東雲・未明しののめ・ほのか
（沫・h04146）

『つゆときえにし――』

愛しいひととの誓を立てる筈だった、あの日。命も心も大切なものも、全てを断たれて失った娘。代わりには立てた誓願は、――――…………。あの日纏っていた筈の無垢の白は今や見る影もなく、何もかもが黒く紅く無念に塗り替えられた。今にも壊れて消え入りそうな身を、唯々“彼”の残影と遺志を頼りに繋ぎ止め、同じ苦難に涙する者達の声を聞き、或いは御伽として言の葉に紡ぎ、現世彷徨う空蝉。

東雲・未明しののめ・ほのか
（沫・h04146）

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