2
お嬢様のグルメなわがまま
●
「パティシエになりたいんですの」
金髪の縦ロールくるくるした見るからにお嬢様という少女が、ドレスの裾を翻して歩き出す。
「お嬢様、だからと言って材料まで取りに行くのは」
「そうです、ダンジョンの近くは大変危険です!」
メイドさんや執事さんらしき人がお嬢様を止めようと言葉を尽くす。だが、お嬢様は譲らない。
「パティシエなら、素材を追求してこそ一流ですわ!」
「お嬢様ー!」
●
「甘いものは正義だけど、危険なことはよくないのね。ひなもわかるの」
うんうん、と頷きながら星詠みの春日・陽菜(h00131)が言う。
「でも、熱意は買うのよ。だから、√ドラゴンファンタジーのお嬢様を助けてきてほしいの」
ひなが言うには、お嬢様の名前はエイミー。金髪縦ロール、ふわふわドレスのいかにもなお嬢様だと言う。
「まずはね、お嬢様が出したクエスト……牛乳持ってきてとか、よい卵選んでとか、お砂糖は上白糖!とかお菓子つくりの材料を街で揃えてもらいたいの」
√ドラゴンファンタジーは幸いにして食料に困っている√ではない。その辺にコンビニもあるし、お菓子だって一通り揃っているくらいだ。
「でもね、パティシエになりたいお嬢様なのよ。普通の牛乳じゃ見向きもしないの。だからね、普通の牛乳になにか、こう、すっごいこと付けてもらいたいの。例えばね……うーん、この牛乳は千頭いる牛の中で一番美人さんな牛から取れましたー!とか」
箔をつければ勝ちらしい。
お菓子作りの材料は無難なものが一通り揃えば大丈夫だと言う。
「材料が揃う時間によって、その後の未来は変わってくるのよ。待ちきれず出かけてしまったお嬢様を探すか、お嬢様の無理難題をさらに聞くか」
どちらにしても、最後はダンジョンに入らなければいけないらしい。
「ダンジョンの奥にね、伝説の『パフェ』の資料を持った敵がいるのね……伝説のパフェ……じゅるり」
陽菜は慌ててよだれを拭う。あぶないあぶない。
「お嬢様は一流のパティシエさんになるため、その伝説のパフェも狙っているの。だから、お嬢様がダンジョンに行ってうっかりモンスターになっちゃったりしないように、助けてあげてほしいのね」
陽菜はうんうん、と頷くとぺこりと頭を下げた。
「お嬢様のこと、お願いしますなのよ。助けてあげてなの」
これまでのお話
マスターより
小夜橋
小夜橋と申します。よろしくお願いいたします。
今回は√ドラゴンファンタジーにてお菓子づくりの材料集めをお願いしたく思います。
1章で集める材料はお菓子づくりに使えそうな食品ならなんでも構いません。ただし、箔をつけることをお忘れなく。皆様の楽しい嘘八百をお待ちしております。
2章は1章の展開次第で、お嬢様を探すかダンジョンで敵を倒すか変わってきます。
3章はボス戦です。可愛いけれど強敵なボスです。倒しちゃってください。
雰囲気としてはコミカル寄り。年末年始に気楽な冒険をどうぞ。
皆様のご参加、お待ちしております。
小夜橋と申します。よろしくお願いいたします。
今回は√ドラゴンファンタジーにてお菓子づくりの材料集めをお願いしたく思います。
1章で集める材料はお菓子づくりに使えそうな食品ならなんでも構いません。ただし、箔をつけることをお忘れなく。皆様の楽しい嘘八百をお待ちしております。
2章は1章の展開次第で、お嬢様を探すかダンジョンで敵を倒すか変わってきます。
3章はボス戦です。可愛いけれど強敵なボスです。倒しちゃってください。
雰囲気としてはコミカル寄り。年末年始に気楽な冒険をどうぞ。
皆様のご参加、お待ちしております。
17
第1章 日常 『クエストを受注しました!』
POW
筋力を使って物理で解決する
SPD
培った技術で問題解消に導く
WIZ
知恵や知識から打開策を考える
√ドラゴンファンタジー 普通5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ノア・キャナリィ
普通の食材でいかに特別感を出せるか研究してみるのも
勉強になると思うんだけどね
まぁとはいえ、素材を追求してみたい気持ちもわからなくはないから手伝ってあげますか
お菓子作りは得意だから知識を活かして
品揃えと制限時間(お嬢様が大人しい間)の範囲内でそれなりに良いものは選んであげる
箔ねぇ…
拘り配合された高級餌で育成された鶏の中でも、特別に定められた基準を全てクリアした高品質な鶏が産んだ卵だけを厳選した卵パックとか
世界的にも数少ない、育成に必要な全ての条件が一定基準以上を満たした特別な土地で、更に肥料にも拘って育てられたサトウキビだけを用いて作られた、資産家が大金叩いてでも欲しがるほどの上白糖、とか?
普通の食材でいかに特別感を出せるか研究してみるのも
勉強になると思うんだけどね
まぁとはいえ、素材を追求してみたい気持ちもわからなくはないから手伝ってあげますか
お菓子作りは得意だから知識を活かして
品揃えと制限時間(お嬢様が大人しい間)の範囲内でそれなりに良いものは選んであげる
箔ねぇ…
拘り配合された高級餌で育成された鶏の中でも、特別に定められた基準を全てクリアした高品質な鶏が産んだ卵だけを厳選した卵パックとか
世界的にも数少ない、育成に必要な全ての条件が一定基準以上を満たした特別な土地で、更に肥料にも拘って育てられたサトウキビだけを用いて作られた、資産家が大金叩いてでも欲しがるほどの上白糖、とか?
「普通の食材でいかに特別感を出せるか研究してみるのも、勉強になると思うんだけどね」
少し腕組みをし、呟くのはノア・キャナリィ(自由な金糸雀・h01029)。銀の瞳を少し伏せると長い睫毛が影をつくった。
ノアの言ったことは正論で、きっとお嬢様付きのメイドさんや執事さんは泣きながら頷いただろう。
「(まぁとはいえ、素材を追求してみたい気持ちもわからなくはないから手伝ってあげますか)」
良い子である。
「(お菓子作りは得意だから知識を活かして、品揃えと制限時間の範囲内でそれなりに良いものは選んであげる)」
この場合の制限時間とは、お嬢様がダンジョンに飛び出して行かない間、である。そう考えると時間は案外と短いかもしれない。
この街ならば、卵も上白糖も簡単に買うことができる。
問題は、お嬢様が納得する箔――最高級と認める理由である。
さて、と考えながらノアは卵と上白糖を購入すると、お嬢様のところへ向かった。
「こちらの卵は?」
尋ねるお嬢様に、ノアは自信たっぷりに言う。
「拘り配合された高級餌で育成された鶏の中でも、特別に定められた基準をすべてクリアした高品質な鶏が産んだ卵だけを厳選した卵パックです」
流れるような言葉に、なんだかわからない言葉が入っていても反論のできないお嬢様。
「で、ではこちらの上白糖は?」
「世界的にも数少ない、育成に必要な全ての条件が一定基準以上を満たした特別な土地で、更に肥料にも拘って育てられたサトウキビだけを用いて作られた、資産家が大金叩いてでも欲しがるほどの上白糖です」
今度も流れるような言葉のノア。自信たっぷりな笑顔に、さすがのお嬢様も文句のつけようがない。
「なんてすごい冒険者ですこと……!」
「ありがとうございます」
ノアは心の中でぐっと握りこぶし。ちゃんとそれなりの物は選んである。あとはお嬢様の熱意次第だろう。
🔵🔵🔵 大成功
アプリコット・プラム・ナイチンゲール
【SPD】アメ(h01051)と一緒よ!
パティシエ凄いわ!
私も食べる方が好きだから、作れる人は凄いわね!
[情報収集]した上で出来る限り良い食材を手に入れましょう
あとは箔の付け方……浮かばないので有識者の人に聞いてみましょう
むむむ……と考える素振りをして、√能力発動!
きっと有識者(ようせい)さんが教えてくれる! お手伝いの人頑張って!
いい感じに纏めてくれたところで解除
アメと共有して、お嬢様に差し出せば解決かな?
アレンジアドリブ大歓迎!
【SPD】アメ(h01051)と一緒よ!
パティシエ凄いわ!
私も食べる方が好きだから、作れる人は凄いわね!
[情報収集]した上で出来る限り良い食材を手に入れましょう
あとは箔の付け方……浮かばないので有識者の人に聞いてみましょう
むむむ……と考える素振りをして、√能力発動!
きっと有識者(ようせい)さんが教えてくれる! お手伝いの人頑張って!
いい感じに纏めてくれたところで解除
アメと共有して、お嬢様に差し出せば解決かな?
アレンジアドリブ大歓迎!
アメ・ドライスデール
【SPD】アプリコットちゃん(h02497)と!
パティシエかぁ、ボクは食べる専門だから作れる人は尊敬するよ。
アプリコットちゃんと一緒に情報収集しよう。
うーん、話を聞いた感じだと山へ行ってモンスターの卵を採ってくる?
あとは飾り付け用の高山ベリーかぁ……どれも時間が掛かっちゃうね。
お嬢様がダンジョンへ行っちゃう前に何とかしないと!
手近な食材だと……牛乳屋さん? 箔はどうしよう?
『すっごい牛乳!』
『空から落っこちてきた牛乳!』
あとは……『激辛牛乳』?
これはボクが嬉しいだけか(テヘペロ)
わーん、アプリコットちゃん何か良い案ない!?
アレンジアドリブ大歓迎!
【SPD】アプリコットちゃん(h02497)と!
パティシエかぁ、ボクは食べる専門だから作れる人は尊敬するよ。
アプリコットちゃんと一緒に情報収集しよう。
うーん、話を聞いた感じだと山へ行ってモンスターの卵を採ってくる?
あとは飾り付け用の高山ベリーかぁ……どれも時間が掛かっちゃうね。
お嬢様がダンジョンへ行っちゃう前に何とかしないと!
手近な食材だと……牛乳屋さん? 箔はどうしよう?
『すっごい牛乳!』
『空から落っこちてきた牛乳!』
あとは……『激辛牛乳』?
これはボクが嬉しいだけか(テヘペロ)
わーん、アプリコットちゃん何か良い案ない!?
アレンジアドリブ大歓迎!
「パティシエ凄いわ!」
アプリコット・プラム・ナイチンゲール(冒険者デビュー!・h02497)が目をきらきらさせれば、一緒のアメ・ドライスデール(氷雨・h01051)もうんうん、と頷いた。
「パティシエかぁ、ボクは食べる専門だから作れる人は尊敬するよ」
「私も食べる方が好きだから、作れる人は凄いわね!」
二人の中では「お嬢様=凄い」の図式ができあがっているようだ。きっとお嬢様、喜んじゃう。
早速二人は情報収集。できるだけよい素材をお届けしたい!
「すみませーん」
アメが街の人に声をかける。アプリコットも一緒に尋ねれば、親切な街の人は二人に色々教えてくれる。
お嬢様が危ない所へ行かないくらいの時間、聞き込みをすれば、いくつか特別な素材を提案されるが……。
「あの山に住むモンスターの卵がすっごい美味しいって噂だよ」
とか。
「お菓子の飾り付けなら高山ベリーよ! つやつや真っ赤で、齧ると甘酸っぱくて最高なの」
とか。
「森の奥の泉に湧くソーダ水! どんな果物ともぴったり!」
とか。
「森に一本だけ生える木から採れる木の実。歯ごたえがいいんだぁ」
とか。
「……どれも時間が掛かっちゃうね」
「うん……」
やっぱり特別な材料はそれなりに苦労も必要そうで。
「お嬢様がダンジョンへ行っちゃう前に何とかしないと!」
アメがぐっと握りこぶしを作れば、その脇を通っていく自転車。
「牛乳~、本日採れたての牛乳~」
「牛乳屋さん!」
これだ! とばかりにアメがひらめく。本日採れたての牛乳なら、きっと美味しいに違いない!
アメとアプリコットは牛乳を買って、お嬢様のお屋敷のほうへ。
とは言え、アメはなにかもう一息ほしい、と考える。
「箔はどうしよう? 『すっごい牛乳!』」
すごそうです。
「『空から落っこちてきた牛乳!』」
それもある意味すごそうです。
「あとは……『激辛牛乳』?」
「激辛?」
アプリコットが思わず尋ねれば、アメはテヘペロ。
「これはボクが嬉しいだけか」
紫の瞳がきゅっと閉じると可愛くて、アプリコットも許しちゃう。
「わーん、アプリコットちゃん何か良い案ない!?」
頼まれたアプリコット、むむむ……と考える素振りをして√能力を発動!
――|はたらく妖精さん《ヘルプミーユウシキシャ》。
予めしっかり用意しておいたおもてなし空間に、よい食材に詳しい有識者さんとお世話係さんが召喚される。
「(きっと|有識者《ようせい》さんが教えてくれる! お手伝いの人頑張って!)」
考える(素振りの)アプリコットとそれを固唾をのんで見つめるアメ。
緊迫の沈黙。
そして、ぴこーん! と閃いたかのように。
「『広々とした牧場で、のんびりとした音楽と優しい香りを味わって、ストレスなく育てられた牛から採れた牛乳』!」
いい感じに纏めてもらえたので、能力解除。
「アプリコットちゃん、すごい美味しい牛乳っぽい!」
「これでいいかな、アメ?」
「うんうん! 早速お嬢様に差し出しに行こう!」
二人は嬉しそうに牛乳を抱えてお嬢様のもとへ。
勿論、お嬢様にもハイクオリティーの牛乳ということは一発で理解してもらえた。二人はとっても喜んでもらい、出来たお菓子をご馳走してもらう約束までしたのだった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
野分・時雨
伝説のパフェですね。了解です。
お仕事しに来ました!
さて、お嬢様。
こちらの牛乳はぼくが頭突きし合った中でも一番の石頭。
ここら一帯の牛を全て倒しましたが、彼女が一番でした。母は強し。強い牛に宿る最高級の牛乳。如何でしょう。
残念ながらぼくが勝ちましたが。
そしてこちらの小麦粉。まさに魔法の粉。
一件何の変哲もない小麦粉ですが、秘めたる力(爆発力)は侮るなかれ。火力とあわせれば人々を巻き込み舌が爆破せんばかりの旨味でございます。
火を扱う際は気をつけてくださいね。
ぼく的には中にプロテインとかサプリメントとか入れた方が、力をつけるために合理的だと思うのですが。
ダメ?ですよねぃ。
(アドリブ連携おまかせ)
伝説のパフェですね。了解です。
お仕事しに来ました!
さて、お嬢様。
こちらの牛乳はぼくが頭突きし合った中でも一番の石頭。
ここら一帯の牛を全て倒しましたが、彼女が一番でした。母は強し。強い牛に宿る最高級の牛乳。如何でしょう。
残念ながらぼくが勝ちましたが。
そしてこちらの小麦粉。まさに魔法の粉。
一件何の変哲もない小麦粉ですが、秘めたる力(爆発力)は侮るなかれ。火力とあわせれば人々を巻き込み舌が爆破せんばかりの旨味でございます。
火を扱う際は気をつけてくださいね。
ぼく的には中にプロテインとかサプリメントとか入れた方が、力をつけるために合理的だと思うのですが。
ダメ?ですよねぃ。
(アドリブ連携おまかせ)
――伝説のパフェ。ならば!
「お仕事しに来ました!」
爽やかな声でお嬢様のもとへ材料を持ってきたのは、野分・時雨(初嵐・h00536)。
「どんな素晴らしい材料ですの?」
尋ねるお嬢様に時雨がまず差し出すのは牛乳だ。
「さて、お嬢様」
一拍置いてから語られるのは、素晴らしい牛乳のお話。
「こちらの牛乳はぼくが頭突き死合った中でも一番の石頭」
見れば時雨の頭には野牛の角。実際は時雨は人妖「牛鬼」なのだが、お嬢様が大きく頷いているので細かいことは語らなくてもよさそうだ。
「ここら一帯の牛を全て倒しましたが、彼女が一番でした。母は強し。強い牛に宿る最高級の牛乳。如何でしょう」
仮にも√ドラゴンファンタジーのお嬢様である。そんなわくわく冒険譚、食いつかないはずがない。
「残念ながらぼくが勝ちましたが」
しかもにっこりと言う時雨への尊敬の念まで湧いちゃう。
「そしてこちらの小麦粉。まさに魔法の粉」
すっと差し出された紙袋にお嬢様の目は釘付けに。
「一見何の変哲もない小麦粉ですが、|秘めたる力《爆発力》は侮るなかれ。火力とあわせれば人々を巻き込み下が爆発せんばかりの旨味でございます」
「そ、それは……!」
感動して震えるお嬢様。さらに時雨はにっこり。
「火を扱う際は気をつけてくださいね」
「こ、こんな素晴らしいものを……! 私、絶対に美味しいスイーツを作りますわ!」
ぐっと握りこぶしを作るお嬢様に、時雨はひとつ提案を。
「ぼく的には中にプロテインとかサプリメントとか入れた方が、力をつけるために合理的だと思うのですが」
お嬢様は目を瞬いた後、ふるふると首を振る。
「ダメ?」
こくり。
「ですよねぃ」
新作お菓子は合理的なものではない、甘いもので決定のようだ。
🔵🔵🔵 大成功
二代目海石榴屋・侘助
チョイと向こう見ずな冒険の向こう側から口八丁で身を守れるってンでしたら海石榴屋の本懐ってもんで
サテサテまずはこいつを召し上がっていただきてェンですよ
コレ、海石榴屋印のかりんとう
まァパフェみてェに小洒落ちゃおりやせんがね
なにしろ本物を追求しようってェ粋なお嬢さんでございやすからこのカリッと軽くサラリと潔い後口の良さが分からねェ訳がございやせんでしょ?
その秘訣がコレ!
揚げに使ったこの椿油が決め手ってなもんで、古椿ってェ人心を惑わすおっかなァい妖怪、否サ モンスターからおっかなびっくりかき集めた種を昔ながらの手仕事でじっくとっくり絞り上げた逸品なんでございやす
如何です?お眼鏡にゃ適いやせんかね?
チョイと向こう見ずな冒険の向こう側から口八丁で身を守れるってンでしたら海石榴屋の本懐ってもんで
サテサテまずはこいつを召し上がっていただきてェンですよ
コレ、海石榴屋印のかりんとう
まァパフェみてェに小洒落ちゃおりやせんがね
なにしろ本物を追求しようってェ粋なお嬢さんでございやすからこのカリッと軽くサラリと潔い後口の良さが分からねェ訳がございやせんでしょ?
その秘訣がコレ!
揚げに使ったこの椿油が決め手ってなもんで、古椿ってェ人心を惑わすおっかなァい妖怪、否サ モンスターからおっかなびっくりかき集めた種を昔ながらの手仕事でじっくとっくり絞り上げた逸品なんでございやす
如何です?お眼鏡にゃ適いやせんかね?
「(チョイと向こう見ずな冒険の向こう側から口八丁で身を守れるってンでしたら海石榴屋の本懐ってもんで)」
お屋敷の前に紙芝居屋さんの自転車を止めて、お嬢様に面会を求めるのは二代目海石榴屋・侘助(胡乱な紙芝居屋さん・h01536)。
出てきたお嬢様に侘助は小さな紙袋を差し出した。
「サテサテまずはこいつを召し上がっていただきてェンですよ」
お嬢様は怪訝そうな表情で黒い棒状のお菓子を取り出す。
「これは?」
「コレ、海石榴屋印のかりんとう。まァパフェみてェに小洒落ちゃおりやせんがね」
どうやらお嬢様、かりんとうは初めてのご様子。指にもって右に左に縦に横に。
「なにしろ本物を追求しようってェ粋なお嬢さんでございやすから、このカリッと軽くサラリと潔い後口の良さがわからねェ訳がございやせんでしょ?」
そう言われてしまえば後には引けないお嬢様。初めてのかりんとうを、カリッと。そして目を見開く。
「なんですの……!? 油を使っているはずなのに、この後口は……!」
「その秘訣がコレ!」
そこで侘助がすっと差し出すのは小さな油の瓶。
「揚げに使ったこの椿油が決め手ってなもんで、古椿ってェ人心を惑わすおっかなァい妖怪、否サ、モンスターからおっかなびっくりかき集めた種を昔ながらの手仕事でじっくりとっくり絞り上げた逸品なんでございやす」
「モンスターから種が?」
そんな冒険譚、聞いてしまったら√ドラゴンファンタジーのお嬢様だってわくわくしちゃうわけで。
「如何です? お眼鏡にゃ適いやせんかね?」
「いただけるなら、是非にほしいわ。でもあの」
お話も聞きたそうなお嬢様。それなら、侘助の十八番だ。
「では、本日の紙芝居、演目は『小悪妖怪、道惑わさんと欲するも天罰覿面、因果応報を蒙ること』と参りましょう」
拍子木をチョチョン。紙芝居のはじまりはじまり。
🔵🔵🔵 大成功
ユッカ・アーエージュ
あらぁ、うふふ。夢を追って脇目も振らず、なんて。可愛らしいお嬢さま
こういった瞳のきらきらした子を見ると、おばあちゃん何だか嬉しくなっちゃう
お菓子に使う材料なら、私は果物を見に行きましょう
八百屋さんに居並ぶ旬の果物たち、苺、林檎、柑橘類……
どれも見目麗しくて、きっと甘くて香しくて。どれを持っていっても美味しいお菓子が出来ると思うけれど
「どれがいいかしら?迷っちゃうわねぇ」
と、傍らに寄り添う“友人”である精霊たちに目配せ
貴方たちならどれを選ぶ?
どれが美味しそう?
どれが好き?
特に指示を与えるでもなく、精霊たちにそう問いかける
そうして精霊たちがめいめいに選んだ果物を買って帰って、お嬢さまに伝えましょう
「これはね、大自然にひそむ精霊たちが『絶対に美味しい!』って太鼓判を押した果物なのよ」
私は精霊たちの声が聞けるの、と
殊更得意げに微笑んで、己がエルフの耳をぴっと指さして見せ
「自然のことは自然に訊くのがいちばん。こんなに確かな品は無いわよ、ふふふ」
あらぁ、うふふ。夢を追って脇目も振らず、なんて。可愛らしいお嬢さま
こういった瞳のきらきらした子を見ると、おばあちゃん何だか嬉しくなっちゃう
お菓子に使う材料なら、私は果物を見に行きましょう
八百屋さんに居並ぶ旬の果物たち、苺、林檎、柑橘類……
どれも見目麗しくて、きっと甘くて香しくて。どれを持っていっても美味しいお菓子が出来ると思うけれど
「どれがいいかしら?迷っちゃうわねぇ」
と、傍らに寄り添う“友人”である精霊たちに目配せ
貴方たちならどれを選ぶ?
どれが美味しそう?
どれが好き?
特に指示を与えるでもなく、精霊たちにそう問いかける
そうして精霊たちがめいめいに選んだ果物を買って帰って、お嬢さまに伝えましょう
「これはね、大自然にひそむ精霊たちが『絶対に美味しい!』って太鼓判を押した果物なのよ」
私は精霊たちの声が聞けるの、と
殊更得意げに微笑んで、己がエルフの耳をぴっと指さして見せ
「自然のことは自然に訊くのがいちばん。こんなに確かな品は無いわよ、ふふふ」
「(あらぁ、うふふ。夢を追って脇目も振らず、なんて。可愛らしいお嬢さま)」
ユッカ・アーエージュ(レディ・ヒッコリー・h00092)はふんわりと微笑み、思う。
「(こういった瞳のきらきらした子を見ると、おばあちゃん何だか嬉しくなっちゃう)」
ユッカの外見は20代にしか見えない。銀の髪に金の瞳の長命種、エルフ。だからこそ、「あらぁ」で全て温かく包み込んでしまう優しさと度量がある。
ふわり、ふわりとお散歩するような歩幅で、よく見知った街を歩く。
「(お菓子に使う材料なら、私は果物を見に行きましょう)」
果物も大事な材料だ。スイーツの主役にもなりうる材料ならば、とびきり美味しいものが必要だろう。八百屋さんに並ぶのは旬の果物たち。
苺に林檎、柑橘類。柑橘類もオレンジから蜜柑――いわゆるテーブルオレンジ、柚子、ちょっと早めの伊予柑などなど。何しろ苺だけでも何種類も並ぶのだ。
「(どれも見目麗しくて、きっと甘くて香しくて。どれを持っていっても美味しいお菓子が出来ると思うけれど)」
旬の果物なら箔などつかなくても美味しい。そのことを、ユッカはよく知っている。
けれども、お嬢様はどうだろう?
そう思えば、優しいユッカは迷ってしまうが、彼女には力強い「友人」がいる。
「どれがいいかしら? 迷っちゃうわねぇ」
傍らに寄り添う|友人《せいれい》たち。ユッカは森羅万象、どんな精霊とも心を通わすことができるのだ。
「貴方たちならどれを選ぶ?」
尋ねれば、ふわりふわりと集まってくるのは色々な精霊たち。精霊たちも優しければ、ユッカの問に我先にと答えたがるのだ。
「どれが美味しそう? どれが好き?」
勿論、それは√能力「|形あるものはいつか羽ばたく《オーバーチュア・ビギンズ》」の力もあるのだが、そんな力なんてなくたって、精霊たちはユッカのことが大好き。
ちょっと人見知りの精霊も、悪戯な精霊も、みんなみんな、ユッカのそばで囁く。
――ボクはその大きな苺がいいな!
元気に答えるのは北風の精霊。
――私は、よい香りの柚子が好きよ。
気取って答えるのは木漏れ日の精霊。
――我は林檎がよい。その林檎はよい木をしていた。
尊大に答えるのは大地の精霊。
返事を聞くたびに、ユッカはその果物を手にとって購入していく。色々な精霊がいるから果物は小さな籠にいっぱいだ。
その籠を大事に抱いて、ユッカはお嬢様に会う。
「これは?」
お嬢様が苺を手に取ると、ユッカはにっこりと微笑んだ。
「これはね、大自然にひそむ精霊たちが『絶対に美味しい!』って太鼓判を押した果物なのよ」
目を瞬くお嬢様に得意げに微笑み、エルフの耳を指してみせるユッカ。
「私は精霊たちの声が聞けるの」
「まぁ……!」
目を大きく見開くお嬢様。
「苺はね、北風の精霊が絶対美味しいって言っていたのよ。あの子は冷たい中で赤く輝く苺を探し出すのが本当に上手なの。きっとその苺は甘くて酸っぱくて、苺の美味しさがぎゅって詰まっているわ」
ユッカは驚くお嬢様にひとつひとつの果物を説明していく。
「自然のことは自然に訊くのがいちばん。こんなに確かな品は無いわよ、ふふふ」
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
雪願・リューリア
うん、やっぱりスイーツは特別感があるものが好まれるかな。というか我も食べたくなってきたぞ。
ここは神聖竜にお願いして、お菓子作りに良さそうな卵や牛乳に砂糖を持ってきてもらうぞ。
竜が持って来た食材なら、泊もつく筈。
他にもパフェに合いそうな甘くて酸味のあるフルーツもあるといいかな。
エイミーさんを怖がらせないよう、神聖竜には小さくてマスコットのような小型の竜になってもらうぞ。
殆どお使いのようなお願いだけれど、後で皆と一緒にパフェを食べようと約束して、食材を買う為のお金も渡しておくぞ。
その後でダンジョン攻略は我に任せて、エイミーさんはお菓子作りの準備を進めて欲しいと伝えるぞ。
アドリブ、連携歓迎。
うん、やっぱりスイーツは特別感があるものが好まれるかな。というか我も食べたくなってきたぞ。
ここは神聖竜にお願いして、お菓子作りに良さそうな卵や牛乳に砂糖を持ってきてもらうぞ。
竜が持って来た食材なら、泊もつく筈。
他にもパフェに合いそうな甘くて酸味のあるフルーツもあるといいかな。
エイミーさんを怖がらせないよう、神聖竜には小さくてマスコットのような小型の竜になってもらうぞ。
殆どお使いのようなお願いだけれど、後で皆と一緒にパフェを食べようと約束して、食材を買う為のお金も渡しておくぞ。
その後でダンジョン攻略は我に任せて、エイミーさんはお菓子作りの準備を進めて欲しいと伝えるぞ。
アドリブ、連携歓迎。
「(うん、やっぱりスイーツは特別感があるものが好まれるかな。というか我も食べたくなってきたぞ)」
しみじみ思うのは雪願・リューリア(願い届けし者・h01522)。
見様見真似の古風な女性の言葉を使いながら、藍色の髪を少しいじって。
ならば、やることはひとつ。
「(|神聖竜《ホーリー・ホワイト・ドラゴン》にお願いして、お菓子作りに良さそうな卵や牛乳、砂糖を持ってきてもらうぞ)」
他にもパフェに合いそうな甘くて酸味のあるフルーツもあるといいかも、と思って、リューリアは√能力を使う。|神聖竜詠唱《ドラグナーズ・アリア》。優しい竜は、困難を解決する為に必要で、誰も傷つける事のない願いを叶えてくれる。
そして何より、竜が持って来た食材なら、箔もつく筈! そのために最後にお嬢様に竜も挨拶ができれば最高だ。
「お使いのようなお願いだけれど、後で皆と一緒にパフェを食べよう」
|神聖竜《ホーリー・ホワイト・ドラゴン》が頷いてくれれば、リューリアは食材を買う為のお金を渡す。竜が帰ってくるまで、リューリアは少しだけ待って。
竜が選んだ材料を持ち、リューリアはお嬢様の元へ。
「これは、竜が選んで持って来た材料なんだ」
お嬢様にそう説明すれば、リューリアについてきた小さくなった竜はぺこりと頭を下げて。勿論、竜など見るのは初めてのお嬢様。√ドラゴンファンタジーに住むお嬢様ならば、リューリアにも竜にも興味津々。嬉しそうに材料を受け取ろうとする。
けれども、リューリアは渡す前に、ひとつだけ伝えることがあった。
「ダンジョン攻略は我に任せて、エイミーさんはお菓子作りの準備を進めて欲しい」
お嬢様はリューリアの言葉にじーんと胸を打たれて。
「かしこまりましたわ。冒険者の皆様のご無事をお祈りします」
そして、お菓子をリューリアのために作っておくことを約束したのだ。
🔵🔵🔵 大成功
第2章 集団戦 『あばれうしぶたどり』
POW
あばれる(牛)
自身の【牛の頭部】がA、【牛の胴体】がB、【牛の前脚と後ろ脚】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
自身の【牛の頭部】がA、【牛の胴体】がB、【牛の前脚と後ろ脚】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
SPD
あばれる(豚)
自身の【豚の頭部】がA、【豚の胴体】がB、【豚の前脚と後ろ脚】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
自身の【豚の頭部】がA、【豚の胴体】がB、【豚の前脚と後ろ脚】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
WIZ
あばれる(鶏)
自身の【鶏の頭部】がA、【鶏の胴体】がB、【鶏の翼と脚】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
自身の【鶏の頭部】がA、【鶏の胴体】がB、【鶏の翼と脚】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
√ドラゴンファンタジー 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
かつて、お嬢様は無謀な冒険に出ることなく、ダンジョン攻略を能力者たちに頼んでくれた。
腕利きの能力者と見込んで、お願いしたことは2つ。
1つ目はダンジョンの中層にいるという、美味しいお肉のモンスターを倒してお肉を持ってきてほしいということ。
2つ目はダンジョンの奥にいるという、パフェの秘密を持つモンスターを倒してきてほしいということ。
「お肉?」
能力者の一人が聞くと、お嬢様は少しだけ照れながら言った。
「心配をかけたメイドや執事にご馳走したいんですの」
かくて、能力者たちはまずお肉を取りにダンジョンに挑む――!
緇・カナト
お肉を取りにダンジョンへ挑むと聞いて…!
顔見知りも真面目にお仕事してるようだし
オレも頑張ってしまおうねぇ
…ところで此のモンスターは
牛なのか豚なのか鶏なのか
イイとこ取りとか言うけれど欲張りにも
程があるんじゃないかなぁ、まぁいいや
個人的に好きなのは牛肉だけど鶏肉だって捨てがたい
昏い月夜に御用心、と千疋狼たちを呼び出して
視覚と嗅覚での数による索敵から〜
見つけ次第で狩りのお時間と行こうk
……いや、未だ食べたらダメだからな?
美味しいお肉らしいからって喰うなよ??
影のケモノ達と適度に交渉も挟んで
あーだこーだ少し数が減ったかもしれないけれど
キチンと持ち帰れた分で良しとして貰いたいなぁ
連携・アドリブ大歓迎
お肉を取りにダンジョンへ挑むと聞いて…!
顔見知りも真面目にお仕事してるようだし
オレも頑張ってしまおうねぇ
…ところで此のモンスターは
牛なのか豚なのか鶏なのか
イイとこ取りとか言うけれど欲張りにも
程があるんじゃないかなぁ、まぁいいや
個人的に好きなのは牛肉だけど鶏肉だって捨てがたい
昏い月夜に御用心、と千疋狼たちを呼び出して
視覚と嗅覚での数による索敵から〜
見つけ次第で狩りのお時間と行こうk
……いや、未だ食べたらダメだからな?
美味しいお肉らしいからって喰うなよ??
影のケモノ達と適度に交渉も挟んで
あーだこーだ少し数が減ったかもしれないけれど
キチンと持ち帰れた分で良しとして貰いたいなぁ
連携・アドリブ大歓迎
野分・時雨
ご馳走したいというお嬢さまの素晴らしいお気持ち。
喜んで協力させていただきましょう。
何だこの中途半端な。焼肉のために生まれた生物?
腹ぺこなご友人がいたら即座に食われていたことでしょう。ぼくで良かったですね。
………頭部と胴体と脚が増えることは構いませんとも。
強さの現れでしょう。でも、何?この変な生き物。
じゃあ……牛揃えで「牛脊雨」で攻撃。
敵との融合を指示し、鈍化した相手をぼく自身が鎖鎌で肉狩ります。
お嬢さまのための、可愛いお肉になって下さいませ。
それはそれとして!牛の名を冠する以上、中途半端なことはしないでください。ツッコミ疲れるんですがッ
ご馳走したいというお嬢さまの素晴らしいお気持ち。
喜んで協力させていただきましょう。
何だこの中途半端な。焼肉のために生まれた生物?
腹ぺこなご友人がいたら即座に食われていたことでしょう。ぼくで良かったですね。
………頭部と胴体と脚が増えることは構いませんとも。
強さの現れでしょう。でも、何?この変な生き物。
じゃあ……牛揃えで「牛脊雨」で攻撃。
敵との融合を指示し、鈍化した相手をぼく自身が鎖鎌で肉狩ります。
お嬢さまのための、可愛いお肉になって下さいませ。
それはそれとして!牛の名を冠する以上、中途半端なことはしないでください。ツッコミ疲れるんですがッ
「(ご馳走したいというお嬢様の素晴らしいお気持ち。喜んで協力させていただきましょう)」
野分・時雨(初嵐・h00536)はお嬢様に一礼をして、粛々とした気持ちで来たというのに。
現れたのは牛とも豚とも鶏ともつかないモンスター……モンスター?
「ぶもーこけこけ」
しかも鳴き声までなんだか締まらない。
「(何だこの中途半端な。焼き肉のために生まれた生物?)」
なんかやる気もなくなっちゃう。時雨はため息をつきつつ、
「腹ぺこなご友人がいたら即座に食われていたことでしょう。ぼくで良かったですね」
「本当にそうだねぇ。オレで良かったね」
暗闇からすっと現れるのは『ご友人』たるところの緇・カナト(hellhound・h02325)。何かちょっと言いたげな時雨の視線を仮面で受け止めて、カナトはふふり。
「顔見知りも真面目にお仕事してるようだし、オレも頑張ってしまおうかと」
「真面目にお仕事してますよ、でもですね」
「気持ちはわかるよ。此のモンスターは牛なのか豚なのか鶏なのか」
「ぶもーこけこけ」
「……頭部と胴体と脚が増えることは構いませんとも。強さの現れでしょう。でも何? この変な生き物」
「イイとこ取りとか言うけれど欲張りにも程があるんじゃないかなぁ、まぁいいや」
時雨とカナトは同時に頷いた。
「個人的に好きなのは牛肉だけど鶏肉だって捨てがたい」
「ですよねぇ」
時雨はもうツッコミ疲れた表情。カナトは眼の前にお肉があるからか、やる気十分。
でも、二人とも√能力者。敵がいるからには、しかもうようよといるからには、しっかりお仕事、そしてお肉!
「昏い月夜にご用心、」
カナトが喚び出すのは|千疋狼《オクリオオカミ》。ただでさえ薄暗いダンジョンの中に、オオカミを思わせる影の獣の群れが放たれる。月を思わせる銀の瞳、そして鋭い嗅覚が敵の数を索敵し――。
「(見つけ次第で狩りのお時間と行こうk)」
影の獣さんたちが不服そうな顔でカナトを見ています。
「……いや、未だ食べたらダメだからな?」
影の獣さんたち、大変不服そうです。
「美味しいお肉らしいからって喰うなよ??」
影の獣さんたち、一匹くらいばれないよって顔です。
「ばれるよ。ちゃんとお仕事しような?」
影の獣さんたち、ストライキに入りそうです。カナト、どうする!
カナトが交渉をしている横で、時雨は少し考えて。
「(じゃあ……牛揃えで|牛脊雨《ギュウセキウ》で)」
眼の前の敵を牛と言うのは牛鬼たる時雨には非常に、こう、納得のいかないことではありますが、仕方ない。
「|牛《べこ》の背を分けしとど触れ」
雨雲と敵を融合させる。敵、あばれうしぶたどりがとてもしっとりする。つやん。すっかり鈍化した敵へ時雨は鎖鎌を構え肉薄。
「お嬢さまのための、可愛いお肉になって下さいませ」
ざっくりお肉狩り。
カナトのほうも無事交渉は終了していて、何故かお腹いっぱいという顔の影の獣さんたちと数匹のお肉が転がっていた。
「……少し数が減ったかもしれないけれど、キチンと持ち帰れた分で良しとして貰いたいなぁ」
「それはそれとして!」
時雨は鎖鎌を再度構えて、こちらを見ているあばれうしぶたどりたちを睨む。
「牛の名を冠する以上、中途半端なことはしないでください。ツッコミ疲れるんですがッ」
「ぶもーこけこけ」
「その鳴き声も!」
「あ、そういえばこのあばれうしぶたどり、ホルスタインだねぇ」
「そういう細かいところも!」
この後、時雨が牛について熱く語り、あばれうしぶたどりたちは反省して寄ってこなかったとか。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
ノア・キャナリィ
なんだ、ちゃんと仕える人達の事も考えられるんだ
いい子のお願いにはしっかり答えてあげないとね
収納魔法の応用で虚空から取り出した花弁群を集め
硝子のように透き通る紅色の美しい鎌、清鎌曼珠沙華を生成
集中力と常に浮遊しているゆえの機動力、オーラ防御で
相手からの攻撃は防御と回避に徹しながら
氷魔法と組み合わせた紅花乱舞を発動
可愛い子達だし触り心地良さそうだし、ちょっとくらいもふり…愛でたい所だったけど
狩るために来たのに、裏切りみたいで悪い気もするから
なるべくサクッと終わらせるよ
薙ぎ払いによる切断の二回攻撃、範囲攻撃により仕留めると同時に
鎌に纏わせた冷気で凍結
新鮮なまま保存してお嬢様へのお土産にします
なんだ、ちゃんと仕える人達の事も考えられるんだ
いい子のお願いにはしっかり答えてあげないとね
収納魔法の応用で虚空から取り出した花弁群を集め
硝子のように透き通る紅色の美しい鎌、清鎌曼珠沙華を生成
集中力と常に浮遊しているゆえの機動力、オーラ防御で
相手からの攻撃は防御と回避に徹しながら
氷魔法と組み合わせた紅花乱舞を発動
可愛い子達だし触り心地良さそうだし、ちょっとくらいもふり…愛でたい所だったけど
狩るために来たのに、裏切りみたいで悪い気もするから
なるべくサクッと終わらせるよ
薙ぎ払いによる切断の二回攻撃、範囲攻撃により仕留めると同時に
鎌に纏わせた冷気で凍結
新鮮なまま保存してお嬢様へのお土産にします
「(なんだ、ちゃんと仕える人達の事も考えられるんだ)」
お嬢様に我儘な印象を持っていたノア・キャナリィ(自由な金糸雀・h01029)はわざわざノア達のことを見送ってくれたお嬢様のことを思い出しながら、強く頷く。
「(いい子のお願いにはしっかり答えてあげないとね)」
薄暗く、ひんやりとしたダンジョンを灯りを持って進む。遠くから見えてきたのは……確かにモンスター。でも、想像してたよりもかなり可愛い。しかもまんまるな姿は抱っこしたら気持ちよさそうだ。すべすべしていそうな皮?はきっとつるんとしてて触り心地もいいだろう。
「ぶもーこけこけ」
威嚇らしき声も、ちょっと間抜けて可愛い。
「(これは……)」
実は可愛いもの好きのノアとしてはちょっと見逃せない。
ちょっとくらいもふり……いや、愛でたい……いや……。
「(でも、狩るために来たのに、裏切りみたいで悪い気もする)」
そこはノア、√能力者として、いや、一人の人間、否、セレスティアルとして譲れない線。強くて優しいのだ。
手を上げれば、収納魔法の応用で虚空から取り出した花弁郡を集めて、その花弁で硝子のように透き通る紅色の美しい鎌、精鎌曼珠沙華を作り出す。曼珠沙華のような鮮やかな透き通る紅の持ち手をしっかり握りしめ、ノアはまっすぐ敵へと向かう。
集中力と常に浮遊しているゆえの機動力、そしてオーラ防御で相手からの攻撃は防御と回避。
氷魔法と組み合わせるのは√能力、紅花乱舞。
「熾烈なる散華の舞、乱れ咲け」
冷気を漂わせた精鎌曼珠沙華は、まるで氷に咲く花のよう。
「(なるべくサクッと終わらせるよ)」
それが可愛いモンスターへの、ノアなりの鎮魂。
薙ぎ払いで切断、ニ回攻撃と範囲攻撃を織り交ぜて仕留めれば、鎌にまとわせた冷気が肉を凍結させる。
「(新鮮なまま保存してお嬢様へのお土産にします)」
お嬢様が嬉しそうに笑う顔が、ノアには今から思い浮かべられた。
🔵🔵🔵 大成功
雪願・リューリア
モンスターとは聞いていたが、何だか可愛く見えるな。
その名前の通り美味しそうだけれど、見た目で躊躇ったりしたら
こっちが食材にされかねないし、確実に倒さないと。
接近される前に霊能波で撃退していくぞ。
複数体を同時に相手にするには厳しいから
少数で居る個体を狙い、後で食材にすることも
考慮してなるべく急所だけを攻撃するぞ。
接近されてしまうなら、ヴォルテクスブレイドを
遠隔操作して距離を取りつつ応戦しよう。
電撃で怯んだ所を霊能波を叩き込むぞ。
十分に食材として確保できそうなら、
それ以上無駄に倒す事はしないぞ。
しっかりと残さず持ち帰り、せめて美味しく食べてもらわないとだな。
料理人の腕に期待だぞ。
アドリブ、連携歓迎
モンスターとは聞いていたが、何だか可愛く見えるな。
その名前の通り美味しそうだけれど、見た目で躊躇ったりしたら
こっちが食材にされかねないし、確実に倒さないと。
接近される前に霊能波で撃退していくぞ。
複数体を同時に相手にするには厳しいから
少数で居る個体を狙い、後で食材にすることも
考慮してなるべく急所だけを攻撃するぞ。
接近されてしまうなら、ヴォルテクスブレイドを
遠隔操作して距離を取りつつ応戦しよう。
電撃で怯んだ所を霊能波を叩き込むぞ。
十分に食材として確保できそうなら、
それ以上無駄に倒す事はしないぞ。
しっかりと残さず持ち帰り、せめて美味しく食べてもらわないとだな。
料理人の腕に期待だぞ。
アドリブ、連携歓迎
「ぶもーこけこけ」
まんまるな体と羽にしては短いそれをぱたぱたさせている「それ」を前にして雪願・リューリア(願い届けし者・h01522)は考える。
「(モンスターとは聞いていたが、何だか可愛く見えるな)」
モンスターの名前はあばれうしぶたどり。お肉として生まれたけどモンスターになっちゃった系の生き物なのだろう。
「(その名前の通り美味しそうだけれど、見た目で躊躇ったりしたらこっちが食材にされかねないし、確実に倒さないと)」
うん、と大きく頷いて、リューリアはなるべく遠くから敵を撃退することにした。
「ぶもーこけっこー!」
近づかれる前に、霊能波で霊波ダメージを与える。
リューリアは、とても冷静だった。
「(複数体を同時に相手にするには厳しいから少数でいる個体を狙うぞ)」
一体でいた敵を狙えば、こちらに向かってくるのも一体。それなら、霊波でしっかり狙いをつけられる。しかも、後で食材にすることも考慮して、なるべく急所だけ攻撃する。
しかし、接近される前に倒しきれないことも。
「(それならこうだ)」
リューリアのヴォルテクスブレイドは強力な磁力と回転力により、電気を生み出しながら、自在に飛翔する自律式機械剣。それを遠隔操作して、リューリア自身は敵と距離を取り直す。敵が電撃で怯んだところに霊能波を叩き込み、しっかりと息の根を止めた。
数匹倒せば、リューリアは手を止める。十分に食材として確保はできた。それならそれ以上無駄に倒す事はしない。
「(しっかりと残さず持ち帰り、せめて美味しく食べてもらわないとだな)」
命は万物に等しく。無駄に倒さず、美味しく食べれる量だけ。
「料理人の腕に期待だぞ」
リューリアは倒したあばれうしぶたどりを持ち、目を細めた。
🔵🔵🔵 大成功
アプリコット・プラム・ナイチンゲール
【SPD】アメ(h01051)と一緒!
初ダンジョン、ですよ!
目標は豚さんですよ、アメ。
どうしましょうか? あ、仲良くできますかね?
ちょっと話してきま──って向かってきました!
これはちょっとお話し合いはできなさそうです!
暴れる豚さんからはヒットアンドアウェイで挑みます!
√能力で胴や脚を狙えれば動き止まりますかね?
アメは遠距離で狙ってもらえれば!
上手いことしてもらったら、最後ナイフで捌いちゃいます!
怪異を捌くよりは簡単だと思うので!
これでお嬢様もみんなに食べさせてあげられますね!
アレンジアドリブ大歓迎!
【SPD】アメ(h01051)と一緒!
初ダンジョン、ですよ!
目標は豚さんですよ、アメ。
どうしましょうか? あ、仲良くできますかね?
ちょっと話してきま──って向かってきました!
これはちょっとお話し合いはできなさそうです!
暴れる豚さんからはヒットアンドアウェイで挑みます!
√能力で胴や脚を狙えれば動き止まりますかね?
アメは遠距離で狙ってもらえれば!
上手いことしてもらったら、最後ナイフで捌いちゃいます!
怪異を捌くよりは簡単だと思うので!
これでお嬢様もみんなに食べさせてあげられますね!
アレンジアドリブ大歓迎!
アメ・ドライスデール
【SPD】アプリコットちゃん(h02497)と
冒険者としてはボクが先輩だけれど失敗も経験って言うし、アプリコットちゃんの意思を尊重して行動するよ。
豚さんと言ってもモンスターだから気を付けよう……って、可愛いモンスターだね!?
軽率に近付くと危ないけれどこれも経験だと思って黙っていよう(ウズウズ)
よし、蹴散らすぞー!
フロスト・ガンで援護射撃しつつ、なるべくアプリコットちゃんが攻撃しやすい位置取りでフォローするよ。
あの豚さん、頭とか足とか増えてるんだけど!?こわいから早く倒そう!
氷雨散々で足止めしつつ彼女にバリアを張って……トドメは任せたよ!
これ、美味しいのかな……ちょっと気になる!
アドリブ大歓迎!
【SPD】アプリコットちゃん(h02497)と
冒険者としてはボクが先輩だけれど失敗も経験って言うし、アプリコットちゃんの意思を尊重して行動するよ。
豚さんと言ってもモンスターだから気を付けよう……って、可愛いモンスターだね!?
軽率に近付くと危ないけれどこれも経験だと思って黙っていよう(ウズウズ)
よし、蹴散らすぞー!
フロスト・ガンで援護射撃しつつ、なるべくアプリコットちゃんが攻撃しやすい位置取りでフォローするよ。
あの豚さん、頭とか足とか増えてるんだけど!?こわいから早く倒そう!
氷雨散々で足止めしつつ彼女にバリアを張って……トドメは任せたよ!
これ、美味しいのかな……ちょっと気になる!
アドリブ大歓迎!
足取り軽くダンジョン内を歩くのはアプリコット・プラム・ナイチンゲール(冒険者デビュー!・h02497)。そしてその後ろからちょっと心配そうにアメ・ドライスデール(氷雨・h01051)がついていく。
アプリコットはこれが初ダンジョン! わくわくどきどきが止まらない。
「目標は豚さんですよ、アメ」
自信満々、先輩風に声もしっかりと告げれば、後ろからアメがうん、と頷く。
「(冒険者としてはボクが先輩だけれど失敗も経験って言うし、アプリコットちゃんの意思を尊重して行動するよ)」
アメはとってもしっかりした先輩でした。
「豚さんと言ってもモンスターだから気を付けよう……って」
「ぶもーこけこけ」
出ました、モンスター「あばれうしぶたどり」!
「可愛いモンスターだね!?」
さすがのアメ先輩もびっくりの可愛さ。
「(軽率に近づくと危ないけれどこれも経験だと思って黙っていよう)」
ウズウズ、アメも触りたいですがここは危険をしっかり心得て。アプリコットに何かあれば援護できるよう気持ちを整える。
一方のアプリコットも、可愛らしいモンスターに毒気を抜かれた様子。
「どうしましょうか? あ、仲良くできますかね?」
「(無理だよ、アプリコットちゃん!)」
考える様子のアプリコットにアメはウズウズはらはら。
「ちょっと話してきま――って向かってきました!」
「ぶもーこけこけーっ!」
短い脚と短い羽?でばたばた威嚇をして突進してくるあばれうしぶたどり。名前どおり、しっかりあばれてアプリコットに向かってくる。
「これはちょっとお話し合いはできなさそうです!」
言葉も通じないしこれは仕方がない。
とは言え、そこからのアプリコットの気持ちの切り替えは早かった。馴染みのあるバトニングナイフを取り出す。薪割りから怪異を捌くまでこれ一本、大変便利なナイフだ。
暴れる豚へヒットアンドアウェイで挑むアプリコット。
援護射撃の位置へ素早くつくアメ。
「よし、蹴散らすぞー!」
アメが取り出すのは守護精霊フロストが氷弾を撃ってくれるフロスト・ガン。
「フロスト、お願い!」
√能力、|氷雨散々《ヒサメサンサン》。あばれうしぶたどりには絶対零度の霧でダメージを与え、アプリコットには氷晶オーラでバリアを張って……。
「あの豚さん、頭とか足とか増えてるんだけど!?」
「本当、さすがモンスター!」
「こわいから早く倒そう!」
「アメ、わかった!」
増えた足を狙って、動きを止めるアプリコット。そこへ再びアメがフロスト・ガンで氷弾を放つ。
「トドメは任せたよ!」
半分凍ったあばれうしぶたどりを最後に捌くのはアプリコットの役目。
「こう、です!!」
|見様見真似・怪異解剖執刀術《フェイク・サージャリー》。命中した部位を軽く切断すれば、あばれうしぶたどりはころんと倒れて増えていた足とかも消えた。
二人はしげしげとそのころんとした体を眺める。
「これ、美味しいのかな……ちょっと気になる!」
「火であぶってみる?」
手際よく怪異を捌いていた経験を使って持ち帰りやすく捌いていたアプリコットがアメに尋ねる。アメは少し考えてからふるふると首を振って。
「豚さんはよく焼けないとお腹壊すから」
「そうだね。じゃあ、お嬢様にお願いして食べさせてもらおうか!」
持ち帰りやすく捌いて、二人で持てば、それはなんだか「やり遂げた」満足感の重みがする。
「これでお嬢様もみんなに食べさせてあげられますね!」
「アプリコットちゃんは初ダンジョン、おめでとう!」
二人はにこにこしながら、そこを後にするのだった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
二代目海石榴屋・侘助
心配をかけたことを承知して労ろうなんて、なんともお人のできたお嬢さんじゃァございやせんか
切った貼ったの大立ち回りは大して得手でもございやせんがね、チョイとお手伝いくらいはさせていただきやしょう
お次の演目は先代の十八番から「凄腕の狩人、狩りの腕に驕りて山神の怒りを賜ること」
むかァしむかしあるところに、百発百中、野山の鳥獣にあって撃ち落とせぬものなしと謳われる凄腕の狩人がいたそうでございます
まァ、演者が演者でございますから、手にしたエモノが弓矢でなしに拍子木をぶん投げるンでもそこはどうぞお目こぼしを
なんせ由緒正しい破魔の音鳴らす拍子木だ
うようよ増えるような魔性にゃよく響くんじゃねェですかね
心配をかけたことを承知して労ろうなんて、なんともお人のできたお嬢さんじゃァございやせんか
切った貼ったの大立ち回りは大して得手でもございやせんがね、チョイとお手伝いくらいはさせていただきやしょう
お次の演目は先代の十八番から「凄腕の狩人、狩りの腕に驕りて山神の怒りを賜ること」
むかァしむかしあるところに、百発百中、野山の鳥獣にあって撃ち落とせぬものなしと謳われる凄腕の狩人がいたそうでございます
まァ、演者が演者でございますから、手にしたエモノが弓矢でなしに拍子木をぶん投げるンでもそこはどうぞお目こぼしを
なんせ由緒正しい破魔の音鳴らす拍子木だ
うようよ増えるような魔性にゃよく響くんじゃねェですかね
「(心配をかけたことを承知して労おうなんて、なんともお人のできたお嬢さんじゃァございやせんか)」
二代目海石榴屋・侘助(胡乱な紙芝居屋さん・h01536)は人情の人だ。お嬢様の人柄に触れて、ぐっと紙芝居屋の魂に火がついた様子。
ダンジョンを進めば「ぶもーこけこけ」という鳴き声が聞こえてくる。これが労うためのお肉なのだとわかれば、かたんと紙芝居を用意する。ここから先は侘助の舞台だ。
「(切った貼ったの大立ち回りは大して得手でもございやせんがね、チョイとお手伝いくらいはさせていただきやしょう)」
「ぶもー?」
興味を持ったのかあばれうしぶたどりが集まってくる。侘助は拍子木をチョチョン。
「お次の演目は先代の十八番から『凄腕の狩人、狩りの腕に驕りて山神の怒りを賜ること』」
――広がるのは√能力「|再演・海石榴屋十八番《マァムカァシムカシノオハナシデゴザイマスヨ》」。
「むかァしむかしあるところに、百発百中、野山の鳥獣にあって撃ち落とせぬものなしと謳われる凄腕の狩人がいたそうでございます」
侘助の周囲がダンジョンから山々の景色に変わる。そして、キャスケット帽をちょっと引けば、まるで侘助が「凄腕の狩人」になったかのよう。
否、それはそういう√能力。
「まァ、演者が演者でございますから、手にしたエモノが弓矢でなしに拍子木をぶん投げるンでもそこはどうぞお目こぼしを」
放たれる殺気にあばれうしぶたどりは鶏の羽や頭を増やして襲いかかってくるが、侘助は冷静に拍子木の片側を持ち、片側で狙いを付けて鎖鎌のような要領で敵をぶん殴る。
「なんせ由緒正しい破魔の音鳴らす拍子木だ」
侘助の拍子木は椿の木で出来ている。椿の木は吉祥木。厄除けなどの意味もある縁起物だ。
侘助はころりと倒れる敵を見ながら、微かに笑んだ。
「うようよ増えるような魔性にゃよく響くんじゃねェですかね」
🔵🔵🔵 大成功
ユッカ・アーエージュ
皆にご馳走するためだなんて、とっても素敵!
ホントに良い子ねぇ、私まで嬉しくなっちゃうわ
待っててね、おばあちゃんが張り切って探してきてあげましょうね
まずはモンスター探し、だけれど
「みんな、お願い。力を貸してちょうだいな」
『形あるものはいつか羽ばたく』の能力で精霊のみんなに指示を出す
√ドラゴンファンタジー出身の私はダンジョン経験も少なくないから
ダンジョン内でも慌てずに、足取りは軽やかに。落ち着いて探索しましょう
モンスターを見つけたら、気付かれる前に
「――それじゃあ、お話をしましょうか。沢胡桃の木々が肩を寄せ合う、あの優しい森の思い出話を……」
精霊に語り聞かせるような小さな声で、『沢胡桃の乙女』を発動
モンスターが√能力の森に包まれた瞬間を狙って、精霊たちの【属性攻撃】を必中状態にして【一斉発射】
一気に倒して、無駄に苦しませないようにしましょうね
「それじゃあ……いただきます」
これから食材になるモンスターにお辞儀をしてから持ち帰りましょう
……あら?そういえばあのお嬢さま、自分で捌けるのかしら……?
皆にご馳走するためだなんて、とっても素敵!
ホントに良い子ねぇ、私まで嬉しくなっちゃうわ
待っててね、おばあちゃんが張り切って探してきてあげましょうね
まずはモンスター探し、だけれど
「みんな、お願い。力を貸してちょうだいな」
『形あるものはいつか羽ばたく』の能力で精霊のみんなに指示を出す
√ドラゴンファンタジー出身の私はダンジョン経験も少なくないから
ダンジョン内でも慌てずに、足取りは軽やかに。落ち着いて探索しましょう
モンスターを見つけたら、気付かれる前に
「――それじゃあ、お話をしましょうか。沢胡桃の木々が肩を寄せ合う、あの優しい森の思い出話を……」
精霊に語り聞かせるような小さな声で、『沢胡桃の乙女』を発動
モンスターが√能力の森に包まれた瞬間を狙って、精霊たちの【属性攻撃】を必中状態にして【一斉発射】
一気に倒して、無駄に苦しませないようにしましょうね
「それじゃあ……いただきます」
これから食材になるモンスターにお辞儀をしてから持ち帰りましょう
……あら?そういえばあのお嬢さま、自分で捌けるのかしら……?
「(皆にご馳走するためだなんて、とっても素敵!)」
お嬢様の意外に可愛らしいところを見られたことが自分のことのように嬉しいのはユッカ・アーエージュ(レディ・ヒッコリー・h00092)。軽い足取りでダンジョンに向かうのは、やはり√ドラゴンファンタジー世界出身のせいだろうか。
「(待っててね、おばあちゃんが張り切って探してきてあげましょうね)」
まるで先刻の特別な果物を探すときと同じように、気負いも緊張もなく、ただ可愛らしいお嬢様のためにダンジョンの中を進んでいく。
とは言え、ダンジョンも広い。無目的に歩き回っても疲れてしまうだけだろう。
「みんな、お願い。力を貸してちょうだいな」
それは√能力「|形あるものはいつか羽ばたく《オーヴァーチュア・ビギンズ》」。ユッカのことが大好きな精霊たちは、呼ばれたことが嬉しく、頼まれることも嬉しい。
ユッカが事情を話せば、風の精霊は一番乗りを目指して吹き抜けていき、ダンジョンを形作る石の精霊はダンジョン内の様子を探る。少し崩れた箇所から落ちる雫の精霊はユッカの足元を先導し、微かな光の精霊はユッカの視界を助ける。
これだけの仲間がいる上、ユッカはダンジョン経験も少なくはない。だからこそ、慌てることなく、足取りは軽やかに。 余計な殺生を避けるように落ち着いて探索していく。
風の精霊が曲がった先に狙いの「あばれうしぶたどり」がいると告げに来た。覗き込むユッカと精霊たち。
「ぶもーこけこけ」
なかなか特徴的なモンスターがうようよごろごろしている。これが目的の敵だとわかれば、ユッカは唇に指を立てた。精霊たちにも自分にも、静かに、静かに。
「――それじゃあ、お話をしましょうか。沢胡桃の木々が肩を寄せ合う、あの優しい森の思い出話を……」
精霊に語り聞かせるような小さな声で発動するのは「|沢胡桃の乙女《レディ・ヒッコリー》」。するとモンスターたちが沢胡桃の森に包まれる。此処はユッカの大事な場所。
異変に気づいたモンスターたちがきょろきょろとする。
「ぶも?」
「こけこ?」
必要なお肉は多くない。あれだけまんまるなお肉なら、数匹で十分だろう。
「精霊さんたち、力を貸してね」
風の精霊が、石の精霊が、水の精霊が、光の精霊が、さらにはモンスターにくっついていたらしい砂の精霊なども、ユッカのためにその攻撃力を振るう。
そしてこの森の中なら、攻撃は必中。
「みんな、いいかしら。せーの!」
そうして一斉に発射!
「(一気に倒して無駄に苦しませないようにしましょうね)」
ユッカは数匹を苦しませることなく倒すと、周囲は静かになった。
「それじゃあ……いただきます」
そうして、これから食材になるモンスターに、命に、お辞儀をして精霊たちにも頼んで持ち帰るが……。
「(あら? そういえばあのお嬢さま、自分で捌けるのかしら……?)」
お嬢様が目指していたのはパティシエだ。ユッカの疑問はお屋敷で直接聞いてみるしかなさそうだ。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『パフェ・スイート』
POW
ゼラチナルアース
【大地ゼリー化魔法『ゼラチナルアース』】を放ち、半径レベルm内の指定した全対象にのみ、最大で震度7相当の震動を与え続ける(生物、非生物問わず/震度は対象ごとに変更可能)。
【大地ゼリー化魔法『ゼラチナルアース』】を放ち、半径レベルm内の指定した全対象にのみ、最大で震度7相当の震動を与え続ける(生物、非生物問わず/震度は対象ごとに変更可能)。
SPD
至高のシュークリームボム
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【一度味わうと病みつきになるシュークリーム】を、同時にレベル個まで具現化できる。
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【一度味わうと病みつきになるシュークリーム】を、同時にレベル個まで具現化できる。
WIZ
ソフトクリームミサイル
【何故か命中率の高いソフトクリームミサイル】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【ソフトクリームのベトベト感とヒンヤリ感】に対する抵抗力を10分の1にする。
【何故か命中率の高いソフトクリームミサイル】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【ソフトクリームのベトベト感とヒンヤリ感】に対する抵抗力を10分の1にする。
√ドラゴンファンタジー 普通11
ダンジョンの奥からは甘い香りがしてくる。
それは果物系の甘い香りもあるが、どちらかと言えばクリーム系の甘さだ。
現れた可愛いモンスターは√能力者たちを見るとパフェのような武器を構えた。
「あなた達もパフェの秘密を盗みに来たの? あたしの秘密は教えてあげない!」
モンスターの秘密はいらないけれど、やっぱりパフェの秘密は欲しい。√能力者たちは臨戦態勢に入った――。