シナリオ

星追い、君は未来を想う

#√マスクド・ヒーロー #悪の組織『カスディム』

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 #√マスクド・ヒーロー
 #悪の組織『カスディム』

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●ホビィスト
 √マスクド・ヒーローのとある商店街に悲痛な叫びが響き渡る。
「やめてくれよ! なんでそんなことをするんだ!」
 少年少女たちの声虚しく、彼らの手にしていたプラスチックホビーを『戦闘員』は踏みつけて粉砕する。
 砕け散るプラスチック。
 破片が虚しく飛び散り、少年少女たちのプラスチックホビーは、不可逆なる破壊を受けた。悲鳴が響くしかなかった。
 誰も止められなかった。
『戦闘員』たちに押さえつけられた少年少女たちの眼には涙がいっぱいに湛えられていた。悲しみだけが広がっていく。
 その悲しみを糧にするように『戦闘員』たちは嘲笑する。

「なんで? そんなこと決まっている! このプラスチックホビーはお前たちの『イマジネイション』が込められている。そう、想像力と言ってもいい! 明るい未来を描く想像は、未来を創造しうる究極の力! 我ら悪の組織『カスディム』は、お前たちの『イマジネイション』を奪うのだ!」
 アスファルトを砕くほどの一歩を踏み出し現れたのは、簒奪者『ドロッサス・タウラス』であった。
 鋼鉄の体躯は雄々しき雄牛を象ったものであり、鋲を配した鎧や手にした金棒は恐ろしげな雰囲気を放っていた。
 その姿に少年少女達は、声を失うだろう。
「恐れおののき声も出ぬか。だが、それでいい。これからもお前たちがホビーに心躍らせる度に我ら『カスディム』が現れると胸に刻め。お前たちに明るい未来の展望などないのだ。ガハハハハ!」
「た、たかがホビーなのに……」
「たかがで結構! されどと言ってやろうではないか! これから何度だって我ら『カスディム』はやってくるぞ! その度にお前たちは絶望し、夢も希望もない、努力や友情など無意味だと思い知ることになるのだからな――!」

●星詠み
 それは星写す黒い瞳だった。
 亜麻色の髪が揺れて、 星詠みであるレビ・サラプ・ウラエウス(人間災厄「レッド・アンド・ブルー」の不思議おかし屋店主・h00913)は微笑んで集まっている√能力者たちに呼びかける。
「集まってくれてありがとう。君たちは、『エース戦記』って知ってるかな?」
 √能力者達は、戸惑ったかも知れない。
 何、え、なんて? と。
 無理もなからぬことである。
 レビは一つ頷いた。

「√マスクド・ヒーローで今、少年少女たちの心を掴んで離さないホビーさ。おもちゃって言ってもいいかな? プラスチックで出来た手のひらサイズのホビーをね、こうやって……」
 そう言ってレビはいつの間にか手にしていたスマートフォンのカメラを起動する。
 さらにいつのまにか手にしていた青い人型ロボットのプラスチックホビーにカメラを向けた。
 するとスマートフォンの画面に手にしていた青い人型ロボットが表示される。
 カメラアプリのスキャン機能を用いたアプリゲームのようだった。
 これが『エース戦記』と呼ばれる√マスクド・ヒーローの少年少女たちの心を鷲掴みにしている令和最新ホビーなのだ。

 で、それがどう事件に関係しているのか。
 √能力者たちは困惑しきりであったことだろう。
「君たちの中ではとっくに察している人もいるかもしれないし、ご存知のことかもしれないけれど、悪の組織の一つ『カスディム』が、このホビーを使って世界征服を目論んでいるのさ」
 ……なんで?
 いや、目的はわかっている。問題なのは、その手段である。
 よりにもよってホビーで世界征服?
 できるのか? まず疑問はそこだった。

「確かに。ホビーなんていうのは、世界の産業から見ればニッチなものさ。けれど、人の想像力……『イナジネイション』というのは、馬鹿にできないエネルギーだと思わないかい? はるか昔、人は鳥に憧れ、空に焦がれ、飛行することに思いを馳せてきた。当時は馬鹿げた妄想だった。けれど、今やどうだい。人は空を飛ぶ手段を得た。そればかりか、宇宙にだって飛び立つことさえできる。その原動力は『イマジネイション』だと言えないかい?」
 その『イマジネイション』――想像力は少年少女たち、幼い年代の子たちこそ強いだろう。そして、ホビーを通して友情を育み、努力を知り、希望を抱いて夢を実現するのだ。
 その若い芽を摘み、夢も希望もない未来を征服しようというのが悪の組織『カスディム』なのだ。
 許せるわけがない。
 許しておける訳が無い。
 例え、彼ら悪の組織が『人の団結力』を攻撃するのだとしても、許しておけない。

「だよね。まずは、悪の組織『カスディム』が√マスクド・ヒーローのとある商店街にて集結して事件を起こしている。彼らは『エース戦記』にて少年少女たちに有無を言わさぬ勝負を挑み、大人げなく勝利を収めて彼らのホビーを粉砕しているんだ。これをまずは阻止しなければならない。わかるよね?」
 レビはそう言って、√能力者たちにポケットから取り出した袋菓子を手渡す。
「ああ、これかい? これは『ポテチフラット』さ。三枚入りだよ。味はチキン味。スパイシーだしガーリックとジンジャーを加えた本格派さ」
 所謂、じゃがいもを使った駄菓子である。
 シンプルだが、ガツンとパンチのある味わいは子供も大人も大満足なのである。
「道中までの小腹を満たしておくれよ。とは言っても割れやすいから取り扱いには注意してね。気に入ったら、買っておくれよ。さあ、いってらっしゃい」
 レビはそう言って、悪の組織から少年少女たちを護るべく駆け出す√能力者たちを見送るのだった――。

マスターより

海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回の事件は√マスクド・ヒーローにて、ホビーで世界征服を目論む系の悪の組織『カスディム』が、とある商店街にて少年少女たちの心を掴んで離さぬホビー『エース戦記』を用いて、彼らの『イマジネイション』――想像力を根こそぎ摘み取ってしまおうという恐るべき作戦を実行しています。
 本来のホビーが担うはずだった少年少女たちの友情や努力、夢や希望といったものを踏みにじろうというのです。
 許すまじ。

●第一章
 冒険です。
 オープニングにある通り、悪の組織『カスディム』の『戦闘員』たちがホビー『エース戦記』にて、大人の財力と嘗てのホビーを嗜んでいた少年の心を遺憾なく発揮して大人げない改造を施したプラスチックホビーでもって、アプリゲーム内で暴威を振るっています。
 皆さんも人型ロボットホビーをスマートフォンでスキャンし、ホビーアプリ内で対決しましょう。

●第二章
 第一章の結果から展開が分岐します。
 ホビーアプリ内で悪の組織『カスディム』を圧倒した場合は、ボス戦になるでしょう。
 逆にうまくホビーを扱えなかったり、戦況が思わしくない場合は、『戦闘員』たちは皆さんを物理で排除しようとするでしょう。

●第三章
 ボス戦です。
 状況などは断章をご確認ください。

 それでは、卑劣にも少年少女たちの想像力の芽を踏みにじり、明るい未来を閉ざそうとする悪の組織との戦いに身を投じる皆さんの物語、その√になれますように、たくさんがんばります!
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第1章 冒険 『玩具で世界征服』


POW パワ―重視でバトルだ!/大人げない体格差でなんとかする
SPD スピード重視でバトルだ!/大人げない技量でなんとかする
WIZ テクニック重視でバトルだ!/大人げない金の力でなんとかする
√マスクド・ヒーロー 普通7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

『エース戦記』、それは令和の最新ホビー。
 自分で作り上げたプラスチックの人型ロボットをアプリでスキャンすることで、アプリ内に3Dモデルとして登録し、戦うホビーである。
 形は自由だ。
 人型であればいい。
 あとは色も、好きな色に作ればいい。
 アプリ内フィールドを自分の操作で自由自在に駆け抜ける姿は、想像力を刺激するだろう。
 もっと自由に。もっと強く。もっと華麗に。
 多くの望みが生まれてくる。
 そうした『イナジネイション』の芽を悪の組織『カスディム』は踏みにじろうとしている。
「貧弱! その程度の腕で『エース戦記』を語ろうなんざ百年早い!」
『戦闘員』は情け容赦なく、少年少女たちを打ち負かし、その手にあったプラスチックホビーを取り上げる。
「やめて!」
「こんな雑魚ホビーなんざ、こうしてやる!」
 振りかぶった手。
 その手が降ろされればどうなるかなど言うまでもない。

 プラスチックホビーが地面に叩きつけられようとした瞬間、√能力者たちは駆けつけるだろう。
「ぬっ! 何者だ――!」
刑部・悠璃
【心境】
「あ、ボクの好きなタイプの玩具だ。」
ホビーいいよねぇ。
…プラキットにはまったせいで同性の友達いなかった小学生時代のトラウマが…
【行動】
あっははははは~その程度の腕じゃあ日本じゃ二番目だな。
このお年玉の残りをすべてつぎ込んだホビーの戦闘力を魅せてあげる。
具体的に5万円分!!(注:妙に生々しい金額)
そして魅るがいい。このデフォルメされた狸のオリジナルデカールを!!
作るのに丸一晩かけた力作なんだから(注:よくある話でもある)
狸侍ホビーが貴様を討つ。
ということで、刀型ビームサーベルで『神域抜刀陣』の動きを再現した居合で敵機を切断。
悪は滅ぶべき…ぼりぼりぼり(『ポテチフラット』を食べてるらしい)

 いつの時代も幼心を忘れない者にとって、ホビーというのは永遠の玩具である。
 暇つぶし、競技、生き様。
 多くの言葉で語られてくる所のものがホビーなのだ。
「あ、ボクの好きなタイプの玩具だ」
 刑部・悠璃(人妖「妖狸」のどろんバケラー・h04530)は、√マスクド・ヒーローにおける令和の最新ホビーであるところの『エース戦記』のルールや商品展開を見て、そう思ったのだ。
「ホビーいいよねぇ」
 プロは多くを語らない。
 その言葉だけで悠璃がどれほどホビーというものを嗜んできたのかが伺い知れることであろう。
 思い返せば、プラキットにハマったせいで同性の友達がいなかった。
 他の女子たちは他のハイカラな趣味に興じていたのに対して、自分は異性たちとつるんできていた。
 まあ、そういうつるんでいた少年たちすらも、『タヌキといいつつ、尻尾にもようがあるからアライグマじゃね?』とか『むしろレッサーパンダだろ』とか言ったばっかりに幻の左ストレートで沈めてしまっていた。

 故に、悠璃は妖怪小学校時代のトラウマに囚われそうになったが、しかし頭を振って√マスクド・ヒーローのとある商店街に踏み込む。
「あっはははははは~その程度の腕じゃあ日本じゃ二番目だな」
「ぬっ、何奴!」
 悪の組織『カスディム』の戦闘員たちが、彼女の言葉に振り返る。
 商店街のビルの上に立つ悠璃は、思ったよりちょっとビルが高いなと思ったが、こういう時の名乗りってもんは、高いところからやるもんだと相場が決まっているので良いこととした。

「このお年玉の残りを全て注ぎ込んだホビーの戦闘力を魅せてあげる。具体的には五万円分!」
「生々しいどころか、結構いい所のお嬢さんだぞ!」
「ご、ごまんえん……!? ごまんえんてことは、エイイチがご、五人!?」
『戦闘員』たちも少年少女たちも思ったより、ずっと突っ込んだ金額に恐れ慄いている。
「それがこれ!『狸侍』が貴様を討つ!」
 悠璃は己が丸一晩かけた傑作にして力作をスマートフォンのカメラでスキャンする。
 キラリと期待に光るは悠璃謹製であることを示す、狸のオリジナルデカール。

「ということで、勝負!」
「フッ! この全国ホビー大会で県代表にも選ばれたことのあるこの俺をどうにかしようなどと!」
『戦闘員』はその道のプロが集まっている。
 当然ながら、ホビーのプロだっているのだ。そんな『戦闘員』もまたスマートフォンを掲げ、アプリゲームを起動する。
「いざ、勝負!」
 アプリの中で悠璃と『戦闘員』のホビーが激突する。
 否、勝負は一瞬で決まった。

「ば、ばかな……! この俺の最強ホビーが、一刀両断、だと!?」
「これが刀型ビームサーベルに寄る|神域抜刀陣《シンイキバットウジン》……ボクの居合は最速だよ。最強よりも最速のほうが強いんだからね」
 ふ、と悠璃は不敵に笑む。
「悪は滅ぶべき……」
 だが、ぽりぽりぽりと口に加えた『ポテチフラット』が全てを台無しにしていた――!
🔵​🔵​🔵​ 大成功

久瀬・八雲
目には目を歯には歯を、大人気ない相手には大人気ない手段でボッコボコにしてやりましょう!

餅は餅屋ーーと言いますゆえ、今回は専門家の方に力をお借りしました!
強化プラスチック塊からの全パーツフルスクラッチ!
力 is パワー!筋肉の祭典、マッスライガーαでぶちのめします!
合わせ目消しはもちろん、筋肉を隅から隅まで完全再現した究極の曲線とスライド機構で滑らかな動きと脅威の可動域を実現!
片足爪先立ちだってお茶の子さいさいですのよ!

筋肉が力を生み
筋肉は素早い動作を可能にし
筋肉を育むためには知識が必要です
つまり筋肉こそ全知全能の存在であることは確定的に明らか

という訳でぶん殴れマッスライガーα!!

アドリブ連携◎

「クッ、こいつら手強い!」
 アプリ内にて人型ロボットホビーをスキャンして戦うホビー『エース戦記』。
 これらを用いて少年少女たちから夢や希望を踏みにじり、想像力を踏みにじろうという悪の組織『カスディム』の『戦闘員』たちは現れた√能力者たちに驚愕する。
 しかし、彼らとて『戦闘員』。
 その道のプロたちが悪の組織『カスディム』に引き入れられているのだ。
 故にまだアプリ内での決着はついていない。
「ここから巻き返せばいいだけのことだ! いくぞ!」
「目には目を歯に歯を、大人げない相手には大人げない手段でボッコボコにしてやりましょう!」
「だれだ!」
 振り返る『戦闘員』たちの前に立っていたのは『エース戦記』のアプリをインストールしたスマートフォンを手にした久瀬・八雲(緋焔の霊剣士・h03717)であった。
 いつもは意志ある霊剣『緋焔』を握る手も、今日このときばかりはスマートフォンを握りしめていた。

「悪党に名乗る名はありませんが、しかして敢えて名乗らせてもらいましょう。このわたしの相棒の名を!」
 彼女は己が手に餅は餅屋と言わんばかりにプラスチックホビーの専門家に力を借りて強化プラスチックの塊から全パーツフルスクラッチしてもらった人型ロボットホビーを掲げる。
 燦然と輝くのは、その出来栄えが素晴らしいからだ。
 ハッキリ言って、時間というか納期がギリギリのギリであったはずだ。
 だが、八雲の知り合いの専門家は不可能を可能にする者であった。
 彼女はスマートフォンのカメラアプリでスキャンし、アプリ内に己のホビーを表示させる。
「力isパワー! 筋肉の祭典!『マッスライガーα』がぶちのめします!」
「な、なにぃー!? ふ、フルスクラッチのオリジナルホビーだと!?」
「馬鹿な! しかも強化プラスチックということは加工にも四苦八苦する代物……それの削り出し、だと!?」
「当然です! 筋肉を隅から隅まで完全再現した究極の曲線とスライド機構で滑らかな動きと脅威の可動域を再現! 御覧なさい! 片足爪先立ちだってお茶の子さいさいですのよ!」

 アプリ内で披露される白鶴の如き見事な立ち姿。
「そして! 筋肉が力を生み!」
 躍動するプラスチック。
 プラスチックなのに躍動して見えたのは、あまりにも見事な出来栄えゆえである。
「筋肉は素早い動作を可能にし!」
 俊敏な動きで一瞬にして『戦闘員』の操るホビーへと距離を詰める『マッスライガーα』。
 ぎらり、と輝く瞳。
「筋肉を育むためには知識が必要です! つまり筋肉こそ全知全能の存在であることは確定的に明らか!」
「暴論が過ぎないか!」
「いいえ、極論も突き詰めればド頭をぱっかーんとできるのです! であれば!」
 握りしめる拳。
 鉄拳と言って差支えない八雲の操る『マッスライガーα』の拳。
「ぶん殴れ『マッスライガーα』!!」
 その握り拳が振り抜かれ、『戦闘員』のホビーを一瞬にして星にしてしまうのだ。
「ば、ばかなぁぁぁぁっ!?」
「ふっ、塵芥でなく流れ星になれたことを喜ぶべきですね。さあ、次はどなたです! 一切合切ぶっ飛ばしますよ――!」
🔵​🔵​🔵​ 大成功

七々手・七々口
「頼もー(もしゃもしゃ)」
あ、貰ったお菓子結構イケる。

何故か宝物庫にあったこのホビーで勝負じゃー。
えーっと、どうすんだっけ?これ(そして強欲に奪われるスマートフォン)
…後は任せた(二袋目のお菓子をもしゃもしゃ)

装備は片手剣と盾で、赤いシンプルなホビー。
(装備が貧弱?やれやれポーズの強欲)(貴様程度にはこれで充分だという雰囲気を出す強欲)
(良いからかかって来いのポーズの強欲)(それとついていけない猫)

敵の攻撃を見切って避けたり、盾でパリィしたりして敵の隙を作り攻撃して行くスタイルで勝負する模様です。

「あー、一時期オレの金がごっそり減ってたのはこれか…。」

「頼もー」
 その声はあまりにも呑気だった。
 大凡、戦いの場に相応しいものではなかったし、なんなら近所の駄菓子屋に遊びに行くくらいの気軽さであった。
 いや、事実、七々手・七々口(堕落魔猫と7本の魔手・h00560)は尻尾の魔手でもってうまいこと駄菓子『ポテチフラット』をパリパリしていた。
 サクサクのパリパリ。
 しかも、味付けが濃ゆい。
 じゃがいもの風味、と言われたらちょっと首を傾げるところであるが、フライされたじゃがいもにまぶされた味付けは七々手には割と好ましいものであった。
 結構、イケるな、と小さく頷く。

 大分脱線した気がしないでもない。
「貴様、一体何しに来たんだ!」
「あ、そうだった」
 悪の組織『カスディム』の『戦闘員』が七々手を糾弾するように指を突きつける。
 それに七々手は思い出したように頷く。
「ホビー勝負だよ。わかってるって」
 そう言って、尾の魔手が握りしめているのは、赤いシンプルなロボットホビーであった。
 何故か宝物庫にあったのだ。
 しかし、七々手はこれを如何にするのかを知らない。
 勝負とは言ったが、どうやるのか。
 首を傾げる。
 目の前のスマートフォンをてしてし叩く。
 うん、さっぱりわからんな、と思っていると別の魔手がスマートフォンを奪って片手でぽちぽちと操作し始めるのだ。
「何がなんだかわからんが! 我ら『カスディム』の邪魔立てをするというのならば容赦せん!」
「……後は任せた」
 そう言って七々手は見物がてらと言わんばかりに二袋めの『ポテチフラット』をパリパリやり始める。
 気分はもう野球観戦と変わらない。

「そんなドシンプルな装備でぇ!」
 やれやれ、と魔手が肩をすくめるような動作を見せる。
 むしろ、逆であった。
 アプリ内にて『戦闘員』のスキャンされたいかついホビーが赤いロボットホビーに襲いかかる。
 しかし、その一撃をさらっと躱し、盾に寄るシールドバッシュで体勢を突き崩して放たれる片手剣が切り裂くのだ。
「ダメージ量は然程ないようだな!」
「うーん……」
 よくわからん。
 七々手はそう思っただろう。だが、見ているとなんとなくわかる。
 盾は攻撃の手段でありながら、敵の攻撃を完璧に打ち消しているのだ。受けて、タイミングよくボタンを押すことで敵の一撃のダメージを0にしているのだ。
 所謂パリィと呼ばれる技術であった。
 そして、攻撃の隙が生まれた瞬間を逃さず片手剣の堅実なダメージでもって敵を切り崩していくのだ。

「くっ……まさか、その装備……固定ダメージを生み出す課金装備……! 盾も規格外の耐久性を持つ高レアアイテム……!」
「あー、一時期オレの金がごっそり減ってたのはこれが……」
 原因か、と七々手は思う。
 魔手がこっそりスマートフォンで課金やらをしていたのだろう。
 まったくもって隙もないことである――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

中村・無砂糖
「や、やめるのじゃー!エース戦記は争いの道具じゃない…この仙人のわしとエース戦記でバトルじゃ!」
(ポテチフラットをバリボリ貪りつつ…あ、コレ美味じゃのう。後で買うのもありじゃのう?)

とはいっても最近の機械というのはようわからんのう。

とりあえずアレじゃ!
長年培ってきた動体視力をフル動員してスピード勝負していけばなんとかなるじゃろう。

「では、いくぞい、ほれ…仙術『クイック、クイック、スロー』じゃ」

『たかが量産機』と侮ると痛い目にあうものじゃ。
ブーストダッシュ?アサルトアーマー?
ええい、使える機能はなんでもフル活用して完封勝利を狙えば良かろう……!

あ、ポテチを直に触れた指で画面はベタベタじゃがのう?

「くそっ、こいつら存外やるようだぞ!」
 悪の組織『カスディム』の『戦闘員』たちは呻くようだった。
 少年少女たちのホビーを粉砕して嘲笑していた彼らを前に現れた√能力者たち。
 彼らの攻勢にたじろぐ。
 しかし、ここで引いてはいられない。
「ならば、ここで一気に勝負を仕掛ける!」
「や、やめるのじゃー!『エース戦記』は争いの道具じゃない……この仙人のわしと『エース戦記』でバトルじゃ!」
 いや、もとよりそのつもりであると『戦闘員』たちは思った。
 だが、そんな彼らの前に立ちふさがったのは、中村・無砂糖(自称仙人・h05327)であった。
 幽霊のどろんバケラーにして尻の霊剣士である。
 もうずっと何言っているかわからないと思うが、そうなのである。

 彼はついでのように『ポテチフラット』をパリパリしていた。
 緊張感があるのはセリフの字面だけであった。
 むしろ、内心もらった『ポテチフラット』の味わいに感心していた。
 パリパリの食感に濃い味付け。
 癖になる。
 あとで買うのもアリかのぅと、もう戦いが終わった後のことに思いを馳せているあたりが『戦闘員』たちの癇に障る。
「どけ、ふざけた爺さんだな!」
「ふっ、そういう青二才なセリフはわしを倒してからいうんじゃぞ」
「なにを!」
『ポテチフラット』の粉が付いた手をぺろりと舐めて無砂糖は不敵に笑む。
 その姿は確かに只者ではない雰囲気を醸し出していた。

「……と言いつつ、無課金の量産機かよ!」
「ふっ、『たかが量産機』と侮ると痛い目にあうものじゃ」
 そりゃ、ブーストダッシュ! アサルトアーマー!
 クイック、クイック、スロー!
 無砂糖の操るホビーはアプリ内で縦横無尽に駆け抜ける。
 一見すると無意味に思えるダッシュキャンセルも敵のエイムを外す巧妙な手段であった。
「速い……! この爺さん、巫山戯たノリのくせに!」
「ほっほっほ! とりあえずアレじゃ! これは長年培ってきた動体視力の成せる技というやつよ! おいぼれとて甘く見るでない! スピード勝負ならば、性能差など簡単に覆してくれるわ!」
 その言葉通り、無砂糖のホビーは凄まじい勢いと尋常ではない挙動でもって『戦闘員』のホビーを翻弄し、ちまちまとだが確実にダメージを蓄積させていくのだ。

「これが蝶のように舞い、鉢のように刺す! というやつじゃ!」
 ついでに『ポテチフラット』をつまんだ手でスマートフォンの画面はヌルヌルである。
 しかし、そのヌルヌルが功を奏したように滑らかな操作を実現していたのだ。
 恐るべし、年の功!
 そうでもしないと年々失われる指の脂は、カサついてしまうのだ! 
「伊達に長生きしとらんわ! ほりゃ! これでノーミスの完封勝利じゃー!」
 最後の一撃が叩き込まれ、アプリ内には『PERFECT!!』の文字が踊るのだった――!
🔵​🔵​🔵​ 大成功

柳生・友好
えっと…ゲームでの勝負なら、最も必要なのは一体何だろう
初心者だから、テクニックとか分かっても上手く使えないし、逆にうかつな行動で自分を壊滅させるかもしれない
ちょっと脳筋気味だけど、ここは|力ずく《パワー》で押し通そう、スペックこそが揺るぎのない正義

とりあえず【流行知識】でゲームのコツとか情報とか一旦調べたからプラモを作る
機体自体は元デザインを踏まえた素朴なものだが、使う武器は目に立つ
スラスター付きの実体剣、屠竜騎士の屠竜大剣にちょっと似ているかもしれない
そいつであらゆる攻撃を押し返して敵機を断ち切る

※連携・アドリブOK

 柳生・友好(悠遊・h00718)は、少し悩んでいた。
 確かに√マスクド・ヒーローにおける事件は急行しなければならないものであった。
 しかし、その事件というのが彼にとっては首を傾げるものであった。
 ホビーで世界征服。
 それが悪の組織『カスディム』の目論見であった。
 少年少女たちが熱中するホビーでどうやって世界征服ができるのか。正直、検討もつかない。
 が、確かに少年少女たちの明るい未来を害する可能性があるっていうのならば、それは確かに悪しき者たちの考えそうなことだ。

「けどなぁ……ゲームでの勝負、なんだろう?」
「その通り! この『エース戦記』で勝負だ!」
『カスディム』の『戦闘員』の言葉に友好は頷く。
 自分は初心者だ。
 なら、最も必要なものはなんだろうか。テクニックではない。とは言え、ビギナーズラックは期待できない。
「問答無用でいかせてもらう! 初心者狩りもホビーの一つだ!」
『戦闘員』の身も蓋もない言動に友好はげんなりする。

 こういう輩がいるから、ホビー文化に人口が定着しないのだ。
 ハッキリ言って迷惑極まりない行為であると友好は覆ったことだろう。
「お前たちみたいなのがいるから! 誰も楽しめなくなる! 自分さえよければいいなんて、そんなことばかり思っているから!」
 友好は己がコツコツと調べ上げた情報から組み上げたロボットホビーを手にし、スマートフォンでスキャンする。
 3Dデータとなったホビーがアプリ内を駆ける。
 元デザインから逸脱しない素朴な出来栄えだ。
 だが、一点だけ違うものがある。それは装備だ。
「な、なんだ、その巨大な剣は!」
「これか、これは俺が作り上げたメガスラスターソード! だ!」
 振りかぶった瞬間、風が生まれる。

 刀身にスラスターが配された片刃剣。
 しかし、メガの名が示す通りに身の丈ほども刀身があるのだ。それを振るうためにホビーを頑強に作り上げたのだ。それ故の素朴さ。
 ふるった殆ど大剣の如き目がスラスターソードを構え、友好はスマートフォンを操作する。
「み、見かけ脅しを!」
「そうかは確かめて見ればいい! いくぞ! スラスター・オン!」
 噴射するスラスター。
 凄まじい加速。
 風を纏うようにして一気にメガスラスターソードが光を放ちながら『戦闘員』の操るホビーへと迫る。
 どんな攻撃も、凄まじい突進を行う頑強な友好のホビーへの決定打にはならない。
 ダメージがどれけあるのだとしても、踏み込みの速度では瞬間的にしかダメージができない。
 頑強な装甲は、その攻撃に十分耐えられるものであった。

「ひっ……」
 掲げられたメガスラスターソードの刀身が剣呑に輝く。
「これが俺の一撃だ! 断ち切れ!」
 落とされるようにして振るわれた斬撃の一撃は、『戦闘員』のホビーを一刀のもとに両断し、唐竹割りにしてみせるのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

虞・無限
アドリブ・連携歓迎 【夕蝶(h02776)と】

「子供の愛するおもちゃを世界征服の道具にするとは断じて許し難い。変身!」
 「21 世界」のタロットカードを挿入し、変身する。
『ワールド』(変身ベルトの音声)

 残念ながら俺はこの手のおもちゃを嗜まない。……だが、ここに夕蝶が作った「|自由《ズィーヨウ》」がある。本人の同意の元で借りてきた。本人も来たがっていたが、危険すぎるので……っている!?

 ……そうだな。相手がルールに則って戦ううちは平気だろう。今回は共に戦おう、夕蝶。

 「自由」を操り、遠距離から支援攻撃しつつ、隙を伺う。
 夕蝶が隙を作ったら、二刀流のビームサーベルで√能力を叩き込む。
虞・夕蝶
アドリブ・連携歓迎 【無限(h02759)と】

 うふふ、無限。こっちこっち。
 ふふ、きちゃった♪
 いつも言ってるでしょ? 無限、私も一緒に歩んでいくよ。決してひとりぼっちには、させないから。

 私特製の「|運命《ミィンギィン》」を操って戦うよ。
 無限の支援射撃を受けながら、大型の対艦ビーム刀で攻撃を仕掛ける。
 無限と違って、私はこのホビー、結構やりこんでるんだから!

 翼を展開し、幻影を放って攻撃を回避しつつ、相手の大ぶりな攻撃を回避したら、腕に搭載した短射程掌部ビーム砲を起動し、掌底を叩き込むと同時に、発射し、相手の体勢を崩す。

「今だよ、無限! やっちゃって!」

「子どもの愛するおもちゃを世界征服の道具にするとは断じて許しがたい。変身!」
 それは虞・無限(愛に生きる改造人間・h02759)の怒りの声であった。
 √マスクド・ヒーローのとある商店街。
 そこに集結した悪の組織『カスディム』の『戦闘員』たちが、少年少女たちを問答無用でホビーアプリゲーム『エース戦記』にて打倒し、彼らのホビーを粉砕して回っているのだ。
 それは許し難き悪行であった。
 許してはおけない。
 それは義憤と正義の心があればこそ燃え上がるものであった。
 彼は商店街のビルの屋上にたち、手にしたタロットカードを指の上で回転させ、挟み込む。
 示されるカード、アルカナは『世界』。
 挟み込んだカードがアクセプターに挿入された瞬間、光が彼をの体躯を包み込む。
『ワールド』
 ベルトアクセプターより声が響き、変身した彼が商店街に降り立つ。
「何奴!」
『戦闘員』達は突如として現れたバロンマスクの無限を睨めつける。
「お前たちに名乗る名はない」
「マスクで正体を隠すか……! だが、まずは『エース戦記』で小手調べとさせてもらおうか!」
 無限は頷く。
 この手のおもちゃを嗜む趣味はあい。
 だが、その手には彼の妻である 虞・夕蝶(虞・無限の愛する人・h02776)が丹精込めて作った|『自由』《ズィーヨウ》があるのだ。
 これを作った彼女も来たがっていたが、危険過ぎる。
 戦いの場というのは、いつも不測の事態で満ちているからだ。

「うふふ、無限。こっちこっち」
「……っている!?」
 いつのまにか無限の隣には、夕蝶が立っていた。
 本当にいつのまにかであった為に『戦闘員』たちも驚愕していた。
「ふふ、きちゃった♪」
「なんで!?」
「なんでって、そんなの決まってるじゃない。いつも言ってるでしょ? 無限、私も一緒に歩んでいくよ。決してひとりぼっちには、させないから」
 背中を合わせるようにして夕蝶は己が手にした|『運命』《ミィンギィン》を掲げる。
 二人のスマートフォンのカメラがロボットホビーをスキャンし、アプリ内へと3Dモデルとして読み込む。
「……そうだな」
 無限は頷く。
 仮にも相手は悪の組織。
 もしかしたら、突如として問答無用に攻撃してくるかもしれない。
 だが、今はアプリゲーム内での戦いだ。なら、今だけは平気だと無限は判断し、頷くのだ。
「今回は共に戦おう、夕蝶」
「そうこなくっちゃね! それに安心して。私はこのホビー、結構やりこんでるんだから!」
「そうなのか?」
「そうよ。嫉妬しちゃ、いやよ?」
 二人の様子に『戦闘員』たちは静かに地団駄を踏んだ。ちょっとイラってしていた。
 なんていうか、期せずして二人の夫婦仲を見せつけられているように思えてならなかったのだ。
 いや、事実見せつけられている。 
 本人たちにそのつもりがないにしてもだ。

 そして、そのイライラはアプリ内の操作に直結するだろう。
「しゃらくさい! ならば、夫婦共々返り討ちにぃ!」
「されるつもりはないって言ったじゃない?」
 夕蝶の操る『運命』が無限の『自由』の支援射撃を受けながら、切り込むようにして大型対艦ビーム刃を叩きつける。
「お、重い……!?」
「そうよ。それにこれだけじゃあないの!」
 展開する翼。
 その翼から発せられる粒子が幻影を生み出しながら『戦闘員』たちの操るホビーを翻弄し、腕部……その掌に搭載されたビーム砲を起動し掌底を叩き込むようにしてホビーを撃ち抜くのだ。

「ぐわああっ!? 馬鹿な! なんだその機能は!? 分身!?」
「今だよ、無限! やっちゃって!」
「隙が出来たな」
 瞬間、無限の操る『自由』が踏み込み二刀流のビームサーベルの斬撃がホビーを細切れに切り裂くのだ。
「ば、バカなぁっ!?」
「いや、現実さ。俺達は二人でどんな障害だって退けてみせるんだからな――」
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

ケヴィン・ランツ・アブレイズ
へえ、近頃はこういう遊戯もあるのか。俺も18年ニンゲンとして生きてきたが、やっぱニンゲン(こいつら)の「イマジネイション」ってのは侮れないな。
それにしても……子供の夢を踏みにじるなんざ、騎士として捨て置けねえなァ。そんな恥知らずな悪の組織を、俺が見逃すとでも思ったか? 覚悟しやがれ!

まずは自分で人型ロボットの形を決めるのか。
ここはやっぱり、普段の俺自身の戦闘スタイルを反映したやつがイイな。見た目はちょいと厳つくて怖いが、正義の心に溢れる黒騎士型ロボってヤツだ。
バトルが始まったら、〈戦闘知識〉と√能力を活かして白兵戦を挑む。
愛用の斧を模したビームアックスで敵機を唐竹割りとか、してみてえな。

 人の生き方は性急だ。
 長く生きる存在からすれば刹那のようであったし、また虹の瞬きのようでもあった。
 故にケヴィン・ランツ・アブレイズ(“総て碧”の・h00283)は、驚きと共に√マスクド・ヒーローにて流行っているというホビー『エース戦記』に目を丸くした。
「へえ、近頃はこういう遊戯もあるのか」
 18年。
 それがケヴィンがニンゲンとして生きてきた時間だ。
 自分ではとてもじゃあないが想像することもできない遊びだ。そういう意味では悪の組織『カスディム』の語る所の『イマジネイション』――想像力というものは侮れない物があるのだと彼は理解した。

 あが、それ以上に彼は最も度し難い、ということを理解していた。
「……子供の夢を踏みにじるなんざ、騎士として捨て置けねえなァ。そんな恥知らずな悪の組織を、俺が見逃すとでも思ったか?」
「フン! ガキどもらの遊びなのだ。容易く踏みにじって何が悪い。どのみち、大人になれば忘れてしまうものだ。些細なことだ。そんな瑣末事を!」
「言ったな? 覚悟しやがれ!」
 ケヴィンは己の手にしたロボットホビーをスマートフォンでスキャンする。
 黒騎士とも形容される黒い装甲。
 騎士鎧を彷彿させるデザイン。
 しかし、カラーリングからは想像できないほどに正義の心が溢れていた。

 許せない。
 未来ある子供らの可能性を踏みにじる行為など、断じて許してはおけない。
 故にケヴィンは咆哮する。
「虚仮威しを!」
「そうかどうかはお前らの目で確かめてみなあ!」
 アプリ内に黒騎士と『戦闘員』のホビーが激突する。
 振るわれたビームアックスを受け止める敵の盾。
 頑強な装甲なのだろう。
 硬い。
 鍔迫り会うようにして互いは一歩も譲らない。いや、違う。
 ケヴィンの操るホビーが一歩を踏み出す。
 そう、パワーでは互角でも気持ちではケヴィンが勝る。
 まさか、アプリにそうしたケヴィンの感情を読み解くスペックはない。だが、事実、ケヴィンのホビーは彼の気持ちを組み上げたように一歩踏み出して、盾でビームアックス受け止めていた『戦闘員』のホビーを押すのだ。

「ば、バカな……どうなっている!? なんで押し負けてるんだ!?」
「わからねえか。これがお前らの言う『イマジネイション』……想像力ってやつだろうが!」
 振り抜け、とケヴィンは心で叫ぶ。
 瞬間、アプリ内のホビーがビームアックスを振り抜く。
 盾ごと一閃する一撃。
 それは見事に『戦闘員』のホビーを唐竹割りにするだろう。
 爆発が巻き起こるアプリ内。
 その光景を見やり、ケヴィンは勝ち誇るように己がスマートフォンを掲げて見せるのだ。
 これが想像力だと、幼子たちに実力を持って示したのだ――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

クラウディア・アルティ
あれは……セラフィム!?
いえ、なんかよくわからないですがとりあえず言ってみました
今回のお菓子は『ポテチフラット』ですね
ふむふむ、ちょっと刺激的かもしれませんが美味しいですねー(もきゅもきゅ)
あ、割れたー!? しくしく

子供の夢を壊すのは先生としては許せませんね!
確かに遊びは『想像力』を育てるのに大切な事
ならば、わたしがその夢を守りましょう……!
れっつ・ほびー、です?

といいつつ、わたしに作ったホビーとかすぐに崩れそうなので!
買ってきました、大人舐めたら駄目ですよ
サイキック何とかで不可視の攻撃が出来るそうです
これならわたしの戦闘スタイルでも戦えるはず
【アルカナ・ブラスト】っぽい戦い方で攻めますよ!

「あれは……セラフィム!?」
  クラウディア・アルティ(にゃんこエルフ『先生』・h03070)は令和最新ホビー『エース戦記』のアニメのセリフをなんとなく口にしていた。
 いや、全話見ただけではないので、なんとなくである。
 よくわからないが印象に残っていたので叫んだのだ。
 ともあれ、である。
 今回も星詠みから駄菓子を貰っていた。
『ポテチフラット』。
 確かにパリパリである。割れないようにね、と言っていたのを思い出す。
「ふむふむ」
 口に含むと味付けの濃さが際立つ。
 じゅわーと口内に広がるスパイシーな香り。刺激的であるが、だからこそ美味しいとも言える。
 パリン、と手にした『ポテチフラット』が割れる。
 容易く割れてしまうのは、薄く作ってあるからだろう。むしろ、この薄さこそが食感を生み出しているとも言えた。
「あ、割れたー!? しくしく。こういうことあったですね……ですが! この『ポテチフラット』が割れるように子どもたちの夢を壊すことなど、断じて許しません!」
 クラウディアは怒りに燃えていた。

 己は先生を自負している。
 子供らの夢を護ること、導くことが己の使命である。
 だからこそ、悪の組織『カスディム』のやり方は言語道断であった。
「フン! だからこそよ! 想像力の欠如した大人になれば、征服など容易いというもの! そのための布石なのだよ、これは!」
『戦闘員』の手にしたスマートフォン。
 そこには彼らが子供らを問答無用でボッコボコにしたホビーが映っている。
「確かに、遊びは『想像力』を育てるのに大切なこと……ならば、わたしがその夢を守りましょう……! れっつ・ほびー、です?」
 掛け声合ってます? とクラウディアは首を傾げる。
 すでにスキャンしてあったホビーがアプリ内を走り抜ける。

「そんなふかふか肉球で作ったホビーなど!」
「ふっ……大人を舐めたらダメですよ!」
「なに!?」
「買ってきました!」
 そう、クラウディアはスキャンしてあるホビーを自分では作っていない。
 彼女のふかふか肉球ハンドでは器用な作業は無理だろう。
 だからこそ、『戦闘員』は舐め腐っていたのだ。
 大層なことを言っても、結局力がなくばなにもできない。それを示すために迫ったのだが、その一撃をクラウディアのホビーは受け止めていたのだ。
 それも粉砕されることなく。
 逆に『戦闘員』のホビーが弾き返されてしまう。
「クッ……どういうことだ。既製品……まさか!」
「そうです、これが大人の財力! であるのならば! プラモデル制作代行者の方にお願いして作ってもらったハイディティールにしてハイクオリティ! これが! これこそが!」

 炸裂するは、アルカナ・ブラスト。
 ほとばしるエネルギーの奔流がホビーから放たれ、『戦闘員』のホビーを爆散させるのだ。
「ば、ばかなぁ!?」
「ふ、見ましたか。結局、財力が一番強かったりするんですよね」
 決め台詞か? となるようなセリフと共にクラウディアは爆散する『戦闘員』のホビーを前に勝ち誇るのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

鬼島・祥子
アドリブ歓迎

……えーっと、なんだ。ホビー……プラスチック?
あー、うん。そういうのも、あるんだなー。それで未来を征服、と。ふーん……。
……。殴ればいいか!(考えるのを止めた)

玩具もゲームもろくにやったことない(境遇:家庭環境が悪い)し関心もあんまりねぇが。
遊んでる子どもに混ざって暴れるなんざ、みみっちい連中だ。
反撃されないガキを相手に調子こいてる戦闘員をぶっ飛ばしてやるさ。
坊主のホビーを借りるぜ。そんでもって、システムカラー、レッド!
アプリ内のフィールドってどんくらいの広さか知らねぇけど、片っ端から叩いて潰して焼き払ってやるぜ!
あぁん? テメェらが売った喧嘩だ、大人げない御託は聞かねぇからな!

 プラスチックホビー『エース戦記』。
 低迷するプラモデル業界に旋風を巻き起こした商品である。
 実物であるプラスチックモデルを組み上げ、また組み替えることによって無限のバリエーションを生み出し、さらに創意工夫によって自由な形を作ることができる。
 加えて、実際に作ったホビーをスマートフォンのアプリにスキャンさせることで、アプリゲーム内にて実際に戦わせることができるのだ。
 アナログとデジタルの融合。
 新時代のホビーと言うに相応しい『エース戦記』は、令和の少年少女たちの心を掴んで離さなかったのだ!

「……えーっと、なんだ」
 そんな『エース戦記』を悪の組織『カスディム』は荒らしまわり、子供たちの想像力を粉々に打ち砕こうと目論んでいたのだ。
「ホビー……プラスチック?」
  鬼島・祥子(武装少女レティシア・h02893)は困惑していた。
 よくわからなかったからだ。
 そもそも悪の組織『カスディム』がホビーで世界征服をしようっていうのも、なんていうか、よくわからなかった。
 しかし、現にこうして暴れまわっているのならば対処しなければならない。
「あー、うん。そういうのも、あるんだなー。それで未来を征服、と。ふーん……」
「その通り! 想像力の欠如した未来など、征服するに容易い! 可能性を得ない人間などはな、ただの生ける奴隷と変わらぬ! ただ運命の奴隷であることを自覚するしかないのだ!」
『戦闘員』たちの高笑いが聞こえる。
 色々言っているが、祥子は頭を振った。
 諸々噛み砕こうと苦心した後に、彼女はニカッと笑った。

「よーし、わかった! 殴ればいいか!」
 それは思考停止とも言えた。
「おっと! 待てよ。まずはこいつで正々堂々と勝負だ!」
 示されるのはスマートフォンとホビー。
「……チッ」
 祥子は舌打ちした。
 そもそも彼女は家庭環境を顧みれば、そのような遊びに興じることはなかった。
 関心もそうなかったのもあるが、触れることもなかったのだ。
 だからこそ、こうしたホビーは不得手であると言っても良かった。
「遊んでる子供に混ざって暴れるなんざ、みみっちい連中だ」
「なにおう!?」
「大人ってのはなぁ! 例え、子供らと同じ土俵に立っても本気で大人って楽しんだってことを示さなきゃならねぇんだ! テメェラのやってることは、大人の汚さを見せつけるだけだろうが! そんなもんはなぁ……坊主、ちょっくら貸してくれ!」
「え、あ、うん」
「任せとけ! この武装少女レティシアが、あんな連中ぶっ飛ばしてやる! いくぜ、システムカラー、レッド! スタートアップ!」
 瞬間、祥子の瞳が燃え上がる。
 ルート能力の発露。

 それによって|旭日昇天《ライジングスイング》の如くアプリ内のホビーが燃え上がる。
「か、かっけー!?」
「な、なんだと……!? こ、これは破壊の炎!? なぜ、ホビーに……!」
「うっせー! 気合だ気合! 片っ端からぶっ叩いて潰して焼き払ってやるぜ!」
 アプリ内ではチェインハンマーをぶん回すロボットホビーが赤熱するように、その装甲を真赤に染め上げ、フィールドを破壊の炎でみしていた。
「れ、レギュレーション違反では!?」
「あぁん? テメェらが売った喧嘩だろうが! 私が勝った! 私がぶん殴る! ただそれだけのことだろうが! 大人だろうが! なら、受けろよ!」
「い、いや、その前に破壊の炎は……!」
「大人げない御託は聞こえねぇなぁ!!」
 祥子はアプリ内で暴虐の限りを尽くす。
 振り回したチェインハンマーは尽く『戦闘員』たちのホビーをなぎ倒し、高らかに勝利を宣言するに値する威力だった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

二階堂・利家
ほーん…手広くやってんなあ…
食玩最近のは|出来が良いから《ハイクオリティだから》ね。ついついチェックしちゃうよねそういうの分かっちゃう。中々やるじゃない?
綺麗な思い出に触発されてその道を目指した子供達が業界人として携わってる感触は伝わってくるよ
なるほど『|イマジネイション《夢見る子供の想像力》』というのも馬鹿に出来ないわけだ
君等のやってること、ホビーアニメの悪役とか悪の組織というよりかはフリフリの女の子が飛んだり跳ねたり変身したりしながらEDで歌って踊ってる番組の雰囲気も感じるけどね…
は?みなまで言わせる?こんなのオタクの嗜みだから!寧ろ|今時の常識《お前ら揃いも揃って昭和かよ》なんだよなー!

「ほーん……手広くやってんなあ」
 二階堂・利家(ブートレッグ・h00253)は、√マスクド・ヒーローの令和最新ホビーを目にして感心しているようだった。
『エース戦記』と呼ばれるホビー。
 それはアナログとデジタルの融合であった。
 自分で組み上げたプラモデルをスマートフォンで読み取り、3Dデータとしてアプリ内で戦わせる。
 これならばホビーは傷つかないし、またステータスもわかりやすい。
 どう作ればステータスが上昇するのか検証するのも楽しいし、自分が思う形を作り上げる喜びもある。

「まあ、食玩最近のは|出来が良いからね《ハイクオリティだから》」
 利家は恐らく玄人なのだろう。
 物言いが違う気がする。副音声すら聞こえてきそうだった。
 ついついチェックしちゃうよねそういうのわかってしまうのだ。メーカーの戦略という掌で転がされてしまっている感触はあるが、致し方ない。
 楽しいのならば思う存分転がされてやろうじゃあないかという度量があったのだ。
「中々やるじゃない?」
 ニコッ。
 しかしだ。
 悪の組織『カスディム』のやり口は巧妙であった。
 子供らのホビーとは言え、これに介入し大人の汚さを様々と見せつけることによって、大人への不信感を煽ろう。
 大人ってきたねぇ! おとなになりたくねぇ! そんな思いを植え付けさせれば、未来はどうなるかなど言うまでもない。
 そして、想像力は欠如していく。
 どうせ何をしたって大人には勝てないんだと思えば、それこそ可能性が狭まってしまう。

 だからこそ、利家は思う。
 この『エース戦記』は、綺麗な思いでに触発されて、その道を目指した子供たちが業界人として令和の子供たちに向けたメッセーじなのだと。
 そういう感触が伝わってくるのだ。
「なるほど|『イマジネイション』《夢見る子供の想像力》というのも馬鹿に出来ないわけだ。目の付け所はいい」
「フン、わかったところで今更遅い! 我ら『カスディム』は未来を征服するのだ!」
「だが、君らのやってること」
 利家は『戦闘員』たちを指差す。
「それって、ホビーアニメの悪役とか悪の組織というよりかは、フリフリの女の子が飛んだり跳ねたり変身したりしながらEDで歌って踊ってる番組の雰囲気も感じるけどね……」
 その言葉に『戦闘員』たちは訝しむ。

「もしかして女児向けのもお詳しい?」
「は?」
「いや、ちょっといやに語る言葉にはしばしにディティールを感じると申しますか」
「みなまで言わせる? こんなのオタクの嗜みだから!」
 その言葉に『戦闘員』たちは衝撃を受ける。
 こんな大っぴらに己のオタク趣味を開示していいのか、と。
 オタクだからと石を投げられてきた世代からすれば、驚愕の新世代であった。
 しかし、利家は言葉とは裏腹な大真面目なシリアスな顔をして言い放った。

「寧ろ、|今時の常識《お前ら揃いも揃って昭和かよ》なんだよなー!」
 それは石より固くて、鋭いナイフみたいな切れ味の言葉だった。
 その言葉に『戦闘員』たちは膝から崩れ落ちた。
 どうしてそんな事言うの――?
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第2章 ボス戦 『『ドロッサス・タウラス』』


POW タウラスクラッシャー
【星界の力に満ちた堅固な肉体】による近接攻撃で1.5倍のダメージを与える。この攻撃が外れた場合、外れた地点から半径レベルm内は【一等星の如き光に満ちた世界】となり、自身以外の全員の行動成功率が半減する(これは累積しない)。
SPD ドロッサス・スマッシュ
【星界金棒】で近接攻撃し、4倍のダメージを与える。ただし命中すると自身の【腕】が骨折し、2回骨折すると近接攻撃不能。
WIZ アクチュアル・タウラス
【星炎】のブレスを放つ無敵の【金属の牡牛】に変身する。攻撃・回復問わず外部からのあらゆる干渉を完全無効化するが、その度に体内の【星界の力】を大量消費し、枯渇すると気絶。
√マスクド・ヒーロー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「ええい、情けない! 何を手間取っているか!」
 簒奪者『ドロッサス・タウラス』は忌々しげにアプリ内ゲームにて敗北を喫していく『戦闘員』たちを押しのけて前に踏み出す。
 彼らの目的はあくまで少年少女たちの想像力を打ち砕くことだった。
 そうすることで可能性無き未来に悲嘆した人間たちを容易く征服するつもりだったのだ。
 だが、√能力者たちの登場によって、むしろ少年少女たちの瞳には可能性という輝きが灯され始めていたのだ。
 これではいけない。
 己たちが踏み台、噛ませ犬になっている。

 簒奪者『ドロッサス・タウラス』は危惧した未来が実現せんとしていることに焦り、アスファルトを踏み割って√能力者たちに手にした鉄棍棒を突きつける。
「こうなれば、実力行使! 貴様らを撃退してからじっくりと少年少女たちには絶望して頂く!」
 ホビーでは勝てぬと悟った彼は、物理で√能力者たちを排除せんと鋼鉄の駆体でもって迫るのだった――。
二階堂・利家
あれなんかボスが出てきちゃったけど|良いんですかねこれ《これが星詠み同士の戦いということ》?
つまり展開的にこの牛さんが出張ってこないとマズイわけだハハハ
俺攻略法が|分かったかもしれない《解ったところで出たとこ勝負には相違あるまい》!

◆√戦闘
然しながらどちらにせよ大人気ないなあ。勝てば良いのかな?|ならば勝てば良かろうもん《うっかりカミングアウトしちゃったけどまあいいや》!
振り回される星界金棒をトランスフォームシールドでジャストガードし、此方も怪力で鉄板をブン回して乱れ撃ちで打ち合う
骨折した瞬間を狙って切り込み+重量攻撃でシールドチャージを食らわせ、重撃に耐え切った両脚で駆け上がって蹴り込みます

 ただ歩くだけでアスファルトが踏み砕かれている。
 それほどまでに簒奪者『ドロッサス・タウラス』は、恐るべき力を身に宿していると言えた。
 悪の組織『カスディム』の『戦闘員』たちの醜態とも言うべき√能力者たちから与えられた敗北は即ち、少年少女たちに希望と可能性を見せるものであった。
 故に彼が出張ってきたのだ。
 判断が速い、とも言えたかも知れない。
 ここで少年少女たちの希望である√能力者たちを排除しなければ、己たちの作戦がご破算になってしまうことは明白だったのだから、致し方なしといったところであろう。

 故に二階堂・利家(ブートレッグ・h00253)は、『ドロッサス・タウラス』が現れたことに訝しむ。
 どう見てもボス格ではないか。
 そんな相手がもう出てくる?
 それも『戦闘員』を押しのけて。
「なるほど」
 これが星詠み同士の戦いということか、と利家は納得した。
 また同時に逆説的だとも捉えることができた。
 己たちが現れ、『戦闘員』たちをゲームアプリ内とは言え、倒したことは『ドロッサス・タウラス』にとっては望ましくない状況なのだ。
 であれば。
「俺、攻略法がわかったかもしれないな、これが!」
 とは言え、出たとこ勝負なのは変わらない。
 むしろ、望むところである。

「ならば、どうする! 貴様らとて同じこと! であれば!」
 振るわれる鉄棍棒。
 鋲の飛び出した棍棒の痛烈なる一撃が利家の頭蓋を叩き割らんと迫っている。
 凄まじい勢いだ。
 それをトランスフォームシールドで受け止める。
 だが、重たい一撃はシールド越しであっても利家の体躯を揺らす。
 脳まで揺れるような苛烈なる一撃。
 それを利家はグラつく視界の中でみただろう。揺れる。揺れる。揺れて入るが、しかし己の心は些かも揺れていないのだ。

「然しながらどちらにせよ。大人げないなぁってことで! 勝てば良いのかな? ならば、勝てばよかろうもん!」
 諸々を先ほどカミングアウトした体の熱と共に利家は踏み出す。
 √能力の発露。
 己が腕が獣化する。
 強靭なる獣の腕。サヴェイジ・ビーストによる強化は、一気に己がシールドを手にして叩きつける痛烈なる一撃へと変わるだろう。
 凄まじい衝撃が『ドロッサス・タウラス』を打ち据え、その鋼鉄の鎧のような駆体を揺るがすのだ。

「ぐぅお!? な、なんだと……この一撃、この苛烈さ……!」
「ハッ! 勢いはこっちにアリってもんなんですよ!」
「くっ……!」
 痛烈な一撃を加えたのに、利家はダメージを物ともせずに……いや、事実全回復した腕でもってシールドを叩きつけ、へし折れた『ドロッサス・タウラス』の腕部を質油に狙うように己が体躯を押し込み、さらには両足で駆け上がって、その脳天へと蹴りを見舞うのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

刑部・悠璃
【心境】
「勝てないからって場外乱闘なんて…ダサッ。」
初心貫徹しなさい。だからあんたらカマセキャラなのよ。
あと今年は它年。
牛年はとっくにおよびじゃないのよ!!
【行動】
さて、なんか勘違いしている人がいるみたいだが…ボクにとってお年玉=今年のお小遣い!!
金持ちじゃない。むしろ金欠さ(ぁ)
こいつらさっさとシバキ倒して金策じゃい
√ドラゴンファンタジーに迷い込めたらダンジョンアタックで一攫千金なのに…(注:バイトしろ)
というわけで速攻!!
錬金術で詠唱錬成剣の刀身を刀型に錬成。
攻撃を受け流しつつ切断し、本物の神域抜刀陣にて連続の居合をお見舞いする。
君が、気絶するまで、居合を、やめない!!
さらばカマセ牛。斬!

 お年玉。
 それは子供らにとっては一大イベントである。
 まあ、各家庭の流儀というものがあるのもまた必定だ。全額没収などと言う無慈悲なご家庭もあれば、特に設けていないというご家庭もあるだろう。
 では、刑部・悠璃(人妖「妖狸」のどろんバケラー・h04530)にとっては、お年玉とはどのような意味を持つだろうか。
「坊やたち、なんか勘違いしているようだから、言っておくけれど」
 え、なに、と少年少女たちは思った。
 彼らにとってはとんでもない金額をぶち込んだホビーを所持していた悠璃である。
 一体何を勘違いしているのだろうと思ったのだ。
「いいかい。ボクにとってお年玉っていうのはね、イコール今年のお小遣い!!」
 ピシャンと雷が落ちるように彼女は叫んだ。

 魂から出た真の叫びであった。
「お金持ちじゃない。むしろ金欠さ!」
 決め顔でいうことじゃあない
 だがしかし、子供たちは思った。
 じゃあ、もしかして。
「向こう一年、お小遣いなし……ってこと?」
「そう!」
 悠璃は実に明朗な笑顔を浮かべていた。
 そんな笑顔あり? ありなのかもしれない。
「というわけでね、こいつらさっさとシバキ倒して金策じゃい!」
「えええっー!?」
 悠璃は、もしも此処が√ドラゴンファンタジーだったのならば、ダンジョンアタックで一攫千金が狙えたのにと思う。

 けれどもまあ、違う√なのだ。ないものねだりしてもしようがない。
「勝てないからって場外乱闘に持ち込もうなんて、ダッサいカマセキャラは、ここで場外にいってもうからね!」
 確かに!
「初志貫徹しなさい」
「初志貫徹というのならば、我らが作戦は少年少女たちの想像力を踏みにじることだ。ゲームセンターで台パンや灰皿アタック、リアルファイトがあるのと同じようにな!」
「そんな心づもりだからカマセキャラなのよ。あと今年は巳年。牛年はとっくにお呼びじゃないのよ!!」
「抜かせ!」
 簒奪者『ドロッサス・タウラス』は、その体躯を鋼鉄の雄牛へと変貌させ、星炎のブレスを解き放つ。
 強烈な炎に、悠璃は思わず呻く。

 だが、その炎の中を彼女は駆け抜ける。
 錬金術による詠唱錬成剣を手に一気に炎を寸断しながら、その瞳にインビジブルの孤影を揺らめかせる。
 大気中のインビジブルから引き出されたエネルギーを持って、彼女の手にした詠唱錬成剣は、その刀身をさらけ出す。
 √能力による光の発露。
 その刀身の斬撃は確かに無敵たる『ドロッサス・タウラス』の鋼鉄の駆体を傷つけるには至らなかった。

 だが。
「その形態、攻撃の度に力を大量消費するんでしょ! なら! 君が、気絶するまで、居合を、やめない!」
 放たれるは三百をっ数える神速の連続居合抜刀術。
 そう、これこそが本家本元、正真正銘たる|神域抜刀陣《シンイキバットウジン》なのだ。
「小癪な真似を!」
「カマセ牛はカマセらしくしときなって! 最速でエネルギー切れにしてあげるからさぁ!!」
 その言葉と共に『ドロッサス・タウラス』は、斬撃の嵐の中にて無為にエネルギーを消耗させられるのであった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

柳生・友好
※連携・アドリブ大歓迎
判定:POW

普段はやや弱気で物腰は柔らかい、いざ戦うとなれば雰囲気は凛々しくなる
自分なりに事態解決に力を尽くしながら戦いを楽しむ

ハッ、ゲームに負けたらすぐ癇癪を起こしやがったな
みっともない奴め、貴様には一太刀で十分だ

と、傲岸不遜な態度を演じて、敵を【挑発】しつつ攻撃を宣言する
かかってきた敵の動き【見切り】でを見通し、間一髪にところに【ジャストガード】して【活刃・水車之太刀】で【カウンター】を叩き込む

なるほど、妙な技を使っているようだ
うかつに避けたら逆に厄介事になる可能性がある、あえて受けたほうがマシ、か
それなら上等だ
なんせ、受けたからやり返すのは得意だからな

 戦いとは楽しむものだ。
 いつだってそうだ。
 他者は違うのかも知れないが、少なくとも柳生・友好(悠遊・h00718)にとっては、戦いとは楽しむものだった。
 たしかに普段の己からは、戦場にある自分は想像もできないかもしれない。
 けれど、自分でも思うのだ。
 簒奪者が起こす事件。
 この解決に力を尽くすのは当然として、戦いを楽しむことで救われるものがあるのならば、きっと笑顔のままがいいのだと。
「ハッ、ゲームに負けたらすぐ癇癪を起こしやがったな」
 √能力者の斬撃を耐えきった簒奪者『ドロッサス・タウラス』はうめきながらも、その鋼鉄の体躯を揺らす。

 邪悪なインビジブルから膨大なエネルギーを引き出している簒奪者の手ごわさは言うまでもない。
「癇癪? 確かにそう言えるのかも知れぬが、その癇癪を前にして右往左往するしかないのだとすれば、それは世の理不尽に立ち向かうだけの力なき弱者ということ。謗ることしかできぬというのであれば、論ずるに値せぬわ」
 噴出するエネルギー。
 星界の力に満ちた堅牢なる鋼鉄の体躯を震わせ『ドロッサス・タウラス』は咆哮する。
 漲る力。
 手にした棍棒を振りかぶった姿に友好は、しかして笑った。

「みっともない奴め。貴様には一太刀で十分だ」
 傲岸不遜。
 正しくそう言える振る舞いだっただろう。
「その不遜、いつまで続くか見ものだな!」
 踏み込まれた、と思った瞬間には『ドロッサス・タウラス』の赤い瞳の残光ばかりが残っていた。
 挑発は成功した。
 けれど、踏み込まれた速度は圧倒的だった。
 ギリギリだ。とてもじゃあないが、もう一度やれと言われてやれる自信はない。ひりつく肌の感触を憶えながら、振るわれた棍棒の一撃を受け止める。
 ジャストなタイミングで受けたはず。
 だが、それでも己の臓腑を震わせる衝撃だけはどうにもならなかった。

 友好は『ドロッサス・タウラス』の√能力に妙な気配を感じていた。
 故に迂闊には避けられないと思っていたし、しかし受けるのも難しいと思っていた。
 敢えて受けるにしても、だ。
 だからこそ、覚悟していたのだ。
「ぐっ、うっ……!」
「ほう、我が一撃を受けて耐えたか。だが!」
「認めろよ! そんな技、俺には通用しないって! だから、受けてみろ! この俺の一撃を!」
 瞳に揺らめくはインビジブルの孤影。
 引き出されたエネルギーが友好の瞳に灯り、その力を発露する。
 脱ぎ捨てた防具が乾いた音をたて、砕ける。そして、受け止めた鉄棍棒を払い除けながら、真正面に立つ。
 
 振りかぶるは、|活刃・水車之太刀《カツジン・スイシャノタチ》。
 そう、それこそが彼の狙いだった。
「その鉄の体! 切り裂いてやる!」
 振り抜いた斬撃は『ドロッサス・タウラス』の駆体へと叩き込まれ、強靭なる装甲を切り裂いてみせるのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

虞・無限
アドリブ・連携歓迎

「ふん、結局力押しか。まぁ、私にとってはそちらの方が分かりやすい。パワー好きにはパワーで勝負だ」
 そう言って、「8 力」のタロットカードを挿入し、パワー重視の形態へ変身する(【肉体改造】)。
『ストレングス』
「夕蝶は子供達と一緒に避難を」
 と呼びかけるだけしておこう。あとはやり遂げてくれるはずだ。私は夕蝶を信じている。

 敵の通常攻撃を《ソードブレイザー「タロットカードローダー」》で【武器受け】しつつ、敵の√能力使用タイミングを伺う。
 発動したら、こちらも同時に√能力を使用。ブースト加速で出来の攻撃を回避し、後方に回り込んでから、「8 力」のタロットカードをロードして攻撃だ。

 強靭なるは、その鋼鉄の体躯。
 簒奪者『ドロッサス・タウラス』の装甲に傷が走る。
 それは√能力者の√能力の発露によるものだった。
 よろめくように体躯を揺らしながら、しかし『ドロッサス・タウラス』は手にした鉄棍棒を振りかざす。
「力こそ、絶対よ。力の前には道理も倫理も道を明け渡すしかないのだ。それを!」
 知らしめる。
 そういうように彼は振り下ろした棍棒でもって大地を砕く。
 アスファルトの破片が飛び散る中、虞・無限(愛に生きる改造人間・h02759)は、戦場をひた走る。

「ふん、結局力押しか」
「言ったであろう。力こそが絶対。道理すらこじ開けるのも力であろうが」
「まぁ、私にとってはそちらのほうがわかりやすい。パワー好きにはパワーで勝負だ」
 無限の手にあるタロットカード。
 アクセプトタロットカードに冠された数字は8。
 即ち『力』。
 挿入され、『ストレングス』と音声が響き渡る。
「ここより先へは行かせない。子供たちの未来を踏みにじる行為も、力で道理を押しのけようとする粗野粗暴も、何一つ私の愛の前には行かせない」
「愛? 愛だと?」
「そうだ。愛こそが無限の力。そして、それを信じることが愛を高めてくれる」
 棍棒と『ソードブレイザー』が激突し、火花を散らす。

 弾かれる互いの武器。
 散る火花のさなかに両者の瞳にインビジブルの孤影が揺らめく。
 エネルギーが引き出され、その瞳が煌めく。
 無限の瞳にあったのは、『ドロッサス・タウラス』の赤い残光だった。
 簒奪者はそもそもインビジブルから引き出すエネルギーが己たちとは段違いだ。邪悪なインビジブルからもエネルギーを引き出すことができるからである。
 故に、勝負は一瞬。
 加速する。
 己の視界が流れるように、溶けるように線を引く。

「ブレイキング・ブースト!」
 ブースト加速に寄る踏み込み。
 敵の攻撃を己は避けることはできない。
 だが、その攻撃に先んじることはできる。故に彼は一瞬で踏み込んだ。後方に回り込み、ロードされたタロットカードの力をソードブレイザーに込め、振るう。
 斬撃が『ドロッサス・タウラス』に叩き込まれる瞬間、無限にもまた棍棒の一撃が叩き込まれる。
 互いに相打ち。
 だが、それでも無限は見ただろう。
 己の斬撃が『ドロッサス・タウラス』の背中の装甲を切り裂いたのを。 
 そして、その奥にあるものを――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

中村・無砂糖
「おおう、ゲームに勝てないからってリアルファイトに持ち込もうなんて物騒なことは止すのじゃ…」

霊剣を尻に挟み込んで両手を上げ降参する…と見せかけ
「そう大人げない行為にでるなら、わしも大人しくはせん…仙術を披露するしかないじゃろう」
古龍降臨でふつふつと静かに太古の神霊「古龍」を纏い
「最近の『流行り』というのをお見せするべきかのう」

ケツ(決)闘の準備が整った…ならば!
尻に挟み込んだ霊剣を相手に向けケツバトルで(決)着をつけねばなるまい

素早い身のこなしで移動して相手を翻弄してから
古龍を纏う霊剣を巧みに操り「仙術……霊剣術・古龍閃(尻)じゃー!」

キレイに一閃キメれた後は残るポテチフラットを一気食いじゃ。

 √能力者の一撃が簒奪者『ドロッサス・タウラス』の背中の装甲を切り裂く。
 蹌踉めくようにして、鋼鉄の体躯が揺れた。
「チィッ、やってくれる……」
 舌打ちする『ドロッサス・タウラス』が体勢を整えた眼前に立つのは、中村・無砂糖(自称仙人・h05327)だった。
「おおう、ゲームに勝てないからってリアルファイトに持ち込もうなんて物騒なことはよすのじゃ……」
 教え諭すような雰囲気だった。
 だが、力で全てを解決しようなどというものにたしいて、道理を説くのはあまりにも早計であった。
 倫理でもって己を律するのならば、そもそも簒奪者などやっていないだろう。
『ドロッサス・タウラス』の周囲に蠢く邪悪なインビジブルからエネルギーが、その鋼鉄の体躯へと注がれていくのがわかっただろう。

 金属の雄牛。
 膨大なエネルギーを得ることによって『ドロッサス・タウラス』は無敵の存在へと昇華する。
「無駄だ。絶対なる力の前に弱者の語る言葉など無意味そのもの」
「そうかの。いたずらに力を見せつけるように振るうことなぞ、大人げないとは思わんのか?」
「思わぬ。力こそ絶対だ。力なきものの言葉に惑わされる道理など、ない!」
「そうか。ならば、わしも大人しくはせん……となれば、仙術を披露するしかないじゃろう」
 無砂糖が身にまとうのは、太古の神霊。
 古の龍を身にまとい、霊剣を手に取り、ケツ断する。

「……今、なにか」
 おかしな気配がなかったか、と『ドロッサス・タウラス』は思っただろう。
 だが、それがなにか理解できなかった。
 対して無砂糖は揺らめくオーラと共に宣言する。
「ケツ闘の準備が整った……ならば!」
 何故か無砂糖は二つに割れた尻に霊剣を挟み込んで、その切っ先を向けた。
 あまりにも滑稽な光景であった。
 なんで?
 誰もが思ったかも知れない。だが、無砂糖にはケツ意があった。
「ケツバトルでケッ着をつけねばなるまい! これこそ世紀のケッ戦よ! いざ、征くぞ!」
「まてまてまて」
 制止せんとする『ドロッサス・タウラス』。
 誰もが思っただろう。それはそうだと。ツッコミが追いつかない。
 無砂糖の暴挙というか、ケッ死の覚悟はわかる。
 わかるが、しかし、なんでよりもよって、その体勢なのだ。
「これが最近の|『流行り』《ブーム》というやつじゃよ」
「すっげーあのじーさん、ケツバトラーなのかよ!」
 なんて?
 少年少女たちは無砂糖の姿に大興奮である。なんで?

「ふっ、少年少女たちのためにもわしのケツ意たるを見せつける時よ!」
「まてまてまて」
「待たぬ!」
 素早い身のこなし。ただし、霊剣はケツに挟む。
 纏う古龍のオーラは尻に挟まれた霊剣に集約される。
「これが、仙術……霊剣術・古龍閃(尻)じゃー!!」
 何もわからない。
 だが、その一撃は無敵の装甲を覆う星炎を切り裂き、理不尽が過ぎる一撃をもって『ドロッサス・タウラス』のエネルギーを削ぎ落とすのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

七々手・七々口
「(もしゃもしゃ)…あ、敵来た?」
んー、もう一袋くらい食べたかったけどなぁ。

√能力で敵の武器を引き寄せる事で攻めあぐねさせ、更に飢餓感を植え付けて動きを止める。こっちはいい具合にお腹が膨れてるけどねー。
後は怠惰な魔手の精神汚染込みの魔手たちパンチで攻撃。無気力なただの牛にしてやるぜー。

辺りが光に満ちた感じになったら、魔手達に運んでもらいながら攻撃して行く。魔手って目ぇないし多分問題ないでしょ。

「あの武器奪えたら、強欲が課金した分取り合えせるかなー?」
3袋目に手を伸ばしながら、真剣に考える猫。

 駄菓子『ポテチフラット』は癖になる味わいであった。
 もとより味付けが濃いめにされているので、一度味わってしまえば病みつきになってしまうのだ。
 舌が、すでに『ポテチフラット』の味付けを基準にしてしまっているのだ。口内に残った油も炭酸飲料などで流し込めば、さっぱり。そんでもって、また一枚。ぱりぱりやると無限ループなのだ。
「しょっぱいあまいの無限ループ……あ、敵来た?」
 七々手・七々口(堕落魔猫と7本の魔手・h00560)はもう一袋食べたかったな、と思った。
 猫なので欲望に際限がないのである。
 自堕落な生活を送ることこそ猫の本分。野生? なにそれ。
「んー、もう一袋……いけるか?」
「行けるわけがなかろうが」
 簒奪者『ドロッサス・タウラス』は他の√能力者たちの√能力で、その強靭なる装甲に裂傷を受けていた。
 その奥からなにか不穏な雰囲気を感じ取りながらも七々手は、『ポテチフラット』の粉のついた手をぺろぺろと舐める。
 まだちょっと足りない。やっぱりあともう一袋……。

「戦わぬのならば!」
「おっと……」
 複数の魔手が蠢き、鉄棍棒を引き寄せる。
「ぬっ……これは、√能力か!」
「コンビネーションってやつかねぃ」
 それは牽制でしかなかった。強欲な魔手による敵の武装に引き付け。だが、それで『ドロッサス・タウラス』が武器を手放すわけがない。
 当然、その体躯ごと引き寄せる結果になるだろう。
 そこに暴食な魔手が鋼鉄の体躯を握りしめる。

「……空腹……? この鋼鉄の駆体に空腹だと? 貴様、一体何をした!」
「簡単なことだぜ? 腹が減ったって感覚をお前が憶えているってことは、その鋼鉄の体躯は見てくれだけってことだ。なら、あとは無気力なただの牛にしえてやるぜー」
 振るわれる残る5本の魔手による殴打のラッシュ。
 その怒涛の拳を受け止めながら『ドロッサス・タウラス』は咆哮する。
 邪悪なインビジブルから引き出されるエネルギーの発露によって、七々手の小さな体躯は吹き飛ばされるだろう。
 だが、それでも尾の魔手たちが、体躯を覆う。

 振るわれた一撃は、彼を打ち据えることはなかった。
 しかし、周囲には光が満ちる。
 まるで満点の星空のような煌き。
「なんだ、これ、まぶし」
「お遊びはここまでだ!」
「なーんだよ。今まで手を抜いてたみたいな言い方しやがってさー。いや、あの武器奪えあたら、強欲が課金した分取り戻せるかなー?」
 七々手は、あくまで判明した重課金の損失を思う。
 しかし、それはできないだろう。
 なんだか、あの『ドロッサス・タウラス』の中身から感じる重圧がましているように思えたのだ。
 ふむ、と考える。
 いやでも、なんとかなるんじゃないのか?
 七々手は『ポテチフラット』を魔手に守られながら、三袋目に手を伸ばすのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

ケヴィン・ランツ・アブレイズ
おいおい、ゲームで勝てないからってマジの暴力に訴えるのかよ。
これがニンゲンが言うところの「台パン」ってヤツか? 大人気無えなァ。
……ま、そっちがそのつもりならこっちも遠慮はナシだ。
教えてやるよ牛野郎。殴っていいのは殴り返される覚悟のある奴だけだってなッ!

ラフな姿から、一瞬で武装した鎧姿に。
その形は先ほどまで操っていた黒騎士ロボに似て。

攻撃を躱すと面倒なことになるタイプか。それならこっちは一撃に懸ける。
タイミングを見計らって《斬撃・剛破竜刃》起動。〈盾受け〉〈ジャストガード〉〈激痛耐性〉を組み合わせて、クロスカウンター狙いだ。

……それにしても星の力とはな。悪の幹部なんてやってるのが勿体無ぇぜ。

 眩いばかりの光が戦場を埋め尽くしている。
 まるで一等星。
 そう思わせるほどの強烈な光が、簒奪者『ドロッサス・タウラス』の周囲に満ちている。
 彼の一撃はアスファルトを砕くばかりではなかったのだ。
「この星の輝こそが、我が力の発露。光は闇を色濃くするだろう。そのために常に星の光は闇を切り裂くのだ!」
「星の力とはな。悪の幹部なんてやってるのが勿体ねぇぜ」
 軽口めいた言葉を吐きながら、ケヴィン・ランツ・アブレイズ(“総て碧”の・h00283)は笑った。
「それにゲームに勝てないからってマジの暴力に訴えるなよ。これがニンゲンの言う所の『台パン』ってヤツか? 大人げねぇなァ」
「ぬかせ。感情を発露せぬ人間がいるか? 立場と身分を得てなお、子供じみた駄々を捏ねるのが人間というものだ。どこまで言っても人間は等身大の感情しか持ち得ないのだ。それを!」
 振るわれる鉄棍棒。
 その一撃を前にして、ケヴィンは一瞬にして黒騎士の姿へと変貌する。

 鎧をまとった姿は、アプリ内で活躍したロボットホビーのようであったことだろう。
 その姿に少年少女たちの歓声が響く。
 背に受けた声をケヴィンは心地よいと思っただろう。
 確かに『ドロッサス・タウラス』の言う通り、人間はどこまでいっても人間大の感情しか持ち得ないのだろう。
 高尚さを見せかけても、本質はどこまで言っても幼いのだろう。
 だがしかし、その幼さは純粋さとも言える。
 社会性という鎧を身にまとっているのは、その誰しもが持ち得る幼心を護るためだからだ。
 故にケヴィンは黒騎士たる姿を以て『ドロッサス・タウラス』の一撃を受け止めた。

「……ま、そっちがそのつもりなら、こっちも遠慮はナシだ」
「フン、言っておくがいい!」
「教えてやるよ牛野郎。殴っていいのは殴り返される覚悟あるやつだけだってなッ! そんでもってェ!!」
 パージされる鎧。
 そして、受け止めた棍棒を弾き返しながら、ケヴィンは真正面から『ドロッサス・タウラス』を睨めつける。
「テメェは一人だが、俺には、俺の背中には子供らがいる! あの子らの声援が俺の背中を押すのさ! 小細工はねぇが! 応援はある!ならよ、ブッ潰してやる! 受けてみやがれ、この一撃をッ!」
 振るわれるは、|斬撃・剛破竜刃《グランディア・フェイザーザップ》の一撃。

「いっけぇー!」
 少年少女たちの声を聞いて、ケヴィンは笑った。
 戦いの最中であるのに笑ってしまった。呆れるほどに明るく脳天気な応援の声だった。まるで、見世物か何かかと思った。
 だが、悪くない。
 これが見世物だというのならば、とびっきりのヒーローショーだ。
 正義は負けないとは言わない。
 だが。
「小細工なんてねぇぞ!」
 振り抜いた一撃は、『ドロッサス・タウラス』の装甲を切り裂き、その奥にある闇を光満ちる戦場にて色濃く見せたのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

クラウディア・アルティ
|ひとまず、子供たちの夢は守れたようです《バトルめっちゃ楽しかったです!!》
時には子供の様に遊ぶことも大事なのです、ええ、子供と一緒に遊んでました

ですが、ここからは先生のお時間です
さぁ、ここは任せてあなた達は逃げてください
人生で何回でも言ってみたい言葉ですね!

それでは!
その実力行使、阻止させていただきますよ!
起きて、そして力を貸してください!
『|シェルム・ツァールト・グリモワール《悪戯好きの優しい魔導書よ》』!
ちょっと頑張んて5基の氷の宝玉を召喚
ほぼ動けなくなりますが、相手も近接距離まで来なければ本領は発揮できないでしょう!
この間合いでやるかやられるか、勝負!
簡単に言うと近づいてくるなー!!

 クラウディア・アルティ(にゃんこエルフ『先生』・h03070)は、息を吐き出す。
 白い吐息は寒空に溶けてい消えていくようだった。
 悪の組織『カスディム』による少年少女たちの心を踏みにじる行為は、どうにか阻止することができた。
 子供たちの夢を護る。
 大人として、これ以上の仕事はないだろう。
「バトルめっちゃ楽しかったです!! ええ、時には子どものように遊ぶことも大事なのです、ええ」
 クラウディアは満足しているようだった。
「にゃんこ先生、また遊んでね」
「にくきゅう、ふにふにさせて」
「もふもふすーはー」
「いえ、あの、ちょっ……」
 クラウディアは、その『先生』気質からか、少年少女たちに気に入られているようだった。中々離してくれない。
 一応、まだ戦闘中なのだけれど。

 でも、名残惜しいと思う気持ちはクラウディアも同じだ。
 彼らを護るための戦いなのだから、しかたない。
「いえ、いけません。ここからは戦場なのです。さぁ、ここは任せてあなた達は逃げてください」
 先生らしくあらねばならない。
 少年少女たちはクラウディアの言葉に頷く。
「ふっ、会うまで子供らを巻き込まぬと言うか」
「そのとおりです。人生で何回でも言ってみたい言葉も言えたことです。その実力行使、阻止させていただきますよ!」
「やれるものならば、やってみるがいい!」
 簒奪者『ドロッサス・タウラス』の体躯が星界の力に満ちていく。
 強烈なエネルギーのほとばしりは、√能力者たちの攻撃を受けてなお、満ちるようだった。

 それだけ邪悪なインビジブルから引き出される力が膨大なのだ。
「起きて、そして力を貸してください!|『シェルム・ツァールト・グリモワール』《いたずら好きの優しい魔導書よ》!」
 開かれる魔導書。
 迫るは鋼鉄の駆体。
 翻るは、空中を飛び回る羽根のついた氷の宝玉。
「ちょっとがんばって! いっけー!」
 クラウディアの言葉と共に5つの宝玉が飛ぶ。
 それは一基だけでも彼女の力を多く削ぎ落とすものだった。だが、己の背後には子供たちがいる。
 彼らを護るのが大人としての、先生としての矜持だ。
 故にクラウディアの瞳は√能力の発露に輝く。

「撃ち穿て、滅びの白!!」
 放たれる光条。
 一斉発射された光条は、『ドロッサス・タウラス』めがけて走り、その鋼鉄の体躯を打ち据える。
 動けない。
 氷の宝玉に己のエネルギーのほとんどを持っていかれているからだ。
 だが、この間合いならやれる。
 5つの宝玉に寄る飽和攻撃。
 これならば、敵を足止めできる。
「簡単に言うと近づいてくるなー!!」
 護る。護る。護る!
 可能性を、想像力を、未来を、夢を、子供たちを。
 ただその一年でクラウディアは、迫りくる鋼鉄の駆体を光条で押し留め、そのひび割れた鋼鉄の鎧のごとき体躯を光で包むのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

鬼島・祥子
アドリブ歓迎

話が早くて助かる。じゃあぶっ飛ばすぜ、簒奪者!
子どもを獲物にする|嚙ませ犬《ワンコロ》にはとっととご退場願おうか!

システムカラー、レッド! スタートアップ!
力自慢のパワーには同様のパワーで応戦だ。
六式武装でチェインハンマーをしっかり掴み、思い切り振るって殴る!
ぶつかり合えば上等、どっちかが外れても両方の√能力が発動して実質相殺になるって訳だ。
それでいて……肉体全部を使うタラウスと違って、アタシは片手が空いてるんでな!
√能力を打ち合う隙間にパイルバンカーとかチェーンソードとか、鉄拳で握って突き出すくらいなら技でなくても使えるんだよ!
そっちは金棒一本、こっちは2つ。削ってやるよ悪党!

 光条が迸る中、簒奪者『ドロッサス・タウラス』は依然猛進するように踏み出していた。
 光満ちる戦場。
 星の輝きよりも満ちる光。
 その全てが邪悪なインビジブルより引き出されたエネルギーによってなされているのだと鬼島・祥子(武装少女レティシア・h02893)は知っている。
「力、何もかも力が、足りていないな! 力なき者の語る言葉など、一考する価値もない!」
「はっ、話が早くて助かる。そうじゃあなくっちゃなぁ! じゃあ、ぶっ飛ばすぜ、簒奪者!」
「やってみせろ! できるものならばな!」
 互いに猛進するように一歩を踏み出した。

 そう、祥子は退けない。
 例え、目の前にあるのが己達√能力者よりも強大なエネルギー総量を持ち得る簒奪者出会ったとしても、退けない。
 何故なら。
「子供を獲物にする|噛ませ犬《ワンコロ》には、とっととご退場願おうか!」
 祥子の瞳にインビジブルが輝く。
 揺蕩うインビジブルから引き出されるエネルギーは、簒奪者のそれに遠く及ばない。
 だが、それがどうした。それに何の意味がある。
 ただの数字でしかない。
 なら。

「システムカラー、レッド! スタートアップ!」
 手にしたチェインハンマーを手にして祥子は迫る『ドロッサス・タウラス』へと踏み出した。
 パワーにはパワーを。
 籠手型重装甲によって握りしめたチェインハンマーは心もとないかもしれない。けれど、構わない。
 足りぬ力は、気合と根性で補う。
 それができるのが人だ。心の強さだ。
 故に叩きつける一撃は強烈であった。

 が。
「足りぬわ!」
 強靭な装甲と共に『ドロッサス・タウラス』は祥子の体を弾き飛ばす。
 己が一撃は弾かれ、敵の一撃は己の体躯を吹き飛ばす。
 商店街のビルに叩きつけられ、血反吐がマスクの内部に広がる。むせ返る血の匂い。
 だが、祥子はチェインハンマーを地面に叩きつけて立ち上がる。
 止まらない。止まれるわけがない。
 周囲に破壊の炎が吹き荒れる。
 それは全てを消し去る炎。星の光満ちる戦場だろうと消し飛ばして見せるのだ。
「貴様……まさかこのために!」
「しゃらくせぇんだよ!」
 打ち合うハンマーと棍棒。
 だが、祥子は手数で勝る。確かに出力は覆せない。だが、己には根性がある。
 それだけが『ドロッサス・タウラス』に勝るものであった。

 打ち合う隙にパイルバンカーが打ち込まれ、鉄拳が叩き込まれる。
 兎にも角にも猛進するだけだった。
 愚直と言われるだろう。
 だが、それでも。
「その窮屈そうな鎧、削ってやるよ悪党!」
 振るわれた一撃は、『ドロッサス・タウラス』の脳天へと叩き込まれ、その頭蓋をついに叩き割るのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 ボス戦 『『デュミナスシャドウ』』


POW ケルベロスライブラフォーム
【ケルベロス+天秤座の強化フォーム】に変身する。自身の【機動力と攻撃回数】が2倍になり、新武器【ケルベロスソーサー】を入手する。
SPD デュミナス・キック
騎乗する【シャドウ・ヴィークル】から跳躍し、着地点の敵1体に【闇の炎をまとったキック】による威力3倍攻撃を放つ。また、跳躍中に【動きを加速させる炎の輪を展開】すると命中率半減/着地点から半径レベルm内の敵全員を威力3倍攻撃。
WIZ シャドウ・ジャッジメント
敵に攻撃されてから3秒以内に【右腕の爪】による反撃を命中させると、反撃ダメージを与えたうえで、敵から先程受けたダメージ等の効果を全回復する。
√マスクド・ヒーロー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 砕けた『ドロッサス・タウラス』の鋼鉄の鎧のごとき頭部。
 その亀裂は全身に広がっていく。
 これまで√能力者たちが叩き込んできた攻撃の傷跡に繋がるように全身に走った亀裂は、瞬間、星の光を解き放ちながら完全に『ドロッサス・タウラス』の体躯を砕き切るに至ったのだ。
 だが、知るだろう。
 星の光が失われたのならば、後に現れるのはなにかを。
 そう、光なくば訪れるは闇。
「いや、実に見事だ。我が体躯を縛る雄牛の鎧を砕くとはな。やはり諸君らは素晴らしい。我が覇道に転がる小石ではなかった」
 砕けきった鋼鉄の鎧の内より現れたのは、簒奪者『デュミナスシャドウ』であった。
 黒き細身の体躯。
 されど、身に宿した力は、確実に√能力者たちを圧倒していた。

「来るがいい、√能力者たち。諸君らは、我が力を磨くに値する玉石。全ては『プラグマ』のために!」
 漲る力。
 迸るオーラ。
 アクセプトベルトにはめ込まれた禍々しき宝石が星の輝きを飲み込み、力と成す。
「諸君らとの戦いを経て、我は更に強くなるだろう。逃げてくれるなよ――?」
二階堂・利家
きゃ。|キャストオフ《真の姿・解放》だとーーーー!ずるいいいいいいいずるいずるいずるい!そういうの最初から教えてくれないと困るんだけどーーーー!カッコいい…!
俺だってやりたかったやつなんだけど!!あーあこれから俺も同じ様な事をする度に(でもこれデュミナスシャドウが先にやってたんだよなあ…)って惨めな想いをするようなことになるんだ!許さないんだけどおおおおおおおお斬り捨て御免なんだけどおおおおおもおおおおおおおお🐃!!!!

◆√戦闘
猪突猛進!猪突猛進!切り込み+ダッシュで真正面から正面衝突
ジャストガードでカウンターを往なしつつ融合装甲を爆破+バーサークでアーマーパージ
怪力+重量攻撃でぶった斬る!

 二階堂・利家(ブートレッグ・h00253)の思う。
 目の前の簒奪者『デュミナスシャドウ』。
 彼は鋼鉄の鎧……即ち『ドロッサス・タウラス』の内にて力を抑えた状態で√能力者と対峙していたのだ。
 あの鎧は身を守るものではなく、力を抑える者。
 圧倒することは簡単だ。
 だが、彼は圧倒ではなく√能力者の力を引き出すためだけに力を抑えて戦っていたのだ。
 強者の傲慢とも言える。

 だがしかし。
「きゃ。|キャストオフ《真の姿・解放》だと――!」
「その通りだ。諸君らは素晴らしい。我のこの姿を晒すに値する強者だと判断した」
「ずるいいいいいいいずるいずるいずるい! そういうの最初から教えてくれないと困るんだけど――!」
 利家は叫んだ。
 心の限り叫んだ。
 それはもう見事な叫びっぷりであった。ともすれば慟哭とも言えたかもしれない。
「カッコいい……! 俺だってやりたかったやつなんだけど!!」
「……」
「あーあこれから俺も同じ様な事をする度に(でもこれデュミナスシャドウが先にやってたんだよなあ…)って惨めな想いをするようなことになるんだ!」
 それはそうかもしれない。

 だが、戦いは始まっているのだ。
「申し訳ないとは思わないが、いいかね?」
 紫の宝石のはめ込まれたアクセプトベルトに『デュミナスシャドウ』は手をかざす。
 すると星座の力とケルベロスの力を併せ持つフォームに身を変え、ケルベロスソーサーを手にする。
「なっ!」
 利家は驚愕した。
 キャストオフからのフォームチェンジ!
「な、なんだそれ! に、二段階!?」
「これが我の力だ。受けろ、ケルベロスソーサー!!」
 放たれるは回転する紫の光宿した環光。
 回転し、迫る一撃は鋭く、全てを両断するだろう。

 許せない。
 利家の心にあるのは、それだけだった。
「許さないんだけどおおおおおおおお斬り捨て御免なんだけどおおおおおもおおおおおおおお!!!!」
 めちゃくちゃであった。
 屠竜宣誓撃 。
 真正面からケルベロスソーサーを受け止め、火花が散る。
 血潮が飛び、痛みが走る。
 それでも利家は猛進していた。
「猪突猛進! 猪突猛進!」
 怒りに身を任せて利家は突き進み、真正面から『デュミナスシャドウ』に激突する。
「なんでそんなカッコイイことするの!!」
「わからないな。それはそんなに重要なことか」
「男の子にとっては、それが一番だろうが!!」
 利家は最早狂戦士であった。
 怒りに任せてケルベロスソーサーを弾きながら、手にした屠龍大剣でもって真正面から『デュミナスシャドウ』へと叩きつける。
 交錯させた『デュミナスシャドウ』の腕と屠龍大剣とが激突して、地面を砕く。

 そう、これは怒り。
 正義の怒り。
 断じて、キャストオフからのフォームチェンジとかいうロマン溢れるカッコイイ演出のあれを先取りされたことへの怒りではないのだ――!!
🔵​🔵​🔵​ 大成功

刑部・悠璃
【心境】
「我が覇道って…こどもに玩具つかって脅してるのが君の夢なのか…」(憐みの視線)
うん、まあがんば!でもせこい覇道は見直した方がいいよ(憐み)

【行動】
これ以上暴れられると迷惑だし、さっさとくたばってね。
牛よりも、狐よりも…狸のほうがずっと優秀ということ教えてあげる!
さっきどうよう、錬金術で詠唱錬成剣を刀型に錬成する。やはりこの形が一番手になじむ。
見えた
自慢の妖狸の尻尾による居合の一撃…否、隙を生じない二段構えの二回攻撃をで切断する。これぞ√能力『妖狸妖刀陣』
どろん煙幕を投擲して煙幕で目潰しして即座に離脱
え?刀はどうしたって??言ったじゃない。狸の優秀さを教えてあげるって。狸の化かしを…ね。

 どれだけ高尚な理由があるのだとしても、子供らを脅かすのならば悪に堕すのが定めである。
 故に刑部・悠璃(人妖「妖狸」のどろんバケラー・h04530)は告げる。
 如何に目に前に現れた簒奪者『デュミナスシャドウ』が強大な力を持ち得るのだとしても、何もしないまま尻尾を巻いて逃げることなんてできるわけがない。
「我が覇道って……子供に玩具使って脅してるのが君の夢なのか……」
 哀れみの視線を向ける。
 だが、『デュミナスシャドウ』は鼻で笑うだけだった。
「いずれわかることになる。諸君らからすれば、取るに足らないくだらない企みであっても、全ては世界征服の一歩、礎でしかないのだ」
「うん、まあがんば!」
 悠璃は取り合わなかった。
 ここで問答をしたって、自分に利するところは何一つない。
 だから、敢えて言わせてもらおう。

「でもせこい覇道は見直した方がいいよ!」
「そうか。では、諸君らにはここで潰えてもらおう」
 踏み込み、と認識した瞬間、悠璃は理解する。
 圧倒的過ぎる。
『デュミナスシャドウ』を覆っていたあの『ドロッサス・タウラス』の鋼鉄の駆体は身を護るためのものではなく、彼の力を抑えるためだけの拘束具に過ぎなかったのだ。
 戒めから開放された本来の『デュミナスシャドウ』の簒奪者としての力は、力、速度においては√能力者たちを圧倒する。

 手にした詠唱錬成剣で鉤爪の一撃を受け止められたのは、奇蹟だった。
「偶然でも我が一撃をうけとめたか」
「……っ!」
 手に馴染む形に変えてよかった。
 刀でなかったのならば、受けることもできずに己の体はあの爪にズタズタに切り裂かれていたことだろう。
 おかげで見えるものもある。
 敵の動きはあの右腕を起点にしている。
 此方を侮っているのか、それとも別の意図があるのかはわからないが、悠璃は勝ち筋を見出す。

「見えた。牛よりも、狐よりも……狸のほうがずっと優秀だということを教えあげる!」
「そうか。それは楽しみだ。だが、我が一撃、二撃目も容易く受けられると思うなよ?」「上等だよ!」
 悠璃の瞳が√能力の発露に輝く。
 彼女の狸の尾が翻る。
 それは一見すれば、何の意味のない光景だっただろう。

「これが噂の|狐狸妖刀陣《コリヨウトウジン》ってわけッ!!」
 振るわれるは尾による居合の一撃……否。
 一撃の合間に放たれる二段構えの二連撃。
 それは違わず『デュミナスシャドウ』の体躯へと叩き込まれ、血潮を噴出させる。
 だが、彼の爪は即座に……三秒の間であれば敵を傷つけることで受けた傷を癒やすことができる。
「舐めるな」
「舐めてなんかないよって」
「ただの尾の連撃がここまでの鋭さを持つとはな。刀は使わないのか」
「言ったじゃない。狸の優秀さを教えてあげるって。なら、これは」
 そう、手にした錬成剣と尾。
 不意をつく二連撃。
 悠璃は笑って己に迫る『デュミナスシャドウ』にどろん煙幕を投擲し、煙に巻くように走り抜けていく。

「これが狸の化かし……ってね!」
 煙幕に紛れて悠璃は駆け抜け続ける。
 三秒なんてあっという間だ。これで『デュミナスシャドウ』は己が与えた傷を癒やすこともできない。
 敵が強大であっても、やれることはあるのだと彼女は笑って煙の中を走るのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

中村・無砂糖
『力こそが強者こそが勝者こそが世の全て』
と昔に誰かが言ってたような気がするのう
はて?過去の己自身であったじゃろうか?

「まあ、ココからはガチンコ勝負というのには違いないわけじゃのう」

さてどう攻めようか、先ほどと同じ手段では芸がない……ということで
ついさっき閃いた仙術をお披露目しようかのう!

でも殴られのは嫌じゃ
霊剣を尻に挟み込んみながら数歩バックステップして
「あー、そこで暫し待たれよ。…上手くいくかのう?仙術・サンバースト!…ってことでオーライ、ベイベーじゃ」

遠距離から√能力
仙術気象決戦兵器「サンバースト」を指パッチンして呼び寄せ
デュナミスシャドウやらにちょっと新しい『仙術』を披露してみるのじゃ。

『力こそが強者こそが勝者こそが世の全て』
 その言葉を思い出す。
 はるか昔に誰かが言っていたような気がするし、誰もが至る道の傍らにあるものであったことだろう。
 謂わば、それは通過点にすぎない。
 どこまで言っても、だ。
 力だけでは真理には程遠く。
 故に、中村・無砂糖(自称仙人・h05327)は首を傾げる。
「はて?」
 過去の己自身の言葉であったかもしれないし、対峙した誰かの言葉であったかもしれない。
 が、彼にとっては、その力や強者、勝者といったものは、全て過去のこと。
 通り過ぎて去っていったものでしかない。

「まあ、ココからはガチンコ勝負というのには違いないわけじゃのう」
「然り」
 簒奪者『デュミナスシャドウ』の力は圧倒的だ。
 対峙してよくわかる。
 どう考えてもインビジブルから引き出すエネルギーの総量が違い過ぎるのだ。それほどまでに邪悪なインビジブルが蓄えているエネルギーは多い。
 とは言え、だ。
 先ほどと同じような手段では芸が無い。
 流行り廃りというのは、いつだって此方の都合など聞いてはくれない。
 故に尻から霊剣を離して無砂糖は考える。

「うむ! 閃いた!」
「であれば、御老体には悪いが」
 踏み込まれた、と思った瞬間にはもう眼前に『デュミナスシャドウ』の顔があった。
 速すぎる。
「な、殴られるのは嫌じゃ!」
 やっぱり、ちょっとタンマ! と言わんばかりに無砂糖はやっぱり尻に霊剣を挟んだまま器用にバックステップする。
 ご自慢の髭の先がトリミングされてしまったのを見てしまったのだ。
 丹精込めて伸ばしてきたのだ。
 手入れだって馬鹿にならない。
 それを容易く『デュミナスシャドウ』の爪が切り裂いたのだ。

「あーっ!」
「かすめる程度……身のこなし、只者ではないようだ。だが!」
「あー、そこで暫し待たれよ」
「何を」
「オーライ、ベイベー」
 天に座すのは、|仙術決戦気象兵器「サンバースト」《サテライトビーム・サンバースト》。
 その一撃は無砂糖の指が打ち鳴らされた瞬間に、光の柱として降り注ぐ。
「陽の如き光と熱のサテライトビームじゃ、とくと味わうがよいぞ」
 間断なく注ぐ光の柱。
 それは凄まじい熱量と圧力で持って『デュミナスシャドウ』を抑え込み続ける。

「ぐっ……!」
「『デュミナスシャドウ』とやら、これがちょっと新しい『仙術』ってやつじゃ」
 そう言って無砂糖は笑う。
 いつだっておかしみを。
 戦いという粗野粗暴なる振る舞いは華美のかけらすらない。
 華やぐものなくば、潤いもない。
 そんな戦いを望むのならば、とサテライトビームは『デュミナスシャドウ』の身へと降り注ぎ続けるのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

虞・無限
アドリブ・連携歓迎

「プラグマの改造人間か。愛を知らず強さだけを求める悲しき者よ、俺が止めて見せる」

 敵が跳躍して闇の炎をまとったキックを繰り出そうとする瞬間を見極める。
「その一撃、見切ったぞ!」
 √能力を発動し、身体を加速させる。敵が炎の輪を抜ける刹那、シャドウ・ヴィークルの進路に飛び込むようにして懐に潜り込む。超高速で繰り出した拳を、デュミナスの跳躍中の胴体に叩き込むと同時に、自らの片腕を破壊し再行動。
「今回の戦いはこれまでだ。片腕くらい持っていけ!」
 「8 力」のカードを《ソードブレイザー「タロットカードローダー」》にロードさせ、一気に切り裂く。
「俺達の未来は、お前には奪わせない!」

 降り注ぐ光。
 それは簒奪者『デュミナスシャドウ』を押さえつけるものであり、その体躯を軋ませるものであった。
 だがしかし、『デュミナスシャドウ』は仮面の奥で笑う。
「すばらしいな。邪悪なインビジブルのエネルギーを引き出せずとも、我をここまで押さえつけるとは。だが」
 光の中に『シャドウ・ヴィークル』が飛び込み『デュミナスシャドウ』を乗せて脱するのだ。
「戦いを経て我はさらなる力を得る。研鑽によってな。全ては『プラグマ』のために!」
「『プラグマ』の改造人間か」
  虞・無限(愛に生きる改造人間・h02759)は、『シャドウ・ヴィークル』を駆る『デュミナスシャドウ』を見やり、構える。

「愛を知らず、強さだけを求める悲しき者よ、俺が止めて見せる」
「できるかな。貧弱なエネルギーしか引き出せぬ諸君らに。この我の力を」
「やってみせるさ。何故ならば」
 己の背には愛がある。
 それこそが戦う理由。
 負けられぬ理由。
 勝利を求める理由。
 いつだってそうだ。己は愛のために戦っているのだ。ならばこそ、我欲のためだけに戦う者には負けぬと無限は、その瞳を持って『デュミナスシャドウ』を睨めつける。
「愛ゆえに!」
「そんなものに何の価値がある。無意味な言葉だな」
『デュミナスシャドウ』が『シャドウ・ヴィーグル』のシートを蹴って高く飛ぶ。

 その跳躍は凄まじく、炎の環が生まれる。
 噴出するは闇の炎。
 苛烈なる力は、邪悪なるインビジブルより引き出された膨大なエネルギーがあればこそだった。あれだけの力を有するのならば、確かに己が思う愛など些細な力に思えたことだろう。
 だが、無限の瞳は闇の炎纏う『デュミナスシャドウ』を捉えて離さなかった。
「その一撃、見切ったぞ!」
 ブレイキング・ブースト。
 加速に寄る踏み込み。
 それは『ドロッサス・タウラス』との戦いでも見せた√能力だった。
「同じ手を二度も使うとはな! 舐められたものだ!」
 炎の環をくぐり抜けた瞬間、敵は加速する。
 超高速で無限は己の拳を叩き込む。
 激突する蹴撃と拳。
 結果は言うまでもなかった。

 砕ける拳。
 そう、無限の拳が蹴撃によって砕かれたのだ。
「愛、儚き力よ」
「そうか。そう思うのは、それがお前の限界だからだ。片腕を失おうとも!」
 無限の瞳が√能力に煌めく。
 手にしたアクセプトカード。
 タロットが示すは『力』。
 手にしたソードブレイザーにロードした瞬間、『デュミナスシャドウ』は見ただろう。
 己が蹴撃を受けて破壊された拳。
 それさえも彼にとっては布石でしかなかったのだ。

 そう、彼の√能力は己が片腕を犠牲にすることで即座に再行動することができる。
 振るうソードブレイザーに『デュミナスシャドウ』は対応することなどできない。
「俺達のミライアh、お前には奪わせない!」
 一閃が走る。
 その一撃は煌めくように『デュミナスシャドウ』という闇を切り裂く光そのものだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

七々手・七々口
「逃げる気はねーけどなー。なんかめんどいし。(4袋目をもしゃもしゃ)」

√能力で暴食な魔手を貪食の魔物に変えて戦う。この為にお菓子をいっぱい食べたんです(後付け説明)
とりま、熱を奪う冷気のブレスをばら撒いて敵の動きを妨害。寒さで震えたら良いわー。
動きが鈍くなればこれ幸いと、他の魔手達のフォローを受けた貪食の魔物による食い千切り攻撃。狙いは腕かな?一本奪えたら良きかねぇ。
後は、貪食の魔物が攻撃くらうとオレのカロリーがガン減りするんで、他の魔手達には防御も頼んどくかなー。

まあ、チャンスがあれば敵の攻撃無視して首に喰らい付いてもらうけど。
限界を迎えないように気をつけながらね。

 斬撃の一撃が簒奪者『デュミナスシャドウ』の体躯を切り裂く。
 血潮の代わりに噴出するのは闇。
 その闇を抑えながら『デュミナスシャドウ』は不敵に笑むようだった。
「ふ、フハハハ、面白い。戦いとはそうでなくてはならない。そのとおりだ、√能力者たちよ。諸君らの言う通りだ。我はまだ、まだ強くなれる!」
 煌めく√能力の発露。
 フォームチェンジによってケルベロスと天秤座の力を得た『デュミナスシャドウ』は、その手にした『ケルベロスソーサー』を投げ放つ。

 弧を描くようにして鋭い回転の斬撃が七々手・七々口(堕落魔猫と7本の魔手・h00560)を襲う。
「逃げる気はねーけどなー。なんかめんどいし」
 駄菓子の袋、四袋目である。
 われた破片を口に流し込みながら、七々手は尾の魔手を器用に使って『ケルベロスソーサー』の斬撃を躱す。
 とは言え、そうそう何度もできるものではない。
「腹減るから、あんましやりたかないんだけどなー」
「生きているからこそであろう。その空腹もまた」
 振るわれる『ケルベロスソーサー』に七々手は、己が√能力を発露させる。

「|暴食な牙《ボウショクナキバ》、このためにたっぷり駄菓子を食ったんだ。しっかり働いてくれよー」
 瞬間、七々手の体躯、その尾が変貌する。
 あらゆるモノを喰らう貪食の魔物。
 放たれるは汎ゆる熱を奪う冷気のブレス。
 迫る『ケルベロスソーサー』を弾きながら、貪食の魔物は一気に『デュミナスシャドウ』へと襲いかかる。
「凄まじいな。だが、その力……無制限というわけには行かぬのだろう?」
「わーってるよ。だから、防御してんだろうがよー」
 そう、この√能力は多大なカロリーを消費する。
 七々手の小さな体躯に収められるカロリーというエネルギーの総量はどう考えても少ない。
 だからこそ、一気に勝負を決めなければならないのだ。

「でもよー。おめーも大概だろうが。今までの√能力者たちの攻撃が、まったく効いてなかった、なんてこたーあるめーしよー」
「……その通りだ。だからこそ!」
 踏み込む。
 自暴自棄なのか? いや違う。
 敵は確実に此方の能力の弱点を見切っている。ならばこそ、七々手は己を護るようにして魔手で身を覆う。
 狙っているのはこちらのカロリー切れだ。
 だが、そのためには此方に接近しなければならない。であるのならば。
「近づいたのが仇となったなー」
 自身のカロリーの限界などとっくにわかっている。
 だからこそ、七々手は己を守っていた魔手たちを開放し、『デュミナスシャドウ』の四肢へと掴みかかる。

「……なに?」
「そっちが接近すればなー、こっちだって最小限の動きで最大限の攻撃ができるってもんだろうがよー」
 だから、これが、と笑う。
 迫る『ケルベロスソーサー』をなぎ倒しながら、暴食の魔手が変じた貪食の魔物が『デュミナスシャドウ』の腕に食らいつく。
 噴出する闇。
 引きちぎられた腕。
 それは確かに戦いの趨勢を傾ける一撃だった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

朔月・彩陽
アドリブその他諸々歓迎

けほ……子供を悲しませる事はしたあかんわな。後は……なんつうかちゃっちいことしよってからに。
たかがされどはどっちでもええよ。些細な事を奪ったからには……許したアカン事やねんなー
【月の御霊の式神達】。いってきい、【突撃】や。
《月の御霊の式神達》を使って√能力で突撃やで。多数の式神達を乗り越えて、此処まできてみぃや。
……出来るもんならな。

 血潮の代わりに噴出するのは闇だった。
 まるで暗黒。
 そう思えるほどの闇を失った片腕の傷口から噴出させ、簒奪者『デュミナスシャドウ』は、むしろ笑っていた。
 愉しくて仕方がないといった様子でもあっただろう。
 そこにあるのは、死への恐怖ではない。
 √能力者に死は意味がない。いや、Ankerという逃れ得ぬ死の定めはあれど、しかし、それ以外では例外中の例外がない限りは、死後蘇生をもって復活する。
 故に簒奪者もまた同様なのだ。

 そして『デュミナスシャドウ』は戦いの中で己の力を磨くことに固執する簒奪者。
「ふ、やはり諸君らは素晴らしい。劣るエネルギー総量。成長限界。そうでありながら、まだ我に食らいつくどころか、傷を追わせる。なんて素晴らしいのだ」
「けほ……はいはい」
 わかったから、と朔月・彩陽(月の一族の統領・h00243)は咳き込みながらも、戦場となった√マスクド・ヒーローのとある商店街に足を踏み出していた。
「どんだけ高尚なことを宣うにしてもや、子供を悲しませることはしたらあかんわな」
「知ったことではない。戦いとは常にそういうものだ。犠牲は生まれるし、然るべきものだ。それが速いか遅いか。それだけのこと」
「……力を得る為に、ただそれだけのために、そんなことを?」
「そうだ。それ以外に何がある」
 右腕の爪が揺らめく。
 √能力、と彩陽は瞬時に理解しただろう。

「……なんちゅうか、ちゃっちいことしよってからに。まったくもって、論外や。たかが、されどはどっちでもええよ。些細なことを奪ったからには……許したアカンことやねんなー」
「ならば、どうする!」
 踏み込まれた瞬間、鉤爪の一閃が彩陽を襲う。
 しかし、彼を護るようにして現れた式神の群れが爪の一撃を受けてかき消されながらも、彩陽の体を『デュミナスシャドウ』から引き剥がす。
 突きの一族の統領に代々受け継がれrう式神たちの力は、凄まじい突撃となって『デュミナスシャドウ』を追いやり、濁流のように彼を彩陽から引き離していくのだ。
「くっっ……!」
「片腕ではしのぎきれんやろ。驕ったがゆえってやつや。俺らを見縊った結果や」
 そう、確かに簒奪者は強い。
 そもそも邪悪なインビジブルからエネルギーを引き出せる、という時点で己達√能力者よりも遥かにエネルギー総量が違うのだ。

 だが、彼らは単体。
 己達は仲間と共に戦う。
 であるのならば、単体のエネルギー総量を数で補うことができる。
 そして、それを彩陽は、|月の御霊の式神達《ヒキツガレシイチゾクノイサン》と共に行うことができるのだ。
「我が名に応え、我が命に応え、ってな。名に刻まれた使命は……俺に近づくみみっちいやつを追いやることや」
 そう言って彩陽は、迫る『デュミナスシャドウ』を退け続け、ただの一歩たりとも彼をその場から進ませることはなかったのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

ケヴィン・ランツ・アブレイズ
へえ、そんな隠し球を持ってたとはな。
……面白くなってきたじゃねェか! ちょいと不謹慎だが、ツワモノ相手ってのは燃えるぜ! 俺もブッ飛ばし甲斐があるってモンだ!
(武者震いしつつ、一度はパージした武装を再装備)

速度と手数では圧倒されてるから、ここはどっしり構えるか。
纏った武具で〈受け流し〉〈盾受け〉〈ジャストガード〉しつつ、〈念動力〉〈オーラ防御〉も併用して守りながら隙を突いて〈力溜め〉。

相手が必殺技で決めにかかったら√能力使用。ソイツを打ち消す。
奥の手があるのはお互い様、ってなァ!

相手の能力を打ち消したら、ここぞとばかりに反撃。
「竜魂の火種」で〈恐怖を与え〉、〈重量攻撃〉をお見舞いだ……ッ!

 鋼鉄の鎧の如き体躯。
 それが『ドロッサス・タウラス』だった。 
 √能力者たちはこれを砕いた。だが、待っていたのは『ドロッサス・タウラス』の凄まじ力すらもうちに秘めた簒奪者『デュミナスシャドウ』の強大な力を抑える拘束具であったという事実。
「へぇ、そんな隠し玉を持ってたとはな」
 されど、敵も追い詰められている。
 数多の√能力者たちによる攻勢。
 これによって『デュミナスシャドウ』は片腕を失っているのだ。
 傷口から溢れるのは血潮ではなく、闇。
 溢れ出すそれを認めた、ケヴィン・ランツ・アブレイズ(“総て碧”の・h00283)は、不敵に笑む。

 確かに状況は好転したとは言え、未だ戦いの趨勢はどうなるかわかったものではないからだ。
 それほどまでに己達の個としての力と『デュミナスシャドウ』との間には歴然とした差があるのだ。
「……面白くなってきたじゃねェか!」
「フッ……君もそう思うか」
「ちょいと不謹慎だがな。ツワモノ相手ってのは燃えるぜ! 俺もブッ飛ばし甲斐があるってモンだ!」
 武者震いが体を走り抜ける。
 敵の力は未だ衰えるものではない。
 フォームチェンジによって、さらなる力を得た『デュミナスシャドウ』の周囲に飛ぶ、『ケルベロス・ソーサー』は回転と飛翔とでもって己を四方から攻撃するだろう。

 これを躱すのは至難の業だ。
 故に一度はパージした鎧を身にまとい、ケヴィンは構える。
「ほう、鎧を纏うか。しかし、それで我が『ケルベロス・ソーサー』は!」
 防げるものではないと言わんばかりに飛ぶ鋭き刃は、事実ケヴィンの鎧を刻み、凄まじい衝撃を彼に与えるだろう。
 オーラ防御を併用してもなお、骨身に浸透するような痛みにケヴィンは顔をしかめる。
「どうした! 護るばかりでは勝てぬ。それを理解していながらなお護るか」
「ああ、そうだな……だがよ、奥の手があるのはお互い様、っなァ!」
 ケヴィンは果敢にも『ケルベロスソーサー』が閃く中を猛進し『デュミナスシャドウ』の懐に飛び込む。
 
 だが、翻る『ケルベロス・ソーサー』を隻腕で掴み取り、ケヴィンの脳天へ振り下ろすのだ。
「ハッ! だよな、そう来るよなァ! だからよ!」
 右手。
 己が右手はルートブレイカー。
 あらゆる√能力を打ち消す力。
 触れるのは、『デュミナスシャドウ』の体躯。
 そう、フォームチェンジもまた√能力であるというのならば、その力自体を打ち消すのだ。
「我が鎧が狙いか!」
「おうよ!」
 迸るは、己が魂に残された竜としての欠片。
 しかし、欠片とて燃え上がるもの。膨れ上がる火種のままに己が手にした戦斧を『デュミナスシャドウ』へと叩き込む。
 捨て身。
 されど、ただ捨てるだけではない。己が身を砲弾とするように渾身の力を込めた戦斧の一撃は『デュミナスシャドウ』を吹き飛ばし、その苛烈なる炎のゆらめきを戦場に立ち上らせるのであった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

クラウディア・アルティ
なんか出てきましたー!?
まさか中の人がいたとは……しかも変身する
こんな子供がワクワクする展開なのに、悪い人だとは……残念です

じゃあわたしが前に立つという姿をお見せしましょう!
いつだって、楽しい時も苦しい時も一緒なんです……!
【ディバイン・プロテクション】!!
ドラゴン・ミラージュ、お願いします! いきますよー!!
ドラゴンブレスで攻撃です!
機動力があがって当たりづらくっても、頑張ってドラゴン・ミラージュ!
攻撃を受けたところでドラゴンミストで回復していけば
変身する人ってエネルギーをたくさん食うって聞きますが
あなたはどうでしょう?
長期戦ならわたしとドラゴン・ミラージュにも勝ち目があるはずです!

「なんかでてきましたー!?」
 着ぐるみショーにおいて、中の人というのは当然いて然るべきものである。
 が、これは現実だ。
 ショーでもなんでもない。
 真の戦いなのだ。
 だからこそ、クラウディア・アルティ(にゃんこエルフ『先生』・h03070)は、『ドロッサス・タウラス』の砕けた鋼鉄の駆体より現れた簒奪者『デュミナスシャドウ』の姿に驚愕したのだ。

「まさか中の人がいたとは……しかも変身する。こんな子供がワクワクする展開なのに、悪い人だとは……残念です」
「これが我が力よ。どれだけ打ち消されようとも、諸君らとはエネルギーの総量というものが違う!」
『デュミナスシャドウ』は、さらに邪悪なるインビジブルからエネルギーを引き出し、再び解除されたフォームチェンジを成した。
 煌めく星座の力。
 加えてケルベロスの力をも有した体躯は、闇の炎を噴出させながら『ケルベロスソーサー』の一撃をクラウディアに見舞うのだ。

「であるのなら、わたしが前に立つという姿をお見せしましょう! いつだって楽しい時も苦しい時も一緒なんです……! ディバイン・プロテクション!!」
 クラウディアの瞳が√能力に煌めく。
 確かに邪悪なインビジブルと通常のインビジブルとでは、そのエネルギーの総量が違う。
 圧倒的とも言っていい。
 それが簒奪者と√能力者との間に横たわる歴然たる差だ。
 だが、そのエネルギー総量の全てが戦いを決する要因とは言えない。
 それをクラウディアは知っている。
 そして、『デュミナスシャドウ』もまた身を持って実感しているだろう。
 他の√能力者たちの攻勢によって、すでに彼は隻腕となっている。

「ドラゴン・ミラージュ、お願いします! いきますよー!!」
 噴出するは、護霊『ドラゴン・ミラージュ』のブレス。
 噴出する炎は『ケルベロス・ソーサー』を融解しながら『デュミナスシャドウ』を飲み込むようだった。
 しかし、そのブレスを切り裂いて『デュミナスシャドウ』はクラウディアに迫る。
「確かに強烈な一撃だ。だが、それだけだ。それで我を止めようなどと!」
 振るわれるソーサーの一撃をクラウディアは受けて吹き飛ぶ。
 だが、次の瞬間、護霊『ドラゴン・ミラージュ』のミストによって傷が塞がっていくのだ。
「くふっ……! 確かに凄まじいですね。ですが、どうです? その変身、エネルギーを沢山使うのではないですか? 如何に邪悪なインビジブルからエネルギーを引っ張っているとは言え、それにも限度というものがあるでしょう?」

 そうだ。
 その通りだ。だから、『デュミナスシャドウ』は己が失った腕を回復することができていない。
 ここまで来てなお、膨大な力をたぐるのは、己たち√能力者を排除するためだ。
 不退転なのは彼も同じなのだ。
「あなたもそうなのでしょうね。だから! これはもとより」
「長期戦に持ち込むつもりか」
「そのとおりです。だって、戦っているのは私だけではないですから。私には仲間がいて、あなたにはいない。単純ですけど、簡単なことです!」
 クラウディアは『ドラゴン・ミラージュ』の背に乗って、その口腔より放たれるブレス、そしてミストでもって『デュミナスシャドウ』を終わり無きう長期戦へと引きずり込み、その膨大なエネルギーの総量の一角を突き崩すように戦い続けるのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

鬼島・祥子
アドリブ歓迎

それがテメェの本性って訳か。
ま、いいぜ、デュミナスシャドウ。真っ向勝負だ!

ケルベロスライブラフォームか。
機動力があるなら半端な攻撃は避けられるし、攻撃回数が多いなら受けに回るのもリスクがある。
……ああ、面倒臭ぇ! 破壊の炎を左右に撒いて、正面からぶつかる! 行くぞオラァ!
迎撃に振るわれるケルベロスソーサーにこぶしを叩きつけ……る直前で、パーで掴む!
ルートブレイカー! で、√能力を無効化・変身を強制解除ってな!
素面のスペックでもこいつの方が上手なんだろうが、2倍になってた能力値が突然戻ったら意表をつけるだろう。
その隙に、その面を左拳でぶん殴る! プラグマの思い通りにはさせねぇっての!

 隻腕となってなお、簒奪者『デュミナスシャドウ』は圧倒的な力でもって次々と並み居る√能力者たちと対峙していた。
 消耗戦だ。
 敵は一人ではないことは理解していたが、ここまで長期戦になるとは『デュミナスシャドウ』も思ってもいなかっただろう。
 故に彼は笑ったのだ。
「素晴らしい。やはり素晴らしいぞ。個としての力が及ばずとも、諸君らは恐れない。死後蘇生があるからではない。捨て鉢でもない。この我から勝利を得ることができるとい本気で信じているからこそ!」
「あーそういうこった。わかるだろ、『デュミナスシャドウ』」
 鬼島・祥子(武装少女レティシア・h02893)は、ヒーローマスクの内側にて鼻腔を衝く血潮の匂いに顔をしかめながら、しかし『デュミナスシャドウ』を前に立ちふさがる。

 倒した『ドロッサス・タウラス』の内側より現れた『デュミナスシャドウ』は、これまでの戦いの比ではない重圧を放っていた。
 しかし、祥子にとって、それは重要なことではなかった。
「ああ、これは素晴らしき戦いだ。我の力を高めるための玉石、それが諸君らだ!」
「なんもわかってねーな。ま、いいぜ。『デュミナスシャドウ』、真っ向勝負だ!」
「無論!」
 噴出する星座の力。
 天秤座とケルベロスの力を組み合わせたフォームチェンジ。
 それによって『デュミナスシャドウ』は強靭な力を発露し、祥子へと迫る。

「一撃で終わってくれるなよ、√能力者!」
『ケルベロス・ソーサー』の回転する鋭い刃が祥子を襲う。
 選択肢はいくつかあった。
 あの回転飛翔する『ケルベロス・ソーサー』は躱すべきだろう。それに一つではない。
 己を四方から襲うあの武器は厄介そのものだ。
 受ければ、それだけ此方のリスクが高まる。
 かと言って、此方の攻撃が確実に届くのかと言われたら、それも疑問とするところだった。
 いくつかの考えがないまぜになり始めた所で、祥子は頭を振る。
「……ああ、面倒ぇ!」
 身より噴出したのは、破壊の炎。
 視えぬ炎は、四方から迫る『ケルベロス・ソーサー』をおしのけ、真正面に『デュミナスシャドウ』を捉える。
 隻腕。
 敵は他の√能力者の攻撃によって片腕を失っている。
 であれば、その失った腕へと踏み込む。

「そう来るとわかっていたよ」
 振るわれるは、『デュミナスシャドウ』の腕。手にした『ケルベロス・ソーサー』が投げつけられ、失った腕側へと踏み込んだ祥子へと叩き込まれる。
「だろうな! それはこっちも一緒だってんだよ!」
 振るわれた一撃と拳が激突する……瞬間、祥子は拳を解いて掌でもって『ケルベロス・ソーサー』を掴む。
 回転する刃は彼女の掌を切り裂くが、気にもとめなかった。
「これが! ルートブレイカーの力だ! ごちゃごちゃした小細工は、掴んで壊してぇ――!!」
 踏み込む。

 砕けた『ケルベロス・ソーサー』。
「そ、それは……まさか!」
『デュミナスシャドウ』にとっては、二度目。
 ルートブレイカーによるフォームチェンジの解除。
 そして、その解除の一瞬の隙を狙って祥子は拳を握りしめる。
 確かにフォームチェンジのを解除してもなお、彼我の力の差は遠く歴然。
 だが、それでも祥子は構わなかった。血まみれの拳を握りしめ、『デュミナスシャドウ』の驚愕に染まる顔へと己が一撃を叩き込むのだ。
「どれだけ『プラグマ』が世界征服を企むのだとしてもなぁ! 思い通りにさせねぇっての! 憶えとけ!」
 振り抜かれた拳の一撃が『デュミナスシャドウ』を吹き飛ばし、祥子は荒れた息のまま血まみれの拳を天にかざすのだった――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

二階堂・利家
キエエエエエエエエアアアアアアア!!!!これ以上俺の目の前でカッコいいことをするのはやめろおおお!!嫉妬が羨望が苛立ちと腹立たしさが頭がおかしくなるうううい、い、い、い、こ、このままだと、、爆発してしまうぞ!!!!これが!これが真の闇の力だ!!俺の心の平穏の為に死ねえええええええ!!!!

◆√戦闘
殺戮ドローンを一斉展開
爆破+乱れ撃ちでミサイル一斉射!しねしねミサイル!!
爪攻撃で迎撃している内にダッシュ+バーサークで再接近して切り込み+怪力で刃を押し込む
君は私の一枚上手をいってみせることで私の顔を潰しました
悪の組織が陥りがちなエゴイズムだ

なるほど…言い逃れがお上手だ(無敵モード)
キック攻撃を身体で受け止めながら仙丹で食いしばり+継戦能力
血涙と吐血を屠竜大剣に吸わせて対標的必殺兵器形態に変形させ、インビジブル融合+重量攻撃で反撃する

結局何の話だったっけ?そうだプラモ…じゃなくてイマジネーションだった…
絶対にもっとカッコいい思い付きを実現してやるからな!覚えとけよこの野郎!?プンプンプーーーーン

 解除されたフォーム。
 簒奪者『デュミナスシャドウ』は√能力者たちの攻勢を前にして、その天秤座の力をう失う。
 されど、しかしである。
 隻腕となってなお、彼の瞳には戦いに対する欲が満ちていた。
「まだだ。我はまだ戦える。√能力者たちよ。来るがいい。我が力の研鑽のため。すべては『プラグマ』のために!」
 闇の炎をまといながら『シャドウ・ヴィーグル』に騎乗した『デュミナスシャドウ』は戦場を疾駆する。
 生み出されるは、炎の環。
 その環を空に浮かべ、『デュミナスシャドウ』はシートを蹴って飛ぶ。
 見上げる先にあるのは、幾重にも重なった環。

「キエエエエエエエエアアアアアアア!!!! これ以上俺の目の前でカッコいいことをするのはやめろおおお!!」
 二階堂・利家(ブートレッグ・h00253)は、めちゃくちゃにダメージを受けていた。
 肉体的というより精神的。
 もっと言うのなら、魂的にダメージを受けていた。
 それは『デュミナスシャドウ』が狙ったわけではない。ただ単に勝手に、とも言えるレベルで利家がダメージを受けていたのだ。
「嫉妬が羨望が苛立ちと腹立たしさが頭がおかしくなるうううい、い、い、い、こ、このままだと、爆発してしまうぞ!!!!」
「力への羨望は、当然のことだ。我も君も、求めるところは結局同じというわけだ。故に、その身に刻むがいい」
「黙れ! 殺戮ドローン展開! しねしねミサイル!!」
 √能力によって発露したレギオン。
 それらが一斉に放つミサイルの群れを前に『デュミナスシャドウ』は、その右腕の爪でもって切り払いながら、爆発の中を利家へと突き進む。

 爆風の中、まるでそれを厭わぬ突進。
 まるでミサイルが役に立っていない。
 だが、それでも利家は踏み込む。
「カッコイイことばっかりしやがって……! 許せない!」
「その渇望こそが、闇の力だ。君にも素質がある。ならば! 我と共に来い。研鑽によって力を増していけば、君が望む力も得られるだろう!」
 鉤爪と巨大剣が激突する。
「確かに君は私の一枚上手をいってみせることで私の顔を潰しました。それに対して怒ることも、この激情も全て、悪の組織が陥りがちなエゴイズムだ」
「それが君の本性だろう? なら、君が立つべき場所はそこではないはずだ。わかっているはずだ。なら」
「全部、この感情も俺のものだっていうのなら、そうなんだろう。なるほど。言い逃れがお上手だ」
 もう、利家に理屈は通用しない。

 乱れ撃ったミサイルの爆風の中を利家は巨大剣と爪の鍔迫り合いでもって押し込む。
 弾かれるようにして『デュミナスシャドウ』が宙に翻る。
 その眼前にあるのは、炎の環。
 そう、その炎の環をくぐることで放たれるは。
「デュミナス・キック!」
 闇の炎を噴出させながら、炎の輪を潜る度に加速していく体。その一撃は砲撃の一撃よりも凄まじいものであり、周囲に展開したレギオンすら、巻き込んで利家の体躯を打ち据える。

 血反吐が舞う。
 痛みが走る。
 だが、それを仙丹を噛み締めて耐える。
 それでも失った血潮は戻らない。血の涙を流しながら利家は己が血潮を手にした大剣に吸わせる。
「結局、何の話だっけ? そうだ、プラモ……じゃなくて『イマジネイション』だった……なら、絶対にもっとカッコいい思いつきを実現してやるからな!」
 踏み出す。
 血を吸った大剣は|対標的必殺兵器《ターゲットスレイヤー》へと変貌する。
 そう、利家の体躯には竜漿が満ちている。
 その竜漿を持って変形した大剣は、まさしく|破壊魔剣《 ブレイク》そのもの。
「万魔必滅」
「っ、来るか」
「ああ、覚えておけよこの野郎!?」
 体力気力の限界。
 それを越えての駆動。利家は己が体躯に残る竜漿を燃焼させて、その必殺の一撃を叩き込む。

 連綿と紡がれてきた√能力者たちの攻勢。
 これをつなぎ合わせるようにして彼の大剣の一閃が『デュミナスシャドウ』へと叩き込まれる。
 それは血潮たる闇を噴出させ、その体躯を両断してみせた。
「次があるの、なら」
「忘れたとは言わせない」
 再び見えることあるのか。
 それさえも定かではない。けれど、それでも利家は己が血を吸う大剣を地面に突き立て、崩れ行く『デュミナスシャドウ』が闇に消えるのを見つめるのだった――。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

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