栞沢・読美の日記帳

津村古書店…綴くんの店で買ってきた「呪物管理記録書」を読んだわ。明治~平成までの古妖の封印の様子について書かれた本ね。いかにもお役所的でちょっと文体固めだけど、一冊に込められた知識の量は折り紙付き!レファレンスブックとしても十分使える一冊ね。編纂者の趣味か分からないけど、前半部分に明治以前…太古の原始封印術から今日に至るまでの封印の変遷がまとめられていたのも面白かったわ。ただイラストが少ないから文字だけだとどんな結び方をしてるのか伝わりづらいのが難点ね。まあ、封印の結び方は解き方にも通ずるっていうし、あんまり分かりやすくしすぎても良くないんでしょうね、こういうのは。
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「ダンジョン名鑑」初版本読んだわよー。√ドラゴンファンタジーの【Records】っていう本屋で手に入れたレア本。店長がずいぶんやる気なさげだけど、品揃えいいのよねあのお店。「ダンジョン名鑑」は今も改訂を繰り返してるロングセラー本なんだけど、初版の時代はまだダンジョン発生黎明期だったこともあって、ダンジョンのようなもの、ダンジョンっぽいところ、ダンジョンと似て非なる場所…そういう「まがい物」もバッチリ収録されちゃってるのよね。でもその間違いにこそ、ダンジョンと共に歩んできた√ドラゴンファンタジーの歴史ってもんを感じられるのよね…。中には明らかに別√絡みのヤバいエリアとかも収録されてるから、読んでてちょっと背筋が冷えるのも面白い所。今度こいつに載ってる場所、全部探し当てに行こうかしら。
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「ミシマ流筋肉魔術大全」読んだわ。書店『烏の九爪』…ハクアちゃんのところで買ったマイナー魔術の本ね。作者のミシマ政張(みしま・せいちょう)は部屋にこもり研究にばかり明け暮れる魔術師の姿に疑問を抱き、健全な肉体と強靭な筋肉をもって初めて発動できる「あたらしい魔術」の発見と布教に生涯を捧げた人よ。ちょっと身につまされるところはあるわね…。「身体を鋼鉄のごときに化す魔術」とか「拳を鉄球と化す魔術」とか、一見それただの腕力じゃないの?と思えるような魔術なんだけどところがぎっちょん、ちゃんと魔術大系としては一定の形を保ってるあたりミシマの才能のほどを感じさせるわね。まあ魔法の発動条件が腹筋100回とか腕立て120回とかだから全く広まらず爆速で滅びたんだけど…。内容も魔術書というよりかは半自伝本であまり分かりやすくはないわね。ただ読み物としては相当面白いのよ、これ。
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魔導書店「月影のページ」に入団したわ!古代語で書かれた魔術書と店主の仕入れた漫画が充実した書店で、不思議と水が合ったのよね。店長はじめ団員がみんな結構年上だから、多分あっちの旅団は基本敬語喋りになりそうね。冒険時や旅団時で口調変えてみるのもまあ、なかなか面白いものよね。
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【若草色の魔術書】読んでるところよー。魔導書店『月影のページ』で買ってきた古代語の本。正直古代語はさっぱりなんだけど、手持ちの解説書を隣に置きながらちょっとずつ読み解くのも楽しいのよねこれが。内容はどうやら「魔法植物の生育とその利用法」に関する本みたい。挿絵を見るに、色んな魔法植物を育てるのに必要な素材や適切な時期が描かれている、古代のガーデニング本みたいな感じね。これ読み切れたら、あの魔導書店の他の本も多少は読めるようになるかしら。ルナ店長に本格的に教えてもらおうかな、古代語。
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「豆狸七変化図録」読んだわよー。津村古書店で買った本ね。対象年齢は小学~中学生くらい?豆狸のぽん助が友達のゆうた君に変化を教えてあげる、ってストーリー仕立ての本なんだけど、これスゴイのは変化の仕組みや印の結び方の解説が“ガチ”なのよね。十干十二支、風水、道術、あらゆる角度から見た「変化術」をゆるいイラストで紹介しつつ、その中でも特に代表的な七つの変化とその応用についてかなり丹念に解説されてるわ。子供向けの絵本にしちゃいやに分厚いなと思ったのよね…。一冊の中の知識の量じじゃ専門書にも負けない、分かりやすさと充実ぶりを両立させた良書だわ、これ。はー、古書店でこういう本引き当てると気分いいわー。
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所属旅団「月影のページ」のやつでちゃんが読んでたのきっかけに、クリスマス終わったけど「クリスマス・キャロル」読んでみたわ。√エデンの英国作家、ディケンズが描くクリスマスの奇跡の物語ね。いやー面白かった。強欲な商売人スクルージ爺さんの序盤の偏屈ジジイっぷりもいいんだけど、亡霊たちとの出会いを経て文字通り生まれ変わった陽気なおじいちゃんスクルージがもう可愛いのなんのって!訳者の妙か言葉選びもくすりと来るものがあって、これはクリスマス・イブに暖炉の前で読みたい一冊だわ。きっと翌日は生まれ変わったような気持ちで朝を迎えられるでしょうよ!
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「江戸 拷問 体験記」読んだわよー。私が冬の年の瀬に創作の祭典行って手に入れてきたいわゆる「薄い本」ってやつね。これは作者が実際に江戸の拷問をこの身で味わってきた!っていう内容のいわゆるレポ本なんだけど、主観によるこなれた語り口と襦袢の成人男性が縛られてたり石抱かされてたりする写真がまあ面白いこと。幼いころ時代劇を見て以来「俺も拷問をされたい…!」という歪んだ欲求を抱いた作者が、その念願を叶え痛みと囚人ロールプレイの果てに陶酔に至るさまはなんかこう…本当にこれここでしか読めないわね!って内容で満足感高かったわ。文体がなかなか艶っぽくて文章としても読ませるのよね…。もちろん私は拷問するのもされるのもゴメンだけど、文章越しにこの独特な価値観・世界観に触れられるのはまさに読書の醍醐味!面白い本だったわー。
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米澤穂信「氷菓」「黒牢城」読んだわよー。√エデンのミステリ作品ね。神山高校を舞台に爽やかな青春を過ごす学生たちの小さな謎を描く「氷菓」、主君に謀反した荒木村重が籠城中の城で起きる血生臭い事件を牢内の黒田官兵衛とともに解き明かす「黒牢城」、同じ作者の作品なのに温度差エグすぎて風邪引きそうだわ…。「氷菓」は等身大ジュブナイルな感じもありつつ、若さがあればこその「毒」が時折見え隠れするのがいいアクセント。「黒牢城」は提示される謎そのものもさることながら、じりじりと不利な状況に追い込まれていく荒木村重が城を保たせようと手を尽くすさまがなんとも…重い…。牢内の黒田官兵衛がまた不気味さと聡明さを併せ持つ「どろりとした」描かれ方してて…個人的にすごく好きなのよね…こういうクセのあるキャラクター…。いやほんと、本当に同じ作者?と思うほど雰囲気の違う二冊、続けて読むのがオススメよ。
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こないだジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの「愛はさだめ、さだめは死」読んだわよ。地球でない星が舞台、人でない生物が主人公。なんと全編通して「人間」の出番はゼロ! 六足の異星生物モッガディートが迫りくる|さだめ《本能》に抗い、愛する赤・リーリッルウを守り通そうとする物語ね。やー、ホントこの作者よくこういうの書けるもんだわ!到底文明的、知的とは言い難いプリミティブな衝動につき動かされるモッガディートの思考、そして行動が見事な一人称で表現されてて、もうこれだけで見応えがあるってものよ。
だけど全編通してただひたむきに赤を愛し、生きることを諦めないモッガディートの姿はむしろ私達に共感と親しみを抱かせて、決してこの物語を他人事にはさせないっていう「凄み」があるわね…。原始に近い生物であるがゆえのグロテスクさと、わずかに芽生えた知性が照らす進化への道筋。ものすごい力のある小説だったわ…!
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「幼年期の終わり」読んだわよー。これまた「月影のページ」で木原・元宏くんから紹介してもらったSF小説ね。人類を上空から監視し、そして庇護する「上帝(オーバーロード)」なる異星人、決して人類の前に姿を現さず、声だけを通して地球に君臨するかの存在の目的は…!?という話なんだけど、本当にオーバーロードの人類支配の仕方があまりにまっとう過ぎて、逆にその目的が全然読めないのが面白いわね。決して過度な干渉はせず、ただ大宇宙艦を浮かべるだけで自然と「上帝」と呼ばれるようになったってのもなかなか…。
いやー!しかし上帝の正体がXXのXXをXXXXXでさらにXXXXなんてのまでいるとは!ラストはXXがXXXXXXXXXXXれちゃうしXXXXXXXXすぎだわこれ!いろんな意味で怖い話だったけど、すっごく面白かったわね…!やっぱりアーサー・C・クラーク只者ではないわ…!
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「ゆがみレンズ」全三巻読んだわよー。おなじみ「月影のページ」で買った、√妖怪百鬼夜行の漫画作品ね。1960年代の日本のある地方を舞台に、閉塞感あふれる田舎の片隅で偶然「カメラ」という高級品を手に入れてしまった少年たち。周りの大人でさえ持っていない黒く艶やかなそのカメラを巡り、少年やコミュニティの大人たちの関係はどんどん「ゆがんで」いく…と、日常に紛れ込んだ異物が平和な日々を壊していくちょいホラーめの作品ね。古い漫画作品だからこその表現やなんとも言えない絵のクセがこう…読んでるとこっちまで歪んでくるような奇妙さに溢れてて…でも個人的には好きなのよね、本読んでてこういう感覚になるの…。にしてもラストの村々が燃えてさっちゃんの亡骸を抱いたショーイチがそれを見つめるシーン、あれだけで美術館に飾れるぐらい耽美すぎたわ…。こういう揺さぶられかたするのも読書の醍醐味よね。はー面白かった。
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「期間限定いちごタルト事件」読んだわよー。「氷菓」の作者、米澤穂信のミステリシリーズね。ミステリと言ってもここのは「氷菓」と同じく、事件や事故の絡まないいわゆる日常系ミステリ。とある「特異さ」を持つことから、その特異を封じて「小市民」になることを目指す主人公ふたりのちょっとズレた努力がなかなか面白いわね…。しかしこの作者、よくもまあこんな日常のふとした場面からミステリ書けるもんだわ…。「おいしいココアを三杯入れた」ってところからまさかこんな面白い「謎」が生まれるとは思わないわよ…。普段から特異現象に触れては暴れまくってる私たちからすれば、この作品の舞台はまさに「守るべきささやかな日常」って感じね。そういう点も含めて愛おしくなる作品よ。シリーズものだから、続刊これから読むのが楽しみ!果たして彼らは目指すべき小市民になれるのかしら…!?
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「影の告白」読んだわよー。津村古書店で買ったミステリ小説ね。あすこの店長、本を見る目は確かね…。ばっちり面白い一冊だったわ。
何年も前の小さな犯罪を自首しにやってきた男、主人公は奇妙に思いながらも彼の独白を調書にまとめていくんだけど、徐々にその内容に奇妙な食い違いが現れてきて…。という話。取調室の独白パートの重々しい空気と、実際に調査する捜査パートの躍動感。このメリハリがなんとも読んでいて飽きさせない!男が自首をした真意とは何なのか、分かりそうで分からないのがなんともヤキモキさせるわね…!主人公の刑事がクールながら自分の中にしっかりとした正義の形を持ってて、これまたいいキャラしてるのよ。ハードボイルドながらミステリとしてもしっかり手強い、夜を明かすのにぴったりな一冊だったわ!津村古書店、いい店じゃないの。また今度古書探しにいこっと!
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「冬季限定ボンボンショコラ事件」読んだわよー。
…くくく…「春季限定いちごタルト事件」「夏季限定トロピカルパフェ事件」「秋季限定栗きんとん事件(上・下)」そして「巴里マカロンの謎」と合わせて…これにて「小市民」シリーズ完全読了ーッ!わー面白かった!はー面白かった!「冬季限定」、主人公・小鳩くんが長期入院するところからスタートし、相棒の小佐内さんと会えそうで会えないすれ違いを繰り返しながら過去を回想し、昔と今とが交差して…ってな展開がまた新鮮で面白い!ラスト近辺は驚きのヒント回収っぷりと予想外の真相に最後の一行まで「わー!うわー!」ってなりながら読んだわ!昔の小鳩くんが失敗するくだりはちょっと胸キュッってなったけど、最後まで読んだ後のスッキリ感がまた堪らないわね…!気持ちの良い短編日常ミステリ読みたいときは何といっても「小市民」シリーズ!心からオススメしたい一冊だわ!
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やー、昨日は恥ずかしかったわ。コートをクリーニングに出したら読むもの切らしちゃって、脳が深刻な活字不足に陥った結果、ワインのラベルの裏の販促文ひたすら読んでるところを観千流ちゃんと庚ちゃんに見られちゃって…。
でも見かねた二人から【オーバーテクノロジーな兵器の説明書】と【依頼報告書】を譲ってもらったわ!ふふ、説明書の方はもう…何書いてあるか全っ然分からない!でもルナ店長から譲ってもらった古代語のエッセイもなんだかんだ読めてるし、読めない本を読むのはむしろ得意分野!ゆっくり解読していくわよー!
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「さあ、気ちがいになりなさい」読んだわよー。タイトルのインパクトは抜群、フレドリック・ブラウンのSF小説ね。なんと翻訳はあの星新一!彼のショートショートを読んでいるような優しい語り口で、彼のものではない発想の書を読むって言うのは…なかなかクセになる経験ね。内容はある精神病院に潜り込むため、気ちがいのふりをすることになった記者・ジョージ・バイン。彼は自分こそが皇帝ナポレオンであるという気ちがいの妄想を演じることになるんだけど、実は彼にはある秘密があって…という話。なんともはや、マトリョーシカの中というか、鶏が先か卵が先かというか、合わせ鏡の中に迷い込むような中盤の奇妙な展開は不思議と引き付けられるわね…!そしてラストにかけての壮大なスケール感!すっきり謎が解決する話ではないけれど、読み終えた時にぞくりと背中に残るものがある不思議な小説だったわ…!
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【依頼報告書】読んだわよー。こないだ庚ちゃんからもらった、彼女曰く「元の世界」の報告書ね。いや、これがなかなか面白いのよ!世界を駆ける庚ちゃんのおっそろしくスケールの大きな冒険譚!淡々とした事務的な文体でつづられつつもその内容が実にSFしてるのよねえ!見たことも聞いたこともないようなメカの名前が説明なしでぽいぽい放り込まれるからそりゃもう想像力を試されるってものね…!依頼書自体はひとつひとつ単発のものが多いんだけど、たまに因果というか、依頼書同士の内容がリンクし合ってるのを見つけるとやっぱりいきり立つわね…!星間貿易護衛任務の依頼書のあとにその星で発展した兵装工場の新ガジェット装着テストの依頼こなしてるの見た時はテンション上がったわー!想像もつかないような星々を駆ける冒険の日々の記録!世界に一つだけの本として、しかと私の書棚に収めさせてもらうわ!
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「さくら横丁顛末記」読んだわよー。【夢現堂】って古書店の古本整理お手伝いしたら、お礼にもらえちゃった本ね。いやー、情けは人のためならずとはよく言ったものよ。
ひとクセもふたクセもある奴らが軒を連ねる「さくら横丁」に巻き起こるドタバタを描いた短編集なんだけど、人情噺あり、ちょっとしたミステリあり、時には戦いも…。と、一冊でいろいろなジャンルが楽しめる幕の内弁当みたいな本なのよね。主人公は章ごとに変わるオムニバス形式なんだけど、前の話で読んだ要素が絡んできたり、ちょっと謎めいた部分が実は次の話の出来事が関連してたり…と、短編同士が絡み合うさまがこのさくら横丁の「実在感」を高めてて面白いこと!そしてたまに出てくる食事やお菓子の描写がこれまたおいしそうなのよね…!第二話「いかさま画商放浪記」のはじめに出てきた桜餅、あれ読んだらもう…あー食べたい!買ってこよ!ってなる本よ!オススメ!
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