シナリオ

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【サポート優先】マジ許さねえ絶対にだ

#√妖怪百鬼夜行 #ゆっくり進行

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 #√妖怪百鬼夜行
 #ゆっくり進行

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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。


 年も明け、2月も終わりに近づいた今日この頃。
 |火持野・洋太《ヒモテノ・ヨウタ》は憤慨していた。
「クリスマスからこっち、行事続きなのはまぁいいさ。けどな……初詣に新年会、節分にバレンタインデー……どこに行っても人前でイチャイチャイチャイチャしやがる奴らはなんなんだ!?」
 そうだね、恋人たちの目立つ季節だね。
 たまーにネジを落っことしたカップルに運悪く遭遇することもあるよね。
「寒いから引っ付くぅ? ンなもん厚着しろ肌を出すな、貼るタイプのカイロ常備しとけ。どいつもこいつも、これみよがしに俺の前でイチャつきやがって。リア充マジ許さねえ絶対にだ……!!」
 ……色々言ってるが、最後のが本音では?
 ともあれこのように、イベントにかこつけて愛を育む人々に嫉妬の炎を燃やしていた洋太だったが。

「……は? カップル限定イベント?」
 まさか気晴らしに行った温泉旅館でそんなイベントが行われるなんて、一体誰が予想できただろうか。癒しの旅が嫌死の旅に変わった瞬間だった。神などいない。
「ここでもリア充どもに追いやられるのか……カップルで屋外オリエンテーションが楽しめますってお一人様差別にならないんですかクッソ大雪降んねーかな」
 抑揚もつけずにブツブツと。
 案内された和室で窓の外を眺め、独りぼやいていると——。

『大雪、欲しいの?』
「っ!? だ、誰だ!?」
『だったら、こっちに来てそのカップルのお話聞かせて?』
 ——ふわりと小さな雪が一つ、洋太を案内するように空を舞った。


「……そうして洋太さんは、雪を降らせるのを交換条件に、古妖の封印を解いちゃったん、だ。その結果、周辺が豪雪地帯もかくやの有様になって、旅館が孤立してるから、助けてあげて欲しい、な」
 集まった面々へ熱いお茶を差し入れながら、坂堂・一は説明を続ける。
「その旅館があるのは、あまり雪の降らない地域の郊外で、そもそも雪への免疫がないん、だ。だから、除雪もうまく進まなくて、車も通れずに立ち往生してる状態、だよ。……旅館への物資運送トラックや送迎バス、石油暖房に必要な灯油の配達車も、ね」
 館内にはエアコンなどの電気暖房設備があるが、この分だと雪の重さで電線が断裂し、停電になる恐れがあるという。石油ストーブもあるが、普段使わないのもあり灯油の残量が心許ない。かといって温泉に浸かり続けるのも現実的ではない。
「このままだと、旅館にいる人全員凍えちゃうから、除雪を手伝って、灯油を届けてあげて、ね」
 旅館への道を除雪できれば物資も届けられ、当面の危機は乗り越えられるだろう。
 後は原因を取り除くのみ。

「実はここの旅館、庭園の隅に、古妖の『雪女郎』が封印された祠があって、解かれた今もそこにいるみたい、だよ。ただ、雪女郎を守るように、他の雪女たちが庭園を警備してるから、気を付けて、ね」
 そこまで説明した後、星詠みの少年は少し躊躇って。
「それと……ノイズ混じりの映像みたいに、一瞬見えたんだけど、ね?」

 ——綺麗なお尻のお姉さんが、雪と寒さにブチ切れてた、よ。

「ともかく、最後まで気を抜かないで、無事帰ってきて、ね」
 そうして湯たんぽ代わりに抱きしめていたチンチラと一緒に手を振り、星詠みの少年は皆を見送ったのだった。
これまでのお話

第2章 集団戦 『雪女』


POW 報仇雪恨
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【氷刀】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【吹雪】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
SPD 肌肉玉雪
自身の【美貌】がA、【妖力】がB、【剣術】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
WIZ 飛雪千里
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【吹雪】で300回攻撃する。
イラスト 雑草サキ
√妖怪百鬼夜行 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●注:洋太は生きてます
 EDEN達の活躍により、除雪を終えた旅館の駐車場に次々と配達車がやってくる。
 つい先ほどまで猛威を振るっていた吹雪は嘘のように止んで、今はチラチラと風花が舞っているのみ。……古妖達に何かあったのだろうか?

 ——庭園へ近づくにつれ、姦しい会話が聞こえてきた。

『さっきまであんなに楽しそうだったのにねぇ……あの人間も役に立たない』
『うちの可愛い子が話せと言ってるのだから、次々話せば良いものを。「りあじゅうの話はもう嫌だ」とか駄々を捏ねて、見苦しいったらありゃしない』
『せっかく盛り上がってた吹雪も収まったじゃないか』
『ならもっと楽しませる人間を建物から連れてくれば良いのでは?』
『それはいい、そうしよう』

 庭園の中央に集まっていた雪女達が、くるりと一斉に旅館へ振り返る。
 EDEN達は無辜の人々が古妖の餌食にならぬよう、素早く庭園へと躍り出るのだった。
エーリカ・メーインヘイム(サポート)
√ウォーゾーン出身です
でも人間さんが困ってるのは他√も同じですっ

ベルセルクマシンですが、今は人類の味方です
見た目は人間さんとそんなに変わりません
…身長以外は
屋内等で8mの身長が邪魔になる場合は、事前に160cmになってから参加しますね

昔も今も変わらず、わたしが直接殴ったり蹴ったりというよりは、レギオンさんに戦闘をお願いしています
「レギオンさんたち、いってらっしゃい!」
頑張ってね

手で振り払ったり叩き落としたりするくらいなら、わたしにも出来るかもしれません
身長が8mのままの時は、それなりに効果的だったり…?
戦闘に大きさは関係ないかもしれませんけど…

サポートで真の人格に覚醒する事は絶対にありません
天月・八雲(サポート)
天使の古代語魔術師×錬金騎士47歳の男です。
普段の口調はやる気がなさそうな感じ(自分の愛称、相手の名前+ちゃん、だねぇ、だよ、だよねぇ、なのかい?)一人称はおじさんです。
真剣な時は低く落ち着いた声(俺、お前、だ、だな、だろう、なのか?)ですが、まず真剣になることは無いです(断言)。たとえそれが敵の前でも、です。
軽口くらいは叩くかもしれません。でも、基本的に不真面目でふざけているの
でシリアス過ぎない行動になると思います。
ただ、真面目になる時は目が笑ってません。
本気の弱音や強がりを口にする事もありません。

あとはお任せ、よろしくおねがいします

●思いを胸に
『おや、招かれざる客が来たようだねぇ』
 今や自分達の|領域《テリトリー》と化した庭園で、見知らぬ気配を感じた雪女が冷ややかな視線を浴びせようと振り向くと。
『……靴下?』
 視線の先にあるのはどう見てもローファーと白いソックスを履いた足。そのまま視線を上へ上へとずらしていけば——セーラー服姿の少女とようやく目が合った。
『……だいだらぼっちの娘、か?』
「違いますよー、そこまでは大きくないですっ」
 唖然としながらの問いかけに応えたのはエーリカ・メーインヘイム(あなたの帰りを待つ母艦・h06669)だ。実は彼女はベルセルクマシンで、その身長はなんと8m! 三階建てのこの旅館よりは小さいものの、目線の高さは二階と同程度なのだ。
「人間さんたち、もう大丈夫ですよ。寒さの原因は取り除いちゃいますからね!」
 窓から恐る恐るこちらを窺う宿泊客達へ、エーリカはにっこり微笑みかける。その友愛に満ちた笑顔に宿泊客達も安心したのか、徐々に窓から離れていくのが見えた。
「やれやれ、おじさん寒いのも面倒なのも嫌なんだけどなぁ」
 エーリカの更に上からぼやく壮年男性が一人。
 ボサボサの頭を掻きながら、|天月・八雲《あまつき・やくも》(おじさんが天使?冗談にもならないよねぇ・h12271)が旅館の屋根から雪女達を見下ろしていた。
「雪女ちゃん、ここの気候じゃ住みにくいんじゃない? 別の所行こうよ」
『フン。気候など、斯様に冷やしてしまえば良い。我らが退く必要がどこにある?』
「あーらら、振られちゃったねぇ」
 面倒事は避けるに限る——そう思って適当に言いくるめようとしたが、雪女からすれば既にここは制圧済み。提案は素気無く突き返され、八雲は思わず肩を竦めた。
「おじさん、一緒に頑張りましょうね!」
「えーめんどくさーい……とも言ってられないね、こりゃ」
 眼下の雪女達は邪魔者を排除しようと臨戦態勢だ、今更「それじゃ」と背を向けても素直に帰らせてくれないだろう。仕方ないとばかりに翼を羽ばたかせ、八雲が地上へと降り立った。
「……それにしても、リア充許さねぇ、か」
 星詠みに聞いた情報を反芻するかのような呟きに、エーリカがぱちくり瞬いて。
「もしかして、洋太さんみたいに羨ましかったりしますか?」
「うーん……どうだろうねぇ。さあ、雪女ちゃんが来るよ」
「はいっ!」
 そう返した八雲の脳裏に過った思いは何なのか。
 答えを煙に巻きながら、ボサボサの髪を一つに纏めた八雲が戦闘の始まりを告げた。

「レギオンさんたち、いってらっしゃい!」
 エーリカの傍に浮かぶレギオンメイトから、42機の小型無人兵器「レギオン」が次々と放たれてゆく。その機械の小隊は順次四方へ展開し、雪女達を包囲するかのような陣形を描いてその時を待っていた。
「人間さんを困らせるひとは、これでペンペンしちゃいますからね!」
 その声を合図に、レギオンたちが一斉にミサイルを発射した。
 1発1発は弱くとも、集中砲火による爆風が更に雪女達の肌を焼いていく。
『くっ、よくも同胞を!』
 何体かの雪女が膝をつく惨状に歯噛みし、無傷の雪女が巨体のエーリカ目掛け吹雪を起こした。それまで小康状態だった天候がまたしても曇天に呑まれ、斜めに降る凍てつく雪が八雲やレギオン達にも叩きつけられる。
「がんばって……! 負けないで、レギオンさん!」
 エーリカの祈りが内蔵型のレギオンコントローラーを通し、レギオン達を鼓舞して。更に現れたいくつものウィザードフレイムが、二人とレギオン達に襲い掛かる吹雪を反射し、融け合い、消滅していった。
「ありがとうございますっ!」
「どーも。とはいえ手早く済まさないと、おじさん凍えちゃいそうだよ」
 ゆるゆる紡がれる言葉の調子はそのままに、けれど全力の魔力を炎に込めて。素早く詠唱し続ける八雲の周囲にまた一つ、魔術の炎が浮かび上がった。
「それじゃ、反撃といくかい?」
「はい! レギオンさんたち、お願いします!」
 いくつかは撃墜されたものの、機械の小隊は半数以上が耐えきったようだ。雪女を逃がさぬよう未だ包囲陣形を解かず飛行しているレギオンに、|母艦《エーリカ》からの指示が伝わって。
 続々とミサイルが撃ち込まれるのに合わせ、八雲もまた全てのウィザードフレイムを雪女へ放つ——爆風で煽られた炎が、高く高く冬の空に燃え上がった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

萩高・瑠衣(サポート)
人間(√EDEN)の|錬金騎士《アルケミストフェンサー》×レゾナンスディーヴァ、18歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、負傷したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

主に、篠笛を演奏することによる何らかの効果を期待した行動を取って事態の解決に貢献しようとします。
近接戦闘も譜面台を振り回す物理攻撃や改造楽器ケースによる魔力攻撃で対応しようとしますが、防御はちょっと苦手です。
他の√能力者さんとなるべく協力し、公序良俗に反することは行いません。
後はお任せいたします!

●人為的『自然の驚異』
 凍えていた体をココアで温め、英気を養った萩高・瑠衣が庭園へと足を踏み入れる。視線の先では美しい雪の着物を纏った妖怪達が、どんな人間を連れてこようか相談しているようだった。
「ねぇ、聞きたいことがあるのだけど」
『む? 自ら志願してくるとは、何とも殊勝な人間だねぇ』
『さぁ我らが可愛い雪女郎に恋バナを聞かせとくれ』
 近寄る姿に勘違いしたのか、一方的に話す雪女達に瑠衣は|頭《かぶり》を振って。
「旅館周辺を覆っていた吹雪はあなた達が?」
『まぁ我らも力を貸したが、あれは恋バナにはしゃいだ雪女郎が起こしたもの。風に舞う白雪は美しかっただろう?』
「……そうね、確かに美しかったわ」
 そして——寒かった。
 澄み切った冬の空に、結晶化した雪が舞い踊る様は感じ入るものがあったのは否定しない。……だが酷くなる吹雪の中、奪われゆく体温と、真白の世界に一人取り残されたような不安感が思い起こされて。
「あなた達にはお礼をしないとね!」
 改造楽器ケースを握り、非実体の刃を発生させると、瑠衣は雪女の一人へ斬りかかろうとした。しかし——。
『寒いなど、やはり脆弱なるかな人間!』
 相対する雪女が素早く間合いへと跳躍し、瑠衣に先んじて斬り上げる。
 その氷の刀を滑らせるよう何とか受け流せば、再び視界を横切るは冷たい|白魔《はくま》……雪女達が起こした吹雪だ。
「また……いいわ。思い通りに動けない辛さ、あなた達にも教えてあげる」
 吹雪を纏い身を隠した雪女達に、瑠衣は刃を収めて篠笛を取り出して。
 力を抜いた唇が唄口に触れ、そっと息を吹き込むと。

 ——ピリリリリりりり……

『な、じ、地震か!?』
 篠笛から発生した特殊な周波数の音波が、隠密状態の雪女達を暴いていく。
 その身体は直下型の大地震を受けたかのように揺れ、震え、まともに立つこともままならず。
『この……っう、ぁ……』
 刀を支えに体勢を立て直したとて、奏で生み出された音響弾が雪女の頭を揺らし、昏倒させて。
(雪はもう十分……今度は私の音をじっくり堪能してもらうわね)
 倒れ込み、踊るように藻掻く雪女達の姿に、少し溜飲を下げた瑠衣であった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

フォグル・ファルグスト(サポート)
口調は丁寧ですが、どこか事務的な話し方をする職業暗殺者です。下ネタ、エロ、グロ、度がすぎたギャグはNGですが、それ以外ならOKです。

基本的に、どんな時も感情的になることなく淡々と仕事をこなします。
子供(のキャラ)は子供扱いせず、1人の大人として扱います。遠慮や容赦はしません。
戦闘に関しては自分から積極的に攻撃します。アドリブ、連携、アレンジ歓迎です。
それでは、よろしくお願いします
金菱・秀麿(サポート)
人間(√汎神解剖機関)の|警視庁異能捜査官《カミガリ》×不思議骨董屋店主、飄々としたつかみどころがない中年刑事。
遺留品に込められた思念を読み取る調査が得意。
実家が骨董屋のため古い骨董品の知識も深い。
「この造形は、曰く付きの趣きがあるねぇ……」
が口癖で物の造形に秘められた思念に反応した時によく口にする。
【基本的な口調】
一人称は「俺」、二人称は「お前さん」。
【戦闘】
中距離からカミガリ式M60で他の√能力者を援護射撃する。
近距離ならは、御用十手で相手の捕縛を試みます。
【心情】
飄々とした脱力系刑事ですが仕事は真面目にこなします。共闘者がいた場合やれやれと軽口を叩きつつもしっかり援護に回ります。

●白と黒の狂宴
 ぽたり、と。
 白い紙に墨汁を垂らしたように、雪景色に佇む黒が一人——いや。
『今度は男が二人。恋の話……には縁がなさそうかねぇ?』
『いいさ、連れて行こう。案外陽気に語ってくれるかもしれないよ』
 声を潜めるでもなく二人を検分する雪女達を、フォグル・ファルグスト(黒狼の暗殺者・h10164)はただ静かに見据えていた。その灰色の瞳は鋭く、しかし僅かな呆れが浮かんでいる。
「暢気なもんだな。この期に及んでまだ恋バナさせようとしてやがる」
「ええ。……ですが好機とも言えます」
 もう一人の黒髪に浅黒い肌の男、|金菱・秀麿《かなびし・ひでまろ》(骨董好きの異能刑事・h01773)もまた油断なくスーツの内ポケットへ手を忍ばせて。
「では」
「おう、援護は任せとけ」
 そんな短いやり取りの後、ぐぐっと身を屈めたフォグルが敵陣へと飛び出した。
 黒狼獣人のしなやかな筋力をバネにして、あっという間に距離を詰めると、左手のククリナイフを水平に一振り。低い姿勢から繰り出されたそれは、周囲の雪女の足を鉈で刈るよう切り裂いた。
『ギャアァアアア!! 足が、足が……!!』
『貴様、許さぬぞ!』
 倒れ込む同胞を庇うように、別の雪女がフォグルへと刃を向けるが——その額から血飛沫を上げながら、彼女もまた新雪へと倒れていく。
「俺を忘れてもらっちゃ困るな」
 小型のリボルバー、カミガリ式M60を構えながら冷静に戦局を見極め、少し引いた位置から援護射撃による戦場コントロールを行う秀麿。
 技術と経験に裏打ちされた射撃に気を取られれば、フォグルの卓越した暗殺技術による襲撃が待っている……即席ながらも互いの長所が嚙み合った、熟練の動きであった。

『くっ……相手は男二人、我らの美貌の虜にしてやる!』
『ならば邪魔なあの銃の男は任せとくれ!!』
 やがて劣勢だと悟った雪女達は、そう叫ぶや否や妖力を高めていく。
 純白の雪のような肌は、より抗い難い衝動を与える美しささえ帯びて。氷刀を振り抜く音も軽やかに、3体の雪女が秀麿へと飛び掛かった。
「——させませんよ」
 呟きだけをその場に残して獣人は駆ける。脳のリミッターを外し、更に能力による加速を重ねたフォグルは無数の黒い影を生み出しながら、秀麿に飛び掛かる雪女の一人へと肉薄し。瞬く間に首を刈り取れば、噴き出す赤が彼女の美しい白肌を染めていった。
 そのまま身体を無理やり反転させると、翳すは右腕のタトゥーに偽装した拳銃、グロック17。ただでさえ悲鳴を上げていた身体が限界に達したが、ブシュッと背の血肉を弾けさせながらも銃を構え、照準を別の雪女へ。
 響く銃声と共に、また一人美女が雪面に赤い花を咲かせた。
「お前さん無茶すんねぇ。ま、ありがとよ」
 ガギンッ!!
 心配と呆れを滲ませつつ、礼を告げる秀麿の手には御用十手。
 フォグルをすり抜けた一太刀を受け止めると、カミガリ式M60でその胸を撃ち抜く。衝撃で癖のある黒髪をふわりとなびかせながら、そのままフォグルを狙う雪女達を視界に収めて。
「だが『援護は任せとけ』って言ったろ?」
「それは失礼しました」
「ははっ、真面目か」
 軽口を叩きクールに笑んで、秀麿は霊能震動波を今まさに斬りかからんとしている女へ向けて放つ。
「さぁ武器を置いて手を上げろ。まだ抵抗するなら撃つ」
『うぐっ、膝が震えて……! た、立てない……!!』
『我らがこのような屈辱を受けるとは、許さないよ……!!』
 |霊震《サイコクエイク》をまともに食らった雪女達は、膝を折ったまま立ち上がることも出来ず。
 その範囲を最大まで拡大すると、秀麿は落ち着いて弾丸を装填。背を庇いつつ隣まで戻ってきたフォグルもまた、グロック17を構えて。

 ——やがて、戦意収まらぬ雪女へ向けられた二丁の銃口が火を噴いた。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功