神楽火・皇士朗の日記帳
花園・樹 9月16日18時ここ…であってるんだよね?
(「そんなに『自分と似ている』というなら、『センセ』という人に一度会ってみたい」と勇見に伝えたら、入校許可証と地図が入った端末(※√ウォーゾーン製)を渡された。
…のだけれど。いかんせん普段は√EDENで教鞭を取る身。地理的にあまり慣れていない上に、手渡された端末は明らかに√EDENのそれとは違っていて。学校まではなんとか辿り着いたものの、校内はとんでもなく広い。
見える人には見える尻尾をゆらゆらさせつつ、校内の廊下をうろうろと歩いている)
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神楽火・皇士朗 9月17日06時(廊下を歩いていていると凰羽からテキストメッセージを受信)
あいつが通話じゃないなんて珍しいな。……!
『会って欲しい人がいます』だと…?
(書き出しに衝撃を受けるものの読み進めればただの|来客《ヴィジター》と判明したので気を取り直す)
なら戻るか…。(方向転換した時、廊下の先で見慣れない尻尾が揺れているのを目撃)
もしかすると――。(呟いて凰羽が提出した外来者申請を確認。確信を得て足を速める)
そこの人。あんたが花園樹教諭だな?
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花園・樹 9月18日04時(相変わらずうろうろとしていたら、一瞬何か殺気とも動揺とも何とも言いがたい気配がした気がして。毛がぶわっと逆立つ)
……何だったんだろう、今の……。
(気を取り直そうと再び端末とにらめっこを始めると、突然後ろからものすごい早歩きで歩いてきた人から声をかけられて驚く)
……うわぁ!!!(びくぅ!)
(一瞬困惑するも、間違いなく今自分の名前を呼ばれた。落ち着くべく一呼吸おいて)
あ…はい。花園 樹は私ですが…。
もしかして…あなたが神楽火さん…?
(いそいそと内ポケットから名刺入れを取り出しつつ尋ねる)
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神楽火・皇士朗 9月18日08時驚かせたようで申し訳ない。(姿勢を正して敬礼)|員数外戦力管理室《SORS》実装実験委員会の神楽火皇士朗三尉だ。――凰羽の「センセ」と名乗ったほうがわかりやすいかな?
すまんが、名刺を交換する習慣が|こっち《√ウォーゾーン》にはなくてな。持ってないんだ。
立ち話も何だし、|対装甲近接戦闘研究班《おれ達》の執務室に行こう。こっちへ。(先導して歩き出す)
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神楽火・皇士朗 9月18日21時『|員数外戦力管理室《Section of Outsiders' Reinforcement and Support》』
『|実装実験委員会《Board of Implementation Experiment》』
『|対装甲近接戦闘研究班《AFME-CQB Research Team》』
と書かれた札のあるドアを開ける。教室の三分の二くらいの広さの部屋だ。
部屋の中は四台まとめられた事務机、きっちりと資料が整頓された棚、大型の電子黒板兼ディスプレイ、筋トレグッズが詰まったキャビネット等がある。
隅の方に二人掛けのソファ×2とローテーブルが収まり悪く置かれている。テーブルの傍の壁際には背の低い本棚があって、津村古書店で見かけたような気もする漫画雑誌が詰めこまれていた。
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花園・樹 9月20日03時ああ、貴方が勇見の『センセ』ですか…今回はわざわざお時間を頂きありがとうございます。
いえ、名刺の件はどうぞお構いなく(内ポケットに名刺入れをしまいつつ)
そうですね、細かい話は後程…(神楽火に先導され歩く。√ウォーゾーンの学校には何度か来たことがあるけれど…やはり|√EDENの《馴染みある》学校とは全く違うなと改めて感じる)
(案内された部屋に入ると一番に|ハイテクな黒板《電子黒板》が目に入る。そんな中でどこかで見覚えがある雑誌と、筋トレグッズの違和感がすごい。思わず部屋を見回してしまったことにはっとなる)
…ああ、すみません。まだあまり他の√に慣れていないもので…(苦笑しつつ神楽火の方を向いて)
改めまして。私は花園・樹。√EDENで小学生の教師をしています。…こちらでは『√能力者です』という自己紹介のほうがいいでしょうか。
勇見さんにはいつもお世話になっております(微笑して軽く会釈をする)
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神楽火・皇士朗 9月20日06時班員の素行を評価することも任務の内だ。問題ない。
(L字型に配置されたソファのほうを示しつつ)どうぞ、楽に。(背を向けてカップを取り出す)コーヒーで構わないか? まあ、豆を使ってないからコーヒーの味と香りがする水と言うのが正確なところだが。
(樹さんの会釈に礼を返す)いや、あんたが自分を何者だと思っているかに従ってくれて構わない。|ここ《SORS》はそういう部署なんだ。
こちらこそ、勇見三曹へのご支援に感謝する。
(筋トレグッズと漫画雑誌に視線を向けて)凰羽が持ってきたものだ。事務仕事が増えてきたのをボヤいたことや、√を移ったことで漫画の続きが読めなくなったと話したのを覚えてたらしくてね。
他の√の|能力者の集まり《旅団》で知り合ったと報告を受けてるが……そちらでの凰羽の様子はどんなものか教えてくれないか?
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花園・樹 9月21日04時あぁ、では失礼して。わざわざ飲み物のお気遣いもありがとうございます(勧められたソファに腰かけて)
…『自分を何者かと思っているか』か…(ぼそりと呟いてから)そういう意味であれば『小学校教師』という言い方の方が合っているかと。
今日ここに伺ったのも、√能力者云々と言うよりも私自身の一教育者としての興味からの部分が大きいですから(少しだけ恥ずかしそうに苦笑しつつ)
いえ、支援と言うほどのことは。こちらこそ勇見にはいつもお世話になっています。
|こちら《旅団》での、勇見の様子…ですか。
|………………。《まさか『制服好き』の濡れ衣を着せられたり、その他諸々暴走してるとはさすがに言えない》(暫し間)
…他の√の文化や考え方にとても興味があるようで。個性的なメンバーが集まる中、仲良くやっていますよ?
|いざという時《大破》にはとても頼りになりますし…。
(とりあえず無難な所におさめた。間違ってはいないはず…多分)
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神楽火・皇士朗 9月21日07時なるほど、他√の教育現場の視察ってとこか。機密に触れない範囲でおれが知っていることなら回答するぜ。|初等部《PID》から|中等部《MID》までは軍事訓練もほぼないし、√マスクド・ヒーローの学校とも似たような感じだから共通する部分はあると思う。
(長めの間に察するものがあったようで笑う)ふむ。|外的人格《ペルソナ》の確立は順調、と(メモを取っている)。
……それにしても、学園の外だとかなりのじゃじゃ馬みたいだな。他の人間を真似してみろ、とは言ったが一体誰を参考にしたのか……。
他の√の文化調査、か……。熱心にやっているみたいだが、凰羽本人の口から「なぜ文化調査をするのか」というモチベーションや理由について聞いたことは?
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花園・樹 9月23日01時他√の教育現場の視察…まぁ、確かにそれもなくはないんですが。私の本来の目的は神楽火さん、あなたに一度お会いしてみたかったからなんですよ。
いえ…勇見と話をしていると、時々「『センセ』と同じことを言う」と言われまして。大体「自分を大切にしなさい」とか「無理はしないように」とか、そんな話をしているときに言われることが多かったように思いますが。
しかも彼女はあなたをとても尊敬している様子…一体どんな人なのか、お会いして一度話をしてみたかったんです。
要は…|教育者《同業者》としての興味本位…かな(ぼそりと呟くと微笑して)
それにしても√マスクド・ヒーローの学校についてもお詳しいんですね。やはり、依頼で?あちらの√へ行ったことは私自身まだ少ないので…。
勇見が文化調査をする理由…(「課題が…」とは言いつつも、結局色んな方向に暴走していた気がして。どうやって言えばいいものか軽く頭を抱える)
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神楽火・皇士朗 9月23日06時おれに?(話を聞きながら険しい表情になっていく)尊敬か…。
(目つきを緩めて)いや、おれは√マスクド・ヒーローから来た。凰羽のソード・アクセプターは元々おれが使っていた装備なんだ。
(頭を抱えているのに事情を察しつつ)
――花園教諭。ひとつ訂正しておかなきゃならない。さっき同業者と言ってたが、おれは教師じゃないんだ。|教導担当官《メンター》という肩書は、サムライセイバー・レプリノイドを完成させるまでの仮の身分にすぎない。
だから、彼女には本当の「先生」が必要なんだ。
(ひどく真剣な――思い詰めたような顔で)花園教諭、頼みがある。あの子が|修羅道《たたかい》以外の世界を知れるよう|援《たす》けてくれないか?
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花園・樹 9月24日03時(酷く思い詰めたような表情と言葉に、考え込むように少し間を置いて)
勿論…彼女は大切な仲間です。助力は惜しみません。
…ですが。
お言葉ですが神楽火さん…あなたが『本当の先生』になれていないとは私は思いません。
その…|教導担当官《メンター》という立場がどんなものなのか私には分かりかねますが…職業上『教師』という身分を持つ者だけが先生だとは私は思わない。
それに…先生は何人いたっていい。生徒が「この人は自分の先生だ」と思えばその人は先生だし、他の誰かがその人の代わりを務めることもできない。
私のことを『先生』だと思ってくれるかどうかは彼女自身が決めることです。
たとえ勇見が私を先生だと思ってくれたとしても…神楽火さんの求めるような先生にはなれないかもしれない。
でも…私はそれでもいいと思っています。主体にすべきは教師でなく生徒…どういう形でも彼らの成長の糧になれれば…そう思って私は毎日教壇に立っています。
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花園・樹 9月24日03時(そこまで言うと思わず苦笑して)
すみません、どうにもこういう話になると説教臭くなっていけない…職業病だな。
私は…神楽火さんは勇見にとってちゃんと立派な『先生』になれていると思いますよ?
この前も仲間で夏祭りに行った時…彼女、「『センセ』みたい」と言って嬉しそうにお面を買っていましたからね…ライオンの。
本当に勇見があなたを|修羅道《たたかい》のことだけと結びつけて考えているのなら。
…あんなに楽しそうにお祭りであなたの事を思い出してお面なんて買いませんよ。
(夏祭りでの様子を思い出して。くすりと微笑する)
教え子を教師の思いどおりに動かせたら…もうそれは教育ではなく洗脳だ。
少なくともあなたはそうではない…勇見の様子を見ていれば分かりますし、だからこそ私はあなたとお話したいと思ったんです。
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神楽火・皇士朗 9月27日22時……確かに、あんたの言う通りだ。やっぱり専門教育を受けてる人は違うねぇ。いや、それこそあんたの「先生」が立派だったのかな。
(夏祭りのくだりを聞いて苦笑い)ああ……妙なお面を持ち帰ってきたと思ったらそんなことがあったのか。……どの辺が似てるんだろうな。
(笑みは浮かべているものの思いつめた風の雰囲気は変わらず)なあ、花園教諭。あんたの目に、凰羽はおれのことをどう思っているように見える?
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花園・樹 9月29日03時あぁ…いえ。専門教育云々というよりも…あくまで|平和な世界《√EDEN》の若輩教育者の理想論でしかありませんよ。それに『教諭』という呼び方もどうにも慣れなくて…なんだか恥ずかしいなぁ…(思わず目をそらして頬をかく)
それに私が教師になろうと思うきっかけになった一番の恩師は…確かに『先生』ではありましたが、学校の先生ではありませんでしたから。
勇見が神楽火さんのことをどう思っているか、ですか…。
うーん、一言で言い表すのはとても難しいな…(暫く考え込む)
『尊敬』しているのは間違いないと思います。ただ、普通の『尊敬』とは少し違う気もするというか…。
神楽火さんの事を私たちに話す時はとても嬉しそうにしていますし、慕っているのも間違いない。…ただ時折、若干盲目的な部分を感じるような気もします。
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神楽火・皇士朗 9月30日22時ん? ああ、悪い。確かに「姓に階級を付ける」って呼び方は|軍事組織《こういうところ》独特かもな。それなら…(しばらく考える)…ヒーローやってた頃は大抵名前で呼んでたな。そうすると「樹さん」か?
学校以外の『先生』……? ああ、剣の師匠とかか。確かに、師の考え方や倫理観はかなり影響が強いな。よくわかるぜ。
(返答を聞いて深いため息)……やっぱりそうか……。今回は上手くいったと安心してたんだがな……。
その「若干盲目的な部分」について、もう少し詳しく聞かせてくれ。
例えば……他人に対して攻撃的な言動があるとか、誰かを仮想敵のように認識している素振りがあるとか、そういうことはあったか?
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花園・樹 10月4日08時ふふ、ありがとうございます。
名前でも名字でも、どちらでも構いませんよ?
(懐かしむように微笑して)あぁ、私の先生は…所謂『育ての親』なんです。
私事ですが、私は幼い頃に√EDENに渡って…孤児院に保護されて育ちまして。
親の顔も分からない私を院長先生はとても大切に育てて下さったので…。
いえ、神楽火さんが懸念しているような素振りは勇見にはありませんよ。
ただ…なんとなく神楽火さんを『慕っている』にしては、若干いきすぎている感があるというか…。
以前緊急事態で戦わないといけないことがあったんですが、こう…あなたの声で指示を出す音声が流れるボタンを渡されたりとか…(若干言いづらそうに目を逸らす)
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神楽火・皇士朗 5月4日13時(無言でコーヒーを啜る)そんなことがあったのか。うちの弟子が迷惑をかけた……でいいのか?
その「行き過ぎ」については心当たりしかないな。というのも、凰羽の原型に使われている霊刀はおれが使っていたものなんだ。だから凰羽達がおれにそういう感情を抱いているのは想定内ではある。だが、今の凰羽は感情を削って設計し直したはずなんだが……。
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花園・樹 5月4日14時あ、いや!迷惑とかそういうことは全くありませんから、どうかお気になさらず…!
なるほど、勇見の原型が…。
確かにそれならなんとなく納得はできる気がしますね。
ですが、感情を削るというのは…(|√EDEN《自分の住む世界》では絶対にあり得ないだろうことに、一瞬戸惑いの表情を見せる)
…それにしても、感情を削ってあれぐらい…(ぼそり、と)……あ、すみません、なんでも…っ!!
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神楽火・皇士朗 5月4日20時(ちゃんと聞いてた)相当奇妙な言動だったみたいだな(苦笑)。
「感情を削った」って言ってもそんなに物騒な話じゃないぜ。当初凰羽達には「霊刀にこめられた使い手の記憶」も継承させる予定だったんだ。そのほうが即戦力になるってことでな。
……だが、それは失敗だった。おれの記憶と共に戦いの情念も模倣してしまったサムライセイバー・レプリノイドは暴走して、仲間殺しをしちまったんだ。そんな兵器を制式採用するわけにはいかないから設計から見直して、記憶や情念は引き継がせずに「後から育てる」ことになった。そうして完成したのが今の凰羽ってわけだ。
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花園・樹 5月5日15時『凰羽|達《・》』…仲間殺し…兵器……
つまり、今の『勇見』は…元々一人ではない、と…?
そして、過去には暴走した彼女も、暴走した彼女に殺された彼女もいる、と…。
(普段古書店で共に過ごしていると忘れてしまいそうになるけれど、やはり彼女も|この世界《WZ》の住人なのだと改めて思い知らされて。思わず言葉に詰まる)
…すみません、少々取り乱してしまって。
|私達の世界《√EDEN》の常識は|こちら《√WZ》では通用しない。EDENとしての依頼を通して頭では分かっているのですが。
若い子達が絡むとどうにも、なぁ…。私の悪い癖です。(困ったように苦笑する)
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神楽火・皇士朗 5月5日23時ま、そういうのは|性《サガ》ってやつだな。おれも|第三次世界大戦《この戦い》には嫌気が差すこともあるぜ。この世界じゃ命が軽すぎる。ここの戦争はヒーローの戦いじゃない。
(しばし考えて)そうだな、|凰羽《あいつ》の戦友であるあんたになら知っておいてもらってもいいか。
あんたの言う通り、凰羽は「一人目」じゃない。二年前にサムライセイバー・レプリノイドの起動試験が行われた時に「一人目」は殺されちまったんだ。殺したのは「鬼式」――凰羽の「七式」と対になる、おれの「もう一振りの刀」から作られた少女人形だ。
(おもむろに端末を取り出す)一応機密事項なんで、今聞いたことは他言無用で頼む。……特に凰羽には。
(端末を操作する)機密解除の手続きはこっちでやっておくぜ。というわけで、少しの間この部屋から出ることを禁止させてもらう。
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花園・樹 5月6日02時もう一振の刀…『鬼式』と『七式』…。
…つまり、神楽火さんの刀は元々『二振で一対』だった、と。
勇見は…一人目…言うなれば過去の自分が殺されていることを…知らないんですよね?
…ええ、勿論。今の話は私の胸のうちに留めます。
こんな話、とてもじゃないけれど今の勇見には聞かせられな……
(ぼそりと呟いた瞬間、カチャリという小さなロック音を敏感な狼の耳が感じとる)
………えっ!??
あー、機密事項ってそういう……。
私自身、仕事柄個人情報の取り扱いは十分に気を付けないといけない立場だけれど、まさか缶詰めとはなぁ…。
まぁ『郷に入っては郷に従え』というし。
行き先が|ここ《√WZ》っていう時点で何があっても良いようにはしておいたから。多分大丈夫…かな。
(ほんの少しだけ遠い目になった後、苦笑しつつぼそりと呟く)
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神楽火・皇士朗 5月6日19時すまないな、一応そういう規則なんでね。だがすぐに…(樹と皇士朗の端末に同時に通知が来る)…ほらな。
(扉の鍵が勝手に開く音がした)
さて、どこまで話したっけ…。ああ「一人目」のことだったな。
もちろん「今の」凰羽は知らない。「一人目」とは根本的に設計を変えたらしくてね。おれも門外漢だから詳しくは説明できないんだが。
それでも、やはり時折…(一つ息を吐く)…まあそういうわけで、凰羽が不適切な対象に敵意を向けることをおれ達は警戒してるってわけさ。だが、あんたの話を聞く限りそういう兆候はなさそうだ。これなら他√への遠征を続けさせても大丈夫だろう。
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花園・樹 5月7日03時(ほどなく解除されたロックにほっと胸を撫で下ろしつつぼそりと呟く)
機密事項とか解除手続きとか…なんというか√EDENでは絶対に経験することのないような体験ばかりだなぁ、√WZって…。
勇見を…警戒……?
(いわば自分の『姉妹』ともいえる存在に|『一人目』《昔の自分》を殺されたのに、それでも疑いの目を向けられる勇見の境遇に、思わず歯噛みする)
…そんな!彼女が警戒されるような行動なんて絶対に……っ!!
(思わず声を上げるもはっとなる)
……すみません。一番辛いのは他でもない、勇見を一番近くで見ている貴方だ。
|ここ《√WZ》にはここの考え方、倫理観がある。それに嫌気がさすことがあるとも、貴方は言っていたのに…。
(思わず声を荒らげてしまったことに、申し訳なさそうに俯く)
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神楽火・皇士朗 5月8日11時あんたの気持ちはわかるよ。だが、剣が誰の手に渡るか見極めることも必要だ。特に…勝つために手段を選んじゃいられない|こんな世界《√ウォーゾーン》ではな。
それに、本来他人のあんたがそう言ってくれるってことは、|凰羽《あいつ》がちゃんと「人間らしい」育ち方をしてるってことだ。
それなら安心だろう。設計室の見立てでは|指導者《おれ》から離れて独自の判断で行動している時が一番注意しないといけない、って話だ。
(独り言のように)もし、凰羽が上手くいったらあいつも…。(再びカップに口をつける)
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花園・樹 5月8日18時剣が、誰の手に渡るか……
(ふと、腰に提げた霊刀に触れる)
…確かに、|剣《力》を持つものにはそれ相応の責任が伴う。その重さは私も…十分に理解しているつもりです。
(『凰羽が人間らしい育ち方をしている』その言葉に安堵して微笑する)
ふふ、そう言われると少し安心できる…かな。
勿論、彼女には彼女の生き方や、与えられた任務もあるだろうけれど。
それでも…ほんの束の間でも『兵器』ではなく『人間』として成長できているのなら。それは仲間としても教師としても嬉しいことだから。
(ふと、狼耳がぴくりと揺れる)
『あいつ』…もしかして暴走したという勇見の『対』になる子のことですか…?
そういえば、その子は今どこに…?
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神楽火・皇士朗 5月9日01時なら、きっとこの言葉が役立つぜ。師匠…親父からの受け売りだけどな。
「心静かなれば則ち武は真なり。心荒ぶれば即ち武は仇なり」
(カップを持つ手が数秒止まる)樹さんは耳がいいんだな。
おれはまだ「鬼式」を見捨ててないんだ。凰羽の運用実績からフィードバックすれば、きっと麟鳴――鬼式も「味方殺し」の性から逃れられるってな。
今は…この学園のある場所だ。すまないが、これ以上はあんたにも言えない。もっとも、正式にSORSの|員数外戦力《アウトサイダー》になってくれるなら話は別だけどな(さり気なく申請用の電子書類を呼び出す)。
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花園・樹 5月12日03時(耳がいい、と言われて思わず呟く)
あぁ…そうか。神楽火さんにはもし見えていても違和感を感じないんだっけか。
実は私は純粋な人間ではなくて。半人半妖…この身体には『真神』という狼の妖の血が半分流れているんです。だから普通の人間よりも少しだけ耳や鼻が利くんですよ。
実の両親の顔は…全く覚えていませんが。
(目の前に差し出された申請用の電子書類に一瞬きょとんとして。ほんの少しだけ考えた後、合点がいったようで思わず微笑する)
あぁ、なるほど。そういうことか…。
これはあくまでも私の推測でしかないけれど。
神楽火さん…あなたはきっと途中から見抜いていたんだ。
こんな話を聞いたら…おそらく私が黙って去ることはないだろうと。
だからこそあんな機密情報まで…いや、もしかしたらそれ以降の話もそれなりの機密情報だったのかもしれない。
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花園・樹 5月12日03時いくら勇見を通して多少なりとも話を聞いていたとはいえ…そうでなければそれなりの機密情報を抱えている組織が、外部かつ初対面の人間をこんなにも早く正式な戦力に迎え入れるなんてこと…いくら喉から手が出るほど戦力が欲しいこの世界の組織といえども考えられないから。
…ふふ、さすがは勇見の『センセ』だなぁ。
(今までよりもくだけた口調は無意識に少しだけ距離感が縮まった証。微笑しつつ差し出された電子書類に目を通すと指先で申請書に触れる)
…諦めきれないんですよね?もう|一人《一振》の子のこと。
私も…同じ。人の命が悲しいほどに軽いこの|世界《√》でも…誰かの命を諦めない人がいるのなら。
勿論、協力させてもらいますよ。神楽火|センセ《・・・》。
…まぁ、あくまでも私の本職は√EDENの小学校教師…ですけどね。
(くすりと微笑んで入力し終えた申請書を神楽火に返す)
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