【1:1】どこかのくらがり #1
街の中だか、森の中だか、あるいは屋内。あなたはどこかのくらがりを訪れる。
休もうとして、逃げようとして、あるいは何かに誘われて。
気づけばとなりに、せいたかの人影が立っている。
よかったらお話をしませんか。
お前の願いを叶えましょう。
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・どなたも歓迎の1:1RPスレッドです。
・「場所」「おおよその時刻」を設定してRPでお入りください。
悪い妖精が願いを伺いに参ります。
・最初のレスから1か月経過するか、20~30レスを目安に終了します。

(喧騒が遠く揺れている。
子どもは足早に家路へ急ぐ、宵の口。
大通りから逸れた裏路地にはギラギラ喧しい看板の光も届かない。進むにつれて広がっていく、
くらがりのなか。)
(男は咥えた煙草に火を灯そうとして、
立ち止まる。)
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(くらがりにひとときの安らぎを求めたあなた。火を求めて懐を探っているうちに、顔の横へ「ぽっ」と明かりが灯るだろう。枝のような指先に揺らめく炎の向こうに、白い歯が三日月のごとく浮かび上がった)
やあ、ニイさん。これをお探しだろう?
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あ?(初めに出た言葉は、単音で、濁音で、困惑。)
………。(一先ず、折角の火は有難く頂くとした。独特の香りが周囲に漂う、吐き出した煙の先、くらがりの君へと視線を向けた。が、暗くて何にも見えやしない。)
…………悪いな、随分と優しいじゃねえか。
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kec-kec-kec!!(板を叩くような奇妙な音を出す。笑ったらしい)
なあに、どうってことはないさ。
お仕事帰りかい?それとも今から?
(大通りをトラックが通り過ぎる。差し込んだヘッドライトが一瞬、ローブを纏った狡猾そうなニヤケ顔を浮かび上がらせた)
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(奇妙な音に肩を揺らした。驚いたことがバレたくないのか、素知らぬ顔を貫く。)
ああ、行き詰りだ。今日の所は尻尾巻いて帰る途中だな。
(煙を燻らせる小さな火種が、男の顔をほんのりと照らす。如何にも怪しいニヤケ顔に対するは、疲労感が漂う男が独り)
あんたこそ、どうした。こんなところで仕事じゃあねえよな。………追い剝ぎでないことを祈ろう。言っておくが、俺の手持ちは期待しない方が良い。
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おやおや……そいつはいけねぇや。ウズラ一匹仕留められなかった猟の帰りは、いっとうブーツが重く感じられるもんだ。(チチチと舌を鳴らしながら、人差し指が左右に揺れた。路地に差し込む明かりの中に、男はぴょんと進み出る。薄明かりを背負って、彼は貴方を覗き込んだ)
そんなニイさんに、今日を一発逆転させるかもしれないチャンス到来だ。『今、貴方の心からの願いを聞かせてください』ってね。なあに、街頭アンケート?みたいなもんだと思って聞かせてみな。(逆光の中で、青い瞳だけがぎらぎらと輝いている)
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自分で負けを認めるのは癪だが、人に言われるとより惨めになるな。(吐き出した煙の先、眩くも見える青い瞳から、目を逸す。)
(『貴方の心からの願いを聞かせてください』 反芻して、首を傾げて。また吐き出す。)
………如何にも、怪しいじゃねえか。なんだ、あんた、怪異か?人かと思ったんだがね。…………仕方ねえ、狩るか…。(渋々、懐に手を入れる)
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おいおい待てよ落ち着け!(男は焦った様子で貴方を制止する。二人の間の距離を測るかのように、長い腕を突き出した)
怪異だあ!?無礼なニイさんだな。オレは妖精!霧っカスみてぇなウィルオウィスプや、陰気なバンシーなんかと一緒にしてくれるな?人間サマに幸運を運ぶ、誇り高きトムテのダゴールよ!(見ろよ!と言わんばかりに自らの両耳をつまんで引っ張る。先の尖った長い耳はちょっと個性的だね、で済むものではなく、エルフと呼ばれる種族のそれに違いなかった)
まったく、ソッチの仕事だと知ってりゃあ声なんてかけなかったのによ。アンラックを掴まされたのはオレの方だったってわけかい。(さっきまでの怪しい陽気さはどこへやら、背を丸めてやぶにらみで地面へぐちぐち小声を溢す)
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妖精‥‥かァ?(畳み掛けるような反論と曲がった背中から聞こえてくる愚痴に、不服ながら構えを解く。それでも片腕はコートの中へ、取り出したるは携帯灰皿。)
‥‥無礼かどうかはあんたが決めりゃいい、だが‥‥ニンゲンってのは、急に願いを叶えるって言われたら疑う習性があんだよ。俺が特段無礼なワケじゃねえからな、あんたの聞き方がクソ怪しいってだけだ。(地面に向かって呟く姿に、バツが悪そうな顔をする。)
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どうやらそうらしい。オレの笑顔はチャーミングだと、昔馴染みには褒められたものだったんだが。(拗ねた顔で、べっと舌を出す)
しかしね。どん底にいる切羽詰まったやつは、こうするだけでたちまちに態度を変える。(足元のひしゃげた空き缶を摘み上げると、どこからともなく取り出した銀のスプーンでちょいとつつく。するとなんということだろう!ラベルの剥げたアルミは、みるみるうちに輝く黄金に変わったではないか!)
ああ、金じゃないぜ。ただのまやかし。だがこういう安っぽい演出に騙されるような輩の願いは、叶えやすいのさ。ニイさんがそうじゃないことはわかったがね。(ポイッと、背後に空き缶を放った。地面に転がるそれは、ただのゴミくずに戻っている)
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チャーミングね。言い得て妙だな。(図体のデカい子どもを相手にしている心地になる。そう考えると己はなんとも大人げない。自らの行いを顧みた男が、ぽりぽりと頭を掻きながら屈もうとした時だ。黄金が目の端で瞬く。)
………お見事。まあ、妖精か否かって話は、妖精ってことで決着でいいだろう。……悪くねえと思うが。…………ただ、クソ怪しい勧誘の理由は分からねえな、妖精ってのは慈善活動をしないと腹が膨れねえわけでもあるまいに、……趣味か?
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そう思ってくれるかい?kec-kec-kec!! アンタとは気が合いそうだ。
何故もなにも、そいつはオレが善良な妖精だからよ。オレのようなトムテは、ニンゲンたちのお役に立つのが好きなのサ!まあ一飯の恩をくれるってんなら、好意を無下にしないのも妖精の性分ではあるが……謂わばライフワーク。オレの生きがいってやつだな!(揃えた指先を胸に当て、大仰な仕草と貼り付けたようなニヤケ顔はどうにも、吐く言葉盡く嘘くさい)
例えばアンタの”狩り”……オレが手伝ってやってもいいんだぜ?
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……胡散臭いと感じるのは俺の自由だよな、(一通り聞いて、終わって。頷く。)
生き甲斐ってんなら、…まあ、……止めはしねえが、あんた苦労してんだな。(もうそろそろ全てが灰になりそうな程、短くなったそれを灰皿へと放る。もう一本と伸びる手は迷いながらも耐えた。)
はは、有難い提案だが、…そう、だな。それよりもっとあんたに頼みたいことを思いついた。なに、簡単な事だ。……ただ、ああ、本当に何でもいいんだよな。
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……へへっ。生きがいに苦労もなにも、あるもんかよ。(そう言って笑う眉間には、微かに皺が寄っている。くるんと右手を返せば、指の間に挟まる紙巻き煙草を口元に勧めた)
おう、聞かせてみな。オレの力の及ぶことならなんなりと、だ。(念を押す言葉に片眉を持ち上げつつも、左手で先を促す)
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…………気が利くな。過ぎるくらいに。だから、胡散臭くみえんのか?(褒めている。らしい、勧められたならば仕方あるまい、素直に受け取ると、口元へ)
あんた、いらねえもんあるだろ、それを俺にくれ。(唐突にそう願いを口にする。額の皺に気付かないふりをして。)
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(そんなに胡散臭いか?文字通り臭いがたっているわけでもなかろうに、一瞬腕を持ち上げて鼻を近づけていた)(火をつけてやると、「頼み」を聞いて訝しげに貴方を見返す)
いらねえもん、だあ?乞食じゃあるまいに、なんでそんなもんを欲しがる?
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コレ、どこのやつだ?(火をもらうことにも慣れたもので、吹かし始める。煙が出たことには驚いた。紛い物では無いようだ。)
……それが、あんたに習って言うと、俺の生き甲斐でね。存外悪くないもんだ。…で、どうだ、トムテのダゴール。善良な妖精殿にいらねえもんはあるかい。
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悪くないだろう?知らないでいた方が美味いと思うぜ。毒性はアンタが吸ってるのと大差ないから安心しなって。(言いながら、自らのローブの懐を探る。ありゃ、ここじゃなかったっけ?ん、こりゃ違うな…)
……ああ、あったあった。こんなモンでもいいのかよ?(筒のようなものを取り出す。端のほつれた古い布切れを巻いて、麻紐で留めたものだ)
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………そうだな、知らずに味わっていた方が良さそうだ。……いやはや、悪夢を見るなんてことがねえことを祈ろう。(口にしているものを再度見つめても、これから自分に起こることは計り知れない。それならばと目を閉じたまま、煙を吸う)
勿論だ、良い。そうか、……筒、いや、布製だな。なんだいコイツは、これで留めてあるのか、ほう、開いてみてもいいか?
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好きにしなよ。見ての通り、布くずだが。(開いてみるならば、布切れは古い衣服かシーツを切り取ったものだとわかる。黒い炭で、木々や家など、拙い図柄が描かれている。見るからに子どものらくがきだ。意味を読み取ることは難しいが、まるで――) 描いたやつにとっては、宝の地図のつもりだったらしいな。(特に感慨もなさそうに、冷めた目で貴方の手元の図柄を見下ろす)
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布に書くってのが、また文化の違いを感じる。‥‥良いじゃねえか。‥‥‥西側の廊下、日の当たらない壁に映えそうだ。(先程までは煙に夢中だった男は、いつの間にか、広げた布くずを覗き込んだまま、ただ、吸わずに燃えていく草が少しずつ灰を作っていく。)‥‥満足だ。妖精さんよ、これ、本当にいらないのか?(男は顔をあげて、わざとらしく口にする、)
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今の今まで、持ってたことを忘れてたくらいさ。本当にそれでいいのかと、こっちが尋ねたいね。(小指から親指まで、順番に火を灯す手遊びに興じながら応える) まさかそんならくがきを真に受けはしないだろうが、一応言っておくと『宝』そのものはずうっと昔に回収されてるぜ。
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なら、いただこう。(広げていたそれを、くるくると丸めて、元のように筒状にする。)ああ、俺は、お宝には興味がないが、今の今まで、持っていたことを忘れられていたような奴が好みでね。捨てられちまうなら、俺がもらっていく。‥‥‥ちなみに、宝はなんだったのか、知ってるかい、妖精殿。
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……さあ、なんだったか。忘れちまったね。(両の指の火を集めて一つにし、ぱんと打ち鳴らせばそれは消える)
よくオレのことを胡散臭いと言えたもんだ。とはいえこれでオレはひとつ、お前の望みを叶えたってことでいいよな? Ahh…(交わした言葉を遡るも、その中に相手の名前がないことに気づいた) 紳士のニイさん?
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……はは、悪い、ただ、危機管理は確りしている方なんでね。まあ、俺は宝を目の前にして、止まれない質のようで。………ああ、相応の対価を望むのであれば、話は聞くぞ。(そう言えば、怪異と違えて狩ろうとしてたのだった、と手にした巻物を懐に収めながら思い返す。ただ、最後の言葉は聞き逃せない。)
紳士ぃ?俺が?信じられねえな、やめてくれ、願いを叶える善良な妖精さえ殴りかねない、………俺は、ザネリという。あんたの実績に名前を刻む必要があるのなら、それで頼むよ。
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なに。オレたちトムテの順序は”貰ったら働く”だ。施してから対価を求めるなんて阿漕な真似はしねえし、対価を貰ったらただの取引になっちまう。「オレがお前の欲しがるものを与えた」、それでいい。kec-kec-kec!!(奇妙な笑い声をあげて、男は暗がりの方へ下がっていく)
ザネリ。Okey, 間違いなく記しておくよ。もしオレに頼み事をしたけりゃ、暗がりに向かって名前を呼びな。
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………本当に善良かはさておき、俺としては良い夜と相成った。ありがとよ、ダゴール。確かに。「俺はお前に願いを叶えてもらった。」(成果もなく帰るような冴えない猟師から一転、手の中には宝の地図だ。男は気分良く暗がりへと声を投げた。)
……あんたも、願いを叶えたくなったら、呼ぶと良い。
(そうして、長ったらしく手を振るような真似は、互いに舌を出すことくらいは察して。背を向ける。この奇妙な笑い声にも少しは慣れた気がした。)
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