シナリオ

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さくらダンジョン

#√ドラゴンファンタジー #プレイング受付中 #第2章は29日(火)終日までの受付

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 #√ドラゴンファンタジー
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「√EDENにダンジョンができちゃった!」
 はわわ、と慌てふためいて楸・風凛(星詠みのきささげ・h04825)が告げた。
 約束の場所と呼ばれる√EDENは、様々な世界から人知れず侵略を受けている。そのうちの1つ、剣と魔法の世界√ドラゴンファンタジーにあるのが疑似異世界『ダンジョン』なのだけれども。どうやら何者かがから、ダンジョンを生み出す『天上界の遺産』を√EDENへ持ち込んだらしい。
 放置すれば、遺産の影響でダンジョン近辺の住民が次々にモンスター化してしまうという。それを阻止するためにも、ダンジョンを攻略して破壊しなければならない。
 破壊の方法は、ダンジョンの核になっている存在を倒すこと。
「だから、冒険よ!」
 両手を胸の前でぐっと握りしめて、風凛は精一杯真剣な顔を見せた。
「このダンジョンは、何故か植物がたくさん生えているの。
 春だから? サクラがいっぱい。菜の花とか他にも咲いてるみたいだけど。
 あと、イチゴがたくさん生ってて食べ放題っ」
 しかしダンジョンの様子を説明するうちに、その表情が綻んできて。わくわくっぷりが完全に隠せなくなったところで。
 あ、と気付いて、ぱたぱた佇まいを直す風凛。
 一呼吸置いてから。
「奥にいる√ドラゴンファンタジーの√能力者を倒せばダンジョンは破壊できるよ。
 お花見してイチゴ狩りしてダンジョン攻略!」
 またわくわくが混じってます。
 それでは、と皆を送り出そうとしたところで、風凛はふと気が付いて。
「……もしかしたら、途中で、天上界の遺産を持ち込んだ相手と遭遇できるかも?」
 可能性をそっと付け加えると。
「よろしくね!」
 にっこり笑って手を振った。

 ぴよ。
これまでのお話

第2章 集団戦 『モンスター化農作物』


「おうおう、何勝手にイチゴ食っとるんじゃワレ」
 ダンジョンの行く手、思い思いに春を満喫していた√能力者たちの前に、でっかい木が幾本も立ちはだかった。
 そこに大木が生えていた、というわけではない。根を足としてずしんずしんと歩いてきたのだ。幹の洞や模様が顔となり、枝を腕のように振り上げているその大木がモンスターであることは一目瞭然。
 生い茂る緑の葉の合間には赤い実が無数に生っていて、よく見るとそれはイチゴ。サクラの木に生っていたイチゴは、茎を這わせてサクラの木を登り、樹上で実を付けたものだったのだが、こちらは明らかに木に生っている。
 まあ、モンスターだから何でもアリなのかもしれないが。
 そんなイチゴの木が、怒っていた。
「まあいい。食ったなら、洗脳して我らの世話をさせてやろう」
 そして勝手にそう決めつけると、真っ赤な美味しいイチゴを放ってくる。
「我らに隷属するがいい!
 お前たちの協力があれば我らはもっと美味しくなれるのだ!」
 叫んで高らかに笑う『モンスター化農作物』。
 その生い茂る緑色の葉の向こうで、パタパタと飛び去る鳥の羽音が、した。