【随机应变】
兄は、犬にもう少し外で遊んで来いと言った。人間性が育つことを喜ばれ、他人と接することでこの犬が学びを得ることがわかると、兄の決断は早い。今度は、”より便利になれ”と要求した。
犬には兄の意図がわからなかったが、命じられたのなら行くだけだ。
√ウォーゾーン。
無限の機械が大地を覆い、人類ごと文明を、世界を、貪りつくしている。
まず最初にこの大地に通じてから、どれほどの時間がたっただろうか。犬は、襲い来る機械に高揚した。殺意も感情も何もない、無機質なそれを破壊することなど容易い。新しいおもちゃを次々と壊してまわるように、体力の続く限り何度も繰り返した。
――|体力が続けばよかった。《・・・・・・・・・・・》
飲まず食わずで数日を過ごし、とうとう体力が尽きかける。いっそここで死んで、また復元して出直せばいいかとも考えたが、手土産もないまま城には帰れまい。
この場を生き残るために、命のにおいをたどった。それから、数少ない人間を見つけた。彼らが己に何か声をかけているらしいのを、まともに聞き分けることが出来たのならば、良かったのだが――。
荒野に、黒い犬のうわさが流れる。
誰の味方とも言えない、ただ往く先々で機械を壊し、人智を踏み荒らすそれは、まさに嵐のようだった。
***
【予約済】
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黑・宵刃 4月19日13時(風が、あなたの香りをこの犬に届けに来た。犬は顔を動かし、注視する。もとより目に頼っていないが、より集中して情報を得るためだった。発達した嗅覚は、|嗅ぎ分け《・・・・》に秀でている。おおよその年齢、性別、体の大きさ、若さ、――それから、情緒。)
……、(唸り声をあげるのは、まだ早い。)……。
(女。若い。機械ではない。呼吸もある。しかし、絶対的な“何か”――腹の底から警戒すべき、この玩具たちとは確実に異なった、この命を興奮させる正体不明の恐怖!)
(そう判断すれば、犬の行動は早かった。何度振るったかわからない暗器を手に持ち、怪力で踏み込み――砂塵を突っ切る!)
(逃げることなど選択肢にない!そこに脅威があるならば、|殺す《・・》!)
(首を掻っ切るイメージを具体的に描き、あなたの背丈に合わせて“確実”に犬は喉元に暗器を振るうだろう。その手袋に嵌めた、鋭利な鋼が――あなたに牙を剥く!)
(無効票)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日13時(――父は、卓越|しすぎた《・・・・》知覚と、夥しい経験によって裏打ちされた抜群の戦闘勘を持つ|人間《・・》でした)
(血こそ繋がってはいないものの、その技の粋を間近で見て、肌で感じて育った己にも僅かながらその技巧の片鱗くらいは根付いているのでしょう。ゆえに)
(――迫りくる殺意を。それが己の命を断とうとしていることを。過たず理解しています)
(奪える|命《・》など持っていない身ではありますが――なにぶん今まで|死んだ《・・・》ことがありませんから、どれくらいの傷を受ければ存在が綻ぶのかも、ひとたびカタチを失えば|同じ形《ヒトの姿》に戻れるかも定かでありません。それは避けるべきことだと感じるから、一先ず己の取るこの姿に則って、|ヒト《・・》が致命に至るような傷を避けるべきでしょう)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日13時(察知から、接敵まで。その刹那では刀を抜くには時が足りないと判断して、躊躇もなく|突き出した掌《・・・・・・》で刃を真っ向から受け止めました。手のひらを鋼が貫いても、血は流れないでしょう)
(そのまま、掌ごと頸を貫きそうな刃の勢いを逸らすべく、外側へ流すように無理矢理に力を込めました。拮抗くらいはできるでしょうか。出来れば十分です)
(普通は貴方ほどの膂力を前にしてこのようなことをすれば腕の方が耐えきれずに拉げるか、刃が肉を裂いて外れてしまうのでしょうが――生憎、|普通《ヒト型》なのは見た目だけ、大事ありません。或いは貴方は、曇り硝子の様に半ば透いた掌の異変に気付くかもしれませんが)
――……不躾な方でございますね。
(その掌越しに、異色の瞳を向けました。)
(しかし、困りました。どうにも|ヒト《・・》に感じませんが、見目は少なくともヒト型です。むやみに殺生して良いものか、判断がつきませんね)
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黑・宵刃 4月19日14時(この犬の一撃を耐えるのは、犬が知る限りでは|賢い《・・》人間か、兄姉のみである。)
(そして、だいたいの生き物には行動パターンがあった。暗殺者同士であれば、まず『初手』で決着がついている。しぶとい生き物は、相手もこちらを殺すしかないから、先にどちらが致命に至るかの持久戦に持ち込んでくるだろう。そういうときは、決まって犬が牙を離すことなどない。肉を削ぎ、骨を断ち、命に食らいつき続けて、死ぬまで、頭が壊れるまで、|殴る《・・》だけ。)
(いつも通り、そうするはずだ。)
――?
(確かに感覚がある。ほぼ刺突に近い指先の鋼は、女らしい掌を貫いていた。しかし、嗅ぎなれた血の香りがしない。まして、破裂もしていない。拮抗している!)
(確実に大きさも重さも、優位に感じていた。全身の毛が逆立つ――見誤った!)
哎,――これはこれは、|失礼を《・・・》。
(喉の奥で唸り声をあげる。貫いた掌から、指を抜こうとした。)
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黑・宵刃 4月19日14時まだ、|躾中《・・》の身でして!
(生命の危機に晒され続けていてすっかり興奮しやすくなった頭に、あなたという|未知《恐怖》が冷や水となっている。)
(――ようやく、己の口を舐めた。乾いた唇に潤いが戻る。捕食者のように見えたかもしれないが、ただ自分の心拍を下げようとしているだけだ。)
(|殺す《・・》以外の選択肢を探している。――生き延びることだ。相手の出方がわからないでいる赤い瞳は、異色のそれから視線を逸らせないでいた。)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日14時構いませんわ。
戦に生きる者なれば、|普通《・・》の反応でございましょう。
(――母は永きを生きる聡明な魔術師で、己と同じくして仮初の体を持つ者でした)
(己を|この形《ヒトの姿》に定めてくれた彼女の力で、|本質《・・》は仮初の体の奥深くに沈められ、この|左眼《門》を介さなければ外へ出すこと叶わない。けれど戦に長じる者ならば、或いは|死《それ》を嗅ぎ分けるに長けた者ならば、このような反応をするのは頷けるものでした。いつも野生の動物には逃げられてしまいますしね)
(――どんな生き物も、命を刈り取る永劫の暗闇は恐ろしいものでしょうから)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日14時(刃を抜こうとするのならば抵抗はしません。殺意を薄れさせたというのがわかるから、視線を合わせたまま貴方の挙動を許容するでしょう。)
(視線を外さないのは、父の教えもあってのことでした。何があっても相手から目を切らないこと。最期の瞬間まで、観察を怠らないこと)
躾中。……でございますか。
この辺りは随分と|静か《・・》ですが、それも貴方の――ええと、主がいらっしゃるのかしら。その方のお言いつけですか?
(この辺りの何方かの子飼いの傭兵かしら?)
(――というには、雰囲気が少々違いますね。いえ、父を基準にしてしまうとそれもまた判定に難が生じる気はいたしますが……あれは精鋭という言葉でもまだ温いレベルの歴戦兵でしょうし……)
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黑・宵刃 4月19日14時(この犬に、人間のような聡さはない。しかし、生存欲求に対する本能は、ずっと備わっていた。あなたから安々と鋼を抜けたことからも、まだ恐怖はぬぐえない。耳が真後ろに寝て、身を軽く、前にかがめている。ヒトの顔は笑むものの、小さく唸りながらだった。犬の視線は変わらず、あなたから離せないでいる。)
谢谢你。
(あなたが|理解する通り《・・・・・・》の意で。)
いいえ。主は殺しました!
(はっきりと応える。)
この世界に来る前に。
(もう顔も覚えていないが、前の主の知り合いか、何かか――と考えても、この顔つきにも、香りにも覚えがない。犬がゆるく首を傾げつつ、立てていた尾をゆっくりと下げていく。)
……この世界に来てから、何もかもが私を襲うものですから!
|勉強《・・》に来たというのに、参ったものです!
(犬が『生き延びる』ために頭に思い出したのは、長兄の姿だ。)
……
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黑・宵刃 4月19日14時(長兄はずっと犬より強い。彼は何より、頭がいい。)
(身体も脳もこの犬より大きく、眼も六つ顔に備わっていて、腕も六本あった。すべての腕が常に違うことをしながら、客人の相手をしているのを何度も見ている。それが、『生き延びる』姿だ。彼のまず、一番の武器は――『会話』である。)
(完全に模倣できるとは思っていない。しかし、今、この場で頼れるのは、記憶の中の彼だ。)
あなたは、――この機械たちの味方ですか? それとも敵でしょうか。
非礼を|お詫び《・・・》します、女士。どうか、ご容赦を。正気ではなかった。
(両手を胸元まで掲げ、恭しく礼をする。すっかり敵意はない時は、こうするはずだと思い出していた。あなたが敵であれ、味方であれ、何であれ、犬は争いを避けたいのだ。今のところ、絶対的な勝ち目を見いだせない。)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日14時…………。
(主を殺した?)(――「メイドさん」としては理解の及ばない事態ですが。ある種の人の世にそうした事柄が悲しいかな、日常茶飯事であることは知っております。ですから、深く探りはいたしません。気になったのは、続いた言葉の方)
(世界を渡ったことを理解している。つまりは、|同業者《√能力者》ということでしょう。であれば次に考えなければいけないのは、|敵方《簒奪者》であるか否かですが――)
(――それは、恐らくないでしょう。そう思います。だって、そうであるのならばこのように己へ対して|交渉《・・》をかける必要などないだろうから)
……そうでございますね。
この世界では、生命体は皆、殲滅の対象となるようでございます。
(そういえば、それを考えれば己にも「生命」と判別できる特徴があるということでしょうか? ――いえ、ヒト型を自動で選別しているだけかもしれませんね)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日15時(そのような世界で|勉強《・・》、というのも気にかかりますが――この世界のことをよく知らぬ様子であるのは、続いた言葉を聞いても理解ができることでございましたから、きっと己と似たような動機なのだろうと勝手に解釈いたしました)
いいえ、謝罪には及びません、黒の御方。
貴方が刃を引いてくださったので、何事もなくこうしてお言葉を交わすこと叶っておりますから。
(貫かれたはずの掌はやがて、ヒトの肌の色を取り戻すでしょう。すっかり人間のそれと変わらなくなった掌には、貴方のつけた傷などどこにもなかったかのよう)
そう……ですね。
わたくしとこれらの|機械《もの》たちは、どういった縁もございません――強いていうのなら、彼らにとっては敵であるのでしょうが。
わたくしにとっては、刀の錆にしても差し支えのない的、くらいのものでございますわ。
貴方も、……少なくとも、お味方ではなさそうですが。
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黑・宵刃 4月19日15時(会話が、ある。犬はようやく、あなたから目をそらした。)
(犬にとって、注視をやめるということは敵意を失い、降伏しているに等しい。兄はここでなお、相手に目を合わせていた。しかし、所詮は模倣だ。真っ先に自分の|癖《・》が出ている。)
|什么《なんですって》!?
それは、それは。いえ、何となくそういう世界なのかとは思っていたのですが――。
(半分は嘘である。犬は、ただ必死に生きていただけで、この世界の在り方を考えたことはない。しかし、半分は本当だ。世界を歩くだけで機械に追われ、夜が明けるまで三日寝ずに戦ったりもした経験がある。)
真⼼感谢您,お怪我は、――!
(あなたが許してくれたことにまず、感謝をする。抱拳礼を組んだあと、あなたの傷を心配する素振りをした。耳が今度は真横に動いて、あなたの掌を見ている。)
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黑・宵刃 4月19日15時哎呦喂……。
(信じられない、といった顔だ。)
(自分の兄姉も、己も『修復』はできる。しかし、ここまで『直ぐ』ではない。)
(疲れてて見間違えたのかと思って、あなたの顔と傷を何度も見比べるだろう。そもそも、傷と呼べるのかも怪しい。あなたから血の香りがしないことに、依然、犬は驚いていた。)
良かった。あなたの|持ち物《・・・》なら弁償しなくてはいけませんから!
哈哈,では、敵の敵ですから、味方ということですね。ああ、よかった。本当に心細かったのです!
(刀の錆、と言った。獲物は本来、刀か――となれば、刀を抜かずで圧倒された。底知れないなと内心、犬はあなたに感嘆する。圧倒的な実力差は、肌身で染みた。)
黑・宵刃と申します、どうぞよろしくお願いいたします、女士!
(何か渡せればいいのに、こういう時に限って名刺も、荒野に必要な水もない。衣服を探ったが何もなかった。手袋を外し、握手として手を差し出す。)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日15時(目を逸らす貴方を見て、なぜか父を少しだけ思い出していました)
(あの人が|目を切る《・・・・》相手は、|絶対的に信頼している《この人に殺されるなら仕方ない》という相手だけですから、少し意味合いは違うのでしょうけれど――少なくとも、敵意の喪失という意味では似たようなものだろうと。そう判断したから、己もまた貴方から視線を少し外します)
(――父ならそれでも目は切らないのでしょうが。あの人は目の前の相手を注視しながら目以外で周囲の状況を余すところなく把握できるからであって。いまこの瞬間にも|新手《・・》の訪れるかもしれない土地で、ずっと目の前の相手に格別の注意を払い続けていることは、己には少々難易度の高い事でした)
(とはいえ、周囲を窺うに今のところ近々の脅威があるようには思えません。すぐに貴方へと、意識を戻しました)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日15時問題ございませんわ。
何事もなかった、と申し上げました通りでございます。
(貴方の驚いたような顔、その視線の先へ、掌を見せつけるように翳してみせました)
(「メイドさん」たるもの、直截な物言いはいたしませんが――敢えて言葉にするのならば「貴方の非礼を許します」というような意味合いになるでしょうか)
ふふ、心細かったと仰るにしては鋭い技の冴えでございましたけれど――あぁ、失礼。
ともあれ、ええ、貴方の|勉強《・・》の援けになれそうなことは、はい、保証いたしますわ。
ツェツィーリエ・モーリと申します。何れも|名《・》でございますので、如何様にお呼びいただいても。
(父の姓をいただいておりますが、名乗りを聞いた父が「締まらないから省略して良いよ」なんて仰るので、普段は名乗っておりません。義姉も似たようなものですから、父にとっては姓の有無は家族と名乗るのにさしたる問題ではないのでしょう)
(それから――)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日15時(差し出された手を見て、少しだけ考えましたが)
(――気を遣わせる、|否《いいえ》、余計な警戒を抱かせるかしら、)
(そう思って、握手に応じました。指先まで気を張って、貴方に己の権能が及ばぬよう留意します――もっともこれは、母が能く封じて下さっているので、暴走の危険はないでしょう)
(ただ、貴方にとって、|門《私》の向こう側にある|死《・》の気配がどう感じられるものかがわからないので――その点は少々、心配ですが)
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黑・宵刃 4月19日16時(まるで、姉のように話す人だ――と、犬の頭によぎる。ようやく顔の緊張がほぐれてきた。尻尾をゆらゆらとさせながら、すっかり瞳は機嫌をよくしている。あなたからの視線も途切れたから、これで「お互いに敵意はない」。)
(それから、あなたに許される。今、犬は脅威を搔い潜れたことに安堵した。|存在《いのち》の危機を脱せたのは、長兄のおかげで違いあるまい。今までだったら、きっとあなたにがむしゃらに襲い掛かって、どちらかが死ぬまで戦っていた――心の中で感謝をして、深く息を吐く。)
とんでもございません!まだまだ、修行不足を痛感していますとも。
世界のことも、|ひと《・・》のこともまだまだ、理解が及んでいませんので――。
(励みになります、と首を垂れ、犬は自分の言葉を頭の中で繰り返していた。足らない。何もかも。場慣れも、余裕も、――ただ襲い掛かるだけではいけないことを。)
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黑・宵刃 4月19日16時ツェツィー、(聞きなれない音だ。)
(犬は、何度か首を傾げた。発音を調整してから)では、ツェツィさんと。――異国、異世界のお知り合いは未だ少なくて。
(手間取ったことに説明を付け加えて、一番呼びやすい部分を抜粋した。)
(あなたの躊躇いを|嗅《・》いでいる。)
(根源的な恐怖は常にあなたから感じているが、恐怖に自ら触れる必要があると思ったのは、この犬の好奇心もあるが、『把握』するためだ。)
(手が触れ合ったとき、あなたは目にしたかもしれない。この犬の手に、無数の目と牙を携えた口が一瞬――滲んだ。それが、たちまち人の肌に戻る。もし、あなたがそれを見たのならば、なにを感じただろうか。すべて、「この犬の」目で在り、口である。)
|変わって《・・・・》いらっしゃる。
お互いに、と言うべきでしょうか――好いご縁だ。そう思いませんか?
(|己の唇を舐めた《カーミングシグナル》。あなたの手から、ゆっくり離れた。)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日16時それに関しては、わたくしも同様です。
主の為に完璧を期さなければならないというのに、いつも人の世で生きるに知らぬことが多すぎるな、と痛感する次第でございますわ。
まだまだ研鑽が必要でございます――この土地を訪いましたのも、それが故で。
(とはいえ、刀として研ぎ澄まされて在ることも無論、その一環でございますが――ヒトとの関わりの中で培わなければならないことも多くあるもので。毎日のようにこうして足を運べるというものでもないのですが)
あぁ、そうでございますね――御名前の響きからして、慣れぬ音でございましたか。
そのようにお呼び頂いても構いませんし――音に出し辛ければ「鳴宮」と。わたくしの姓でございます。
わたくしは……、宵刃様、とお呼びしてもよろしいでしょうか。
(日本では姓が多いようですが、|中華系《そちら》では姓と名、どちらで呼ぶのが適切なのでしょう。定かでなかったので、貴方に伺うかたちといたしました)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日16時――。
(貴方の手が触れる。)
(その手に刹那浮いたものを見遣って――間もなく。触れた手の先から感じ取れる深い|気配《混沌》に、思わず眉を跳ね上げたのは、貴方にも気付かれてしまうでしょうか。いけませんね、「メイドさん」たるもの、如何なる時も己の感情を制御できなければいけないというのに)
(貴方がただの「|ヒト《・・》」|ではない《・・・・》ということに、つい安心してしまいました。少し触れたところで、きっと、貴方はどうともならないのだろうなと思ったから)
ええ、そうでございますね――こういうのも巡り合わせ、というものでございましょうか。
今日この地に足を踏み入れたうちで、最も価値ある縁であると申し上げるべきかもしれませんわ。
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黑・宵刃 4月19日17時(|似ている《・・・・》。)
唉,――心底、そう思います。
(目的が似ている。犬は、己より遥かに経験と、世界を知っているだろう人でも未だ学ばねばならないと思っていることに感銘を受けていた。|√仙術サイバー《知っている世界》では、そういった人柄はなかなか見かけない。誰もかれもが武力を是とし、上層に成り上がることを考えていても、己を研鑽することを考えているだなんて。しかも、それが、主命であるなんて――)
尊敬いたします、小姐姐!
(仔犬が吠えるようにして、尻尾を振った。)
ああ、どうも|私ども《こちら》の発音ではうまく舌が動かず――啊,そちらのほうが呼びやすいです!では、鳴宮と!鳴宮小姐姐!
はい、私のことはそうお呼びください!
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黑・宵刃 4月19日17時(先ほどまでの殺気も警戒も嘘のよう。この犬も良いところでもあり、悪いところでもある。|短期記憶が苦手だ《一度で覚えられない》。あなたから感じていた恐怖よりも、圧倒的に親しみのほうが上回っていた。)
――そう言っていただけたのなら、この|犬《・》も嬉しい限りです!
(あなたから嗅ぎ分けられた感情は、いくつかある。緊張、恐怖、驚き、それから、安心。犬は社会的な動物だ。群れをつくり、集団で暮らす。出来る限り争いは避けたがり、敵には集団で立ち向かう。そして、ひとに依存する。生きていくために、ひとがたであるあなた達の隣人であろうとするのだ。)
(――たとえ、)
(得体のしれない、|何か《混沌》であっても。)
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黑・宵刃 4月19日17時……?
(耳が、動く。嗅覚が、あなた以外を探った。)
(何かが、こちらに向かってきている。エンジンの音、オイルのにおい、電気のうねり。)
哦、鳴宮小姐姐。何かが此方に来ています。
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日17時ふふ、有難うございます。
貴方のように卓越した使い手の方と志を同じくしていると思いますと、わたくしとしても嬉しく思いますわ。
(口調こそ平時の「メイドさん」の|わたくし《・・・・》ですが、声音や態度は平時に比べ、|従者らしさ《へりくだった言動》を意図的に薄く話していました。どうしてか、貴方とお話しする時はそうするべきだろうと思ったのです)
はい、そのようにお呼びくださいまし。父上とお揃いの姓でございますから、時折は呼んでくださる方がいらっしゃると、わたくしも嬉しく思いますから。
(それは、わたくしが|家族《・・》として認められている証であるとも思うのです。だから――そうであることを保証して下さるお声に安心を覚える)
有難うございます、では、あらためて宵刃様と。
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日17時はい、互いに喜ばしい出会いであったのなら、何よりでございました。
……そういえば、宵刃様は随分長くこの辺りで機械群を散らしてお出ででございましたね。随分と多くの残骸を目にいたしましたわ。
(貴方のご様子を見れば、見たところ少し疲弊しているようにも見えました。少なくとも万全ではない、戦から戦を渡り歩いたに似た風情です)
(話しながら――貴方のお言葉に、表情に、仕草、態度に、どこか親近感を覚えるのを自覚していました)
(わたくしには貴方の内側を読むことは難しいですが、貴方が外に出しているものからうかがえるのは、人の隣に在ろうとする意思でした。それは――たとえ理由が異なったとしても、己の裡に在るものと近しい思いに感じられたからです)
(だから、)
もし帰り道や|勉強《・・》の手段にお困りなのでございましたら、わたくし、少しでしたら案内が――
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日17時(そのような申し出を――口に出しかけたのだけれど)
(貴方の耳が何かを察知したようにぴくりと動く。そうして己が、貴方の反応した|何か《・・》に気付くよりも早く、貴方が言葉で促したから。己もまた周囲を探るべく暫しの間意識を外へ向けました)
……どうやら、そのようでございますね。
お話は、それを退けてからにするのが良さそうです。お体に差し障りはありませんか?
(――先程の技の精密さ、迷いのなさを鑑みるに、問題なさそうにも思いますが。念のためお訊ねいたしました)
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黑・宵刃 4月19日17時(ひとがたの体温は好きだった。自分よりずっとひんやりとしていて気持ちいい。彼らのそばにいると、心の底から落ち着ける。己とはまるでそうあるべくして生まれてきたのだという多幸感にすら満ちている日々だ。そして――それに、この犬は|執着《・・》している。 )
(だから、あなたと交流するのも犬にとっては守るべき執着の対象だった。)
(兄の真似をして会話を試みれば、あっという間に打ち解けられた。絶対的な根源の恐怖そのものがやってきたと思ったのに、今となっては隣に立ってみせている。とても心地いい|いつもの《・・・・》距離だ。)
…………(ぐるるる、と喉が唸る。顔が険しくなり、毛が神経でも通っているかのように広がる。)|别跟我胡扯《鬱陶しいな》……。
(身体――わずかに露出している肌から犬の姿をした影たちが出てくる。それらは、この犬と全く同じ表情をしていただろう。警戒をむき出しにして、赤い瞳が睨む。)
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黑・宵刃 4月19日17時身体は多少飢えていますが、問題ありません。しかし、武器が心許ない。
鳴宮小姐姐、ご一緒いただけますか。
(気配をたどった先から、視認できるようになってきた。巻きあがる土煙の向こう、じいっと見つめていると、無数の機械脚の地響きが近くなってくる。)
(犬たちが吠えたてる。この犬もまた、暗器を両手に構えた。)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日18時…………。
(――敵を前にした貴方のすがたはまるで獣のようなそれでした。遅れて、そうか、と貴方の|ありよう《・・・》を悟ります)
(見遣った先、獣を象った影が生まれ出る様を見て、想起するのはやはり、父のことと――そして、義姉のことでした。掌から染み出すようにして生じる影の銃、あらゆる形を象る影の蔦。原理こそ違えど、それらと何処か似通った眼前の光景に――なんとなく、貴方の隣に立っていることに昂揚を覚えてしまいます)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日18時無論です。ご一緒いたしましょう。
……然し、そういうことでございましたら後ほど補給が必要でございますね。
(それは心に留めておきましょう、)
(言葉を発した時にはもう、視線は大挙する機械群へと向いていました。刀を抜き放った時には己の権能を既に降ろしています――境界たる己の力を限局させずに纏えば、それは|生命に満ちた世《・・・・・・・》に於いて門の向こう側から立ち上る死気として発露し、数多の死を取り込んだ仮初の体を補強し、あらゆるものに死を与える権能を示す――これはヒトの思う|死《・》というものに近しい概念を広く内包するゆえに、生命持たぬ者に対してもその力を揮うことが叶います)
ただ、巻き込まれぬようにご注意を――無論、わたくしも気に留めますが。
(無効票)
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黑・宵刃 4月19日18時(犬たちと同時に、怪力の踏み出し、正面から――機械群に突撃する!衝突、のち、轟音が空気を震わせた!)
(砂煙は中央から穴を開けたように割れ、一瞬、犬の体も宙に舞う。しかし、体から出た黒い獣の腕が、スクラップと化した機械にしがみつき、這いまわっていた!的確に暗器を繰り出し、コアを砕く。動力源は犬の知る由でないが、「壊せる」ならまるで丸めた紙のようにしてしまえばいい!犬たちが乱暴にコードを引きちぎり、マシンの動きを止めていく中、この一匹では受け止められなかったぶんの機械があなたのほうに流れていくだろう。)
鳴宮小姐姐!!
(それらを追いかけ、一機に掴みかかり、拳の鋼で殴りつけ、中身から破壊する。犬が機械に食らいつき、体を爆ぜさせる。それでも足らない!振り返り、犬はあなたに吠えた!あなたを――恐れていない!いまなら、あなたの斬撃を避けられる!)
(無効票)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日18時(多少で宜しいのですか?)
(――口元を少し持ち上げて軽口の様に発した言葉をかき消すような轟音は、貴方の動きに少し遅れて耳に届きました。まるで弾丸のように飛び出した貴方の身体から伸びる獣の腕が、機械たちのただ中を這いまわるように蹂躙していく様が己の目にも見えていた)
――茫洋の海に降りよ、
(駆けながら呟くのは、|権能《ちから》を重ねて降ろすための|詠唱《意識付け》。己の纏った死気が抜き放った刀にまで及び――漆黒の霧を纏わせる)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日18時(慣れた所作で刀を構えます。眼前へ迫る鋼機を目にしても心に波が立つことはありません。常に凪いでありなさいと、父はいつも教えていてくれましたから)
(そうでなくとも恐れは一切なかったかもしれません。ただ力を揮うだけ――それで良い相手に怯える道理などどこにあるでしょう?)
(振るった刃は機械群を数体纏めて引き裂いたでしょう。通常の刀では決して実現されない、剣術家からすればおそらくは荒唐無稽な斬撃――けれど貴方の声に恐れも不安もなかったから、過度に気を払うことなくいつも通りに斬りました)
(真一文字に刻まれた傷痕それ自体が致命的な損傷を与えたわけではありません。動力源に届いてはいない。けれど、そこからひび割れの様に亀裂が広がり――機械たちがまるで虫に食い荒らされるように急速に錆び朽ちていく様は貴方にも見えたでしょうか)
(それらは目に見えて動きを衰えさせ、やがて|物言わぬ残骸《死骸》になるでしょう)
(無効票)
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黑・宵刃 4月19日19時(見ていた――)
(|異常《・・》なまでのひとがたへの執着は、|期待《・・》でもある。)
(心の底から喜んでいる。体の中にある無数の口が笑い、眼すらも笑んでいた。まさか、ここまでとは!)
(ひとがたは、まったくもって素晴らしい!)
(一閃のあと、散ってゆく。しがみついていた機械のボディが、部品一つに至るまで錆びて、瞬く間に朽ちていく。手を離したときにはぐずぐずと崩れ、腐食のようだった。物言わぬそれらを踏みながら、衝撃を殺して地面に着地する。)
|真的很出色《おみごとです》!
――すばらしい、奴ら、直ぐ動かなくなりました!鳴宮小姐姐、あなたは素晴らしい力をお持ちだ!
(ぴょんぴょん跳ねて尻尾を振る。体に犬が戻っていくのも気にせず、大きな犬があなたの周りを落ち着きなくうろうろとしていた。興奮している。まるで、盛大な手品でも見たかのようだ。)
いったいどうやって……それも学びから得た技術なのですか!?
(無効票)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日19時(ヒトは、死を恐れるものです)
(――当然のことでしょう。彼らはそれを遠ざけるためにあらゆる技術を磨き、社会を作り、互いに助け合い、文明を積み上げてきた)
(だから――)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日19時え、あ、ああ……、有難うございます。
(貴方のその反応は、全く以て想定外のもので。おそらく、今日一番、己の表情が分かりやすく戸惑うようなものに変わったのではないでしょうか)
いえ、これは……研鑽の末に得たものというわけではなく……そうですね。
わたくしに固有のものと申しますか……
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日19時――生まれつき持っているもの……というのが、近いですね。
わたくしは、生あるものに|死《・》をもたらす力を持っております。
(半分の事実で、正確ではない。本来は――境界であるゆえに、どちらにも染まり得る。きっと、死を生に転ずることもできるのでしょう――けれど母がそれを封じて下さっている。加えて、己の権能の及ぶ世界には大概に於いて|生《・》が溢れているがゆえ、振るう力の表現型は|死《・》に似ることが殆どです。こう伝えて大きくずれた話ではないでしょう)
機械にとっての|死《・》とは、動かなくなること。寂びて、朽ちて、土に成ること。
それゆえにわたくしの|権能《ちから》は、それを引き起こすものとして顕れた、ということになりますね。
(とはいえ、力を封ぜられている今、何の因果もないところに死をもたらすのは難しい。斬りつける、という所作が術式の|起点《トリガー》になっているようなものですね)
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黑・宵刃 4月19日19時哇塞!仙術の類ではないのですね!
(戸惑うあなたの表情もそっちのけで、心底うれしそうにしていただろう。無邪気に、どこまでも――|冒涜的《・・・》に。犬に自覚はない。しかし、この犬は|いつでも《・・・・》人の隣人でありながら、ごちそうを台無しにするかのように、机をひっくり返すことだってできてしまう――あまりにお手本のような死の訪れに、好奇心が疼いていた。)
生まれつき、死を。
なんと|便利な《良い》能力でしょう。
(そんなものがもしこの犬にあったなら、齎されるのは地獄だった。犬は己にそれがないことを少し羨んだが、あなたにこそ授けられる能力だろう。あなたには、分別がある。理性がある。情緒がある。この犬には、どれも――足りていない。)
きっと、利口な人にしか使えない。使ってはいけない力ですね――(自分に言い聞かせるようにつぶやいた。)
まさにあなたのための|能力《ちから》だ、鳴宮小姐姐!
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黑・宵刃 4月19日19時(うろうろと砂を踏み、足跡を何度も付けながら、ようやく体にすべての犬が戻ってきた。ごきごきと一度、手首を回す。)
よし、ここにずっと居たら、また奴らが追撃してくるかもしれません。
機械が羨ましくてたまりませんよ、いつまでも戦っていられるのだから――ここから離れませんか。と言っても、行く当ては思いつかないのですが。
(砂煙は収まり、また静かになる。ということは、第三波がやってくるかもしれない――鉄くずを作り続けてもしょうがないとは知っていた。頬に張り付いた砂を掌で落とし、日照りに目を細める。)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日20時(貴方の表情も反応も、喜色を滲ませる声音も、やはり|ヒト《・・》ではないのだな――と思わされる様でした)
(けれど、戸惑いのあとには安堵が生まれたことでしょう。己の力を恐れずにいてくれる存在というのは、稀有なものなのです)
……はい、仙術とはまた異なるものでございますわ。
恐らく――という枕詞がついてしまうのですが。わたくしも、原理を完全に理解しているわけではありませんから。
(理解する必要もない。ただ、己が「そういうもの」だから、それができる。それだけのこと。息をすると同じ程度の所作です。術式を必要とするのは、それを引き出すために工程が必要だからではなく――)
(――それを引き出し|過ぎない《・・・・》ために、幾重もの術式で覆って限局している。指先ひとつで理不尽に齎してしまえるものを、ヒトの世のルールに合わせた形で発露させるために、敢えて術式で縛っているというだけ)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日20時わたくしの為の力――
(であると、思ったこともない。己だから持ったものではあるでしょうが、己に相応しいという観点で考えれば、きっと、そうも言えないのでしょう)
(術式で幾重にも縛って。その上で、「|メイドさん《己の役割》」で強く自身の性を縛り付けていなければ、簡単に|現象としての在り方《本能》に傾いてしまうのでしょうから)
(けれど――)
…………いえ。そう、でございますね。
貴方のお言葉も、一理あるのかもしれません。
(少なくとも、|そうしない《・・・・・》つもりがある、という意味では。そうなのかもしれない、と――思えました)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日20時(ふ、とひとつ息を吐いて。貴方が完全に影たちを体に戻すと同じくして、刀を納めました)
ふふ、そういう意味ではわたくしも少々あちらに近いかもしれませんわ――ええ、そうですね。
恐らくこの衝突を察知してまた軍勢を率いてくるでしょうから、離れた方が宜しいでしょう。
もし――この土地でのご用事がお済みなのでしたら、どこか食事ができるところまではご案内いたしますが。
まだこちらに留まられるのであれば――何処か、人類の管理下にある戦闘機械都市を目指すのが宜しいかと。
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黑・宵刃 4月19日20時(やはり、今の己を極めたところで手に入らない力か――と、犬もようやく自分の中に落とし込んだ。本当に犬からすれば、喉から手が出るほど欲しい。愚かであるから、その力を振るう恐怖がわかっていないのだ。)
(いいや、振るう側に立てば、一切の恐怖も感じないだろう。)
(犬は、ますますあなたが気になるようだった。尊敬し、羨むべき――ひとがた。)
羨ましい。この身はここ一週間ほど走り回って、戦いすぎてしまいました!
すっかり備蓄も尽きて、何より飯がもう足りておらず……。
(くん、くーん、と切ない音が鼻から漏れ出る。)
(犬が帰るかどうか尋ねられて、少し考えるそぶりを見せた。軽く体をぶるぶると振って、砂を落とす。)土産話が出来た、――か。
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黑・宵刃 4月19日20時(それから、あなたに微笑みかける。)食事をいただきたいです!!
先ほどすこしだけ機械をかじってみたのですが、どうにも食べられたものではありませんでした!
(案内を待ちきれないのか、足が弾んでいる。あなたを呼ぶように、)
鳴宮小姐姐、私はどこに行けば!?
(吠えていた。)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日21時(まるで犬のような鳴き声が漏れるのに、小さく笑みが漏れました)
(その仕草だけを切り取ってなんとなくお可愛らしいな、などと思えるのは――やはり己が人間ではないゆえなのでしょうか、なんて頭の隅で思うのですけれど)
ふふ、元気がよろしいですね――機械は少々歯に悪そうでございますから、出来ればお肉や野菜にするのが無難かと存じます。
何がお好きでしょうか? 好みに合わせたお店をご紹介いたしますわ。
あるいは、お帰りの土地があるのでしたら、そこまでご案内いたしましょう。
(問いながら――普通のお店にお連れして問題ないかどうかを、少しだけ考えました)
(まぁ、もし、難しそうなら――実家を頼りましょう。パン屋と銘打っていますが、言えばどんな料理でも何故か出てきますから。この間森番様がいらしていたそうですから、お肉の在庫は潤沢でしょうし……)
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ツェツィーリエ・モーリ 4月19日21時はい、宵刃様。まずは、ここを抜けて……近くの道沿いを歩きましょう。
道の真ん中を歩いてはいけませんよ、脇を……あの、道沿いにある赤い光から隠れるようにして歩きます。
そうすれば、なるべく見つからずに移動できますわ。
(センサーの類を|殺せ《・・》そうではありますが、それはそれで後々面倒を引き起こすでしょうから。幸い、貴方はとても俊敏で器用な方に見受けますので、センサーの感知範囲を避けて歩くくらいは、造作もないことでございましょう)
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黑・宵刃 4月19日21時はい、元気です!
(元気なことは取り柄であるから。)
(犬があなたに言われて、そういえば何が好きだろうと考える。)
好き嫌いを持たないよう教育されていたので、そうですね……。
(肉を食べすぎると狂暴性が増すから、気をつけなさいと姉に言われていたし、兄からは野菜をたらふく食べろと言われていた。食べて良いと言われると、いつまでも食べてしまう。ため食いは習性なので治しようがないが、満福中枢をすこしでも刺激するように言われていた。犬にとって、食事は娯楽ではなく作業だったので――)
しいて言うなら、茶菓子は好きだと思います。
(最近、知り合った彼らに与えてもらったものは、特別だった。)
(家族と食べたあの空気も、彼らと食べたときも、確かに飢えを満たすにはあまりに小さい量だったのに、どこか満足感が高かった覚えがある。)
ただ、腹は満ちないので、そうですね。やはり肉かと――。
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黑・宵刃 4月19日21時あの赤い光を。わかりました。
(あなたの指示には従順であった。)
(あなたは道中、気づいたかもしれない。この犬は、命令または指示さえあれば確実に、果たすことができる。あなたを手本に、模倣するように動いていた。)
(赤い死線を潜り抜けながら、あなたの案内するところまで。犬は機嫌よく、そして段取り良くついていくだろう。あなたが予想する通り、造作もなく。)
(――闇に紛れながら、|死《あなた》の後ろを。)
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