ベティ・スチュアート

あるところに、小さなねずみがいました。ねずみは、家にいるのがおもしろくなくなりました。あれほど心がおどった本も、くり返し読んでしまうとつまらないものです。ねずみは何もこわいと思わなかったので、『外の世界に出ていこう、そうすればたいくつしないし、たのしい思いがたんまりできるだろう』と考えました。大好きなチーズに、少しのお金、お気に入りの本をかばんにつめて、こうしてねずみは、自分の家を後にしたのです。