古本屋の地下

十二星座「|双子座《ジェミニ》」

天泣・吟 5月11日22時

●死がふたりを分かつまで
 最近不思議な夢を見る。最初の星は分からなかったが、どうやらこれは無害のサインのようで、本当に開かれているお祭りの様子だった。とても平穏な様子が広がっていることから依頼を出すに至らなかったが、これはこれでいい機会なのかもしれない。
 √能力者にも、お休みが欲しい。戦いに明け暮れてばかりの日々に癒しが欲しい。
 そうでなくとも、日々使う物を買ったり食事をしたりすることは当然√能力者にも必要だ。そこにちょっと特別があったっていいじゃないか。
「それで、希望者には案内を出すことにしたんだ」
 クーポンもあるよ、なんて切符型の厚紙を取り出した天泣・吟(鈴が鳴る・h05242)は手作りのそれを君たちに差し出した。色鉛筆で描かれた肉球マークは明らかに手描きだが、ちゃんと許可は取っているらしくそれらしいハンコも押してある。そこには|十二星座《ゾディアック》祭実行委員会の文字があった。
 初めてその名を聞く者も多いだろう。彼らがいかにしてこの祭りを始めたかは正直誰にも分からない。曰く、浪漫があるからだとか。深く追求しない方が良さそうだ。
 楽しそうに尾を揺らした星詠みは、こちらもお手製のマップを取り出して君たちに見せた。出店がいくつか並んでおり、アクセサリーの販売が中心らしい。今回は|双子座《ジェミニ》にちなんで二つペアセットのグッズがかなり多い。というかほぼそうだ。目玉商品とも言える。
「お揃いっていいよね。恋人同士でも、相棒でも、家族でも、なんでも」
 端の方から指を差して少年は説明していく。ここはアクセサリーメインでお揃いの指輪とか、ピアスとか、ネックレスとか、ドッグタグとか、身に着ける物からキーホルダーのような飾りまで小物が沢山揃っている。隣に移ると、今度は雑貨だ。食器を始め、寝具や防寒具、傘、バッグから何まで揃い踏みである。ではその次はと言えば、案の定というか種類被らずファッションブランドが並んでいた。双子コーデがしやすいよう、ユニセックスのものが多いだろうか。
 少し見ただけでもラインナップは豊富である。望むものがあるのなら、ぶらりと出店を回ってみるのが吉だろう。買うものがなくとも見ているだけで目が楽しい。
 勿論、祭りなのだから食事も用意されている。なんとか双子に因もうと頑張ったんだろうなあという努力がちらほら伺えた。パンを二個セットにしたり、双子座のマークを象ってみたり。二人で割って食べるアイスも当然ある。なんなら揚げ物をわざわざ二つくっつけて出してもいる。
「不思議なのが、どこの世界でも開かれてるんだよね、これ」
 それぞれの世界における同一の座標に訪れてみれば似たような光景が広がっている事だろう。これもまた深く踏み込んではいけないのかもしれないが、やましいことは一切ないのは星詠みが保証する。
 普段住んでいる場所で訪れてみてもおなじみの光景が広がっているだろうし、たまにはぶらりと違う√に遊びに行っても楽しいかもしれない。違う文化圏のお祭りを浴びる機会などそうそうないのだから、足を運ぶのもまた一興だろう。
「一人で行ってもよし、みんなで行ってもよし。息抜きにどうかな?」
 それじゃあいってらっしゃいと、彼は手を振って君たちを送り出した。


●MSより
開催期間:2025/05/21~06/21(リクエスト提出日参照)
グループ参加上限人数:4人まで

企画ページまでお越しいただき、ありがとうございます。驟雨です。
こちらは「ノベル個人企画」となります。ご注意ください。
基本的なリクエスト文は普段のプレイングと同様に仕上げて頂ければと思います。グループで参加の場合は冒頭にグループ名と、可能であれば人数(代表者のみでOK)などあると分かりやすいです。
今回はお祭りでも特に「買い物」「食事」あたりが中心となります。(今後、「遊び」「おみくじ」「対戦」なども出す予定です)
お祭りを楽しんで頂ければ幸いです。ご参加をご検討の方はどうぞよろしくお願いいたします。

企画詳細ページ
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