【新入】八海・雨月【会員】
(背を傾げたれば長身が歪み。看板。提灯。庇。木の枝。良く分からない何か。そして路面電車の扉枠。
その悉くに擦った頭。撫ぜた女の路面電車を降りた先。
見上げる空は極狭く、聳え立つは五常ビル。
彷徨う金眼揺ら揺らと。しかして異なる金眼を捉え。
見るは一瞬、置くは数拍。傾ぐ首は鎖の鳴り音。)
…あぁ。あなた、この辺の親玉ねぇ?
群れの上に立ってる人間の臭いがするわぁ。
※
●新入会員「八海・雨月」
獣妖「ダイオウウミサソリ」の|錬金騎士《アルケミストフェンサー》 × |載霊禍祓士《さいれいまがばらいし》
年齢: 28歳 女(11月27日生まれ)
https://tw8.t-walker.jp/character/status/h00257
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(~五常ビルまえ~)
(ビルの前でボケッと過ごしてたら、何故か何故か、とある路面電車の一両が離発着していく様が目に付いた。と思いきや、そこから降りて来た妙齢の――)
(…あぁ。あなた、この辺の親玉ねぇ? 群れの上に立ってる人間の臭いがするわぁ。)
…うん? はは、随分特徴的な物言いだね。 (応じる。)
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群れ、匂い――そこいらへんが君の判断の軸か。
と、すると…獣妖さんかな? キマってるよ、うまい|人化け《・・・》。
私は神薙・ウツロ。そうそう、ここいらへんででかい顔させて貰ってるんだぁ。おねえさんは? この辺に用事?
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ウツロねぇ。わたしは八海雨月。
察しが良くて助かるし、人化けも褒めて貰ったら悪い気もしないわぁ。
でぇ…YellowDragon、黄龍会だったかしらぁ。あなたの所でしょ。
寄合所の提供、支援や派遣…まぁ、相互扶助組織よねぇ?関われたらと思って来たのよぉ。
ひとつはそう言う所に入っていて損は無いし、どうせ入るならルーツとなる√の組織が良い。
……そんなとこねぇ。これで良かったかしらぁ。
(用事を聞かれた女は一度に粗方の事情を話した。それはつっけんどんな印象を与えるかも知れなかった。女もそう思ったのか、最後に確認を付け足した。それによって生じる、単に話すのが下手なのでは無いかという印象を与える懸念には、頓着していないようでもあった。)
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雨月さんね。しっとりしたいい名前だ――雰囲気に合ってる。
(ウイーンク。表情や言動への感情の出力が薄い女性? ミステリアスでオッケーです)
それでオッケー。歓迎するとも。なに、結構色んな√で頑張ってるかんじ? ならさ、そういう話とかもそっちからも聞かせてよ。
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……おうおう、旦那ァ。ナンパですかィ、おモテになりますなァ。
(視線を声の方角に向けたならまず厭わしい陽光から身を守るようにモッズのフードを目深にかぶった異相が視界に入るだろう。フードの縁から覗くさらさらとは言い難い湿り気を帯びた前髪の更にその隙間から見えるのは不吉にかっぴらいた生者ならざる瞳孔。ずるずると地面でブーツの爪先を削るようなおぼつかない足取りで猫背の矮躯がちょうどビルの入口から出てくるところだった)
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お礼は言っとくわぁ。ありがとう。
頑張ってるって程じゃないけどぉ…人間に手を出す奴には痛い目を見ては貰ってるわぁ。
それが役に立つなら……なにぃ?なんだか面白いのが来たわねぇ。
でもそんなとこねぇ。今ちょうど口説き落としたところよぉ。
(女は話を中断した。それはもう一人の声が聞こえたからだった。目深なフードのその姿を見て女は興味をそそられたようだった。目をすがめて体を傾げた。よく見ようとしていた。)
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ちょうど口説き落とせたところよぉ~、ぎゃはは。どれだけ私に首ったけにさせられるかはまだ距離感図ってる最中ね、ちなみに。 (出て来たハリエットに上機嫌で八海に続いてカブせる)
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人間に手を出す奴には、痛い目見せて――っていうと? へぇ、シンプルに人間推しなんだ。心強いじゃん。私、√百鬼でそういうスタンスの色んな種族さんからの言葉聞くの好きでさぁ。
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(ずる、ずる━━ 引きずる足音を伴い、猫背の矮躯は少しずつ近付いた。自身への観察の視線に気付いたか、自身もまたぎょろりとふたつのまなこを蠢かせ、対象をようく眺め)
お……なんだ、マブいスケ落としてんじゃねえの。旦那、やるゥー。
(軽く揶揄るような調子を半分、もう半分は素直に称賛のそれを含んだ声音で嘯いて、矮躯はきひきひと小さく笑った)
おう、お姐さん。そんなに面白いもんが見れたかい。けども、あんまりじっと見ちゃいけねえ。少し照れるし、あんたもきっと今夜の夢見が悪くなっちまうぜィ。
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あなた達ご機嫌ねぇ。それなら落とされた甲斐があったわぁ。
それと、そうねぇ。他も悪く無いけど人間が一番見てて楽しいわぁ。
自分の好きな物を壊されたり取られたりするの嫌でしょ、そんな感じよぉ。同じスタンスの妖怪なら一番多い理由じゃないかしらぁ?
で、今のとこ結構面白いわぁ。
馴染みある匂い、でもそれが動いてるのは珍しいわぁ。あなた死んでるのねぇ…。
夢見は大丈夫よぉ。見るとしたらご馳走の夢だわぁ…八海雨月よ。
(妖怪は好き嫌いで判別する者が多いだろうとの推測で女は言った。自分がそれに漏れないとも。そしてようやくフードの奥のぎょろ目と目が合った。距離と、ピントが合った。口ぶりからして女はこれまでデッドマンに縁が無かったようだった。死体には縁があるようだった。)
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そうだぜィ。おれァ、とっくにくたばってらァ。
こうしてまじまじ見られるのはちょいとこそばゆいンだけどよ……。
…………居た堪れねェ目を向けられねえのは、ちょいと新鮮な気もするぜィ。
(視線が重なれば、目玉はまた明後日の方向にびくんと跳ねるように瞳孔の先を揺らし、しばしの間を挟んでまた戻って来る。少し遠慮がちに視線がまた重なった)
……そこ、旦那! 茶化さねえでほしいぜィ。
おれァとっくに死んでるゾンビィよ。女の子らしいだなんて手遅れにも程があんだよぅ。
(女子力? 防腐剤と消臭剤を原液で飲んで死臭ケアするのが関の山よ)
……と。
おれはハリエット。界隈じゃ『|悪食《ダーティー》ハリー』で通ってるケチな殺し屋よ。
お姉さんは誰か殺してェやつとか居るか。初回サービスで2割引にしとくぜ。
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別に気にしないわぁ。
そりゃあ、嘆き悲しまれたら哀れんでもあげるけどぉ。
そうじゃないなら何も不憫なことは無いわねぇ。そうでしょ旦那ぁ?
ハリエットねぇ。ちゃん付けが良いならそっちで呼ぶわよぉ。
殺したいやつがいたら自分でやるわよぉ。そっちの方がすっきりするものぉ。
でもそうねぇ…悪食ってくらいだから量も食べるんじゃないのぉ?独り飯が寂しい時に呼ぶわぁ。
(変わらず女の眼差しには変化は無かった。動く死人、揶揄う人間、その絡み。等しく興味の眼差しを向けていた。)
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やっべぇー雨月さんのしっとり抑揚で「旦那ぁ?」って言われるとめっちゃゾクゾクする~~~ とろあまASMRって感じ?
(目顔を掌で覆っちゃ天を仰いで「くぁー!」とか言っていた。マジメな話の邪魔だった)
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なんだ、この姉ちゃんめっちゃコッチ側じゃん……。こわ。
……悪食。悪食なー。悪食ってのはそーさな……。
殺し方がめっちゃくっちゃ汚えから後片付けが大変っていう意味でそう呼ばれてンだ。
マトにかけた相手が強けりゃ、返り血か自分の血かわかんねえくらいゴッチャゴッチャのしっちゃかめっちゃかになるからよ。……まあ、食い物も別に食えねえものはねえよ。
でもピザなら特に歓迎だぜィ。
……なんだよ旦那。そういうのがお好きかい。
『ザクッ……グサリ……ドチャリ、ブツッ……ゴッ……ゴッ……ボグッ……』
(低くドスの聞いた声で愛用の三徳包丁を片手に生々しい擬音を口頭で再現しいの)
永久保存版だよ。毎朝すっきり爽やかに目が覚めること請け合いだァ。
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そんなに良かったかしらぁ…。
なら、あなたに頼み事する時は耳元でそう呼ぶことにするわぁ。
それくらいおねだり上手の方が可愛げもあって良いわよねぇ?
で、まあスマートに殺るタイプには見えないわねぇ。
喰わないなら死体も残ることになるしぃ。…片付け役にちょっと同情するわぁ。
ピザはあんまり食べたことないのよねぇ。パイナップル乗せると蛇蝎の如く嫌われるってことだけ知ってるわぁ。
(おねだりと口にし手を合わせ体を捩って見せるそれは、しかし愛想までは付いてこなかった。女は話しながら少し道の脇に寄った。長身を尚も伸ばすかのような厚底の鉄靴が重い足音を立てていた。ビルの壁面に体を預けるその仕草は此処にもう少し居座る意思表示か。話に乗り気である証左か。)
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スマートに殺すやつならおれ以外に幾らでもいるしな……。
殺しに個性を出すのも大変なんだよ。取り立てて語るような美学とか矜持もねえし……。
…………パインとか超邪道じゃねえかよ……。カレーに大根入れるやつ、唐揚げにレモン汁かけるやつ、それからピザにパイン乗せるやつ……こういう連中とは一生分かり合える気がしねえなァー!
……おい、旦那。変な括りつくらねえでくれねぇか。
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失礼ねぇ。わたしは残虐ファイトなんてしないわよぉ。
ちゃんと残さず綺麗に食べてるわぁ…。√ウォーゾーンの連中みたいな金属は別だけどぉ。
……殺しには無くとも食には美学や矜持があるってことは良く分かったわぁ。人間って本当に食にこだわるわよねぇ。
まあそっちに合わせるわぁ…わたしはその中だとレモン汁はかけるけど、添えてあるから掛けてるだけでこだわりはないしぃ。
ウツロも食のこだわりがあるなら言っときなさいよぉ。後で文句言われても困るわぁ。
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食のこだわりぃ? あー、あるある。えっ何? 言ったら汲んでくれるやつ?
雨月さんみたいなほわほわしっとり美人さんと一緒に食事してたい~~~キャー言っちゃった~~~ (両頬押さえて縮こまる)
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……痕跡を残さずに食って後始末できるって?
(これは便利そうだな、と片眉を持ち上げた)
少なくとも皆で食べる唐揚げの大皿にはレモン汁かけるなよ。
自分の取り皿に分けてからじゃないと殺し合いになるからな……。
なるほど。旦那は主義主張がわかりやすくていいな。きひきひ。
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それ食のこだわりじゃないじゃないのぉ。
まあレモン汁で殺し合いになるよりはマシだけどねぇ。
…なんだか食事の話をしてたらお腹空いて来たわぁ。続きは何か食べながらにしましょ。
(提案の体であったが女は既に歩き出していた。乗らないなら一人でも食べに行くのだろう。看板、ひさし、提灯、木の枝。また擦らぬよう気を付けながら。)
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ちょいちょいちょいエスコートさせてよ~~~
私『ちゃちゃ』のオーナーぞ? 同伴で入店すると払いは大体ロハになるよ?
(チャラチャラしながら雨月の隣に歩調を合わせに行く)
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