凪沙・唯織
◇花畑を揺らす遥かな西風の果て。そこを目指して生きるんだ。道標はないけれど。きっと幾星霜を経ても、憶えているから。|父《あなた》の凛とした背中と、|母《あなた》の慈愛に満ちた眼差しを。◇僅かに薄紅の映ろう銀髪に、世を写す玻璃の瞳。掴もうとしては流れる雲のような透明感と儚さに、不器用で甘い優しさを擁する少年。◇天使化してしまった幼馴染の少女と身を寄せ合いながら、浮世にそっと息づいている。