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日が暮れようとする頃。ビルの屋上にいる。
ツギハギだらけの女がいる。
■誰でも歓迎(先着1名)
■10日不在で終わり
フランセット・ヴァロワ 4月4日18時(わたくしはそおっととあなたの隣に近づいて、屋上の鉄柵にかけました。足音はしなかったでしょう。多くの幽霊と同じく、両足がないんですもの。わたくしはあなたの顔を覗く。そして、)
いい日暮れですわね! しばらく吸ってらっしゃるけど、煙草がお好き? それと、ジャンクフードも?
(初めましての挨拶は、多くの幽霊とはちがって元気よく!)
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木更・小夜 4月6日00時(あの車は高そうって呟いた時には既に誰かが居て、明るい声で話しかけて来た。知らない声だったから余計に声に驚いて、咥えていた筈のたばこが口から落ちた。)
いつの間に。
(驚いた顔は隠さない。)
たばこもジャンクフードも好きだケド。
アンタ誰?いつの間にそこに居たの。
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フランセット・ヴァロワ 4月6日17時あら、まあ!
驚かせてしまいましたわね、ごめんなさい。この通りですから、
(わたくしはスカートの裾を持ち上げました。脚のない|淑女《ゆうれい》ですから、気にせずともよいのです。あなたの目には、煙る暗闇だけが映ることでしょう)
お返事がいただけると思ってませんでしたの。お好きなもの、一本無駄にしてしまいましたわね。
名前はたくさんありますけれど、いまはただのフランセットです。フランセット・ヴァロワ。どう呼んでいただいてもかまいませんわ。
(わたくしはしっかり笑むと、あなたを見返しました)
うふふふふ、昨日召し上がったものをおっしゃっていたときにはそのあたりを漂ってましたわ。幽霊とは神出鬼没なものですもの。
でも、わたくし、あなたのことは煙草とジャンクフードが好きなこと以外は知りませんわ。
教えてくださるかしら、──あなたは?
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木更・小夜 4月8日19時(驚いた顔をしたけど、丁寧に挨拶をするモンだ。足元に落ちてしまったタバコを咥え直す気はない。踵で火を消したらあとは新品を出す。それだけ。)
フランセット。イイトコのお嬢さん?所作が綺麗だね。
アタシには真似出来ないよ。
(本当に。いつの間に。気付かなかったアタシもアタシだケド。)
ホント。最近値上げだなんだで、タバコも高いンだよね。
なんてさ。アタシは木更。呼びやすいデショ。
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フランセット・ヴァロワ 4月9日19時あら、そう見えて?
役が身に馴染んでいる証拠ですわね。(わたくしは胸に手をあてました。幽霊であっても心臓の位置はここですから、|たましい《役柄》もここでしょう)
誰にだってできますわ。そういう役なんだと思えば、自分自身から離れて──何にでもなれますもの。
もっとも、自分以外になりたくないのなら、おすすめはしませんけれども!
木更さま!(顔を明るくして、覚えたての名前を口にする)うふふふふ、身体にわるいものを取りいれるしても、ずいぶん高くつくようになりましたわね。木更さま。
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木更・小夜 4月12日16時役?
(彼女の姿を改めて見つめる。幽霊だと言うことは分かるケド、分かるのはそれだけだ。ここには綺麗なベンチもないから、柵に身を預けることしか出来ないンだけど、身を預けて考えてみた。)
そう言う役ネ。女優さん?
アンタさ、不思議な空気が漂ってるから。
ああ、アタシはおまわりさん。
そう。喫煙者には優しくない世界ダヨ。
どこか、アタシらにも優しい世界があれば、ソッチに移住したいくらい。
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フランセット・ヴァロワ 4月13日20時ええ、生前は! これでも、ちょっとしたものでしたのよ。(遠くの空に手を翳しました。夕日はまばゆくて、舞台袖まで演者を追ってくるスポット・ライトさながら) わたくし、すこぅしミステリアスだったかしら? でも、いまはただの劇場憑きの幽霊ですわ。
おまわりさんでしたの?(わたくしはあなたに近づいて見たり、離れて見たりする)
ふふ! おまわりさんらしかぬことをおっしゃるのね。自分にやさしくない場所だったとしても、此処を守る責務をお持ちなのに!
いまは休憩中かしら? 悪いおまわりさん?
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木更・小夜 4月16日20時(舞台上の仕草みたいだ。この安っぽいコンクリートの床が瞬く間に劇場に変わった。なんて気のせいだケド。落としたタバコが小道具みたい。)
少しどころじゃないね。かなりミステリアス。
幽霊なのに、幽霊じゃないみたいだヨ。
(そう。一言肯定。おまわりさんだよ。)
おまわりさんだケド、おまわりさんをしているわけじゃないの。
でも不思議と怒られないンだよね。
今はおサボり中デス。
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フランセット・ヴァロワ 4月17日21時うふふ! “幽霊にしては元気が良いから”ってだけではありませんのね。安心しましたわ。すこしくらいは秘密らしいところがあったほうが、役者としては良いですもの。
まあ! ほんとうに悪いおまわりさんだわ。(あっさりと言ったあなたを笑い、わたくしは謎かけのように繰り返します)
──おまわりさんだけど、おまわりさんじゃない。さては、|らしくない《・・・・・》ほうですわね?
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木更・小夜 4月24日20時(謎かけのように出される言葉。いつの間にか口が緩んでいたみたい。)
そうかもしれないネ。
らしくない。でも誰かにとってはらしいんだ。
(笑って、屋上から下を見た。こんなところで話に付き合ってくれる幽霊って、おもしろいかも。)
ねえ、聞きたいことがあるの。
もう少しだけ、ここでアタシに付き合ってよ。
ここには美味しい酒も、美味しいご飯もないケドさ。
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フランセット・ヴァロワ 4月26日07時まあ、まあ……!(こういうときばかりは幽霊で良かったと思いました。もし実体化していたなら、きっとあなたの両手をぎゅっと握っていたでしょう。それでは、また驚かせてしまいますものね)
もちろんですわ! わたくし、口から先に生まれてきたと言われておりましたけれど、おしゃべりはするのもされるのも好きですの。
会話劇は舞台上に何も置かないのが定石ですもの。木更さま、あなたと、わたくし、それで充分ですわ。(柵にかけたまま、両手を膝の上でたばねました。聞き手としてのわたくしは、目がもっとも雄弁であったでしょう。あなたの言葉を待っているのです)
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木更・小夜 5月2日06時(明るく心地好い返事が耳に届いた。その声を聞くと、アタシまで楽しくなって来るから不思議だ。)
口から先に生まれてきたって、いや、分かる。アンタ、かなり賑やかだからさ。アタシまでつられて元気になる気がするヨ。
2人で十分だって、それもそっか。
ネ、アタシは煙草とジャンクフードが好きだケド……フランセット。アンタの好きなものを教えて。
生前でも現在でもいい。アンタの好きなものに、アタシも近付いてみたい。
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フランセット・ヴァロワ 5月4日00時まあ! 事情聴取ですわね。わたくし、事情聴取は幽霊になってから二度目ですわ!
そうですわねえ、好きなもの……(わたくしは考え込み、あなたの前で順番に指を折っていきました) 綺麗なものはほとんど好きと言ってもいいかもしれませんわ。花束、宝石、折り目のついた台本、そこに記された物語たち! 汗とおしろいのにおいのする楽屋、自分の鼓動が聞こえる幕袖、熱いスポット・ライト。観客のみなさまの歓声、涙に、それ以上の笑顔! それから……(そのあとも長々と述べ、指が足りなくなったあたりで手をおろしました)
あとは、そうですわね。ツバメが好きですわ。うふふふ……! この話は誰かにしたことがありませんでした。それを聞き出すなんて、とっても優秀なおまわりさんですわね。
木更さまは? ほかには好きなものはありませんの? そう、ジャンクフードでも、煙草でもなく……もっといえば、一番に好きなものとか!
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木更・小夜 5月7日10時二度目なンだ。悪いコトでもしたの?
(幽霊になってから既に経験をしているなんて信じられない。でも笑みはこぼれてしまうから、いつもより優しい顔になっていたかも。アンタの話が面白いから。観劇でもしている気分にもなる。)
ツバメね。幸せを運ぶ鳥。
そ?とっても優秀だってさ。アンタに言われると、アタシがすっごく優秀だってサ、そんな気分にもなる。
他者を聞いて、そこから褒めるのが上手なンだね。アンタ。
他に好きなものね……。
(屋上から遠い空を見る。夕暮れの空だ。くれそうになる色。空気。アタシはそれが好き。)
夕日。キレイだよね。他に好きなものって言えば、咄嗟に思いつくのが夕日。アレは好き。
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フランセット・ヴァロワ 5月12日22時まさか! わたくしほどみなさまへの愛に溢れた幽霊もそういませんわ。
ちょ~っとばかり、わたくしが憑いている劇場の幽霊騒ぎが大きくなったことがありまして、その節に|カミガカリ《警察関係》の方にお世話になりましたの。
大変でしたのよ、悪霊でないことを理解してもらわないといけませんし、愛ほど証明が難しいものはありませんから。
(あなたの返事に、わたくしはにっこりしました)ええ、ツバメは優秀な運び屋ですから。いつも幸運なものごとを運んできますの。おつかい上手なところが好きですわ(そこまで言ってはたとしました)……あら、わたくし、ほんとうに褒め上手だったみたいですわね!
美しいものを好きになることに理由はいりませんけれど──、(倣って夕日を見る。ここからはいっとうよく見えました)木更さまは、なにか理由がありますの?
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木更・小夜 5月17日13時(劇場の幽霊騒ぎなんて、それもまた珍しいと思うケド、悪気がないならいつかは理解してもらえるだろうな。呑気な考えカモ。つまり、そう問題視はしなかった。それも楽しそうだったか、笑い声が漏れ出てしまった。)
骨の折れる話だったんじゃない?照明がアイツらも、頭デッカチばっかじゃないと思うケド。オシゴトだからネ。
ツバメが家に巣を作ったら、その家はシアワセになれるンだっけ。アンタ自身も、シアワセを運ぶツバメに似てると思う。
アンタの話は、聞いてて飽きないから。
アタシってさ、デッドマンだから色んなヤツと混ざってンの。
混ざったうちのひとつが、夕暮れの空が好きなンだって言ってる。たぶんそんな感じ。
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フランセット・ヴァロワ 5月25日00時お仕事を増やしてしまいまして、反省しておりますわ……! 最近は、お客さまにお芝居の感想を共有するくらいにとどめています。あなたにお世話になることはありません……たぶん? きっと!
……ツバメ? わたくしが?
(まっすぐあなたを見つめました。ひとによっては、奇妙と感じる間だったかもしれません。あとはころりと切り替えました)
木更さまったら、お上手ですわね……! 色々とお褒めいただいたことはありましたけれど、そんなふうに言われたことはありませんでした! このくらいでしたら、いくらでもお話しできますわ。
まあ!趣味の良いかたを繋いでいただいたのですね、自分のなかにおおぜいの人がいるというのは、どういう感覚なんでしょう?(あなたを這うつぎあとを見て、わたくしは尋ねました)わたくしなんかは、いつもパーティみたいでいいんじゃないかしらと思ってしまいますけれど──ほんとうのところは、そうでもないのかしら?
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木更・小夜 5月28日23時(アンタの言い分が面白くて。笑い声が漏れそうになってしまう。なんとか留めたケド、やっぱ肩は揺れるモンだ。ゴメンって笑いながら告げる)
お世話になってイイヨ。アタシだったら、融通は効くはずだ。知り合いの幽霊って言えば簡単に解放される。今度、そんな目にあったらアタシの名前を出して。
アリガト。褒め方が独特ってのは、良く言われる。デモさ、本当にそう思ったンだ。
(感覚は独特だ。他人を繋ぎ合わせた感覚を上手く伝える方法。)
頭ン中が賑やか?色んな記憶があるカラ、どれが誰のモノだったかわからなくなるンだよね。アンタのコトを覚えてるケド、それが誰の記憶か分かんなくなる。不便だヨ。
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フランセット・ヴァロワ 5月31日20時そんなに笑わなくったってよろしいじゃあありませんか……!(ほんのちょっぴり拗ねたように申し上げました。もちろん、あなたに笑顔を提供できるのはとってもすばらしいことですから、ちっとも怒ってなんていませんけれど!)
まあっ、それは困りますわね。わたくしのことはしっかり木更さまご本人に憶えておいていただいて、善い幽霊だと説明していただきませんと!
そうですわねえ、もしかしたら、このあたりによいものが……、(ゴトゴトと音を立て、わたくしはいくつかの不思議道具を屋上にひろげました。銀の燭台に、銀の靴? それともチケットカッター? ええと、そうではなく。やがて、チケット束を取り出しました。そう、こちらが本命です!)
──そうでした。木更さま、下のお名前をうかがってもよろしいかしら?
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木更・小夜 6月7日16時ごめんって。でもさ、ヒトを笑顔に出来るのは、いいコトだよ。
(拗ねた声。アンタが怒っていないコトくらい分かってたケドもう一回だけ、ごめんって言っておくヨ。言葉に親しみを込めて。)
下の名前?
(沢山の道具。コレ、全部どこから。疑問が口から飛び出た。タバコを吸っていたら、コンクリートの上に落としていたカモ。自分の名前ってドレだっけ。思い返して口を閉じる。)
ドレか覚えてないンだケド、小夜?って呼ぶヤツがいた気がするヨ。名字で呼ばれる方が、アタシは好きだケド。
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フランセット・ヴァロワ 6月10日00時そう言われると怒りたくても怒れませんわ。わたくし、みなさまの笑顔にめっぽう弱いんですもの!(手品のようにごろごろと出てきた不思議道具の中から、わたくしはつづけてペンを取り上げました。そうして、チケットの裏面に、大きく“木更”と書きます)
まあ。もしかして、“さよ”は、“小さい夜”と書きますの? そうでしたら、夕日を好きなのは“小夜さま”のほうかもしれませんわね。
──わかりましたわ。あなたにもご自分の名前がわからないうちは、わたくしも木更さまとお呼びしましょう。思い出したら、どうか教えてくださいましね。たっぷり名前でお呼びしますから!
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木更・小夜 6月16日23時その通り。アタシの名前は、小さい夜って書くンだ。
(チケットの裏。ソコにアタシの名字が書かれて行く。手慣れた姿。さすがは、と言うべきかは分かんなかったケド、様になる。)
イイヨ。そのトキは飽きるほどにアタシの名前を呼んで。
声が枯れない程度にネ。もし万が一にでも声が枯れたら、たっぷりと笑ってあげる。
(夕日は眩しくないケド、目を細めて笑った。追加のタバコを吸おう。ポケットに手を突っ込んでも、タバコは無いや。)
しまった。買いに行かないとネ。
アンタも気をつけて帰りな。別れてすぐに、とんでもない幽霊が居ましたって集められンのは勘弁だカラ。
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フランセット・ヴァロワ 6月17日21時やっぱり! 小さい夜とは、きっといまのような時間のことを言うんじゃないかしら?
(わたくしはひとりでにうなずき、チケットの裏面に“小夜”とちいさく付け足しました)
ええ! そろそろ|夜間興行《ソワレ》の時間ですから、うっかりと捕まるわけにはいきませんわね。あなたにさっそくお世話になるのも格好がつきませんから!
(チケット束からあなたの名前の入った一枚を剥がしとり、あなたへと差しだしました。夕日のせいだけでなく、魔法のチケットは金箔のような輝きを放っています)
……ね。木更さま、お別れのまえにこちらを受け取ってくださるかしら?
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木更・小夜 6月24日16時(橙色を反射しているチケット。でもそれだけじゃない。たぶんネ。照り返しを見ているとさ、魔法じみてて不思議な気持ちになった。)
イイヨ。
(目を細めたのは、チケットの輝きが眩しかったカラ。そういうコトにしておこうかな。本当は沈みかけている夕日を背に笑うアンタが、優しく視えたカラ。)
コレを持っていれば、いつでも会える?
(笑いながらジョークもいいたくなった。)
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フランセット・ヴァロワ 6月24日21時すなおに受け取っていただけてよかったわ。
お断りされたら、どうやってこっそりポケットに滑り込ませるかということばかり考えておりました。どうぞ受け取ってくださいまし! あなたのツバメからの贈りものです。(金色のチケットは自らを折り曲げ、一羽のツバメを折り上げました。あなたの指先にとまった次の瞬間、ポケットやベルトの隙間におさまることでしょう。はじめからそこにあったかのように、とても自然に)
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フランセット・ヴァロワ 6月24日22時ええ、ええ。もちろん! わたくしがこれ以上軽くならなければ、劇場でお会いすることが叶いましょう。そのために、あなただけのチケットをご用意したのですから。
(わたくしは膝を軽く折り曲げてお辞儀をすると、屋上の空にゆったりと浮き上がりました。まばゆい夕日と、街の背後にあらわれた夜の気配の、どちらもなんてうつくしいこと!)
木更さまは健康で長生きしてくださいましね。お煙草はちょっと控えたほうがよいと思いますわ。あと、ジャンクフードもほどほどに!
──ふふ。それではごきげんよう。またお目にかかりましょう!
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