アパルトメント『霧桜』203号室

【1:1】当事者が知らぬ話は領域の中で

木邑・零壱 10月9日21時

外の世界が夜を迎え、各々の家では眠りにつく時分
夢という形でしか踏み入れられぬ領域に、再び誰かが|招かれる《・・・・》

神性にして魔性たる黒き竜は、来訪するだろう神性その存在の姿を待つ

一時の非礼を詫びるのが第一だが、
片や契約者、片や宿主なき時でなければ、語れぬこともあるだろう――と
演出終了
木邑・零壱 10月9日21時
(洞窟を背に佇む黒き竜は、目の前に広がる情景をただ眺めていた)
(そして、その情景の一部が一瞬揺らぐ様を。かの者は見逃さなかった)

『――現れたか』
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小弓・佐倉 10月9日23時
(揺らぐ)
(赤い月。黒い彼岸。明けぬ天幕がかかる領域)

(そこに呼ばるるは、未だ真には目覚め得ぬ獅子…否、寅の神妖)
(その夜に本来存在せぬ紫炎をまとい、招かれ人は目を開けた)

……|夜黒の手《分霊》ではなく、我を直接|呼ぶ《引き込む》とはな。
縁を一度作ったとはいえ、やってくれるものだ。
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木邑・零壱 10月10日08時
『……本来ならば|血奏精《ヤツ》に直接詫び入れさせるべきだろうが、奴の気質を鑑みれば話をややこしくするだけであろうからな』
『それに――』

(何かを言いかけたところ、黒き竜の身が陽炎のように揺れる)

『――と、この姿では消耗も相当だな』
『一時的にだが、|見た目を借りるぞ《・・・・・・・・》、キムラレイイチ』

(その言葉を引き金に、黒き竜の姿は変質する)
(陽炎のように揺れる黒き肉体は縮み、人型を形成する)

(そして、その見目は――見覚えのある姿となった)
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木邑・零壱 10月10日08時
『――やはり、このくらいのサイズ感の方が動きやすくて良いな』

『改めて、此度は足労頂き感謝する。神性の者よ』
『そして、先日は我が領域に住まう血奏精が宿主諸共とんだ非礼をかましたこと――この場で謝罪させていただく』
(深々と頭を下げる)
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小弓・佐倉 10月11日23時
………
(ヤツ、としか称されていないが。この領域における目前の竜以外の存在のことと言われれば、あの血泥の魔性を示すが必然となる)
(関わった“先日”の僅かな時間だけでも余程癇に障ったのか。脳裏に浮かべた|表情《かお》に眉間に皺がよる)

(そして木邑・零壱の似姿へ変じた竜だったものを、驚くこともなくそのまま見据える)

…奴がこの場にいないことは構わん。彼の精霊から謝罪の言葉があったとして、真の謝意が込められるものになるとは到底思っていない。舌の根から我が炎で焼き尽くすことを認められた方がまだ意味になるだろうよ。

…貴殿、と称そうか。魔性でありながらも、神性に属する者よ。貴殿も謂わばあの血奏精にこの領域を好きに利用され…重ねて言えば、我と、あの少女に此処を荒らされた、被害者側であろう。魔性の属性を帯びた土地に、破魔の火柱を立てたからな。その点に関しては此方も頭を下げるべきだな。(と、此方も頭を下げて)
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小弓・佐倉 10月11日23時
…しかし、顔立ちは同じようなもののはずだが、中身の精神性で本当に印象が変わるものだな…

(分霊を通し見ている、木邑・零壱本人。少し年代が異なるようだがそう大幅には変わらぬ顔の、だが小弓が怯えるような笑みを浮かべる血奏精。そして現代とリンクした姿の、だが兄貴肌・好青年などと称される色の表情からは縁通そうな…)
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木邑・零壱 10月12日17時
『奴がこの場で謝罪の言葉を述べても謝意が込められるものになるとは思えんという点は同感ではあるな』
『ただまぁ、奴は魔性ではあるが“悪”そのものではない……とだけ此方は言っておくとしよう』

『……そう言えば俺自身の銘は名乗ってなかったな』
『竜魔だ。真名を挙げるならアダム……だが、この名前はあまり好きになれんでな、竜魔の方で呼んでもらえた方がありがたい』

『何、先の一件については神性の怒りを実質買い取った血奏精が十割非があるので俺個人としてもいっぺんシメてはいたので問題はない』
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木邑・零壱 10月12日17時
『顔立ちが似通っても、どうしても内から滲む気配によって印象が変わるということだろう』
『俺自身は、キムラレイイチが意識を失った際安全地域に移動するために奴の肉体を一時的に借りて行動はするが……それでも対面した者達には違う印象を抱かれてる覚えはある』
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小弓・佐倉 10月13日14時
であらば、貴殿の呼称はそのように。
…我が真名にあたるもの、無いとは言わんが。|夜黒《ヤグロ》と呼ばれるを認めた方が余計な混乱は招かないか。

…あの精霊が√百鬼夜行における|古妖に近い《悪》属性でないことは承知している。だからこそ悪質とも言うが…其方で既に済ませたことであれば、加えて何も言うべきではないな。

防衛機構にあたる役割か。この領域に今のように姿を引き込むこともできれば、反して貴殿が彼方の肉体に入ることもできると。…あの娘…小弓はまだ、貴殿が中身となった姿の対面はしていないようだが。
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木邑・零壱 10月13日17時
『“ヤグロ”、か……了解した。いつか貴様の真の名も聞いてみたいところだが、それはいずれの機会までの楽しみとしよう』

『俺の意識が表に立つのは、それこそキムラレイイチが命の危機に瀕している状況が主……少なくとも彼女と共にある状況下でそのような事態に見舞われていないからな。俺が表に出てこないというのはある種の幸運ではあろう』
『まぁ、この姿自体は俺を肉体に降ろした時の形態ではあるが。キムラレイイチはそれを率先して使う手合いでもないしな』
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小弓・佐倉 10月16日23時
そもそも…我の成り立ちは、かの神将の眷属の妖であると同時に、十二支の寅の化身にも近しい。その寅に呼ばれるべき名前など本来なかろうよ。…今は分霊があの娘に頻繁に呼ばれる分、この名の言霊が我にも強く作用するがな。

…成程、知らぬことの方が幸いか。
とはいえ「彼女の前では」とつく以上、そこ以外ではすでに随分、貴殿が意識に出る無謀を重ねていると解釈して構わなそうだが。
貴殿が精神に出るにしろ、肉体に表出するにしろ…小弓の反応がどうなるかわからん。木邑・零壱本人の肉体で起きる変化故に、血奏精の話よりむしろ混乱は少ないかもしれないが…
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木邑・零壱 10月17日16時
『我々を手繰る以上、キムラレイイチはどうしても血を消耗するからな。長期戦に持ち込まれれば失せた血による意識の混濁はあり得る話だ』
『……何なら、模擬とは言え戦いの決着の折は大概意識が飛んでいるので俺が出張るほか無いのだよ』(肩をすくめる)
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小弓・佐倉 10月18日08時
…|Yellow Dragon《彼の場》の面々は、そこまでやり合うに躊躇いはなさそうだからな。気を失った者も放置する類もそう居ないとは思われるが…失血多量であれば相手に悠長に任せてもいられぬという話か。

…とはいえ、血を媒介にし、血を撒き餌にし、血を喰らわせるその手法…また何故そこまで血を削る手法になったのか。分霊越しでも、あの身の呪詛は捉えられるぞ。
(破魔、破邪に通じる神性であれば、呪詛破りも似通い通じるものであり。裏を返せばそれ本体の気配には敏感といったところであった)
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木邑・零壱 10月18日17時
『我等の霊剣・精銃は“人の血”を触媒とする、というのも理由の一つだが……』
『奴が己の血肉に呪詛を蝕ませているのは、奴自身が“罪業の赤”の本当の意味を知ってしまったからだろう』

『――古妖と繋がりを有した者に発現すると伝えられている“罪業の赤”。しかし、その実態は古妖にとって甘美な餌と認識されたマーキングのようなもの』
『木邑の家はそこそこに歴史があるがゆえに、真の伝承に関わる資料が残っていた。それをキムラレイイチは|読んでしまった《・・・・・・・》。知った当初は気持ち荒れはしたが……ならその特性を利用してやると、ある種の覚悟を決めたようだ』

『古妖を一体でも|道連れにする《・・・・・・》ための、血肉の呪詛というわけだ。……|仇敵《主君》の捕捉すらままならぬ状況であるくせに』
(はぁ、とため息をつく)
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小弓・佐倉 10月21日17時
…あれら√能力者は真の死は条件が揃わなければそうそう迎えないとはいえ、そう舵を取るか。死を迎えるまで解けぬ変貌を身に科す技の使い手は何度か見たことがあるが、またそれとも異なる。

(小弓の目の色を思い出す。ある一時より感情を映すことを諦めていた赤目が、近頃は随分と動くようになったものだ)
…その“赤”、√百鬼の赤目の人間万人に適応されるものではあるまい。何故それが自分に適応されるとあの青年は確信した?
小弓におけるあの娘の赤は、|偶々《・・》だ。偶々に、あの悪猫の目と重なったから、生まれながらに古妖に出口として目をつけられはしたがな。因果が逆だ。
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木邑・零壱 10月21日18時
『――“罪業の赤”は、原則として縦側の血族に遺伝することは|まず無い《・・・・》』
『奴の身の上を詳細に知っているわけではないが、少なくとも奴の血縁に赤色の目を有した者は確認されていないと……俺個人で木邑の家に調べを依頼し、ある程度情報は手元に残っている』
『……奴の血縁は“罪業の赤”の一般的な伝承を信じていたがゆえに、幼き奴を路傍に捨て――後にクロギリが保護し、キムラレイイチとなった』

『奴の赤眼が正確に“罪業の赤”であることは……我々が奴の血を以て理解している、と言えば良いか……』

『……コキューと言ったか。彼女は、“罪業の赤”とは異なると……?』
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小弓・佐倉 10月24日22時
…縦には移らぬ性質、か。小弓の遥かな血縁まで遡ってはいない。分霊にそこまで自由に動ける力もなければ、我も本来力を潜め眠る存在だからな。
…彼女が生を受けて目が露わになったとき、親が隔世遺伝の可能性もこぼしていたが…あれは「赤目が過去にいた」と認知して言った代物ではないだろうな。ただ「どうであれこの娘を愛する」と言う意味に過ぎないだろう。その意味では、条件に合わないわけではないが…逆に、遺伝の可能性もあるだろう。

悪妖どもに狙われるが故の、赤目ではない。極論…一体の古妖に執着され、我が小弓の身辺に分霊を放つ由来になったのは、「赤目が理由ではない」。もしあの悪猫が金眼であれば、彼女が赤目でも何も起きはしない。もし彼女が金の瞳…奴と全く、完全に同質の金の瞳を持てば、今と同じことが起きている。
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木邑・零壱 10月25日17時
『……なるほど、貴様が目をつけている古妖にとって、|同色の目の色《・・・・・・》というのが己が介入する“門”の役目となるわけか。まぁ確かに祖先の系譜を知れぬ以上はその眼が突然変異の色か遺伝かなぞ検証で起用も無い……ん? “どうであれこの娘を愛する”???』
『……キムラレイイチの視野を経由して見聞きしたことだが、確か彼女は親御から冷遇を受けていたのではなかったのか……? それが罪業の赤としての差別的な冷遇かは定かではないとはいえ、それなのに彼女の目の色を受け入れるような発言があったのは何故――』

(何かを感じ取ったのか、眉を顰める)
『――まさか……』
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木邑・零壱 18時間前
【誤字報告】
「で起用もない」→「出来ようもない」
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小弓・佐倉 15時間前
小弓が語る記憶や経験は、誤っている。否、冷遇は間違いないが…“ある一時点”から正しい認知を拒んでいる、というべきか。

今の小弓が語る「親」は、彼女の実親ではない。血縁から語る立場としては…叔父夫婦、と言えばいいか。小弓の父親の弟とその嫁が、今貴殿が「親御」と認識している存在だ。
(演出終了)
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木邑・零壱 4時間前
『……あの夜、キムラレイイチが見ていた写真に写り込んでいた女性と彼女との面影の有無に違和感を覚えていたが……そういうことか』

『――彼女の実の親御は……その様子を鑑みるに、既に……といった所だろうか』
『己の叔父夫婦を両親と認識するほどの混濁など、並大抵の事象が起きてない気もするが……彼女の両親に、何があったというのだ……?』
(演出終了)
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