【呼出】ひとつのくらがり#3
貴方たちには意外だったかもしれない。妖精が指定した店は、はくちょう座の出口のひとつから目と鼻の先だった。
賑わっても寂れてもない商店街の、裏通りにある小さな町中華。
表には黄色いクッションの飛び出した丸椅子が並んでおり、
かかっている看板は内側の蛍光灯が一部死んでいて薄暗い。
それでも光の漏れる曇りガラスの扉の向こうは、
常連客らしい人々の気配に満ちている。
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・ご招待:七・ザネリ(h01301)
:ルイ・ミサ(h02050)
ダゴール・トムテ 10月14日14時(先頭に立って歩いてきた妖精は店の前で立ち止まり、貴方たちを振り返る。その風体は店の外観にまったく似つかわしくなく、まるで下手な合成写真のようだ) ここだ。(だというのに妖精はまったく気に留めず、右手の親指で自分の背後の入り口を示す)
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ルイ・ミサ 10月15日09時使い古した油でチャーハン炒めてそうな店だな。(遠慮なく率直な感想を述べる。看板の蛍光灯すら取り替えていない店主だ。きっと綺麗好きではないだろう。腰に手をあてながら訝しそうな顔で、彼の肩越しにガラス向こうを覗いた)
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ダゴール・トムテ 10月18日15時(各々の感想を前に、妖精はフンと鼻息をつく) なんだァ?フレンチのコースや、冒険者の酒場みたいのを期待してたんなら悪うございましたね。本当にいい店ってのは、情報誌や端末眺めてるだけじゃ見つからないってことを教えてやるよ。(そう言って店内に踏み入れば、中は料理の香りに交じって今どき煙草臭が漂っている)(夫婦経営なのだろう。所帯じみた中年の女性が妖精の前に進み出ると、にこやかに奥にひとつある個室のドアを示した)
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ダゴール・トムテ 10月18日15時油膜で妙にべたべたする床の上を歩いて個室に入ると、そこは相変わらずヤニに汚れた年季を感じさせる一室だ。
しかし一方で、丸いターンテーブルの上には既にいくつもの華々しい料理の皿が置かれている。
てらてらと輝く鶏の姿焼き、
熱い湯気を放つ餡かけの卵料理、
透き通ったスープに浸された黄金の中華麺、
規則正しく蒸籠に収まった宝石のような点心の数々。
満漢全席かと見紛う量と食欲を誘う香り。
まだ作り立てであろう豪華な品々が貴方たちを迎える。
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ルイ・ミサ 10月18日23時へえ……いい店なんだ?適当に決めたのかと思ったけど。「汚い店の中華は上手い」というのが真実かどうか確かめよう。
(店の外まで漂ってくる食欲をそそる香りに誘われ、店内へと足を踏み入れる。べたつく床の上をヒールを鳴らして歩いた。どんな店かもわからなかったので、綺麗めの黒いワンピースを選んできた)冒険者の酒場も興味はあるけど――そういう場所は、どうせならお酒が飲めるようになってから行きたいなぁ。
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ルイ・ミサ 10月18日23時(奥の部屋へと進むと、ターンテーブルに並ぶ皿の数々に思わず目を見開く)外観からは想像できなかったが、意外と……(目移りするような料理を前に、椅子を引きながら)悪くないな。料理の見た目と香りも。
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七・ザネリ 10月31日00時いや、キノコの笠のテーブルにな、ちまりと座らされるかと。(減らず口は減ることはないようだ、不躾な視線で店内を眺めつつ、妖精の後に続く。)おお、……気が利くなダゴール。メニューを睨み続ける時間が削減できた。欲を言えば紹興酒がありゃ、尚良い。(男はターンテーブルを意味もなく回しながら、席に着く。)
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ダゴール・トムテ 11月1日12時kec-kec-kec… このオレが、自分の格を下げるような店に連れてくるもんかよ。さっさと剣を手に入れたいところだが、温かい料理を前にして急かすほど無粋じゃねえ。まずは、腹を満たしながら話そうじゃねえか。(席に着くと、祈りも作法もなくいきなりに点心をふたつばかり、まとめて口へ放り込んだ。こけた頬がリスのように膨らむ)
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ルイ・ミサ 11月2日00時(ザネリが一巡させた色とりどりの皿を眺めてから座ると、ターンテーブルにそっと手を添えて回転を止める)
まあ、私は聞き役だからな。すぐにでも話始めてもらっても構わないんだが……
(いきなり食べ始めるダゴールを見て、やれやれと言った顔をすると、餡かけの卵料理を取り皿に盛り始める)2人の付き合いは長いのか?
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七・ザネリ 11月9日20時お前は童話の妖精のイメージに全くもってそぐわねえ男だな。キノコのパイでも食っててくれ、ガキの教育に悪い。(中華を選んだ癖にターンテーブルで遊ばない二人を見て、男はつまらなそうに息を吐いた。そして取り皿をルイミサに差し出している、自分で取り分ける気はないらしい。)ん?そうでもない、夜道で絡まれたんだ。妖精を名乗るクソ胡散臭い男にな。
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ダゴール・トムテ 11月10日15時今思うとあの夜は失敗だった。まさかこんなに悪縁が続くとは思わなかったんだ。(口の中にものを詰めたまま喋るものだから、やや曇った声。呑み下す食事に合わせて、大きく喉が動いた) ひとつ前の冬あたりだったか?空の上でルイミサに出くわした時期と、そう変わらねえな。
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ルイ・ミサ 11月11日21時(ザネリの言葉にくすくす笑った。笑いながら、いつになく素直に、渡された取り皿を手にした)これにはザネリ君に同意。妖精のイメージが全然浮かばない。妖精ってあれだろう……確か、枕元に抜けた歯を置いておくと、金貨と交換してくれる――存在だっけ?(そんなうろ覚えの知識を披露しながら、取り皿に点心だけを積み上げていく)
ふうん。私と変わらないんだ。夜道で絡まれて……呪われてる者同士、意気投合したというわけか。ダゴール君はもう、ザネリ君の館で部屋はもらったのか?
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七・ザネリ 11月15日16時卵も盛れ。(積みあがっていく天心にじとりとした視線を向けて、文句を言う。)
いや、呪われてるのを知ったのは最近だな、胡散臭い理由が判明し、晴れ晴れとした心地だった、扱き使う理由も出来たしな。…………ダゴール、お前部屋要るか?どこにでもいるから用意はしてなかったが、暗がり森の方は茸も生えてる、お前が気に入る部屋もありそうだけどな。
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ダゴール・トムテ 9時間前誰が|歯の妖精《トゥースフェアリー》だ。あんな|すきもの《・・・・》と一緒にすんじゃねえ。オレはトムテ、幸運の妖精だ。(不満そうに、箸の先をわきわきさせながらルイミサを指す) 部屋だあ?ザネリと契約こそしたが、今さらどこかに居付くつもりはないからな……別に必要ねえ――ん?(肉まんを口いっぱい頬張って、喉が大きく動くまで間があり、) 森?
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