【語りスレ】さあ、ガンダムを語ろう
ガンダムはな、もうガンダムだけで1ジャンルだ。別に他スレで語っても良いが、ガンダム関係はここに集約した方が楽しくなると思うぞ。

【クロスボーンガンダム】
よし、一つずつ行こう。まずは所謂無印のクロスボーンからだ。
元々はF91からの派生作であり、VとF91の間に起こった事件として追加された作品である。
F91で滅んだはずのクロスボーン・バンガードが海賊船めいた戦艦で宇宙海賊をする話……と、言っていいかどうかは割と微妙なライン。まあ、賊軍ではあるし、海賊と言う立場を利用して作戦行動を行う事が多いので間違いでは無いか。
その目的は秘密裏に進められた木星帝国による地球侵略阻止である。F91の戦いの後、普通の生活を送る事も選べたシーブック・アノーとセシリー・フェアチャイルドだがある事をきっかけに、木星帝国の野望を知る。セシリーはベラ・ロナとしてクロスボーン・バンガードの残党を率い、シーブックはキンケドゥ・ナウと名乗りその先陣に立つ。
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まあ、大まかな基本設定はこんな所だが、別にF91を見て無くても楽しめる。と、言うか私がF91を見てないのに楽しめている。かつてミノフスキー粒子の登場によりMSは有視界戦闘を余儀無くされた様に、この時代ではMSの小型高性能化とビームシールドの発展に伴い射撃戦闘で決定打を与えるのは難しいとされている。
クロスボーンガンダムと言えばABCマント。メカにマントの組み合わせは最高。実は作画コストを落とす為の物だったらしいが、かっこいいので良い。このマントはカッコいいだけでは無く、リアクティブアーマーとして機能し、ビーム攻撃を無力化する事が出来るのだ。
クロスボーンガンダムと言えばビームザンバー。このファルシオンのような形状をした大型ビームサーベルは高いビーム圧を誇り、敵をビームシールドごと両断する事が出来る。
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また、腰部に装備しているシザー・アンカーは要所要所で巧みなロープワークで活躍し、ブラインドマーカーと言う殴れるビームシールドも装備。足にはバーニアの熱で加熱されているヒートダガーが隠してあり格闘戦に特化している。
特徴的なX字のブースターはあらゆる方向へと曲げて対応する事が可能で、木星の高重力下での使用が想定されているが、別に地球上でも宇宙でも普通に使えて高い機動性を誇る。
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また、本作のシナリオは富野監督が直々に原作を書いた内容であり、随所に富野節が溢れている。富野監督が提供しているのはこの無印盤のみであり、それ故にこの無印盤こそ至高と言う声も多い。
主人公はキンケドゥ・ナウと、たまたま木星船団に乗っていたトビア・アロナクスと言う少年。基本的にはトビア視点で話が進む事が多い。トビアは普通の少年だが、海賊として戦う中で徐々にニュータイプ能力を開花させていくと言うガンダムタイプでよく見る主人公である。ただ、性格は素直でメンタルも強く、ニュータイプにありがちなナイーブさは殆ど見られない。典型的な主人公タイプと言える。
続編はかなり続くが、この無印盤だけでしっかり話は終わっているのでぜひ手に取ってみて欲しい。
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【クロスボーンガンダム スカルハート】
無印盤のその後となる短編集だ。キンケドゥから正式にクロスボーンX1を譲り受け、宇宙海賊として暮らすトビアの物語になる。クロスボーンX1改・改と言う胸にドクロマークを付けてより海賊らしくなったのはこの作品からである。
短編集なので結構色々な話があり、新ヒロインやらまさかのアムロ・レイとの対決など色々な話がある。
たぶん、一番宇宙海賊してるのは後にも先にもこの作品でありトビアが一番充実していた時期だと思う。
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【クロスボーンガンダム 鋼鉄の七人】
トビア・アロナクス、最期の戦い。
木星戦役を経ても、木星は何も変わらなかった。故に少女は決意する。もう一つの名を取り戻す事を。
またしても木星が秘密裏にコロニーレーザーを建造し、地球がヤバいので止めに行く話。しかし、密告者一人の情報では連邦軍は動けない。仮に動けたとしても完成前に辿り着く手段がない。一体どうする!?
ちなみに、トビアの台詞で有名な「この瞬間を待っていたんだ!」はこの作品の出典だ。ゲームだと乱発するが、原作では必ず訪れる一瞬の隙を待ち応えて反撃する熱いシーンである。
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クロスボーンガンダムシリーズ全体に言える事だが、メカデザインと設定に関する掘り下げが凄い。ギミックをしっかりギミックとして構築し、ロジックで解く展開が多い。ニュータイプと言う要素こそ存在する物の、ニュータイプだから何でも出来るという訳では全くないのが面白い所だ。
無印盤が富野節ならそれ以外は長谷川節と呼ぶべき熱い台詞回しや熱い展開が多い。本当に全てがギリギリの状況を作り出し、それを描き切れる作者だ。
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【クロスボーンガンダム ゴースト】
新章、新主人公、そして新機体。時代をF91のその後からVガンダムの時代まで移し、ザンスカールとリガ・ミリティアの戦いの裏側で行われていたもう一つの戦いを描く。
フォント・ボーはサイド3ジオン共和国産まれの普通の学生。サークル仲間と美少女型AI作ったり、実在が怪しいMSの情報をひっそりと上げたりしている普通の青年だ。しかし、ある事でザンスカール帝国の需要機密を知ってしまい追われる事になる。
そこに現れたのはウサギを抱いた少女。導かれた先に出会うのは既に存在しない筈のクロスボーンガンダムだった。
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この辺から木星帝国製ゲテモノMSと呼ばれる変なMSが数多く登場するようになる。いや、鋼鉄の七人のラスボスも何故あの形に拘ったのか本人以外誰も知らないとか言う十分変な奴だったと言うか、そもそもスカルハート時代から変なのは結構出ていたのだが……カラス先生のアレも十分変な奴だったのだが。
ゴーストから敵として登場するサーカス部隊、正式名称サウザントカスタム。これは一騎当千と言う言葉通りに一機で千機分の戦力を目指して作られた部隊であり、機体もパイロットも曲者揃い。実際千機分の戦力があるかどうかは別としてフォント達を覆いに苦しめる存在である。
個人的には正式なサーカスではないがエスピラルが一番好きだ。シンプルに性能を突き詰めた結果MSとしては変な物が出来上がると言う木星製MSらしさがいい。
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黒富野最盛期と言われるあのVガンダムの裏話ではあるが、本作にはその悲壮感的な物はほとんど存在しない。主要人物の死亡退場はあるが、たった一人の死を重く大きく受け止め、同時にたった一人の生を大きく喜ぶ名シーンである。Vガンダム本編で出番がある奴はジン・ジャハナム位だと思う。シュラク隊も出て来るけどオリジナルのシュラク隊だし。Vガンダム自体も出てくる。V2は技術的に超えてはいけない壁として存在感だけある。
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【クロスボーンガンダム DUST】
Vガンダムより更に後の時代。地球連邦はかつての影響力を失い、ザビ・ジオンやらハイ・ジオンやらネオコスモ・バビロニアやらの独立国家が乱立。遠方からは木星帝国が睨みを利かせている。MSの製造能力は大きく減退し、かつての戦いで残った残骸を組み合わせて作るスクラップビルドや、整備の容易な旧式機体が主力となっている。ビーム兵器は使えると言うだけで高級品扱いされる程である。
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新たな主人公が乗る機体もスクラップビルドで、ある名工が組み立てた機体だったが、長く使われ続けた結果色んなパーツを組み替え組み直し継ぎ接ぎの機体になっている。ただ、元から建設作業用の機械からのパーツ流用が多いので比較的原型を留めて居る方ではある。
DUSTの主人公、アッシュ・キングは運送会社の若社長。ミキシングビルドモビルスーツの『アンカー』を駆り、運送業を邪魔する悪党退治に勤しんでいる。時代設定もあってか、ガンダム世界でも割と珍しい非軍人だが、最初から戦う力を持っている大人である。
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時代設定もあって、クロスボーンシリーズの中で一番クロスボーンガンダムの出番が少ない作品である。一応出るけどメイン所では無いしそんなに重要でも無い立ち位置。乗ってる奴は重要人物だけど。
宇宙戦国時代と言うか、宇宙世紀末と言うか、世界はもう滅茶苦茶になったけど意外と皆元気だしバイタリティに溢れている。一応、他にも宇宙戦国時代を扱った作品はある事はあるのだが、設定的に後付けでその時代になったと言う程度。Vガンダムの後の世界を正式に描いているのはたぶんこの作品だけだと思う。
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【クロスボーンガンダム X-11】
カーティス・ロスコ、最期の戦い。え、カーティスって誰だって? ゴーストから出てくるんだよ。
これはDUSTの終盤で行われたある作戦の舞台裏の話である。2巻で完結すると言うコンパクトな短編だ。新ヒロインと新クロスボーンガンダムが登場する。
DUSTのオマケ的な作品ではあるが、短いながらにやる事をしっかり押さえていつもの感じに収まっている。最後のオチはとても秀逸。
なんか、シリーズ全部のネタバレ回避しようとするという事が無い。でも好き。
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【クロスボーンガンダム LOVE&PIECE】
再びスカルハートのような短編集。DUSTの後の色んな人の色々な話。X-11もそうだが、間違ってもここから入る人は居ないと思うが色々ネタバレしてしまうのでせめてDUSTから入ろう。
スカルハートは明確にトビアが主人公だったが、L&Pはエピソード毎に主人公が違う。意外な人物が主人公になると言うか、一話目からしてあの人がお通しとか重すぎると言われる始末。ただ、全編通すとコンセプトはしっかりと貫かれていて正しくLOVE&PIECEの短編集である。何言ってもネタバレになるからこれ以上は何も言えない。
ある人物はこう嘆く。「いったい… どのぐらいあるんだっ! クロスボーン・ガンダムゥウウ!」
なお、新作でさらに増える。
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ふぅ……とりあえずクロスボーンシリーズを通しで全部語ってみたが……いや、ネタバレ回避の為とは言えだんだん内容が薄くなっていくな。いや、好きなんだがね、X-11もL&Pも。どちらかと言うと長編より短編の方が好きまである。ゼーロイバー一巻はいつ頃出るんだろうなぁ……
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【機動戦士ガンダムF91】
誤解を恐れずに言うと、「変な映画」(庵野秀明氏の評価でもある)だと私も思う。多すぎる登場人物は特に退場が描かれないままいなくなったりするし、元々テレビシリーズの序盤1クール分として構想していたストーリーを120分で映像化するのは無理があった。BGMやクロスボーン側のMSデザインは、スターウォーズの影響を受けすぎているし。
それでも、駄作では決してない。それでも面白いのが本作であると思う。ただ…やっぱりテレビシリーズとして見てみたかったなあ…。
「新時代のガンダム」や「家族」をテーマにしたストーリーが特徴だけど、個人的には、平和な日常が一瞬で崩れる混乱が一番の見所。このあたりの描き方は何度見ても上手い。「だってよ…アーサーなんだぜ?」は掛け値なしに名言、そして名演技。
ガンダムを知らなくても理解しやすくて、それでいてガンダムらしさもしっかりある。入門にもオススメ。
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