シナリオ

猫が鳴けば鵺起きる

#√妖怪百鬼夜行

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 #√妖怪百鬼夜行

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 √妖怪百鬼夜行のとある下町。この町の空き地では、楽しい猫又集会が行われていた。
 親分であるでっぷりとした猫又は、大きな尾を揺らしながら周囲を眺める。
「ここ最近は平和でいいな。少し退屈だが……それもまた良しか」
「大きな事件も起きていませんしねぇ。あ、お土産ありますよ」
「お、気が利くな」
 化け猫から魚の干物を数枚受け取り、親分は満足げに笑う。そのまま親分は、仲間達へと干物を渡し始めた。その最中、一匹の猫又が受取を拒否した。
「ん? トラ吉、魚いらないのか? いつもなら真っ先に食いつくのに」
「へへ、今日は腹いっぱいでして……またの機会に頂きますよ」
 トラ吉と呼ばれたキジトラ柄の猫又は、露骨に視線を泳がせている。親分もその様子が気になったが、別の仲間に声をかけられすぐにそちらへ意識を向けた。

「はぁ……やっちまったなぁ……」
 親分が離れてから、トラ吉は大きくため息をつく。
 大きな事件は、確かに起きていない。けれど――それが『まだ』だというのとを知っていたからだ。


「集合ありがとうな。今日は√妖怪百鬼夜行で起きる事件を解決してきてほしいんだ」
 そう話すのは赤神・晩夏(狐道を往く・h01231)。緩く手を振り、能力者達を迎え入れている。
「とある猫又が古妖の封印を解いちまったんだ。古妖はまだ目覚めたばかりで、封印の祠から離れていない。今のうちに向かえば、奴が暴れる前にどうにかできるだろうな。だから皆には祠の場所を特定して、古妖を退治して再封印してきてもらいたい」
 古妖を祠の近くで退治すれば、そのまま再封印して押さえつけることができるようだ。そのためには、まず情報を集めなければならない。

「事件を起こした猫又は、猫又や猫妖怪が集まる集会によく顔を出してるらしいぜ。皆にも集会に向かって、その猫又から祠の場所を聞いてほしいが……なんでもその集会、『猫以外は出禁』らしい。ということで、はい」
 晩夏が少し申し訳なさそうに取り出したのは――ふわふわの猫耳カチューシャだ。
「例の集会は『猫以外の者は、猫になりきれば参加してもいい』ってルールなんだ。というわけで、猫要素のない能力者はこういうアクセサリーとかで猫要素を付け足してくれ。多分語尾に『ニャン』とかつけるのも歓迎されると思う」
 緩いのか緩くないのか分からないが、情報収集のためには猫にならないといけないようだ。
 ちゃんと猫要素をつけて集会に向かえば、猫妖怪たちは快く話に乗ってくれるだろう。
「古妖の封印を解いた猫又は、美味いものにつられてやっちまったらしい。自分の行いがしょうもないことは分かってるから、それを誤魔化そうとしてるだろうな」
 集会でソワソワしている猫又がいれば、それが犯人だろう。問い詰めればぽろっと情報を吐きそうだ。
「だから情報を聞き出すのは簡単だと思う。時間には余裕があるし、ちょっと集会を楽しんできてもいいんじゃないか?」
 猫又や猫妖怪達は、遊んでくれる相手なら大歓迎のようだ。お土産を持って行ったりしても喜ばれるだろう。

「無事に祠の場所が分かったら、そのまま向かってくれ。ただ、道中では妨害が起きる可能性が高い」
 古妖はまだ祠から離れていないが、他の妖怪に指示を出すくらいはできるらしい。そのため、祠に使う最中に何かしらに遭遇する可能性は高い。それを乗り越え、古妖の元に向かう必要がある。
「祠で待ち受けてるのは『鵺鳥・漂』って奴だ。見た目は子どもみたいだが、危険なやつだからちゃんと退治してくれよ」
 古妖を退治すれば一件落着。やらかした猫又も、一度事件が解決すればきちんと自分の行いを反省するだろう。

「説明はこれくらいかな。それじゃあ準備はいいか?」
 晩夏は背筋を伸ばし、能力者達に頭を下げる。
「気をつけて行ってきてくれよ。あ、猫耳カチューシャはたくさんあるからな」
 ――いざ行かん、猫の集会。

マスターより

ささかまかまだ
 こんにちは、ささかまかまだと申します。
 ねこねこしている。

●一章『猫又集会』
 猫又集会に参加し、古妖の祠の情報を集めます。
 この集会は『猫以外出禁』です。猫要素のない能力者は、猫耳カチューシャをつけるなどして猫っぽくなって参加してください。
 猫達はルールを守って参加するなら、快く歓迎してくれます。一緒に遊んだり、お土産を持って行っても喜ばれるでしょう。

 事件を起こした猫又は罪悪感でソワソワしているので分かりやすいです。
 能力者が集まってくれば、いろいろと耐えきれずに自分から情報を吐くかもしれません。

 なので情報収集メインでも、猫達と遊ぶのがメインでもOKです。楽しく過ごしましょう。

●二章『冒険』or『集団戦』
 祠に向かう最中、何かしらの妨害が起きるのでそれを乗り越えましょう。

●三章『鵺鳥・漂』
 古妖とのボス戦です。倒せば再封印できます。


 どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
 進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
 締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。

 それでは今回もよろしくお願いします。
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よろしいですか?

第1章 日常 『猫又集会』


POW パワーで解決できる行動
SPD 早さが足りてる行動
WIZ 頭を使った行動
√妖怪百鬼夜行 普通5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 猫又集会が行われている空き地には、すでに多くの猫妖怪が集まってきていた。
 日光がちょうどよく当たる場所では猫又達が身体を丸め、雑談したりうたた寝したりしている。その近くでは化け猫の親子連れがいて、子猫達が母親に見守られながら走り回っていた。
 魚の干物を食べつつのんびりしている者もいるし、白くて大きな猫又親分に挨拶している者もいる。親分も仲間達に声をかけたり、ここ最近の噂を集めたりしているようだ。
 建物の陰になる辺りには、キジトラ柄の猫又が佇んでいた。彼は他の仲間と話さず、一人でやたらとソワソワしている。

 この集会は『猫以外出禁』だ。
 古妖の情報を集めるにしても、猫妖怪達と戯れるにしろ、何かしら猫っぽい要素がなければ許されない。
 その代わり、きちんと準備していけば手厚い歓迎を受けることができるだろう。猫妖怪達は好奇心旺盛で、礼儀正しい客人を拒まない。

 ここから先に進むために、まずは――猫になろう!
神隠祇・境華
猫耳をそっとつけて、深呼吸してから空き地へ足を踏み入れる。
今日は“猫として”混ざるのが目的…。
まずは猫達の近くに腰を下ろして、同じようにのんびりしてみる。
可愛い……それだけで胸がふわっとする。
遊んでほしそうな猫がいれば手を差し出し、一緒に楽しんでみる。
語尾のにゃんは…ちょっと恥ずかしいけど、この際だ。
猫達の仕草を真似しながら、自然に輪の中へ溶け込んでいく。
情報は、遊びながら少しずつ。気になる猫を見つけたら、そっと近づいて
こんにちはにゃん
と語尾をつけて声をかける。驚かせないように、でも逃さないように。
猫を楽しむ気持ちを大事に。
けれど耳は立てて、ソワソワしている誰かを探し続ける。


 艷やかな黒髪に同じ色の猫耳を乗せ、神隠祇・境華(金瞳の御伽守・h10121)はゆっくりと深呼吸する。
 彼女の眼前に広がるのは、猫妖怪の楽しい集会。今日はここに“猫として”混ざりに来たのだ。
 しっかりと意識を整え、境華は空き地へと足を踏み入れる。彼女の頭上の猫耳を見て、妖怪達は納得したような、安心したような声をあげた。
「よろしくお願いします」
 丁寧に声をかけてから、境華は日向に腰掛ける。周囲には日向ぼっこを楽しむ猫妖怪の姿があった。
 一緒におひさまの光を浴びながら、のんびり、のんびり。可愛い猫と柔らかな情景に、境華の表情も和らぐ。
 そうしてのんびりしていると、数匹の猫又達が集まってきていた。どうやら人懐っこい性格の子が集まってきているようだ。
 ごろん、とお腹や背中を晒す猫妖怪の姿を、境華はじっと見つめる。
「……触ってもいいです、にゃん?」
 語尾をつけるのは少し恥ずかしいけれど、こういう時にしかできない体験はしてみたほうがいい。境華の言葉に、黒い毛並みの猫又が鳴き声で返事した。
 それでは、と手を差し出し、まずは背中をひと撫で。猫又の体温は本物の猫と変わらず温かい。けれど毛並みはちょっと硬くて、不思議な感触がした。
「おねえさん、こういう風に撫でてみるニャン」
「こ、こうですにゃん?」
 他の猫からも指導を受けて、オススメの撫で方も教えてもらう。撫でられてる黒猫は、気持ち良いのかゴロゴロと鳴いていた。

 そのうち他の猫も集まってきて、撫でて、撫でて、とせがんでくる。境華は猫又達の要望に丁寧に応えつつ、周囲の様子を探る。
 少し日向から外れた場所には、仲間の様子を見つめる三毛猫姿の化け猫がいた。境華は一度猫達に断ってから、三毛猫の方へ歩み寄る。
「こんにちはにゃん。一人でのんびいしているんですにゃん?」
「いや、いつもにゃら元気なやつがボンヤリしてるから、どうしたのかにゃーって」
 三毛猫の視線の先にはソワソワしているキジトラ柄の猫又が――あれが件の猫又だろうか。
 境華は化け猫と共に猫又の元に近づき、笑顔を向ける。
「こんにちはにゃん。一緒に遊ぶにゃん?」
「い、いや。オレはいいよ。ありがとな」
「そうですにゃん。遊びたくなったら、いつでも言ってくださいにゃん」
 境華の気遣いに、猫又は申し訳なさそうに頭を下げる。今は楽しい遊びの場だ、無理に話を聞き出す必要はないだろう。
 けれど、あの猫又もいずれ必要な情報を話すはず。その時に備え――境華は楽しみながら、しっかりと仕事もしていくのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

和紋・蜚廉
ちるは(h01839)と猫耳

|ちるは《可愛い》×|猫耳《可愛い》=∞

これを見る為に誘ったと言っても過言では…(コホン)

すまニャい。そうだったな。
勿論、本文は忘れてニャいとも(黒耳装着)
猫とはいえ、妖だからニャ。玩具では気を惹きにくいかと思い、煮干しを選んでみたニャ。
ちるははニャにか用意してきたか?

手土産を持って、集会所へ。
黒耳と尻尾を身に着け、演技で違和感なく場に混ざろう。

ふふ、妖と聞いて構えていたが、案外普通の猫と変わらぬのだニャ

では、こういうのは、どうニャ?耐えられるかニャ?(触覚ヒュンヒュン)

満足して貰えたようでニャにより
さて、ちるは。そちらの調子はどう…|ン゛ン゛《可愛い》ッ(噎せた)
不忍・ちるは
蜚廉さん(h07277)とにゃんこちゃんず
黒猫耳としっぽをつけて伺います
猫変身は慣れていますが猫耳は少し気恥ずかしいです…

ハロウィンで話した『猫耳蜚廉さん』が今ここに
全力姿勢の蜚廉さんかわいいです(こくり)
やはりねこはすべてを受け入れてくれます

お手土産はうちのねこちゃんがすきなものなど
ええと、お持ちしました…にゃん
集会の猫みなさまにご挨拶してのんびり過ごします

遊ぶ蜚廉さんにほっこりしたり
そわそわ猫又さんの話に耳を澄ませたり

にゃん、にゃん(呼んでいるつもり)
遊ぶのもよいですが一緒にのんびりしたい、にゃん
蜚廉さんにぎゅぎゅっとくっつき、じぃっと見つめ
私も構って!を込めて、人でいう妨害ネコハラします


 不忍・ちるは(ちるあうと・h01839)は頭に乗せたふわふわ猫耳の感触を確かめ、少しそわそわとした様子を見せる。身体を動かせば、それに合わせて付け尻尾も揺れた。
 猫に変身することには慣れているが、猫耳をつけるというのは――なかなか気恥ずかしい。
 大丈夫でしょうか、と何度か猫耳に触れるちるはの横では、同じく猫耳をつけた和紋・蜚廉(現世の遺骸・h07277)が佇んでいた。彼の視線はまっすぐにちるはへと注がれている。
(思った通りだ……)
 可愛いちるはが可愛い猫耳をつければ、その相乗効果は無限大。見たかった光景が目の前に、予想していたよりも遥かに輝くような形で現れている。この光景を見るために依頼に赴いたといっても過言ではないのだ。
 ちるはは蜚廉の視線に気づき、小首を傾げる。合わせて猫耳も傾く様に、蜚廉は思わず咳払いする。
「蜚廉さん、大丈夫ですか? 何か気になることでも……」
「と、すまニャい。そうだったな。少しぼんやりしていた。勿論、本文は忘れてニャいとも」
 自分の黒猫耳に触れる蜚廉の様子に、ちるははほんのり頬を赤く染めつつ微笑む。
「なんだか不思議な感じですね。ですが、ハロウィンの時の『猫耳蜚廉さん』が今ここに見られて嬉しいです」
「ああ、あれか。ちるははよく似合っているが、我は……どうだろうか」
「全力姿勢の蜚廉さん、かわいいです。やはりねこはすべてを受け入れてくれます」
 小さく拳を握りつつ頷くちるはの様子に、蜚廉の表情も和らぐ。二人で頷き合うと、合わせて猫耳が動く様も愛おしかった。
 こうやってほのぼのとした時間を過ごすのも心地良いが、今回猫ちゃんになっているのは依頼のためだ。ちるはは手荷物を掲げ、その中身を蜚廉に示す。
「お手土産はうちのねこちゃんがすきなものなど用意しました。蜚廉さんはどうですか?」
「猫とはいえ、妖だからニャ。玩具では気を惹きにくいかと思い、煮干しを選んでみたニャ」
 二人とも用意したのは煮干しや鰹節といった食べ物だ。しっかり準備ができたことを確認し、顔を見合わせて頷き合う。
 ふわふわの耳と尻尾を揺らし、向かうは猫又集会だ。

 集会の会場では、猫妖怪達がのんびりのびのびと過ごしている。
 二人は入口に立ち、周囲の猫達に頭を下げる。
「ええと、お手土産もお持ちしました……にゃん。よろしくお願いします、にゃん」
「共にのんびり過ごさせていただきたいニャ」
 ちょっぴり語尾に照れるちるはと、堂々と語尾をつける蜚廉。どちらの様子も猫達にとっては好意的に受け取られたのか、快く集会に参加させてもらえることとなった。
 二人が向かったのは、猫又達がのんびりと日向ぼっこをしている辺り。軽く挨拶をして、適当な場所に腰掛ければ――好奇心旺盛な猫又達が集まってきた。
「お二方とも、ナイスな猫っぷりにゃ。お土産、いただいてもよろしいにゃん?」
「はい、どうぞですにゃん」
 ちるはが手土産を渡していけば、猫又達は目を輝かせて喜ぶ。ゴロゴロ喉を鳴らす様子は素直だ。
 そんなやり取りの隣では、蜚廉がやんちゃn猫又や化け猫と交流していた。
「お兄さん、ツワモノの匂いがするにゃ。一緒に遊ぶにゃ!」
「ああ、もちろん構わないニャ……こういうのは、どうニャ? 耐えられるかニャ?」
 蜚廉が大きく身体を揺らせば、彼の触覚もユラユラと揺れる。その動きに――猫妖怪達は一瞬にして本能を剥き出しにした。
 元気いっぱい飛び回る猫達と、それに負けじと応戦する蜚廉。アクロバティックな光景に、どんどん猫達も集まってきている。
 ソワソワしているキジトラの猫又も、これだけ騒ぎになれば自然と意識を向けているようだ。その様子を、ちるはは見逃さなかった。
(きっとあの方ですね。あとでお話をお伺いしましょう……その前に)
 ちるはの視線はたっぷり猫妖怪と戯れる蜚廉へと向けられる。彼もこの遊びを全力で楽しんでいるようだ。
「おにいさん……なかなかやるにゃ!」
「ふふ、妖と聞いて構えていたが、案外普通の猫と変わらぬのだニャ。満足して貰えたようでニャによりだ」
 猫達との遊びが落ち着いたところで、蜚廉の耳に入るのは――小さな、けれど愛らしい鳴き声。
「……にゃん、にゃん」
「ん? ……!」
 声の方に顔を向ければ、ちょっとだけ伏し目がちなちるはがいた。ちるはは蜚廉にぎゅっとくっついて、彼の顔を見上げる。
「遊ぶのもよいですが一緒にのんびりしたい、にゃん」
「ン゛ン゛ッ」
 ちるはからのネコハラを受け、蜚廉は思わず噎せる。あまりにも、目の前の光景が素晴らしすぎたからだ。
「も、もちろんだニャ。まだ時間はあるニャ、少しのんびりしていこう」
「ありがとうございますにゃん。日向ぼっこ、していきましょうにゃん」
 暖かい場所に腰掛けて、少しだけのんびり。盛り上がった猫又達も遊び疲れたからか、二人からのお土産をいただきつつのんびりしているようだ。

 ここから先は、古妖封印のための戦いが始まる。
 けれど――のんびり猫さん気分で落ち着く時間も、能力者たちには必要なのだ。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

第2章 集団戦 『道を塞ぐ猫』


POW 何処にも行っちゃ駄目ニャ!
【突然地面から土煙上げて生える猫壁】による近接攻撃で1.5倍のダメージを与える。この攻撃が外れた場合、外れた地点から半径レベルm内は【道を塞ぐ猫の縄張り】となり、自身以外の全員の行動成功率が半減する(これは累積しない)。
SPD 置いて行かにゃぃでニャ! 一緒に居ようニャ!
【蒼く光る爪と肉球としてふわふわの触り心地】を備え、【気が緩くなるような甘えた猫撫で声】を無尽蔵に放出する【ふさふさでもふもふの触り心地が良い巨大猫】に変異する。[気が緩くなるような甘えた猫撫で声]が命中した対象は思考操作され、10%の確率で命令に従うようになる(最大60%まで累積)。[ふさふさでもふもふの触り心地が良い巨大猫]は死ぬまで解除できない。
WIZ やっぱり、触っちゃ厭ニャ! にょろ〜ん!
視界内のインビジブル(どこにでもいる)と自分の位置を入れ替える。入れ替わったインビジブルは10秒間【妙に胴が長い蒼い猫】状態となり、触れた対象にダメージを与える。
イラスト key-chang
√妖怪百鬼夜行 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​


「……皆さん、能力者なんですね」
 能力者達が猫妖怪と交流している様子を見ていたのか、キジトラ柄の猫又――トラ吉が歩み寄る。その顔には、深い後悔の色が滲んでいた。
「皆さんの力を貸してください! オレ、古妖の封印を解いちまったんです、ごめんなさい!」
 自身の行為に耐えきれなくなったのか。トラ吉は土下座をしつつ、能力者達に事情を話す。

 トラ吉が隣町を散歩していると、封印されていた古妖に声をかけられたらしい――美味しいものをお腹いっぱい食べられるだけ集めてくるから、封印を解除してほしいと。
 食い意地の張ったトラ吉はその誘いに乗ってしまい、古妖を解き放ってしまった。異様な気配を感じたトラ吉はその場から逃げ出し、流れで集会に参加していたようだ。
「隣町にある小高い丘のところに、小さな祠があるんです。場所は分かりやすいんで、迷わず行けると思います。どうか、古妖を封印してください……!」
「おい、古妖がどうとか聞こえたが……トラ吉、どういうことだ!」
 何度も土下座するトラ吉の元に、集会の親分が近づいてくる。親分はトラ吉から事情を聞くと、能力者へ向けて頭を下げた。
「うちの仲間が迷惑をかけて申し訳ない。だが、俺らじゃ古妖はどうにもできねぇ。俺からも頼む、どうか力を貸してくれ!」
 その願いを能力者がどう受け取ったかはそれぞれだろう。

 しかし、目的地は決まっている。
 トラ吉が伝えた祠に向かい、古妖は封印しなければならない。


 そうして隣町に向かい、祠へ進む最中。ふいに現れたのは――巨大な猫妖怪の群れだった。
「通せんぼしたら美味しいものがもらえるって聞いたニャ! ここは通さないニャ!」
 巨大な猫妖怪、『道を塞ぐ猫』は絶妙に身体をしならせ通せんぼしている。彼らも古妖に騙されているようだ。
 封印の祠に向かうためには、先へ進まなければならない。どうにか『道を塞ぐ猫』の対処をしなくては!
神隠祇・境華
通せんぼする巨大な猫妖怪たちを前に、思わず声がにじみ、
こんにちはにゃ……と出てしまい、慌てて言い直す

まだ猫の空気が抜けきらない自分に少しだけ頬が熱くなる

戦うより、まずは誤解を解くべきだと感じる
古妖の言葉を信じてしまっただけなら、責めるよりも状況を伝える方が良い
手持ちのお菓子をそっと差し出しつつ
古妖の約束が本当に守られるものなのか、胸の内で静かに問いかけるように話す
このまま進めば猫達自身が困る未来につながるかもしれない、
そんな可能性をやわらかく示し、落ち着いた子から道を開けてくれる気配が生まれればと願う
争わずに進める道を選ぶため、境華は猫達の心がほどけるのを静かに待つ


 巨大猫妖怪達はやたら長い胴体をしならせ、能力者達の行く手を阻む。
 そんな不可思議な光景を前にして、神隠祇・境華は目を丸くする。とりあえず、先に進ませてもらいたいのだが――。
「こんにちはにゃ……、あ、こんにちは」
 猫耳は既に外しているが、猫気分は抜けきらない。思わず熱くなった頬に軽く手を添えつつ、境華は猫達に挨拶する。
「きちんと挨拶をするとは殊勝な人ニャ! でもここは通さんニャ!」
 軽く会釈をしたら、改めて猫妖怪達はうねうねしだす。けれど今の反応は境華にとって望ましいものだった。彼らは礼儀作法を弁えており、対話ができる。
(話し合うことができるなら、誤解もきっと解けるはずです)
 戦うよりも、穏便に済ませられるならそちらのほうがいい。境華は懐からお菓子を取り出し、猫たちの前にそっと差し出す。すると――うねうねしていた猫達は動きを止めて、じーっとお菓子に視線を向けた。古妖に騙された理由が理由だけに、食い意地が張っているようだ。
「皆さん、こちらのお菓子を差し上げます。だから、私の話を聞いてくれませんか?」
「ムム……おやつ貰っちゃ駄目とは言われてないニャ。分かったニャ、話くらいなら聞いてやるニャ」
 猫が対話に乗ってきたのを確認し、境華は微笑みながらお菓子を手渡す。気づけば、場の雰囲気も和らいでいた。

 美味しいおやつをもらった猫たちは、気を緩ませている。そんな彼らの様子を見ながら、境華は慎重に言葉を紡いだ。
「皆さんは古妖と約束して、通せんぼをしていたのですよね。ですが、その約束は本当に守られるでしょうか」
「ムムム、確かにこう、ふわっとした約束だったかニャ……」
「もしこのまま古妖が祠から出ていけば、約束も守られず、皆さんにも何か困ったことが起こるかもしれません」
 境華のしっかりとして、それでいて優しさが含まれた言葉に、猫たちも互いの顔を見合わせつつ反応を示す。
 片や曖昧な約束だけで自分達を使う古妖。片やしっかりおやつもくれて、きちんと話をしてくれる境華。
 どちらが信頼できるかは――誰だってわかるだろう。
「よければ、先に進ませてくれませんか。この土地に住む猫妖怪、皆のためにも」
「……よし、わかったニャ。おねえさんを信じるニャ!」
 猫妖怪たちはざざっと道の端に避け、祠へ続く道を示す。その光景を前に、境華は深く頭を下げた。
「信じてくれて、ありがとうございます」
「こちらこそ。気をつけていくニャ!」
 こうして猫妖怪に見送られつつ、境華はまっすぐ先へと進むのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

和紋・蜚廉
ちるは(h01839)と猫愛玩

…ニャる程、通せんぼの手段として猫を配置するとは。
良い策を練るではニャいか。

ニャに、口調…??

(ゴホン)
|猫耳《ちるは》を堪能したからニャ、
その余韻だろう。

そういう訳(?)で、今の我は生命力に溢れている。
運のない…いや、運の良いタイミングで現れてくれたニャ。

普段ニャら倒しているところだが、今回は違う。
思う存分に、愛でさせて貰うぞ。

還命躯から放つ生命力で思考操作。
潜響骨と翳嗅盤で猫妖怪にとって心地のいい音の周波数を感知し、翅音板の魅了を重ねて奏でる。

ほら…段々と、愛でられたくなってきただろう?
良い子ニャ。
存分に撫でる故、黒幕について知っている事があれば教えて貰おう。
不忍・ちるは
蜚廉さん(h07277)と全てのねこを愛でる

みなさんおいしいものにつられているとは
古妖さんは中々の策士ですね
抗えない感情です(親近感と致し方無い同情が募る)

って蜚廉さん???口調が…
真面目と遊び心と頼もしさと可愛いがてんこ盛りで
思わず手を伸ばし未だねこっぽい蜚廉さんの頭をそっと一撫で…
すみません敵に思考操作されていました(などと適当な言い訳)

蜚廉さんの思考操作返しに合わせねこさんも一緒にもふり
ルートブレイカー発動していい感じに能力封じます
ぎゅーできないサイズ感のねこさんもぜいたくですね
両手を広げて満喫します

…そうですね
声掛けが無かったらうっかりでした
とおせんぼ頼まれた古妖さんはどちらにいます?


 通せんぼする猫妖怪達から悪意は感じられない。彼らが語っている理由は本当なのだろう。
 美味しいものがもらえたら嬉しい。だから頑張る。そんな普遍的な感情につけ込むとは、古妖はなかなかの策士らしい。不忍・ちるはは胸に手を当て、小さく息を吐いた。
「なんというか、同情してしまいますね。猫さん達が抱いたのは、抗えない感情ですから」
「そうだニャ。それに加え、猫の妖怪を配置するとは……ニャる程、良い策を練るではニャいか」
 和紋・蜚廉も腕を組みつつ頷く。此度の依頼に来るような者は、猫好きが多いだろう。そこを突いてくるのも厄介だ。
 ――と、互いの所見を語り合っていたつもりだが、ちるはは目を丸くしつつ蜚廉を見上げている。
「……どうしたニャ?」
「蜚廉さん??? その、口調が……」
「ニャに、口調……???」
 ちるはに指摘され、蜚廉はようやく自分が何を語っていたかに気づく。思わずゴホンと咳払いをするが、しかし蜚廉の口調は変わらない。
「先程|猫耳《ちるは》を堪能したからニャ、その余韻だろう」
「私もずっとねこさん蜚廉さんを堪能させてもらってます」
 ねこさん気分に真剣で、遊び心を忘れず、けれどいつも通りの頼もしさも変わらない。そんなねこさんモードの蜚廉が愛らしく、ちるはは小さく微笑む。
 そのままちるはが背伸びをすれば、何かを察した蜚廉が軽く頭をちるはの方へと傾ける。するとちるはの白い手が蜚廉の頭に触れ、そのまま撫でた。
 なんとなく柔らかく優しい空気が流れ――しかし、二人の様子を見守っていた猫妖怪達は流されきらなかった。
「ハッ。なんかふんわりした空気になってるニャ、けど通せんぼは変わらないニャ!」
「……はっ、私もぼんやりしていました。あの猫達には他人の思考を操作する能力を持っているようです。私もその影響を受けていましたね」
「…………うむ。早く気づけてよかったニャ」
 妖怪達の声に気づき、姿勢を正すちるは。そんな彼女の様子に蜚廉はコクコクと頷く。猫妖怪達は「まだニャにもしてないニャー」とか思っていたが特に突っ込まなかった。

 しかし、戦いは戦いだ。猫妖怪は表情をキリッとさせると、ふわふわの身体を大きく揺らす。
「フッフッフ、本格的に足止めしてやる……ニャア~」
 妖怪達が発するのは魅惑の猫撫で声。聞いた者を魅了する、世にも恐ろしい攻撃だが――。
「えいっ」
 ちるはの右手が周囲を薙げば、猫撫で声は二人の心までを侵さない。これぞ不忍術 陸之型、敵の能力をかき消す一手だ。
「ニャに!?」
「運のない……いや、運の良いタイミングで現れてくれたニャ」
 驚く妖怪達の元に、蜚廉とちるはが一気に飛び込む。猫達が慌てて攻撃を放とうとしても、それはすべてちるはの右手がかき消すだろう。
 かくなる上は物理しかないか――妖怪がそう考えるより早く、蜚廉が動いた。
「普段ニャら倒しているところだが、今回は違う。思う存分に、愛でさせて貰うぞ」
 先程の暖かいやり取りのおかげで蜚廉の生命力は十分。それらを放てば、猫妖怪達の動きはピタリと止まった。
 その隙に潜響骨と翳嗅盤で猫妖怪の好みを察知し、翅音板を鳴らす。周囲に響くのは、猫が好む周波数の音だ。
 思考を止められ、心地の良い音を聞けば妖怪達はふにゃりと寝転ぶ。大きな猫がゴロゴロする様はなかなか迫力があった。
「ほら……段々と、愛でられたくなってきただろう?」
「ニャニャ、抗えニャイ……」
 猫妖怪はお腹を上にして、すっかりなすがままモード。ちるははそのうちの一匹に近づき、ふかふかのお腹に顔を埋めた。
「では、遠慮なくもふもふさせてもらいますよ……すごいです、ぎゅーできないサイズ感……」
「ふにゃあ……」
 ちるはが全身でふわもふを堪能すれば、合わせて猫妖怪もゴロゴロと喉を鳴らす。
「うむ、良い子ニャ。どんどん撫でる故、黒幕について知っている事があれば教えて貰おうかニャ」
「うにゃあ、僕らもあんまり分かってなくて……鵺らしいけどニャア」
「そうか……教えてくれてありがとうニャ」
 蜚廉も猫達を撫でつつ、妖怪達から話を聞く。しかし彼らも騙されているだけで、あまり状況は理解していないようだ。そんな会話を聞いて、ちるはもはっと表情を引き締める。
「そうですね、とおせんぼ頼まれた古妖さんはどちらにいます?」
「道なりに進んでいけば、祠があるニャ。そこにまだいるはずニャア」
「ありがとうございます。お礼といってはなんですが……もっともふもふさせていただきますね」
 ちるはも情報収集をしつつ、スキンシップも忘れない。満足げなちるはの様子を見て、蜚廉もどこか満足そうに頷いていた。
 結局悪いのは皆を騙した古妖であり、ここにいるのは人懐っこい猫妖怪だけ。
 猫妖怪も二人からのなでなでに満足したのか、これ以上戦うつもりはないようだ。
 それならあとは、先へと進むのみ。けれど、あとちょっとだけ。
「最後にもう一撫で……させてもらいましょうか」
「ああ、そうだニャ。彼らも満足そうだし」
 しっかり猫達をふかふかさせてもらって、ちるはと蜚廉の気合も十分チャージされていくのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

誉川・晴迪(サポート)
さてはて、お役に立てるでしょうか

これこれは、とっても興味深い……(好奇心旺盛
おっと、キチンとお仕事は致しますよ

一般人救助などでは√能力者以外に見えない特性を活かし
主に敵の誘き出しや、こっそり行動をします
誘導が必要なら私に代わって、かわいいお人形に案内させます
(無言、身振手振、自立可能)

基本戦闘は敵の失敗を誘うような行動から技に繋げることが多いです
魂魄炎は囮や灯り、死霊は死角に回らせ牽制
幻影を纏わせ幻を見せるのも良いですね
仄暗い中で霧や霊気を使うと、とっても雰囲気が出ますよ

√能力は指定した物をどれでも使用
他の猟兵に迷惑をかける行為や、公序良俗に反する行動はしません
あとはお任せ
よろしくお願いします


 髪をふわりと揺らしつつ、誉川・晴迪(幽霊のルートブレイカー・h01657)は戦場へと足を運ぶ。
 戦場、といっても、大きな猫妖怪が通せんぼをしているファンシーな空間だ。妖怪達は真剣なのだが、なんだか空間全体の空気が緩い。
「通せんぼニャ! 美味しいものがかかってるんだニャ!」
「……なるほど、事情は大体把握しました」
 猫妖怪達は悪い古妖に騙され、能力者達を通せんぼするように命令されている。彼らに悪気がない以上は、血腥い手段では解決しないほうがいいだろう。
 ならばちょっと脅かすくらいがちょうどいいだろうか。そう判断した晴迪は、夜の微風とユーレー霧を周囲に展開していく。
 大きな猫がウニョウニョする空間は夜の空気に包まれ、気配をどんどん曖昧にさせていく。
 猫達も妖怪である以上、この手の空気には敏感だ。唸るように声をあげ、周囲を警戒しているらしい。
「な、なんだか周りがよく見えないニャ。インビジブルが見えないと困るニャ」
「さっきの能力者はどこニャ?」
 どんどん夜の気配が濃くなり、猫達の不安も広がっていく。こういう時こそ――幽霊の出番だろう。
 晴迪は魂魄炎を呼び出し、彼らに手短に命令を下す。
「あの妖怪達を倒す必要はありません。ちょっと脅かしてあげてください」
 魂魄炎はゆらゆらと炎を揺らがせ返事する。晴迪もその様子に満足気に頷き、自らの力を魂魄炎へと分け与えた。
「ゆるりと、楽しみましょう」
 こうして始まるのは――ユーレー宴安の舞だ。

 魂魄炎は幻の中から姿を現し、次々に猫妖怪を驚かせていく。
「フニャー!?」
「ワニャー!!」
 ある猫は驚いてそのまま逃げて、ある猫はそのまま気絶して。幸い誰も怪我することなく、見事に猫妖怪は道を開けていく。
 その間をふらりと通り抜けつつ、晴迪は少し首を傾けた。
「……あとで事情を説明して、お詫びもしましょうか」
 おやつでも持っていって話をすれば、猫達も納得してくれるだろう。
 そのためにも――まずは黒幕を倒しに行かなくては。
🔵​🔵​🔴​ 成功

第3章 ボス戦 『鵺鳥・漂』


POW 楽しい狩りの時間
【蛇の尾】による牽制、【虎の四肢】による捕縛、【喰い千切り】による強撃の連続攻撃を与える。
SPD 賑やかな雷の時間
【翼を広げ、雷】属性の弾丸を射出する。着弾地点から半径レベルm内の敵には【雷撃】による通常の2倍ダメージを与え、味方には【帯電】による戦闘力強化を与える。
WIZ 愉快な祟りの時間
【鵺の祟り】により、視界内の敵1体を「周辺にある最も殺傷力の高い物体」で攻撃し、ダメージと状態異常【鵺の呪い】(18日間回避率低下/効果累積)を与える。
イラスト もりさわともひろ
√妖怪百鬼夜行 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​


 能力者達は無事に先へと進み、古妖がいる祠まで辿り着くことができた。
 事件の首謀者である鵺鳥・漂は祠の前にジッと座り込み、力を蓄えているようだった。
 漂は能力者達に気づくと、立ち上がり笑顔を向ける。
「あら、ここまで来ちゃったか。あのキジトラ君がバラしたのか、通せんぼ隊が失敗したのか……使う相手は選ばないと駄目だね。けどちょうど良かったかな。私もお腹空いてたし、復活最初の食事は君達にしよう! その後はあの猫ちゃん達も食べて、完全復活だ!」
 漂の笑顔は無邪気に見えて獰猛だ。彼女は能力者達を、餌としか認識していない。
 彼女を再び封印しなければ、間違いなく惨劇が起きる。
 どうにかこの邪悪な古妖を倒し、事件を解決しなくては、
神隠祇・境華
胸の奥に、静かに冷たいものが落ちた。
さっきまで日向で喉を鳴らしていた猫たちの姿が思い浮かぶ。柔らかい毛並みも、安心しきった瞳も──あの穏やかな時間を、騙して利用して、食べようとするなんて。
許せない、という感情が、静かに底へ沈んでいく。
あの子たちを……蹂躙させるわけにはいきません
戦いは好きではないけれど、守りたい頁があるなら、ためらわない
深く息を整え、英雄の気配を借りた光の槍を手に取る。身体の奥に、まっすぐな熱が灯る。
餌としか見ていない相手には言葉では届かない。行動で示すしかない。
猫たちの穏やかな日常を守るために。
この土地に住む者たちの頁を守るために。
私はまっすぐ踏み込み、光の槍を構えて挑む。


 古妖はまったく悪びれることなく、何事もないように残虐な言葉を紡ぐ。
 その意味は理解できる。けれど思考よりも早く、神隠祇・境華の胸の奥に広がるのは冷たい感覚だ。
 さっきまで一緒に日向ぼっこした、喉を鳴らしながら寛ぐ猫達。ここまで関わってきた、大きな猫達。
 誰もが最後には安心しきった瞳でこちらを見上げてきた。彼らの柔らかな毛並みの感触だって、今も覚えてる。
 ――あの穏やかな時間を、騙して利用して、食べようとするなんて。
 胸中の冷たさを糧にして、境華の内に沸き起こるのは強い思い。これはきっと、許せない、という気持ちだ。
「あの子たちを……蹂躙させるわけにはいきません」
「ああ、君にはそういう風に取られたのかな。大丈夫、猫達をいじめるつもりはないよ。ただ、弱肉強食ってあるじゃない?」
 境華の決意を受け流し、ケラケラと笑う漂。その声すらも、境華の思いをさらに強めることとなった。
 戦うことは好きではない。でも、守るべきものがあるのなら――境華は迷うことなく頁を手繰るのだ。
 ゆっくりと、けれど深く呼吸をして、境華が手に取るのは一枚の頁。
「物語を我が身に――光裂く槍よ、我が歩みにその矛を一時宿したまえ」
 詠唱に合わせ、紙片は英雄の槍に変わり、境華の手の中で輝く。その光に照らされれば、境華の胸中から冷たさは去り、代わりに確かな熱が宿った。

「わ、格好いい槍だねー。それなら……こういうのはどうかな!」
 漂は鵺の祟りを周囲に漂わせ、辺りで一番殺傷力の高いもの――高所にあった岩を境華へと差し向ける。
 凄まじい勢いで迫る岩に対し、境華は逃げたり隠れたりもしない。ただ静かに槍を構え、動く時を待った。
(古妖は祟りを広げることに集中しているはず。でしたら……)
 グッと槍を握る手に力を籠め、境華は意識を集中させる。物語の英雄も、このような時は堂々と立ち回るはずだ。
 そのイメージ通りに槍を突き出せば、岩は見事に弱点を突かれ砕け散る。その様子に、漂は目を丸くしていた。
「あれ、なんで!?」
「私は、行動で示します。猫たちの穏やかな日常を守るために。この土地に住む者たちの頁を守るために――」
 他者を餌と認識し見くびる古妖に、してやることはたった一つ。
 境華は一気に漂の懐へと飛び込み、槍を突き出す。
 境華の思いを籠めた一撃は、見事に悪しき古妖を貫いたのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

古衛・早希(サポート)
「ここは、私がなんとかしましょうかね……」
「年寄りは、いろいろと知っているものですよ?」

年齢3桁の老婆。引退していたが最近ヒーローに復帰した。
戦闘時には重甲をまとって参戦する。
戦いはベテランだが衰えを感じてもいるので、
他に誰かがいる場合には、支援や補助をメインに動く。
年齢なりに色々と経験しており、いつも落ち着いているが、
それが必要な場面では熱血アクションもやぶさかではない。


 激しい戦いが繰り広げられる戦場に、ふと重い音が響く。
 古妖が思わずそちらに視線を向けると――そこには大きな土埃が舞っていた。その中心に佇むのは、重甲を身に纏った古衛・早希(重甲老兵・h00480)だ。
 早希は古妖退治の依頼を聞きつけ、この戦場へと舞い降りた。彼女の佇まいを見つめ、古妖は目を細める。
「ヒーロー参戦って感じかな? これ以上敵が増えたら厄介なんだけど……!」
「ええ、お前のような敵は力を合わせて着実に倒す。それが一番有効でしょうから。遠慮なく、戦わせていただきますよ……」
 早希の口調は穏やかだが、その内には確かな芯が感じられる。その気迫を感じ取り、古妖は険しい表情を浮かべた。
「ならこっちも遠慮なく!」
 古妖は地面を蹴り、蛇の尾を差し向けつつ早希へ迫る。おそらく牽制攻撃で早希の動きを止めるつもりなのだろう。
 ならば、それより早く動かなければ。早希はすかさずヘビー・ブラスター・キャノンを呼び出し、その砲口を古妖へと向ける。
 今優先すべきは、威力よりも命中率。早希は一基のキャノンだけを操作し、そこから放つ光で古妖の進行を止めた。

「ぐっ……!」
 牽制攻撃をしかけるつもりが、自分の方が牽制されてしまった。古妖も頭ではそう分かっているが、身体の方は追いつかない。
 そこにすかさず早希が肉薄し、ソードブレイザーを構える。
「嘘、声の割に……動きが速すぎる!?」
「これでも、ベテランですからね。いろいろな状況に対処してきたんですよ」
 早希は古妖の動きに即座に対応したのではなく、相手の動きを計算して動いていた。
 重甲を纏っても、肉体年齢による負荷は避けられない。けれど早希が重ねていた年齢は、彼女に多くの知識や判断力も与えていたのだ。
 それらを活かし、最大の攻撃を、最高のタイミングで放つ。それこそが早希の戦いだ。
 早希は一気に光の剣を振り抜くと、全力で古妖を叩き切った。

 古妖もその名の通り、長く生きてきた狡猾な存在だ。
 けれど歳を重ねた人間も――その時間の積み重ねで、より強固な存在になることができるのだ。
🔵​🔵​🔴​ 成功

和紋・蜚廉
ちるは(h01839)と鵺退治

あの素晴らしき|猫耳《ちるは》を…(コホン)
…あの素晴らしき集会を台無しにするなど、その様な悪事はさせぬ。

いくぞ、ちるは。
邪悪な古妖に、躾の時間だ。

連撃の挙動を翳嗅盤で察知し、ちるはへ伝達。
野生の勘でタイミングを合わせ、カウンターで逆墜を蛇に繰り出す。

先ずは、背後を下と認識するがいい。

挙動に混乱を来したところで、四肢の捕縛をグラップルで抑え込む。
蛇の頭が混乱していれば、捕縛の勢いも緩むだろう。

強撃が迫る直前、潜響骨で力の収縮が頭部へ移る気配を感知し、
グラップルからの崩撃で鵺の身体を吹き飛ばす。

最後の下は、正面だ。
落下の勢いで落ちる体に、我らの拳を与えよう。
不忍・ちるは
蜚廉さん(h07277)とおしおき

あの素晴らしき|ねこねこ口調《蜚廉さん》を…(小声)
…ですね、集会のためにも阻止しましょう

トラ吉さんが封印を解いてしまった罪悪感や
通せんぼねこさんのおいしいご飯への想いもありますし
あ、トラ吉さんもおいしいご飯に釣られたんでしたっけ?

ごはんで騙すのはダメです!
みんなでおいしく食べるものを嘘に使ってはいけません!
めっ!(いつになくおこ)

蜚廉さんの察知に合わせておしりを右平手で叩きます
ルートブレイカーでもありお仕置きといえばこれかなと
都度変わる下に合いの手の攻撃を入れて
あとは祠の中で反省してください

集会に戻ってみなさんにお伝えして
心置きなく干物食べてもらいましょうね


「ちっ、早くこいつらを喰って、猫どもも喰わないと……!」
 追い詰められた古妖は獰猛な本性を隠さず、獣めいた表情で能力者たちを睨む。
 そんな彼女へ向け、和紋・蜚廉も不忍・ちるはも険しい視線を向けていた。
「あの素晴らしき|猫耳《ちるは》を……」
「あの素晴らしき|ねこねこ口調《蜚廉さん》を……」
 心の中で思っていたことが思わず小声で溢れ、軽く咳払いしつつ誤魔化す二人。もちろん相手のことを想う気持ちも大きいが、強い使命感も抱いている。
「……あの素晴らしき集会を台無しにするなど、その様な悪事はさせぬ」
「……ですね、集会のためにも阻止しましょう」
 封印を解いたことを悔いたトラ吉に、美味しいものにつられて通せんぼしていた猫たち。そういえばトラ吉も同罪だった気がするが、それは一旦置いておいて。
 ここまで関わってきた猫たちのためにも、ここは一歩も引くわけにはいかない。
「いくぞ、ちるは。邪悪な古妖に、躾の時間だ」
「はい、参りましょう。古妖さん、ごはんで騙すのはダメです!」
 蜚廉の構えとちるはの言葉に、古妖は苦虫を噛み潰したような表情を返した。
「騙されるほうが悪い、でしょ」
「だとしても、みんなでおいしく食べるものを嘘に使ってはいけません! めっ! です!」
 ぐっと拳を握り、そう力説するちるは。いつになく怒りを示すちるはの様子につられるように、蜚廉の身体にも力が漲る。
「……うむ、その通りだ」
「は、イチャイチャしちゃって。わかったよ、それじゃあまとめて喰ってやる!」
 古妖も嘲笑と怒りの言葉を返し、勢いよく二人の方へと駆け出す。いよいよ最後の戦いのようだ。

 古妖は勢いよく駆けつつ、蛇の尾を不自然に動かしていた。その様子を察知し、蜚廉はちるはにアイコンタクトを送る。
 ちるはも頷きで返事を返し、身を低くしていつでも走り出せる姿勢を取った。
 古妖はまず蜚廉に食らいつく――フリをして、蛇の尾を突き出す。
「驚け!」
「いや、驚くのは汝の方だ――我が掌中にて、空へ羽搏く影を穿つ。 墜ち行く先の、|運命《さだめ》を知れ。先ずは、背後を下と認識するがいい」
 蛇の動きを読み、蜚廉が撃ち込むのは逆墜。蛇はまともに攻撃を喰らい、思い切り後方へと引っ張られた。
 それにつられるように古妖の動きも鈍り、本体も蛇の尾も目を回す。蜚廉は古妖の背後に回り、彼女をうつ伏せの状態で組み伏せた。
「くそ、離せ!」
「ちるは、次は任せた」
 古妖の罵倒を気にせず、蜚廉が意識を向けるのは構えていたちるはだ。ちるはは右掌に力を込めて、古妖へと肉薄する。
「お仕置きといえば……これですね、ろく」
 そのまま右掌で古妖の臀部を叩けば、ルートブレイカーの能力が蛇の尾の動きを緩める。
「ちょ、何するの!? 子どもじゃないんだから!」
 古妖は痛みに顔を歪めつつも、怒りのままに蜚廉の身体を跳ね除ける。しかし、その動きも予想できていたものだ。
「汝より、子どものほうがよほど理知的だ。それに、意識を見出していいのか?」
 蜚廉は潜響骨にて古妖の動きを察知し、次の攻撃の予兆を捕らえる。蛇の尾が無力化され、先程四肢も押さえつけられたとなれば、次はまだ使っていない頭部を使うはず。
 その予想は当たり、古妖の頭部に力が集中していく。そこで蜚廉は再び逆墜を発動し、古妖の頭上を『下』と定義する。古妖は空へと落ちそうになるが、その身体は蜚廉が抑え込んで固定した。
 その動きに合わせるように、ちるはが迷うことなく腕を伸ばす。空中で固定された古妖に接近すると、今度は――頭を思い切り引っ叩く。
「えいっ」
 可愛らしい掛け声と共に放たれるのは、迷いのない不忍術 陸之型。再び能力が無効化され、古妖は反撃の手段を失った。

「この、いい加減に……!」
 顔を歪め、怒りを示す古妖。彼女を冷静に見つめつつ、蜚廉とちるはは最後の攻撃の構えを取った。
「ああ、もちろん我らも長引かせるつもりはない。次で終わらせる」
「ねこさんたちが待っていますから……さあ、最後のおしおきです」
 蜚廉が改めて逆墜を発動し、古妖の『下』を変える。その位置は――能力者達の元。
 定められた法則に従い古妖の身体は動き、滑り落ちるようの能力者へと迫りくる。
 そこに蜚廉の拳とちるはの右掌が叩き込まれれば、古妖の肉体は消滅し、魂のようなものが祠へと封印される。
 こうして戦いは終わり――能力者達は、無事に猫妖怪達の平和を守り抜いたのだ。
「……終わったな」
「はい、お疲れ様です。このことは、集会のみなさんにお伝えしませんとね」
 安堵の息を吐く蜚廉の隣で、ちるはが小さく微笑む。これで猫妖怪達も安心して、のんびり干物を食べつつく休めるだろう。
 彼らの元へ向かう二人の足取りは、軽いものだった。


 猫妖怪の集まる空き地には、今まで集まっていた子達に加え、通せんぼしていた子達も集まってきていた。
 彼らは事件の顛末を聞き、能力者に頭を下げる。特にトラ吉は何度も土下座していた。
「本当にありがとう! 皆さんは命の恩人だ、この御恩は一生忘れない……!」
 今回の件を踏まえ、トラ吉も他の妖怪ももう間違いは侵さないだろう。

 猫妖怪達の平和は能力者達の手によって守られ、彼らの穏やかな時間はこれからも続いていくのだ。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

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