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シナリオ

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美味探訪★スミスのグルメ!

#√汎神解剖機関 #クヴァリフの仔 #プレイング締切り、鋭意執筆中 #⚠️恐らく再送が発生します⚠️


●No Credit, No Monsters, Just Dinner
 アタッシュケース内部に構築された怪異収容特殊空間コンパートメントに揺蕩う、ぼんやりと鈍い光を放つ有機的な物体。クヴァリフの仔……脈打つ心臓のように微細な波動を発している "ソレ" を眺め、男は満足そうに頷く。
「I'll Put away......収容しまっちゃうよ、と」
 どこか芝居がかった、けれど妙に軽やかな台詞と共に、彼はアタッシュケースを静かに閉じた。金属錠がカチリと鳴ると、怪異の放つ不穏さが僅かに薄れる。
 AlrightよいしょAlrightよいしょと小さな呟きと共に、"ごく普通のリムジン" のトランクへと次々に無数のアタッシュケースを納める男は、『リンドー・スミス』。
 アメリカの「FBPC(連邦怪異収容局)」に所属し、アメリカの繁栄の為だけに怪異の新物質ニューパワーを奪おうとする……所謂、敵勢力のエリートである。
「今回は楽園√EDENの能力者の妨害を受ける事も無かったか。まぁ、彼等が捕捉できない程に私の星詠みが高度だったという事かね」
 労せず新物質ニューパワーの手掛かりが手に入り、被害もほぼゼロ。上層部からの覚えもめでたいだろう。であれば、彼が内心ウッキウキになるのも無理もない。
 こうしてクヴァリフの仔はリンドー・スミスの手に渡ってしまいましたとさ。

――


「はい、奪われちゃいました」
 √能力者達の雑談で賑わう一角。長机の前で、「星詠みの少女」――神童・裳奈花(風の祭祀継承者・h01001)は、「てへー」と悪びれも無く報告する。
 なんだ予知じゃなくて被害速報か……ときみたちは背を向け、それぞれの話の続きへと戻るのだった。


              -完-


「待って待って違うのおおお!! というか始まってもないのに終わらないで!!」
 星詠みの少女は必死の形相で食い下がる。

「ここからでも巻き返せる一発逆転の手が残ってるんだよ、リンドーが "独り打ち上げ" してる間にクヴァリフの仔を奪還して欲しいんだってば!!」

 ――なにて???
 怪訝そうな顔をするきみたちに向けて、星詠みの少女はホワイトボードを引っ張り出して説明を始めたのだった。

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 ミッション:『クヴァリフの仔』を盗みだせ
 一仕事終えたリンドーは、連邦怪異収容局FBPCへ帰還する前に「日本のグルメ」を堪能しようと計画。
 彼をさりげなく「旨いメシ」に誘導し、満腹状態からのうたた寝を誘発せよ。
 第一章は日本各地のグルメ旅、第二章は恐らく居酒屋さん(未成年はノンアルコール)でのやり取りとなる。
 彼が寝入ったその後は、起こさないように『クヴァリフの仔』をくすねて撤収する。
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「えー、こほん。彼は非常に強いので、今回は正面からの戦闘は避けるようにお願いしますね」

 キュポ、とマーカーの蓋を閉めて裳奈花は向き直る。

「クヴァリフの仔はリムジンのトランクにみっちり積まれてます。入りきらなかった分は、彼が上着のポケットやらビジネスバッグに入れて持ち歩いているようですよ。油断しきってる怪異オジサン……もとい、リンドー・スミスに一泡吹かせてやりましょう!」

 威勢良く締めくくり、ぺこりと一礼する裳奈花。その表情は――
(星詠み合戦で負けた分、ヒドイ目に合わせてやるんだから……!)
 大分私怨が混じっていたのだった。
これまでのお話

第2章 冒険 『怪異飯店、繁盛中』


●飲んで食べて遊んで、まだまだ刻は宵の口
 絶品グルメを楽しんだ後は――解散? いえいえまさか、まだまだ(リンドー・スミスで)遊ぶぞ! ではでは、お次の行き先は?
 夜桜を見るのもいいね! ――風情があって良し。
 食べ足りない、二件目行くぞ! ――うんうん、それも良し。
 食べた後は飲みに行くでしょ! ――成人前提だけど、勿論良し。
 夜の遊園地で遊んでもいいんですか? ――Yes, Yes, くたくたになるまで遊んで良し!

 一角には「怪異飯店」があるので、そこで愚ルメと洒落込むのも……まぁ有りかもしれません??
 どう楽しんでやろうかな――キミたちの頭脳が導き出した答えは、如何に。

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 ■マスターより
 引き続き戦闘無し、安心安全に遊べます。
 リンドーと同行するもよし、離脱して仲間とわいわい楽しむもよし、大事な人と静かにお酒を楽しむもよし。
 勿論、飛び入り参加・この章だけ参加という方も歓迎致します。
 Pow/Spd/Wizに拘らず、自由な発想でプレイングを書いて頂ければと思います。
 また、店舗やアミューズメントパーク、イベント等についてもご自由にご想像下さい。キミが有ると言えば、(余程の問題がない限りは)"ソレ" は有ります。
オメガ・毒島
八手・真人

●至福の宵と、予想外の酔い
 夜はまだ長い。果実の宴が終わった後、二人は自然と足を向けていた――個人経営の大衆居酒屋「居酒屋・みなと」。暖簾をくぐった二人を出迎えるのは、香ばしく揚がった鶏の香りと、出汁の効いた味噌汁の匂い。カウンター席に腰掛けた八手・真人(当代・蛸神の依代・h00758)は、少し緊張した面持ちでメニューを見つめていた。
「まずは唐揚げと……刺身盛り合わせですかね」
「お、お刺身……いいですね! 鯵も鯛も……大好きです」
「了解です。注文は私が担当しましょう。真人さんは、飲み物のご希望は?」
 自然に且つスマートに最初の一杯を聞くのは、メガちゃん店長ことオメガ・毒島(サイボーグメガちゃん・h06434) 。
「あっ、店長……お酒飲みますか? 俺は、ご迷惑かけそうなので……ウーロン茶で」
「そうですか。それでは私はビールを……あとは、日本酒をお願いします。ええ、花冷えで」
 それが運命の分かれ道だった。――ウーロンハイと、ウーロン茶。店員の小さな聞き違いが、夜の宴を予想外の方向へと導いた。

 程なく運ばれてきた料理を前に、二人は顔を見合わせて小さく乾杯した。
「この唐揚げ、衣がサクサクでジューシーですね……ビールによく合います」
「俺も……唐揚げ大好きで……つい、食べ過ぎちゃいます」
 八手は緊張気味に笑いながら、唐揚げを箸で摘まむ。店内の雰囲気に少しずつほぐれてきた様子で、表情が柔らかくなってきている。刺身もまた絶品。脂の乗った鯵は生姜醤油、鯛は甘口の醤油でいただく。オメガは日本酒を一口含んで、満足そうに微笑む。
「至福の時ですね……。そうだ八手さん、次は生牡蠣なんてどうでしょう」
「え、えっと……生牡蠣……ですか? だ、大丈夫かな、俺……」
 二人の箸は進み、細い八本の影に唐揚げがひょいと摘ままれ、運ばれてきた生牡蠣がするすると宙を移動する。――上着のベルトでしょうか? いいえ、蛸神さまたこすけです。日本酒も進む。……真人のウーロンハイ(だと思っていないそれ)も進む。やがて真人の頬が紅潮し、目が潤む。と思うと――
「うぅ……メガちゃん店長……。あの、今、楽しいですか……?」
 酔いが回った真人はぽつりぽつりと語り始める。
「俺、ずっと不安で……。鈍臭いし、話も下手で、一緒にいてもつまんないんじゃないかって……」
 彼の心から零れ落ちる言葉を聞き、オメガはゆっくりとグラスを置いた。
「八手さん……。大丈夫、楽しいですよ、とても」
「……ほんとですか……?」
 疑うような、期待するような真人の視線をまっすぐに受け止め、オメガは微笑む。
「ええ、本当です。雇い主の発言としては適切ではないかもしれませんが、私はあなたのことを良き友人だと思っていますから」
「友人……」
 その一言が真人の胸に染み渡り、涙が一粒ぽろりと零れ落ちる。
「でも……俺、人との距離の詰め方が分かんなくて……もっと仲良くなりたいんですけど、どうすればいいか……」
 それを聞いて、オメガはふと思案顔になった。
「私も、実はあまり得意ではないのですが……そうですね、まずは敬語を崩してみるとか、名前で呼んでみるとか……いかがでしょう?」
「え、名前で……?」
「ええ。焦らずに、あなたのペースでいいんですよ。……真人」
 最後の一言に、真人は弾かれたように顔を上げた。
「……メ、メガちゃん店長が、俺のこと名前で呼んだ……?」
「ええ。私も少し照れくさいですが、これが第一歩、というやつでしょうか」
 オメガの柔らかな笑顔に、真人は照れながらも小さく頷く。
「じゃあ……俺も、いいですか?」
「もちろんです」
 真人は小さく息を整えると、意を決したように呟いた。
「……メガちゃ……いや、オメガ、くん……?」
 その瞬間、二人の間を柔らかい空気が包んだ。まだ少しだけぎこちない距離感ではあるけれど、それは確かに縮まった距離。
「さて。では、話は戻りますが生牡蠣でも……おや?」
 目に入るのは牡蠣殻ばかり、生牡蠣が見当たらない。それはそうだ、一つ残らず食べられちゃったんだもの。蛸神さまたこすけに。
「追加で注文したら、挑戦してみますか? 真人」
 冗談めかして言うオメガに、真人は少しだけ慌てつつも、頷いた。
「は、はい……! 挑戦してみます……!」

 その様子を、離れたカウンター席で日本酒を片手に見守る一人の男がいた。
「これが日本の "Nominication" という物か……成程、興味深い」
 リンドー・スミスは頷き、手帳に「仲良くなる方法:名前で呼ぶ」とメモした。
「Hmm... 私も帰ったら……上層部を名前で呼んでみようか。……距離が縮まる、……かもしれ……」
 大分酔いが回っている様子。うつらうつらと舟をこぐ合間に、日本酒をぐいと呷るリンドー。眠りこける彼を二人が発見するのは、もう暫し後の話。

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