白い天井の向かい側
ミュジー・ライラミュジーがD.E.P.A.S.になる前。かなり重度の身体虚弱の為、院内にほぼ軟禁されていた頃のお話をお願いします。
10年前のお話
https://tw8.t-walker.jp/scenario/show?scenario_id=596
も参考にして頂けると嬉しいです。
○22歳の頃(必須)
・家族に会える事は二度と無いと気づいている
・口調は現ミュジーの口調
・昔と比べて更に希望は無い(必須)
・車椅子または症状が軽い日は手すりを用いらなければ移動が難しい
・子供の頃とは違い病院から外へ行く事ができるようになったが遠出はできない
・内蔵を摘出している為少し軽くなった
・「まだ生かされている」と考えている
・時々自分の出来事が他人事のように思える
上記項目を満たしていれば良いです。これはもし描写するならこの条件が良いというものなので何項目か書かなくても構いません。
特に私は可哀想なのが好きなので、なるべく可哀想にして頂けると幸いです。
現在の彼はD.E.P.A.S.となり、自由を謳歌しています。過去の希望は無いですが、今はあります。
「……」
ミュジー・ライラは、ベッドに横たわりながら白い天井を見つめている。
そうしている間に、気づけばもう22歳になっていた。
いつの間に成人したのか。時を数えていれば気が狂うから、随分とやっていない。
それに酒や煙草などを窘めるはずもないのだし、祝う意味もなかっただろう。ましてや、免許を取って車の運転なんてものも出来はしない。
歳を取ったって、何も変わりはしないのだ。
どうせ、この先もずっとそう。
延々と、天井を見つめる日々が続いていくだけ。
「私は、幸せなのかな……」
昨日、隣のベッドの少女が息を引き取った。やってきて、1か月と経たずのことだった。
それに比べて自分は、何年も生きている。生かされている。
きっとしばらくは、まだ生きていけるのだろう。
少女は9歳で、いつも痛い痛いと泣いていた。でも昼には両親が来て、その体を抱きしめてあげていた。
自分に、家族は会いに来ない。今まで一度もなくて、もう存在していることすら嘘だと思っている。
どっちだろう。幸せはどっちだろう。
そういえば、長い年月で体調は少し良くなっていた。
ダメになった内臓を摘出して体が軽くなり、そのおかげか足が少しは体を持ち上げられるようになった。
そしてついには、病院の外にも出られたのだ。
眩しい光。果てしない空気。やまない雑踏。
初めて得たそれらは、けれど結局希望にはならなかった。
だって、一歩踏み出すたびに苦しみがのしかかる。歩いた分、戻らないといけない。
結局は、少し、良くなっただけだ。
だから今もベッドの上。
窓を眺めることもなくなって、今向かい合うのは白い天井。
じっと見つめていると、時折その白いキャンバスに自分が映し出された。
ひどい顔だ。やせ細った体に濁った瞳。
でも目を開いていて、息もしていて。
「生きているのに、なんでそんなにも辛そうにしているの?」
自分だけが絶望にいると思い込んでいるそいつに、嘲笑が零れる。
「……ミュジー・ライラ。あなたは幸せなのよ」
だって、生きているんだから。
だって、死んでいないんだから。
だけど、
だけど。
昨日、隣のあの子が羨ましかった。
痛い痛いと泣かないでよくなって、親に抱きしめられながら泣いてもらって。
全てから、解き放たれて。
そうしたら一体、どんな素晴らしい場所に行けるのだろう。
「……ねえ、あなたはどう思う?」
白い天井は応えない。
最初から、そこには誰もいない。
そう、ただの真っ白だ。何もありはしない。それが真実だ。
だから怖くなって、目を開いている。
白い天井を、見つめている。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功