魔法少女は眠らない
「あーもう、明後日から試験なのにバイトなんて最悪ー」
|高峯・翠《たかみね・みどり》は1人夜の路地裏を進んでいた。その時だ、突如自分の姿が変わったのは。
「な、なにこれ?!」
それはどう見てもピンク色のふりふりしたドレスに、手にはこれまたピンク色の杖のようなもの……所謂、何処かで見たことがあるような魔法少女に変わったのは。
「ま、魔法少女って、やつ?」
彼女は所謂オタクな女子高生であった。すぐに自分の状況を把握し……、そして周りが見たこともないモンスターに囲まれていることに気がつくのだった。
「ちょ、どうしろっていうのー?!」
叫び声が響くのと襲いかかってくるのは同時であった。
「緊急の依頼だよぉ。今、魔法少女現象が全国で拡がってるのはしってるぅ? 今回はその依頼でねぇ! 高峯翠さんっていう女子高生が魔法少女化して、デザイアモンスターに襲われているところを助けて欲しいってわけぇ」
彼女はバイトに向かう為に路地裏を歩いている時に魔法少女化してしまったという。と言っても幅は大人3人位は余裕で通れる程というから戦いに支障はないだろう。
「まずはデザイアモンスターを蹴散らして高峯さんを救ってあげてねぇ! その後は増援も来るみたいだから守って戦うなり逃がしてあげるなりなんなりしてね? ただ、彼女も戦おうとするみたいだから指南してあげるのもいいかもしれない。もしも戦い終わって彼女がいるんなら戦い方を教えてあげて欲しいなぁ。まぁ、√能力者って訳じゃないから心得だけとか、護身術を教えるだとかになると思うけどぉ!」
そこら辺は任せるよぉとヒソカは言うと、兎に角急いでと、言うのだった。
第1章 集団戦 『デザイアモンスター』
「さ、さすがに洒落にならないってぇ!」
ひとまず杖でぶん殴ってみる?! と翠はなりつつじりじりと下がっていく。急がないと殺られてしまうのも時間の問題だろう。
「カワウソしゅうごー。とつげきだよぉ」
オッター・リバーライツ (いつもふんわりまったりぃ・h00218)は、いの一番に駆けつけた。
「魔法少女さんだー、かわいい衣装だねぇ」
かわうそさんはしってるよぉ、と笑う。
「まほーとか使ったりして戦うんだよねぇ」
「そ、そうなるのかな?!」
突然出てきたかわうそさん。それに少々驚きながらも翠は彼女が味方だと判断したようだ。なぜなら沢山のかわうそさんがそこらじゅうにいて、モンスターを攻撃しだしたのだから!
「でも、戦うのはあぶないからねぇ、ここはかわうそさんにまかせてねぇ」
暇だったらかわうそさんもふもふしてもいいのよぉとの言葉にちょっともふもふしたそうにする翠。状況は分かっていても守るように寄ってくるかわうそさんたちに心が揺れ動いているようだ。
「がんばるよぉ」
壁を蹴って飛び蹴りするかわうそ、電柱を掴んではくるりと回って足蹴りするかわうそ、たったっと壁を走り後ろに回り込んで攻撃するかわうそ……。かわうそさん達は大活躍である。翠も瞳を輝かせてぎゅっとかわうそさんを抱きしめては。
「頑張って……!」
と応援するのだった。
(魔法少女現象ってなんだか不思議な現象名だね)
エアリィ・ウィンディア(精霊の娘・h00277)はそう思うものの、襲われている人がいるならばとしっかり助ける為に、空中ダッシュで急行した。
かわうそさんに守られている翠を発見するやいなや、高速移動で一気に急降下しては近寄って来たモンスターを一刀両断する!
「大丈夫? お姉さん、助けに来たから!」
「え? え? 貴女が?」
大丈夫? 私より小さいのに……と心配そうに声を掛ける翠。
「大丈夫、あたしこう見えても強いからっ♪」
「そ、そうなの? ううん、きっとそうなんだよね、ありがとうございます!」
お喋りはここまでとエアリィはモンスター達を睨みつける。
「少し下がってて。一気にまとめてふっ飛ばすよっ! 世界を司る六界の精霊達よ、銃口に集いてすべてを撃ち抜く力となれっ!!」
武器をデザイアモンスター化して更に仲間を増やしていたデザイアモンスター。しかしそれは群集として被弾させやすくもなっていた。
「あったれーーっ!!」
攻撃が被弾しては2倍のダメージが彼らを襲う。しかしそれでも前進してくるのはそこに魔法少女がいるからだ。
エアリィも同じく前進して精霊刃と精霊銃の二刀流にて攻撃を開始する。
翠を守る、その為に彼女は前に進むのだ。
「翠さんは災難でしたね」
大海原・藍生(リメンバーミー・h02520)はモンスター達の間をみょるにるを怪力を使い霊力攻撃で振るっては、霊力弾として飛ばしながら掻い潜り、翠の元へとやってきた。
「俺は√EDENから来た能力者、藍生っていいます。……いきなりこんな状況、困っちゃいますよね」
「√EDEN? 能力者? たしかに困っちゃうけど、こうしてみんな助けてくれてるし、怖いけど大丈夫!」
藍生よりも小さな子が助けに来てくれてる今、藍生も心強い味方だと認識したようで翠は微笑む。それに応える藍生。
「必ずやお守りいたしましょう! うんと、俺の戦い方でお手本になるかはわからないんですけど……」
藍生が胸元に手を当てて歌い始めると、見えない音符が歌声と共に敵へと向かって攻撃をし始める!
「綺麗な歌声……」
翠にも見えない。見えないけれどたしかに攻撃されているのはわかる、モンスター達が血飛沫をあげては倒れていくのだから。
第六感もつかい、藍生は翠の周りに危険がないか見守っていれば、やはり攻撃を掻い潜りやってきたモンスターが。咄嗟に守れば藍生が問いかける。
「怪我はありませんか!? 女子さんに傷が残ったら絶対ダメなのです」
「ふふ、大丈夫よ、ありがとう」
そうして今度はみょるにるを構え、敵に攻撃を加えていくのだった。
神隠祇・境華 (金瞳の御伽守・h10121)は緊急の依頼と聞いて心穏やかでは居られない。
「物語を我が身に──光裂く槍よ、我が歩みにその矛を一時宿したまえ」
槍を携え、戦士の物語に身を任せて介入する境華。翠の前へ滑り込み、槍でモンスター達が介入してくる悪意の流れを断つためだ。
「下がって……ここは任せてください」
歌声に聞き惚れていた翠はすっかり自分も前に出ていた事に気が付き慌てて誘導されるがままに後ろへと下がる。
(この距離、この直線なら──槍の射程で取りこぼすことはないはず)
翠に近づいてくるものを中心に、モンスターへと最短の軌道にて槍を振るう。それは確実に2回あたり、近くにいた仲間のモンスターをも、巻き込んでいく!
突いては薙ぎ払い、範囲を広げて行けば、モンスター達も散り散りになっていく。
その時だった、翠へと襲いかかろうと飛び込んで来たモンスターを見つけたのは! 槍を投げ動きを縫い、再生成した槍で即座に油断なく守りを固める境華。
「無理はしないで……そこで見ていてください」
境華の冷静な声に落ち着きを取り戻した翠はこくんと頷くと境華にと守って貰えるよう大人しく後ろに下がるのだった。
不破・鏡子 (人間(√マスクド・ヒーロー)のマスクド・ヒーロー・h00886)は、魔法少女現象という珍妙な物があると聞いて驚きを隠せない。
(戦う力を得られるのは良い事かも知れないけど、突然で心の準備ってものが出来ていないと困ってしまいそう)
自分がどんな力を持っているか分からないまま実践に放り込まれる……なんて恐ろしい事だろうか。
しかし今はやることはただひとつ、翠を守って闘うだけである!
「とくと見なさい! ……この蹴りを!」
高速移動しては、壁を蹴り上げた力を利用して敵を蹴飛ばして、翠からモンスターを離れさせる鏡子。
「ありがとうございます……! 私も一緒に」
何か出来たら良いんですけど……と言われるのに杖に手を添えてやりつつ微笑む。
「この杖、こういう使い方するものではないかもだけど……」
こう、殴る! と杖をぶんっと振り回しモンスターの腹に一撃を加える翠と鏡子。ぐらりと揺らめくだけだが、それでも何もしないよりもいいだろうと翠が微笑む。
「あっ……!」
敵が融合しようとした所をすかさず早業にて切断し、電柱を片手で掴み再びくるりと回る力を利用して蹴りをかます鏡子。あとは蹴ってけって蹴りまくる戦いとなるだろう……。
プラチナ・ポーラスタ(『正義』の魔法少女・h01135)は変身してモンスター達の元へと駆けつける。
「こちとら歴戦の魔法少女よ」
霊銃による牽制射撃でデザイアモンスターを翠から遠ざけていく!
「あの、貴女は……?」
自分と似ている? と小首を傾げる翠に不敵に微笑むプラチナ。
「可愛いかっこいい絶対強い|正義の魔法少女《シスター・ジャスティス》よ!」
華麗にジャンプで翠とモンスターの間に飛び込めば続いて凛剣でモンスターを切り刻む。
華麗で、優美に。然しその攻撃は苛烈にと。
「イメージが力になるんだから右往左往しては追い詰められるだけよ」
「そ、そういうものかな?」
「『格好良い自分』を思い描きなさい」
モンスターが欲望のオーラを放つのを縛鎖で縛り上げるプラチナ。
「輝く正義の鎖よ。秘めたるを暴き、悪しきを捕らえろ!」
浄化の弾丸でオーラを祓ってあげる前にプラチナが翠に視線をやる。
「翠あなたがやらないならこのまま私がトドメを刺すけどどうする?」
「え、ぁ……」
なんてね。と微笑んではもう1つアドバイスを。
「イメージを込めて、杖を振るってみたらどうかしら?」
その言葉に、翠は大きく深呼吸をするのだった
第2章 集団戦 『デザイアモンスター』
増援されたデザイアモンスターを前に深呼吸する翠。
アドバイスを思い出しては、ゆっくりと瞳を開き……突如不思議な光が溢れ出てくる!
自分になにか不思議な力が漲って居るのを感じたようだ。
「私、皆さんを支援できそうです!! なので、もう少しお力を貸してください!」
どうやら、身体能力の向上を司る光のようだ。
これを使えば戦いに有利になることは間違いないだろう……。
「私は『正義』のタロット魔法少女だから鎖で縛ったり、悪心の浄化が得意ね」
「そうなんですね……!」
メモを取れたら取る勢いで翠が頷く。どんな魔法少女で在りたいか。それを思い描いて力にするのよ、とプラチナ・ポーラスタ(『正義』の魔法少女・h01135)は鼓舞する。
支援タイプな翠、そんな彼女を護るためにプラチナは、突っ込まずに間に割って入って霊銃の乱れ撃ちで応戦し始める。身体能力の向上もあってか、乱れ打ちの効果が何時のも倍になる。そのためか近寄ってこようとするモンスターはすこし足取りが遅い。
そこを無駄にするプラチナではなく……。
「いくわよ!」
雷霆万鈞。雷属性の弾丸を射出しては、爆発によるダメージを与えていく。爆発に巻き込まれた数体が吹っ飛んでいくのが見える。
翠とプラチナには帯電による戦闘強化の力が与えられ所謂鬼に金棒状態だ。
「危ない!」
モンスターの手が翠に伸びようとするのに、咄嗟にエネルギーバリアをはるプラチナ。
「す、すごい……!」
慣れた動きに翠の瞳が輝きを灯しては先輩であるプラチナを見詰める。
(合体は数が減って有難いけど、腕を伸ばして引き寄せは有難迷惑ね)
しかしそこは熟練者であるプラチナは、見切って凛剣で一閃。
切り飛んでいったのは腕だった。
「あなたの顔は見飽きたわー。いい? 正義の魔法少女の力を見せてあげる!」
霊銃にて顔面に1発。
それは見事撃ち抜き地面に倒れふすのだった。
(翠さんを守れたようならよかった)
ほっと息を吐く大海原・藍生 (リメンバーミー・h02520)。
「おや?」
突然翠を中心に光り輝く地面に小首を傾げる。これは支援の力が芽生えた証なのかと思う藍生。
「怖いかもですけど、敵に負けないビジョンを思い浮かべてください」
俺はあなたの力の開花を応援します、と告げる藍生、けれど無理はしないでと伝えることも忘れずに。
「この歌声は俺の誇り」
胸元に手を当て歌う藍生。生きとし生けるものの幸いと誇りを守る歌で、翠を鼓舞すればより強まる力。
「すごい……!」
小妖精の群れに驚きつつも歌声に耳を傾け、自分の力に集中し始める翠。
そんな翠を見守り、藍生は引き続きモンスターの相手を。
群れなすモンスターを勇気を持って見詰め、勘で攻撃の軌道を読む。怪力でみょるにるを振るいつつモンスターを思いっきりぶんなぐる!
霊力攻撃で吹っ飛んでいくモンスターを見つめつつ優先するのは翠だ。彼女を護るため、ダッシュで駆けつけてはみょるにるでその攻撃を受け止める!
そのまま怪力を使い武器を振るえば、モンスターは吹っ飛んでいき地面に倒れ伏し動かなくなるのだった。
(増援か……確かに数は多い)
不破・鏡子(人間(√マスクド・ヒーロー)のマスクド・ヒーロー・h00886)はでも同じモンスターならば結果は同じになるだと分からせてやろうと拳を握る。
どうやら翠の力も目覚めて来たようだと鏡子は思う。
何故なら自分の体に力が漲って来るのがわかったからだ。
「支援してもらえるなら喜んで受けましょう」
まずは鏡子自身を狙わせる為に彼女の前に立つ。
沢山のモンスターたちそれら全ての完全融合を防ぐのは難しい。だからこそ、腕での攻撃は自分自ら受けるのだ。
そうして攻撃を受けつつもこのままでは何も変わらない。故に……。
(でも上手くやれれば先制攻撃出来るはず!)
「……っ!」
光学迷彩をまとい、高速移動を開始する鏡子。
片っ端から蹴り飛ばしていけば、反応しきれないモンスターたちが何も出来ずに弾き飛ばされていく!
パワーアシストと怪力という組み合わせも良かった。身体能力が向上してる今、面白いほどモンスター達は吹っ飛ばされていく。
どんなモンスターかよく分からない。けれど、見えない相手に攻撃されるのがお好きな方々じゃなさそうだからね! と鏡子は不敵に微笑む。
あとはもう、鏡子の独壇場になるのだった。
神隠祇・境華 (金瞳の御伽守・h10121)は思う。
(翠さんの光が満ちる気配に、物語の始まりを感じる)
ならば、その芽を折らせるわけにはいかないと槍を投げ放つ境華。文末に至った物語を静かに手放す為だ、故に始まるのは次の物語。次の1頁。
「前は私に任せて……よく見ていてください」
「はい!」
分け身を展開し、敵の意識を向けさせる境華。
「物語は我が手に── 金毛の分け身よ。その跳ねる影で、いま一瞬だけ敵の目を奪いたまえ」
現れたのは猿の群れ。それらは攻撃力は持たないものの、モンスター達を境華の元へ向かわせるのだ。もちろん囮として動かす事も忘れない。
後ろにいる翠に声をかける。
静かな心を忘れることなかれ。
「それから、目的を強く意識することです、何のための力であるかを……」
棍を構え、機先を制する動きでモンスター達の追随を許さない境華。翠の力を受けてのその攻撃は、翻弄するのに事欠かない。
「何のための力であるかを……」
翠は今一度、その力を前に瞳を閉じる。
(翠さんの“始まり”を守り、寄り添うために)
その為に、境華はいるのだ、ここに。今こうして。
「支援系?」
エアリィ・ウィンディア(精霊の娘・h00277)はそうとなれば攻撃を通す訳には行かぬとオーラ防御を空いにと付与する。
「あ、ありがとうございます!」
何か付与されたのが分かったのだろうそう言って微笑む翠。
付与されたのは光属性のオーラ防御。少しでも欲望のオーラからその身を護らせる為だ。
「さ、それじゃ、翠さん力を借りるねっ!」
身体能力向上の力。それを借り受け、敵陣に向かって空中から攻撃を仕掛けるエアリィ。
その手には精霊刃があり、振り下ろされた先にはもちろんモンスターが!
一刀両断! モンスターは悲鳴を上げながら倒れていく!
「精霊達よ、あたしに力を……。さぁ、乱れ撃つよっ!!」
さぁ、あたしと踊ってもらうよっ! と笑っては高速詠唱にて隙すら見せずに精霊たちを召喚、精霊銃を抜いてはどんどんと撃ち抜いていく! 2回攻撃かつ範囲攻撃となれば、その攻撃は本当に乱れ打ちにならない。何処からくるのか分からない弾丸にその身をくねられせては逃げようとするモンスター。
しかし逃す気はない。
「今日は負ける気がしないよ」
支援をしてもらっている、しかし何よりも。
(守りたいものがある時に負けはしないからっ!)
エアリィはその瞳に自信を浮かべては、翠の元へ行こうとするモンスター達をどんどん撃っていくのだった。
第3章 日常 『ヒーロー志願者向けコーチング』
敵は退いた。残されたのは√能力者と翠だけであった。
「ありがとうございました!」
ぺこりと頭を下げる翠。そうして顔を上げた時には決意に満ちていた。
「あの、色々アドバイスありがとうございます。その、もしよろしければ他にも色々アドバイスいただけませんか?」
もちろんそれ以外にも、貴方たちのことを教えてください! と翠は微笑むのだった。
神隠祇・境華 (金瞳の御伽守・h10121)は戦い終わり、翠の決意に満ちた瞳を見て、胸の奥が少し温かくなる。
まずは深呼吸を。それから静かに紡ぐのは翠の力のこと。
「あなたから感じた力は……とても暖かいものでした」
「暖かい……」
「あなたの力は、誰かを傷つけるためではなく、守りたいと思う心に応えるものなのだと……思います」
「応えるもの?」
その言葉に静かに頷く境華。そして小さく微笑みを浮かべ伝える。
だからそこ、焦らずに自分の呼吸と気持ちを整えること。それが大切なことだと言われてもピンと来てない翠に更に言葉を紡ぐ。物語を紡ぐかのように。
「戦い方は形よりも意識が先にあります」
「意識が先に……」
ぎゅっとなにか思うところがあるのか拳を握る翠。
「何のために動くのかを忘れなければ、きっと迷いは薄れます」
それといちばん大切なのは、と瞳を見つめる。
それはひとりで抱え込まないこと。
仲間に頼ることも、立派な強さだと伝えれば、翠が瞳を瞬いたあと小さく頷きをかえす。
「あなたの始まりを見届けられたこと、嬉しく思います」
(これからも、あなたの歩みが穏やかでありますように)
穏やかな願いがここにある。
翠はその穏やかな願いに応えるかのように満面の笑みでありがとうございますとお礼を伝えるのだった。
プラチナ・ポーラスタ(『正義』の魔法少女・h01135)はカフェにでも入りましょ、と翠を誘い共に喫茶店に入っていく。ちょっと慌てる翠に大丈夫、認識阻害があるからと自らも変身を解かずに共に席にとついた。
「第一にあなたの名前は?」
「えぇっと、翠といいま……」
「翠じゃないの」
その言葉に不思議そうになった翠に言い聞かせるプラチナ。仲間を討ったトラウマによる目眩に襲われながらも大切なことだから、と。
「正体は明かしちゃダメ。敵に家族友人を狙われるわよ。結果、敵に捕まり洗脳された、なんて話もあるから」
「た、たしかにそうですね?!」
それは大変だとこくこく頷く翠。それと、魔法少女名と決め台詞は必須であると先輩の魔法少女はいう。
「「可愛いかっこいい絶対強い」の著作権は譲れないわね、ふふん」
「それ以外の考えてみます! 先輩」
ふふ、と翠も笑いながら頷く。ついで大事なのはサポートメインでも護身術が必要なこと。
「魔法で攻防か、素手メインか。いっそトンファー魔法杖を構えながらキックか」
「で、できるかな……?」
「兎に角ひとつでもいいから初めてみなさいな」
その言葉に頷く翠。しかしアドバイスは最後にとても大切なことをひとつ。
「学生との両立は大変だけど試験頑張りなさい」
「あっ、はい!」
突然現実に引き戻されたかのような翠に、魔法少女用SNSアドレスは渡すプラチナ。
そのアドレスに視線を落としあぁ、夢じゃないんですねと翠が小さく覚悟を決めた声音で囁くのだった……。