【1:1】どこかのくらがり #2
街の中だか、森の中だか、あるいは屋内。あなたはどこかのくらがりを訪れる。
休もうとして、逃げようとして、あるいは何かに誘われて。
気づけばとなりに、せいたかの人影が立っている。
よかったらお話をしませんか。
お前の願いを叶えましょう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
・どなたも歓迎の1:1RPスレッドです。
・「場所」「おおよその時刻」を設定してRPでお入りください。
悪い妖精が願いを伺いに参ります。
・最初のレスから1か月経過するか、20~30レスを目安に終了します。

(月から逃げるように、隠れるように。黒い兎は宙を跳ねる。爪先が|足場《魔法陣》を踏んで高く、高く── )(最終的に辿り着いたのは、それなりに高さのあるビルのベランダ。軒下の濃い闇へとそっと身を潜め、一息吐いた)
0

やい!
(唐突に、すぐ近くで貴方を呼ばう声がする。されども地を歩く人々は遥か下方。ビルの中にも、青い非常灯が寂しく灯るばかりである。ようく目を凝らしてみれば、ベランダの対の端。くらがりの中に切れ長の双眸が一対、貴方を睨みつけている)
いきなりやってきて、挨拶もなしかいお隣さん。育ちの良さそうないでたちで、無作法なことだなあ。ああ?
0

──わぉ、(突然飛び込んできた声に兎耳がふわっと膨らんだ。碧色は出所を探すために動き回り、加えて感じる視線と気配を頼りに影へと向き直る)
……ああ、驚いた!ごきげんよう?だってまさか、こんなところに人が住んでいると思わないじゃない。お邪魔します。(最後は取ってつけたように言ってスカートの裾を摘み一礼した)
0

……ああ?ああ、……おう。(怯えるなり逃げるなりを嗤おうという腹積もりだったか。まさしくお行儀の良い挨拶を返されては、啖呵を切った低い声は怯んだように唸る。姿もはっきりとしない闇の中、一歩後退る気配があった)
てめぇ、こんな暗がりになんの用だ?うさぎが空を飛ぶなんて、オレは童話の中でさえ聞いたことがねえぜ。
0

(兎と暗がりの間にどれくらいの距離があったか、何にせよそれをぴょんっと跳躍で詰めた)……飛ぶ?やだ、跳ぶの間違いよ。だって兎でしょう?悲しいかな羽は持ち合わせていないの──(かつりと更に影へと迫る一歩)いつまで隠れん坊しているの?私、とっくに見つけたわ。ねえ、出てきて。あなたを見せてよ。(無闇に手を伸ばす。何か掴めればいい、くらいの雑さで)
0

――!!(貴方の手は、枯れ枝のような細く節ばったものを掴む。それは闇に潜んでいた者の手首だ。導かれれる、というより寧ろ引きずり出されるように。二日月が心許なく照らす薄明かりの下へ、ローブの男が現れた)
(貴方の青よりもずっと昏い、夜闇に慣れたサファイアの双眸。癖のある短髪を粗野に撫でつけた漆黒、偏屈そうな鷲鼻。頭に置かれたとんがり帽子のユーモアは、雰囲気を和らげるどころか長身を際立たせて迫力を増している)
0

……。(掴んだ手首が振り払われる。そのくせ男は更に一歩、無遠慮に踏み込んできた貴方に負けじと間近に距離を詰めてきた)
なんの用だ、と聞いたんだ。(胸元に尖った人差し指が突き付けられる。上から見下ろす鋭い目は、怖がれ、と命令しているかのようだ) この暗がりは、お前の来訪を許しても守ってやくれねえぞ。妖精に嚙みつかれたくなかったら、お屋敷の真っ白なベッドに帰りな!
0

(闇の中に潜む存在がどんな見た目かなんて想像もつかなかったし思い描いてもいなかった。だから何が出てきても驚かないつもりでいたけれど)
……随分と大きい妖精さんね。(その帽子と尖耳が何より妖精の証── 然し、掴んだ手はあっさりと振り払われ彼はご立腹の様子)──…!(踏み込む足、突きつける指、振りかかる問い、鋭い視線。迫力と勢いのある挙動に大きく目を開いたまま、圧倒され見上げるしかできない兎)
0

何をそんなに威嚇しているの?(皮肉でも煽りでもなく、純粋な疑問を返す)もしかして、物取りとでも思われてしまったのかしら。そんなつもりは、(そこで耳に入る“お屋敷”の単語)
………(ふ、と兎は笑う。さっきまでとはまた異なる雰囲気で)
………知りもしないのに決めつけるのはよくないわ、妖精さん。私は立派な屋敷で育ったわけでもなければ、清潔なベッドを与えられたこともない。|暗がり《・・・》で生まれ育った兎なのよ。(これで粗方の理由となるだろうか。目の前の男が思っているより、兎にとっても闇は身近なものなのだと伝えた。見詰める碧色はこれといった感情もなく、ひたすらに鮮やかなままだけれど)
0

ッ……(”威嚇”。内心の恐れを言い当てられた男は、喉を詰まらせたみたいに息を止める。咄嗟に目を逸らそうとするも、微かな揺らぎもない碧の瞳がそれを許さない。はやく、はやくこの泉の水面に戻らなければ!)
さ、さてはお前、魔女だな!?そうだろう!?(息継ぎをするように喚いて、後ろへよろけた) わかったよ、出ていけとは言わねぇから、こっちを見るのはやめてくれ。(恐る恐る、翳した掌の影から貴方の方を見る大きな男)
0

(にこ、と兎は笑顔を見せる。結果的に男へと真っ直ぐ向けていた碧は一旦遮られて)……ふふ。暗がりは何もあなた一人だけのものじゃないのよ。あら、よくわかったわね。確かに私は魔女を生業としているわ。でも、妖精と魔女って切っても切り離せない関係でしょ?時には|協力し合う《契約を結ぶ》こともあるじゃない。(怯えた様子にも遠慮せずにつらつらと言葉をかけ続ける)
0

矜持に欠けるだなんてそんな……私たち(──まるであなたと私みたいに言う)は互いを尊重しあっていて、あくまで平等な関係だわ。魔女の規律をきいたことはない?いつだって等価交換なのよ。
そしてあなたも私も同じ暗がりに── ええ、属性的な部分でも合っているんじゃないかしら?つまり、つまりね…… 今夜繋がったこの縁には何かとても大きな意味があるってこと!
0

その手に乗るもんかよ。(苦いものでも食べたような顔で、長い舌を外へ出す。オエー) お前らのやり口は知ってる。先に溺れるほどの甘い蜜を押し付けておいて、気が付いたときには大事なもんを全部持ち去られた後。等価交換とは良く言ったもんだぜ。(横目で覗いみる表情は猜疑に満ちている)
だが残念だったなあ。この”舌なし”ダゴール様は、魔女の仄めかす甘い蜜には見向きもしないぜ。
0

悪いようにはしないのに、──?(彼がこちらへと向けた“舌”。それを見て言葉が途切れる。好奇心に駆られると抑えのきかない兎はまるで掴もうとする勢いで再び男に手を伸ばす。もちろん口の奥に引っ込んでしまうだろうから、だったら襟元とかその辺りを── 引き寄せられるならどこでもいい)ねえ、とても強い魔術ね、“それ”。あなた一体何をかけられているの?──もっとよく見せて!
0

なあッ!?(振り払う間もなく襟首を捕まれ、引き寄せられた先にはまたあの深い泉が!!ぎゅっと目を瞑り、詰まる息に喘ぎながら、しかしこれだけは聞かなければならない!) お、お前!この呪いを解けるのか!?
0

あーあ……(口だけでなく目まで閉じてしまった。あからさまに残念そうな声を溢す)……解く?随分と簡単にいってくれるのね。呪いの複雑さを知らないわけではないでしょう?しかも他人が“かけた”ものを。まずは理解することから始めなければならないわ。素性、意図、目的、種類、属性──(次々と挙げていく中で頭の中に、ふと新たな思い付きが)……とにかく。解けるなんていえないの。でも── (彼がちょっとでもこちらを見るように、思わせぶりに声を潜める)……解けないとも言い切れないわ、今は|まだ《・・》。(果たしてこの“蜜”にすら、妖精は顔を背けるか──)
0

(魔女の誘惑の甘いことといったら!”そういうもの”だとわかっていても、匙をひと掬い差し入れずにはいられない) し、知ってらあそんなこと!オレがいくつ√を渡って、どれほどの魔術を蒐集してきたか!グリムの二人が称賛されるなら、オレはその数十倍の名声を貰ったっていいくらいさ!(この呪いは、いくら理りを解いたって消えやしないのだ。それに触れられるとしたら、理外の――)(薄く片目を開けて、恐る恐る窺い見る) 貴様ァ……このオレを騙そうとしやがったら、魔女だろうと必ず痛い目に遭わせるぜ!?
0

へえ、──そんなに沢山?(魔術の蒐集。なれば彼は歩く魔術書そのものではないか。魔女は更に興味を色濃くする)……騙す?まさか。そのつもりなら私はもっとはっきり“解ける”と明言したでしょうね。そうしなかったところは|私《魔女》の誠意ではない?……少しでも可能性があるのなら、捨ておくべきではないと思うわよ、(さあ、あとはその匙を──)私と|協力《契約》し合いましょう。(──ちょっと口に含むだけ)(弧を描く碧色が、薄く開いた青を見つめている)
0

このッ――魔女め!(憎々しげに吐き捨てる。いっそ唾でも吐きかけてやりたいくらいだ)
……オレを乗せる気があるなら、お前が欲しいものを先に交渉に出しやがれ。片方に何が乗ってるかわからない天秤で、契約ができるかよ。(だってこんなの、契約に乗ったも同然だ!なんて無様!相手の手札もわからないうちから、こちらの一番欲しいものが知られているなんて!)
0

前向きな言葉ね!(もう契約に入り始めたかのように魔女はひとつ頷いた)私が欲しいもの── それは、“飽く無き好奇心を満たし続けるもの”よ。…あ、待って、(彼が何か言う前に人差し指を立てる。続きがあるの、と言いたげに)私が先に答えをいうわ。それは“あなた自身”よ。(そして今にも喚き出しそうな妖精の口に立てた指をずいと寄せるだろう)──聞いて、簡単だから。蒐集した魔術も散々渡り歩いてきた世界も、たくさんあるんでしょう?そういったものを小出しにしていってくれればいいのよ。|御伽話《ベッドタイムストーリー》みたいに!
0

――、……ッ……。(吐きかけた言葉を二度も飲み込まされ、白い膚の妖精は喉をつまらせたみたいに赤くなって魔女の言葉に耳を傾ける)
…………。(言い終えて数拍。片眉を上げ、今度こそ制止の指が迫ってこないことを確認すると、困惑を乗せて喋り始めた) オレにお前のシェヘラザードになれって?そいつは、つまり……(悪くはないように思える。自分は秘匿をありがたがる神秘主義ではないし、少なくとも天秤は釣り合っている……はずだ。問題は――)
呪いを解くために、何遍も何遍も……お前を訪ねなきゃいけないってことか?
0

あら、何か問題ある?そのあたりの森に隠居している意地の悪い老魔女よりは、邂逅を重ねても苦にならない程度の容姿じゃない?(スカートの裾を整え、黒髪に手櫛を軽く通し、上目がちに妖精を見つめた──例え彼にそうは映らなかったとしても、|望み《希望》の為にそれくらい容易いことでは?と言外に)
0

やかましいっ!そうやって目を合わせようとするのをヤメロッ!(襟を直すふりをして視線を外す。その隙に、契約の条文を見直そう。危険なのは、”呪いを解くまで契約が終わらない”ということ。|魔女の誘惑《テンプテーション》にかかる妖精ではないが、機会が増えるほど万が一のリスクはある。何かひとつ、妖精に|主導権のある条文《アドバンテージ》が必要だ)
……おい、魔女。やはり、オレ側の皿に乗ってる条件がまだ軽い。”オレの御伽噺”に加えて、お前の”真の願い”を叶える。そういう契約にしよう。(油断なく、狡猾な蒼が光った)
0

真の願い、ねえ…… 乙女の核心めいた部分を暴こうというのに、そんな|聞き方《・・・》しかできないの?知りたいなら自分で|覗き《・・》にきなさい。(襟ならとうに整っただろうと、魔女は指で招く)──ほら、早く?
0

(女ってやつは!――妖精は憤慨した)(なんて強欲で図々しく、我儘なのだろう!)
~~~~~~ッ!!(意を決した妖精は、鼻先も触れんばかりに碧を覗き込んだ!当てつけに、ぎちぎちと音を立てるほど歯を食いしばって。)
0

(勢いよく迫る蒼を碧が受け止める) ……ほとんど黒みたいな青。光の差さないサファイアって好きよ。(逃さぬように両頬を包んで捉えた。暗闇で瞳の奥が煌めき揺れている。離れようのない距離で言葉を続けていく) ──ねえ、私が善良な魔女であることをいまだに疑っているのね。そちらの皿に乗っている私の“願い”は、もう十分に重いわ。あなたもわかっているだろうし、わざわざ強調したくはなかったけれど……これから先何ヶ月も──下手すれば何年も、私の好奇心に付き合うことになるのよ。それなのに、私の真の願いなんてものを上乗せしたいの?── ほんとうに?(底の見えない碧色で、妖精の視界を埋めていく)
0

吐かせ――(頬を挟まれていては喋りづらいが、轡を嵌められたところで意思を吐き出そうとすることを辞めることはない) 善良な魔女などあるものか。お前たちは理外に魅せられた底なし沼だ。悪意がなくとも、狂気を撒き散らす災害どもめ。(闇のように、光もまた何かを隠す。碧の底から溢れ出るような光は、その奥を見通すことを許さない) 舐めるなよ。先にお前の望みさえ叶えてしまえば、力の流れはオレに大きく傾くぞ。(分の悪い賭けは承知。吠えるように、牙を剥く) オレと勝負しろ、魔女!
0

ぁは……っ(危惧する眼差し。浴びせられる言葉の数々──久しぶりの感覚に魔女は笑わずにはいられなかった。そうだ、忌み嫌われるくらいがちょうどいい。恐れて後ろへ取られる距離を、一方的に詰めていたい。歯向かう姿勢の妖精はこの限りではないみたいだけど)そうね!私たちは厄災のようなものかもしれない。けれど、見込まれたおまえが悪いの。──|契約《勝負》よ。
告げる、魔女リリアーニャ・リアディオの名の下に(魔女と妖精の傍ら、冷たい黒炎と共に羊皮紙が現る) 私の真の願いは── (合間に耳元で囁かれたのはXXXX) ──さあ、おまえの名を告げて。( 天秤を揺らせ! )
0

(その”願い”に、妖精は顔を青くした。しかしなにせ魔女の深淵、その|みなそこ《・・・・》に鎮座する願いだ。覗き込む前に、覚悟は済ませた)
――告げる。オレは妖精トムテ、”舌なし”のダゴール。友から授かった名は■■■。魔女リリアーニャ・リアディオとの契約を結ぶ!
0

ふふ、ふ……!(漆黒の羽を揺らすクイルがひとりでに、それぞれの名を羊皮紙へ書き記していく──インクは魔女の瞳と同じく鮮やかな碧色で、まるで水が踊るようにすらすらと。書き終えれば丸められ、黒薔薇の封蝋にて閉じられる)── …契約完了よ、ダゴール。まさか、もう後悔していないわよね?(頬を捉えていた手の親指で、妖精の目元をなぞって笑う)
0

フン。(もういいだろうと、気安く触れる手をすげなく払う)
まさか。ようやく呪いを解く足掛かりを見つけたんだ。お前こそ、失望させるんじゃないぞ。(狼が唸るような敵意は相変わらず。それでも聞いておかなければいけない事項に思い至ると、少し目尻の険を緩めて問いかけた) それで、オレは寝物語を聞かせるために何時何処へ出向けばいいんだ?
0

(払われたとて魔女は気にする様子もなく)もっと友好的にやっていきましょうよ。長い付き合いになるのだから?(首を傾げ兎耳を揺らす)どこへ?──ああ、そうね。私の住処みたいなものは2箇所あるのだけど。一つは|簡単《・・》よ。あとでアドレスを渡すの。もう一つはね、(嫌がる様子が目に浮かぶなあと思う)√狭間に私自身が作り上げた魔法空間的な場所があって……
0

お前の方が慣れることだな。たとえ世界中の時計が朽ちても、オレの態度が変わることはないだろうよ。(そうして続く言葉に妖精が作った表情は、果たして貴方の想像にぴったりだっただろう)
0

……その嫌そうな顔にも慣れる必要がありそうね。(いうほど気にしていないけどね)はい、こっちがアドレス。(いつの間にやら手に持っていたカードを差し出しつつ)……書庫(──どうやら魔法空間のことを魔女はそう呼んでいるらしい)へは一度招待するのが早いわ。近いうちにね。(確定事項のように悠々と言った)
0

(指に挟んでカードを受け取る。表、裏と|繰《く》りながら手の中で遊ぶように内容を検めていたが、”書庫”という言葉を聞くと顔を上げた) 書庫。……ふうん。(呼称通りの場所かはともかく、興味を惹かれる響きだったらしく、わかりやすく雰囲気が和らいだ)
0

ねえ、私やっぱりあなたのこと割と好きよ。(しれっと前触れなく言う。だってわかりやすいのはいいことだ。この妖精が愛らしく顔を赤らめることはないだろうからそういった意図は特にない。視線はすぐに夜空へと上げられ)……月も大分隠れたわね。そろそろ行こうかしら?(構わない?と念のため伺う)
0

(ギ、と軋むような声を出した。迂闊な態度を取ってしまったことを悔いているのだろう) ……そうかい。オレも馬糞を投げつけてやりたいほど、お前が好きだよ。(一歩下がる。一層濃くなった暗がりが、すっぽりと妖精の姿を隠した。最早、ふたつの蒼さえ見えはしない)
(魔女が確認を取れば手首の先だけがまた現れ、しっしっ。と空気を払うだろう)
0