オーラム逆侵攻 ―情報の海より愛を籠めて―
⚡️最終決戦:通信網破壊戦
これは大規模シナリオの最終決戦です!
9/15朝8:30までの「戦勝数」に応じて、得られる結果が増えます!
戦勝数=作戦1〜5の成功シナリオ数÷2+最終決戦の成功シナリオ数
9/15朝8:30までの「戦勝数」に応じて、得られる結果が増えます!
戦勝数=作戦1〜5の成功シナリオ数÷2+最終決戦の成功シナリオ数
※つまり、現存する作戦1〜5を攻略する事も、勝利に貢献します!
※到達した戦勝数までの全結果を得られます。つまり戦勝数80なら、全ての結果をゲット!
※到達した戦勝数までの全結果を得られます。つまり戦勝数80なら、全ての結果をゲット!
結果表
戦勝数50:解放地域の拡大(闘技場新マップ「ビーチ」追加)。戦勝数58:オーラム以外のレリギオスに、逆侵攻の事実を伝達阻止。
戦勝数66:👾ナイチンゲール鹵獲。
戦勝数74:今後のウォーゾーン大規模全てに「内部撹乱作戦」を追加。
戦勝数82:各レリギオスが各々に蓄積した『|完全機械《インテグラル・アニムス》』の研究データを全て破棄
●奪還された都市『海上機械都市みなとみらい』の倉庫街にて
奪還した機械都市の1つ『海上機械都市みなとみらい』。
オーラム逆侵攻にはもってこいの陸続きの港だ。
この港の倉庫街の一部。しかも何処かは解っていないがオーラムの要所に繋がっているらしいと謂う情報を得た。
得たと謂っても、この星詠みが見たのは倉庫街で民間人を偽装し、オーラム経由してみなとみらいを奪還しようとする一団が居ると謂う場所である。
其処を案内してくれる|内通者《スパイ》として潜り込んでいた者達の手引があり、逆侵攻を防ぎ……そしての元、平和な倉庫街を取り戻そうと謂うモノだ。
此の侭放置を決め込めば、戦闘機械群の大規模通信網を妨害・破壊する作戦を出来ず、解放した海上機械都市みなとみらいすら奪われて、其処に住む人々すら被害にあってしまう可能性があるのだ。
●箱庭【|提灯百合《サンダーソニア》】より、響く星詠みの声。
此処は、√能力者なら誰でもアクセスできる星詠み、|四之宮・榴《しのみや・ざくろ》(虚ろな繭〈|Frei Kokon《ファリィ ココーン》〉・h01965)が用意した小さなネットワークグループ・箱庭【|提灯百合《サンダーソニア》】である。
四之宮・榴の声は、とてもか細く聞き取り辛いのだが、自動文字起こしのお陰で、その点の問題はクリアされている。
今回の資料にも、参加を希望する物なら誰でも閲覧できるように、配慮されてはいるが、冒頭の通り|協力者《内通者》が前提の為、少し資料的な意味では頼りなさがあるのは仕方ないことだろう。
『海上機械都市みなとみらい』のアバウトな地図が添付されており、その中で倉庫街と呼ばれる場所が丸く円で囲うように指定されている。
内容については『倉庫街の一部を民間人に偽装した戦闘機械群を如何にかして排除して欲しい』と謂う至極単純な物だった。
彼女こと、四之宮・榴はこの逆侵攻時に発生した侵攻作戦を逆手にとって一掃して欲しいと述べるのだ。
「……今回は、僕の星詠みに……ご協力下さる為、此方のサイトを……ご覧になって下さいまして……有難う御座います。」
画面越しに貴方達に向けて彼女は深々と頭を下げた。
「……既に|内通者《スパイ》のお陰で……概ねの場所の特定は、されております。
……皆様には、|指定の場所《そちら》に行って頂きまして……逆侵攻中に始まってしまっている侵攻を、阻止して頂きたいのです。」
限りなく無表情のようで、淡々と述べる姿には何処となく薄情さを感じるかもしれないが、彼女なりに焦燥感を感じているようで貴方達を画面の越しにしっかりと見つめてくる。
「……場所での隠蔽は、不必要です。
……恐らくネットを使い……都市の孤立化を狙い、その隙に戦闘機械群が……都市を責める算段だと、思われます。
……この逆侵攻で、敵側には増援は来ません。
……正しく謂うのであれば、来れないのです。」
そこで四之宮・榴は、一息ついた。
「……折角、分断しているのですが……僕が見た|内通者《スパイ》だけでは……この作戦を阻止できません。
……ですから、皆様のお力を御貸しください。」
画面越しに、縋るように見つめる四之宮・榴は、相変わらず己の不甲斐なさを嘆いていた。
そして貴方達に改めて深々と頭を下げた。
参加しなければ、折角取り戻した都市が奪われる可能性があり、其処に住む人々に危険が及ぶのだろう。
迷ってる時間はそう残されてない。時間が経ってしまえば、四之宮・榴が見た通りの悲劇が、√ウォーゾーンに住む人類の住処が脅かされるのだ。
画面の向こうの四之宮・榴は、真っ直ぐに貴方達を見つめている。
信じるように。願うように。助けたい気持ちは、同じなのだから……。
第1章 冒険 『海上機械都市みなとみらい』
|内通者《スパイ》に案内されて進むのは、みなとみらい地区の倉庫街エリアである。
此処は、所有者が企業であったり、海外の|特殊なグループ《・・・・・・・》だったりと、詳しく知り過ぎると後から|大事《おおごと》になること必須な場所であった。
天気が良くても、何処か薄暗く、何かが潜んでいるような雰囲気が至る所にあるのだが、その潜んでいる者達は出てくる様子はない。
倉庫街の彼方、此方の一角には、コンテナが貴方達を囲むように、うずたかく積み上げられており圧迫感を出している。
その中を当たり前のように、我が物顔で|内通者《スパイ》は進んでいく。毅然としていなければ、逆に浮いてしまい怪しくなってしまうのだろう。
――そして、目的地に近づいた時、貴方達に合図を送ってくる。
|アレ《・・》が目的の一団がおり、ネットを介して『海上機械都市みなとみらい』を都市機能を不能として、その隙に蹂躙する戦闘機械群が……。
――貴方達の行動次第では、この『海上機械都市みなとみらい』の|運命《未来》は、星詠みの言葉通りにまるで別物に変わってしまうだろう。
|内通者《スパイ》に案内される儘、海上機械都市みなとみらいの倉庫街該当エリアの近くにやってきたのは、和田・辰巳(ただの人間・h02649)であった。
辰巳は、都市防衛を速やかにこなす為に、暗殺を主体に作戦を立てて行おうと|内通者《スパイ》に連携をお願いしたのである。
外のコンテナ影で〈精霊のヴェール〉を纏い姿を隠し、暗殺業で培われた経験を使用して気配を完全に消し待機して、|内通者《スパイ》を含めた少数で|巡回《誘導》するように……。
倉庫から出てきた1団はゆっくりと辺りを警戒するように、不自然にならない程度の視野角を取りながら隙が無いような無言で歩んでいく。
その後をしっかりと影の中を泳ぐように、縫うように最後尾を〈此方彼方〉の力で、黄泉の國にあると謂われる黄泉比良坂にサッと落として、辰巳はバレないように其の場からまた闇に紛れる。
流石に、少数だから当然と謂えば当然なのだが、1体が消えたのだから、警戒レベルは当然上がるものだ。
消えた1体を探すように、消した主を血眼に探すように、辰巳のことを探しているが見つかる訳がないのである。
気配を探るなんて方法は機械にはない。あるのは熱探知と超感覚センサーに引っかかるか、──それだけだ。
その対策を万全にしている今の辰巳には、既に短距離テレポートを繰り返して、的確にセンサーを回避している。ただ避けている訳ではなく〈呪影業〉で、その少数を捕縛していくのだった。此れは只の捕縛ではなく、次の攻撃の為の予備運動でしかない。次の攻撃は〈超圧海淵流〉から放たれる深海からの莫大な一撃だ。その攻撃をまともに喰らった残骸は、直様〈此方彼方〉で別の場所に送るって行く。──所謂、証拠隠滅である。この一連の動作はとても手慣れている上に、洗練されていた。
──だからこそ、近接戦闘になることも計算の一部である。着用してる〈霊剣士仕様マッスルスーツ型WZ「アルナ」〉の人工筋肉と魔法装甲を頼って顔面を思いっきり陥没させる。その攻撃だけで敵の動きが止まるわけなど無いのは、百も承知だ。だからこそ、反撃を喰らう前に更に重い一撃を入れていく。敵だって只、殴られる訳では無い。勿論、反撃をしてくる訳だが、それはアルナの魔法装甲を使い出来るだけ致命傷になる攻撃を避けるように立ち回るのだ。内部まで衝撃やダメージが来た所で、インビジブル融合や護霊『|箱水母《ハコクラゲ》』を使用して回復していく。──|決着《それ》は、実際のところ5分もかかっていなかった。
辰巳は、撲殺した機械を当たり前のように、黄泉の國の主に断りなく不法投棄を行って片付けていく。
「|内通者《スパイ》さん、こんな感じで良かったかな?」
にこやかに微笑みを浮かべて、取り敢えず一仕事終えたように、そう呟く。
「まだしてほしい事があったら教えてね。」
無邪気に微笑む少年は、立派な√能力者《暗殺者》でも在ると謂う事実だけが|内通者《スパイ》の印象に強く残ったのだった。
「んーと。
つまり、|内通者《スパイ》と中に潜んだ戦闘機械群を見つけ出して排除すればよい……ということであってます?」
――そう呟いたのは、真心・観千流(最果てと希望を宿す者・h00289)であった。
「はい。
それで大体合ってますよ、真心団長。」
そう返すのは、和田・辰巳(ただの人間・h02649)である。
「先度と、やったのですが……。」
|内通者《同業者》さんに頼んだのですけど、存外釣れないですね。
各個撃破できれば良かったんですけど――。」
そう、愚痴めいた呟きを零す辰巳には、悪気はない。
派手にゾロゾロ機械群の行進なんて、ひっそり此処まで紛れ込んだ戦闘機械群が行うはずもなく、|内通者《スパイ》だってそんなにバカスカ連れてはこれないのだ。彼らだって隠密して機会を伺って『海上機械都市みなとみらい』の奪還を狙っているから。そう簡単に兵を大量投入するほど莫迦ではないのである。――唯、|内通者《スパイ》とその1団が中々|帰ってこなければ《・・・・・・・・》、そのうち何かあったのかと|彼ら《機械群》も動くかもしれないが――。
「――では、お試しに派手にやってみましょう!」
そう謂い切る観千流の顔には、笑顔が浮かんでいた。若干、肩を竦めて眉を寄せながら苦笑を零す辰巳とは裏腹に。
「|内通者《同業者》さん、ここからは派手にやるから300mは離れててね」
それを聞いた|内通者《スパイ》はコクコクと首を縦に振って、急ぎ足でこの現場を2人に任せる形で離れていく。その離れて小さくなる背中を見送っていた辰巳は、彼が十分に離れたのを確認して観千流に視線を向け、それが戦闘の合図となるのであった。
観千流が〈バウンド・リフレクタ〉を使用して、地上から空中移動をしながら、目的の倉庫の上空に陣取る。かなりの上空と謂っても倉庫の屋根から40m程だが十分に高い位置ではある。其処から器用に事前に得ていた周辺地域の地図と、現在眼下に広がる実際のマッピング情報と照らし合わせ誤差が無いことを、自身に学習していく。もし誤差があってもこの場には邪魔者なんて無粋なモノは居ないので、観千流自身を|材料に《ナノクォークを》、|肉体改造《使用》して掌の上で精巧な『海上機械都市みなとみらい』のミニチュアを作り上げていく。そして満を持して√能力【|レベル3兵装限定起動・世界鏡面《ルート・ミラージュ》】を展開していった。これは地球を1つの生命として判断し、その一部である『海上機械都市みなとみらい』を観千流の身体として扱う事でミニチュアと連動した都市のこの倉庫街の1部を丸ごと完全制御下状態に変える。
「こうなれば後は私の思うがままです。
辰巳ちゃん、これでこの周辺一帯は、|把握《ハッキング》が出来ましたよ」
この距離で観千流の声が聞こえるかは分からない。何せ倉庫の上空である。――だが、√能力を展開したことで、辰巳の方も観千流が何かをしたのは理解できた。
辰巳は観千流との死線を何度となく潜ってきたからか、何となくではあるがこの一帯は何をしても問題ないことを、今なら派手に暴れまわっても大丈夫なことを直感的に理解して√能力【|幽明境を分かつ《ボーダーオブライフ》】を発動させる。
能力的に、観千流と被る形にはなるが規模は此方の方が小さい。倉庫内を[天地開闢の天瓊矛を持つ黄泉津大神が世界]と完全融合させ、此処を[幽世]に変える。あくまでも観千流の|領域《ミニチュア》内で行えるように、出来るだけ計算が狂わないように、多少狂ったとしても、上空の観千流には影響はないだろうと、判断したのだ。
次に、突入に併せるように第2の√能力【|二重招来:志那都彦神《ニジュウショウライ・シナツヒコノカ》】を使用して、辰巳自身の[志那都彦神を降ろし風の神力を得て決戦形態]に|変身する《現神人になる》ことによって更に己の|能力を底上げ《反応速度と移動速度、命中率、全技能レベルを2倍》する。これで新たな武器や技能を入手できる。問題なく、正面切って突入しても大丈夫だろう。
倉庫の扉を〈此方彼方〉で無人の〈霊剣士仕様機騎「リタ」〉を使って開けさせる。その隙に辰巳は〈アルナ〉を装備して単身で突入し、遺憾無くその能力を振るって中にいる戦闘機械群を黄泉津大神の住む幽世へと死の災厄を纏い[呪腕と開闢]による空間引き寄せ能力を得た攻撃で次々と敵群を丸々飲み込み、辰巳自身は二柱の力を借りながらより奥へと進んでいく。――勿論、敵の戦闘機械群だって唯飲み込まれていく訳ではない。混乱した状態の中でも、銃撃の雨霰が容赦なく辰巳を襲うのだが、辰巳は先程得た力〈反射板〉による[跳弾]で戦闘機械群を自滅させていった。
それでもまだ|戦闘機械群《敵》の数は唸る程いるし、視界を埋め尽くしている。それらを〈火雷〉で牽制しつつ、入口を開けさせたリタを呼んで戦闘機械群の横っ腹に突っ込んでもらう。10mもする巨体が暴れれば、当然潰れる|モノ《・・》も出てくるのだから、その潰れたモノをリタに投石として扱って貰い援護攻撃をさせていく。同士討ちのような、敵の残骸を再利用のような攻撃と辰巳の得た能力で2/3は壊滅したと謂っても過言ではない状態まで追い詰めた。
辰巳が残りにも手加減などするつもりは全くなく〈霊剣〉に〈天神様の雷〉と死の災厄を纏わせ、〈超圧海淵流〉による音速飛行を行い、すれ違い様に全てを熱したナイフでバターを切るように戦闘機械群を斬りつけて行く。無理だと、危険だと思った際には、自身を大地から生えた呪腕で空間引き寄せをして、位置を変えて仕切り直しを唯唯繰り返すのだ。
永遠とも、刹那と感じる取れる感覚の中で辰巳は一言。
「――悪いな。これで詰みだ。」
上空にいる観千流にも、地上での戦闘音楽が届いてくる。観千流も唯、上空で待っていただけでなく、この|音《・》が漏れないように空間を完璧に|閉鎖《密閉》したり、追い払うようにしてしまった|内通者《スパイ》の安全をしっかりと配慮して大丈夫な距離まで誘導しているのだった。
辰巳がリタを連れて倉庫から出てくるのを確認した観千流は、完全制御下に置いたこの場所の因果律を操作し|内通者《スパイ》も死亡する謎の事故が起こったことになった。実際は、|内通者《スパイ》は死んではいないのだが――。
中で辰巳が起こした破壊工作を完璧に違和感なく辻褄合わせをして、|そう謂うことになった《・・・・・・・・・・》。
上空に向けて笑顔で手を降る辰巳に、観千流は同じように微笑んで空いた手を振り返したのだった。