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世界設定

いつもの道を一本間違えただけで、見知らぬ光景に出くわした……。
そんな経験が、あなたにもある筈です。

しかし残念ながら、その時のあなたの記憶は既に|改竄《かいざん》されています。

なぜならあなたはあの時√(ルート)に迷い込み……世界があまりにも脆く不安定であるという、受け入れがたき真実を知ってしまったから。
「欠落」のない健全なあなたの心は、忌むべき真実の記憶を深く深く封印しました。
あなたがいつまでも、幸せな「|√EDEN《ルートエデン》」の住人でいられるように……。


目次

▼重なり合う世界、√(ルート)
▼欠落を抱えるもの、√能力者
▼透明な存在、インビジブル
▼護るべきもの、Anker
▼約束の場所、√EDEN
▼簒奪者達との戦い
※青文字はマニア向け説明です。読まなくても支障はありません。

重なり合う世界、√(ルート)

私達の住むこの地球は、実は「|√《ルート》」と呼ばれる複数の異次元……異なる歴史を辿った地球の重なり合いでできています。
常人は√の存在を知覚できませんが、√は重なり合っているため、誰でも、偶然異世界に迷い込んでしまう可能性があります。それは健全な心の人間には耐えられぬ事象であり、もし運良く生きて故郷に帰れても、異世界の記憶を忘却してしまうでしょう。

欠落を抱えるもの、√能力者

もし、迷い込んだ者が心や体に何らかの『欠落』を抱えていたら……その者は、重なり合う異世界を幻視できる異端の存在、√能力者へと覚醒します。不幸にも√能力者に覚醒してしまった者達には、幻視能力を得た事による「三つの変化」が発生します。

第一の変化「世界移動(徒歩)」

√能力者は重なり合う異世界を幻視……すなわち「目視」できるようになるため、異世界に繋がる場所から徒歩で別の√に移動できます。いつも同じ場所が同じ世界に繋がっている訳ではありませんが、探し回ればそのうち目的の√に通じる道を発見できるでしょう。

第二の変化「死後蘇生(死ぬことができない)」

√能力者に限らず、全ての生命は死ぬと「インビジブル(後述)」になります。しかし√能力者はインビジブルをも目視できるようになった影響か、自らが死んでインビジブル化したとしても、時間をかけて少しづつ、元の状態に蘇生してしまいます。

第三の変化「√能力(万能の力)」

√能力者は、目視したインビジブルをエネルギー源として、万能の力「√能力」を使用できます。炎を操る、何でも切断する、魔獣を召喚する、天候を変化する等極めて多彩なうえ、自身で新しい√能力を編みだすこともできます。

護るべきもの、Anker

Ankerは、√能力者の「欠落」を埋めてくれる存在の総称です。家族や恋人、推しのアイドル、見えない友達等のAnkerを持たない√能力者は、死ぬと|世界座標《帰るべき場所》を見失い死後蘇生ができなくなり、狭間を漂う強大なインビジブルと化してしまいます。多くの√能力者は、世界平和ではなく「自身のAnkerを守る為」に、侵略者と戦っているのです。
……しかし、ひとつだけご注意を。
自分のAnkerに殺された√能力者は蘇生できません

透明な存在、インビジブル

全ての生命は死後「|見えない怪物《インビジブル》」と化します。大半は無害かつ善良で、海の生き物のような姿であてもなく空中を揺蕩い、√能力者以外には見ることもできず、やがて薄れて消えていくとされています。

前述のとおり、インビジブルは√能力者のエネルギー源です。そのため、侵略を企む簒奪者達(後述)は、常にインビジブルの獲得を狙っています。

約束の場所、√EDEN

私達の地球は「|√EDEN《ルートエデン》」と呼ばれています。
一体何故か? それは、異世界からの侵略を護る戦力が殆ど存在しないにも関わらず、何故か全ての√の中で最も大量のインビジブルが揺蕩っているからです。

故に、私達の地球は√EDENと呼ばれています。
それは約束の場所……最も弱く、最も幸せで、最も豊かな略奪対象に、つけられた名なのです!

簒奪者達との戦い


√EDENから奪ったエネルギーで自らの√を支配せんとする、邪悪な√能力者達。
彼らを仮に『簒奪者』と総称します。
簒奪者達はそれぞれが全く異なる組織に所属し、全く異なる動機によって、侵略行為を行っています。しかしながら、そのどれもが√EDENにとっての脅威である事に違いはありません。そして敵は全員が√能力者……こちらができる事は、全て敵も行えるのです!