シナリオ

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競馬星人あらわる!? ~Anker候補は善戦マン

#√EDEN #√マスクド・ヒーロー #Anker抹殺計画 #プレイング受付中 #~7月4日(金)8:30《受付〆切》

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 #√EDEN
 #√マスクド・ヒーロー
 #Anker抹殺計画
 #プレイング受付中
 #~7月4日(金)8:30《受付〆切》

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●ターフのアスリート
「お、来たね~……そう、来い。来い来い来い来い! ――あぁぁぁぁ三連複がぁぁぁ!!」
 普段は騒ぐタイプではない、 |亜双義《あそうぎ》・|幸雄《ゆきお》(ペストマスクの男・h01143)の絶叫に思わず肩が跳ねる。
 √能力者らの姿を見止め、幸雄はイヤホンと新聞をそそくさ畳んだ。
「や~擦った擦った。お前さん達、『Anker暗殺計画』について聞いてる?」
 何もなかったように装いつつ、幸雄は事件の概要を語り始める。
「√マスクド・ヒーローの『外星体同盟』って、謎の組織が刺客を送りこんだのよ。
 名は『サイコブレイド』、“Anker、およびAnker候補を判別する√能力”をもつんだと」
 神妙な面持ちで、幸雄が顎を撫でる。
 その√能力を利用し、Ankerを暗殺することが目的のようだ。
「通常、Ankerになれる“普通の人や物、概念”は見分けがつかない。ただの人だからね。
 だけど、サイコブレイドは例外。不可能を可能にするってわけだよ」
 Ankerの抹殺を阻止するべく、√能力者が出向く必要があるようだ。

「今回は√EDENにある競馬場だ、いわゆる芝のところ。
 Anker候補は出走する競走馬、関係者、来場客、馬のぬいぐるみにもいそうだけど」
 未観測の対象より、観測済の護衛対象を優先して、幸雄は名前を挙げる。
「確実な候補は|藤永《ふじなが》・|紫耀《しょう》、20代男性。まだ若手の|騎手《ジョッキー》だね。
 愛称は“フジショー” 父も兄も優秀な騎手で、本人も愛すべき善戦マンってわけだ」
 比較されることが多いものの、馬券に絡む場面が多く、予想家には有り難い存在になりつつある。
 そして、それ『紫耀を応援したい』と思わせる要素になったようだ。
「過度な期待、心無い批判がツラいこともあるだろうに、それでも挑み続ける姿に“夢”を見るファンも少なくない。
 ま、馬が好きすぎて『もう馬と結婚しろ』とか言われたり、愛され要素もあるみたい……ご愛嬌だね、うん」

 そんな紫耀だが、メインレース後に、他の騎手達とトークショーへ参加するようだ。
「今回の計画は、あえて人目がつくところを|狙ってきた《・・・・・》。
 ……このトークショー中に、事故を装い、紫耀を暗殺する気なのよ」
 大勢が見ている中で仕掛けることで、何千人にもの証人が生まれる。
 一般人なら『誰かが意図的に起こした』とは思わないだろう。
「おじさんの予知だと、カメ子に紛れて、“落雷を発生させる装置”で電撃を落とす。青天の霹靂ってやつだ。
 バズーカみたいな、ズームレンズをつけたカメラを持ち込むファンも多い。
 多少なり、変な見た目でも、あんまり気にする人がいないんだわ」
 だが、そんな理不尽な手段を成立させるために、致命的な欠点が生まれてしまった。
「装置本体を小型化したことで、外付けの大型バッテリーと接続する必要があるのよ。
 それも“大人が背負わないといけないサイズ”の、超大型のね」
 このバッテリーか、落雷発生装置を秘密裏に破損できれば、暗殺作戦は阻止できそうだ。
「トークショーってことで、観客側には、客席を気にするヤツはいない。
 派手に動かなければ、配下に悟られることもないだろう。こっそり済ませるんだぞ」

 今回は外星体『ズウォーム』が指揮しているようだ。
「ズウォームは、サイコブレイドの武装を受け取り、パワーアップしているみたいでね。
 自分の元にAnkerを引き寄せられる。どこの√に居ようと関係なく、だ」
 だが、使用することで、ズウォームの居所も特定しやすくなるのだろう。
 “最終手段”として用いる以上、Anker抹殺を達成する気でいる。
「ズウォームから紫耀の身柄を取り戻しつつ、そのまま撃破してくれ。
 おのずと元の√に戻るだるが、紫耀を探している関係者もいるだろう。世界の亀裂に案内してもらえると助かるよ」

 √能力者には青少年が多い分、入場できるか不安視する声がチラホラと。
 それについて幸雄は「入場自体に年齢制限はない」と前置きし、
「馬券は大人しか買えないが、場内にはフードメニュー、グッズショップ、子供の遊具まで充実している。パドックやレース観戦も胸アツだよ?」
 一日でも過ごしていられる環境作りも、馬事文化を愛するからこそだろう。
「次のレースまでの間に、騎手がファンサに現れるタイミングがある。
 紫耀と接触するチャンスもあるが、必須じゃあない。興味があったら声をかけてもいいだろうな」
 ちなみに、当日の着順は『星詠みになかった、頑張って当ててね』とのこと。
これまでのお話

第3章 ボス戦 『外星体『ズウォーム』』


●競馬星人だ、通すが良い
 色々あったトークショーだが、騎手も観客も怪我なく終了。
 観客に見送られながら、騎手達はバックスペースに引き上げていく。
 そこに厩舎の関係者がやってきた。
「紫耀、先生から話があるって。今は馬主さんと打ち合わせ中だから、さっさと帰り支度して来な」
 それだけ伝えると踵を返し、紫耀も待機ルームへ向かい――姿を消した。

「か、はっ……! こ、れは」
 気付くと紫耀は、黒い触手によって壁に縛りつけられていた。
 見慣れた競馬場に居たはずなのに、そこは閉鎖されたように寂れている。
 確かに同じ競馬場だ――だが、そこは√マスクド・ヒーローの競馬場だ。
 その証拠に、眼前には、強制移動させた宇宙人が居る。
「初めまして、私は外星体『ズウォーム』……この星は素晴らしい。
 特に“競馬”という馬事文化は、国によってレース傾向さえ異なる。とても興味深いものだ」
 ズウォームは丁寧に名乗ると、競馬について称賛し始めた。
 なら何故? 自分が拘束される理由は?
「……母星で、騎乗してほしい競走馬が居る、のか……? なら、乗ってみたいもの、だが」
 騎乗依頼なら請け負うと、紫耀は苦しげに返すが、ズウォームは首を横に振った。
「あいにく母星をもたないものでな。それに競馬には、いくつか改善すべき点がある」
 競馬は、知れば知るほど面白くなる。――そして、知れば知るほど改善してほしい項目が出てくる。
 これが|愛好家《オタク》との親和性の高さに繋がるのだが、ズウォームはオタクではない。

「芝スタートのダートレース、これほど危険なコースはない。
 沼化するフォルスストレートに対して、たったの10日で済ませる排水工事など許されない。
 そして何より、日本競馬は早急にスプリント路線と|センハチ《1800m》のG1を新設すべきだ」
 ――私なら、もっと良い星に。そして、もっと良い競馬にできる!
 熱弁するズウォームが、拳を握り締めてみせた。
「よって、私がより良い競馬を企画する。……藤永・紫耀、恨むなら勇姿に魅入られた√能力者を恨め」
 しかし、少し話しすぎた。
 ズウォームが剣を振り下ろす寸前に、けたたましい音とともに、部下が転がりこんできた。
 すでに息のない部下は、世界の亀裂から、√能力者を連れてきてしまった。
「強硬手段をとる以上、特定されるのも時間の問題だと理解していたが……。
 √能力者、諸君は世界を救えても、競馬を救えるか?」
 |サイコブレイド《外星体》から受け取った、|サイコブレイド《刀剣》を構え、ズウォームが不敵に告げる。

 |黒い触手《サイコブレイド》により拘束されている以上、戦いながら、紫耀を救出する必要があるだろう。
 そして√を移動しても一般人は気付かない、Ankerにも見えないのだ。
 世界の亀裂を認識できるの√能力者だけ。救出後は帰路を導く必要がありそうだ。
 ――√EDENで、彼を待っている人が居るのだから。

(希望者がいらっしゃいましたら、リプレイの最終行でAnker藤永・紫耀の作成権利を差し上げます。
 1PCのみとなりますため、ご理解のほどお願いいたします)