【個】崩壊注意報
例えば街を歩いていて、例えば前日に雪が降っていて、
例えば公園でかまくらが作られていたら。
ついつい入っちゃうのは人間の本能じゃあないですか。
#凍雪・氷水
#三波・ななか
。

ねぇねぇ、ギャルちゃんさぁ……。
(かまくらの柱になってる彼女に歩み寄って、しゃがんで。
彼女の顔を見上げながらニコニコ笑ってみる)
助けてほしい?
(そう言いながら、彼女の頬へと両手を伸ばす。拒否をすればかわせるだろう、彼女の雪のような冷たい手を)
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助けてほし──あッ!!!
(突然の冷感。いや触れられるのはわかっていたから突然ではなかったが、予想に反したあまりの冷たさのため驚かざるを得なかった)(そして驚いたせいでそこそこなサイズの欠片が落ちてきた)
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心中、いいね……恋を超えて愛の最終系な気がするわ……。
(突然クールを気取ってみる)
ん〜、ほっぺやらか〜い。
(ぷにぷに、冷たい手は好き勝手頬を触る。
その手で触れる彼女自身は温度を感じないようだ)
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(亀裂は塞がり、崩壊宣言だった壊れかけのかまくらはたちまち立派な雪のドームに変わる。
)
もう少しギャルちゃんが焦ってるところ見たかったけど、ほっぺ触らせてもらったお礼ね?
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おお? おお……??
なんか、助かった感じ……?
(恐る恐る手を放して天井を見上げる。亀裂やら欠けやらはもうどこにも見当たらない。ツルツルときちんと均された天井アンド壁だ)
雪女ってマジなやつ?
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雪女なら冷たさは平気でも、雪の重みで物理的なダメージ被るのは人間と共通だからね、ほんとなんとかなってよかったよもう……。
(デカめのため息。そもそも崩壊寸前のかまくらに気付かず入ってしまった自分がすべてのきっかけなのだが)
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まーね。
壊れかかったのがこれだけ綺麗に直ってればね。
(ぐにぐにぐにと自分の頬を揉む。血行を良くしてみる試み。結構冷たかったから)
っていうかマジで雪女なら逆に人間の体温だいじょうぶだったの?
(もう安全ぽいのでかまくらの中でしゃがむ。寛ぎモードだ)
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冷たかった?本当に雪くらい冷たいって言われるのよね。
(手をひらひらと見せてみる)
えっ。
(手のじっとみつめる。温度を感じないのだが……はっ、とする)
あっ。
あつーい、にんげんのおんどでやけどしちゃう〜!
(わざとらしい声)
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一時期流行ったけど生命の危機もありえるから気を付けようね~~って風潮になってるよいま。面白いのかもだけど休み休みやろうねマジ。
雪女でも倒れるってことは雪女でも命危なかったりするんだろうし。
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おかげで私はヒエヒエです。
(両手を自分の頬に当てる。温かいけど手のほうはまだ冷たい。ちゃんとぷにぷにだった)
ところでこのかまくらってキミが作ったわけじゃないんだよね?
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刀で身体ズバッ!って殺られるより全然ふわふわして気持ちよくて面白かったけどね?
その後ちゃんと気持ち悪かったからもう行かない……。
何も感じないから楽しくないし、サウナ。
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凍てつく雪とかいて、凍雪。こおりみずとかいて、氷水。凍雪・氷水よ、好きに呼んで。
あたしじゃないわね、こんなに脆くならないと思うし。
身体が雪を溶かさないからツルツルになるし
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ほーん?
(シンプルな感想としては『よくわからん』だった。わざわざ刀で切られるのと比較することや、そもそもそんな経験あるのかということも。けれど、これまでの妖怪との交流が少ないながらも『よくわからないものはよくわからないままでいい』とは学んでいた)
どのみち体に良くないだろうしね。それでいいさ。
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夏だったらワンチャン人気者だったかもしれないけどねぇ。
(冬だからしょうがない。何のために皆が防寒具を付けてるのかという話だ)
そもそもなんだけどさ、氷水さんってか雪女もかまくらとか雪だるま作ったりするの?
ありふれててもう面白さとかない~~みたいなのはない? そこんとこ。
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甘いねぇ、昨日食べたチョコレートより!
(かまくらの影に隠れてやり過ごすと、思わぬ俊敏さでななかへと接近して)
ギャルには負けない!
(彼女の頬へと手を伸ばす。その手には……雪玉がない!!)
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