夜間興行

https://occulteden.jp/66

フランセット・ヴァロワ 4月22日00時

タイトル:
「まさに、“劇的”」──某劇場の幽霊の正体とは? 関連事件を解説!

本文:
 ドルリー・レーン王立劇場の“灰色の男”、オペラ・ガルニエの“怪人”、デューク・オブ・ヨーク劇場の“マダム”。古今東西、劇場にまつわる幽霊の噂は後を絶たない。

 こうした幽霊騒ぎの本質は、劇場という非日常の空間がいかに人々の想像力を掻きたてるかということだ。暗闇、大道具、ビロードの袖幕の照り返し、照明が生み出す影……幽霊を「見た」という報告のない劇場であったとしても、そこに「いる」と確信させるなにかがある。

 劇場には虚と実があり、舞台上で演じられる壮大な夢は、壮大な嘘でもある。劇場とはそういう場所なのだ。
 劇場と幽霊を切り離して考えることは難しい。役者のすばらしい演技のことを「憑依」と表現することもあるが、それもまた、“劇場の幽霊”と称される存在と無関係とはいえない。

 さて、多数の“劇場の幽霊”の目撃報告がありながら、『汎神解剖機関』が立ち入ったあとも変わらず幽霊が目撃されている。それが◻️◻️劇場だ。
 元々は有力貴族が所有していた劇場だったが、民間の資産家によって買い取られ、その資産家の類縁者によって現在も変わらず運営されている。

 幽霊の正体として有力視されているのは、この資産家の一人娘だ。
 彼女はこの劇場の看板女優として活躍していた人物だった。非常に裕福な家庭に生まれ、芝居の才能にも恵まれていた。彼女が主演の日は、劇場周辺の花屋から花が消えたという。

 しかし、彼女にはある秘密があった。
 余命わずかな恋人の存在である。

 その事件が起きたのは、ある雨の深夜。
 劇場の閉幕後、人気のなくなった劇場前広場で、二人は折り重なるように倒れている所を発見された。
 現場には銃が二丁残されており、死因はそれぞれの心臓を貫通した弾丸によるもので、どちらも即死だったと伝えられている。
 心中事件として処理されたこの出来事は、当時の新聞にも大きく取り上げられた。

 だが、この事件には奇妙な点もあった。

 現場に残された銃のうち、一方には六発中一発だけ弾丸が装填されており、もう一方はは六発中四発が残されていたという。
 事件当日は雨が降っており、銃に残っていた指紋を採取することはできなかった。二人の痕跡は、雨が多くをさらってしまった。

 彼女が主演の日は、雨の日が多かったという。

 それからというもの、この劇場では奇妙な噂が絶えない。二階のD4席に、いつも誰かが座っているというのだ。その他にも、多くの噂が寄せられいる。

 誰もいないはずの席に、黒い服の女性が座っている。
 公演中、隣にいたはずの女性が、いつの間にか消えている。
 チケット売り場で、誰もいないのに声がした。

 その中には、共通する証言もある。
 「彼女は、観客を見ていた」
 舞台ではなく、観客席を。
 まるで、誰かを探しているかのように。

 劇場は虚実が入り混じる場所だ。どれが事実なのか、ただの噂なのか、はたまた噂についた尾鰭なのかはわからない。

 ただ一つ、言えるのは、
 その劇場では、今もなお──
 彼女が|そこにいる《・・・・・》ということだ。

 …
 …
 …

このサイトにアクセスできません
サーバーの IP アドレスが見つかりませんでした。
次をお試しください

接続を確認する
ERR_NAME_NOT_RESOLVED