決死戦ブレストメモ11
【王権決死戦】◆天使化事変◆第4章『飛び込む魚たち』√EDENにいるから安全圏と考えていたが、それは確かに少しずつながら影響を与えいてた
√EDENのシチリア島は平和そのもの。
√能力【インクルードカリギュラ】を発動する。
「っ!?」途端に感染が勢いを増し、体の自由が利かなくなる。しかしその寸前で、何とか一歩、大地を蹴る事には成功していた。←受けるダメージ2倍。
つまり、天使化とはダメージ判定
◆黒セラ
未知の金属性
確かに戦場をその目で捉えていた。←眼がある?
迷彩は索敵を完璧に掻い潜れるわけではない←迷彩とハンティングチェイスは◎?
√能力の効きが悪い
●かばう
味方を盾にもする時には後続の盾となり、その役割を交代して傷付いた体を癒しもしている。
●連携
素早い動きの原因が跨るバイクにあると分かると、天使擬きたちは、二体で進路を狭め、一体で牽制、そして三方向からの同時攻撃でバイクを貫く。
効果あり
翼を切断して飛翔能力を失わせたところで、そのまま切り伏せる。
エネルギーバリアで不意打ちも食い止める
主に敵へは武器その者の性能や単純な技能によるもので対処していく
扱う√能力は自らの身体強化や緊急回避、あるいは敵の能力の打ち消しに重点を置いた
優先すべき命令を受けて妨害
◆羅紗や塔主、王劍
大通りだった。まっすぐ進めば塔へと続いているようで、そしてそこを歩く者を出迎えるように彫像が立ち並んでいる。
歴代塔主の等身大の像。素材は石のみのはずが、刻まれた魔術によって肌や髪色までもが精巧に描き出されていた。台座にはそれぞれ名前と在位していたのだろう年月が記されている。
(ついでに情報追加)
『13代目塔主 ピエトロ・テスタ 1995~』
一番端に立っていたの現塔主だろう。他の√能力者が調べていた通りに70ほどの老人で、突出した特徴がある訳ではない。
旧式の羅紗魔術でなら天才的だったが、先代が改良した新しい羅紗の扱いは並ってところだ。当時新人だったおれの方が扱えていたかもな
『13代目様が、何かをされようとしているらしいが、詳しい事は教えて貰えない。ただ、今までの塔主には成せなかったことをする、と。先代様と比べられて焦っているようだったから、悪い方に行かなければいいのだけれど』
『塔の頂に光が現れた。これから13代目様に伺おうと思う。答えてくれるといいのだけれど』
市庁舎の業務日誌の途切れた日付は7年前。
今現在島を統治している者を王と呼ぶことはない
一度だけ塔から出てきたのですか。それに、塔に戻る時その姿が別人に変わったように見えた
→娘を探させ、襲い殺し、娘の墓を暴いた可能性有り
『12代目塔主 シャウラ・ヴァレンティーノ 1975~1995』
ダースそっくり 羅紗実験場に肖像画あり
先代が改良した新しい羅紗
『11代目塔主 ウンベルト・サカラ 1932~1975』
バグパイプ 音楽が趣味 人気有、劇に合わせた
『10代目塔主 ロレンツォ・ファルネーゼ 1901~1932』
銃 9と不仲
『9代目塔主 マッテオ・シャリーノ 1869~1901』
杖10と不仲
『8代目塔主 フィリッポ・レオーニ 1829~1869』
砂時計 せっかち
↑選挙
↓前塔主からの推薦
『7代目塔主 フェリーチェ・フューリー 1812~1828』隷属魔術
『歴代塔主においては珍しい女性の塔主であり、由緒正しいフューリー家の一人娘である。在位期間に仕えていた彼女の部下は全て隷属されているたのではないかとの噂
彼女を塔主に任命した6代目も隷属されていたのではないかとも言われていたが、これは6代目当人が否定している証拠もあるため、ただのやっかみだったのだろう。
女性である彼女に、周囲の風当たりは強かったようだ。知られている限りでは親しくしている者はなく、多くの者が「彼女は底知れない野心家だ」と語った。
その手腕自体は凄まじく、島外での活動を活発に行い、羅紗の魔術塔がヨーロッパの代表的な組織となったのは彼女の功績と言われている。1828年、島外にて何者かによって暗殺される。この事件によって、後の塔主はまた引きこもるようになってしまった』
『6代目塔主 フェルディナンド二世 1750~1812』魔術剣術
250年前からヨーロッパの裏世界に進出したのは、6代目塔主の方針。羅紗の魔術塔と呼ばれるようになったのは、周囲からの評価故それまでは本当に島の内だけの組織だった。長年怪異の対処に苦しんでいた↓
『5代目塔主 マルクス・フェルディナンド 1731~1750』剣術
『4代目塔主 フテミミ 1648~1731』魔術 彫像を3代目と同じ者が作っている精巧、原型を羅紗に落とし込む
『3代目塔主 ロディール・ノルマンディー 1647~1648』卑怯で脆弱の象徴であり、歴代塔主において最大の汚点 彫像を4代目と同じ者が作る。精巧
↑こいつ推薦した2代目何考えてンの?
『2代目塔主 ウナ・ファーロ? 扱う魔術が羅紗の原型 【不老の塔主】(一部抜粋)『2代目塔主は、究極の魔術を完成させようとした半ばでその命を絶たれてしまった。完成していれば一体何が起きていたのだろうか。彼女は周囲に漏らす事はなかったという。』
『初代塔主 ウナ・ファーロ?
悍ましい剣で失われた魔術を蘇らせた
「……天に選ばれた魂は、その身を不変の姿へと変え、天へと保存される」
【推定700年以上前の手記】(一部抜粋)『さて、こんな姿になってしまってどうしたものか。いや丁度いいのかもしれない。あいつにこの座を譲ろう。ついでに名も与えてやろう。』
『あの地に塔を初めて建てたのは』初代塔主であり、それは700~800年前にさかのぼる
『塔の高さは塔主が変わる度に増築が行われ、現在は200mほどに及ぶ。初代塔主の時代から魔術がかけられてあり、その塔は常に海の向こうからも見えるようになっていた』
年代的にはその当時に作られている
在位期間だけは後で彫られている
塔主は島を統治する長
王様が治める外界から隔絶されてた島
数百年も続いてるんだから、立派に統治してきたんでしょう
閉鎖された島という特殊環境、魔術研究には好都合なのかもしれないわね
【ウナ・ファーロとは?】(一部抜粋)『ウナ・ファーロは塔主そのものを指すという説と2代目もしくは初代塔主を指すという説があるが、定かではない。その名称を実際に使っていた者はほとんどなかったようだ。』
【バベルの女神】(一部抜粋)『かつて、大きな大きな塔を築いた者たちがいました。その塔は、あと少しでこの世の全てがある天へと届こうとしていました。しかし天の怒りに触れ、壊されてしまいます。それによって多くの人々が諦めましたが、中には再び塔を築く者もいました。ただしそれは天へと届かせるためのものではありません。彼女は天を守るために、その高さから世界を見張っていたのです。』
↑何代目の記述?
【蛇を掴む者ハベラー】(一部抜粋)『古代からヨーロッパ地域で活動していたと言われる組織。その形態は宗教的なものだったようだが、信徒は限りなく少なく内情も不明。それらが扱う魔術は多くの魔術の原型となったと言われている。その魔術の特徴からバベルの塔とも呼ばれていた。』
↑
2代目?
ダースの右腕の正体?本来の持ち主?
島を割った天使の石板
組み合わせるとそれは、一つの石板になる。そこには大地を拳で割る男の姿が描かれていて、よく見ればその頭の上には輪っかが浮かんでいるようでもあった。
島縮小の原因は……えっ一人の男性が叩き割ったっ? ああ、これは神話ですか……(フレーバーだそうです)
↑……本当か?
全ての人類を導く魔術……一体どんなものなんだろう
ここで働いていた研究員は、その魔術を研究していて断念したという事だ。ただ、島がオルガノン・セラフィムであふれる前にもそのデータを見ていた者はいたらしい。
塔攻略の糸口となる情報を欲して周辺のインビジブルと融合させ、王劍ダモクレスの力を計った。しかし、周辺のインビジブルの量は確かに√汎神解剖機関の世界の中では多い方だったが、それほど突出したようではない。推測でしかないが塔内部にその力は集約されているようで、そちらに向かわせるにはさすがに遠かった。
↑
6.7章ならいけそう
町の記載
一般家庭でも羅紗魔術は日常的に使われているみたい
簡単な家事も行っている
天使化の光を受けたのは7年前食器がそのまま置かれて、本当に突然だった
『古い資料では塔ではなく灯台と記されている箇所もあったが、海に面している訳でもなく、実際に船を導いて使ったわけではないようだ』
そしてどの資料にも塔は、この島にとっての象徴的な存在として記されていた。
11代目塔主の、セットリスト? 音楽をたしなんでいたのか……?
ふと手にした譜面集は、かつての塔主が演奏した物だと分かった。とてもではないが戦いに関わるものとは思えなかったが、しかしなんだか記憶に残る。
この街ではあらゆる場所に古代文字が刻まれた布が散見される。突き破った窓を閉ざしていたカーテンもそうだし、先ほどの露店の屋根も、そう簡単には侵入できないような結界が施されていた。
↑情報収集可能
とはいえさすがにそこまで強固なものではないようで、全力で攻撃すれば壊れてくれる
ウナ・ファーロについては……見る所、塔主の正式な呼称のようなもの?
誰か特定の個人を指しているのではなく、儀式的な場面で塔主を呼称する際に、その名称が使われているようだった。しかしその参照はかなり限られていて、すぐに食い違いが見つかる。
あれでも、こっちでは2代目塔主を指しているようですが……古い資料だといまいち真実が分かりませんね
致命傷を受けた者や、ケーキ化している人たちは今の内に伝えた地点へ運んでください! 別√に繋がっているはずですのでそちらから離脱を!
無数のビットと余裕が生まれた仲間達のおかげで、戦況はかなり明確に把握できている。ひん死になっていた羅紗魔術師も、彼女の指示のおかげで一命をとりとめた者が数名ではあれど現れていた。
↑避難できている
偵察機は塔に入ってすぐに壊された
↑偵察機は使えない
白くどこか肥大化したような怪物で、オルガノン・セラフィムともまた違う姿。塔に入ってすぐの部屋に、それは待ち構えているよう
↑いなくなってる……???移動した?
塔の模型 地図代わり
塔に近づくにつれて、街が栄えてる
◆ヴァーリ夫妻の家
せいぜい数人が暮らしていた住居のようだ。しかし破壊の跡が少ない街の景観に比べて、その建物だけが壊されている。それに、その庭には墓が建てられていた。
「……ヴァーリ夫妻」
墓に刻まれていた名前は二人分。共通する名前から夫婦だったのだろう。
墓ぐらいなら人が住んでいたならあって当然だが、しかしそれは新しく思えた。周辺の形を保つ家よりも、瓦礫に侵食されたその庭の方が、最近手入れされたように見えた。
「……? 一度埋めた後に掘り返されたのかな?」
なんでそんな事をしたのか、部外者であるゾーイ・コールドムーンには分かるはずもない。ただ、石碑に刻まれた丁寧な名前と、その粗雑な掘り返しあとは別人の仕業に思えた。
それからもう少し情報はないかと壊れた家屋の方を探すと、ひっくり返した瓦礫の下にそれを見つける。
「日記か……」
それは、そこで暮らしていた夫婦の記録。きっと墓に刻まれていた二人なのだろう。
『お父さんは、ついに禁断の魔術を使ってしまった。どれだけ研究しても解析できなかったはずなのに、剣を手に入れたと言ってから、あっさりと成し遂げてしまった。』
『島の人たちは力を持たない人たちから怪物になってしまった。√能力に目覚めている人や、天使になった私たちは何とかまだ大丈夫みたいだけど、お父さんはあの怪物を操って私たちを探している。ちょっとずつあの光も強力になっているし、このままなら天使となった私たち以外は、あの怪物になってしまうだろう。』
『天使だけの世界なんて成り立つはずがない。お父さんだってそれは分かってるはずなのに、もう後に引けなくなっちゃってるんだ。どうしても止めないと。それならやっぱり、間違ってるって証明しないといけない。』
『あの子は元気かな。辛い思いをさせてるよね。本当はついていきたかったけど、お父さんを置いていく事はやっぱりできなかったから。ごめんね。どうか元気でいてね。』
そして最後の一文だけは、別の人物によって書かれていたようで、
『すまなかった。愛する娘へ。』
そのページには、土が付いていた。
◆ダース
ケーキに関して
——身動きの取れなくなったこの身へと、白髪の目立つ初老の男性が手を伸ばしてくる。
『君たちは随分と万能な力を持っているようだ。私にも貸してくれないか。……大丈夫さ、生かしておいてあげるから。まあ、そうしないと使えないだけなのだが』
『ああぁあああ゛あ゛っ!!!!』
——その手が眼球を抉り取り、男性は自らの右目へと嵌めた。
『ほう、これがインビジブルか』
——手に入れた力に満足した男性は、そしてこの身を闇へと閉じ込める。
「……これであの人ダースが味方ではないって事は確かだな」
協力者である羅紗の魔術士の影に蛇怪異を忍びこませ、この混乱の中画策する者の尻尾を炙り出そうとした。
しかしそれは突然途絶える。相手の出所を探る前に勘付かれ、蛇怪異は消失した。
羅紗魔術の実験場にダースの肖像
「私は別に、この世界なんてどうでもいいのだがね」
√能力者と戦っている彼は、先ほど助けてくれた羅紗魔術師の集団ともぶつかる。
そして、彼女らを√能力者からの攻撃の盾としていた。
女性の腕が宙を舞い、√能力者が怒号を上げる
√能力者は複数人いるのにも関わらず、ダースは易々と相手取っている。その戦術は多岐にわたり、対策を練ってもすぐに別の手を打ってくる。
彼は周囲のインビジブルをこねて自分流に作り出していく。
魔剣が込めた『忘却』の状態異常が付与される。
切り裂かれた傷口を撫で、指に掬ったその血を見つめていた。味方達から盗んだ√能力を使わなくなっている。忘却が効いている
懐から羅紗を取り出し、その布に刻まれる文字列を輝かせ魔術を発動した。
羅紗魔術だけでなく、瓶に閉じ込めた怪異を解き放つ。更には体術も交え、剣相手でも問題なく対応してみせる。
そろそろ、いい加減終わらせようか」
「君たちは、何のために戦っているんだ?」
一瞬にしてその場を制したダースは、まるでその実力を見せつけるかのように、すぐには止めを刺さずに語り掛けてくる。
「目的なんてあるのか? ただ目の前で何かが起きてるから、好奇心で首を突っ込んでいるだけじゃないのか?」
困っている人を助けたい、世界を救いたい、とでも言う気だろう? ああ、愚かにもほどがある。いつの間にか、全能感に浸っていたな。いや、群れ過ぎて気が大きくなったか」
全く、邪魔をしないでくれるかな。君たちのような存在は、心底迷惑なんだ」
√能力【魔剣執行・忘檻マケンシッコウ・ボウカン】
「……私は、そう言うのは効かない体質なんだよ」
自分に言い聞かせるようにそう言って、彼は少しずつその身を抑えつけようとする力を跳ねのけていく。最初はゆっくりだった動きが徐々に本来の調子を取り戻していって
また襲われるのも面倒だと、適当にケーキを置いて歩き出した。
「……やはり、事前に仕込んでいないと操れないですか」
冷静に呟いていながらも、その表情はまた不機嫌を表していた。
「見える程度なら避けれる。もっと工夫がないとね」
彼は既にいくつかの√能力を手に入れており、何よりも羅紗が厄介だった。その布を変えるだけで多種の戦術を使いこなし、しかもその隙を狙わせない体術も身に着けている。
聖書ねえ。まあ読んだことはあるけれど、あれに私の求めている事柄は記されていなかったよ」
「何をするにも遊び心は必要だと思うけれどね。余裕のない者に夢は叶えられないよ」
彼は宙に漂っていたインビジブルを掴み引き寄せると、それを剣の形へと変える。その見た目は先ほど戦った仲間が姿を変えた魔剣によく似ていて、彼自身がその身とならなくとも『忘却』の刃を振るった。
不意を突かれた攻撃は、幸運にも兵装で借りたお守りの霊的防護が守ってくれた。
「私の目的を聞いたら、君たちは黙ってやられてくれるのかい?」
「話し合えば、双方に益のある手段は見つかるかもしれない」
「なら武器を下ろしその姿勢を見せたらどうかな? 『慈しみある者は己自身に益を得、残忍な者は己の身を損なう』、だったろう?」
無論、私は端から君たちに頼るつもりなどないけれどね!
『……どこへ、行かれたのですか』
『……ああ。ついに、辿り着かれたのですね』
『……そちらは、お望み通りの場所でしょうか』
『……叶うならば、私もお供したかった』
『……もう、戻っては来られませんよね』
『それなら、私もそちらへ向かいます』
『また、あなた様のためにこの身を捧げましょう』
『どうか待っていてください、女神様』
自身が敵対していることを隠しているつもりはないのだろう。ダースはあえてそう言ってこちらの神経を逆なでてきた。
皆さんの仲間を傷つけてるって聞きました。それに、邪魔もしているって。どうして、そんなことをするんですか? マルティナは救ってくれたのに」
「彼女らには私のことをどんな風に聞いたのでしょうか」
「人を生きたまま、その、ケーキみたいにして弄んでいるって。それに皆さんが傷付くようにあの黒いオルガノン・セラフィム達を先導しているって」
「それで、君は言われた通りのことを信じたのですか?」
「え? 違うんですか?」
「いいや、本当ですよ」
「ですが、もう少し自分で確かめたほうがいいですよ。私みたいに擦り寄って利用しようとしている者もいるでしょう。だから自分で選んで進むべきです。周りに左右されては、君が望むものは得られなくなってしまいますよ」
「ダースさんは、僕に何をさせたいんですか……」
「だから自分で考えるようにと言ったでしょう? ですが、少しヒントはあげましょうか」
と言ったその瞬間、ダースは周囲に無数の砲台を作り出す。それらが一斉にエド達へと発射された。
その幾重にも重なった一撃は、辺りを焦土と化す。その中心にいるダースも悉く焼き尽くそうとして、
「……随分と久しぶりにこれを使ったよ」
しかしダースはその場に立っていた。彼の周囲には幾重にも張られた結界の跡がある。一層目はインビジブルを無理矢理変えた壁、二層目は怪異の盾、三層目は羅紗のカーテン。それらは夢野・きららの集中砲火によって、ほとんど見る影もなく消失していたが、しかしあと一枚のところで防がれていた。
羅紗にも刻まれていた古代文字が、布を介さずに宙に浮かび上がっている。不気味に蒼く輝くそれは、中心にいる術者を完璧に護っていた。
そしてそれが再び動く。
「潰せ————」
羅紗にも刻まれていた古代文字が、布を介さずに宙に浮かび上がっている。不気味に蒼く輝くそれは、中心にいる術者を完璧に護っていた。
そしてそれが再び動く。
「潰せ————」
ダースが呟いた言葉は、聞いた事のない言語だった。しかしその意味がなぜとハッキリと伝わって、それと同時、夢野・きららの周囲に古代文字がまとわりつく。
「っ——!?」
突然、体が磨り潰されるような圧力に襲われ、咄嗟に√能力【ルートブレイカー】で消滅させる。それによって圧力は焼失してくれるが、あと少し間に合わなければ本当に言葉通り潰されていた。その未来に思わず歯噛みしていると、隣を白い怪物が通り過ぎる。
さあ、君に道を示しましょう!」
自分はここで、暮らしていた。それは、幼馴染の少女と暮らす前の頃。
そこにあったのは小さな石碑が二つ。家の庭だった場所に立っている。
「島がこうなった時、二人は共に天使になられたようです。ですが、塔主のやり方を否定するために自らその命を絶ちました。それは、私が弔ったものです」
エドは吸い寄せられるように石碑の前に跪き、それに触れる。しかしそこからは何も感じられない。只冷たい石の感触しかなかった。
現塔主は、彼女らの父です。つまり、あなたの祖父に当たる。彼がこの島を、君をこんな風にした。そして、世界を終わらせようとしている」
「僕の、おじいちゃんが……?」
「ええ。そしてそれを止めるには、彼が偶然にも手に入れた王劍を奪うしかないみたいです。壊しても可能ですが、そうすれば彼はそのまま死んでしまうでしょうね。話したいことがあれば、彼の手から王劍を手放させるしかないのです」
実は私もその王劍に興味がありましてね。だから他の方に奪われたくなくてちょっかいをかけてしまったと言う訳ですよ。でもエドくん。あなたになら、私も彼を知ってる身として思うところがあるので、譲っても良いと考えています」
「……本当のことも言ってるとは思います。でもやっぱり、全部は信じられない。だから、皆さんと相談します。その上で、僕は自分のやるべき決断をする」
しかし彼らはあなたの大切な者を守れなかったみたいですよ。果たして信頼してもいいものですかね」
あの金属、むしろ枷だったの? と言うかなんで胸に穴空いてて生きてるんだよ……」
かつて彼に抱いていた親愛の情はもうない。思えばそれは、マルティナたちに感じていた繋がりにも似ていた気がして。でもそれがなぜか今は全くなくなっていた。→割れたら繋がりを感じない→やはり、継ぎ接ぎ?
少し感覚を狂わす程度しか出来ないか……まだ彼らと戦いたくはないが仕方ない。追いついてもらうまで出来る限り時間を稼ぐしかないだろうね
あまり待たせないでくれよ。見逃してやったのだから」
君たちにも役目はあると、届きもしないのに告げる。
それから先ほどの戦いで受けた傷を回復させた。
記された命令は——起爆。
直後、地上のあちこちで大規模な爆発が起こる。
敵の得物を模して作った縄でその体を縛り付け、そして動きが封じられた隙に零距離からの魔術が放たれる
その右手で攻撃を尽く無効化していた。
淡々とその右手で周囲に浮かぶインビジブルを掴んではこね、透明な力を模造コピーしていく。
魔力吸収を行って無力化 ←可能
◆エド
そんな頼もしい仲間達と肩を並べていることを内心で嬉しく思いながら、エドは出来る限りを成した。
「っ! 躊躇はしなくていいっ!」
その敵が、かつては人間であったと知っているために罪悪感が生まれるが、それを御して騎士を動かす。可能ならば止めは刺さないようにとしていたものの、それはやはり不可能だった。
天秤の傾きを許さない心がある。けれどそれが最悪へと繋がるのは既に思い知っている事だ。
だから少年は戦った。苦しむ心など押し殺して、全てを救うために。
ふと、少年は何かを聞き取った気がした。
耳ではなく、心が繋がる見えない何かから。それは聞き慣れた家族の声だった。
でも、はるか遠くで。
「マルティナ……?」
そこに残したのはただ一人。
エドは、海の向こうで待ってくれているはずの少女へと振り返る。
なんだか彼女が、近づいている気がした。
エドさん、あの『塔』に何かがいる、あると感じているようですが、それは一体何ですか?」
「……ハッキリとは、分からないです。でも、確かにみんなと同じような、いや、もっと確かな繋がりを感じるんです」
「もしあなたに……あなたの魂に何かがあったとしても、帰ってくる場所を見失わないで、マルティナさんという灯台ファーロを」
エドを取り囲む者たちの戦いは優勢だった。何よりも白いオルガノン・セラフィムの功績が大きい。
その数は数十と敵に比べれば随分と少ないが、しかし敵に尽く不意打ちを成功させている。√能力者や天使を狙う黒いオルガノン・セラフィムの目標にその白騎士は含まれないからだろう。自然と周囲の士気も高まり、それらを操るエドも勢いを増している。
だからこそ、力を持つ者としては忘れてはならない事があると伝える。
「だが、今のマルティナを笑顔にしてやれるのも君だけだ。当人はそれを忘れて欲しくない」
「……」
挙げられた少女の名に、何か思うところがあったのだろう。エドは少し顔を強張らせ、その想いをそのまま胸に抱いてもらおうと澪崎・遼馬は続ける。
大切な者ひとり救えないで世界を救うことなどできはしない。だから、決して生きるのを諦めるな。……君には言うまでもないことかもしれんがな」
「……はい」
ハコ・オーステナイトはもう自分よりもたくましい少年に、そう感謝を伝え、再び立ち上がるのだった。(Lv28以上)
彼もこの景観記録についてきてもらえれば思い出すきっかけになれたかもしれないが、さすがに戦いの中心にいる彼は離れられない。
少年はカレーの匂いに困惑していたが、それでも誰かに無事を祈られるのは悪い気がしない様子だった。
『ヴァーリ夫婦の息子だろう。似ている』
「ヴァーリ夫婦? それはこの島に暮らしている方なの?」
『13代目塔主様の娘夫婦だ。と言っても二人も光の影響を受けたはずだろうが』
僕は……ただ、マルティナや他の人の平和が脅かされないようにしたいだけです。けどほんの少しだけ、あの塔に何があるか、誰がいるか知りたいんです」
「ダースさんと、話をさせてください」→ダース編へ
ダースは何らかの目的のために暗躍をしており、そのために手段を選んでいないこと。敵対した場合は彼を止めるため、同行者たちは撃破する可能性も視野に入れているということ。エド自らに手伝ってもらう必要はないが、やむを得ない事情があるということを理解して欲しいとも。
それを伝えるとエドは明らかに表情を曇らせていた。優しい彼の苦しむ様に、見下・七三子も少し心を痛ませながらも、自分達も守りたいものがあるのですとその想いを伝えた。
じゃあ、本当にマルティナなんですね」
エドは思いのほかその事実を素直に受け止めていた。既に想像していたから、それほど衝撃は受けなかったのだろう。そうと分かったらすぐに助けに行かなければと思っていて。
それをこの人は止めるのだろうなと、心配してくれている√能力者に振り返る。自分は如何すべきなのかと迷っていた時、ふとそのやり取りが耳に入った。
人が乗っているとは分からない。でも今逃せば、彼に大切な人を好きにされてしまうかもしれない。
大きく鼓動が打った。それを聞き届けたように、周囲に白騎士たちが傅く。
「ダースさん、あなたがマルティナをそんな風にしたというのなら、僕は絶対に許せないっ!」
だからもうエドは、ダースと敵対することに躊躇いはない。
夢野は持参していた包帯をエドの傷口へと巻き付ける。それは√能力を抑える効果もあるから、もしかしたらエドが暴走した時に何か保険になってくれるのではないかと持ってきたものだ。(医術22?)
◆マルティナ
お守りカレー味所持
「マルティナよ、頼みがあるんだ。もし、エドが我をなくした時に声を届けられるのはマルティナしかいない。その時には力を貸してくれねェか?」
私に何が出来るかは分からないですけど、エドのためになるならもちろん協力させてください」
でも、すごく危険だって……私、エドがいなくなったら」
「マルティナは感じない? 僕は、マルティナが離れていても繋がりを感じるんだ」
「え……?」
「だから離れていても一緒だよ。それに、マルティナのことは絶対に守るから」
少年はそっと少女の手を取って、安心させるように未来を語った。
「全部が終わったら、二人でどうやって暮らそうか?」
「えっ」
「……楽しく、暮らしたい」
真心・観千流は少女の精神情報を解析しようとして、だがそれは弾かれた。
「エドちゃんと同じ……っ?」
そうして少女は生まれ変わっていく。
皮膚の代わりに未知の金属が這った。背中を突き破り鳥とも似ない翼が生え、頭上に神秘的な円環が浮かぶ。
「天、使……」
彼女を守っていた者たちはその変化に呆然として。
少女もまた、痛みに悶えながら自らの腕を目にして疑った。未知の金属が蠢き、大きく形を変えていく。まだ人の姿だったはずが、その下半身からまた一つ別の身体が生えるようにして繋がる。
繰り返された分だけ、継ぎ足されていく。下半身が怪物の物に覆われ、そしてそこからまた人型の足が生える。成功と失敗が無作為に重なって、それはより歪な姿へと生まれ変わった。
人の部分はすっかり呑みこまれ、それは『怪物』ともまた異なるモノになり果てていく。
継ぎ足された胴体が異様に伸び、複数の翼がその背を覆う。ようやく変化が収まった時、それに少女の面影などはもうなかった。
「蛇……」
金属の蛇腹が関節もなく動くその様に、変化を見届けた物はそう浮かべていた。まさにセラフィム翼を持つ蛇のようであると。
その巨体を次第に持ち上げる。夜空に浮かび月を背負った姿は、神話の生物と見紛わせた。
「マルティナちゃん! 返事をしてください!」
声は届かない。彼女らが持ち得る能力も全て弾かれていた。その声は、聞く者の身体を芯から震わし動けなくする。あまりに偉大な存在が降臨したかのような感覚に、見上げる者はただ何も出来なくなった。
そうしてそれは飛び立つ。
海の向こう。そびえる塔へと。
蛇は、——を求めていた。
巨大な金属蛇の声は、聞く者の身体を芯から震わし動けなくさせる。何か変化しているとは分かっていたが、まさかこれほどとは。……そうだな、インプリタ・セラフィム不純物とでも呼称しようか」
胸に穴をあけたままの彼も、同じように蛇の声に耳を塞いでいた。そうしながら乗る足下に魔術を施し、操ろうとするがそれは上手くいっていない様子。
ああ、塔……いや彼の下に向かっているのか。まさかこれにまでセラフィム・ノアとしての資格はないだろうが……」
さあなんだろうね! 私もこんな風になるとは驚きだよ! やはり強大な力が加わると次々新しい事が起きるねえ!」
◆ケーキ
目につく限りのケーキを闇顎へと収納していく四人の救助に成功を報せる。
僕が応急処置します
不動院・覚悟が√能力【戦場の支配者センジョウノシハイシャ】も駆使してそのケーキ状態から√能力者たちを解放し、そうしている間にウィズ・ザーは勧誘していた羅紗魔術師に戦線を離れてもらって知恵を借りていた。
こいつがダースにケーキにされてた奴だ。恐らく羅紗魔術も使われてるだろうから調べてみてくれ」
応急処置
ケーキ状態から解かれ、その身は本来の姿を取り戻している。眼球だけでなく多少の欠損はあったが、まだ命はあったために√能力の効果が間に合った。
しかしまだその目は覚めない。よほど複雑な魔術が仕掛けられているようだ
この衣服には羅紗魔術が仕掛けられているわ。対象を操るようなものみたいね、それに位置情報を伝えるようなものもあるのかしら
意識のない√能力者の肌に、不可思議な黒い文様が刻まれていた。それはじっと見つめていれば蠢いていて、不気味さを伝えてくる。
たぶん、怪異よ。その形を変えてこうやって魔術的なものに仕立てあげている。この技術はたぶん、連邦怪異収容局のものね。しかも羅紗魔術とも繋がってる。これを仕掛けた魔術師はあらゆる分野に精通してる
この怪異が解き放たれる可能性があるわ。肌についている以上安全に解除するのも難しそうだし、この場で開放するのは得策ではないわ
で逆探知とか出来ねェか?そんなに難しくないと思う
元ケーキを闇顎へと収納
しかしそれが触れたのは、表層の『封』だった。封が消失すれば、抑え込まれていたそれが飛び出す。
ケーキとされた√能力者の体中に刻まれていた怪異が、爆発するように周囲へと広がった。√能力者の衣服——表層に施されていた羅紗魔術による抑え込む力が消え、その怪異はただ本来の性質を取り戻して飛散する。
怪異に寄って形を保たれていたそれは、無残に散らばっていて目の前で絶命する。その様に愕然としてしまった二人は更なる隙を生み、そして背後に黒いオルガノン・セラフィムが立つ。
上陸すぐに対峙した者たちとは違って桃色の文字が刻まれていて、それは羅紗とも通じる字体。
「これは、アマランス様もお得意の隷属の羅紗魔術よ」
「本来の力を抑制するようなものもあります。強い怪異や他の術がかかっているものに施すのを見たことがある。
身体に直接刻み込まれているのではなく、薄い膜を被せているのですか」
倒れるオルガノン・セラフィムの肌を撫でると、少しの切れ目から透明な膜がはがれる。それに桃色の文字は刻まれているようだった。
「羅紗が布に魔術を刻むのはそれが一番安定するからだ。布って言うのはいくつもの糸で出来ている。要するにいろんな組み合わせをすることが可能だ。あやとりの要領で糸の配置をいじれば魔術の特性も一気に変わるんだ
インビジブルで布部分を代用してるな。けど普通は、こんなに安定させるのは無理なはずだ。俺だって思いついて試したが、布の形にならなかったぞ
↑王劍の力?
→セラフィムノアの未知の金属を王劍の金属に置き換えている結果、王劍化する?
塔の光は恐らく、力が可視化されているもので、実際の光線と言う訳ではなさそうだ。
地下室
自然の洞穴
道がなくなり窪みは細く海に繋がる
羅紗が壁に貼られている
空振った大顎が、残念そうに声を発する。
「あぁっ、逃げるでない。ようやく目覚めたのだから腹を満たさせてくれぇっ」
「怪異っ!?」「なんでこんなところにっ!?」
声と共に暗闇に浮かび上がったのは異形の化け物だ。蛙のような体に獅子のような牙。それは全身から石の破片を振り落としては、今度こそ食事を成功させようと再び大顎を開く。
「ファーロはいないなっ? その後継もっ。なら好きに食うぞぉー!」
↑怪異の対処に苦労していた…コイツが苦労していた対象…?
羅紗が無くても戦えそうな兵装
限界を超越させし兵装
『決死戦専用WZ『天元突破』
スペラーレ・リミテム・カエレステム』
WZ故に扱いづらいと使い手が少なかったおかげで、負傷を回復させた羅紗魔術師達から乗り込んでいく。
蛇と成ったマルティナは塔の壁面に沿って上へと進んでいって塔を守る怪物にも邪魔されず悠々と進む
自分よりも先に彼女が頂に着いてしまってはいけないと、胸の内の何かが告げている。
「……大丈夫。あの人たちなら、追いついてくれる。それに何より、今を逃したらlる!」
これまでの恩を根拠に信頼して、彼は塔の頂を目指した。
ラストは割愛
5.6.7章へ

塔攻略の糸口となる情報を欲して周辺のインビジブルと融合させ、王劍ダモクレスの力を計った。しかし、周辺のインビジブルの量は確かに√汎神解剖機関の世界の中では多い方だったが、それほど突出したようではない。推測でしかないが塔内部にその力は集約されているようで、そちらに向かわせるにはさすがに遠かった。
↑6.7章ならいけそう
ヴァーリ夫妻、墓暴いた周辺で探索出来そう?
天使限定+天使化対策必須
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何となくそんな気はしたが、王劍を握る=異形化か?
やっぱ王劍、分解されてないかコレ。
ダース、歴代塔主の死体を継ぎ接ぎしたキメラ個体…?
12体を重ねているから、ダース…?
意識は誰のものだ?記憶は12代目か?
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天使病
楽園顕現
半径レベルmの指定した全対象に【周辺の自然環境】から創造した【楽園の叢檻】を放つ。命中した対象は行動不能・防御力10倍・毎秒負傷回復状態になる。
↑行動不能はどのレベル??
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手前の思い付きに対し、エドにマルティナとの思い出を語らせたら確実だったなと今更ながらに思い至る
マルティナ、エドの母親の死体から作られた存在だったりしないか?
……幼馴染って、大体何歳から記憶ある?
5歳か6歳じゃね?
エド11歳
7年前に殺される→5.6歳時に出会う→幼馴染として一緒に過ごす
……13代目襲撃→誰かが墓を立てる→また誰かが墓を暴く?
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ブレスト10より
アイテムの技能値付与能力をインビジブルを通して向上させる事が天使の能力であり、王劍アイテムの力を引き出す権能があると仮定するなら、技能「異形化」が天使病の其れに当る、と思うんだが…
異形化を解くなら「封印を解く」かと思ったが他に何がある?√能力以外には無い?
ケーキの例から√刻遡行やルーブレ、他技能を併せた外科手術は行けそうだとは思ったんだが…
…やはりエドに協力願うしか無いか…?
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