[個1:1]散菫再花
夜鷹芥はここのところ、萬花内で視線を感じていた。特に黒毛金眼の狐が傍にいる時、視線を感じていた。
視線を向けているのは戀ヶ仲くるり。
警視庁異能捜査官本部に所属する、特殊捜査班。通称:萬花の事務所。その業務の合間。
じぃ……とくるりが頻繁に視線を向けていれば、気配に聡い芥が気付くのは当たり前で。
身内認定した相手にはうるさい程に話しかけるくるりにしては、珍しい態度で目を引くのもそれはそうで。
で、なんの用だ?
と思うのは道理なことだろう。
▽1:1RP
▽夜鷹・芥と戀ヶ仲・くるり
▽話終わるその日まで
夜鷹・芥 3月4日00時(外勤も特に予定が無い、穏やかな昼下がり。専ら、後回しにしていた書類仕事に目を通しながら監視役ともいえる傍らに鎮座した黒狐と目配せをした)(暫し此方へ注がれる視線にどうしたもんかと何か切り出されるのを待ってはみたが、)…………。……くるり、どうかしたか?(堪らず声を掛けた)
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戀ヶ仲・くるり 3月4日22時あっ、えっ、(急ぎの事務仕事もなかったので、つい手が止まって目線が行く。机の上の作業はすっかり止まっていた。あなたに声をかけられてガタッ、と肩が跳ねた。)
…ええと…(時計へ目を向ける。お昼休憩にするにはいい時間。見えるところにある業務予定はなにも無く、無いからこそ事務所内に他の人影はない)お話したい、ことが、あるんですけど…お昼休憩時間に、時間もらってもいいです…?(おずおずとあなたに尋ねる。出来ればお狐様も。と言い添えた)
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夜鷹・芥 3月5日00時……ハナシ?(彼女が確認した時計の方向を見遣り、改めて机上の眺めてた書類を放るように置いた)じゃあ、丁度今は誰も居ねぇし昼休憩入ろうぜ。一服したいとこだったんだよな。(珍しく何か言いたげな様子から察するに言い出しにくい話だからこそだろう。ならば、早い方が良いと狐にも促して)こっち。(来客用のマホガニーの机と傍の椅子へ腰掛け、反対側の椅子へ座るよう彼女を手招いた)
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戀ヶ仲・くるり 3月5日20時え。今…いいんですか?ありがとうございます…っ!
(気遣いに面映ゆい気持ちになる。鞄から丁寧にハンカチで包んだものを取り出して、促されるまま向かいに座った。付いてきてくれた黒毛金目のお狐様も場に収まったのを見届けてから、机に置いていた包みを開いた)
……ごめんなさい、誕生日にいただいたお守り、ばらばらに壊れちゃったんです。…縫い直し、たんです、けど……“ちがい”ます、よね?
(中から出てきたのは、丁寧に縫い合わされたぬいぐるみマスコットの狐。見た目は貰った時と大きく変わりがない。でも、なんとなく、なにかが欠けているように思う)
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夜鷹・芥 3月8日01時(広げられた包みの中は、自分も知る小さなぬいぐるみ。ばらばらに、という割には一目見ただけではそうは思えない程綺麗に縫われた狐は其処に置かれている。が、)――少し、触るぞ。(指先でぬいぐるみへ何かを確かめるように触れてみる。傍らの黒狐はその様子をじ、っと何も言わず見つめていた)……加護が、|消えている《・・・・・》。それから、……、――いや、何でもねぇ。……最近危険なモノにでも遭遇したか?
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戀ヶ仲・くるり 3月8日22時(触れられて、ぬいぐるみについた鈴がちりん、と小さく音を立てた。これも貰った時と変わらない。黒毛金眼のお狐様は不動。杞憂ならそれが一番よかった。けれど、)……やっぱり、無くなっちゃってるんですね。危険なもの…ええと、…はい。あ、いや、怪我とかはしてないんですけどっ、(この話をあなたにしたことがない。口が澱む。話すことで容易く巻き込む、と前例を得ているから尚更に)……、……私が、私の憑き物の領域に、引き込まれた時。このお守りが、守って…くれました(けれど嘘をつきたくない、の気持ちが勝つ。あなたは真っ直ぐ過去を話してくれた。その信頼に泥をつけるのが嫌だ)
と、とっても!助かりました!芥さんが贈ってくれたおかげです!……お狐様も、助けていただきましたよね、ありがとうございます…!
お礼も謝るのも遅くなって、ごめんなさい…どう言おうか、迷っちゃって…。
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夜鷹・芥 3月14日23時(怪我はしてない、と添えられた言葉が確認出来て内心安堵をしながら「そうか、」とだけ一言静かに返事をする。途中途切れ、躊躇うような素振りと言葉を選んでいるのはいつもの彼女を知るならば容易く察せられるのもまた事実で)………成程ね。お前の憑き物は随分と厄介みてえだな。消えた加護と…それから渡したときには無かった不思議な残滓。其れが領域に渡った由来なのか何らかの力なのかは解らないが……、(対面した彼女へ視線を移して|中へ《・・》睥睨する。未だ視ぬ其れに威嚇を残して)効果は一度きりでな。くるりを護ったから、消えたんだ。……千里、どうにか出来るか?(名を呼ばれ今迄静かにしていた黒狐はとん、とそのぬいぐるみへ近づく。確認するように匂いを嗅いでこくりと頷いた)
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夜鷹・芥 3月14日23時そのための、「御守り」だろ。別に謝らなくて良い。役に立ったのが何よりだと多分、コイツも思ってるぜ。……お前が話したいときに話せば良いし、そうじゃないなら無理しなくていい。
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戀ヶ仲・くるり 3月16日00時……、……いい憑き物では、ないです。私がアイツのことを話すと、なんか…話した人に“関わろう”とする、節が、ある気がして……あんまり、話したく、なくて(それは巻き込みたくないと同義だった。私の大事にしたいものに触らないで。這い寄る影の気配を感じたとしても、引きずり込まれるのは自分だけの方が、)…ありがとうございます…(そう思うのに、こうして話して、受け止めてもらって、胸があたたかくなるから。私はずるい。)
?…なにか、あります?(未だ√能力の扱いは慣れない。籠められた力が消えたのは分かっても、あなたの言う残滓が何かは分からなかった。|馴染みすぎて《・・・・・・》分からないのかもしれない)
お守り、ですもんね。一回だけ、そっか…(きっと、役割を果たした結果だ。名残惜しいと思うのが過分なのだろう。眉を寄せてぬいぐるみを見て、)…どうにか、なります?(あなたとお狐様の動きに、向ける目が期待で揺れた。)
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夜鷹・芥 3月21日03時良くない憑き物のことを話してしまえば俺にも迷惑が掛かるから?……、其れは俺の方こそ云えたことではないよなぁ。(以前、成り行きとはいえ彼女に迷惑と、心配と、様々な負担を掛けたであろうことは今でも鮮明に記憶に残り、自認している。)気持ちは解るが、……巻き込め。遠慮なく。じゃないとお前が困ったときに直ぐに助けてやれないだろ。ソッチの方が困る。(――同時に彼女が躊躇う程、憑き物とやらが大きな存在なのも、察するに余りある)ソレはお前の、精神なんかにも干渉してくるのか?
無限に効果があれば勿論そうしてやりたいが、狐の力を此の小さな媒体に込めるには器と同等じゃ無ければ耐えられねぇし。その代わり一度きり、加護へ特化させた凡てを込めてる。……余程じゃねぇと使うことにはならないと、(言いながら、千里が再度の加護を分け与えようとしたところでバチン!と弾かれるような音を立て黒狐が飛び退く)
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戀ヶ仲・くるり 3月22日08時…お話聞いた日のこと言ってるなら、私がやりたくて、やったことです(だから迷惑なんてない、と首を振る。役立った実感は薄いけれど、あなたが助かったと思うならうれしい。…いつだって大したことは出来ない。傷を癒すのも治療出来る場所に運ぶことも出来なかった。)
っ、…私、なんにも、芥さんにお返し出来ない、けど…(死にそうな現場で助けて欲しいと手を掴むのと、危険に引きずりこむと分かっていて手を掴むのは、話が違う。この人は懐に入れた相手に甘いと知っているから、この人はたくさんのものを背負ってると感じるから、尚更に手が震える。)
…………話して、いいですか。
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戀ヶ仲・くるり 3月22日08時私の、精神…? 私、アイツのこと、嫌いで、(口にすると、ずるり、と引きずりこまれるような感覚がある)…消し去ってやりたい…っ(灼けつくような“敵意”からそう言って、)…でも信じられるんです…(敵意を口にしたのと同じ口で“信頼”を吐き出し、)…やさしく、しなきゃ…(内容に反して、困惑と苦悩で染まった目で“やさしさ”をこぼす。)
……、……これが、そう?(自問に近い呟き。自分でもどうしてそう思うのか分からない感情の発露。どうして?でも確かにその感情がある。くるしい。ある理由が見当たらないのに確かにあるから、見返すたびに、くるしい)
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戀ヶ仲・くるり 3月22日08時出来たらすごい強いですけど、色々条件があるのは、なんとなく、分かります。あの時、加護がなかったら、私、戻ってこれなかったから……そのタイミングで、(──バチンッ)…え!?
お狐様、大丈夫ですか!?(飛び退いた黒毛金目の狐の姿に、ソファから立ち上がる)
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夜鷹・芥 4月5日22時……ああ、お前ならそう言ってくれるって解ってるからこそ、だな。やりたくてやったこと、受け入れて貰えることはまた別の話だろ?(何も返せないと彼女は云う。――今俺が此処へ帰れるようにしてくれたことこそが何よりも得難いのに。)良いよ、お前が俺に預けていいと思うところまで遠慮なく。
(純粋な疑問から来る問い掛けへの返事、ゆっくりと肯きを挟みながら耳を傾けて)……嫌い、消したい、信じられる、優しくしたい、……相反する様で、感情としては繋がっているような、不思議な感情を向けているんだな。或いは……お前自身とソイツが|混ざって《・・・・》しまっているのか。干渉されているようで、しているような。(ぽつぽつと、彼女の言葉を踏まえながら可能性と思考を巡らせ自問自答するかのように呟き)……くるり、つらい、か?
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夜鷹・芥 4月5日22時(――弾かれた、と。「ケーン」と鳴いた黒狐は立ち上がったくるりの足元で一度ふんふんと匂いを嗅ぐ。ぬいぐるみと見比べて、ふるふる首を振った)(「今のままでは加護を与え直すことが出来ない。影を一度祓わねば」)(声は直接、彼女の頭の中へと流れていくだろう)
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戀ヶ仲・くるり 4月8日22時……そうですね。芥さんがいらなかったら、“私がしたかった”でおしまいです。芥さんも、そう期待してくれるなら、…うれしいです(眉を下げて笑う。何も返ってこない、差し出すのが迷惑かもしれない、と思うものを渡し続けるのは怖い。受け取ってもらえたからこそ、今がある。)
私が、預けたい、くらい……ええと、……私、芥さんと会った年の、12月から、EDENになって……その時、アクマに、呪われたん、です。呪いの、内容は…期限が、私が20歳になるまで。アクマは、期限を待つだけじゃなくて、私の前にも出てきます。
(話そうと思ったのに、どうしても切れ切れになる。躊躇い。聞いてほしいのと背負わせたくないが混じり合う。)
それで、何度か、アクマに、会って、……この感情は、急に刻まれたみたいで…自分の気持ちじゃ、ないみたいで……、……はい、くるしい、です(繋がらない。でもそこにある。確かな形。だからくるしい)
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戀ヶ仲・くるり 4月8日22時(怪我等はなさそうでよかった。と眉を下げて黒狐の姿を伺っていたが、)えっ。(耳を抑える。突然聞こえた声。頭の中に直接響くような。聞いたことはない…いや、ケェンと鳴くあの声音に似てる…ような…?)
えっ、今のお狐様ですか!?お話出来る!?本当に!?(その身を揺さぶろうとして、はたと気付く)
…………祓うって、いいました?
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夜鷹・芥 4月13日18時期限付きの呪いか……(机上に置いていたPCを徐に操作し、班員のデータファイルを開く。彼女の年齢と経歴を確認してから、)あと3年、20歳までに呪いを解かないとどうなるのか、呪いを解く方法をそのアクマから聞いているのか?(何故アクマは彼女を選び、呪い、期限前にも現れ執着を見せるのか、ファクターを知り分析をすれば紐解けるかもしれない。専門外ではあるが、ある意味では共感も出来るから)違うモノが、自分の傍に、中に侵入されているんだ。心や感情も混ざりあう感覚で不明瞭になるのは当然だ。俺もその感覚はよく解るからな。(くるしい、と。零れた彼女の心、躊躇いながらも吐き出すような彼女の言葉に「そうだよな、」とゆっくりと肯いて)掬い取ってやれたなら、お前に恩返しが出来るんだが……ああ、憑き者同士でぶつけてみるってのは効果あんのかな。
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夜鷹・芥 4月13日18時(黒狐は「当然!我神使!」というようなどや顔をしながら、彼女の膝上にしゅっと飛び乗った。)(「この黒い靄が阻んで悪さをしているように見える。お前のアクマが原因かは判断できないが、時間を掛ければ祓うこともおそらく可能だろう。」)
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戀ヶ仲・くるり 4月16日23時解く方法、は、ええと、その、……、……『“真実の愛”を見つけないと死ぬ』です…(先程言うか迷った内容を結局口にした。自分の目線では無理難題で、理不尽な結果が結びついている。故に、言いにくかった。…この人は、背負ってしまいそうだから)
その方法で解ける気が、あんまりしなくて…別の方法で解けないか、とか。まず、アクマってなんなのか、調べたりしてるところ、です。なんにも見通しがない訳では、なくて…(だから大丈夫、とは言えないけれど。責にしてほしくなくて言い募った)
……、……わ、たし、(添うような肯定の言葉に、声が震える)…アイツのこと、嫌いで、でも他の感情もあって、こんなの知らない、私が思ってない、でも“ある”、それが、…私が塗りつぶされるみたいで、くるしいです…(じわ、と浮いてきた涙を拭う。泣いてもどうにもならないのに、視界が曇る)
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戀ヶ仲・くるり 4月16日23時わっ、(立ち上がりかけていたところ、しゅっと黒狐の身が降ってきて、ぽすんとソファに再び座る。膝上からこちらを見上げる金の目。頭の中に聞こえる声。混乱しながら内容を反芻する)……黒い靄、(自分には見えない。けれど、“影”“くらがり”─アクマと結びつく。死の領域に触れたら、存在を話したら、刻印に触れたら、アクマが出てきた。じゃあ、この人が、お狐様がアクマの存在を知って、靄に触れたら?)
……、……その靄、よくないものですよね…?はらわなくて、いい、です。危ないかもしれない。また加護をこめてほしいのは、私のわがままなので……恩返しなんて!私の方こそ、萬花に置いてもらってること、感謝でいっぱいです!
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夜鷹・芥 5月8日19時……、真実の愛、(予想していたものとは少し違ってはいたが、反芻して成程な、と合点もいく)何が真実であるか、なんて易々と推し量れるものじゃないだろ。特に愛なんて目に見えねぇもんを条件にする辺りまるでくるりが解除出来ないだろうと見越した上で設定してるみたいだ。いや、くるりじゃなくても難しいだろう。(じ、っと何か考え込むように頭の中で整理をすれば、彼女から発する言葉と、上擦った声に顔を上げ)……、その感情がお前だけのものじゃなくても、塗りつぶされても、俺から見たお前はお前だ。不安にならなくていい。「くるり」を知ってくれてるやつはたくさん居るんだから。(滲む菫色の瞳に気づいてあまり見られたくはないだろうかと、そっとハンカチを差し出す)泣けばいい、此処はくるりにとって帰りたい場所だと言ってくれていただろう。なら遠慮も必要ないし、今は俺しか居ない。
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夜鷹・芥 5月8日19時(狐は膝上から静かに彼女の反応を窺いながら、「けれど、」)(「危ないならば尚更このままには出来ない」)(「加護を求めないならば、この我の傀儡は壊さねば」)(「靄ごと消さなければ」)(「鎮めて沈めなければ」)
……最悪、俺の憑き物が何とかしてくれるかもしれねぇから。そっちはあくまで保険の対策でな。
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戀ヶ仲・くるり 5月13日22時はい、難しい……と、思います。私は、見つからない気がします。でも、|それ《真実の愛》が呪の鍵になる、と言ってくれた方もいました。なにが正解か、分からないので……どうにか出来る方法を、探していきたい、です。(調べたところで実になるかも、分からないけれど。それでも自分の命も呪をきっかけに手が離れてしまったものも、諦めたくないから。そう言う。)
……、……ありがとう、ございます、はい、私は、私です……(差し出されたハンカチを受け取る。涙は拭かずに、溢さないようにぐっと力をこめた。泣けばいい、の言葉にはゆるく首を振る。泣いたらアクマの思惑に負けてしまいそうで、泣きたくない。)
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戀ヶ仲・くるり 5月13日22時壊して、靄ごと消して、鎮める……(頭に響く声を繰り返しながら、机の上に置かれた狐のマスコットを見る。一見壊れたとは分からないくらい、縫い直せたと思う。でも、)守ってくれて、靄を……悪いものを引き受けてくれたのなら、お役目を果たしてくれたんだと思います。(──一度壊れたことに変わりはない。)
お守りって、お役目が終わったら、お焚き上げして空に返しますよね。……お役目を果たしたお守りに、もう加護を込めなくていいです。その為に、靄と争わなくていいです。靄ごと壊していただけますか。
(充分過ぎるほど働いてもらった。元通りに、と無理を通そうと思った自分が悪い。無理の皺寄せが目の前の人に行くなら、尚更、通せない。真っ直ぐお狐様を見返す。)
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夜鷹・芥 5月16日13時見つからない、と断言しなくても良いと思う。期限があるという点においては急ぐ気持ちはあるが、先のことは解らない。……呪いを解く『真実の愛』に足るものかは扠置き、くるりが萬花を居場所だと思ってくれているなら、少なからず此処を好いてくれているんだろ。それも真実のひとつになるんじゃないだろうか。其処から誰かへ、モノへ、或いはまた違う何かに真実たる愛を向けられる余地があると思う。(浮かべた雫を自力で引っ込めて耐える様子に彼女の意思を尊重して見守るだけに留め)お前が諦めないなら、俺も手伝うから。
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夜鷹・芥 5月16日13時(彼女の言葉と共に、心の裡ごと見つめた狐はゆっくりと肯くような仕草をした。膝から降りて置かれた狐のぬいぐるみの目の前に、ふわりと一度浮遊させてから己の中へと仕舞うように取り込む。「任せて欲しい」と彼女へ視線を送ってからしゅるりと何処かへ消えていった)(凡て見送った後に、徐に立ち上がり事務所に置かれた小さな箱の中を探りながら見つけたもの。彼女の元へと屈んで、其れを差し出した)……くるり、完成品と同じにはならないが、……此れを代わりに受け取ってくれるか。(贈ったものよりは少しだけ不格好だけれど同じ色の瞳をした狐のぬいぐるみ。)あれ、狐に教えてもらって俺が縫ってみたんだ。此れは試作品だから歪かもしれないが。加護はないが……お前に似せたから。嫌じゃなければくるりの手元に置いといてくれ。
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戀ヶ仲・くるり 5月16日22時は、い……|ここ《萬花》に居られてよかったです。私、欠落で居場所がよく分からなくなることも、EDENになった時は、自分の居場所があやふやになることすら分かってなかったですけど……萬花には、不思議と、迷わず来られるんです。
……私は、萬花があって、地に足がついた心地で、(未だ帰ることが出来ない生まれ育った実家。√を超えられるEDENだとしても、迷い過ぎる足取り。その中にある、“辿り着ける場所”
どう説明すれば、このさいわいが伝えられるだろうか)……救われて、ます(バイト先に思うには大分重い、けれどそうとしか言えない言葉)
(手伝う、の言葉に眉を下がる)……ありがとう、ございます……分からないことは、諦める理由にならないので。探していきたい、です。
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戀ヶ仲・くるり 5月16日22時(膝の上からぬくもりと共に重みが去る。狐のぬいぐるみといっしょに消えていった黒毛金眼のお狐様を見送ってから、ソファの背もたれに体重を預けた。お守りは手元から消えたけれど、それはお役目を果たしたから。靄は何も起こさず、アクマが何かを仕掛けていても誰も巻き込まなかった。それに安堵して、力が抜ける。)
……え?(あなたの行動まで意識を向けられていなかったから、差し出されたぬいぐるみに瞬きする)あれ?これ、お守りと同じ……?え!?あのぬいぐるみ、芥さんの手作りだったんですか!?買ったものかと思ってました、器用ですねぇ!そう言えば目の色、私の色でしたね!?
……このぬいぐるみ、いただいていいんですか?芥さんががんばって作ってくれたのが、うれしいです(掌を上に向けて、受け取る。加護よりなにより贈ってくれる気持ちがうれしい)
大事にしますね(そう言って、ふわりと笑った)
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夜鷹・芥 5月18日17時俺も、お前が迷い込んできた場所が此処で、会えて良かったと思っているよ。少しでも迷い込むのが違う√であれば、違う座標であれば、萬花にお前は居なかったんだろう。それも俺の数少ない幸いの一つだ。くるりが俺に云ってくれたんだぞ、この場所へ帰ろうって。――だから俺も萬花が居場所になったんだ。其れを憶えていて欲しい。本当に帰りたい場所へ辿り着くことができるまで、くるりが望むなら寄る辺にしておいてくれ。(縛る心算も無いし、気の向くまま帰れる場所でいいと言外に滲ませて)
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夜鷹・芥 5月18日18時……、ああ。(驚いたような様子に、小さく頷きを返し)裁縫の経験なんて当然無いからやや手こずってはいるが、……自分で作った方がいい、とアドバイスされたし俺もそう思ったから。受け取ってくれて有難うな。(贈ろうとした相手の掌の上におさまった狐を見つめて、「やっぱりお前に持っていてもらったほうが良い」と笑みを浮かべ)
(新しく彼女のもとへいった狐のぬいぐるみは嬉しそうに笑っているようだった)
――〆
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