『SN・0138』についての対処報告
【基本情報】
管理名:SN・0138
管 轄:地球外生命体
名 称:外来星物『|煌流《ながれぼし》』、コスモ・グリッター
対象は宇宙誕生より存在するとされるが真偽は調査不能。
地球上でスーパーノヴァを引き起こす可能性があるとして厄災と認定。
その適応力を応用・運用すれば宇宙からの固定砲台になりうると判断。
研究の為に捕縛し、力を|実験体の子供《レインメーカー》へ移植することに成功。
現在、能力を抑えられたSN・0138は我々の管理下で活動している。
【特徴・傾向】
頭上に|光の輪《ヘイロー》を持ち、現在の能力は人間と殆ど変わらない。
人間にはとても友好的であり明るい気質。
倫理観は我々とは違うが、こちらに歩み寄る姿勢を見せることもある。
地球への知的関心や好奇心が強く、我々に協力的である。
√能力の研究においての功績は評価すべき点がある。
ときおり「宇宙に帰りたい」と口にすることがある。
いつか力を取り戻せば、|超新星爆発《災厄》を齎す可能性が高いため要注意。
【記録映像】
「これ、もう撮ってるの?」
研究所内、一台のカメラの前に座っているのは少女とも少年ともとれる姿の子供。
撮影者が頷いたのか、|対象《SN・0138》は笑みを浮かべた。
「コスモ・グリッターだよ~! よろしくね」
対象は記録撮影を嫌がってはおらず、快い様子を見せている。
管理名や管轄、現在の名称などのいくつかの基本的な質問に対象が答えた後、撮影者から別の問いかけが投げられた。
「まままってー! 今アプデしてるからぁ!」
すると対象は頭を悩ませた様子を見せ、ぱたぱたと手を軽く振る。
問いの内容は『世界を破滅から救えるか否か』というものだ。
暫くして、顔をあげた対象は明るく笑った。
「ぼくに任せていいよ。確率は五分ってところかな。……大丈夫、五分を当てる自信はあるから。もちろん科学的根拠はないけどね」
それから対象はどれだけこの世界が楽しく、守るべき価値があるかを語った。
裏を返せば、その好奇心がなくなれば価値も無になるという意味合いでもある。
その様子はまさに無邪気な厄災そのものであり――。
【補足・その他】
どれほど明るく愛らしく振る舞おうとも、要観察・要注意存在であることは不変。
ただし友好的である以上は協力体制を解かず、我々の隣人として扱うこと。
以上を|SN・0138《コスモ・グリッター》の報告とする。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功