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BLITZ

#√ウォーゾーン

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●電撃的侵攻
 突然の侵攻だった。
 戦闘機械都市ニューフロント-3は戦闘機械群の襲撃を受け混乱の渦中に叩き落とされたのだ。ニューフロントは近隣の人類側戦闘機械都市にとっての前哨拠点、すなわち駐留する戦力も有事の備えも万全である。通常の襲撃であれば小動もしなかっただろう。
 だが、戦闘機械群はこと破壊と殺戮に関しては人類の想定を上回るものだ。
 都市外周を囲う堅牢な防御壁の切れ目、戦闘機械群得意の物量戦による強行突破を警戒し多くの戦力が駐留していたメインゲートへの突撃を陽動に、大型機甲兵器による大火力投射で防御壁を破壊し側面より侵入した戦闘機械群の特殊部隊は予備部隊を各個撃破し指揮系統や市内の補給路を寸断し、これによって後背を脅かされ統率の乱れた人類のメインゲート守備軍はゲート前での戦線維持を断念、市内にまで後退を強いられた。
 しかし、前方には大量の量産型戦闘機械群による圧力がいまだ健在。さらに側撃によって既に都市中枢部に特殊部隊の浸透を許し、さらには防御壁を破壊せしめた大型機甲兵器が市内に向け前進を開始しつつある。
 状況は極めて最悪に近く、このまま前後からの挟撃で人類軍主力が磨り潰され、ニューフロント-3が失陥するのは時間の問題であった。

●救援作戦発動
「以上が本作線における現地状況概略となります」
 星詠みの少女人形、スペクトラ・ワン・サーティはその背後に掲げられたニューフロント-3市の地図、外縁部を囲う防壁のうち二箇所ををレーザーポインタで示して、集まった一同を一度見回した。
「状況は極めて逼迫しています。人類の駐留軍主力は既に挟撃下にあり、後方から予備戦力を抽出してこれを救出する試みは敵の特殊作戦部隊による各個撃破で頓挫するでしょう」
 そして主力はじわじわと削り取られるように壊滅し、敵は戦力の多くを喪失したニューフロント-3に堂々と入場して勢力図を再び彼らの色に塗り替える。それだけは阻止せねばならない最悪の未来だ。
「各員にはまずメインゲート付近から市内に進出、敵正面戦力の排除による人類軍主力の救出を。しかる後に都市中枢へ侵入した特殊作戦部隊の掃討、最後に大型機甲戦力の撃滅を実行願います」
 メインゲート、壁の破損箇所、そしてその外側。三箇所を示したレーザーポインタが消灯すると、スペクトラは踵を揃えて敬礼を送った。
これまでのお話

第3章 ボス戦 『大型機甲兵器』


『クラスタ・パレード師団 壊滅』
『アルファチーム ロスト』
『ブラボーチーム ロスト』
『チャーリーチーム ロスト』
『デルタチーム ロスト』
『エコーチーム ロスト』

『友軍残存部隊 戦力評価 ゼロ』

『友軍 の 壊滅 に 伴い これより 本機 は 最終フェーズ に 移行』

『突撃 を 開始 進出座標 人類 戦闘機械都市』
『目標 敵性戦力 の 撃滅 都市制圧作戦 は 失敗 棄却 される』

『|火器使用自由《All Weapons Free》』
『|戦闘開始《Open Combat》』
『|前進《GO》 |前進《GO》 |前進《GO》』


 クラスタ・パレードによるメインゲート攻略、強襲型機甲からなる特殊作戦部隊による市内の重要拠点の制圧、そのいずれもが頓挫した今、戦闘機械群の都市攻略部隊において唯一戦力を保持した存在――陽電子砲で防壁を粉砕し、基地を砲兵射撃の脅威に晒した大型機甲兵器――識別コード『ザトウムシ』は前進を開始した。
 同型機の中でも群を抜いて巨大に製造された、WZさえも足一本で踏み潰せるほどの巨体を揺らしてその多脚戦車は加速する。
 鈍重な動きだが、一歩一歩の巨大さからその速度は印象以上に速い。あれがもし市内に到達したならば、その火力を躊躇いなく解き放ったならば、ニューフロント-3は灰燼に帰するであろうことは明白である。

 補給と再編を終えた人類軍が急ぎザトウムシの前面に防衛ラインを敷き、迎撃計画を策定するが彼らの戦力ではこれの撃滅は極めて難しいだろう。
 すなわち軍の迎撃計画の外、イレギュラーたる戦力が必要だ。
 ニューフロント-3を巡る戦いは最終局面に移行する。滅びるか、滅ぼすか。ふたつにひとつの選択肢に回答を叩きつけるべく、人々は己が武器を取る。