シナリオ

1
煌めく宝珠のホーリーリース

#√ドラゴンファンタジー #四季百華 #プレイング受付中

タグの編集

作者のみ追加・削除できます(🔒️公式タグは不可)。

 #√ドラゴンファンタジー
 #四季百華
 #プレイング受付中

※あなたはタグを編集できません。

 澄んでぴしっとした空気。少し淡い空の色。
 冬の訪れを感じさせる街は何処かしら浮かれていて、きらきらと輝いている。
 |来《きた》るホリデーを心待ちにしている様に。

 ○

「嗚呼、いらっしゃいませ。」
 貴方の来訪に気付いた星詠み――リヒャルト・クロンクヴィストはカップを磨く手を止めて笑顔を向けた。
「皆さん、戦争お疲れさまでした。見事な完全勝利で……情報や戦利品などを色々得られた様ですが、それは一旦置いておいて。」
 今日のお誘いは、戦争などで忙しかった日々を忘れて来るホリデーに向けたリフレッシュだ。
「気付けばもう12月、クリスマス目前ですね。其処で、です。折角なので自分だけのクリスマスリースを作ってみませんか?」
 リヒトはそう云って輪を描く様にくるりと指先を回す。
「リースを飾るヒイラギ……正しくはセイヨウヒイラギですが。緑のギザギザ葉っぱに可愛らしい赤い実が印象的ですよね。その見た目からクリスマスホーリーとも呼ばれています。」
 ――此の『|ホーリー《HOLLY》』はモチノキ科の植物の総称なので〝聖なる〟の『|ホーリー《HOLY》』とは違うのですが……雰囲気はピッタリですよね、とリヒトは笑う。
「√ドラゴンファンタジーのダンジョン内に、此のセイヨウヒイラギに似た植物で、実の色が様々なものが生えているみたいなんです。」
 カラフルな実が生っている様子は、小さな宝石やビーズ細工の様で可愛らしいのだと云う。
「好きな色の実を付けたヒイラギで、クリスマスリースを作りましょう。」

 先ずはダンジョン近くの街で、土台となるリースを作る処から。
「ヒイラギ以外にも好きなもので飾って自分の好きを詰め込んだリースを作るのも良いですし、土台の蔦をメインに飾りは抑えてシンプルに纏めるのもお洒落で良いですね。」
 土台が出来たら、次はメインのヒイラギを採りにダンジョンへ。
「実の色は本当に様々あるので、好きな色や宝石に似たものなどを選んでください。欲張って沢山の色を飾るのも、同系色や一色で纏めるのもお好みで。……あ、偶に硝子やビーズみたいに透明な実もあるみたいですから、頑張って探してみるのも良いかもですね。」
 最後は選んだヒイラギをリースに飾り付けて完成だ。
「そうそう、此のダンジョンの奥には『白月の幻主』がいるみたいなんです。害意の少ない簒奪者なのですが、放っておくことも出来ないので……。願えば消えてくれるので、可哀想ですが去っていただきましょう。」
 願えば良いだけなので戦闘などと気負う必要はない。
「そうですね――『白月の幻主』と云えば願いを叶える存在です。彼の者は去った後ですが、折角なので、完成したリースにクリスマスの願いを込めるのは如何でしょう?」
 クリスマスの奇跡が起こるかも知れませんし、ね、とリヒトは悪戯っぽく笑って。

 興味を惹かれた貴方は、試しにリースを作ることにする。
 詳しい場所を聞き、店を出ていく貴方の背にリヒトは微笑んで声を掛けた。
「――どうぞ、良いクリスマスを。」
これまでのお話

第3章 ボス戦 『白月の幻主』


POW |願《ねがい》結びの幻花
「全員がシナリオで獲得した🔵」と同数の【音もなく灯る夢映しの花弁】を召喚する。[音もなく灯る夢映しの花弁]は自身の半分のレベルを持つ。
SPD 白き|月階《つきはし》
先陣を切る(シナリオで、まだ誰のリプレイも出ていない章に参加する)場合、【夢と現のはざまを描く月光の道標】と共に登場し、全ての能力値と技能レベルが3倍になる。
WIZ 静月の奇跡
【天蓋より舞い降りた月の欠片たち】が顕現し、「半径レベルm内の困難を解決する為に必要で、誰も傷つける事のない願い」をひとつ叶えて去る。
イラスト すずや
√ドラゴンファンタジー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

○月は天を渡り、雪花舞う
 ヒイラギの森を抜けると、大きな|樅木《モミノキ》がそびえ立つ丘だった。
 日が暮れて、東の空から大きな月が昇ってくる。
 ――『白月の幻主』。
 |彼《彼女》に意思があるかは定かではない。唯、願いを叶えて消えていく。
 此度現れたその月は誰が願ったか、満ち欠けの姿を変えながら優雅に天を渡り、西の空へと沈んでいく。

 月が見守る内は昼かと紛う程の明るさだ。その内に、リースを完成させてしまおう。

 沈んでいく月の零した夢映しの花弁が、樅木に散って淡く光り出す。
 強い光の消えた夜空は降り注ぎそうな星空だったが、実際に振り出したのは触れれば消える程の淡い雪花。
 静かな丘に残されたのは淡く光るツリーとホワイトクリスマス。

 ――さあ、貴方はクリスマスに何を願う?
瀬堀・秋沙
【猫と仮面】
幸せ気分でクリスマスの鼻唄!お姉ちゃんと半分こした柊の実を…ここにこうで、完成にゃ!
一緒に素材を集めて選んで作った、世界にたった一つのリース!形になって、とってもうれしいにゃ!
にゃ?猫のを?もちろんにゃ!猫も、お姉ちゃんに渡すつもりで作ってたから!
にゃっ!優しくて、あったかいにゃ!願い事が叶うパワーを感じるにゃ!
後は、猫が叶えられるようにファイトにゃ!
それに猫、この広くてたくさんある世界の中で、お姉ちゃんに出逢えたくらいに運がいいからにゃ!叶うにゃ!

一緒に景色も工作も堪能できて、猫も大満足!
それに…ふふ。猫のお願い事。お姉ちゃんと、おんなじだったみたい!
思い出、たくさん作ろうにゃ!
見下・七三子
【猫と仮面】
秋沙ちゃんと見つけて半分こした柊の実を、リースに飾ったら、完成。
えへへ、秋沙ちゃんリースの出来上がりです。……ね、秋沙ちゃん、よかったら秋沙ちゃんが作ったリース、私に下さいませんか?かわりに、これ、もらっていただけると嬉しいです。
秋沙ちゃんが作ってくれたリースなら、私のお願い事、なんだか絶対叶う気がするんですよね。……あ!もちろん私のリースにも、いっぱい秋沙ちゃんへの思いが詰まってますよ?どうでしょうか。

えへへ。……お願い事……。
このきれいな景色を、秋沙ちゃんと一緒に見られただけで、わりと私満足ですけど。
……そうですねえ。……来年も、いっぱい一緒に楽しいこと、できますように!かな。

 明るい月光に見守られて、見下・七三子(使い捨ての戦闘員・h00338)と瀬堀・秋沙(都の果ての魔女っ子猫・h00416)の真ん丸リースの完成は間近。楽しさと幸せから溢れる秋沙の鼻歌がクリスマスソングを奏でて、辺りの雰囲気を華やかにしている。
 二人の手には透き通る青と赤の実を分け合って作った特別なヒイラギがあった。半分こした実を器用な七三子がそれぞれ枝葉に留め直して、元から輝く青赤が連なっていたかの様に仕立てたのだ。
「秋沙ちゃんと見つけて半分こした柊の実を、リースに飾ったら、完成。」
「お姉ちゃんと半分こした柊の実を……ここにこうで、完成にゃ!」
 最後の仕上げを終えて、二人は達成感と共に完成したリースを掲げた。
「お姉ちゃんと一緒に素材を集めて選んで作った、世界にたった一つのリース! 形になって、とってもうれしいにゃ!」
「えへへ、秋沙ちゃんリースの出来上がりです。」
 お互いに出来上がったリースを見せ合って、笑みが溢れる。そして伺う様に七三子が秋沙に提案した。
「……ね、秋沙ちゃん、よかったら秋沙ちゃんが作ったリース、私に下さいませんか? かわりに、これ、もらっていただけると嬉しいです。」
 自身のリースを口元に持っていき、少し恥ずかしそうに七三子は続ける。
「秋沙ちゃんが作ってくれたリースなら、私のお願い事、なんだか絶対叶う気がするんですよね。……あ! もちろん私のリースにも、いっぱい秋沙ちゃんへの思いが詰まってますよ? どうでしょうか。」
 そう云っておずおずと自らの作った青いリボンが飾られ星と箒の揺れるリースを差し出す七三子に、秋沙は眼を丸くした後、水面に反射する光の様なキラキラの笑顔を見せた。
「にゃ? 猫のを? もちろんにゃ! 猫も、お姉ちゃんに渡すつもりで作ってたから!」
「! 秋沙ちゃんもですか……では交換、ですね。」
 想いが一緒だった事に七三子は驚いた後、ふわりと笑顔を返す。
 お互い完成したリースを交換して、愛おしそうにそれを眺めた。相手が自分を想って作ってくれたリースだ。
「にゃっ! 優しくて、あったかいにゃ! 願い事が叶うパワーを感じるにゃ! 後は、猫が叶えられるようにファイトにゃ!」
 秋沙は七三子の作ったリースを掲げる様にして眺め、優しくそれを抱き締めた。
「それに猫、この広くてたくさんある世界の中で、お姉ちゃんに出逢えたくらいに運がいいからにゃ! 叶うにゃ!」
 そう云って笑い掛けてくれる秋沙に、七三子も秋沙の作ってくれたリースを両手で抱えた。
「ふふ、私も秋沙ちゃんのリースと一緒に願いが叶えられそうです!」
 七三子を模した女の子の人形に、子猫のサンタがプレゼントを持って訪れる、そんなモティーフのリース。正しく、七三子にとって秋沙は沢山の贈り物をくれたサンタさんだ。
 リースを交換して暫くすると、明らかに周囲が暗くなったのに気付く。既に白月の幻主は姿を消し、辺りは星明かりだけが照らしていた。
「あ! 見て、お姉ちゃん、ツリーが光ってるにゃ!」
 月が残した花弁を纏って淡く光る樅木に気付いた秋沙が声を上げる。
「本当ですね! 綺麗……あれ? 雪……?」
 ふわりと舞い降りてきた白い影に七三子が手を伸ばすと、それは掌で儚く溶けた。
「ほんとにゃ……空は晴れてるのに不思議……でも綺麗にゃ、」
 戯れる様にふわりと舞い降りる淡雪を追い掛ける秋沙を七三子は微笑ましく眺める。
「……あ、そうだ。えへへ。……お願い事……。」
「はっ、そうにゃ!」
 七三子の呟きに秋沙も最後のイベントを思い出した。ててっと七三子の隣に戻ってくる。
「このきれいな景色を、秋沙ちゃんと一緒に見られただけで、わりと私満足ですけど。」
「一緒に景色も工作も堪能できて、猫も大満足!」
 満天の星空に、大きなツリー。柔らかく踊り降る淡雪のホワイトクリスマスは中々見られない。
「でも……そうですねえ。……来年も、秋沙ちゃんと一緒にいっぱい楽しいこと、できますように! かな。」
 秋沙を眺めつつ満点の笑顔を見せる七三子に、秋沙は嬉しそうに笑う。
「……ふふ。猫のお願い事。お姉ちゃんと、おんなじだったみたい!」
 秋沙の手がきゅっと七三子の手を捕まえて、二人で温かさを分かち合う。
「思い出、たくさん作ろうにゃ!」
「はい!」
 仲睦まじい姉妹は淡く光るツリーを共に見上げた。
 クリスマスを越え新しく迎える年も、一緒に思い出を積み重ねていこう――そう、心を重ねて。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功