粗大ゴミくらいの俗物だから、年末だしきっちりお掃除よろしくねー!」
ゼーロットは人類抹殺派閥であるレリギオス・オーラムの統率官のひとりで、人類側には全く興味を示さず内輪揉めと出世争いにのみ執心している。だが、仮にも統率官の一人をルシファーは「粗大ごみ」呼ばわりする。完全に舐めてかかっているが大丈夫だろうか、と集まった√能力者たちの中には首を傾げる者もいた。腐っても統率官のひとりなので相応の準備は必要かもしれない。
「はい、以上! そんじゃ、ポンコツ軍団を片付けて新居を確保と行こうじゃない! ギャハハハハハハッ!!」
ルシファーはゲラゲラ笑っていたが、ふとスイッチが切れたかのように笑うのをぴたっと止めると、身をかがめると声を潜めて不安そうに皆に尋ねる。
「……あのさ。普通この後何かしらのポータルが開くとかそういう展開になるはずだって聞いたんだけど。違うの? ……あれ、まさかそういうのなんも無いの? ……ここで解散して各自現地集合!? マジ?!」
聞いてた話と違うなぁ、落ち着かないなぁこれ! とまだ不安そうなルシファーをよそに、√能力者たちは各々出撃準備を始める。目指すは√ウォーゾーン世界の旧浜松市だ。
マスターより

どうも、バートレットです。
√EDENでは√ウォーゾーンが実家になりそうです。よろしくお願いいたします。
今回は旧浜松市を占領する戦闘機械群ウォーゾーンの軍勢との戦いとなります。人類軍の侵攻作戦に乗じて側面攻撃を仕掛けてください。ちなみに浜松市がわからなくとも、keyがかつて発売していた名作ADV「Planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」あたりをイメージしていただければなんとなく状況がつかめるかと思います。
第1章では旧国道1号を西に進んで旧浜松市へ侵入します。レギオンが多数浮遊しており、監視の目を掻い潜りながら移動することになります。ここでどれだけ時間をかけたかによって、その後の展開が変わります。第2章以降の動きについては断章で解説します。先の見えない√EDENならではのシナリオをお楽しみください。
OP公開後、第1章は即座に受付を開始いたします。プレイングの受付状況はタグかX(旧Twitter)にて告知します。また、諸注意はMSページからご確認いただければと思います。
それでは、皆様のアツいプレイングをお待ちしております!
28
第1章 冒険 『警戒網を突破せよ』

POW
覚悟を決めて突撃する
SPD
レーダーの死角や迂回路を探す
WIZ
ジャミングで敵の索敵機能を妨害する
√ウォーゾーン 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ジェネラルレギオンでもあるボクからすれば、レギオンの哨戒網は相手にならないね
√能力でこちらもレギオンを展開
哨戒網に紛れて辺りを索敵し、敵レギオンのソナーから逃れられる壁などの遮蔽物を用いて潜入
上手くレギオンコントローラーでレギオンを調律すれば、敵のレギオンをハッキングして哨戒網に穴を開けられるかもしれない
それを試みながら、ジェネラルレギオンとしてレギオン干渉の√能力を技術を用いながら浜松市を進んでいく
……前に、√EDENの浜松市を見た事があるけど、平和だったな
敵レギオンの哨戒網を抜けた後、ボソリと呟くのであった

レギオン蔓延る市街地を迅速に突破。
しかる後、友軍と共に戦闘機械を強襲し、統率官を撃破…ですね。
作戦了解しました!
レナ・マイヤー、任務を遂行します!
まず、レギオンを一体先行させて、敵のレギオンと接触させます。
無駄な情報を通信して時間を稼いでもらって、一体でいいので敵レギオンを私の支配下に。
味方に引き入れたレギオンから、情報を引き出します。
そうして手に入れた情報を元に、敵に見つからず進める最短経路を割り出しましょう!
【レギオンネットワーク】を使用して、レギオン達にも計算を手伝ってもらいます。
あと、周りに√能力者さんがいたら、そちらにも情報連繋しておきたいですね。
●ジェネラルレギオンの庭
「レギオン蔓延る市街地を迅速に突破。しかる後、友軍と共に戦闘機械を強襲し、統率官を撃破……ですね。作戦了解しました! レナ・マイヤー、任務を遂行します!」
割と大雑把なブリーフィングではあったものの、レナ・マイヤー(学徒動員兵・h00030)は律儀に内容を復唱してから現地に向かった。同行する 真紅・イサク(生きるとは何かを定義するモノ・h01287)と共に、早速行動を開始する。
「ジェネラルレギオンのボクらからすれば、レギオンの哨戒網は相手にならないね」
「とは言え後続の皆さんのためにも我々が上手く立ち回らないとですね。まずはこちらから1機出します」
「OK、こっちも準備しておく」
まずはレナのレギオンが1機先行し、哨戒中の敵レギオンと接触。レギオン同士の通信をわざと発生させ、ジャンク情報をやり取りして処理能力を落とす。たちまち哨戒中だった一帯のレギオン全体にジャンク情報が波及し始め、挙動が鈍り始めた。その隙に、イサクが動き出す。自身のレギオンを使って敵レギオンのコントロール権を書き換え始めたのだ。
今や、一帯を哨戒する敵レギオンは完全に√能力者たちの手に落ちていた。警戒網の巨大な穴が完成していたのだ。しかも、味方に引き入れられたレギオンはレナに対して情報を次々と渡し始めている。そう、警備が薄く最短で旧浜松市街へと進むルート情報の割り出しに成功してしまったのだ。
「レギオンが増えたから演算スピードも並列処理で早くなりますね。後はこの情報を後続の√能力者さんたちにも提供しましょうか」
「そうだね」
味方につけたレギオンを1機ずつ残し、ここから情報を引き出せるようにしておく。後は合流を目指すだけだ。レギオンたちに守られながら、2人は旧国道1号を通って旧市街への道を進む。
「√EDENのこのあたりは平和だったよ。ロードサイドにはお店も多くて。車もいっぱい走ってた。工業都市として栄えてたね」
「このあたりもかつてはそうだったんでしょうね。でも工業都市ってことは」
「あぁ、ウォーゾーンたちにとっても楽園みたいな場所なんだろう。ここを奪還すれば、ウォーゾーンの力を大きく削げるぞ」
かつての姿に思いを馳せつつ、奪還への決意を新たにする。ついに楔は打たれた。ジェネラルレギオン2人の力で、道は切り拓かれたのである。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

うーん……なんだか少し不安になるブリーフィングだったわね。
ま、いいわ。どの道、このエリートである私が参加する以上、作戦の成功は約束されてるんだもの!
トーニャ・メドベージェワ、カーヴェー……出撃するわよ!
エリートである私はこういう作戦の最適解もご存知よ。
つまり、最短距離を一気に突破!
時間をかけるよりも早々に突破して人類軍との合流ポイントを目指すわ。
エリートの私と違って弱々な人たちが多いに決まってるんだから。
先に露払いをしておいてあげないと心配でしょうがないもの!
私のカーヴェーは重装甲が自慢のウォーゾーン。
予め地図で最短ルートを探しておき、装甲に任せた突撃で一気にレギオンの警戒網を突破してあげる!

ジャパンか…
メシは美味いし女は美人だしで地上の楽園みたいな国だったらしいな
ま、今でも美人の一人二人は残ってるだろうさ
相棒(ゲイザー)のお友達がウジャウジャしてやがる
ちょっと行って話しを付けてこいよ
派閥が違う?
いっつも肝心なところで頼りにならない相棒だ
頼りになるのはやっぱこっちの相棒(シルバーアッシュ)か
小細工無しのフルアクセルで突っ切るさ
ゲイザーは無駄に多いその腕でしっかり捕まってろよ
俺みたいなイケメンがイカしたバイクで群衆の中を駆け抜けてたら当然モテモテだ
しつこいファンにはブラッドイーグルのマグナム弾をプレゼントだ
しかしこうも多くちゃ手が足りない
ゲイザーも少しは手伝えよ
ビームガンをくれてやれ

◆神威(h00553)連携◆
「やれるな、神威」
聞くまでも無かろうが。
「では、戦場を始めよう」
レギオンを広域展開。索敵特化で布陣し、敵との接触を避けて進行する。とは言え、無駄な時間はかけられん。戦線が薄い場所はレギオンと神威で強行突破だ。
「ジェネラルらしくやらせてもらおう」
武器らしい武器も無いのでな。私自身は戦闘にならないように立ち回る必要がある。その為の索敵でもある。レインで吹っ飛ばすのはまだ先だ。
「この程度の相手なら、多少強引に行くのもアリ……か?」
自分のレギオンは展開しつつ、余裕があれば敵のレギオンをハッキングで奪取する事も試みる。

◆レイリス(h00326)と連携◆
「作戦行動了解」
何かこの人、喋り方がザフィケル主任に似てるような? 性別違うけど。
面倒な事はレイリスに丸投げするよ! 索敵、ジャミング、ロック、ダッシュ、アタックよろしく! って訳にも行かないか。ダッシュとアタックはこっちの仕事だね!
「|殲滅実行《パーティタイム》」
神威の実力、見せちゃうもんね! あ、イラストとかまだだから分かり難いけど神威は戦闘機だから手も足も無いよ! VTOLっぽくホバリングは出来るけどね。正面の敵に機銃を撃ちまくってどっかーん! すれ違い様に電撃型ホーミングレーザ―を撃ち込んで一撃離脱で片付けるよ!
「指令達成、次の作戦行動を求む」

いやぁその、外から来ていただく皆様はホントありがとうございますホント助かりますぅ……!(現地民の せつじつな こえ!)
現地で踏ん張ってる皆さんの負担を下げる為にも、此処は急いで貰えると……!
急かしてるようで心苦しいんですけど、すみませんハイぃ
お願いするだけじゃ流石にアレですし、アテクシも一生懸命に頑張ります
アテクシ自身としては、レーダーの死角や迂回路を探して進む安全策を採ろうかと(SPD38)
とはいえ、他の皆さんが見つかっちゃってヤババとかあった際にはトッテオキを……決戦魔焔妖術を行使しますネ
指定地点=暴れてるレギオン群の中心辺りから半径10mをこう、ボーボーに燃やしちゃいますよって!

連携アドリブ歓迎
(心情)
(ちまっこいのがゾロゾロと、鬱陶しい)
(片端からブッ飛ばす。そいつが一番手っ取り早い)
(おれの装甲はウォーゾーン共も使ってる融合装甲、ちょっとした被弾は撃墜したドローンの残骸で補えばいい)
(パーティしようぜ、ポンコツ共)
キャタピラとブースターで加速するタンクモード
この形態なら走行しながら砲塔を回転させ砲撃できる
装甲を盾に、国道を一気に突っ切る
武装を得る為なら被弾も厭わない
そこらの鉄骨や瓦礫、撃墜した残骸を取り込みながら武装を形成、進行方向に展開しているドローン共にブチ込む
自身がドローンのヘイトを引き受ける事で、他の味方の突破を助けられないかと考えている
●穿つ者たち
「流石ね、先行するジェネラルレギオンの2人から早速最短ルートが共有されてきたわ。ブリーフィングがいい加減すぎて不安になったけど、お膳立てがここまで行われてるなら後は成功間違いなしね」
「ホントありがとうございますホント助かりますぅ……!」
トーニャ・メドベージェワ(誇りと勇気をその胸に・h00119)が先行する√能力者がコントロールしているレギオンから受け取った情報を共有すると、|丹野・脩里《たんの ゆうり》(|悪魔憑きの生ける骸《ディーモンホスト・デッドマン》・h00506)は切実な声を上げていた。
「現地で踏ん張ってる皆さんの負担を下げる為にも、此処は急いで貰えると……! 急かしてるようで心苦しいんですけど、すみませんハイぃ」
「無論だ。……しかし、こちらの|相棒《ゲイザー》の仲間かと思いきや『|派閥《通信プロトコル》が違う』ときたもんだ。肝心なところで役に立たん」
拝み倒す脩里に応えるラスティ・アンダーソン(通りすがりの何でも屋・h02473)は、「相棒」たるレギオンのゲイザーを肘で小突いた。ゲイザーが抗議するように突っかかってくるが、それを無視して近くにいる√能力者のレギオンが投影した地図を確認する。
「なるほど、この道ならアクセル全開で突破できるな。途中不整地を走るが問題はない。後は高低差があるためか、坂道が多い点には注意が必要か」
同行する他の面子を見回せば、いずれも強行突破に向いている者ばかり。となれば、最短ルートを一気に直進するだけでいい。不整地も楽々突破できるだろう。
「俺は小細工無しのフルアクセルで突っ切るさ。そのための|こっちの相棒《シルバーアッシュ》だ」
「やっぱり皆、エリートたる私と同じ結論にたどり着くわけね。最短ルートで一気に突破」
ラスティとトーニャが方針について意見を一致させる。それは他の√能力者たちも同様だった。物言わぬベルセルクマシン、 ビッグ・タイガー(〝ブッ放し屋〟・h02862)も同意見だとばかりにエンジンを唸らせる。
(ちまっこいのがゾロゾロと、鬱陶しいからな。片端からブッ飛ばす。そいつが一番手っ取り早い。気が合う連中と仕事ができて光栄だ)
ビッグ・タイガーの思考回路を走る意思を知ってか知らずか、タッグを組む2人の√能力者も戦闘準備を整え、進行方向を見据える。
「やれるな、神威。聞くまでも無かろうが」
「作戦行動了解」
√EDEN出身の吸血鬼、レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット(始祖の末裔たる戦場の支配者オーバーロード・h00326)と相棒の戦闘機型ベルセルクマシン、神威・参号機(元人類殲滅用神双槍・h00553)の2人である。進軍ルートを再度確認し、武装の展開準備を整えた。敵がいつ襲ってきても即応可能だ。
「み、みなさん豪胆と言うかなんというかぁ……と、とりあえずちょっと大回りしつつ援護しますねぇ」
他の全員が強行突破策を取る中、一人だけ彼らの支援のためやや迂回するルートに入る脩里。死角のカバーは必要と判断してのことだった。
かくして。√能力者たちは旧市街の合流ポイントへの道をひた走ることとなったのである。
◆◆◆
「さぁ、エリートであるこの私に道を開けなさい! この装甲は抜かせはしないわ!」
「──!」
凄まじい勢いで敵を蹴散らす重装甲のウォーゾーンとベルセルクマシン。トーニャのカーヴェーとビッグ・タイガーである。ブースターで凄まじい速度を出し、土煙を上げながら敵レギオンの猛攻を全て装甲で弾き返す2機。接近するものは全て跳ね飛ばし、遠巻きに攻撃してくるものはビッグ・タイガーの砲塔から放たれる榴弾によって吹き飛ばされる。
さらに、ビッグ・タイガーは跳ね飛ばした残骸や撃破した敵機を使って追加武装を形成。前方に展開するレギオンを撃墜する。急場しのぎの武装のためすぐに壊れるも、撃墜した残骸を取り込んで再び形成と、永久機関のように武装の形成を繰り返していた。
トーニャも負けてはいられない。高い精度での射撃と破壊力の高い突進を繰り返しながら、ビッグ・タイガーと競い合うように前進する。
「今陽動を仕掛けている人類軍はエリートの私と違って弱々な人たちが多いに決まってるんだから。先に露払いをしておいてあげないと心配でしょうがないもの!」
進軍するトーニャとビッグ・タイガーの後方から追い抜かんとばかりに疾走するのは、ラスティのライダー・ヴィークルであるシルバーアッシュだ。
「俺みたいなイケメンがイカしたバイクで群衆の中を駆け抜けてたら……当然モテモテだな」
徐々にその数を増やしてラスティを包囲しようとするレギオン達。だが、そのうちの1体が銃声と共に弾け飛び、地面を転がる。
「しつこいファンにはブラッドイーグルのマグナム弾をプレゼントだ」
硝煙を後に引きながら、大型の拳銃の早撃ちを披露したラスティ。だが、このままでは多勢に無勢だ。
「ゲイザーも少しは手伝えよ。ビームガンをくれてやれ」
多数あるマニピュレーターでバイクにしがみつくレギオンのゲイザーは、相棒の命じる声に従いビームガンを撃ち込む。銃声とビームが飛び交ってばたばたと墜ちていく中、不意にラスティたちの周辺が炎に包まれた。ばたばたと墜ちていく敵レギオンを見て、ラスティはおやおや、と少し離れた位置を確認する。
「援護に感謝する。意外と大胆だな、お嬢さん」
「そ、そそそそそそんなことないですぅ!」
その正体は決戦魔焔妖術を放った脩里だった。
「乗ってくか。ここから先はむしろ近道したほうが得策だ。しっかり捕まってろ」
「え、あ、それではお言葉に甘えて……うひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
半ばゲイザーに抱えられるように後部座席に乗せられた脩里は、ラスティの駆るシルバーアッシュのスピードに悲鳴を上げた。
「|殲滅実行《パーティタイム》」
さらにその後方では、神威が残敵を掃討しながら進路上の敵を強行突破。もとより戦線が薄い場所だが、レイリスがレギオンを展開して索敵を続ける。
「ビッグ・タイガーとカーヴェー、3時方向よりボギー接近中。数は3。ラスティ……今は脩里も一緒か、そちらには2時方向からボギー2機が接近中だ。ラスティ側の方が会敵時刻が早い。その敵を排除したら3km進め。そこから方位460に進路変更しろ。旧国道からやや横道にそれるぞ」
「カーヴェー了解! エリートに任せなさい!」
「ラスティ了解。お嬢さん、もうしばらく付き合ってもらうぞ」
「ひゃ、ひゃい! 囲まれてヤババになったらアテクシが燃やしますんで!」
レイリスがてきぱきと指示を出しつつ、√能力者たちはさらに前進する。進軍スピードが予想よりも速く、このまま進めば人類軍の援護に充分間に合うだろう、
「ならば……多少強引に行くのもアリ……か?」
「貴女は温存なさいな。この後の戦いでは貴女のレインが重要になってくるのだから」
独りごちるレイリスに対して、トーニャが指摘する。そう、合流ポイントにいる敵の数が多い以上、レインを持つレイリスは極めて重要な役割を持つ。広域制圧を可能にするのは彼女なのだから。
「指令達成、次の作戦行動を求む」
それに、直掩に神威がいる以上、今はまだレイリスは出張るときではない。
「……了解した。神威は引き続き私の直掩だ。降りかかる火の粉を払え」
「|指令了解《Roger that》」
√能力者たちは先へと進む。いよいよ、挟撃の見込みが強まった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

見つかっちゃいけない、遅くてもいけない……大変だけど何とかしよう。
──行こう、|影の騎士《シャドウナイト》。
(……それにしても、何だか面白いひとだったなあ)
冒険ではなく戦争だが、異世界とはいえ多くの人を助けるためなら仕方ない。
まずは多数のドローンの監視を掻い潜りながらの進軍。
慎重さと速度が求められる……難しいがやれるだけやるしかない。
【|見えざる従者《インビジブル・サーヴァント》】、起動。
不可視の小さな精霊たちを召喚して周囲に展開。ドローンに見つからないよう注意しつつ連中の行動や索敵範囲を観察。
建物などの物陰もなるべく利用しながら、見出した隙間を縫うように通り抜けていく。
焦らず急げ、だね……!
●影の騎士
(それにしても、何だか面白い人だったなぁ)
旧国道1号から遥か北側、大昔の鉄道による貨物輸送で使用されていたトンネルを潜り抜けながら、ブリーフィングの内容を繰り返し反芻する霧島・光希(ひとりと一騎の冒険少年・h01623)。護霊「影の騎士」と共に戦う中学生錬金騎士だ。
ここまでレギオンに見つかることなく行軍に成功している。見つかってもいけない、遅れてもいけない。この両立の達成は至難の業だが、他の猟兵がレギオンを奪ったり、陽動で注意を引き付けたりしてくれているおかげで、かなり楽になっていた。
「とはいえ、ここからはさらに監視の目が増えるみたいだ……行こう、|影の騎士《シャドウナイト》」
自身の護霊に声を掛けると、壁際に寄って身をかがめながら周囲の様子を伺う。浮遊しながらあたりにカメラセンサーの監視の目を光らせるレギオンの多さに辟易しそうになるが、よく観察すると全てをカバーしきれているわけではないようだ。
|見えざる従者《インビジブル・サーヴァント》を起動し、不可視の精霊を周囲に展開させて監視の穴を見極める。針の穴に糸を通すような難題だが、それでも監視の目を避けられるルートを見つけると、一目散に駆け出す。進んで、止まって、また進む。この繰り返しだ。
「もうすぐ合流地点だ……もう一踏ん張り!」
建物や打ち捨てられた機械兵器の残骸などの遮蔽物を利用しつつ、着実に目的地へ近づいているのを実感する光希。とは言え、気は緩めない。こういうときが一番怖いことを光希は知っている。油断なく周囲に気を配りながら、じわりじわりと合流地点への距離を詰めていくのだった。
🔵🔵🔵 大成功

アドリブ連携歓迎
■人物
ベテランヒーロー(ニッチ属性付)で空想された誰でもない人。一人だと一人称が複数形になる。
空想と現実で齟齬は出るがベテランヒーローとしての判断力や発想を持つ。
■欠落
往年の強さ(ここが現実な為)
自己同一性、統一した過去(創作なので不定形な為)
マスクはメカクレ
■心情
潜れる…
僕達には無理っぽいし、
いつもの様に囮になろう、
死ぬのも生き残るのも初めてでは無いし、
若い子の礎はやりがいがあるしね
■途中まで頑張って潜みました
僕の図体はではねぇ…
指定√で敵機の一部を現在の仕様から外す事で撹乱。
十年あれば電波やら色々規格も変わるからね?
受け流しで粘りつつ、足に着けた特装圧縮銃で蹴りや移動補助を
●時を進める
「もう少しかな」
巨海・重吾(虚構の巨人|【ゲイジークラフター】《食欲・面白トラブル巻き込まれ枠》・h02176)がたどり着いたのは合流ポイントの旧城北地区。大学跡周辺まで来てみたものの、まだ友軍と思われる姿はなかった。
途中までは頑張って隠密したものの、結局図体を理由に隠密はやめて堂々と姿を晒しながら行動する。
「まぁ、ここまでくればこっちのものか」
このあたりにまで来ると、レギオンもこちらにまで注意を向けられない。あからさまに別の方に注意が向いているのがわかっていた。おそらく北側から来る人類軍に対処するためリソースが持っていかれているに違いない。
「じゃ、ちょっと10年進めよっか」
レギオンの1体を10年進めて、「通信プロトコルに革新が起き、レギオンが平和利用されるようになった未来」を目指す。その結果、そのレギオンは周囲との通信を結果的に遮断されることになってしまった。重吾を見つけても周囲に伝えることもできず、さらに武装も排除されたレギオンは重吾に対してなすすべがない。
「後は北上しながら戦闘しているところに介入すればいいかな」
こうして、合流地点には√能力者たちが先に到達した。√能力者の次の方針は、北側から進軍する人類軍を南側から援護し、敵方の防衛線を一気に崩すことだ。
🔵🔵🔵 大成功
第2章 集団戦 『バトラクス』

POW
バトラクスキャノン
【爆破】属性の弾丸を射出する。着弾地点から半径レベルm内の敵には【砲弾】による通常の2倍ダメージを与え、味方には【戦闘情報の共有】による戦闘力強化を与える。
【爆破】属性の弾丸を射出する。着弾地点から半径レベルm内の敵には【砲弾】による通常の2倍ダメージを与え、味方には【戦闘情報の共有】による戦闘力強化を与える。
SPD
人間狂化爆弾
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【特殊化学兵器】を、同時にレベル個まで具現化できる。
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【特殊化学兵器】を、同時にレベル個まで具現化できる。
WIZ
スウィープマシーン
【機銃掃射】による牽制、【粘着弾】による捕縛、【突撃体当たり】による強撃の連続攻撃を与える。
【機銃掃射】による牽制、【粘着弾】による捕縛、【突撃体当たり】による強撃の連続攻撃を与える。
●旧浜松基地の戦い
当初の合流地点だった大学跡から北に4km進んだ先に、広大な滑走路が姿を現す。かつての浜松基地である。主にパイロット養成のための教導隊が所属する基地であったが、その一方で|早期警戒管制機《AWACS》の運用も行っており、空の守りの要として機能していた。
ウォーゾーンの侵攻に伴い放棄されたこの基地だが、人類軍の斥候による先行偵察によって、この基地が比較的基地機能が残っている状態であること、そしてAWACSが2機稼働状態で残っていたことを確認。この基地を奪還すれば、索敵や航空戦力の運用が可能になることが期待される。
旧浜松市奪還作戦の目的のひとつこそ、まさにこの旧浜松基地の奪還にあったのだ。そして、現在その最大の目的のひとつを達成するために、人類軍は猛攻を仕掛けている。
「行け! ここが正念場だ! 人類の栄光のために!」
「人類の栄光のために!」
人類の栄光のために、を合言葉に、学徒兵が前線で機械兵を屠っていく。戦闘工兵も基地奪還のための破壊工作を繰り返していた。だが、機械兵たちは物量と性能に物を言わせ、人類軍を押し返そうとしている。どちらも引く気配は全く見せず、戦闘は膠着状態に陥っていた。
「デッドマン部隊を前に出せ! 合図と共に再度攻勢をかける!」
「ベルセルクマシン部隊も前線へ投入しましょう!」
「却下だ、彼らは旧浜松駅攻略のための戦力であるが故に、ここでいたずらに損耗させるわけには!」
「しかし! このままでは総崩れになります!」
前線の指揮車内でも侃々諤々の議論が続く。
膠着状態の打破ができずにいる中、√能力者たちは南側から旧浜松基地へ到着した。敵の機械兵──バトラクスは√能力者に気づけないでいる。通信網が寸断されて√能力者の北上に気付けなかったのだ。
旧浜松基地攻略戦は、ここに新たな局面を迎えようとしていた。

バトラクス……決戦気象兵器「レイン」にとって、相性の良いウォーゾーンだね
バトラクスが密集している地点に向けてレインを展開
そのままレーザー光線でバトラクスを包み込むように300回攻撃を行っていく
そのまま、レイン・レギオンも展開
気象を操作するレギオンを使って更に暴風や落雷で攻撃して行こう
そう言ってバニラ……レインを組み込んでいないレギオンは人類軍の方に向け、無線を開く
こちらは√能力者の一人、真紅・イサク
ジェネラルレギオンの一人であり、レインメーカー……レギオンは、そちらの防衛支援に割く
人的資源の消耗は、抑えられるはずだ
そう言って無線を切ると同時、レギオンで人類軍と共に攻撃を開始していく

※SPD判定、何してもいいよ
この√には初めて顔を出したが…いやはやどこにでもいる只の私立探偵にはハードな世界だ
正直長居はしたくないが…このまま踵を返すのも性に合わないってもんだな
ちょいと出遅れたからおそらく他の能力者が戦いを始めている頃だろう。オレは基本サポートに徹するとしようか
√能力で視覚を共有し、死角から【不意打ち】をされないように味方をフォローしていこう
機を見て【援護射撃】【クイックドロウ】等も駆使しながら敵の機械兵を攻撃して回ろう
しかしまあ…サツバツとしてるね
こりゃあチビくんへのお土産は諦めた方がいいな

心情
(士気も高い、良い兵士達だ)
(此処でくたばらせる訳にはいかない)
行動
『よう、お待ちどう! 騎兵隊の到着だぜ!』
(お気に入りのラジオドラマから切り出した音声)
北側から攻める友軍を巻き込まないよう側面に回る
|二脚形態《スタンディングモード》へ変形
他の味方がこさえた敵機の残骸を掻き集めて装甲と融合、100基のキャノンを造る
ほぼ動けなくなる上、一基ごとの命中率もお粗末なモンだが、そいつは融合装甲の継戦能力による防御と、濃密な弾幕での面制圧でカバーだ
こんだけ威力を増してやれば、地面に当たった時に飛び散る瓦礫の殺傷力も底上げできるだろう
敵機がある程度固まってるところ目掛けてブッ放す

さすが√能力者さん、凄まじい突破力でした!
第一段階は無事クリアですね!
引き続き、目標達成の為に力を尽くしましょう!
まずはレギオンを散開させ、戦場の各所に配置。
センサーから地形や敵の情報を収集し、敵の行動パターンを分析します。
そして、【レギオンネットワーク】により情報を共有。
仲間が行動しやすいよう、情報面でサポートします。
情報の整理は|レギオン・リーダー《装備1》にも手伝ってもらいましょう。
ついでに、レギオンミサイルで敵の行動を妨害してもいいかもですね。
あと、隙を見て|レギオン・シューター《装備2》の砲撃で敵を撃破したりとか。
あ、私自身はあんまり戦えないので、適当な物陰に身を潜めておきます…
●奇襲開始
最初に仕掛けたのはイサクだった。レインメーカーでもある彼は、即座にレインを発動させ密集しているバトラクスに攻撃を集中する。加えて気象を操作し暴風や落雷を発生させることで、バトラクスの機能不全を狙う形だ。
「人的損耗は抑えられるはずだ……!」
イサクの攻撃は範囲が広いため、人類軍も察知可能なものだった。
「これは……援軍か?」
「この機を逃すな! 総員前進! 戦線を押し上げて旧浜松基地から機械共を叩き出す!」
バトラクスはじりじりと後退を始めるが、その行動パターンをじっと見つめる複数の目があった。レナが操るレギオンの監視網だ。
「西側、距離360の敵は後退に遅れが出ています! ここを突けば総崩れになるはず!」
《|Gotcha《了解》》
ラジオ音声の切り貼りで応答するのはビッグ・タイガー。レナの分析で得られた「穴」へと飛び込んでいく。
《よう、お待ちどう! 騎兵隊の到着だぜ!》
基準となる敵機の側面に回り込むと|二脚形態《スタンディングモード》へと変形を果たす。と、同時にお気に入りのラジオドラマの音声をスピーカーから流して味方に呼びかけることも忘れない。
「すでに残骸を作ってある! 存分に使え!」
イサクが予めレインを使って大量にばらまいた残骸を、ビッグ・タイガーがかき集めて再構成。√能力によって生成されたのはヘビー・ブラスター・キャノン。それも1基ではない。実にその数──100基。
「照準を補正します!」
レギオン・リーダーが整理した情報を渡すべく、レナはビッグ・タイガーと自身のレギオンをデータリンクさせる。この瞬間、ビッグ・タイガーの視界は大きく開けた。100のキャノンの砲口が正確に敵を捉える。
と、ここでバトラクスが動く。レギオンを操るレナやレインで甚大な被害をもたらすイサクなど、戦略的に重要なターゲットを狙う方向にシフトし始めたのだ。
「っ……レインを……」
「……いいや、自分の仕事に集中してくれて構わない」
鋭い銃声が2発響き、イサクとレナを狙う2機のバトラクスが沈黙する。
「……貴方は」
「同じく√能力者だ。これで出遅れてしまった分の挽回はできたかな」
サイボーグの|四二神《やつがみ》・銃真《ガンマ》(そいつの名前は死神ガンマ・h00545)である。
「どこにでもいる只の私立探偵にはハードな世界だ、特に戦場のど真ん中というのは荷が重すぎる。……が、このまま踵を返すのも性に合わない。援護させてもらおう」
「助かります!」
銃真も視界を共有可能なため、ビッグ・タイガーに振り向けて警戒が疎かになる分を補いつつ、自身も味方を狙う敵にターゲットを絞って攻撃を行うことで盤石な体勢を整えた。
《楽しいパーティはこの後すぐ!》
テーマパークのCMと番宣の音声を組み合わせたビッグ・タイガーの声。楽しいパーティ……即ち、それは。
「全員伏せてください! 人類軍の皆さんも!」
「……! 了解した!」
北側の人類軍と、南側の√能力者たちが全員伏せたところで、ビームの奔流が乱れ飛ぶ。次の瞬間、バトラクスたちは光の中に次々と飲み込まれていく。ビッグ・タイガーが展開したヘビー・ブラスター・キャノン100基による広域制圧だ。
人類軍の兵士たちが顔を上げると、周囲に展開していたバトラクスは大きく数を減らしていた。戦線が崩壊し、バトラクスはその勢いを減じて大きく後退している。
「よし、さらに前進だ! 機械兵を圧殺し、一気に制圧する!」
「人類の栄光のために!」
「人類の栄光のために!」
俄然勢いづく人類軍。√能力者たった3人と1機によって戦場の趨勢は一気に変わる。
「いやはや……殺伐としてるな。こりゃあチビくんへのお土産は諦めた方がいいか」
「人類は追い詰められているからね」
やれやれ、と頭を振る銃真に、イサクは肩をすくめて見せる。と、ビッグ・タイガーが寄ってきてCM音声を流す。
《できたてのポップコーンはいかが?》
「……遠慮しておこう」
ビッグ・タイガーが指し示す先は粉微塵になったバトラクス。戦場流のブラックジョークに、銃真は苦笑いを返すしか無かった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

ま、間に合いましたぁ!第一段階はクリアですね、良かったですハイ
此処に集まっていただいた皆さんのおかげです、本当にありがとうございますぅ……!
そしたら次は挟撃ですね、後ろから襲ってそのまま平らげちゃいましょう!
さて、先だって下僕焔魔を招集しておいたんですけど……投入するなら此処だろうなーと
下僕焔魔は【招集者と同様の魔焔系攻撃を備えて】居ます
で、アテクシが備えていて且つこれから使うのは……先も使った決戦魔焔妖術です
先は進行に邪魔だった分を焼き払うのみで良かったのもあってシングル運用でしたけど、今度は本格的に打撃を与えることを主眼に置きます。だからこのタイミングで増員増幅放火をする必要があったんですね
しかもコレの良い所は味方を巻き込まないトコ!あくまで範囲内の敵性存在だけを追っかけて焼いていくので、殲滅力・使い勝手共にヨシ!です
さて、皆さんお待たせしました。
基地奪還、張り切っていきましょー!此処はしっかり勝っていくべきトコですからハイ!

基地奪還とは燃えますね! ここに至るまでいろんな犠牲もあったことでしょう、皆さんに報いる為にもあたしも微力ながら力をお貸しさせていただきますね!
対WZ駆逐戦闘車両に乗り込んで戦いますね!略して戦車で構いません!
√能力の榴弾を撃ちこんで火力支援をしますね!爆発で敵を蹴散らしつつ、発砲音で学徒兵さんや工兵さんを勇気づけたいと思います!
もちろん発砲音で敵に位置がばれるかなと思いますので、いくらか榴弾を撃ったら建物の陰に隠れて待ち伏せして、探しにきた敵を仕留める戦術にシフトします!
みなさん、よろしくお願い致します!
●殲滅戦
「第一段階はクリアですね、良かったですハイ……此処に集まっていただいた皆さんのおかげです、本当にありがとうございますぅ……!」
ぺこぺこと頭を下げる脩里を見て、後から合流してきた千頭・ハシバミ割り・ミリヤ(Tènkist戦車兵・h03930)がニッコリと笑う。
「ここに至るまでいろんな犠牲もあったことでしょう。でも、ここからが本番ですからね。皆さんに報いる為にもあたしも微力ながら力をお貸しさせていただきますね!」
最初に動いたのはミリヤの戦車である。榴弾を一斉に撃ち込み、敵の包囲に穴を開ける。もちろん砲撃音は敵にとって脅威度が高いと判断され、すぐさま包囲されてしまうが、そこは織り込み済み。榴弾を撃ち尽くせば、後は後退して残骸の影に潜みやり過ごす。
その隙に脩里が準備を整えていた。先だって招集者と同様の魔焔系攻撃を備えている下僕焔魔を招集しておいてあったのだ。そう、脩里が備えていて且つこれから使うのは……先も使った決戦魔焔妖術である。
道中は進行に邪魔だった分を焼き払うのみで良かったのもあり、シングル運用としていた。しかしながら、今回は基地攻略戦。本格的に打撃を与えることを主眼に置く。故にこのタイミングで放つのが増員増幅放火である。
「しかもコレの良い所は味方を巻き込まないトコ! あくまで範囲内の敵性存在だけを追っかけて焼いていくので、殲滅力・使い勝手共にヨシ! です! さぁ、火あぶりの時間ですよぉ!」
先の砲撃に対して反撃しようと敵が集まっていたのも幸いした。範囲を容易に絞り込むことができたからである。突如バトラクスは炎に焼かれ、業火の中で機能を停止させていったのであった。
●戦果
浜松基地からバトラクスは撤退した。ここで手にしたのは、レーダーを備えるAWACSと滑走路、そして大小さまざまな格納庫である。また、管制塔も手に入り、レーダーをアップグレードすればすぐに使えそうだ。
√能力者たちは一旦補給を行い、人類軍と情報交換を行う。それによれば、人類軍側には特段目立った損害はなく、旧浜松駅攻略戦にも問題なく参加可能とのことだった。この後の流れは、浜松基地から出撃して南下し、旧浜松駅へと到達。敵の指揮官である人類抹殺派閥であるレリギオス・オーラムの統率官、ゼーロットを叩くことになる。人類側には全く興味を示さず内輪揉めと出世争いにのみ執心しているが、それでも強大な実力の持ち主だ。事実として、現在保有している人類軍側の戦力では太刀打ちができなかった。
しかし、浜松基地攻略戦によってレーダーを確保した人類軍は、死角からの攻撃が可能となった。これにより、人類軍による奇襲が可能となる。
3日間の補給の後、√能力者を伴い人類軍は南下した。途中でいくらかの会敵があったものの、レーダーによる索敵を得た人類軍と√能力者たちに敵はなく、旧浜松駅までの道のりは比較的スムーズに行軍することができたと言えよう。
「さて、皆さんいよいよ本番ですね。旧浜松市奪還、張り切っていきましょー! 此処はしっかり勝っていくべきトコですからハイ!」
「皆さんに報いる為にもあたしも微力ながら力をお貸しさせていただきますね! 発砲音で学徒兵さんや工兵さんを勇気づけたいと思います!」
いよいよ、決戦の刻が近づく。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『統率官『ゼーロット』』

POW
マルチプライクラフター
自身のレベルに等しい「価値」を持つ【新兵装】を創造する。これの所有者は全ての技能が価値レベル上昇するが、技能を使う度に13%の確率で[新兵装]が消滅し、【爆発】によるダメージを受ける。
自身のレベルに等しい「価値」を持つ【新兵装】を創造する。これの所有者は全ての技能が価値レベル上昇するが、技能を使う度に13%の確率で[新兵装]が消滅し、【爆発】によるダメージを受ける。
SPD
スマッシュビーム
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【腹部から発射されるビーム光線】で300回攻撃する。
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【腹部から発射されるビーム光線】で300回攻撃する。
WIZ
リモデリング・フィンガー
視界内のインビジブル(どこにでもいる)と自分の位置を入れ替える。入れ替わったインビジブルは10秒間【放電】状態となり、触れた対象にダメージを与える。
視界内のインビジブル(どこにでもいる)と自分の位置を入れ替える。入れ替わったインビジブルは10秒間【放電】状態となり、触れた対象にダメージを与える。
●Tyranny
「人類軍、浜松駅総司令部へと接近中! 鹿谷町防衛線、鍛冶町防衛線突破されました! 磐田、湖西に配備していた戦力も浜松に撤退させていますが間に合いません!」
「浜松基地の奪取を許したばかりか、その後の南下までも許しただと!? 我が軍には無能しかいないのか!」
破竹の勢いで進軍する√能力者と人類軍。その電撃的な侵攻速度によって|人類抹殺派閥《レリギオス・オーラム》側は苦境に立たされていた。浜松に駐屯する統率官のゼーロットはここまでの苦境に追い込まれた原因を味方側の無能が招いたと断じ、怒りで声を荒げる。
この浜松市という拠点は人類抹殺派閥にとっても極めて重要な拠点の1つであった。政治的な暗闘の末に統率官の地位に上り詰めたゼーロットは、同派閥内部のライバルや他派閥の有象無象を蹴落とし、いずれは自分を頂点に戴く人類抹殺派閥がウォーゾーンを主導するという野望のもと行動していた。それが、今。見下していたか弱き生肉たちに見事に反撃されている。
「無能な味方も! 忌々しい生肉共も! 私の道を阻むものは皆等しく排除してくれる!」
「統率官自ら出撃されるのですか!?」
抗議のために立ち上がった側近の機械兵は、次の瞬間ゼーロットに撃ち抜かれて機能を停止する。
「言ったはずだ、私の道を阻むものは排除すると。私自らが出撃して規範を示してくれる」
残された機械兵たちは黙ってゼーロットのために道を開けるしか無かった。
●旧JR浜松駅前の戦い
旧JR浜松駅、北口。√能力者たちと人類軍は旧駅ビルから飛び出してきた1機の人型機動兵器と対峙する。彼こそが統率官ゼーロット。|人類抹殺派閥《レリギオス・オーラム》の統率官の一人であり、浜松占領軍の総司令官である。
「惰弱な生肉共に我ら|人類抹殺派閥《レリギオス・オーラム》の崇高なる目的……全生命体の駆逐による地球の|完全機械《インテグラル・アニムス》化は理解できんだろう。ここまでの侵攻を許した無能共々、機械化の贄となるがいい!」
大音声で人類軍や√能力者を威嚇する統率官の号令一下、機械兵達が前進する。が、これを阻むのは人類軍側のベルセルクマシン部隊だ。
「ようやく我らの出番ですか。散っていった同胞のためにもここは押し通らせていただきます。それに……我々の『本来の人格』共々、ゼーロットに対する評価は共通していますからね。政治闘争に明け暮れてばかりの無能。統率官にまで至ったのは奇跡の産物と考えています」
「裏切り者共が……!!」
ベルセルクマシン部隊の隊長による辛辣な評価、そしてかつての同胞に容赦なく銃を向けられる現実に、ゼーロットは絞り出すような声を上げる。その一方で、√能力者と人類軍宛に通信が届いた。
《こちら浜松基地AWACS! 人類軍、及び√能力者の各員に告ぐ! 浜松駅周辺はかつての侵攻時に集中的に爆撃を食らっている! 特に北口ロータリー付近は不発弾の宝庫だ! さらに第二次大戦時の本土空襲で投下された分の不発弾も機械どもが侵攻してきたせいで処理が不十分なままたんまり残ってる状況だ! そこに誘い込んで奴に上手いこと信管作動に持ち込ませれば大ダメージが狙える! 巻き込まれるなよ!》
浜松基地の確保に成功したことで、駐機されているAWACS「E-767」の改良に成功。地中に存在する爆発物を探知できるほどの強力な対地レーダーを手に入れたのである。AWACSからの情報により、不発弾がどこにあるかが大まかに特定可能となった。あとは信管さえ上手く作動できれば、不発弾の爆発で効果的にゼーロットを倒すことができるだろう。
敵の直掩部隊はベルセルクマシン部隊が抑え込んでいる。√能力者たちは、本丸であるゼーロットを叩くための策を実行に移し始めた。

「敵からも味方からも嫌われてそうだな、あいつ」
機械だろうが人だろうが、指揮官には人望が必要だと思うんだけどな……
不発弾地帯への誘導を意識しながら戦闘
距離がある内はレーザー射撃+弾道計算で顔(?)にレーザーを撃って気を引きながら逃げる
距離が近付いた上で攻撃されたら√能力先手必勝で斧を叩き付けて身を隠す
以降は身を隠した状態からの暗殺や、物陰からの射撃で嫌がらせのように攻撃
冷静さを奪いながら少しずつ不発弾地帯に近付くように誘導していく
誘導できたら電磁ブレードで動きを止めて信管作動を待つよ
誘導が上手くいかなくても焦らない
味方に上手い誘導案があるなら協力
※アドリブ、連携歓迎です

さて、ボクの本領を発揮させよう……ゼーロット、これがリュクルゴスやドクトル・ランページであったらもっと気を引き締めないといけないが……キミだからね
そう言ってゼーロットの自尊心を傷つけ冷静さを奪い、まずは蜃気楼を発生
それを光学的な分身として操作し、そのままレーザーと熱風で殲滅攻撃を開始
ほらほら、このままだとまたリュクルゴスやランページから呆れの目線が向けられるよ?
熱風を吹き付けて機体を赤熱化させた直後、ゼーロットの周囲の気温を一気に-40℃を下回る極低温へ
これがレインメーカーを搭載したベルセルクマシンの戦闘能力だ
そうしてゼーロットを不発弾がある地点へ蜃気楼の分身を用いて誘導していく――

√能力者達の快進撃に出遅れたものの、統率官ゼーロットとの戦いに臨む。
知らされた不発弾の情報は……狙ってみる価値はあるだろうか。
【|幻影球《ファントムスフィア》】、起動。
足を止めれば……距離を詰めてくるかな? なら「反射」だ。僕達に近寄らせない、弾き飛ばしてやる。
攪乱するつもりか? それじゃあ「目潰し」だ。ぼくも似たような√能力を使うから想像できる……見えないなら、それは使えないだろう?
「目潰し」でやつの動きを制限しながら、合間に「攻撃」。幻影球を叩きつけて、不発弾だらけの地点へとやつを追いやっていく。
あとは上手く巻き込める位置にやつが来れば……
不発弾に「物品修理」。信管作動、ぶっ飛ばせ……!

第二段階もつつがなくクリアですね!
飛び出してきた統率官を倒せば任務達成です!
最後まで、気を引き締めていきましょう!
さて、私は引き続き【レギオンネットワーク】で仲間のサポートです。
戦場に撒いたレギオンのセンサーをフル活用し、周辺を探査。
不発弾の座標を特定し、地形と共に仲間に伝達します。
なるべくなら遮蔽物の陰に隠れさせて、攻撃が当たらないように。
…こうも乱射されると、被害は避けられなさそうですが!
むしろ、やられて敵を調子づかせた方が、罠に嵌めやすいですかね?
なんにせよ、レギオンを連れてロータリーに逃げ込み敵を誘導。
折を見てレギオン・グレネディアに爆弾を投下してもらい、不発弾もろとも敵を爆破です!
●炎と硝煙に包まれるロータリー
「おいおい……敵からも味方からも嫌われてそうだな、あいつ」
クラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)は呆れていた。ゼーロットのあまりにも身勝手な行動は目に余る。
「これがリュクルゴスやドクトル・ランページであったらもっと気を引き締めないといけないが……アレだからね。しょうがない」
イサクも肩をすくめてみせる。その態度を侮りと取ったか、ゼーロットはターゲットを√能力者たちに定めた。
「黙っていればベラベラと! その侮り、確実に後悔させてくれるわ!」
腹部から拡散ビームを乱射し、手数で圧倒して葬ろうとするゼーロット。
「っ……こうも乱射されると!」
思わず遮蔽物の影に隠れたレナ。絶え間ない攻撃は、流石は統率感に至るだけの実力があると思い知らされる。だが、その性格は指揮官を張るにはやや不適格な部分もあることは容易に推察できるものでもあった。
「ちっ……どうする!?」
同じくクラウスが物陰に隠れて腹部拡散ビーム砲の乱射をやり過ごしつつ、物陰から頭部目掛けてレーザーを撃つ。頭部のカメラセンサーに対して目眩まし効果を期待してのことだ。だが、効果は薄い。ゼーロットの腹部拡散ビーム砲は遠くまで届く散弾のようなもので、集弾性能を捨てることで驚異的な面制圧力を実現しているのだ。
「むしろ、やられて敵を調子づかせた方が、罠に嵌めやすいですかね?」
「それなら僕に考えがある! イサク、手伝えるか?」
「OK、タイミングは任せるよ!」
ここで動いたのは光希とイサクだ。まず、光希が|幻影球《ファントム・スフィア》を起動。クラウスの試みる目眩ましを援護するが、それだけには留まらない。
「くっ、やはり近寄らねば話にならぬか!」
「こっちだ!!」
イサクが声を上げると、そこには√能力者たちの姿が見えた。移動しているように見える。
「そこか!! 待っておれ、今蜂の巣にしてくれる!」
ゼーロットは√能力者たちを追撃する。と、その時。
「隙あり!」
死角からハンドアックスが突如叩きつけられる。クラウスだった。だが、ゼーロットは混乱する。さっき追撃した中にクラウスはいるはずだった。しかし、今不意打ちをしたのは間違いなくクラウス。一体どういうことかとセンサーを切り替えながら探知するも、クラウスは再び姿をくらました。
「上手く行ったね」
「奴さん、大混乱してるな。冷静になれば気づけるもんだが」
「あぁ。|幻影球《ファントム・スフィア》はその特性上、|移動すれば消える《・・・・・・・・》。なのに残っているということは、さっき移動した僕はニセモノということになる」
「であれば、今追撃しているのがイサクが生み出した蜃気楼であることは容易に推察できただろうに」
ゼーロットは見事に、彼らの策略に嵌まってしまったのである。
「レギオン配置完了しました。幻影球と連動して仕掛けますね」
「AWACS、聞こえるか。不発弾密集地帯にヤツが侵入する予想時刻をくれ」
《こちらAWACS。彼我の距離は10m、あとおよそ30秒だ》
「レギオンでも裏が取れてます。おそらく威力を最大化できるかと!」
光希の要請に応えるAWACSの通信を聞いて、レナはレギオンを向かわせた。蜃気楼をそのまま追い続けるゼーロット。幻影球やレギオンは散発的にゼーロットに攻撃を浴びせながら、ついにゼーロットは目標のポイントにたどり着いた。バスの残骸が残るロータリーの内周部分。その下には大量の不発弾が存在する。
「今です!」
「よーし、そこを動くな!」
レナの声と共に弾かれるように飛び出したクラウスが電磁ブレードを突き立ててすぐに離脱。全身に高圧電流が流れ、アクチュエータが機能不全に陥り動きを止めるゼーロット。さらにイサクがマイナス40度もの低温環境をゼーロットのいる位置のみに作り出す。電子回路の集積体である機械は「低温」と「高圧電流」に弱い。ゼーロットも例外ではなく、動きを止めて膝をついた。
「な……これ……は……!?」
「レギオン・グレネディア、爆弾投下開始!」
「物品修理を『信管』へ! さぁ、ぶっとべ……!」
レナのレギオン・グレネディアが空爆を始めると共に、光希の幻影球が不発弾の信管を修復する。不発弾の止まっていた時が動き出し、盛大な土煙とともに火柱を上げた。
天と地が爆発したようだった。その狭間にゼーロットがいる。動きを止められたさなかに発生した爆炎の中に、ゼーロットは飲み込まれた。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

アドリブ連携歓迎
◼️現在位置
一度ヒーローヴィークル(業態キッチンカー)を取りに戻り。
ゼーロット氏と接敵のタイミングを計りつつ、
人類軍の皆さんに手製レーション(空想の自衛隊風浜松餃子弁当)を振る舞いつつしっかり自分も軽く(当社比)戦闘前の補給をしています
◼️武装・ゲイジークラフター
基本は徒手空拳と相手より優位な体格を生かした肉弾系ヒーロー
空想未来製インナーの収容力により一見サイボーグのようにも見える武装を内蔵出来る。
(例)普通に腕から物理タワーシールドが出せるが、
重量と重心の問題で足のゲイジーシューター以外は大体サポート用射出機構で受け取りながら戦う
◼️心情
…生肉ってフレッシュな表現だね。
でも、機械化帝国みたいなのっても少し生臭くないと思うな
◼️パイルバンカー(浪漫)
世界を変える歌で主役(民衆)を鼓舞しながら。
自分用カタパルトを展開、√能力で変身してデカイゴツイ重い三拍子揃った僕を射出。
相手の目算は体積が変わる僕の性で所見殺し出来るし。
ゲイジーシューターで軌道補正と更に加速。
人は星に成れる
●星になった男
「おのれ……不発弾を利用するとは生肉の分際で小癪な真似を……!」
ゼーロットは怒りに任せて立ち上がる。瓦礫を払い除け、再び機械の脚部で大地を踏みしめた。流石は統率官、耐久力は折り紙付きと行ったところか。
「よく|人類抹殺派《レリギオス・オーラム》の人たちは人類のことを『生肉』呼ばわりするけど、フレッシュな表現だよねぇ。機械化帝国みたいなのからすれば生臭そうなんだろうけども」
ここまでの行軍で、人類軍相手に自前のキッチンカーを引いて手製の|戦闘糧食《レーション》を振る舞いながら兵站担当として働いていた重吾。相対するゼーロットが吐く言葉には肩をすくめて見せる。当然自分も戦闘前に補給はしっかりと済ませてある。
「不完全な生肉共を滅ぼし、|完全機械《インテグラル・アニムス》へと至る。この崇高な目的がなぜ理解できん!」
戦況はすでにウォーゾーン側にとっては覆しようも無いほどに最悪であった。直掩部隊はベルセルクマシンを中核とした機甲部隊の前に戦線を崩壊させ、縮小の一途を辿っている。援軍も間に合わないだろう。重吾は世界を変える歌を披露して人類軍を鼓舞し、最後の詰めの支援をしていた。
「雑音を……!」
「歌はいいもんだよ。それが理解できないのはもったいない性格してるよね」
「……!?」
横槍を入れようとするゼーロットは、重吾の皮肉に再度言い返そうとして、次の瞬間驚愕のあまり言葉が出なかった。
タワーシールドを構えた重吾の体躯が凄まじいスピードで飛んできたのである。
「ごあぁぁぁっ!?」
「教えてあげよう。人は星に成れる」
その正体は自分用カタパルトによる自身の射出であった。突然のことに、ゼーロットは転移を間に合わせることができない。なんとか受け切ろうと思っても、軌道を読み切ることができなかった。なぜならば重吾の体積はその特性上、「絶えず変化を続けていた」からである。
「き……貴様のようなファジーな存在……危険すぎる……!」
「曖昧さは許容したほうが良いと思うけどね」
大地に叩きつけられながら、ゼーロットはなすすべなく重吾を睨みつけるのみであった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【アドリブ・連携歓迎】
【エリートはあくまで自称】
ふふん、ここまでは無事に作戦も成功って感じね!
エリートの私がダメ押しで最後まで完全成功させちゃうんだから!
あのタイプの敵はあんまり評価されてないようだけど、そんな相手でも油断しないのがエリートの証
不発弾のとこに誘い込むためにもそれに気づかせないようにしないとね、攻撃の手を緩めて怪しまれたら大変だもの
と、ゆーことでぇ……たっぷりと攻撃を撃ち込んであげて注意を引くわよ、エリートらしくね!
榴弾砲を撃ち込んでからの、全武装の【一斉射撃】をお見舞いよ!
これだけ撃ち込めば、気を引くには十分でしょ……ま、エリートの私はこのまま倒しちゃうかもだけど!
●エリートの資格
「ふふん、ここまでは無事に作戦も成功って感じね! エリートの私がダメ押しで最後まで完全成功させちゃうんだから!」
トーニャのカーヴェーが最後のひと押しをすべく、動き出す。その言葉に聞き捨てならないとばかりに、ゼーロットが最後の力を総動員してカーヴェーを迎撃する。
「生肉風情の癖にエリートを名乗るなど……! 真のエリートは私のことだ!」
「真のエリート? バカね。貴方は相手を侮った。生肉風情、って言葉がその証。私はね……たとえどんな相手でも相手を決して侮らないし油断もしない。それがエリートの証。知ってる? 『獅子は兎を狩るにも全力を尽くす』という言葉を!」
その言葉通り、カーヴェーに搭載されている全ての火器を一斉射することで、ゼーロットを確実に追い詰めていく。ゼーロットは新たに作り出したスラスターを展開し、引き撃ちをしながら逃れようとする。
(逃げる? それなら……!)
迎撃のため接近してくると読んでいたトーニャは、逆に撃ち込みながら相手を追い込むことにした。AWACSや他の√能力者から連携された不発弾密集地帯のひとつに追い込む。
「馬鹿な、この私が……この私が……!!」
「現実を知りなさい。真のエリートはこの私であると!」
最後のダメ押しとばかりに全武装から吐き出される弾丸や榴弾の雨を降らせる。その振動が地下の不発弾の信管を作動させ、さらに当たりどころが悪かったのか、増設したスラスターに被弾し爆発させる。
ゼーロットは絶え間なく発生する爆発の中でついにその身を散らせる。統率官であるゼーロットが撃破されたことで、ついに指揮系統が壊滅した浜松のウォーゾーンたちは当地を放棄。残敵の掃討に移った人類軍の追撃をかわしながら各自撤退戦を開始する。
人類はついにかつての日本国における政令指定都市のひとつであった、旧浜松市を完全に奪還することに成功した。ここに人類の反攻の狼煙が、確かに上がったのである。
🔵🔵🔵 大成功