ラビエル・ロゼブランシュの日記帳
ラビエル・ロゼブランシュ 7月16日21時(けたたましい聲に一瞬目を見開く)(見知った姿、見知った聲。嗚呼、不意を突かれると何時も驚いてしまう)……|ライラ《妹》か。お蔭様で機嫌はたった今閉ざされたよ。(揶揄うように小さく笑んで)僕が本の世界に居るのが不服かい?
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ラビエル・ロゼブランシュ 7月16日21時それは大きなお世話というものだよ、妹よ。僕だって夕涼みに散歩くらいしているさ。君と違って、太陽の日差しに負けてばかりだけれどね。然し、こんなにも暑い日に外に出るだなんて……考えただけで目眩がしそうだよ。(顳顬を押さえて瞑目し、)それより、何か用があって来たのだろう? どうしたんだい?
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ライラ・カメリア 7月16日21時あ!そうそう、すっかり忘れるところだったわ!お兄様、またスマートフォンの通知を切っているでしょう?連絡が届いているはずよ。チェックしてお返事してね!
(機械に疎いから、スマートフォン関連で人のことは言えないけれど!と笑って)
用事は以上よ。それでは、ご機嫌よう!(本の海に囲まれた兄に手を振り、彼の領地を後にした)
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ラビエル・ロゼブランシュ 7月16日21時……スマホ? 嗚呼、(|読書モード《通知しない》設定にしていた事を思い出し、オフにする)わかった。知らせる為に遠い処を来てくれたのか。君もそれなりに忙しいだろうに、悪かったね。それでは、せめて茶菓子を──(と言い終わる前に姿を消した妹に呆気に取られた)
…………相変わらず、台風のような子だ。
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ラビエル・ロゼブランシュ 7月16日21時…………。(メッセージを読んで苦い貌になる。自分を「ラビちゃん」なんて呼ぶのはあの人くらいだ。そして、|ライラ《妹》が嬉々として此方に来る理由も)そうか、来るのか……。(高い天井を見上げると、ぽつりと呟き。屹度やわらかな口調と微笑で「お説教」をされるのだろう、とやや長めに嘆息した)
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ライラ・カメリア 7月28日21時ええ。選んだのはわたしだけれど、そのお店は本当に素敵なお品物ばかり揃えてあったの! √妖怪百鬼夜行にあったから、ぜひ行ってみてほしいわ。お兄様もきっと気に入るはずよ。
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ラビエル・ロゼブランシュ 7月28日21時(本の表紙を撫ぜて、持ち主が入れ替わってきたであろう歴史を味わう)……そうか。君のお勧めの市という訳だ。それにしても随分と遠くまで行くようになったのだね。僕は余り遠出はしない主義だけれど──まあ、タイミングが合えば行ってみよう。
然しライラ、それは良いけれど、先程の珍妙な動きは止めたまえ。もし父上の目に入れば……(は、と良からぬ予感がして)まさか、君、他にも何かしでかしてはいないだろうね……?
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ラビエル・ロゼブランシュ 8月16日20時……圧倒的に情報が足りないよ、妹よ……。
(暫しじっと画面を見つめた後、スマホを指でスライドして返信する。うっかり者の為に、まず、いつ何処で行われるのか、という情報を確認しながら──)
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ラビエル・ロゼブランシュ 9月11日08時(「ラビエル様、|白椿姫《しろつばき》からお葉書が届いてございます」と手渡してくれた使用人)ああ、すまないね。自分で取りに行くから気にしなくていいのに。……いや、言い方を間違えたな。──助かるよ。どうも有難う。(ラビエルが手紙を丁寧に受け取ると、使用人は少し微笑んで頭を下げた)
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ラビエル・ロゼブランシュ 9月11日08時(「|白椿姫《しろつばき》」だなんて此処でも呼ばれていることを識ったら、妹は卒倒しそうだな、と思いながら使用人を見送る)珍しいな、|妹《ライラ》から葉書だなんて。どれ。
(手元に視線を落とせば、其れはイルカが水と戯れる美しい写真だった)──へぇ。なかなか良い写真じゃないか。遊びに行ったのかな?(興味本位にくるっと写真を裏返すと、宛名とともに一言メッセージが添えられていた)
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ラビエル・ロゼブランシュ 9月11日08時(すごく……すごく我慢をした。葉書を破り捨てなかった。美しい写真や、此処まで運んでくれた人々、そして手渡してくれた使用人のことを想うとやりきれなかったからだ)(只、額に青筋が立ったことは否めない)僕も、精神鍛錬が足りないな。フフ……。
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ラビエル・ロゼブランシュ 9月16日20時悪く思わないでくれたまえ、妹よ。僕にも一人の時間は必要だ。喩え身内でも……いや、身内だからこそ、邪魔されたくない時間はあるものだよ。(念動力でカップに紅茶を注ぎ、魔法で瓶の蓋を開けて砂糖をいれる。ついと指を動かせば、カップが手の中に収まり、ダージリンの良い香りが漂った)
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ラビエル・ロゼブランシュ 9月16日20時(念には念を、と魔法で結界を張ったけれど。少し可哀想なことをしただろうか……と頭をよぎらなくも無い。いや、此れで良い。プライベートを守る権利は僕にだってある筈だ)
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