【ノベル企画】春宵の華
四月上旬の某日。歩いていると、空からひらりと手紙が降ってきた。
仰ぎ見れば、伝書鳩が飛び去っていくのが見えただろう。
手紙を見下ろし表裏を確かめると『EDENのあなたへ』と書いてある。
思いきって開いてみたなら『春の花火を見に行きませんか?詳細は18:00-19:00に下記の喫茶店にて』と、待ち合わせ場所の住所が記載されていた。
気味が悪いと棄てるならばそれも良いだろう。何せ、この手紙は√能力者にしか視認出来ず触れられないのだから。
後日。指定された時間帯に狭く古びた喫茶店へ訪れたあなたは、ミルクブラウンの髪を摘んでくるくると遊ぶ、大人びた少女に出会すだろう。
「あらっ。こんにちは、先輩。来てくださったのですね」
少女は人懐こい笑顔を浮かべ席を立つと、胸に右手を添えて小さく会釈をした。既知の間柄でも初対面でもその対応は変わらないが、初めて会うなら「初めまして、星詠みのメイヴと申します」と自己紹介をする。
「ささ、是非お隣へお掛けになって?良ければお飲み物を一杯ご馳走しますよ。この店はココアがとても美味しいですが、珈琲も美味しいです」
そんな風に僅かな交流をした後──飲み物を頼んだなら、提供が済んでから「さて……」と、広げた両手の指を合わせた少女が上目遣いにあなたを見つめる。
「この度お誘いするのは一切戦うことのない、秘密の場所のご案内になります」
見付けてしまった秘境を誰かに伝えられる高揚感を隠すことなく、声を弾ませハンドバッグを漁り、地図を取り出して差し出す。
そこには√妖怪百鬼夜行と大きな文字で書かれ、次の文は乗り継いでいくバスや降車する停留所、それからどの山をどのように登るかが図を添えて書かれていた。
「こちらへ向かうとお手紙に書きました通り、数日の間、春の花火を見られるんです。近くの集落の妖怪達が人から学んだ花火作りの技術を磨いておられて、散り行く桜を惜しんだ彼等は何時からか……数日の間、桜色の花火を打ち上げるようになりました。恥ずかしがり屋で集落へお邪魔するのは難しいですが、その山からなら、誰にも邪魔されず独り占めできますよ。お誂え向きに新緑の葉が目立つ桜の樹が沢山生えていますので、過ぎ行く春を見送りましょう」
両手で持った携帯を親指で撫で、一枚の写真を見せる。
桜の樹に囲まれた少し開けた場所はシートを広げるには十分で、桜同士の距離が丁度開いたところに青空が写っており「ここから丁度、花火が覗けるんです」と嬉しそうに笑う。
「もし辿り着けるかご不安でしたら同行しますから、一緒に見ましょう。……或いは……ご存知であればシスティアかファウへ声を掛けても良いでしょう。彼等も先日連れて行きましたから、道は知っているはずですよ。では、私は本日はこれにて。20時頃から打ち上げになりますから、なだらかな山道とはいえ、道中お気を付けくださいね」
立ち上がった少女は会った時と同様の会釈をし、入口横の会計で自分の分と……あなたが飲み物を頼んだならその分の支払いも済ませて、喫茶店を出て行った。
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少し変わったお花見を。そう思い、ノベルの企画をひっそりとしております。
・おひとり様★2〜受付しております。
・ご同行者様がいらっしゃる場合は2名様までです。
(お相手様の呼び名とID、またはグループ名をお願い致します)
・リクエスト文冒頭に【花火】とご記載頂けると助かりますが、文面から読み取れれば大丈夫です。
・√妖怪百鬼夜行をご指定ください。
(その後ろはお好みでどうぞ)
お届け後、『 #春宵の華 』とタグを付けさせて頂く予定です。
特に屋台など何も無い、出会うとすれば小動物くらいの、寂しげなぽつんと開けた平らな場所です。
倒木で構わなければ、ハンカチを敷くなどして腰掛けられます。
飲み物や食べ物を持ち込んだりしてお過ごしください。
当方の力量不足で書ききれないと判断したもので無い限りは、有難く全てお預かり致します。
それでは、ご縁がありましたら、何卒宜しくお願い致します。
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また、下記三名のみご指名でお呼び頂いた際は、お邪魔させて頂きます。
・イル・メイヴ……どなた様でもお気軽に
・ファウ・アリーヴェ……相互で感情を抱いている方のみ
・システィア・エレノイア……感情活性12番目まで、または所属旅団が同じ方のみ
イル・メイヴ 4月8日19時マスターページへ戻るリンクになります。
https://tw8.t-walker.jp/scenario/master/show?master_id=msh0054218
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