古本屋の地下

十二星座「|獅子座《レオ》」

天泣・吟 23時間前

●|れお・ぱら《猫カフェ》
「ニャーン!」
 積み上げられた木箱の天辺から高らかな鳴き声が届いた。視線をそちらへ向けると、それはもう堂々と胸を張ったしましまの猫が鎮座している。ふかふかの毛並みをこれでもかと陽の光のもとにきらきら光らせて、女王様然として訪れる客を見下ろしていた。
 誰でも出入りが出来た今までの|十二星座《ゾディアック》祭に比べ、今回はしっかりと囲いがしてある。入口は二か所あり、受け付けを済ませるとその日いちにち出入りが自由となる。
 祭り会場にはお店がいくつか出ているくらいで、基本的にはパラソル付のテーブルが点在していた。空間を広くとっており、お互いに干渉することもなくのびのびと過ごせるが、それは決して訪れる客の為ではないことを来訪者は痛感するだろう。
 これらは全て、猫のためである。
「レオ、降りといで」
「ンヌァ」
 眉を八の字に下げた店長が木箱の天辺の猫に声をかけるが、返事らしい鳴き声を出したくらいで当の猫はぐってりとその体を横たえ毛繕いを始めた。
 この期間、近くの猫カフェの協賛があり、十二星座祭でふれあい広場のような体制を整えることが出来た。外の暑さが増す今日この頃だが、しっかりと日陰を用意したり、いつでも氷を出せるように小型の冷蔵庫を設置したり、ストレスのないよう猫だけが過ごせるエリアが準備されていたり、あらゆるチェックを超えて実現している。なんならそんな酷暑を物ともしない猫又も紛れ込んでいるので様々な心配は不要だろう。
 猫の種類はその時々で違っており、毎朝外に出たがる猫たちを連れてきていた。サイベリアンにアメリカンショートヘア、スコティッシュフォールドにヒマラヤン。なかなかお目にかかれないような猫も時々顔を出すので、地元の妖怪達にはくじ引き感覚で訪れる者も多い。そして、あの木箱の気高い猫は毎回このイベントの看板猫になっている。
 名前はレオ。よく昼寝をしており、寝ぐせが獅子のたてがみみたいに広がっているのでその名前がついた。いちにちに一人だけ撫でるのを許すので有名だ。
 この猫カフェもとい|獅子座《レオ》祭ではフードも一応楽しめる。こちらはちゃんと獅子モチーフのものが多く、オムライスのケチャップがライオンだったり、キャラメルマキアートでライオンの顔を描いたり、創意工夫がされている。こちらを楽しむのもありだろう。当然、猫に邪魔されることになるのだが……。 
「前売り券でちょっと安くなるよ」
 これは10%OFFの特典付きと、尻尾を枕にされたこともある仔犬はあなたたちにチケットを差し出した。


●MSより
開催期間:2025/07/23~08/22(リクエスト提出日参照)
グループ参加上限人数:4人まで

企画ページまでお越しいただき、ありがとうございます。驟雨です。
こちらは「ノベル個人企画」となります。ご注意ください。
基本的なリクエスト文は普段のプレイングと同様に仕上げて頂ければと思います。グループで参加の場合は冒頭にグループ名と、可能であれば人数(代表者のみでOK)などあると分かりやすいです。
今回はお祭りでも特に「猫とのふれあい」が中心となります。猫をモチーフとした料理もお楽しみいただけます。猫カフェです。
お祭りを楽しんで頂ければ幸いです。ご参加をご検討の方はどうぞよろしくお願いいたします。

企画詳細ページ
https://tw8.t-walker.jp/thread/club_thread?thread_id=17166