最高のハロウィン
花丘・ありす【イエドラ万】
アドリブ歓迎っ♪
ありす は予め、子供(に見える)の妖怪さんの友達なんかに
「ハロウィンて行事が流行ってる」「今度『ちゃちゃ』でハロウィンのイベントがある」って宣伝と、
ハロウィンがどんな行事か――特に仮装とトリック・オア・トリート中心に――説明して、イベントにお誘いするのっ♪
当日は、水色の浴衣ドレスに白のエプロンな、和風なアリスの仮装なのっ♪
お誘いした子とか、その子から聞いた子とかと集合したら、改めてハロウィンとかイベントの説明して、
皆の準備終わったころ見計らってちゃちゃに向かうのっ♪
「せーのっ、『トリック・オア・トリート!』なのっ!」
お菓子貰えたら、お菓子やったなのっ♪
もしも貰えなかったら……しまったなのっ!悪戯考えてなかったのっ!
案内した子たち一段落したら、また他の子たち誘い行ってくるのーっ♪
一人称: ありす
二人称:きみ/(年下~同年代には)名前+くん、ちゃん/(年上には)名前+おにーちゃん、おねーちゃん
語尾:「~なの」「の」で基本「っ♪」や「っ!」がつく
無邪気で元気いっぱい、好奇心旺盛な女の子
√妖怪百鬼夜行、禍津宮市。
肌に触れる風がだいぶ冷たくなってきた。
空を見上げれば、透き通った透明の青がどこまでも続く。
冬の訪れまであと少しの秋の半ばといったところ。
|空を舞う魚達《インビジブル》もいつもより多い気がする。
「そろそろハロウィンの時期だよね。
そういえば|√妖怪百鬼夜行《こっち》のハロウィンってどんな感じなの?」
ミルグレイス・ゴスペリジオン(魔境を巡る舞軍師・h02552)が、何気なく疑問を口にした。
「……あまり|√EDEN《あちら》のモノと大きく変わらない、と思っていい。
俺が知っている範囲で、だが――」
それは本当にたまたまだった。
側に居た|木邑《キムラ》・|零壱《レイイチ》(黒き彼岸・h08169)が静かに答える。
「そっかー!
それなら、ちゃちゃでパーティやったらこの辺りの子どもたちとか喜ぶのかな!」
「確かに……悪く、ないだろうな」
穏やかな声で零壱がミルグレイスに返す。
たしかにハロウィンも大きく括れば祭りの一つ。
お祭り騒ぎが大好きな|√妖怪百鬼夜行《こちら》の面々はきっと好きに違いない。
けれど――妖怪が妖怪の仮装をするのだろうか……?
ミルグレイスの脳裏に一瞬、山姥の少女が魔女の衣装で包丁を研いでいる姿や、山を狼男の着ぐるみで駆け回るカッパの少年が浮かぶ。
ちょっとかわいい。
「妖怪の子どもたちも多いし、盛り上がりそう! 折角だから企画してみようか、ちゃちゃでのハロウィンパーティー。
アタシ1人じゃ厳しいかな……ね、零壱さ、手伝ってもらえるかな?」
「俺か……? 構わないぞ。
それに元々お屋敷務めだ、料理などの準備の手伝いも出来るだろう」
ふむ、と零壱が顎に手を当てて言葉を返す。
その時、ぱたた、と小さな足音が側で響いた。
「ん……|零壱《れーち》、どうしたのかな?」
|小弓《コキュウ》・|佐倉 《サグラ》(容易くちぎれ、あっけなく溶ける、綿菓子メンタル少女・h08163)がどこからとも無く顔を出した。
「コキューか。今ミルグレイスに、ハロウィンパーティーの手伝いの相談をされていたところだ」
「……ハロウィンパーティ。たのしいかな? ……お手伝い必要?」
「そうだな……きっと皆でやる方が楽しいはずだ。
一緒にやってみるか?」
零壱が膝をついて小弓に目線を合わせれば、ほんの少しだけ早口で小弓が答える。
楽しそうという風が、凪の湖に小さな感情の波紋を作り出す。
「わたしも、やる」
淡々とした声。でも、これが彼女の楽しみだ、という声だ。
「小弓も手伝ってくれるの? 助かるよ!」
こくり、と小弓はお辞儀を返した。
「それじゃ、このちゃちゃに子どもたちを招いておっきなハロウィンパーティにするって企画で!」
「ああ、地元の人々とも良い交流になるはずだ」
ミルグレイスの元気な声は、もちろん辺りに響く。
その声に皆が次々と集まってくるのも、いつもの黄龍会。
「|万聖節《ハロウィン》ねェ。俺の知識じゃ先人の霊を家に迎えるってェのが本来の在り方だが、最近は良くも悪くもお祭り騒ぎする輩が多いように思うなァ」
ケヴィン・ランツ・アブレイズ(|“総て碧”の《アルグレーン》・h00283)が顎に手を当てて語りかける。
確かに、ハメを外しすぎる話は多くの√で聞いたことがある。
地元の人々と楽しいイベント……良い祭りにするのは、準備や心構えが必要かもしれない。
ミルグレイス達も少しだけ難しい顔になる。
「……とは言え俺も|子供《ガキ》の時分は無邪気に菓子をねだってたから、偉そうなことは言えないがねェ」
騎士は、髪をくしゃりと軽く掻いてから柔らかな顔で付け加えた。
彼らしい自戒の言葉でもあったのだろう。
「まァいいサ。折角の祭りなンだから、盛り上げるために出来る限りのことはするかねェ」
「心強いよ、ケヴィン。子供たちが本当に喜べて楽しめるパーティにしよう」
「俺も出来るだけやらせてもらう、子供の頃の祭りってのは大事なものだからな」
「出来る限りのこと、する……です」
4人が企画の会議を始めた頃、ゆらゆらと尾を振りながら黒い魔猫が通りかかった。
「ほー、ハロウィンのイベントやんのか。
……ハロウィンって、イタズラしたらお菓子貰えるヤツだっけ? え、違う?」
|七々手《ななて》・|七々口《ななくち》(堕落魔猫と七本の魔手・h00560)の猫のお散歩。
テキトーで気だるそうな声が喉から漏れる。
「それ、逆……です」
「ああ、逆だな……」
小弓と零壱の素早い反応。
「そっか。貰うのも大変そーな祭りだな……」
猫のお顔にきゅう、と面倒くさそうなシワが増える。
「手伝うと貰えるぞ!」
ミルグレイスが親指を立てて笑っている。
「んなら、考えとくわ~」
揺れる魔手もそれぞれ反応が違う。暴食くんは期待しているし、怠惰くんはしんどそう。
七々口は、そのままどこかへ歩いていってしまった。
「七々口らしいねェ。ンだが、そのくらいの感覚のが良いかもしれないなァ。
肩肘張って頑張りすぎちゃァ祭りの押し付けになっちまう。
ンなら、あのくらい緩く構えるのも良い祭りのコツかもしれないねェ」
「確かにそれもそうか。子供たちも安全に楽しく盛り上がる事が出来る、祭りの場所と空気を用意するイメージが良いかもしれないな」
「その心構えなら、とても良い祭りになるだろう。
|俺《わたし》も手伝わせて欲しい」
少し前から側で話を聞いていた、モルドレッド・アーサー(防導の騎士・h04734)が頷きながら微笑んでいる。
「あっ、|師匠《パパ》! とても助かるよ!
ここの|万聖節《ハロウィン》の事も調べないとだ。|師匠《パパ》、なにか知ってる?」
「|√妖怪百鬼夜行《こちら》の|万聖節《ハロウィン》か。
それを知ることはとても大切な事だ。
しかし、それに縛られすぎても交流という意味では物足りないかもしれない。
ミルグレイスたちが考える……黄龍会らしい、ちゃちゃの|万聖節《ハロウィン》パーティを開けば良いのではないだろうか?
――先程の心構えがあれば、きっと上手くいくだろう」
「らしい……なるほどね! 皆に声をかけてみるよ、きっと色々な案も出てくるし」
「そうすると良い」
「おっ、聞こえたよ! ハロウィンって奴をやるんだね!
|√ドラゴンファンタジー《地元》でもこの季節は盛り上がってる時期だ、ばっちり準備も出来るはずさ!
私も混ぜてくれ!」
ネメシア・ヘリクリサム(剣と共に歩み、息づき、愉しむ人生・h08297)が楽しげに駆け寄ってきた。
明るく元気な雰囲気がとても頼りがいがある。
真面目で丁寧な相談の雰囲気に、祭りに一番必要な花が開いたようだった。
「よろしくね、ネメシア!」
「……よろしく、です」
少しだけ小弓の声のトーンが上がったかもしれない。
零壱は気づく。
表情には出ないけれど、楽しくなった、のだと。
「楽しそうな声がしたの! ハロウィンパーティするの?
ありすもモチロンお手伝いするの!」
楽しげな空気は一気に辺りに広がっていく。
|花丘《はなおか》・ありす(ありす・イン・ワンダー√・h00811)がキラキラとした瞳で話に飛び込んできた。
「もちろんだよ、ありす! 手伝ってくれたら嬉しいよ!」
「ンだな、こんな雰囲気が一番大事かもしれねェな」
「ああ、違いない。やはり主役に聞くのが一番分かる、というものだな」
「たのしそう……です」
「そう言うコキューも楽しそうだな。頼れる助っ人の登場ってところか」
星が溢れ出すような空気を纏った少女が、さらに空気を温める。
もう祭りが始まってしまったかのように。
「ありすはね、妖怪さんの友達がたくさんいるの!
ハロウィンのこととか、ちゃちゃの事とか、イベントのこととか、たくさん宣伝できるの!」
「そっか、宣伝! そうだよね、皆に伝えなくちゃだ!
ありすはお友達にイベントのこと、話してあげてくれる?」
「わかったなの! 仮装とか、トリック・オア・トリートのこととか、いっぱい説明してイベントにお誘いするのっ♪」
お花が溢れ出すような表情に辺りが暖かくなる。
「助かるよ、ありがとね!」
「これは、宣伝効果もばっちりだな! 準備にも気合が入るってもんだね!」
満面の笑みのミルグレイスとネメシア。
腕を組んで頷くのは、お父さんみ溢れるモルドレッドと、頼れるお兄さんのケヴィン。
遠くで興味ない顔をしているものの、耳はしっかりとこっちに向いている七々口。
全員の気持ちは、ハロウィンへと向かっていた。
「|零壱《れーち》も宣伝、したら」
「コキュー? 俺は秋祭りでも、ほら……なぁ……?」
「みんなお話ちゃんと聞いてくれてた」
「……あれはなぁ……怖がられていた、というか――」
ぽりぽりと髪を掻く零壱。少し前に祭りでなにかあったけれど、それはまた別の話。
とはいえ、少し関係がある。
今回は俺は裏方に徹しようかな、なんて思う零壱だった。
ま、このメンバー達だ。
そうは問屋が卸さないのだけれど。
「折角のハロウィンです。
わたくしも怖がられやすいですから、なにか素敵な仮装をしようと思いますよ」
足音は無かった。
輝く銀色の毛並みの狼、アーネスト・マルトラバース・シートン(若き狼・h00433)が穏やかな顔で零壱を見上げている。
「そうだね! アタシたちも仮装して盛り上げよう!」
「ミルグレイスおねーちゃんの言う通りなの! とってもいい考えなの!」
「……ふむ……仮装、か」
「そ、そうだな……」
「確かに、俺たちも着た方がいいなァ」
盛り上がる女性陣の横で、真面目な顔をして悩み始める男性陣。
「にゃあ~」
遠くで七々口がワザとらしく鳴く。
オレは何にもしなくてもイベントにぴったりだしな、のちょっとご満悦の顔。
「……ん。黒猫さん。いいかも」
呟く小弓。
気付いたネメシアが反応し、サッと目の前にしゃがみこむ。
「なるほど、黒猫さんの仮装だね! いいじゃないか!」
ネコさんが好きな小弓。
ネメシアに尋ねられれば、あっ……と気づいて少し嬉しくなる。
声は平坦だけれど、楽しみが少し増えた。
「仮装……です」
「良いね! なら私もお揃いにしようかね!」
優しいお姉さんの言葉に、小弓が頷く。
「ほら、もう盛り上がっていますよ!
零壱さんも、仮装を考えましょう!」
アーネストが目を細め、ふりふりとゆっくり尾を振っている。
「とはいっても……な」
「衣装も沢山売っていますし、折角ですから楽しんでみても良いかもしれませんよ」
ルスラン・ドラグノフ(лезгинка・h05808)が皆に歩み寄る。
「じゃあ黒いマントに、白いシャツとか!」
「それじゃ、そのままじゃないですか!」
遠くで黒猫が小声で呟くと、素早くルスランが突っ込む。
分かりやすいツッコミ待ちのボケ、突っ込まずにはいられない。
彼は吸血鬼だ。
吸血鬼が吸血鬼の仮装では、仮装なのか……という。
その裏で、騎士達も思う。
|俺《わたし》達も、鎧のままで出れば充分仮装なのでは?
だからこそ、なにか考えねば……!
「ルスランさん、わたくしも、狼以外の仮装を考えますから」
「ですよね。分かります」
遠くで黒猫がくしゃみした。
怠惰なにゃんこは、きっとそのまま仮装と言い張って来るつもりだったのだろう。
「まさに折角の機会なのだわ、派手な仮装で綺羅びやかに登場! なんてのもアリなのだわ!」
芸術が平和をもたらした未来からやってきた、ウララ・ローランダー(カラフルペインター・h07888)がゴキゲンに走り込んでくる。
「もちろん、飾り付けも雰囲気づくりに必要だわ! 僕様ちゃんがひと肌脱ぐのだわ!」
「ウララの飾り付けなら、最高に違いないよ!
お菓子や料理の準備と、ちゃちゃの飾り付け。それと宣伝と……企画って感じに割り振ると良さそうかな!」
ミルグレイスが集まってきた皆の顔を見る。
各々が出来ること、自信あることを思い浮かべ、やる気を漲らせた。
「店内の給仕ならおまかせくださいませ」
カツリ、とヒールの音一つ。
一歩前に出た|霞月《かげつ》・|彩《あや》(流転する夢・h06157)が、美しい所作で頭を下げる。
その所作一つだけで、お店の品格がグンとあがるような。
完璧なキャスト、任せたくなる素晴らしい動き。
「そうだね、ちゃちゃの給仕もしっかりだよね。
普段のちゃちゃのバイトどおりにやればいいよね?」
横に並ぶのは赤峰・寿々華(人妖「鬼人」の煉鉄の|格闘者《エアガイツ》・h01276)。
気さくな声、頼りがいのある立ち姿。
親しみやすく、肩肘を貼らない雰囲気。
彼女も任せたくなる雰囲気だ。
「ええ、いつもお店に立たれている方のやり方が一番ですね。
ぜひお願いします」
「いやいや彩ちゃんの動きも完璧だよ、いい感じにやろー!」
皆が自分の役割の相談しはじめた頃、小さくか細い声が聞こえてきた。
「……あ、あの……僕も、なにか……お手伝い、出来ることがあったり……します、か?
お菓子を、生産する、などは……出来ると、思います……」
|四之宮《シノミヤ》・榴《ザクロ》(虚ろな繭〈|Frei Kokon《ファリィ ココーン》〉・h01965)が皆より少し離れた場所に立っている。
「もちろんだよ! お菓子はたくさんあると、きっとみんな喜ぶから!」
ミルグレイスが満面の笑みで手招きする。
「は、はい……それなら! ……色々、準備のお手伝い……をさせて頂きたく……」
「榴おねーちゃんも、かわいい衣装着るなの!
もちろん、彩おねーちゃんも、寿々華おねーちゃんもなの!」
ありすが音符が跳ねるような声で笑う。
「そうですね。そういうイベントですから」
「なるほどねー! よーし、準備しちゃうよ」
「……ぼ、僕も……でしょうか、ですね……」
「もちろんなの!」
ハロウィンパーティーの企画は、こうして始まったのだった。
そして、あっという間に時は前日に。
ちゃちゃの営業が終われば、明日のハロウィン営業の準備がはじまる。
ウララが紫とオレンジ色を基調に、ご機嫌でハッピー、それでいてしっかりハロウィンな色使いに店内を染め上げる。
ハロウィン前日の営業が終わったちゃちゃは、あっという間にハロウィン一色の世界に姿を変えた。
まるで、別の√に迷い込んだように。
バルーンにしゅっしゅと空気を送り込み、ガーランドを飾り付ける。
「届かないところがあるのだわ……」
「ここなら、僕がやりますが……僕も届かないかもしれません」
ルスランがひょいとバルーンを飾りながら、優しく微笑む。
「届く方にお願いするのも良いかもしれませんね」
「確かにだわ! 出来るところまでやって、明日みんなで一気に飾り付けるのが良さそうだわ!
あっ……そうだわ! ルスランちゃん、ちょっと見て欲しいのだわ」
「……? なんですか?」
ウララが一度奥へと走り込み、何かを羽織って戻って来る。
「魔女の仮装なのだわ! ドレスと帽子に……じゃーん!」
ぽち、となにかのスイッチを入れれば店内がクラブのように虹色に染まる。
いや、店内が染まったのではない。ウララの衣装が虹色に輝き出したのだ。
「やっぱり仮装は派手じゃなくちゃね!!」
「舞台装置みたいじゃないですか! いや、すごく綺麗ですけど……!」
「なのだわ! それじゃ、これは一旦片付けておいて……飾り付けの下準備を進めるのだわ」
「ええ、夜は僕も得意なので。お手伝いしますね」
二人はいそいそと店内の配置を整えたり、店内の飾り付けを続ける。
ある程度進めば準備完了。
後は一気に皆で飾れば完了だ。
二人は満足げに、ちゃちゃの明かりを消したのだった。
そして当日。
ついにハロウィンがやってくる。
けれど――ハロウィンは夜のお祭り。
日中は準備の時間だ。
「それでは! お菓子とお料理を作り始めるよ!」
ミルグレイスの元気な声。
これが皆のやる気に火を付ける。
料理の腕は、日頃の家事とダンジョン生活での自炊の経験も豊富で抜群である。
作るのはクッキーらしいクッキー。
プレーン生地から、おばけの形を抜いて並べる。
「クッキー……つくる、です。
わたしも、やる、です」
小弓がミルグレイスの顔を見上げる。
「もちろん! それじゃ、この型でばんばんオバケさんを抜いてくれるかな!
こっちにコウモリさんの型やカボチャの型があるからお願いね!」
こくり、と頷けばいそいそと型抜きをはじめる。
あっ……ネコさんの型。
そう思えば、ついついネコさんのクッキーが増えてしまうのだった。
「なら、慣れてない人は俺が教えるよ。
コキューも分からなかったらいつでも聞いてくれ。
よし、プレーンなクッキーはミルグレイスに任せて俺はココアで作ろうか」
手際がとても良い零壱。
作りやすいサイズに生地を分け、型抜きが出来るように広げる。
ココアのいい香りが辺りに漂う。
「オバケはクッキーの白っぽさが合うな。
こっちのクッキーなら、カラスや黒猫が作れるぞ」
「……黒猫さん、作れる」
「ああ、作れる。ここ、しっかり抑えると綺麗にしっぽの形が抜けるからな」
「わかった」
小弓の後ろで、大きな腕も一緒にクッキー作り。
もちろん、ネコ型が増えるのはおんなじだ。
「お……やってますね!
お菓子はあらかじめ用意してきましたので、後は皆さんのお手伝いを致しますよ」
ルスランが少し眠そうな顔で姿を見せた。
吸血鬼は夜型。昨晩のうちに、しっかり準備済みなのだ。
「おおー! 綺麗にラッピングされてるねえ! これは……木の実型のクッキー?」
「これはホリシュキーです。
クルミの形をしたクッキーの中にキャラメルナッツやチョコレートがとろり、と」
「……僕の、お菓子も……焼き上がり、ました」
厨房から榴が顔を出す。
可愛らしいウェイトレス風のドレスに、猫耳と尻尾。
料理の邪魔にならない、かわいい衣装。
ちょっと丈が短いかな……とは思うし、ベルトのラインが胸を強調する。
一応、エプロンは……あ、ありますし…平気です、かね……なんて心中で葛藤しながら。
「このようにラッピング、して、あります。ここに、仕上がった分を置いて、おきます、ね。
中身は、オバケの……お芋、クッキー……栗の……マド……レーヌと、カボチャの……スコーンと……。
サルミアッキ、ですね」
榴は、ハロウィンのかわいいカボチャに見える袋を抱えている。
その中に入っているお菓子の情報も聞いたが、黒い例の奴の名前が聞こえた気がした。
黒い菓子は√EDENでしばしば偉い人に送られる事がある、と聞いたことがある……。
「は? サルミアッキ?」
素早い。
ナチュラルに流れていった黒き飴の情報に、ルスランがすかさず反応する。
「それ、では……もう少し、作ってて、参ります」
榴が奥へと戻っていく。
机に置かれたカボチャ袋のお菓子は、完璧に同じサイズ、同じ形に膨らんでおり、まるで機械が生み出したパーフェクトなビジュアルだった。
「おっ……もう始まってるね! 少し遅くなっちゃったかな!
差し入れを持ってきたよ! カボチャ狩りの成果がこれだよ!!」
ネメシアが大きな袋を担いで厨房に姿を見せる。
大きな袋を開けば、中にはたくさんのカボチャ。
ん?
んん……顔がついてるし、微妙になんだか植物というより……?
「それさあ」
ミルグレイスが、知っている、という顔をする。
「大丈夫、元がなんでも今はかぼちゃだから! 美味しいから!!
見た目モンスターの名残あるけど、切れば同じだよ!?」
「やっぱり! とはいえ、そうだね、調理すれば同じだよ!」
「それって同じ……なんですかね!? カボチャじゃないって言ってますよね!?」
ルスランの当然のような叫びが広がった。
たぶん、同じなんだと思いたい……。
「ふむ……カボチャ料理も増やせそうだな。こちらにパイも焼けている。
皆もつまんでみると良い。
|俺《わたし》が作った料理はこちらに並べておこう」
「おや? このカブのやつって?」
ネメシアが首を傾げる。
モルドレッドが並べた、数々の料理の中にカブのクリームソースや惣菜が混じっていたからだ。
「外部に取り入れられていく過程でその地のその時季に多く採れていたカボチャが浸透され現在に至る。
が、ハロウィンの元となったケルトの収穫祭ではカブが使われていたらしいのでな。
せっかくなので由来となる食材も取り入れてみた」
「さすが|師匠《パパ》、博学だねぇ……!」
「勉強になった、です。カブ……」
「ああ、俺も知らなかった。そういうものか。
西洋妖怪も居る、喜ぶ奴もいるんじゃないかな。
お、クッキーが焼けたな」
「数も多いし、ちょっと試食会をしよう!!」
ミルグレイスの声に、一斉に調理組が集合する。
「オバケ……のクッキー、顔は、書かないの……ですか?」
榴が、ミルグレイスに尋ねる。
「これはね、後でみんなとチョコペンを使って描くんだよ!」
「なる……ほど! それは、きっと……楽しいですね!」
「うんうん!」
皆、料理が出来るのだ。
そう……このメンバー、誰一人事故料理を生み出す存在が居ない。
つまり、どれを食べても最高に美味しいのだ。
最高のクッキーや、カボチャ料理……子供たちも、作った皆も満面の笑みになる。
たった1つのあいつを除いては。
そもそも、あいつは世界で1番まずい飴と言われている存在。
完璧にお菓子を作る榴が作ったのなら、それが完璧に再現されているワケで……。
「戻りました! 足りなかったリボンや、パッケージ用の袋。お砂糖や卵……あと、何種類かお菓子を買ってきましたよ!」
帰りは急ぎだったのだろう、狼の姿で背中にたくさんの荷物を乗せたアーネストが厨房へ戻ってきた。
足りなかった物を百貨店へ買い出しに行っていたのだ。
「自然素材のものや、卵やミルクを使っていないもの、あとは……こちらはお豆腐などを素材にしているマドレーヌです。
自家製だと難しいアレルギー配慮かつ美味しそうなお菓子などを集めてまいりました……!」
長い距離を走ったのだろう、舌が時々出入りする。
「狼さん? 羊さん?」
「羊……さん、です……ね」
アーネストが身につけているのは羊さん風のふわふわコート。
羊の皮を被った狼の姿。
「羊さんですよ。ヤギさんもだけど、可愛いと思いつつも目が不気味に思われる草食動物ですよね」
「羊さん着ながら言うコトなんですか!?」
このメンバーだ、つい反応してしまうルスランに休みはない……。
「大事なお話かと思いまして……! さて、わたくしもお手伝いをしますね!」
人型に戻れば、羊さん風の可愛い衣装。
けれど皆の目には、羊さんを纏ったかわいい狼さんの姿が色濃く残ったのだった。
「今、皆で試食をしていた。
アーネスト殿もひとつ如何かな?」
モルドレッドが皿に色々なお菓子や食事をとりわけ、スマートに渡す。
もちろん、その隅には榴が生み出した黒き飴。
「……はい? サルミアッキ?」
やはりそうなるのだ。
「西洋ではこれが故郷の味でもあると聞く。
味の複雑さもまた、思い出になるだろう」
「そ、そうですね。それでは頂きます」
先に苦手なものからやっつけよう。
奥の机でアーネストはそっとサルミアッキを口に運ぶ。
「きゃいん」
鳴き声が聞こえた気がした……。
「おー! すっごいのだわ、色々なお料理とお菓子が並んでいるのだわ!」
そんな中、飾り付けの途中に顔を出したウララが嬉しそうな声をあげる。
「試食やってますよ、お一つ如何ですか?」
ルスランが柔らかい笑顔で語りかければ、ウララの瞳にキラキラが灯っている。
なんせイケメンなのだ。
こんな甘い声で食事に誘われてしまえば、ときめかない訳がない。
「そのお菓子、変わっているわね?」
ホリシュキーを一つ受け取って、サクリと齧れば口の中に広がるチョコとナッツのとろとろのソース。
サクサクとの相性も最高で、たまらなく美味だ。
「美味しい……!!」
「美味しいの、わかる、です」
「とはいえ、試食でお腹いっぱいにならないようにしてくださいね」
料理の準備も整い、しばしの和やかな空気が流れていた。
一方その頃、飾り付けチーム。
「おー、これはよく働くなー。さすがこうやって動いていた、と聞いただけある~」
七々口がごろん、と転がりながら伸びをする。
怠惰な魔手の√能力で、その辺にあったカボチャを材料に作ったカボチャ人形達に全ての仕事を手伝わせていた。
もちろん、ネメシアが持ち込んだモンスターだったカボチャも混じっている。
いい感じに立ち上がったカボチャ達は、ふよふよと飾り付けを手伝い飛び回る。
これがまた、手際よく早い。
さすがの能力である。
「ナナクチはよォ、アンタも動いたらもっと早ェんじゃないかィ?」
ケヴィンが手際よく高い位置の飾りを整え、テーブルや椅子の位置を整えながら声をかける。
「いや、オレは人形達の維持って仕事があるので……!」
「そうかィ、それなら仕方ないねェ」
「そうそう、仕方ないんだよな~」
いつも通りのゆるーい声。
とはいえ、仕事はバンバン進んでいる。
「これは頼まれちまったからな……」
気だるそうに、七々口は立ち上がると魔手で吹き抜けの天井近くにバルーンを飾り始めた。
「助かるねェ、そこは流石に届かないんでよォ」
「ま、仕方ないってやつよ」
微妙にケヴィンの雰囲気と言葉に引っ張られながらも、江戸っ子な飾り付けは進む。
ほぼほぼ、整ってきているだろう。
「よし……こっちも受け入れ準備OKって奴だねェ」
食事も飾り付けもバッチリ。
あとは、子供たちがやってくるのを待つばかり。
「それじゃ、私たちの出番だね! 行こうか、小弓!」
ネメシアが猫ちゃん手袋でひょい、と小弓を手招きする。
仮装は、絞った腹筋がバッチリ見える、ストリートなやんちゃ黒猫スタイル。
猫耳のついたキャップに、もちろん尻尾イメージのキーホルダーも装備。
「いく、です」
店内での人の出入りが激しくなるとテキパキとした動きが求められそうだ。
それなら店の前でイベントの宣伝をするほうが向いているだろう、と決めた小弓が、緊張しながら答える。
衣装はもちろん、彼女の大好きな猫ちゃん。
黒猫の耳としっぽをつけた、黒い全円スカートのワンピース。
ひょいと抱えた『招福』招き猫ぬいぐるみもとってもカワイイ。
二人は店の外に出る。
小弓も護霊も、左手を抱えた招き猫と同じポーズに。
千客万来、の手招きの準備。
「お菓子欲しい子、いたずらしたい子、みんなまとめて、よっといで」
平坦だけれど、なんだかワクワクするような声色。
にゃんにゃんする腕に、通りかかる人々が足を止める。
「ハロウィンイベントだよ! 祭りの一種だ、ぜひ寄っておいで!」
隣でネメシアも同じように手招き。
「玄関に黒猫が来たら幸運のしるし……なんて話もあるんだよ、2匹もいたら今日のちゃちゃの繁盛間違い無しでしょ!」
「間違い無し、です」
その時、遠くから別の声が聞こえてきた。
「みんな~! 準備はいいかしら、なの!
ちゃちゃの中にはパーティの準備がしっかり整ってるの!
それじゃ~、中に入って言う言葉は分かるかな~? なの~」
「ええと、ええと~」
「あれだよ、ほら、あれ」
「僕は地元でやってたから知ってるよ」
「わっしょいだっけ……」
「それは別のお祭りだよ~」
「もう一度、練習しておくなの!
トリック・オア・トリート! が今日の魔法の言葉なの!
お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞ、って意味なの!」
「あー! それだー!」
「トリック・オア・トリートだね!」
水色の可愛らしいドレスを纏ったありすが、子供たちの一団を連れてちゃちゃの扉の前で待機している。
マントをつけた幼いカッパや、狼のフードをかぶった烏天狗、カボチャのお面をつけたテレビの付喪神。
天使の羽をつけた小さなモンゴリアンデスワーム、ホウキに魔女の衣装の山姥の少女……たくさんの子供たちの前に立つ姿は頼れるお姉さんだ。
「ほら、あそこに黒猫さんが2人……あれ」
ありすが見た先、ちゃちゃの前。
2人の黒猫と……扉から飛び出してきた、ふわふわきらきらの衣装で可愛く着飾った黒猫。
「いらっしゃいませ~! ハロウィンイベント、ちゃちゃへようこそ~!」
それは、信じられないほどカワイイ声と動きで人々を誘っている七々口。
これが猫撫声、借りてきた猫……プロの猫仕草である。
ふわふわの衣装の裏に、チラッとタバコの箱が見えているが、誰も気にしちゃいないだろう。
「黒猫さんが3人待ってるの!
あそこの中なの~!」
ありすが子供たちを先導する。
「声が聞こえてきましたね」
彩が扉の横に立った。
子供たちを中へと案内する準備。
これからが一番忙しい時間だ。
黒のロングスカートに白いエプロン、本場英国のヴィクトリアンスタイル、
顔にはペストマスクでしっかりと仮装。一見すると誰だか分からない。
「随分楽しそうで何よりだね!
よし、しっかりとお迎えしないとね!」
寿々華も扉の横へ。
ディアンドルをふわりと身にまとい、両手には沢山のビールジョッキ。
オクトーバーフェストのキャストな仮装で、子供たちを待つ。
ビールジョッキの中には沢山のお菓子。
かたぬきや、舐めると味と色が変わる飴、美味なる棒スナックとかの駄菓子をたっぷり。
中には√EDENや元の世界では既に終売したお菓子も混じっている。
「おっと……そろそろ来るみたいだよ。
みんな、準備は良いかな! ひーっひっひ、お出迎えするよ~!」
ミルグレイスが魔女の衣装で、皆に声をかけた。
「ひーっひっひ、なのだわ! 僕様ちゃんの衣装も点灯~!」
同じく魔女の衣装のウララが横に並ぶ。
レインボーカラー、いわゆるゲーミングに点灯する魔女衣装で。
一気に雰囲気がアがっていく。
「|俺《わたし》も準備は完了だ。
とはいえ……元より俺(わたし)は齢四十中盤、ハメも外しにくいというもの。
|万聖節《ハロウィン》での仮装としては少し系統が異なるかもしれないが、こちらで出来る自分なりの限界ということでご容赦願いたい」
モルドレッドが神父を思わせる神官服で続く。
騎士姿でも充分仮装とみなされるだろうが、それでは無粋と判断し、彼が冒険者になる前に自分が着ていたものを修繕して用意したものだ。
「いやぁ、流石に日頃から圧があるとか言われてる奴が接客……とは……」
零壱が気まずそうに苦笑い。
衣装はマントに白シャツ……そう、吸血鬼だ。
サングラスも外しているので、赤い瞳がルビーのように煌めいている。
本人は落ち着かずとも、その姿はまさに麗しの伯爵、と言ったところ。
ゆえに、七色の魔女も落ち着かなくなってしまった。
「……ハッ、零壱ちゃん、イケメン過ぎないかしら??」
「イケメンですし、確かに本物っぽいですね……。
本物もびっくりです」
そこに本物の吸血鬼、ルスランが隣に並ぶ。
衣装はキョンシー。
長い袖の中にはたくさんのお菓子を仕込み、子供たちを迎える準備もばっちりである。
「……ぼ、僕も配る、のでしょ、うか……」
ファミリーレストランの制服に猫耳尻尾の榴も落ち着かない。
そもそも皆に全てを託し、思い出を少しでも善きものに、とお菓子を渡すお願いをしたところだった。
一緒にやろう、と手を引かれてしまえばそうもいかず。
結局ここで皆と並んでいる。
思いは同じ、だから緊張してもしっかりお菓子を……。
「なぁに、大丈夫だぜ。いい心構えだったじゃねェか。
きっとみんな喜んでくれるぜ、楽しんでいこうじゃねェか!」
シャツにベスト、キチっとしたウェイターの制服。
背筋をシャンと伸ばしたケヴィンが、榴に笑う。
片手でポケットを探れば、いくつものお菓子。
いつでも渡せるように、と確認も完了。
「そうですよ、わたくしも少し緊張していますから!
羊さんは悪戯なんてしませんから安心ですね!」
ふわふわの羊衣装、人型のアーネストが笑う。
優しい笑顔は、自称不気味な羊の目ではない、みたい。
両手にしっかりお菓子を抱えてはいるが、サルミアッキだけは抜いてあるようだった……。
「それじゃあ、みんな扉を開けるよ!」
パーティ会場の扉が開く。
子供たちの歓声が地響きのように伝わってくる。
「ハッピーハロウィン!!!」
皆の声が一斉に重なる。
ちゃちゃの店内には美しい灯りが煌めき、祭りの夜の森が広がっていた。
「ほら、こっちだよ! こっちの席空いてるからね~!
飲み物は何が欲しいかな? ここから選んでね!」
可愛らしくそれでいて頼りになる立ち姿。
元気な声は、まるで道を照らす灯りのようで。
すてきなお姉さん、寿々華に誘われて子供たちは席に着く。
「あっ! ねぇ、それはなぁに?」
「かたぬき、だよ。 遊んでから食べられるお菓子だ、欲しい時はなんて言うのかなー?」
「トリック・オア・トリート!」
「いいね! はい、それじゃお菓子だ! 楽しんでね!」
「ありがとう!!」
一方、彩。
「店内、暗くなっておりますので足元……お気をつけて」
丁寧で柔らかな声で子供たちを誘導する。
屋敷に招かれた客人になったような気持ちになる、なんとも素晴らしい対応。
今、ここは誰かの城の中ではないか? と錯覚してしまうほど。
ひとりひとりを丁寧に席へと案内していく。
「それでは、こちらにかけてお待ちくださいませ。
今お料理をお持ちいたしますね」
「お菓子だけじゃないの!?」
「もちろんですとも。
あちらの神父様や、吸血鬼様……こちらの皆様がお作りになられた、お食事とお菓子がたっぷりございますよ」
「すごいね……ええと、とりっくおあ、とりーと! ……?」
「おや、イタズラですか! それは困りました、すぐにお菓子をお持ちいたしましょう!」
彩が作る空気感に、子供たちもすっかり乗り気に。
上品なイタズラしちゃうぞ! を宣言するのだった。
パーティはどんどん盛り上がっていく。
このパーティが、一体どんなパーティだったか、なんて語る必要はもうどこにもなくなってしまった。
だって子供たちの笑顔も皆の笑顔も最高なのだから。
この先、悲しいことがあるとすれば、このパーティが終わってしまうことだけ。
子供達のトリック・オア・トリートが響き渡る店内は、いつものちゃちゃより、とっても賑やかだった気がする。
「みんな! 楽しんでる? まだまだパーティは終わらないよ!
もっと楽しんでいこうね!!」
ミルグレイスの声に、会場全体が歓声を返していた。
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