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彩生・紬の日記帳

彩生・紬 1月5日20時
瀟洒な装丁の日記帳を購入しても三日坊主になる|業《かるま》を背負って生まれたわたくしですが、折角個々に用意して頂いた場所があるのですから活用してみようと思いますっ。
今日は新しい旅団を申請してみました。国語辞典片手にフレーバーテキストを書き上げて、いざ!と申請ボタンを押した瞬間「旅団の紹介文は400文字以内に纏めて下さい」と撥ね除けられた時のぴえん感🥺昔からひとつの文章に情報を詰め込みがちと申しますか、短文で纏めるのが本当にへたくそで。過ぎた長文は目が滑る方もおられるかと思いますし、要点をしっかり書き出した上で適切な文章量で纏められる方を心から尊敬いたしますぅ……。
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彩生・紬 3月16日23時
画廊がルートコレクションの話題で持ち切りに!日々の慌ただしさに感けている間にすっかり出遅れてしまいましたが、企画の成功を願うと同時に心から楽しみにしております……!盛装良いですねえ。フォーマルに身を包んだ皆さまの麗しい晴姿、是非とも拝見したいですっ。
わたくしもこの機会に普段なかなか袖を通すことが出来ないような衣裳の仕立てを依頼してみようかしらと期待に胸を膨らませつつ、作成した発注文章を読み返しては「こんな拙い文章で絵師さまに伝わるのかな……」と私室で唸っている今日この頃です。
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彩生・紬 5月7日20時
素敵な妖怪執事さまがお越し下さいましたっ。名前は|帷《とばり》さま――と、帷です!敬称をつけてお呼びしたら「不要です」と断られてしまって……。わたくしの元に来て下さるまではおじいちゃんの使い魔として働いておられたそうで、探偵助手としてのキャリアも長い凄腕の執事さまなんですよ。冷静沈着で仕事熱心、至らぬ主を公私ともにサポートして下さる姿は正に執事の鑑!……ただその、大変寡黙でいらっしゃいますので何を考えておられるのか掴めないところがあると申しますか……たまに無言の視線を感じますし……はっ、もしやあの視線は頼りないわたくしへ向けた叱責の眼差しなのでは!?まままさかそんな、帷に限って……!
そ、そうそう、なんと彼は人間に変身するのもお手の物なのですって!変化の術がお得意なのかしら。わたくしもまだお目にかかったことはございませんが、もう少し仲良くなれたら披露してくれるかなあ。
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彩生・紬 6月2日22時
帷と主従契約を結んでから早一月が経ちました。我が家には付喪神さまが棲み着いておられますし同居人がひとり増えたところで生活に大きな変化はないだろうと高を括っていたのですが、すっかり様変わりした日常に戸惑う日々が続いております。と申しますのも、わたくしが不在の間にありとあらゆる家事を帷が代行して下さっているので……!彼と対面を果たした翌日、学校から帰ると家中がぴかぴかに磨き上げられており、更には炊事洗濯日用品の買い出しまで半日足らずで終えたという帷のプロ執事ぶりにわたくし驚愕してしまいました。
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彩生・紬 6月2日22時
そこまでして貰うのは申し訳ないですとお止めしても「間借りしている身ですから当然のことです」と仰るし(かみさま聞いていますか!)そもそも鴉の身でどうやって家事を!?とお訊ねしても「昨日も申し上げた通り|人間《ひと》に化けるのは造作もありませんので」なんて涼しい顔で仰るし……!後生ですから洗濯だけは自分でさせて下さいと泣きつくと乙女心を酌んで下さったのか「承知しました」と頷いてくれましたが、毎日のタスクとしてこなしていた家事の時間がなくなるとどうにも落ち着かずそわそわと。うう、主を駄目にする執事すぎますぅ……!
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彩生・紬 6月8日21時
餓者髑髏通りを歩いていると知己の妖怪さま方から「帷が帰って来たんだね」と声を掛けられる機会が増えました。以前は彼もこの町に住んでいたそうで、お顔馴染みの同朋が大勢おられるみたいです。普段の帷はどんな様子ですか?と訊ねると「無口」「仏頂面」「ぶっきら棒」「可愛げがない」と皆さま口を揃えて仰るのでどうやらわたくしが知る謹厳実直な彼の心象とは乖離があるような……?たしかに寡黙な方ではありますけれども誠実だし言葉遣いも丁寧で――あ、でも前に「俺は」と言いかけてすぐさま「失礼しました、私は」と訂正していたことがあったっけ。あれが彼の素なのかな?主としてはもっとざっくばらんにお喋りがしたいので肩肘張らずに接して頂ける方が嬉しいのですが、そんなことを言ったら真面目な帷を困らせてしまいそうですねえ。
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彩生・紬 6月15日23時
たまにはおじいちゃんの部屋の換気と清掃をしておかないと、と週に一度ぐらいのペースで掃除をするようにしているのですが、古美術品に目のないおじいちゃんの私室はとにかく物が多く、何気なく開けた戸棚の奥からとんでもない代物が転がり落ちて来たりするので心してかからなければなりません。見世に置いている曰くありげな彫像などはまだ可愛い方で、ここ最近でギョッとした物と言えば妙にリアルな木彫の面とかカラカラに干からびた手とか……特級呪物……? けれど今日部屋の片隅で見つけたそれは何だか毛色が違っていて。文机の引き出しの奥に仕舞われた、まるでリングケースのような小箱の中に白く煤けた剥片がひとつ。酷く脆そうだったのでそうっと蓋を閉じてそのまま元の場所に戻しておきましたが、あれはいったい何だったのでしょう。
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彩生・紬 6月20日07時
いつも身の回りのお世話をして下さる帷にお礼がしたくて、『何か欲しいものはございませんか?』とお聞きしてみました。果たせるかな顔色ひとつ変わらない彼からは「いえ、特には。お気遣いは無用です」とばっさり断られてしまい……ならば彼の趣味嗜好をそれとなく探るしか!と闘志を燃やしつつ次のお休みに少し足を伸ばして百貨店へ行かないかと誘ってみたのですが、「入用のものがあるのでしたら私が購入して参ります」とやんわり辞退される結果に終わり、遂にわたくしは自らの敗北を認めざるを得ませんでした。手強い……。はっ、それともこれは彼なりの意思表示だったりするのでしょうか。折角の休日に主と出かけるなんて御免だとかそういう……?まままさかそんな、帷に限って……!!
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