シナリオ

3学期は始めないといけないから

#√マスクド・ヒーロー

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●作戦会議室(ブリーフィングルーム)
「日本では、今日あたりから3学期が始まるのか」
 綾咲・アンジェリカ(誇り高きWZ搭乗者・h02516)は壁にかけられたカレンダーに目を向けつつ、
「所変われば品変わる、というやつだな。イギリスでは、2日はもう平日だ」
 と、ひとりで納得していた。
 金の髪を書き上げたアンジェリカは集まった一同を見渡し、卓に両手をつく。
「さて、諸君。一大事だ。
 悪の怪人組織の戦闘員どもが、とある小学校を占拠するというのだ! 予知によれば、奴らは不届きなことに……ンンッ!」
 咳払いをするアンジェリカ。
「『キキキーッ、このまま永久に冬休みにしてやるー!』などと、息巻いているのだ!」
 妙に達者な演技で、戦闘員どもの声真似を披露する。
「これは、由々しき事態だぞ。このままでは新学期を迎えた子供たちの、貴重な学ぶ機会が損なわれてしまう!
 どうだ、許すわけにはいかないだろう?」
 そう言って一同を見渡すが……√能力者たちの反応は。
「……冬休みが延びて、ラッキーとか?」
「ずっとは困るけど、1日くらいは……ねぇ?」
「なにを言う!」
 アンジェリカは「信じられん!」という目で、冗談交じりに呟いた√能力者たちを見た。
「1日1日が、子供たちにとっては己を高めるための貴重な時間ではないか! 級友とともに学ぶことが、どれほど互いを高め心を結びつけていくことか!
 かく言う私も、エレメンタリースクールの頃には……!」
 熱を帯びるアンジェリカはともかく。
 始業式の朝、とある小学校を悪の組織の戦闘員どもが占拠するようだ。奴らはすでに校内にいた職員や早くに登校した児童を人質に取り、3学期を始めさせまいと全ての校門を閉じバリケードを築き、立てこもるようである。
「……これを食い止めるべく、諸君らには事前に学校関係者、すなわち教職員や児童に変装して校内で敵を待ち受けてもらおう。そして、現れた敵を退けるのだ。
 敵の不意をつくことに成功したら、そのまま現れる怪人どもを撃破してほしい。
 諸君、これは未来を担う子供たちを救う戦いだ。さぁ、栄光ある戦いを始めようではないか!」

マスターより

一条もえる
 こんにちは、一条です。
 今回の事件は、小学校を占拠しようとする悪の怪人組織との戦いになります。冬休みを永久に続けさせようとする不届きな……不届きかな? そんなに不届きじゃないかな? うーん、やっぱり不届きなんです。そんな敵を撃破し、キッパリ冬休み気分を断ち切って3学期を開始しましょう。

「第1章 『劇場型怪人事件』」
 あらかじめ件の小学校に変装して潜入し、敵を待ち受けてください。うまく、敵に気づかれずになりきることができるでしょうか?
 敵が現れる時間は、児童の登校が始まる朝の7時前後となります。
「第2章A 『戦闘員』」
「第2章B 『『デュミナスシャドウ』』」
 第1章のプレイングで希望が多い方の敵が出現します。次々と襲い来る敵戦闘員に狙いを付けるか、より脅威となる敵を狙うかの差ですね。
「第3章 『二刀化異人・武佐死』」
 この作戦の指揮を取っている怪人……化異人です。これを撃破すれば、この事件は解決です。

 では、皆さんの燃えるプレイングをお待ちしています。
23

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よろしいですか?

第1章 冒険 『劇場型怪人事件』


POW パワーで怪人を捻じ伏せる
SPD 事件をスピード解決する
WIZ 被害を最小限に抑える作戦を考える
√マスクド・ヒーロー 普通7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エアリィ・ウィンディア
お休みが多いと、まぁ、遊ぶことはできるけど…。
でも、自習じゃないお勉強とか、新しい魔法の知識とかそんなのが覚えられないもんっ!
ということで、しっかり邪魔させてもらうよっ!

小学校にってことだけど、とりあえずマンと外せば普通に学生服っぽいしね、あたし。
それに、現役の小学生ですっ♪
精霊銃と精霊剣はマントにくるんでロッカーに入れようかな。

そこからは、敵が現れるまでは自習っぽい感じで…。
魔導書を読んでおこうっと。確か、この理論で組めばいけるんだけどなぁ…とか、それらしくお勉強。

ん-、戦闘員さん達も気になるけど、ここは親玉をぶっ飛ばした方が敵の士気を挫けるかな~。
まぁ、どっちになったとしても、がんばるっ!
志藤・遙斗
【アドリブ・共闘歓迎】
「普通に考えて、冬休みがずっと続くのは嬉しいと思うんですけどね。」
「まぁ、これも仕事ですし、不本意ですけど解決しますか。」

潜入方法は教育実習生として、潜入する。
「年齢的にも実習生なら問題ないですよね?多分」

POWで挑戦する。
敵が現れたら速攻で戦闘を開始
刀と銃で攻撃します。
敵が複数固まっていたら「制圧行動」を使用し、範囲攻撃を行う。

戦闘後
児童にたいして
「おはようございます。冬休み楽しめましたか?後でお話聞かせてくださいね。」
と笑顔で対応する。
柳生・友好
職員に変装して潜入する
まだ15歳だから見た目はちょっと違和感があるかも、不足分は【演技】でなんとかしようと
そして【剣理・天狗之書】で腕力を上げて、怪人を捻じ伏せる

小学生の時を振り返ったら結構楽しかったね
あの時は多分勉強嫌とか宿題面倒とか思っていたけど、今やそんなことさせぼちぼち楽しい思い出になったよ
というわけで、いつか子供達が「あの時は楽しかった」と申し分なく言えるよう、今回も頑張ろう
…自分の宿題はさておいて、ね

※連携やアドリブはご自由に
亜双義・幸雄
学力低下させて無教養な市民を増やそうって?
科学を知らないと詐欺商法に引っかかるし、社会を知らないと陰謀論にも騙される
卑劣な怪人はおじさんが成敗いたすよ~

無難に《目立たない》ように《正体を隠して》潜入しようか
《変装》と《コミュ力》、そして《社会的信用》まであるからね

具体的には、道中で教員を見つけて「今日からうちの子が転入するので、担任の先生に改めてご挨拶を」ととぼけてついていく
受け持ち以外のクラス事情なんて、あんま詳しくないだろうし
確認してる時間を使って待ち伏せ
ちびっ子√能力者がいれば同行を頼むね~

おじさんは強敵狙いかな、手数が少ないのよ
幹部怪人が倒れたら戦闘員もビビって逃げるさ…多分ね?
エスピリトゥ・ナククン
【心情】
「冬休みが終わってからの登校かぁ……。いろいろテストとかで大変だろうなぁ」
【目的】
 戦闘員をつまみ出す。
【行動】
 あらかじめ、地中から学校に潜り込んで、爆弾を仕掛けそうな場所を念入りにチェック。
 朝7時以降は、戦闘員の靴音や爆弾を仕込む音などに注意し、爆弾を置いた瞬間、地中から出て、相手を背後から攻撃します。
「こんな早朝から、なにをやっている?」
「卑怯?そんなこと言う暇あったら、こういうのもいるという想定で作戦を立てよ」と相手を爆弾とセットで校外へ追い出します。天井や床に隠れて爆弾の場所を探し、校外に出していきます。
※他の方と合わせも行けます。
マイティー・ソル
元気一杯、高天原・日弥呼ちゃん(本名)なランドセルを背負った児童に扮して(変身+変装)朝の早起き、正義の登校じゃ!

さて、教室に向かうとするかの。最初の授業は何じゃったか…?
(い、いかん…!? なり切り過ぎて本来の目的を忘れるところじゃった! 妾は、光明太陽神の末裔にして、正義の組織オリュンポスの使徒、マイティー・ソル! 正義を成す者じゃ。決して、日弥呼などとい名ではない! その名は捨てた!!)

人質に取ろうとする敵の戦闘員が怯えた幼女と油断して、近づいてきたところを子供の抵抗っぽい感じで最初は、弱い感じで、敵が嘗め切った所をガチ攻撃して制圧。
正義、参上じゃ!

*:絡み、アドリブ等歓迎です。
常磐・鋼汰
【SPD】
……3学期なー。だいぶ昔の記憶だけど冬休み入る前に頼まれてた漫画のイラスト渡したりとかしてたっけかな。
勉強? ……うーん、聞いても参考にならないから聞かねぇでくれ。

それはそれとして冬休みが延々と続くにしたって子供ら帰れないんじゃただの立て籠もりになるような……?
と、思ったのでふつーにお相手しよう。用務員辺りがいいかな。流石に教職は気が引けるし。

清掃とかしつつ見張りと侵攻の数を減らす方を重点にしようか。
雪崩込みそうだったら適宜他エリアにいる味方能力者に連絡入れる感じ。

【残像】と【幻影使い】で捌きつつ適宜牽制入れて押し返してこーか。
避難の時間稼ぎにはなる……よな?

※アドリブ歓迎

「3学期なー」
 常磐・鋼汰(幻鋼戦士・h00478)は自身の子供の頃を思い出しているうちに、無意識のうちに斜め上、まだかすかに暗さの残る空を見上げた。
「普通に考えて、冬休みがずっと続くのは嬉しいと思うんですけどね」
「そうだね。小学校の時を振り返ったら……けっこう楽しかったね。
 あのときは多分、勉強嫌とか宿題面倒とか思っていたけど、今やそんなことさえぼちぼち楽しい思い出になったよ」
 志藤・遙斗(普通の警察官・h01920)の呟きを耳にした柳生・友好(悠遊・h00718)が、自分の小学生の頃……といっても、ほんの3年ほど前を思い出して微笑んだ。
「……そうだ。冬休み入る前に頼まれてた漫画のイラスト、渡したりしてたっけな」
 と、鋼汰も微笑ましい記憶を思い出して表情を緩めた。
 が。
「それはそれとして。
 冬休みが延々と続くにしたって。子供ら人質にされて帰れないんじゃ、ただの立て籠もりなんじゃないか?」
「……それもそうだね。それは、楽しくない」
 苦笑した友好は紺のスーツに身を包み、職員を装っている。遙斗も同じようなスーツ姿。教育実習生という建前である。
 一方で鋼汰は作業着を来ている。
「さすがに教職は気が引けるからな……」
 と、用務員を装う。
「ちょっと見た目、違和感があるかも」
 ラペルを弄びながら、友好は自身の姿を見下ろした。
「まぁ、多少は。ですが、大丈夫でしょう」
「堂々としていれば、案外と気にされないもんだ」
 友好を上から下まで眺めた遙斗と鋼汰が太鼓判を押す。
「子供教師とか、そう珍しい設定じゃない」
「それは漫画ならでしょ、鋼汰さん。まぁいいや。あとは演技力でなんとかするよ。
 それよりも遙斗さん。煙草、煙草。今どき、どこでも校内は禁煙だよ」
「あぁ……」
 悲しげに眉を寄せた遙斗は懐から携帯灰皿を取り出し、煙草を押し付ける。
「まぁ、これも仕事ですし。不本意ですけど、解決しますか」
「いつか子供たちが『あのときは楽しかった』と言えるように、今回も頑張ろう」
 そう言って友好は背筋を伸ばす。
「……自分の宿題はさておいて、ね」
「学生さんは大変ですね。鋼汰さんもその頃は……?」
「勉強? うーん、聞いても参考にならないから、聞かねぇでくれ」
 笑った鋼汰は守衛に頭を下げ、友好と遙斗も「おはようございます」と爽やかに挨拶し、校内に入り込んだ。

「おはようございます♪」
 元気な声で守衛に挨拶しつつ登校してきたのは、エアリィ・ウィンディア(精霊の娘・h00277)である。
 いつも羽織っている外套を脱ぎ、ランドセルを背負えばまったく違和感はない。実際、小学生であるわけだし。
「お休みが多いと遊ぶことはできるけど……でも、自習じゃないお勉強とか新しい魔法の知識とか、そんなのが覚えられないもんッ!」
 だからこそ、この事件は見過ごせない。
 ちょうど少し前を歩く「知人」の姿を見つけ、その肩を叩く。
「おはよう、マイティー……えっと」
「高天原。高天原・日弥呼じゃ」
 と、 エアリィと同じくランドセルを背負ったマイティー・ソル(正義の秘密組織オリュンポスのヒーロー・h02117)は振り返った。小学生に変装するのはかなりギリギリかとも思えるが、まぁ、今どき大人っぽくて背の高い小学生もいるし、よかろう。
 なにより当の本人が、
「元気一杯、正義の登校じゃ!」
 と、張り切っているのだからして。
「そう、日弥呼ちゃん。今は」
「『今は』もなにも、本名じゃ!」
 傍目には楽しく談笑しながら、ふたりは教室……目についた5年1組に入っていく。時間が早いこともあり、まだ登校している児童はいない。
「とりあえず、自習っぽい感じで……」
 席に着いて、敵のことを忘れてはいないものの「この理論で組めば……」と、魔導書を読み耽るエアリィ。
 一方で日弥呼……ここではそう呼ぼう……は愉しげにランドセルを開き、
「さて、最初の授業はなんじゃったか……? ふむ、理科? ほうほう……」
 などと、これまた教科書を開いて没頭するのであった。

 7時をわずかに過ぎた。教職員はほとんどが出勤していたが、まだ登校している児童は少ない。
「ん?」
 守衛は校舎脇でなにかが動いた気がして、そちらに目を向けた。今はなにもない。しかし違和感は残った。
 守衛室を出ていこうとしたところに、声をかけてくる者がいた。
「あぁ、すいません」
 手入れの行き届いたスーツの上下に身を包んだ亜双義・幸雄(ペストマスクの男・h01143)である。
 幸雄は守衛の視線を遮るように立って、にこやかに微笑む。ヒーローでありながらも、表向きは葬儀屋の職員。そこで培われたものか、その物腰は社会的信用を得るには十分であった。
「いやね、今日からうちの子が転入するので、担任の先生に改めてご挨拶を、と」
 と、先に校舎に入っていったエアリィを指差す。
「あ、父兄の方ですか。職員室でしたら、その正面玄関を入っていただいて右に……」
 と、守衛は丁寧に説明してくれた。
「どうも」
 礼を言って校舎内に入った幸雄であったが、守衛の言葉を無視して左に曲がり、つまり守衛がなにかを見咎めた方へと赴いて、窓枠に背を預ける。
「助かった」
 外から密かに声をかけてきたのは、エスピリトゥ・ナククン(永遠に闇から守る者・h04426)である。
「なぁに。そっちこそ、ご苦労さん」
「これも、地球の危機を救うためと思えば」
 エスピリトゥは夜も暗いうちから学校に潜り込み、怪人どもが万が一にも爆弾なぞを仕掛けていないかと探索を続けていたのである。各所を慎重に探索するあまり、守衛に見咎められた。それを油断と言ってしまっては、気の毒である。
「幸い、まだ敵は現れてはいないようだが……」
 エスピリトゥが耳を澄ませる。学校の内外を隔てるフェンスの向こうで、子供たちの声が聞こえてきた。そろそろ登校する児童が増えてきているのだろう。
「冬休みが終わってからの登校かぁ……宿題提出したり、テストとかもあって、いろいろ大変だろうなぁ」
 と、エスピリトゥはその声を愉しげに聞いている。
「日本の将来を担う、頼もしき若人たちよ。おじさんには眩しくってね」
 などと、幸雄は肩をすくめた。
「その学力を低下させて、無教養な市民を増やそうって?
 科学を知らなければ詐欺商法に引っかかる、社会を知らないと陰謀論に騙される。卑劣な怪人は、おじさんが成敗いたすよ~」
 ふたりは別れて、敵の侵攻を今かと待ち受けた。

「あれ?」
 教室のドアを開けた女子児童が、見慣れぬ2人がいることに首を傾げた、そのときである。
「キキキーッ!」
 奇声を上げつつ飛び出してきた戦闘員どもが、女子児童の腰を抱えあげる。
「キャアアッ!」
「い、いかん! なりきりすぎて、本来の目的を忘れるところじゃったわ!」
 日弥呼は席を蹴倒しつつ立ち上がる。戦闘員どもは飛びかかってきたが、
「妾は光明太陽神の末裔にして、正義の組織オリュンポスの使徒、マイティー・ソル!
 日弥呼などという名は、とうに捨てたわ!」
 仮面で正体を隠した日弥呼……マイティー・ソルは声を張り上げるや、光の武装剣を抜いて戦闘員に斬りつけた。
「正義、参上じゃ!」
 剣を構えたまま、マイティー・ソルは戦闘員どもを睥睨する。
 その隙にエアリィが、
「大丈夫。でも危ないから、離れていてね!」
 と、女子児童を奪還して逃がした。
「キキキーッ!」
 戦闘員どもが各所で起った。校門を破壊し樹木だの建物だのを破壊して、校外への出口を塞ごうとする。
「させるかッ!」
 校庭を掃除していた鋼汰が、手にしていた竹箒を投げつけた。それは戦闘員の眉間に命中し、敵はのけぞる。
「キキキーッ!」
 戦闘員どもが襲いかかるが、貫いたのは鋼汰の残像にすぎない。
「出てきたね。でも……」
 『剣理・天狗之書』は友好の力を倍増させる。友好は戦闘員の腕を掴んで易々と捻り上げ、地面に叩きつけた。
「おのれ……ギャッ!」
「グエッ!」
 飛びかかってこようとした戦闘員がのけぞったのは、遙斗の撃った弾が命中したからである。特式拳銃【八咫烏】の銃口から、ほのかに硝煙が立ち上っている。
「抵抗するなら、容赦はしない!」
 霊的疑似振動を浴びた戦闘員どもは、その振動に立つことさえままならない。
「こんな早朝から、騒がしい」
 エスピリトゥは『シャドウの「手」』を伸ばし、戦闘員どもを鷲掴みにして放り投げた。
 敵は木の根元を爆破して倒し、校庭にある通用門を塞ぐつもりであったらしい。エスピリトゥは爆弾を放り投げ、逃げ道として確保する。
「キキッ! 待ち伏せとは、卑怯な」
「卑怯? そんなことを言う暇があるならば、それを想定した作戦を立てよ!」
 と、エスピリトゥは「手」を鞭のようにしならせて叩きつける。
「避難の時間稼ぎにはなってる……よな?」
 鋼汰は戦闘員どもをあしらいつつ、職員や子供たちが逃げていく方に視線を向けた。

「……さて。どうするかね?」
 肩をすくめる幸雄。
「んー。戦闘員さんたちも気になるけど、ここは親玉をぶッ飛ばした方が、敵の士気を挫けるかなぁ」
 ロッカーに隠しておいた精霊銃と精霊剣を手にしたエアリィが、小首を傾げた。
「うん、おじさんも同意見かな。手数が少ないのよ。
 幹部が倒れたら、戦闘員もビビッて逃げるさ……多分ね?」
 幸雄が顎を上げて示した先に。腕組みをしてこちらを見据えるデュミナスシャドウの姿があった。
「やれ、やれ。どうやらあちらさんも、やる気のようだ」
 幸雄は口元を歪めつつ、その代名詞である『ペストマスク』を装着した。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

第2章 ボス戦 『『デュミナスシャドウ』』


POW ケルベロスライブラフォーム
【ケルベロス+天秤座の強化フォーム】に変身する。自身の【機動力と攻撃回数】が2倍になり、新武器【ケルベロスソーサー】を入手する。
SPD デュミナス・キック
騎乗する【シャドウ・ヴィークル】から跳躍し、着地点の敵1体に【闇の炎をまとったキック】による威力3倍攻撃を放つ。また、跳躍中に【動きを加速させる炎の輪を展開】すると命中率半減/着地点から半径レベルm内の敵全員を威力3倍攻撃。
WIZ シャドウ・ジャッジメント
敵に攻撃されてから3秒以内に【右腕の爪】による反撃を命中させると、反撃ダメージを与えたうえで、敵から先程受けたダメージ等の効果を全回復する。
√マスクド・ヒーロー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

亜双義・幸雄
随分とイカした悪党じゃないの~?
こりゃどっちが悪役か解らないね

弱きに吉兆、悪しきに凶兆
見敵必殺の烏占…託宣の用意はできてるよ

袖の中に万年筆(仕込みアイスピック)を《目立たない》よう隠して接敵
あっちが跳躍したら、他の√能力者に「離れろ!」って呼びかけるよ
先におじさんの得物が刺さるだろうから、装甲越しだろうと《貫通》させてやるさ

と言っても、隠れるメリットが現状はないんで、隠れている間に新しい仕込みピックを用意しとくか
必要に応じて、特装圧縮銃で《援護射撃》していくよ
悪党に幸運が巡ってくるとは思わないこったね

幹部怪人は他にも居るんでしょ?
どこから出てきてもいいよう警戒しとく
慎重派なのよ、おじさんは
志藤・遙斗
【アドリブ・共闘歓迎】
武器を構えながら
「さて、戦闘員は片付けたし、次は貴方です。」
「一応確認なんですけど、無駄な抵抗はやめておとなしく撤退しなさい!」
「って、言って素直に聞くわけないですよね。」

戦闘時
距離を保ちながら刀と銃で攻撃
√能力「正当防衛」を使用。
【シャドウ・ジャッジメント】に注意し、攻撃後は速離脱する。
攻撃8割、回避2割の割合で行動。

「さて……戦闘員は残っているようですが、まずは貴方からです」
 志藤・遙斗(普通の警察官・h01920)は『小竜月詠』を抜いて、正眼に構えた。
「一応確認なんですけど……無駄な抵抗はやめて、おとなしく撤退しなさい!」
 しかしデュミナスシャドウは「キキキーッ!」といきり立つ戦闘員どもの肩をつかんで引き倒し、自らが前に出る。
「子供たちにゆっくりと冬休みをやろうという、俺たちの作戦。邪魔させるわけにはいかん!
 かかってこい、√能力者ども!」
 そう声を張り上げ、構えをとるデュミナスシャドウ。
「随分とイカした悪党じゃないの~?」
 それを目の当たりにした亜双義・幸雄(ペストマスクの男・h01143)が、『漆黒のペストマスク』の下で口の端を持ち上げる。
「これじゃ、どっちが悪役かわからないね」
「当然、向こうですよ。……言って素直に撤退するわけはないですよね。ならば!」
 遙斗は滑るように間合いを詰め、斬りかかった。敵はそれを迎え撃ち、炎を纏っているかのような右腕で、その刃を受け止める。
「その程度か、√能力者!」
 刃を受け流したデュミナスシャドウ。その右手には鋭い爪があり、それが遙斗に襲い掛かった。咄嗟に跳び下がった遙斗ではあったが、鋭い爪はスーツの生地をスッパリと切り裂いた。
「オーダーメイドなのに……!」
 銃を抜き、引き金を引く。銃弾は地を穿っただけに終わるが、敵は追撃を諦めて構え直した。
「弱きに吉兆、悪しきに凶兆……」
 幸雄は自作した『特装圧縮銃』を構えつつ、敵の側面へと回り込もうとした。それを見逃すデュミナスシャドウではなく、シャドウ・ヴィークルに飛び乗るや、幸雄が次々と放つ銃弾を右に左にと避けていく。
「ははは、当たりはしない!」
 勝ち誇った敵が跳躍する。上ってきた朝日を背に空中でくるりと宙返りすると……。
「幸雄さん!」
「離れろ!」
 しかし幸雄は案じる遙斗を制し、
「見敵必殺の烏占……託宣の用意はできてるよ」
 闇の炎を纏ったキックを放ってくる敵を、正面から見上げた。
 そのキックが胸板を貫かんとした、その時。するりと身を翻した幸雄が、腕を伸ばす。その手にはいつの間にか、アイスピックが握られていた。その鋭い切っ先が、敵の太腿に突き刺さる。
「ぐぅッ……?」
 地に転がったデュミナスシャドウが、怪訝そうにこちらを見た。
「悪いね。おじさんったら、派手なタイプのヒーローじゃないのよ」
「隠し武器とは汚い真似を!」
 襲い掛かってくる敵の前に、遙斗が立ちはだかる。
「馬鹿め、なんど打ち合ったところで……!」
 嘲る敵怪人であったが、
「ふぅー。さて、やるか」
 吐き出した煙草の煙……いや、これは『殺戮気体』だ。それを纏った遙斗の速さは、先ほどの3倍にも匹敵していた。敵が構えるよりも速く、遙斗は懐に飛び込む。
「悪いが『悪』は斬る!」
 振り下ろした刃は、敵の装甲を深々と斬り裂いた。
「グァァッ!」
「悪党に幸運が巡ってくるとは、思わないこったね」
 幸雄が左右をきょろきょろと見渡した。
「いや、なに。幹部怪人はほかにもいるんでしょ? どこから出てきてもいいように、ってね。
 慎重派なのよ、おじさんは」
「貴様……ッ! もう俺を倒した気にでも、なっているのか!」
 敵怪人は怒りを全身から立ち上らせながら、再び襲い掛かってくる。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

エアリィ・ウィンディア
でてきたね、親玉さん。
小学校を狙うなんてそんな卑怯なことをして許されると思っているの?
お勉強やお友達と遊ぶ機会を減らすなんて許さないからねっ!

とはいえ、強敵ならしっかり攻めないと。
あたしは左手の精霊銃でみんなに援護射撃を行っていくよ。
援護射撃の通常射撃を行いつつ、高速詠唱で隙を減らしてからの六芒星精霊速射砲!
今回は威力面も必要だけど、連携のための強化を目的だね。

撃った後は、空中移動で上空に向っていって、空中ダッシュで一気に接近っ!
右手の精霊剣と左手の精霊銃の零距離射撃で近接戦闘に移行だね。

ふふ、遠距離から攻撃するだけじゃないんだよ、あたしっ!
タイミングを見て味方の攻撃と合わせるようにして行動
エスピリトゥ・ナククン
【心情】
 「早速、敵ボスのお見えか。一気に倒すとするか?」
【目的】
 デュミナスシャドウの撃破
【行動】
「ほう、我の名を騙る偽物まで出るとはな。ある意味名誉なのか、不名誉なのか分らん?」
 子供達がいないことを確認して、建物の構造を利用して、まず潜ります。
 相手が飛ぶなどして隙を見せたときに地上に出て、脚を掴み、地面に叩き落とします。
「『シャドウ』を名乗る偽物が相手、我が務めよう」
 教室や屋上などの遮蔽物を使いながら、床やら柱やらに潜ったり、出たりして、格闘攻撃を仕掛けます。
 最後は、「ナククニウム光線」を放ち、相手にトドメを刺します。
 戦闘後は、「ああ名付けられるのは、困ったものだ」と呟きます。
マイティー・ソル
おぬしが、噂に聞くデュミナスシャドウじゃな?
何度討たれようとも立ち上がるその意気込みが、こちら側でないことは誠に残念じゃな。
しかし、こちらにも正義の矜持があるように、そちらにも悪には悪の矜持があるようじゃの。

なればこそ、おぬしが他の怪人たちとは異なり、正面から挑む者だと理解することで、この場は、妾も正々堂々と全力を尽くすのじゃ!

いざ、妾の正義の力を受けてみよ!
こっちも『ライダー・キック』で攻撃じゃ!
ジャンプ&空中ダッシュで加速着けて、気合いで相手の攻撃諸共、ブチ抜くのじゃ!!

*:連携、アドリブ等歓迎
常磐・鋼汰
ふーむ、向こう側の変身ヒーロー枠なんだよな、どう考えても。
……思うことは、無くはないんだけど。

それはそれとして、そういうタイプの攻撃は『ネタ』に凄く向いてるんだよな。
【エネルギーバリア】で相手の攻撃の直撃を受ける……フリをして。
【第六感】で見切りつつの、【幻影使い】【残像】併用して素早くパリィ、
そこからの――
「――幻鋼変身!」(【変身】【早業】)

そのまま√能力を使って即席で『やり返させて』貰おうか。
たまったま手元ので再現しやすそうな能力だしさ?
丁寧に対になりそうな【属性攻撃】でブーストしといてな。

――やっだなぁ、漫画家のネタの書き込みは爆速だから
常識だぜ、オニーサン?

※アドリブ歓迎

「もう俺を倒した気にでも、なっているのか!」
 デュミナスシャドウは怒声を上げて襲いかかってくる。
「おぬしが、噂に聞くデュミナスシャドウじゃな?」
 その拳を受け止めたマイティー・ソル(正義の秘密組織オリュンポスのヒーロー・h02117)は、互いの腕が交差したままで、敵の顔を覗き込むようにして近づけた。
「何度討たれようとも立ち上がるその意気込み……こちら側でないことは、まことに残念じゃな」
「これも、貴様らとの闘いを経ていっそう強くなるためだ!」
 跳び下がる両者。
「ふん。こちらにも正義の矜持があるように、悪には悪の矜持があるようじゃの」
 マイティー・ソルは構え直し、敵と対峙する。
「ふーむ」
 決めるポーズがいちいち様になる敵を見て、常磐・鋼汰(幻鋼戦士・h00478)は嘆息した。
「向こう側の変身ヒーロー枠なんだよな、どう考えても」
 ……思うことは、無くはないが。
 なんにせよ、敵の幹部には違いない。
 エスピリトゥ・ナククン(永遠に闇から守る者・h04426)が、
「一気に倒すとするか?」
 敵の勢いも挫けるというものだろう。思案していると、エアリィ・ウィンディア(精霊の娘・h00277)と目が合った。
 エアリィはコクリと頷き、前に出る。
「小学校を狙うなんて、そんな卑怯なことをして許されると思ってるの?
 お勉強や、お友だちと遊ぶ機会を減らすなんて、許さないからねッ!」
 精霊銃を構え、2発3発と銃弾を放つ。
 しかし敵は地面を華麗に転がりながらそれを避けた。
「勉強などよりも、冬休みには得難い体験がある! それこそ、友と大いに遊べばよかろう!」
「昭和? 今どき、学校が休みじゃ集まりにくいのッ! 個人情報保護のため、連絡先とかクラス名簿にも載ってないし!」
「……漫画書くとき、時代背景も気をつけないとなぁ」
 鋼汰はなるほどと頷きつつ……そんなことを考えている場合ではない。あえて、敵前に身を躍らせる。
「貴様から死にたいかッ!」
 強化フォームに変身した敵は、『ケルベロスソーサー』を手に襲いかかってきた。
「……やっぱり、こういうタイプは『ネタ』にすごく向いてるんだよな」
 それが直撃するかに見えた瞬間。
「幻鋼変身!」
 鋼汰はエネルギーバリアで敵の得物を弾きつつ変身し、敵の武器を複製した原稿を創造した。
 それを、敵の顔面に叩きつける。
「原稿完成! 着想を得たからには、『読んで』もらうぜ!」
「な、なに……ッ!」
 驚きつつ、よろめくデュミナスシャドウ。
「あぁ。たまッたま、手元ので再現しやすそうな能力だったしさ?
 即席で『やり返させて』もらったぜ」
「馬鹿な。俺の新武器を、いとも簡単に……!」
「やッだなぁ。漫画家のネタの書き込みは爆速だから。常識だぜ、オニーサン?」
「くそッ!」
 敵は跳躍して校舎の屋根まで飛び上がろうとしたが、不意にその足首を掴まれる。
「我の名を騙る偽物まで出るとはな。ある意味名誉なのか不名誉なのか、わからん」
 エスピリトゥである。
 彼は校舎の陰に潜り込み、機会を待ち受けていた。
 地面に叩きつけられながらも、デュミナスシャドウは、
「なんのことだ?」
 と、立ち上がる。
「『シャドウ』の名よ。我は外星体カランの護霊『シャドウ』。この星の危機のために戦う者だ。
 名を騙る偽物が相手、我が務めよう」
 格闘戦を挑むエスピリトゥ。その「手」が貫手のように伸ばされると、その鋭さは槍の穂先となり、しならせれば鞭となる。
「くッ!」
 敵も反撃するが、エスピリトゥは巧みに柱を、あるいは壁を盾として避ける。
「ちぃッ!」
「逃がさないよッ!」
 敵が退き、その背後には広い校庭が広がっていると見るや、エアリィは銃口を向けた。
「世界を司る六界の精霊達よ、銃口に集いてすべてを撃ち抜く力となれッ!」
 火、水、風、土、光、闇。6つの属性を持つ弾丸が、デュミナスシャドウに襲いかかった。魔力弾は敵を貫くばかりか、その周囲にも魔力を吹き荒れさせる。
 敵が膝をつく。すかさずエアリィは右手に精霊剣を構え、躍りかかった。
「ふふ、遠距離から攻撃するだけじゃないんだよ、あたしッ!」
「くそッ!」
 肩を斬られ、血を滴らせる敵怪人。しかし腕を振ってエアリィを退けると、シャドウ・ヴィークルに飛び乗った。
「√能力者ども! 俺は……貴様らを倒すッ!」
「ふふ、そう来るか。おぬしが正面から挑んでくるならば、妾も正々堂々と全力を尽くすのじゃ!」
 マイティー・ソルもまた、ライダー・ヴィークルを駆る。両者はほとんど同時に愛車のシートを蹴って跳躍し、空中でそれぞれクルリと回転した。
「死ねッ!」
「いざ、妾の正義の力を受けてみよ!」
 見上げれば、両者の姿は朝日と重なって眩しく光る。相打ちかと見えたが、気合で敵の攻撃をブチ抜いたマイティー・ソルは華麗に着地し、一方のデュミナスシャドウは地に叩きつけられた。
「ぐぅ……ッ!」
 敵はなおも立ち上がろうとしたが、果たせず膝をつく。
「諦めよ。もはや貴様に勝機はない……終わりだ!」
 エスピリトゥの全身が光り輝く。その光……『ナククニウム光線』は直視できぬ眩さとなって放たれ、すでに立ち上がることも難しくなっていた敵怪人を爆発四散させた。
「……あのように名付けられるのは、困ったものだ」
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 ボス戦 『二刀化異人・武佐死』


POW 五輪二天一流
知られざる【二天一流】が覚醒し、腕力・耐久・速度・器用・隠密・魅力・趣味技能の中から「現在最も必要な能力ひとつ」が2倍になる。
SPD 洛外下松の闇討ち
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【二刀】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【闇】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
WIZ 無の境地
自身の右掌で触れた√能力を無効化する。
√マスクド・ヒーロー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

志藤・遙斗
【アドリブ・共闘歓迎】
「やっと親玉の登場ですか。これは気合を入れていどまないとダメそうですね。」
タバコに火を付けて
「さてと、もうひと頑張りと行きますかね。」

戦闘時
刀と銃を使用
敵との距離を保ちながらヒット&アウェーで戦います。
√能力「正当防衛」を使用
「確かに冬休みが長いほうが子供は喜ぶでしょうけど、そのせいで困る人だっているんですよ。」

戦闘後
「とりあえず、任務完了ですかね?後は署に戻って報告書の作成と上司への報告っと、終わったら俺も冬休みって事で温泉にでも行こうかな?」
マイティー・ソル
二刀流のどこかの剣豪のオマージュ怪人といったところかの。まぁ、腕と一体化しておるのは不格好じゃな…。しかし、攻撃性に関しては侮れんようじゃの。じゃが、それは同時に欠点ともなり得るな。

ヴィーグルを変形させ、大剣クールナールブレイドとして正面から敵目掛け駆け抜け、気合と怪力を合わせた切り込みにて、鍔迫り合いにもつれ込ませるように、敵に攻撃を応じさせます。

見せてみよ! 噂に聞く、二天一流の剛力をな!

挑発をいれることで、意図的に力勝負をさせてみます。

おぬしの欠点は、一度刀を交わせば、刀を手放す事が出来ないという事じゃな!
受けよ妾の『正義と不敗の光明太陽神』を零距離射撃で発射じゃ!!

「どぉ~れ。儂が、自ら出ねばならんか」
 二刀化異人・武佐死は首をひねりながら、おもむろに校門を越えてきた。
「やれやれデュミナスシャドウめ、威勢のよいことを言っておきながら」
「やっと親玉の登場ですか」
 志藤・遙斗(普通の警察官・h01920)が懐に手を伸ばす。探していたのは、煙草とライター。
「二刀流の、どこかの剣豪のオマージュといったところかの」
 マイティー・ソル(正義の秘密組織オリュンポスのヒーロー・h02117)は狐面を被り直し、敵を窺う。
「……まぁ、腕と刀が一体化しておるのは不格好じゃな。しかし、そこに弱点があるとはいえ……侮れん」
「ですね。これは、気合を入れて挑まないと」
 遙斗はため息とともに、タバコの煙を吐き出した。
「さて、もうひと頑張りといきますかね」
 ライターを懐にしまい、代わりに構えたのは『小竜月詠』と、特式拳銃『八咫烏』。
 まずは小手調べとばかりに撃つと、敵は右腕の刀を煌めかせながら突進してきた。見れば、銃弾が見事に両断されている。
 遙斗が目を見開いた。
「これは厄介な」
「ふふ、相手にとって不足はないわ! 見せてみよ! 噂に聞く、二天一流の剛力をな!」
 マイティー・ソルは自らのフォックスアクセプターを『ライダー・ヴィークル』に接続し、変形させる。完成した大剣『クールナールブレイド』を振り上げて、マイティー・ソルは武佐死へと打ちかかった。
「言われずとも、身体に刻み込んでやるわ!」
 武佐死もまた迎え撃つ……かと思えたが、
「ほれ、童が窓から落ちようとしておるぞ」
「えぇ?」
 思わず振り向いたところに、敵は斬りつけてきた。かろうじて大剣で受け止めはしたが……。
「ち」
「小狡い奴め!」
 マイティー・ソルが罵る。しかし、敵の刀と打ち合うという目的は達した。
「お主の欠点は、いちど刀を交わせば、それを手放すことが出来ないということじゃな!」
 鍔迫り合いする剣を手放したマイティー・ソルは、『ソル・フレア・バーストキャノン』を召喚した。
 それを、ゼロ距離から撃ち込む。
「受けよ、妾の『正義と不敗の光明太陽神』を!」
「ぐおおおッ!」
 一斉斉射を受けた武佐死は血飛沫を撒き散らしながら吹き飛ばされた。それでも、恐るべきは『五輪二天一流』というところか。覚醒した敵が振るう刃が、マイティー・ソルの肩を浅く裂いていた。
「小賢しい。おぬしらも、童どもと同じく永久に休んでいれば良いものを!」
「確かに、冬休みが長いほうが子どもは喜ぶでしょうけど」
 敵は二刀を振るって襲いかかる。振り下ろされる刃を、遙斗は大きく跳び下がって避けた。
「そのせいで困っている人だって、いるんですよ」
 大きく紫煙を吐き出す遙斗。煙は大きく広がって彼の体を覆い尽くした。ただの煙ではない、これは殺戮気体である。
 遙斗が放った銃弾を、敵はまたしても斬り飛ばして防ぐ。だが、それは囮。
「さて、やるか」
 振り下ろされた刀こそ、本命。霊剣の刃は、敵の肩口を深々と斬り裂いた。
 が。敵は怯むことなく、なおも二刀を閃かせて襲い来る。
「貴様ら、よほど死にたいと見える!」
「……早いところ任務を完了させたいんですけれどね。
 署に戻って上司に報告したり、報告書作成したり、大変ですから」
 これでは、長い休みをとって温泉にでも……などは、いつになることやら。
 遙斗は嘆息し、刀を構え直した。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

エスピリトゥ・ナククン
【心情】
 大ボスかぁ、どう対処するか……。
【目的】
『二刀化異人・武佐死』を倒す。
【行動】
 相手の能力を潰せるのが厳しいですが、地面に潜っては攻撃したり、敵を撹乱させていきます。
 相手にダメージが行ったところで、「氷鳥召喚」を使って、相手の速度を落とすよう仕向けていきます。
「僕よ、時間だ。相手の力をそぎ落としてこい」
 相手が動けなくなってからは、氷の槍、ナククニウム光線と連撃を掛けていきます。
【アドリブ・共闘】はお任せします。
エアリィ・ウィンディア
わぁ、刀が腕の人だぁ…。
でも近接二刀流は厄介だなぁ。手数の問題で。
でも、やるしかないんだよねっ!なら頑張るっ!

今回は近接攻撃で!
チャージタイムは60秒。それまでは剣と零距離の銃で耐えるだけっ!
銃で動きを牽制しながら剣で攻撃っ!
その攻撃の間にも多重詠唱で本命と同時に魔力溜めも行っていくよ。

敵の√能力が発動したら…。第六感でタイミングを感じ取りってから、相手の攻撃をわざと受けると同時に、剣と銃を地面落としてから、右腕で相手の刀を抱えるよ。
…逃がさないからね。
左手を相手に向けてから、限界突破の全力魔法で六芒星精霊収束砲・零式!
あたしの全力全開、遠慮せずもってけっ!

後はダメージに耐える!
いたいよー。
亜双義・幸雄
うーむ、あの腕は日常生活に支障が出そうだ
巡り巡って世界征服に繋がりそうではあるし、ここらで阻止させてもらうよ

おじさんの手札的に真っ向勝負しかないか
とはいえ、先制攻撃を仕掛けようとした相手…なら、射程が短い方が有利かも?
仕込みアイスピックで一気に打ち合うよ~、仮に斬りつけられても構わないさ
応急処置用のペインキラーで《激痛耐性》しとく

隠れたって流血による血痕が残る以上、見つけるのは苦労しないよ?
止血しようにも両腕が刀じゃ、塞ぎようがないもんね~?

狡いと言われようが、こいつは切った張ったの真剣勝負
ジュネーヴ条約をガン無視する悪党集団に、治外法権の恐ろしさを教えてやろう
荼毘に付すなら弊社にお任せあれ
継萩・サルトゥーラ(サポート)
アドリブ歓迎。
「やったろうじゃないの!」
「まぁ焦んなや、楽しいのはこれからだ」

√能力は指定した物をどれでも使用ます。
戦うことが好きで好きで楽しく、戦闘知識や勘を活かしてハデに行動します。
楽しいからこそ冷静でいられる面もあります。
多少の怪我は気にせず積極的に行動しますがヤバいときは流石に自重します。
仲間との連携も行えます。
軽口を叩いたりやんわりと皮肉を言ったりしますが、他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!

「覚悟しておけ、√能力者ども! 儂が貴様ら全員、膾切りにしてくれよう!」
 怒りに燃え、まさに怒髪天を衝く二刀化異人・武佐死であったが。
「ははは、怒るな怒るな!」
 と、あろうことか継萩・サルトゥーラ(百屍夜行パッチワークマーチ・h01201)は笑い飛ばした。
「まぁ、焦んなや。楽しいのはこれからだ」
 サルトゥーラはなおも口の端を持ち上げたまま、これ見よがしに首を回して体をほぐす。
「やったろうじゃないの!」
「しかし、どう対処したものか」
 敵はまだまだ戦意旺盛である。エスピリトゥ・ナククン(永遠に闇から守る者・h04426)は敵怪人と相対しつつ、その出方を窺う……までもなく、
「キエェェェェェイッ!」
 武佐死は怪鳥の如き叫びを上げ、斬り掛かってきた。覚醒した知られざる『二天一流』の踏み込みは凄まじく、エスピリトゥが紙一重でその切っ先を避けることが出来たのは、僥倖と言ってさえよい。
「……撹乱するのがいいか」
「それがいい。面白い戦い方が出来そうだ」
 サルトゥーラとは意図がいささか異なる気もする。エスピリトゥは僅かに首を傾げつつも、『シャドウ』の「手」と「足」とを伸ばして敵の四方から襲いかかった。
「小賢しい真似をしよる!」
 両手の刃を閃かせて、それを打ち払っていく武佐死。さほどの有効打とはならないが、エスピリトゥはむやみに踏み込むことなく、一手一手相手を追い詰めるように、攻撃し続けた。
「むぅ……ッ!」
「オレの事も忘れるなよ!」
 サルトゥーラが改造小型無人ドローン兵器『アバドン』を展開させた。
 宙を舞うそれらが、一斉に小型ミサイルを放つ。ミサイルは尾を引いて敵怪人に吸い込まれ、全身のあちこちで炸裂した。
「まだまだ!」
 さらにミサイルを放ったサルトゥーラであったが、
「図に乗るでないわ!」
 武佐死は右手を繰り出して、ミサイルを無効化する。斬り捨てられていくドローン群。一方で大きく踏み込み、左の刃でサルトゥーラの肩を割いた。
 それでもサルトゥーラは口の端を持ち上げ、
「逃がすかってんだよッ!」
 残った『アバドン』を、敵の顔面に叩きつけた。
「その隙、見逃すまい」
 仲間の奮闘を称えるように、エスピリトゥは厳かに声を上げる。
「出よ、我が僕」
 召喚された氷の鳥が、鳴くように大きく首を伸ばす。
「時間だ、相手の力を削ぎ落としてこい」
 主の命に従って鳥は羽ばたき、
「むむッ!」
 繰り出される怪人の刃をかいくぐって、その肩に止まった。氷の足が触れた肩が、瞬く間に凍てついていく。
「もはや、満足に動くことも出来ないだろう」
「う、おお……」
 敵怪人が、がっくりと膝をついた。

「なにを! この二刀化異人・武佐死が、生涯無敗の儂が、√能力者どもになど負けるはずがあるまいが!」
 敵怪人は叫びつつ、自らの刃で肩を貫いて氷の鳥を粉砕した。そしてよろめきつつも、立ち上がる。
「そりゃ、負けるまでは誰だって生涯無敗だろうよ」
「黙れッ!」
 肩をすくめた亜双義・幸雄(ペストマスクの男・h01143)と、そしてエアリィ・ウィンディア(精霊の娘・h00277)に向かって、武佐死は両手の刀を振り回した。
「わわッ!」
 とっさに避けたエアリィはまじまじと敵を見て、
「わぁ、刀が腕の人だぁ」
 と、眉を寄せた。
「うーむ、あの腕は日常生活に支障が出そうだね」
 幸雄が『ペストマスク』の上から顎を撫でる。
「近接二刀流は厄介だなぁ……手数の問題で」
「あ、そっちね。おじさんの手札的には、真っ向勝負しかないんだけど」
「うん。でも、やるしかないんだよねッ! なら頑張るッ!」
 エアリィは馬手に精霊剣、弓手に精霊銃を手に、敵へと躍りかかった。
「今は呑気な理由に聞こえるけど……巡り巡って世界征服に繋がりそうではあるし、ここらで阻止させてもらうよ」
「出来るものかッ!」
 敵は左右の刀を閃かせ、間合いを詰めてくる。満身創痍ではあるが、その殺意は未だ健在であった。
 首をすくめて幸雄が避けると、敵は荒い息を吐きつつ今度はエアリィに斬りかかる。
「ふ、はははは! その程度か小娘ッ!」
 怒涛の勢いで振るわれる太刀に、エアリィは防戦一方であった。精霊銃を放つもそれはいかにも狙いが甘く、敵怪人はたやすく避ける。かえって、振り下ろされる刃が受けようとした剣をかいくぐってエアリィの肩を割った。
「ふむ」
 幸雄が割って入る。
「無駄なことよ!」
 武佐死は大きく踏み込んで、幸雄が二刀の間合いに入るや跳躍した。
 身を捩った幸雄の脇腹を、刃が裂く。
 しかし……。
「おじさんったら、派手なタイプのヒーローじゃないのよ」
 そこまでは覚悟の上。激痛に耐えつつ、幸雄は隠し持ったアイスピックを怪人の喉元に突き立てていた。
「隠し武器とは……卑怯な」
 敵怪人の口から、血の泡がこぼれる。
「卑怯と言われようが、こいつは斬ったはったの真剣勝負。ジュネーブ条約ガン無視の悪党集団に、治外法権の恐ろしさを教えてやろう!」
「むむむッ……!」
 怪人はよろめきながらも闇を纏ってエアリィに近づき、
「この小娘の命はないぞッ!」
 と、刀を突きつけた。
 だが、その腕を、得物を手放したエアリィはがっしりと掴む。
「なにッ!」
「……逃さないからね」
 防戦一方であったのも、すべてはこのため。
「これがあたしの全力全開。遠慮せず持ってけッ!
 六界の使者よ、我が手に集いてすべてを撃ち抜きし力を……ッ!」
 『六芒星精霊収束砲・零式』。限界を超えた全力の魔力砲撃が、敵怪人に叩き込まれた。
「いたいよー……」
 魔力を充填させている間は耐えていた傷が、終わった後に一斉に痛む。エアリィは涙目でへたり込んだ。
「ごめんね、おじさん亡くなった人のお世話しか慣れてないのよ」
 幸雄は四散した怪人の骸に視線を向け、
「荼毘に付すなら当社にお任せあれ、だけど……どうやらその必要もなさそうだ」
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

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