人間災厄「異形の精神」に関する音声記録
日付: 西暦2024年12月12日(木曜日)08時00分
記録担当者: 研究員[データ削除済]
収容対象: 人間災厄██-0245(別名: █████)
(音声記録開始)
研究員[データ削除済]: 「おはようございます。本日は少しお話を伺いたいと思います。まずは自己紹介をお願いします」
██-0245: 「自己紹介ねぇ……。君たちはいつも自己紹介を求めるけど、私が何者かなんて、まだ分かってないのかい?」
(沈黙が数秒続いた後、ため息と共に)
「まぁいい。私は[編集済]――ああ、正式にはそう呼ばれているんだったね。面倒だから、ただ『良き隣人』って呼んでくれていいよ」
研究員[データ削除済]: 「良き隣人……随分と謙虚なお言葉ですね。……では、今日の気分を伺ってもよろしいですか?」
██-0245: 「気分? 難しいことを聞くね。そうだなぁ……楽しい、かな? 素敵なことが起こる予感がしているんだよ」
研究員[データ削除済]: 「(深いため息)素敵、ですか。それが何かはお聞きしません。貴女の場合、聞くだけ無駄ですからね。前回で学びましたよ、えぇ。嫌というほど。……しかし、予感とは何を指しているのですか?」
██-0245: 「それはね……キミたちが最も厭う事だよ」
(小さな笑い声。挑発するような不敵な声音)
┈┈┈
研究員[データ削除済]: 「現状に不満はありますか?」
██-0245: 「あるとも。娯楽が少なすぎるよ。これじゃあ脱走してくれと言っているようなものじゃないか」
研究員[データ削除済]: 「(強く念押し)絶対にやめてくださいね? フリじゃありませんよ?! 私は前任者のようにはなりたくないのですから」
██-0245: (楽しそうに笑う)「安心しなよ、そのつもりはないから。少なくとも今はまだ、ね」
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研究員[データ削除済]: 「では、先日行った心理テストの結果についてですが……」
██-0245: 「ああ、あの無駄に冗長な質問の山か。で、何が分かったんだい?」
研究員[データ削除済]: 「貴女に対してある可能性が示唆されています。愛想が良く人に好かれる、ただ実際は他者に対する共感性に難があり……ええ、もちろん直接的な証拠はないのですが――」
██-0245: 「なるほど、つまり私は███████だってことかな?」
(研究員が数秒間沈黙する)
「結構な話じゃないか。それじゃ、次に進もうか?」
┈┈┈
研究員[データ削除済]: 「最後に、あなたの異常性についてお伺いします。何者なのか、何故ここにいるのか教えていただけますか」
██-0245: 「何者なのかと聞かれてもねぇ。前にも言ったように私は良き隣人さ」
研究員[データ削除済]: 「……本当にそうなら、此処には居ない筈ですが?」
██-0245: (拗ねたように)「失礼だなぁ。私はちょっとお節介を焼いただけで、何もしていないよ」
研究員[データ削除済]: 「……何もしていない、ですか?」
██-0245: 「そうだね。全部、勝手に起きたことだ。だって、いずれ爆発していたんだからね。遅いか早いかの違いでしかないだろう?」
(椅子が倒れる音。激昂した研究員の声と罵倒が続く。それでも██-0245の笑い声は途切れない)
(二発の銃声、倒れる音、扉が勢いよく開く音)
██-0245:「監視カメラで見てたんだろう?私は何もしてないよ。彼が勝手に██したんだ。むしろ撃たれた私を心配して欲しいね」
(記録終了)
【備考】
音声記録中の全発言は、後日詳細な検証が行われる予定。
██-0245の異常性の影響および研究員[データ削除済]の███行動について、さらなる調査を要求。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功