シナリオ

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お嬢様のグルメなわがまま

#√ドラゴンファンタジー

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「パティシエになりたいんですの」
 金髪の縦ロールくるくるした見るからにお嬢様という少女が、ドレスの裾を翻して歩き出す。
「お嬢様、だからと言って材料まで取りに行くのは」
「そうです、ダンジョンの近くは大変危険です!」
 メイドさんや執事さんらしき人がお嬢様を止めようと言葉を尽くす。だが、お嬢様は譲らない。
「パティシエなら、素材を追求してこそ一流ですわ!」
「お嬢様ー!」


「甘いものは正義だけど、危険なことはよくないのね。ひなもわかるの」
 うんうん、と頷きながら星詠みの春日・陽菜(h00131)が言う。
「でも、熱意は買うのよ。だから、√ドラゴンファンタジーのお嬢様を助けてきてほしいの」
 ひなが言うには、お嬢様の名前はエイミー。金髪縦ロール、ふわふわドレスのいかにもなお嬢様だと言う。
「まずはね、お嬢様が出したクエスト……牛乳持ってきてとか、よい卵選んでとか、お砂糖は上白糖!とかお菓子つくりの材料を街で揃えてもらいたいの」
 √ドラゴンファンタジーは幸いにして食料に困っている√ではない。その辺にコンビニもあるし、お菓子だって一通り揃っているくらいだ。
「でもね、パティシエになりたいお嬢様なのよ。普通の牛乳じゃ見向きもしないの。だからね、普通の牛乳になにか、こう、すっごいこと付けてもらいたいの。例えばね……うーん、この牛乳は千頭いる牛の中で一番美人さんな牛から取れましたー!とか」
 箔をつければ勝ちらしい。
 お菓子作りの材料は無難なものが一通り揃えば大丈夫だと言う。
「材料が揃う時間によって、その後の未来は変わってくるのよ。待ちきれず出かけてしまったお嬢様を探すか、お嬢様の無理難題をさらに聞くか」
 どちらにしても、最後はダンジョンに入らなければいけないらしい。
「ダンジョンの奥にね、伝説の『パフェ』の資料を持った敵がいるのね……伝説のパフェ……じゅるり」
 陽菜は慌ててよだれを拭う。あぶないあぶない。
「お嬢様は一流のパティシエさんになるため、その伝説のパフェも狙っているの。だから、お嬢様がダンジョンに行ってうっかりモンスターになっちゃったりしないように、助けてあげてほしいのね」
 陽菜はうんうん、と頷くとぺこりと頭を下げた。
「お嬢様のこと、お願いしますなのよ。助けてあげてなの」
これまでのお話

第3章 ボス戦 『パフェ・スイート』


POW ゼラチナルアース
【大地ゼリー化魔法『ゼラチナルアース』】を放ち、半径レベルm内の指定した全対象にのみ、最大で震度7相当の震動を与え続ける(生物、非生物問わず/震度は対象ごとに変更可能)。
SPD 至高のシュークリームボム
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【一度味わうと病みつきになるシュークリーム】を、同時にレベル個まで具現化できる。
WIZ ソフトクリームミサイル
【何故か命中率の高いソフトクリームミサイル】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【ソフトクリームのベトベト感とヒンヤリ感】に対する抵抗力を10分の1にする。
√ドラゴンファンタジー 普通11

 ダンジョンの奥からは甘い香りがしてくる。
 それは果物系の甘い香りもあるが、どちらかと言えばクリーム系の甘さだ。
 現れた可愛いモンスターは√能力者たちを見るとパフェのような武器を構えた。
「あなた達もパフェの秘密を盗みに来たの? あたしの秘密は教えてあげない!」
 モンスターの秘密はいらないけれど、やっぱりパフェの秘密は欲しい。√能力者たちは臨戦態勢に入った――。