シナリオ

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狂気と狂喜と兇器

#√汎神解剖機関 #クヴァリフの仔 #グロテスク #断章投稿後にプレイングを募集します。

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 #√汎神解剖機関
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●止まらない。終わらない。
 ――√汎神解剖機関では、ある意味『日常茶飯事』になっている事がある。
 それは、怪異の発生だったり、伴った暴走だったり、怪しい宗教や心霊テロリストが起こすテロ行為は、気にすれば幾らでも転がってる事件だ。
 今回の出来事も、そんな些細なモノだと思われた。思えてしまえたのだが……。
 しかし、蓋を開けてみたらもう如何にもならない程の大惨事だった。
 此れは、怪異の仕業だろうか? それとも人為的な行為なのか、判断がつかない程、現場は鮮血の赤から、どす黒い赤色に…本当に赤には色んな種類があるのだと納得できる程度には1色なのに、とてもカラフルな現場である。
 伴って散らばってる物も、とても正気ではいられない光景に仕上がっていた。
 散らばるどの部位かも分からない肉から、明らかに腸のロープがぶら下がっていたり、指だった物や良く存じ上げている|部位《脳や肺に、心臓》に、見慣れない臓腑などetc.etc.……。かつて骨だった物や、明らかに頭部と分かる骨に、筋がこびり付いた生々しい断面があり、凡そ生きてる内には見ない骨すら生々しくある。加えて良く分からない液体まで散らばり、酷い匂いを撒き散らして現状は、勿論パニック状態であった。
 次の被害者に成りたくないと、我先に逃げようとする者が、物体に変わるのに、はそう時間は要らなかった。
 現場は、どんどん悪化の一途を辿っていく……。

●相変わらず電子の世界より、響く声。
 此処は、√能力者なら誰でもアクセスできる星詠み、|四之宮・榴《しのみや・ざくろ》(虚ろな繭〈|Frei Kokon《ファリィ ココーン》〉・h01965)が用意した小さなネットワークグループと謂う名の箱庭である。
 四之宮・榴の声は、とてもか細く聞き取り辛いのだが、自動文字起こしのお陰で、その点の問題はクリアされている。
 今回の資料にも、参加を希望する物なら誰でも閲覧できるように、配慮されてはいるものの、少し資料的な意味では正確性に欠けていた。
 アバウトな事件の場所が指定だけされており、一帯の地図が添付されている。
 内容については『クヴァリフの仔の回収』関連と書かれているが、回収を目的として動いて欲しいと旨と、現場では凄惨な目を覆いたくなるような現状がこれから起こる、いや、既に起こりかけていると書かれていて緊急性を要するようだった。
 彼女こと、四之宮・榴は緊急性と要するのに呑気に、
「……今回は、僕の星詠みを……ご覧になって下さいまして……有難う御座います。」
 画面越しに貴方達に向けて彼女は深々と頭を下げた。
「……既に口火は開き……始まってしまっているのですが、繁華街で無差別殺人……いいえ、テロ行為が行われおります。」
 限りなく無表情のようだが、淡々と述べる姿には何処となく焦燥感を隠せなく、縋りつくように画面の貴方達を見つめている。
「……原因は、不明です。
 ……恐らく怪異の類ではあるのですが……|何か《・・》と特定が出来ず、唯、暴れている様子だけが、僕には見えて……いえ、それが見えなく……ただ人々が無為に命を落としていく未来しか、見せませんでした。」
 そこで四之宮・榴は、涙をポロポロと溢した。小さく「……僕が不甲斐ないばかりに……」と呟いて……。
 ハンカチを取り出し、目元の拭いながら貴方達を改めて見つめ、
「……現場は時間が経つごとに凄惨になっていきます。
 ……正直、時間の猶予が全くありません。
 ……ぼ、僕の見た通り未来にならないように……現場の人々を逃がすか、原因の怪異を見つけて……仕留めて、いただけませんか?」
 画面越しに、キツく唇を噛み絞めて、こんな依頼をする四之宮・榴は許せないのだろう。
 眉を寄せて泣き腫らした目が、画面の向こうの貴方達を見つめる。
「……もしかしたら、あ、あくまでも可能性ですが……この凄惨な出来事を、早く解決できれば……違う未来がありそう……なのです。
 ……其方の未来なら、『クヴァリフの仔の回収』する|暇《いとま》も発生するのです。」
 もう1つの未来には、解決の糸口になるような未来が垣間見えたと、この星詠みは零した。
「……お願い、致します。僕の狂った星詠みを止めてください。
 ……此の世界に住む人々を少しでも…救いたいのです。
 ……宜しければ、皆様のお力を、御貸し頂けませんで……しょうか?」
 画面の向こうの貴方達に改めて深々と頭を下げた。
 時間はない。時間が経ってしまえば、四之宮・榴が見た通りの悲惨で凄惨な未来しか待っておらず、『クヴァリフの仔の回収』すら満足に行えない結果になってしまうのだ。
 画面の向こうの四之宮・榴は、真っ直ぐに貴方達を見つめている。
 信じるように。願うように。助けたい気持ちは、同じなのだから……。
これまでのお話

第2章 冒険 『尾行』