【闲话休题:03】
◆√仙術サイバー、Ⅳ層。香港行政自治区。
怪物は、機嫌よく帰路につく。先ほど兄が経営する薬屋を店番する天人から、帳簿のデータと売上金を家に送信したばかりだ。
金を回収するだけであれば仕事は楽なものである。今日は一体、何を手土産に花嫁の元に持ち帰ろうかと考えながら、棺桶部屋の犇めく|怪獸大廈《モンスターマンション》を、狭い廊下をわざわざ歩くことなく、それぞれのベランダを跳んで降下してゆく。
たどり着いた地面には、眠れぬからと薬と一緒に酒をあおって、だらしなくよだれを垂らして死んでいるのだか、それとも無事に胡蝶に導かれたのかはわからない人間がごろごろと転がっていた。
死臭すらこのあたりでは当たり前になっていたからだ。怪物の鼻は、混沌としたこの建物を気に入っていた。
――湿った空気は、いずれ訪れるだろう雨の気配を夜空に漂わせている。
・【誰でも歓迎】1:1中~長文RP
始めましてでも、既知のかたでも。
雰囲気で〆のご連絡をさせていただきます。
・返信速度は【中】・【ゆっくり】程度を想定。
・当キャラクターは少々、設定が特殊です。
・道案内をするか、誰かに絡まれているところを助太刀するか、――共にご飯を食べるのもOKです。便利な案内人だと思ってください。
★√仙術サイバー・Ⅳ層の香港に在住の方は顔見知りであったり、初対面に関わらずマイナスな印象でも構いません。(妖魔人間です)
・一週間ほど返信が空いた場合、こちらからご連絡のお手紙をお送りさせていただきます。
・お気軽に、ゆっくりと、雰囲気をお楽しみください。
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黑・宵刃 9月20日22時(この怪物が齎す混沌と、|暴力《・・》と共に生きることに、何故覚悟が決まったのか。)
(あなたの眼を通してすべてを|視て《・・》居れば分かったのかもしれない。怪物は、あなたを監視するのをやめたばかりだ。そのほうが面白いと思って――踏み切った判断が、香も早く実をつけるとは!)
ああ、ああ、どうしてですか、依鹿さん。いつの間にそんなにお強くなられたのです……!
(その瞬間を見たかった。怪物はあなたのことを一瞬一秒も見逃したくないというのに、そうしない。そのほうがあなたをもっと恋しく思えて、狂おしいほど慕えるからだ。)
(大袈裟に声を上擦らせて、囁くような声であなたに擦り寄る。)
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黑・宵刃 9月20日22時その通りです。あなたが狙われることがあれば私の落ち度だ。責任をもって相手を始末しましょう。あなたを|怒らせない《・・・・・》なら、厭がるのも赦しましょう。何事も相性というのがございますから。
――あなたをこの|黑・宵刃《わたし》の恋人だと知りながら、店の敷居を跨がせないというのなら。潰してしまってもかまいません。
(うっとりと、宣ってみせるとも。)
(滾る愛情の矛先を、あなたに向けてももう逃げないというのだから、怪物も遠慮がない。耳はすっかりあなたに集中していた。)
素晴らしい。
――依鹿さんが、|面白さ《エンタメ》を嗜まれるようになるなんて……!
(どうして、そんなことができるようになったのか。怪物はあなたに聞いてみたい気持ちをこらえた。ここではいけない。観客に不必要な情報だ。)
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黑・宵刃 9月20日22時(怪物は己の通信端末を取り出して、時間を表示した。)
『時間』です。本日はここまで。
(あなたにではない。無機質な声は、空間に向けたものだ。監視ドローンたちがステルスを解き、その羽を畳ませながら、影に吸い込まれるように消えていく。)
(確実に羽音が遠ざかってから――怪物は、あなたに「あの」と窺うように前かがみになった。)
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森本・依鹿 9月20日22時(キミに好かれるために、自己投資に金を注いでいた彼女たちの悲鳴は、残念ながら私の耳には届かないけれど。まあ、とんでもない動きを齎したらしい。キミの喜びようを見ていればわかることだ。)
(私がなぜ、|こう《・・》しようと思ったかというと。)
(単純に、気に入らなかっただけだ。怒る理由を放置するから、ずっと苛々してしょうがない。キミと真面目に向き合おうとすると、どうしてもキミの仕事は私の中で邪魔になる。必要だって分かっているけれど、それでも割り切れないものがさ。)(乙女心というものじゃないだろうか。)
(友人と話をしたあとに思った。私は、キミの好意を『畏れる』から、怖く感じてしまうのかも。)
(キミの合図でステルスが解かれたドローンの群れに、ちょっとぎょっとした。どれだけの数で中継しているんだ……。キミって、こういうのにプレッシャーとかを感じないんだね……。)
ん?
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森本・依鹿 9月20日22時うん。そりゃあ、考えてるよ。
(前かがみになって私にたずねるキミに、軽く頷いて返事をした。)
(だってさ、と言葉を添える。)キミと私、離れるにしてもくっつきすぎてるし、共通の友人も多いでしょ。
(まず、客観的な事実から。先生が言うように、友人というのは永遠で、それが『気まずい』のはごめんなんだ。)(恋人には終わりがあるけれど、それにしたって私たちがそれこそ仲たがいしたら、すごく困る友人の顔と、泣いちゃうだろう友人の顔が思い浮かぶ。それぞれ。)
それにさ。(キミの頬を、掌で撫でた。)多分、キミが思っているより、私は強くなっているし。
(……ああ、これを言うのはちょっと気分が良いな。)
キミがびっくりするくらい、ちゃんと、キミのことが好きだよ。
会いたくなって、会いに来ちゃうし。
作らなくていい敵を作ってしまうし。
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森本・依鹿 9月20日22時(これを言うと、キミはもしかしたら、家と私に挟まれて苦しくなるかもしれないから。)
(だから、黙っていたんだ。でも、今はお互い『会場を湧かせる』側だよね。どっちも演者の立場で、これはオフレコだから言えることなんだよ。)
……誰かに|貸す《・・》のだって、本当は嫌なんだから。
(無効票)
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黑・宵刃 9月20日23時(怪物には、誤算があった。)
(まず、あなたの感情だ。怪物は自己認識を欠落しているから、自分に向けられている感情にもまた鈍い。あなたが怪物からの好意を厭でないとしているし、発情した匂いで|誘う《・・》から、ここには恋愛があるのだと感じ取っているのだ。あなたの情緒を細かく感じるには、鼻で補おうにも、あなたからはあまりに匂いがしない。)
(だから、知らなかった。怪物は思わず目を丸くしているだろう。あなたが、あの、激情で何もかもを壊すあなたが。|所有《・・》しているこの怪物を、|貸して《・・・》やっていたのだ。貌も素性も知らぬ、あなたにとって価値のない主らに。)
(それは、)
……ああ、そんな。
(思わず、怪物に感情と自覚を齎したことだろう。照れた貌は、演技ではない。)
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黑・宵刃 9月20日23時(ふたつめは。あなたが、――怪物が想定するよりもずっと、縁を大事にしていて、そのために強く在ろうとしていることだ。)
(あなたという人間は、一度英雄になろうとして折れてしまったひとだ。だから、怪物の中では回復にもう少し時間がかかると踏んでいた。怪物は誰かの|自尊心《プライド》を折ることがたびたびあったから、彼らが立ち直るには|一生《・・》がかかると知っていたのである。しかし、あなたは思ったより早く立ち上がったようだったから、驚かされている。何と強い|花嫁《・・》だろうか!)
依鹿さん。依鹿さん!
(思わず、長躯で抱きしめてしまった。空腹の体をおしてでも、そうしたくてたまらなかった。)(あなたを腕でくるんで、すんすんと甘えた犬の鼻を鳴らす。)
ああ……!
私は果報者です、この人生に、こんなに意味があるだなんて……!
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黑・宵刃 9月20日23時(今にも泣きだしそうな声でかみしめながら、怪物はあなたの存在に感謝した。この身があなたを求めてやまない意味がよくわかるだろうか。あなたに定義されないと今にも自分を見失うほど、この怪物は|空っぽ《・・・》だ。)
私も、本当は嫌です。あなたと見た海のほうがきれいだった。
あなたと過ごしたほうが楽しくて、一緒に食べるご飯が美味しい。
(それでも、と首を振った。)あなたしか厭だというのに、……それでは生きていけない。この身は家のためにもあり、祖のためでもあるのです。
(しがみつくような両腕は、決してあなたを痛めない力で。それでも、縋るようだっただろうか。)
申し訳ありません、依鹿さん。辛抱をさせてしまう。これからも。
(無効票)
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森本・依鹿 9月21日00時(おわっ、抱きしめられた。)
(正直、私より背が高い人って中々見ない。それこそ海外選手くらいかな。キミってば、私よりも背が高いうえにヒールブーツだの厚底のスニーカーだのを履いているものだから。)
そ、そんなに喜んでくれて良かったよ……。
(宥めるために抱きしめ返す。本当なら、体を離してた。でも、そうしたら……また逆戻りだ。キミと私の関係を、誰も咎めたりしないはずだし、私はちゃんとキミを正面から受け止めて良い。怖がったらいけないんだ。)
(果報者だなんて。大袈裟な。)(こっちこそ、ただ幸運だなと思うだけだよ。このめぐりあわせと、キミというひとに気に入られていることが。)
(それから、演技じゃないらしいキミの声に驚いた。いいや、元から、キミは私の前では演技をしない。でも、友達の前だと少し、私が知っているキミとは離れるところがあって。私はそれが、……公私の使い分けだと思っていたんだ。)
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森本・依鹿 9月21日00時(それを取っ払って素直なキミの色が宿った声が、何処か嬉しくて。でも、何故か引き裂かれそうなくらい……不安になる。)
はは、……キミさ。仕事の愚痴を私に言ってくれたのは、初めてだね。
(本当は嫌なんだっていうのが、良いわけじゃなくて、|愚痴《・・》の温度で聞けてよかった。)
(今の私たちは舞台裏だもの。別に、すこしくらい嘆いたって誰も咎めやしないだろう。少なくとも私は、キミの愚痴を聞き入れるよ。頑張ったね、って背中も撫でてあげる。)
いいよ。キミも頑張ってるんだから。
私だって、それなりに苦労させてよ。極楽に暮らしたいわけじゃないんだからさ。
(そういうものからは縁遠いのもわかってるから。)
(それにさ。私くらいは、キミに。大丈夫だよって言ってあげないといけない気がする。)
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森本・依鹿 9月21日00時(私たちが心配しなきゃいけないのは、お互いへの信頼値じゃなくて……相互理解だと思う。キミがこんなに『商売』になっているのを、私は知らなかった。)(いや、知っていたけど。実感がなかったんだろうな。)
(――一人で、板挟みに耐えていたのだろうと思うと。すごくキミが可哀想で、今まで知らないで、ごめんねと思うところも、もちろんあって。)
ね、どこかでご飯でも食べない?
キミの愚痴も改めて聞きたいしさ。最近の話も聞いてほしいんだ。
お兄さんに頼みたいこともあって……話したい事、いっぱいあるんだよね。
(それこそ、キミと入っても赦されるお店か、屋台でも構わない。ぽんぽんと背中を撫ぜてあげた。気にしなくていいよ、だし、わかってるよ、って気持ちも込めて。)
(無効票)
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黑・宵刃 9月21日12時(張ったような耳がしなだれて、すっかり緊張を緩めて寝かせられてしまっている。)
(あなたに抱きしめ返してもらえることが嬉しかった。全身全霊であなたに愛を示す事でしか、あなたの傷の癒し方をわからなかった怪物は、あなたを怯えさせていることも理解している。だから、友人を頼ったり、本を読んだりして、あなたに対する理解を深めるようにしてきた。)
(漸くそれが、もっと、時間がかかってしまうかもと思っていたのに。)
(怪物の人生はむなしいものだ。求められた役割のために存在し、自分で定義できないから、自己らしい人格を保つのにも苦労する。いくら牌が揃っても役がないから和了できないのと、同じだ。ただ席について牌を誰かに回すだけ。そこに座っているだけの存在が、あなたの傍であれば|個人《・・》を赦される。)
……愚痴など、あまり聞きたくないのではないかと思って。
(あなたに背中を撫ぜてもらいながら、怪物が鼻を鳴らした。)
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黑・宵刃 9月21日12時(あなたは、まるで怪物の|家族《・・》とは違うことを言う。)
(怪物が稼いできた金で豪遊し、この階層で得られる極楽を享受する|先代《・・》たちは苦労を厭がる。もう若いころ、充分苦労してきたのだと言って、つとめから解放されたから、長い長い寿命を享楽で消費しているのだ。怪物は、それを不真面目だとは思わない。彼らの努力があったから、|黑家《この家》は巨大になったのだ。)
(そう、弁えているから――あなたの殊勝さには、痛々しいまでの同情を感じた。)
依鹿さんには、何一つ不自由なく、心配もなく暮らしてほしいのに……。
(せめて、あなただけは。)
(――家族以外を優先することなどあってはならない。しかし、怪物の中でそれが移ろいでいた。長兄への忠誠心は変わらないが、欲望というものはまた別だ。)
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黑・宵刃 9月21日12時(祖らと等しく|立派《・・》なあなたが、怪物からのそれを享受できないし、必要としていないのが不思議でならない。あなたから体を離して――)
ええ、喜んで! 依鹿さんが来た道を戻らねばなりませんが、いくつか|歓迎《・・》してくれる店がありますし……哎、私の兄に……依鹿さんが!? ご用命を!?
(怪物が大袈裟に驚いた。尻尾をぴんと立てて、それが徐々に毛並みを広げさせる。膨張した黒い毛束は、いつもより大きな影を落とした。)
啊~、何番目の兄でしょうか……。依鹿さん、あまりオススメはしません……。
(自然に怪物はあなたの手を握って、歩き出そうとするだろう。首を緩く横に振って、あなたの出方を伺った。)
(無効票)
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森本・依鹿 9月21日23時恋人の愚痴くらいは聞けるよ。
(励ましてあげたいし、そんな一面がキミに在る事にも驚きたいから。)
(身体を離したキミに寄り添うようにして歩くよ。今日もたくさん働いて疲れただろう。香港は一年中暑いね。)
言ったでしょ、何一つ不自由なく暮らすようになったら、ありがたみが薄れちゃうんだよって。不便があるから、人間って頑張れるものなんだ。
(キミの周りは、きっと、キミのおかげで満たされたひとばかりだから。当然になってしまっているんだろうなと思った。皆がキミに感謝することが。皆が、キミに、『もっと』ってせがむことが。)
(それは間違いなく搾取で、私からすれば過剰だ。)(私こそ、――キミには、不自由一つないなんて難しいだろうけど、幸せであってほしいと思っているんだよ。)
(それが、できれば。)(私の手で、多く与えられたらいいなと思っているし。支えてあげられるくらいにはならないとなって思ってて。)
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森本・依鹿 9月21日23時私って言うか、|先生《・・》がね。ちょっと薬の関係でさ。
この前先生の診察行ってきたんだよ。それで、ちょっと漢方を試してみませんかって話になってね。
(この話もキミに詳しく伝えないと、と思ってたんだ。ちゃんと……話し合うようにしたほうがいいし、先生も心配していらっしゃったし。)
だから、四番目のお兄さんだっけ。さっきのお店やってるの。
私から頼むとやっぱりナメられちゃうか……。
(|キミたち《わたしたち》って、うち側に居る縁には優しいけど、外にはすごく冷たくて厳しいものね。)
(ネオンの光を頼りに地面を歩く。水たまりと血だまりの見分けって、夜になってしまえばつかないものだなと思いながら、)……レンくんだったらお兄さんから薬って、手に入れやすい? 先生が、ほら。材料とかさ。|精霊《・・》にも効果があるものを探してて。
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森本・依鹿 9月21日23時(|こっち《機関》にもあるだろうけど、それでも在庫が限られてる。私みたいに、自分で探せる人間に割くほどの余裕はないだろうし。キミに「どうかな」って聞いてみた。)(……ちょっと見上げるみたいに聞いてみよう。)(気づくかもしれないけど、|おねだり《・・・・》だよ。)
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黑・宵刃 9月22日13時先生……ああ、醫生のことですか。
(怪物の文化では、医師に対して老师と呼ぶことは少ない。醫生という職業の名で呼びながら、この怪物の貌を見ても、あなたに『力を分け与えている』様を見せても、ひとつも狂わなかった男を思い出した。すでに|信仰《狂気》を他に向けているから、どうやら響かなかった男だった。)
(あなたの眼を介して世界を視る理由はいくつかあって、好奇心はもちろん、あなたの周りには『黄昏』と称された怪物の同類が多い。だから、『怪物』以外の|無貌《・・》に好かれるかもしれない。同時に、嫌悪されるかもしれないと踏んでいた。――あなたに、ここまで余計な杞憂を積んだ胸中は、知られなくてもよいことだ。今はもう、あなたが無事に帰ってくることを信頼しているから、滅多に『視ていない』。)
そうですか、漢方を……。良い目をお持ちだ。
(|目利き《・・・》の話だ。)
(あなたの歩調と怪物のそれは、然程変わらない。)
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黑・宵刃 9月22日13時(並びながら歩いて、下りのエスカレーターにあなたを導いた。怪物が抱えて降りてしまえば早かっただろうが、それでは少し味気ない。先ほど、あなたに『楽ばかりではつらまない』と言われたばかりだった。怪物は、あなたがこうした|余白《・・》を大事にするのを学んでいる。)
急に依鹿さんが、宵衡兄さま……四番目の彼の元に訪れたら、法外な値段を請求されるか、言葉が通じないのをいいことに、あれよあれよと眠らされて気づいたころには、四肢がなくなっているやもしれません。
あまり家の和を乱したくはないので、……。
(ナメられるどころでは、とあなたに伝えたいのだ。)
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黑・宵刃 9月22日13時(怪物も認める曲者の彼は、頭がよく切れ、商才もある。一族を継ぐ予定もないから、彼ときたら自分の|習慣《ルーティン》を守ることを第一としていた。朝早く起きて薬の仕込みを始め、鍋で煮たり、磨り潰したり。独特の匂いで鼻はおかしくなったというが、必要なものを嗅ぎ分け、器用に調合する様には尊敬を抱いたものだ。)
(だから、それを――予期せぬ来訪者が乱してしまったら。然るべき報復で応対するだろう。彼もまた、この一族の出である。気難しい男だった。)
(少し考えて、言葉を濁す。あなたの|おねだり《・・・・》に気づいたからだ。)
(目を逸らす。)
(――唇を舐めた。)
……精霊は、もとはと言えば自然のものですから。
きっと効き目が期待できるものはいくつか、見繕うことはできます。
ああ、依鹿さん。どうか。……わかりましたから、かわいい顔を止めて……。
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黑・宵刃 9月22日13時(食べてしまいたくなるから、と口にしかけて、ぎゅっと口を閉じた。大袈裟に唇は一文字に結ぶ。)
材料でよければ、きっと宵衡兄さまも私が|配達《・・》を手伝えば、駄賃に下さるかもしれません。
(無効票)
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森本・依鹿 9月22日16時(キミって――先生の言うことはすんなり聞くよね。本当にびっくりするくらい、大してかかわりもないだろうに、手品の種明かしまで躊躇いなくやって見せるというか。私に対するものとはまた違うリスペクトとか、手放しに褒めるというか……なんというか……ちょっと悔しいところはあるな……。そりゃそうなんだけど。免許持っていらっしゃるから当然なんだけど!)
(何でだろう、って考えてたんだ。これかなぁって推測出来たから聞いてみよう。)
レンくんって、……専門職の人のことかなり好きだよね。
もしかして、|模倣《・・》しづらいから?
(そう言いながら、キミの手に触れて、指先から握る。鋼の爪先に気を付けながら。)
(すごく長いエスカレーター、誰も昇りは使わない時間帯なんだろうか。すれ違う人影ひとつもなかった。キミのおかげなのかもしれないけど。)
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森本・依鹿 9月22日16時シャオ、……なんだって?(全然聞き取れない音だった。キミに教えて貰ったほうが良いな、こっちの言葉……。)まぁいいや、四男さんで。
まあ、この治安じゃあ、堅気じゃないよね。そうだね……。
(まして、|キミの《・・・》女だとなると、余計にややこしいことになりそう。)
(よくわからないけど、キミの家は随分、周りから嫌われて恐れられているなりには由緒正しい血筋としても幅を利かせているらしい。本当ならキミにも許嫁だなんて居たってよかっただろうに、そうしないのは……キミが若すぎるからか、それとも、|家《・》がキミを縛りきれなかったかのどちらかだろうか。)
(まあ、つまり。私の存在が、お兄様お姉様がたからすればどう見えてるのかって話で。)
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森本・依鹿 9月22日16時おっかないねぇ……。
(四肢を、――)(キミに断りもなく、そうしてしまうくらいには|どうでもいい《・・・・・・》んだろうな……。)
(うーんこれは想定よりもずっと、|荒っぽい《・・・・》一族かもしれない……。)(悩むことが増えた。白髪もきっと増えるんだろうな……。)
(あ、目そらした。効いたみたい。)
――へえ。キミ、知ってたんだね? その口ぶりだと。
(どうして手を握ったでしょうか。)
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森本・依鹿 9月22日16時|ウェンディゴ《わたし》を抑える効能が期待できるものがあるって。
(手の甲をつねるためだよ。)
(お願い通り可愛い顔するのはやめた。)(ああよかった。キミが私に甘くて弱くいてくれて!)
――私に申し訳ないと思うんだったら、その四男坊のお兄さんから駄賃でも何でもいいからもらってくるんだね。全く! どうせ|面白がって《・・・・・》言わなかったんでしょう!
(無効票)
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黑・宵刃 9月22日19時依鹿さんもよくお分かりで。
好き、というより――彼らの職業は、認可されるのにたくさんの段階が必要でしょう。
その基準は高く、そして厳しいものです。おそらく、これはどこの√でも変わらない。
(あなたにも感心した声をあげた。あなたの思考に、この怪物が座る場所があることを嬉しく思う。――白銀の世界で、思い出してくれるのが、どれだけ怪物を孤独から救うか。あなたには知る由もない事であろうが)
偽造ができる|ここ《・・》より、依鹿さんが普段お住まいの√のほうが、基準も高い。それに、彼は己の職業に矜持をもっていらっしゃるようでした。
ああ云ったものを『模倣』するには、私にも等しい知識と、見解と、経験が必要になります。
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黑・宵刃 9月22日19時(二度見れば完全に『模倣』出来るとはいえ。)
(怪物は緩く首を振って、苦笑いを一つ挟んだ。)
技術というのは代えがたいものだと、痛感しています。
私では半端者にしかなり得ない。ですから、彼らには敬意が表層に出やすいかもしれませんね。
(『すべての人に寄り添った処置をやれ』と命令を受ければ可能かもしれないが、それでも彼らには出遅れる。怪物は模倣が得意だ。しかし、それに経験は付随しない。怪物の暗殺及び、戦闘における技術は、完璧な模倣から始まって『自分の物』にしたから卓越に扱しているのだ――いのちを奪う側と、いのちを救う側で、正反対でありながらも、かの医師に敬意を抱くには充分な理由だった。)
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黑・宵刃 9月22日19時Xiāohéng……啊、はい。四男の兄さまで大丈夫です。
(この国の発音は少し難しく、舌の位置が違うだけで似たような別の言葉になってしまうものだから。あなたがもし、万が一家族に会った時に失礼を働いてしまわないよう、無難な呼び方に頷いた。)
(あなたがこちらの事情を理解してくれたものの、悩ませるものが増えてしまった。家族というのは――どうやら、怪物が想定するより簡単には持てないらしい。)
……|何も《・・》なければ穏やかな方なのですが、やはり彼もまた|私の《・・》兄ですから。
(そう、あなたに握られる手にソワソワとしっぽが揺れる。冷たい指先が心地よく、あまり衆目で怪物に触れたがらないあなたからの積極的なそれに、どきどきと胸も高鳴った。)
(あなたは随分心が強くなって、それから神経も太く、――)
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黑・宵刃 9月22日19時あいッ……!!!!!!
(悲鳴めいた叫びが思わず口から出そうになって、奥歯で食いしばる。怪物が涙目になりながらあなたにきゅんきゅんと鼻を鳴らした。)
いた、いたたたた、いたいっ、痛いです、依鹿さん! 哎呀~! 申し訳ありません!その通りです!しかし、依鹿さんも|楽ばかり《・・・・》はしたくないと、手加減しろと仰ったじゃありませんか――!
(あなたはきっと自覚がない。)
(あなたは人間の身でありながら、斧を常に持ち歩いて、猟銃を放つときも、ちっとも揺れていないのを。)
(――その脳は、とっくに人間の|リミッター《かせ》を外していて、通常の人間異常の力を発揮できているのを。怪物の皮でなければ、とっくに血管ごと肉すら引きちぎられていたに違いない。)
(無効票)
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森本・依鹿 9月22日22時(説明を受けてみれば、なるほど腑に落ちる。)
(そうだよね。何にでも模倣できるとはいえ、その内面までは合わせられないんだ。私も何度も自分の走り方や踏み込み方、跳び方の映像を見て、すごい記録の人のやつと見比べたって、すぐにできるわけじゃないし。キミも『模倣』するのにはある程度の知識が必要なのか。)
(――確かに。同じ|プロ《・・》として、敬意を抱かざるを得ないところがあるんだね。)(先生の予想していた部分に収束していく感じもした。頭が良い人は、ここまで予想できるんだろうか。私にはできないから、ひとつひとつ確かめるしかないんだけど……。)
(ま、ともかく。キミもキミのご家族含め、ちょっと油断できない手合いであることは自覚してくれていて助かったよ。)
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森本・依鹿 9月22日22時お、おおげさな。そんなに強く抓ってないよ……。
(というか、キミはもっと強大な存在のくせに!)
(情けない声を上げたから指を放した。虐めたいわけじゃない。報復は一回で充分だ。)
あのねぇ。何事にも程度ってものがあるでしょう!
そりゃあ、立ち上がるのにわざわざ手を取ってとは言わないよ。でも、本当に困ってることには口添えしてくれても……もうちょっとわかりやすいヒントをこう、……あーもう。
(ため息をついて、自分の頭をちょっと撫でつけた。)
まぁいいや……遠回りしたら私に|友達《・・》が出来て、|角《・》が落ちると思ったんでしょ。
キミのことだから、……|面白い事《・・・・》は、|最高率で最適解《・・・・・・・》を狙ったはずだ。
(ARの広告が景色に増えてきた。お酒の広告、食べ物の広告、さっき見た薬局のマーク。言葉はわからなくても、漢字ってだけでなんとなく意味が分かるのも不思議だね。)
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森本・依鹿 9月22日22時だとしても、もうちょっと。これからは、……詳しく話をしてよね。
サプライズは嫌いじゃないけど、ハラハラしっぱなしもちょっと疲れるし。
……キミだけが楽しいのは、ちょっと狡いよ。
(無効票)
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黑・宵刃 9月23日11時(怪物が自分の手の甲をさすりながら、あなたをじっと見た。)
(それから首を振った。)依鹿さん、ご自覚がないのでしょうが、依鹿さんはすごく力が強いのですよ。
(叱られて耳が横に寝た。ふわ、と欠伸を出してから自分の唇をしきりに舐める。あなたにこれ以上怒って欲しくないから、自然と体が|本能に従う《カーミングシグナルを発する》。)
(首をすくめて、あなたの語気にあわせて瞬きを繰り返した。)
……だって、お聞きにならなかったでしょう……。
(あなたのため息に、同じく息を吐く。怪物のその仕草は、まさに叱られた犬のようだっただろうか。ぴすぴすと鼻から鳴き声を漏らしつつ、あなたの感情の昂ぶりが落ち着いたのを確認するために鼻が働いている。)
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黑・宵刃 9月23日11時ご理解の通りです。……私では、依鹿さんに|人間的な《・・・》ぬくもりを与えることは難しい。犬の貌をした家族しかおりませんでしたから。
(それでも、本を読むことで「知識」としては手に入れている。人間的な情緒、およびその社会性と倫理観については「創作物」で学んだのだ。だから、あなたの感情に寄り添うこともできるようになったし、理解も深まった。ただし、――怪物はあなたに「レンくん」という貌を求められている間のみでしか、それを発揮できない。経験は、どうしても足らないのだ。)
|外《ひと》とのかかわりをお持ちになったほうが、怒りの整理がしやすいと思ったのです。
(お許しください、と言いながら。あなたの頬に触れようと指先を添わせる。鋼の刃の部分で傷をつけないよう、優しく、曲げた第一関節で触れるだろう。)
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黑・宵刃 9月23日11時悪い癖ですね。これも。
――こういう仕事なものですから、聞かれなければ答えられない。
(あなたに狡い、と言われたら、耳を立てて。それから、宥めるようにあなたの髪を撫でたかもしれない。)
……これからは、打ち合わせをするようにします。
(無効票)
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森本・依鹿 9月23日15時そうなの?(自分の手を握ったり広げたりしながら、キミに言われたことを確認してみる。)……バー握るような競技じゃないんだけどなあ。斧振るせいかな。
(自分じゃ自覚ないな……キミは頑丈だからいいけど、他の皆には気をつけなきゃ……。)
(本当に犬みたいな動きしてる……怒られてるときに欠伸するのは、それ以上怒らないでッテ意味だっけ。怒ってないよ。もう。ぐちぐち怒られてもキミは文句言えないだろうけど、私の性分じゃない。)
……聞かなかった私が悪いって?
じゃあ今度から「ご質問は?」とでも言ったらどうなの。せっかくよく回る口なんだから。
(舌も出しといた。)
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森本・依鹿 9月23日15時(キミに考えがあったことも理解しているよ。悪気があったわけじゃないのも。キミは確かに、……人間性という点では問題があるほうだと思うけど、しょうがない。ネオンに囲まれたこの街を見ていればわかる。私の常識も、人間らしさも、何もかも途方もなく、無駄に感じるほど発展した世界だ。)
(|この√《√仙術サイバー》で泥臭く生きていくには、|こちら《√汎神解剖機関》の倫理では難しいだろうし、キミのお家柄としても、まあ、気を病んだ恋人を慰めたり、ケアをしたりっていうのはむいてないだろうね。キミが出来るのって、人を狂わせることだ。)
(願いを聞いて、叶えて、都合の良い環境を作り出すのは――ひとを堕落させて、その命にラベルを貼るために必要なことだ。私たちって、二人とも。命を奪うことに特化してしまったから、お互いを慰め合ったりするのは難しい。)
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森本・依鹿 9月23日15時(それで、キミは私の身近で、優しい外部に頼る判断を切ったんだろう。周りをよく見ているから。)
(わかってるんだけど、さ。)
……キミのその、後から「実は考えがあったんです」っていうの、絶対いつかとんでもない爆弾を抱えることになると思うよ。
(まあでも、って肩を揺らして。)
(キミに触れられるのを赦そう。じっとキミを見つめる。話を聞き入れてくれるでしょ?)
そうして欲しいな。話し合うほうがいいよ、私たち。
一緒に楽しませてほしいし、哀しいのも一緒が良い。家族になりたいんでしょ。
(髪、乾ききる前に凍ってしまうから、いつもパリパリしていたけれど、最近はちょっと、ようやく艶が戻ってきた気もする。はあ、よかった。ドレスアップのしようって誘われた時、一番心配だったところが調子を取り戻してきて……。)
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森本・依鹿 9月23日15時チームプレイは私も苦手だけど、努力するからさ。
(喧騒が近づいてきた。ああ、また派手に喧嘩してるんだな。明滅してるのは、多分花火か、爆竹か、そうじゃなければ……仙術か。)
(無効票)
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黑・宵刃 9月24日12時(あなたは、)……依鹿さんは、時折すごく、ご自身のことについても鈍い。
(怪物が思わず耳を下げた。進言すべきか悩んだが、これについてはあなたが自分で考えたほうが良いと思って口を噤む。|たかだか《・・・・》鍛えただけの人間が、なぜ怪異と肉薄できるというのだ。しかも、女の体で。)
はい、次からはそのように。
(そう答えて、怪物はあなたの揶揄う顔すら愛おしんでいた。)
(あなたが怪物にだけ向ける少しばかりの幼稚な側面が愛おしくてたまらない。怪物はあなたと友人が、少女だったの時の痛みを分かち合うのが少し羨ましかった。怪物は自分の傷すら見えないからである。もしくは、そんなものは無いのかもしれなかった。)
(だから、――こうして、あなたの|おさない《・・・・》ところを預けてくれるのが嬉しい。良い伴侶というものは、愛するひとを少し若くさせるものだと心得ているとも。)
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黑・宵刃 9月24日12時気をつけはしますが、何分、癖づいているもので……もし私が、爆弾を抱えていたら。一緒に消し炭になってくださいますか?
(あなたがじっと見つめてくれるなら、怪物も見つめ返す。)
(あなたの、艶を取り戻しつつある髪を撫でた。漆黒の色の中に混ざる白髪が、ネオンを反射してキラキラとさせている。あなたは、きっとこの白髪の正体も知らないのだろう。ストレスが原因なのではない。これは、――その身に残る、僅かな神性のあかしだ。)
|家族《チーム》として、一蓮托生いただけるなら。
(近づく喧騒に呑まれないよう、あなたの耳元で。『聞いていなかった』とは言わせないための、小賢しい触れ合いだ。)
(無効票)
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森本・依鹿 9月24日18時う。……(そんな何もかも鈍いみたいな……それはそうなんだけど……。)……う、うるさいな……。
(否定はできないから、代わりに悔し紛れで出てきたのはそんな言葉だ。)
(キミに夢中になるお客さんたちのこと、ちょっとわかる気がするなっていうの、こういう時だ。なんでも愛おしそうにするんだもの。)(やめてよ、そんなに、あなたのことが大好きですよって分かりやすい顔するの……。)
(つねっちゃったお詫びに、次はやさしく手を繋ぐね。赤くなっちゃっただろう場所を覆うように。)
消し炭になるのは嫌だ。
でも、そうだね……。(髪を撫でてくれる手に触れて、優しく、慎重に握ろう。多分、痛くないよね……? キミの反応も確認しながら。)爆弾の解除なら手伝ってあげる。
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森本・依鹿 9月24日18時(耳がくすぐったい。お返ししようにも、キミの耳は少し高いところにある。代わりに、頬どうしをくっつけた。冷たいでしょ。……ここの気温なら、ちょうどいいんじゃないかな。)
未だ誓うには早いかな。
(きっと、吐息も冷たいだろうね。)
――さ、降りよ。ご飯、何食べるの。あったかいのがいいな。辛くてもいいけど。
……ああ、そうだ。ゲルダさんからね、遊びのお誘い受けてるんだ。予定も合わせたいな。
(エスカレーターから降りて、周りを見てみると、やっぱりキミのせいか喧騒は静まり返る。誰もが首を垂れて、顔を隠すようになった。)(……そんなに怖いんだ。)(私は、ちっとも怖くない。キミの手を握りながら、いつも通りの調子で話すだろう。)
(みんなが怖いと思うから、怖い存在になるんだ。――この子は、|そういう《・・・・》子だ。)
行こ、レンくん。
(。)
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黑・宵刃 9月24日20時(未だ、――まだ早い。)
(前までなら、縋って、どうかそんなことを仰らないでと言っていた。でも、今は。)
(あなたが、この怪物から離れがたい存在になっているのを知っている。共に、光と闇のどちらも汲んで生きていくと決めてくれたから。)
ええ。
(あなたの冷たい頬と、吐息に。満足そうに一度、目を伏せた。)
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黑・宵刃 9月24日20時叉焼麺でも、と思っていました。
勿論、依鹿さんがお望みなら辛さは増やせますから……ゲルダさんから? ああ、嬉しい。私もご一緒していいのですね。
(あなたと手を繋ぎながら、降りたつ。総ての人間が怪物から貌を伏せるのを、どこか満たされた心地で見てから。あなたが、ちっとも怯えていないらしいことを触れ合っている手から感じ取る。ああ、なんと堂々としているのだろう。傲慢だ。黑家の妻に相応しい、罪をいっぱい背負った愛しい女だろうか!)
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黑・宵刃 9月24日20時(あなたに精いっぱい笑って返事をした。やけに溌剌とした声に民衆が肩を震わせたが、関係ない。あなたにこの街の|老い耄れ《いきのこり》が経営する店を案内しよう。彼らはひとつも、怪物を恐れないで、大事な女だといって紹介すればきっと、目を丸くしたり「またか」なんて顔をしてあなたのことも受け入れるだろう。)
(それから、きっと。怪物が本当に|惚れている《・・・・・》ことを知って、少し驚いた声をあげるやもしれないが――。)
(あなたを歓迎する場所がある。)
(ここは金と情と、愛憎渦巻く街。今宵もまた、怪物がために数字化された愛が価値を伴って、宙を舞っていた。)
(。)
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